JP3721134B2 - 傘除水機及び傘除水機の吸引構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、濡れた傘を除水する傘除水機及びその吸引構造に関する
【0002】
【従来の技術】
従来、傘に付着した水滴の除水方法としては、図15に示すような傘除水機がある。図に示す従来の傘除水機は、濡れた傘を挿入する筒体1と、傘のヒダに潜り込んで傘に付着した水滴を吸引する突起部2と、この突起部を覆い傘に付着した水滴を吸水する吸水体3と、吸水体3で吸水した水滴を突起部2から吸引する吸引手段4によって構成されている。
【0003】
突起部2は図16に示すように、吸水体3で吸水した水滴を突起部2の空洞内に導くための穴5が複数設けられており、吸引手段4はこの穴から吸水体3で吸水した水滴を吸引する構成となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の傘除水機では、傘のヒダは吸水体3と密着することにより吸水・拭き取りが行われるが、突起部2の構成上、傘のヒダ全てを吸水体3に密着させることは不可能であるため、吸水・拭き取り残し部分が発生する。かかる部分は吸水体3による吸水・拭き取りが行われないので濡れたままの状態となり、十分な傘除水効果を得ることが得られない可能性がある。
【0005】
また、吸収体3のみで傘に付着した水滴を吸引・拭き取りを行っていくと、本発明の構成により適度の吸引・拭き取り能力は維持されるが、傘の除水能力は突起部2の本数、構造等により完全に吸引・拭き取りが行われない可能性がある。
【0006】
更に従来の傘除水機では、吸収体3で吸水した水滴は吸引手段4により突起部2に設けた穴5を通って吸引されるが、突起部2の穴5からは当該穴5近辺の吸収体3からしか吸収体3で吸収した水滴が吸引されず、吸収体3のうち穴5から距離が離れた部分の水滴は穴5から吸引されない。つまり、突起部2表面は平坦であるため吸引力が分散し、穴5から距離が離れた部分では吸引手段4の吸引力が及ばないため、この吸引手段4の吸引力によっては吸水体3が吸水した水滴が吸引されず、吸水体3は濡れたままの状態となり、傘除水機の機能を果たさなくなってしまう。
【0007】
この問題を解決する手段として、(1)穴の面積を大きくする(2)穴の数を増やす等の手段により穴から距離が離れる部分を少なくすることが考えられる。しかし、(1)のように穴の面積を大きくすると穴5から吸引される吸引力は弱まり、(2)のように穴の数を増やすと突起部3全体における穴の面積が大きくなり、結果的に(1)と同様に穴から吸引される吸引力は弱まるため、十分な吸引効果を得ることができない。
【0008】
一方、穴から距離が離れた部分にも吸引手段4の吸引力が及んだとしても、突起部2表面は平坦であるため吸水して濡れた吸水体3は突起部2に密着し、この密着力が水滴の移動の抵抗となるため、十分な吸引効果を得ることができない。
【0009】
そこで本発明はかかる問題に鑑み、吸水体で吸水した水滴を確実に吸引・拭き取りを行うことが可能な傘除水機及び傘除水機の吸引構造を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明はかかる目的を達成するため、本発明にかかる傘除水機は、濡れた傘を挿入する筒体と、当該筒体内側に有し空洞部と当該空洞部から表面まで貫通する穴とを有する突起部と、当該突起部の穴から傘に付着した液体を吸引する吸引手段とを有し、前記突起部は、前記筒体内側の円周方向に複数有する当該筒体半径方向に長い第1の突起部と、当該第1の突起部の間に有する当該第1の突起部よりも当該筒体半径方向に短く、略三角柱状の第2の突起部とを有することとする。
【0012】
また、濡れた傘を挿入する筒体と、当該筒体内側に有し空洞部と当該空洞部から表面まで貫通する穴とを有する突起部と、前記筒体の傘挿入口に有し空洞部と当該空洞部から表面まで貫通する穴とを有する管状の吸引部と、当該突起部及び吸引部の穴から傘に付着した液体を吸引する吸引手段とを有することが望ましい。
【0013】
なお、前記突起部または吸引部表面を覆う吸水性の吸水体を有することが望ましい。
【0014】
また、本発明にかかる傘除水機の吸引構造は、吸水体で濡れた傘から吸水した液体を吸引する空洞部を有する吸引部を備えた傘除水機の吸引構造において、当該吸引部は、当該吸引部表面から当該空洞部まで貫通する穴と、当該吸引部表面に当該穴上を通る溝を有することとする。
【0015】
この場合、前記溝は、前記穴を基点とする葉脈状であることが望ましく、また、前記穴を交点とする2以上の線であることが望ましく、更に、前記溝は1以上の頂点を有し、前記穴は、前記頂点のうち少なくとも1以上有することが望ましい。
【0016】
また、本発明にかかる傘除水機の吸引構造は、濡れた傘を挿入する筒体と、当該筒体内側に有し空洞部と当該空洞部から表面まで貫通する穴とを有する突起部と、当該突起部の穴から傘に付着した液体を吸引する吸引手段とを有する傘除水機において、当該突起部は、表面に当該穴上を通る溝を有することとする。
【0017】
なお、前記突起部表面を覆う吸水性の吸水体を有することが望ましい。
【0018】
この場合、前記突起部は、前記筒体内側の円周方向に複数有することが望ましく、また前記筒体内側の同一軸方向に複数有することが望ましく、更に、前記突起部は、前記筒体内側の円周方向に複数有し、かつ同一軸方向に複数段有することが望ましい。
【0019】
また、前記突起部は、前記筒体内側の円周方向に複数有する当該筒体半径方向に長い第1の突起部と、当該第1の突起部の間に有する当該第1の突起部よりも当該筒体半径方向に短い第2の突起部とを有することが望ましく、前記第2の突起部は、略三角柱状であることが望ましい。
【0020】
また、前記傘除水機は、前記筒体の傘挿入口に有し空洞部と当該空洞部から表面まで貫通する穴とを有する管状の吸引部を有し、当該吸引部は表面に当該穴上を通る溝を有することが望ましい。
【0021】
なお、前記吸引部表面を覆う吸水性の吸水体を有することが望ましい。
【0022】
この場合、前記吸引部は、複数部分から構成され、当該複数部分全体で略円管状となることが望ましい。
【0023】
更に、本発明にかかる傘除水機における吸引構造は、濡れた傘を挿入する筒体と、当該筒体に設けられた穴と、当該穴から当該筒体内部の水滴を吸引する吸引手段を有する傘除水機において、当該筒体内部表面に当該穴を通る溝を有することとする。
【0024】
この場合、前記筒体内部表面を覆う吸水性の吸水体を有することが望ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】
次に本発明にかかる実施の形態について図面を参照して説明する。
【0026】
図1は本発明にかかる吸引構造を有する突起部を備えた傘除水機の模式図を示している。
【0027】
図において、傘除水機は、濡れた傘を挿入する筒体1と、傘のヒダに潜り込んで傘に付着した水滴を吸引する突起部2と、この突起部を覆い傘に付着した水滴を吸水する吸水体3と、吸水体3で吸水した水滴を突起部2から吸引する吸引手段4によって構成されている。
【0028】
突起部2は図2に示すように、吸水体3で吸水した水滴を突起部2の空洞内に導くための穴5が複数設けられており、吸引手段4はこの穴5から吸水体3で吸水した水滴を吸引する構成となっている。また、突起部2表面には、この穴5上を通り、穴5を基点とした葉脈状の溝6が複数設けられている。
【0029】
次に、本発明の動作について説明する。
【0030】
濡れた傘を傘除水機の開口部から挿入すると、傘の骨は突起部2により分離されて傘のヒダが突起部2を覆っている吸水体3に密着する。
【0031】
傘のヒダが吸水体3に密着することにより傘に付着した水滴は吸水体3で吸水される。また、傘の挿入動作に伴い、吸水体3は傘のヒダに密着しながら当該傘に付着した水滴を拭き取る動作が行われるため、吸水体3による吸水効率がより一層向上する。このように、傘に付着した水滴は吸水体3に拭き取られることで効果的に吸水することができるため、傘を挿入した後も傘を挿抜することで、より一層の効果が期待できる。
【0032】
そして、傘に付着した水滴を吸水した吸水体3はその内部に水滴を保持するが、保持する水滴の量が増えるに従い吸水能力が低下する。また、保持する水滴の量が許容量以上になると却って吸水体3から傘に水滴を付着させてしまい、傘除水機の本来の目的を達成できなくなってしまう。
【0033】
そこで、吸引手段4は突起部2の穴5から吸水体3内部に保持している水滴を吸引し、吸水体3内部に保持する水滴の量を所定量以下に維持させる。
【0034】
本発明はこの穴5を通り、穴5を基点とした葉脈状の溝6が設けられているため、吸引手段4の吸引力は穴5から溝6を伝って突起部2全体に及ぶ。しかも、穴5自体は吸引手段4の許容負荷の範囲内であれば極めて小さくても良いため、吸引力は極めて大きくなる。また、溝6は突起部2の表面に設けられるものであるため、溝6の断面積は穴5から距離が離れても変わることが無い。従って、穴5から距離が離れた部分の溝6においても吸引される流量がある程度維持されるため、吸引力の低下を抑制することができる。
【0035】
このように吸引される吸水体3内部に保持されている水滴は、吸水体内部3を伝って穴5まで伝わるルートと、溝6を伝って穴5まで伝わるルートがある。
【0036】
後者のルートでは、水滴の移動を妨げようとする吸水体3の抵抗は水滴の移動に及び難く、また溝は直接吸引力が及ぶため、吸水体3内部に保持されている水滴は、広い範囲で効率的に吸引される。
【0037】
以上の説明では溝6は図2に示すような形状であったが、図3に示すように穴5から距離が離れるに従い溝6の断面積を小さくしてもよい。このように、溝6を葉脈状とし、更に穴5から遠くなるに従い溝6の幅及び深さを小さくすることで、溝6を流れる空気の流量を全範囲で均一化して穴5から距離が離れるに従い吸引力が低下する問題を抑制することができる。
【0038】
また同様に溝6を図4に示すように、図3に示す溝6を2つ設けてもよく、更に複数設けることでも同様な作用効果が得られ、設計要求や実験等により適宜溝6を設ければよい。
【0039】
ここで、傘に付着した水滴をより効果的に除水するためには、傘除水機に雨傘を挿入した後に傘を挿抜させることになるが、この時、挿抜の方法によっては傘のヒダや骨が突起部2に引っかかり、傘を抜去できなくなることが想定される。
【0040】
そこで、図5に示すように、開口部から数えて1段目と2段目の突起部2を1つの突起部2とすることにより、傘のヒダや骨の引っかかりを無くす構成とすることができる。
【0041】
この場合、突起部2が長くなるため、突起部2下方に穴5を設けると、突起部2上方に及ぶ吸引力が弱くなり、良好に水滴を吸引できなくなる。
【0042】
そこで、突起部2表面に設ける溝6を、図6に示すような葉脈状とし、表裏面、上下面、側面の全てに溝6を設けている。
【0043】
図6に示した突起部2の構成を具体的に説明すると、突起部2表面の中心を上下に縦溝を設け、この縦溝から斜め上方に伸びる横溝を左右に設け、更に表裏の縦溝及び横溝が重なる部分の上下面及び側面にもそれぞれ溝6を設けている。
【0044】
また、縦溝と横溝の交点には1交点ずつ間を開けて穴5が設けられており、上下面の中心にも穴5が設けられている。
【0045】
このような構造とすることで、水滴が溝6を伝いやすくなると共に、溝6の全ての部分が穴5から近距離となるため、穴5から比較的距離が遠い部分であっても上記同様吸引力の低下を抑制することができる。
【0046】
なお、図6では突起部2表面に縦溝を1本だけ設けたが、図7に示すように、これを複数本設け、横溝を縦溝と交差する点を頂点とする折れ線の横溝としてもよい。この場合、穴5は隣接する縦溝で互い違いに設けることにより、より効率的な吸引が可能となる。
【0047】
次に、本発明にかかる別の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0048】
図8は本発明にかかる吸引構造を有する第1突起部及び第2突起部を備えた第2の傘除水機の模式図を示している。なお、この第1の突起部は第1傘除水機における突起部に相当するものであるため、第1の突起部を単に「突起部」として説明する。
【0049】
図において、第2の傘除水機の基本構成は図1及び図2に示した傘除水機と同様に、濡れた傘を挿入する筒体1と、傘のヒダに潜り込んで傘に付着した水滴を吸引する突起部2と、この突起部を覆い傘に付着した水滴を吸水する吸水体3と、吸水体3で吸水した水滴を突起部2から吸引する吸引手段4によって構成され、突起部2には、吸水体3で吸水した水滴を突起部2の空洞内に導くための穴5が複数設けられており、突起部2表面には、この穴5上を通り、穴5を基点とした葉脈状の溝6が複数設けられている。
【0050】
そして、第2の傘除水装置は更に、突起部2間に三角柱状の第2突起部8が設けられている。この第2突起部8は突起部2と同様に穴5と溝6が設けられており、図示しないが突起部2と同様に吸水体2が覆われている。
【0051】
第2突起部8の構成を具体的に説明すると、図9に示すように、側面中心部に縦溝が、縦溝から斜め上方に伸びる横溝がそれぞれ左右側面に設けられており、この左右側面の横溝はそれぞれ一本の溝となっている。
【0052】
また、縦溝と横溝の交点のうち、左右側面それぞれ交互に穴5が設けられている。
【0053】
次に、第2の傘除水機の動作について説明する。
【0054】
第1の傘除水機と同様に、濡れた傘を傘除水機の開口部から挿入すると、傘の骨は突起部2により分離され、傘のヒダが突起部2を覆っている吸水体3及び第2突起部8に密着する。
【0055】
ここで、第2突起部8を設けた理由を説明すると、傘のヒダは吸水体3と密着することにより吸水・拭き取りが行われるが、突起部2の構成上、傘のヒダ全てを吸水体3に密着させることは不可能であるため、吸水・拭き取り残し部分が発生する。かかる部分は吸水体3による吸水・拭き取りが行われないので濡れたままの状態となり、十分な傘除水効果を得ることが得られない可能性がある。そのため、かかる部分をできる限り少なくし、確実に傘除水効果を得るため、第2突起部8を設けたものである。
【0056】
その後の動作については、第1の傘除水装置と同一であるため、ここでの説明は割愛する。
【0057】
次に、本発明にかかる別の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0058】
図10は本発明にかかる吸引構造を有する突起部及び吸引部を備えた第3の傘除水機の模式図を示している。
【0059】
図において、第3の傘除水機の基本構成は図1及び図2に示した傘除水機と同様に、濡れた傘を挿入する筒体1と、傘のヒダに潜り込んで傘に付着した水滴を吸引する突起部2と、この突起部を覆い傘に付着した水滴を吸水する吸水体3と、吸水体3で吸水した水滴を突起部2から吸引する吸引手段4によって構成され、突起部2には、吸水体3で吸水した水滴を突起部2の空洞内に導くための穴5が複数設けられており、突起部2表面には、この穴5上を通り、穴5を基点とした葉脈状の溝6が複数設けられている。
【0060】
そして、第3の傘除水装置は更に、傘除水機の傘挿入口に円管状の吸引部9が設けられている。この吸引部9は突起部2と同様に穴5と溝6が設けられており、図示しないが突起部2と同様に吸水体2が覆われている。
【0061】
吸水体9の構成を具体的に説明すると、図11に示すように、吸引部9は、円管円周方向の表面に設けられた縦溝と、円管断面方向の表面に設けられた横溝と、縦溝と横溝が交差する交点に吸引部9表面から内部空洞まで貫通する穴5と、吸引手段4により吸水体9の空洞から水滴が吸引される接続部10とが設けられている。なお、吸水体9の構造をより分かり易くするため、図12に吸水体9の一断面を示す。
【0062】
次に、第3の傘除水機の動作について説明する。
【0063】
第1の傘除水機と同様に、濡れた傘を傘除水機の開口部から挿入すると、傘のヒダが吸引部9に密着しながら挿入され、その後、傘の骨は突起部2により分離され、傘のヒダが突起部2を覆っている吸水体3に密着しながら挿入される。このとき、傘に付着した水滴は吸引部9及び吸水体3によって吸水・拭き取りが行われる。
【0064】
ここで、吸引部9を設けた理由を説明すると、吸収体3のみで傘に付着した水滴を吸引・拭き取りを行っていくと、本発明の構成により適度の吸引・拭き取り能力は維持されるが、完全に吸引・拭き取りが行われるわけではない。従って、傘の除水能力は突起部2の本数、構造等により左右される。そこで、より高い除水能力を得るために、従来単なる傘挿入口であった部位に、円管状の吸引部9を設け、第1段階として吸収部9による吸引・拭き取りを行い、第2段階として吸収体3による吸引・拭き取りを行うこととしたものである。
【0065】
なお、傘のヒダは複雑な形状をしているものの傘の軸を中心に略円状となっており、また傘挿入口は一般に円形であるため、円状の傘挿入口に円管状の吸引部9を設けることで、効率よく吸引・拭き取りを行うことができる。
【0066】
その後の動作については、第1の傘除水装置と同一であるため、ここでの説明は割愛する。
【0067】
以上の説明では吸引部9は図11に示すような円管状であったが、図12に示すように吸引部9を複数部品から構成し、それぞれを傘除水装置の傘挿入口に設けることで、全体として略円管状になるように構成しても良い。
【0068】
次に、本発明にかかる別の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0069】
図14は本発明にかかる吸引構造を有する第4の傘除水機の模式図を示している。
【0070】
図において、第4の傘除水機の構成は、濡れた傘を挿入する筒体1と、筒体1内側を覆い傘に付着した水滴を吸水する吸水体3と、吸水体3で吸水した水滴を吸引する吸引手段4と、吸水体3で吸水した水滴を筒体1から吸引する穴5が複数設けられており、図示しないが、筒体1内側表面には、この穴5上を通り、穴5を基点とした葉脈状の溝が複数設けられている。なお、この溝は、第1から3の傘除水機における溝6と同様の構成である。
【0071】
次に、第4の傘除水機の動作について説明する。
【0072】
濡れた傘を傘除水機の開口部から挿入すると、傘のヒダが吸水体3に密着しながら挿入され、傘に付着した水滴は吸水体3によって吸水・拭き取りが行われる。
【0073】
その後の動作は、上記第1から3の傘除水機の突起2、第2の突起8、吸引部9を第4の傘除水機の筒体1に置き換えた動作と同様である。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、吸収体で吸水した液体を吸引する空洞部と穴を有する吸引部の表面に、当該穴状を通る溝を設けたことにより、穴からの吸引力が溝を伝い吸引部全面に及び、吸引部全面から吸水した液体を吸引することができるため高い吸引効果を得ることができ、また、吸収体で吸水した液体を効果的に吸引することができるため時間の経過によらず所定の吸水効率を維持することが可能となる。更に、全体の穴の面積を小さくすることができるため、穴からの吸引力は低下せずに強力に液体を吸引することができ、更に高い吸引効果を得ることができる。
【0075】
この場合、この溝を葉脈状とすることにより、さらに吸引部の隅々まで吸引力が及び、更に葉脈状の基点に穴を設けることで、吸引力及び溝を通る液体の流れが整えられるため、より高い効果を得ることができる。
【0076】
また、この溝を2以上の線とし、この交点に穴を設けることによっても、吸引力及び溝を通る液体の流れを整えることができ、更に、溝に1以上の頂点を設け、この頂点の何れか1又は複数穴を設けることで、より高い効果を得ることができる。
【0077】
一方、傘除水機においては、吸引手段による吸引力を伝達し、傘に付着した水滴を吸引手段により効率的に吸引するための突起部の構造として、突起部表面に穴を通る溝を設けることで、穴からの吸引力が溝を伝い突起部全面に及び、突起部全面から吸水した水滴を吸引することができるため高い吸引効果を得ることができ、また、吸収体で吸水した水滴を効果的に吸引することができるため時間の経過によらず所定の吸水効率を維持することが可能となり、傘の除水能力の高い傘除水機を得ることができる。更に、全体の穴の面積を小さくすることができるため、穴からの吸引力は低下せずに強力に水滴を吸引することができ、更に高い吸引効果を得ることができる。
【0078】
また、この突起部は、筒体内側に、円周方向に複数設け、また同一軸方向に複数設け、更に円周方向に複数、同一軸方向に複数段設けることで、傘の骨の本数や傘の長さ等に応じ、最適な除水効果を有する傘除水機を得ることができる。なお、複数段設ける場合に、傘挿入口側の突起部を同一軸方向に長くすることで、傘の挿抜により傘のヒダや骨が突起部に引っかかるのを防止することができる。
【0079】
更に、長い第1の突起部と短い第2の突起部を交互に設けることで、傘の骨を分離する役目をも持つ第1の突起部では除水しきれない部分を第2の突起部で除水することができる。なお、第2の突起部を第1の突起部と同じ長さにすると筒体中心部に突起部が集中して傘を傘除水機に挿入し辛くなるため、傘の骨を分離する必要が無い第2の突起部を第1の突起部よりも短くすることで、傘の挿入抵抗を軽減しながら効率よく傘の除水を行うことができる。
【0080】
この場合、第2の突起部を略三角形状とすることにより、傘のヒダと第2の突起部との密着性を向上させることができる。
【0081】
更に、傘挿入口に円管状の吸引部を備えることにより、突起部と併せ2段階で傘の除水を行うことができ、しかも傘が必ず通る傘挿入口にこの吸引部を設けることで、より効率的に傘の除水を行うことができる。
【0082】
この場合、吸引部を複数部分に分割して構成することにより、傘の挿入時にかかる吸引部の負荷を軽減することができ、また空洞加工等の製造を容易にすることができる。また、これにより吸引部の強度やデザイン等の要求に応じて自由に設計することができる。
【0083】
なお、上記傘除水機の突起部や吸引体がない傘除水機においても、筒体内部表面に穴を通る溝を設けることでも、上記同様、吸水体で吸水した水滴を効率的に吸引することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる第1の傘除水機の縦断面及び上面を示した図。
【図2】本発明にかかる突起部を示した図。
【図3】突起部における葉脈状の溝構成及び断面を示した図。
【図4】突起部における別の葉脈状の溝構成を示した図。
【図5】突起部の形状を変えた第1の傘除水機の縦断面及び上面を示した図。
【図6】図5に示す突起部を示した図。
【図7】図5に示す突起部の別溝構成を示した図。
【図8】本発明にかかる第2の傘除水機の縦断面及び横断面を示した図。
【図9】本発明にかかる第2の突起部を示した図。
【図10】本発明にかかる第3の傘除水機の縦断面及び透過上面を示した図。
【図11】本発明にかかる吸引部を示した図。
【図12】吸引部の横断面を示した図。
【図13】複数に分割した1の吸引部の斜視及び上面を示した図。
【図14】本発明にかかる第3の傘除水機の縦断面及び上面を示した図。
【図15】従来の傘除水機の縦断面及び上面を示した図。
【図16】従来の突起部を示した図。
【符号の説明】
1 筒体
2 突起部
3 吸水体
4 吸引手段
5 穴
6 溝
7 三角突起部
8 第2突起部
9 吸引部
10 接続部
Claims (19)
- 濡れた傘を挿入する筒体と、当該筒体内側に有し空洞部と当該空洞部から表面まで貫通する穴とを有する突起部と、当該突起部の穴から傘に付着した液体を吸引する吸引手段とを有し、前記突起部は、前記筒体内側の円周方向に複数有する当該筒体半径方向に長い第1の突起部と、当該第1の突起部の間に有する当該第1の突起部よりも当該筒体半径方向に短く、略三角柱状の第2の突起部とを有することを特徴とする傘除水機。
- 濡れた傘を挿入する筒体と、当該筒体内側に有し空洞部と当該空洞部から表面まで貫通する穴とを有する突起部と、前記筒体の傘挿入口に有し空洞部と当該空洞部から表面まで貫通する穴とを有する管状の吸引部と、当該突起部及び吸引部の穴から傘に付着した液体を吸引する吸引手段とを有することを特徴とする傘除水機。
- 前記突起部又は前記吸引部表面を覆う吸水性の吸水体を有することを特徴とする請求項1又は2記載の傘除水機。
- 吸水体で濡れた傘から吸水した液体を吸引する空洞部を有する吸引部を備えた傘除水機の吸引構造において、
当該吸引部は、当該吸引部表面から当該空洞部まで貫通する穴と、当該吸引部表面に当該穴上を通る溝を有することを特徴とする傘除水機の吸引構造。 - 前記溝は、前記穴を基点とする葉脈状であることを特徴とする請求項4記載の傘除水機の吸引構造。
- 前記溝は、前記穴を交点とする2以上の線であることを特徴とする請求項4記載の傘除水機の吸引構造。
- 前記溝は1以上の頂点を有し、前記頂点のうち少なくとも1以上に前記穴を有することを特徴とする請求項4記載の傘除水機の吸引構造。
- 濡れた傘を挿入する筒体と、当該筒体内側に有し空洞部と当該空洞部から表面まで貫通する穴とを有する突起部と、当該突起部の穴から傘に付着した液体を吸引する吸引手段とを有する傘除水機において、
当該突起部は、表面に当該穴上を通る溝を有することを特徴とする傘除水機の吸引構造。 - 前記突起部表面を覆う吸水性の吸水体を有することを特徴とする請求項8記載の傘除水機の吸引構造。
- 前記突起部は、前記筒体内側の円周方向に複数有することを特徴とする請求項8又は9記載の傘除水機の吸引構造。
- 前記突起部は、前記筒体内側の同一軸方向に複数有することを特徴とする請求項8又は9記載の傘除水機の吸引構造。
- 前記突起部は、前記筒体内側の円周方向に複数有し、かつ同一軸方向に複数段有することを特徴とする請求項8又は9記載の傘除水機の吸引構造。
- 前記突起部は、前記筒体内側の円周方向に複数有する当該筒体半径方向に長い第1の突起部と、当該第1の突起部の間に有する当該第1の突起部よりも当該筒体半径方向に短い第2の突起部とを有することを特徴とする請求項8又は9記載の傘除水機の吸引構造。
- 前記第2の突起部は、略三角柱状であることを特徴とする請求項13記載の傘除水機の吸引構造。
- 前記傘除水機は、前記筒体の傘挿入口に有し空洞部と当該空洞部から表面まで貫通する穴とを有する管状の吸引部を有し、
当該吸引部は表面に当該穴上を通る溝を有することを特徴とする請求項8又は9記載の傘除水機の吸引構造。 - 前記吸引部表面を覆う吸水性の吸水体を有することを特徴とする請求項15記載の傘除水機の吸引構造。
- 前記吸引部は、複数部分から構成され、当該複数部分全体で略円管状となることを特徴とする請求項15又は16記載の傘除水機の吸引構造。
- 濡れた傘を挿入する筒体と、当該筒体に設けられた穴と、当該穴から当該筒体内部の水滴を吸引する吸引手段を有する傘除水機において、
当該筒体内部表面に当該穴を通る溝を有することを特徴とする傘除水機の吸引構造。 - 前記筒体内部表面を覆う吸水性の吸水体を有することを特徴とする請求項18記載の傘除水機の吸引構造。
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