JP3720746B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、それらの機能を併せ持つ複合機等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にプリンタや複写機等の画像形成装置において、記録紙を転写ベルトに静電吸着させた状態で下流側に搬送しつつ感光体ドラムに形成されたトナー像をその記録紙に転写するようにした構造のものが知られている。このような画像形成装置では、帯電部により感光体ドラムの表面に静電領域が形成され、この静電領域に露光部から照射されるレーザ光等により画像データに基づく静電潜像が形成され、この静電潜像が現像部でトナー像に現像される。
【0003】
この感光体ドラムに形成されたトナー像は、転写ベルトに静電吸着された状態で感光体ドラムの転写位置に搬送されてきた記録紙に転写される。このトナー像の転写された記録紙は、転写ベルトにより下流側に搬送されると共に、転写ベルトから分離されて定着ユニット内に導かれ、定着ユニット内に配設されている定着ローラにより加熱されることでトナー像が定着され、その後に外部に排出される。なお、記録紙にトナー像が転写された後の感光体ドラムはクリーニング部で表面に残留しているトナーが除去される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の転写ベルトを用いた画像形成装置では、トナー像の転写された静電吸着された状態の記録紙を転写ベルトから分離させるための分離爪をその先端が転写ベルトに接触するような位置に配設しておく必要がある。このため、分離爪の先端が転写ベルトに接触することによりその転写ベルトの表面に傷が付き、転写ベルトが破損したり記録紙の静電吸着状態が不安定になったりするという虞があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、転写ベルトを破損させることなく記録紙を転写ベルトから容易に分離させることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、感光体ドラムの表面にトナー像が形成される画像形成手段と、転写ベルトを介して転写ローラが感光体ドラムに対向配置され、転写ベルト上の記録紙を下流側に搬送しつつ感光体ドラムのトナー像を記録紙に転写する転写搬送手段と、転写ベルト上の記録紙を搬送方向の先端から所定寸法だけ内側に入った位置より上流側の領域において当該転写ベルトに静電吸着させる静電吸着手段とを有する画像形成装置であって、前記静電吸着手段が、前記転写ローラにバイアス電圧を供給する第1のバイアス電圧供給手段と、当該第1のバイアス電圧供給手段により供給されるバイアス電圧とは逆極性のバイアス電圧を前記転写ローラに供給する第2のバイアス電圧供給手段と、上流側から搬送されてきた前記転写ベルト上の記録紙であってその略表面全域に前記第2のバイアス電圧供給手段によるバイアス電圧により生成される電荷とは逆極性の電荷が生成された記録紙における搬送方向の先端から前記所定寸法だけ内側に入った位置までの第1の領域が感光体ドラムと転写ローラとの間の転写位置を通過するときに前記転写ローラに対し前記第2のバイアス電圧供給手段によりバイアス電圧が供給されるようにする一方、前記所定寸法だけ内側に入った位置より上流側の第2の領域が前記転写位置を通過するときに前記転写ローラに対し前記第1のバイアス電圧供給手段によりバイアス電圧が供給されるようにするバイアス制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0007】
この構成によれば、上流側から搬送されてきた転写ベルト上の記録紙であってその略表 面全域に第2のバイアス電圧供給手段によるバイアス電圧により生成される電荷とは逆極性の電荷が生成された記録紙における搬送方向の先端から所定寸法だけ内側に入った位置までの領域の電荷が打ち消される結果、記録紙はその領域では転写ベルトに静電吸着されないかあるいは静電吸着力が弱くなった状態となる。このため、記録紙を転写ベルトから容易に分離させることができ、転写ベルトを破損させないようにすることができる。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1に係るものにおいて、前記画像形成手段が転写ベルトの搬送方向に沿って複数の感光体ドラムを備えると共に、前記転写搬送手段が転写ベルトを介して各感光体ドラムに対向配置される複数の転写ローラを備え、前記第1のバイアス電圧供給手段が各転写ローラに対しバイアス電圧を供給するものであり、前記第2のバイアス電圧供給手段が少なくとも最下流側の転写ローラに対しバイアス電圧を供給するものであり、前記バイアス制御手段が、上流側から搬送されてきた前記転写ベルト上の記録紙であってその略表面全域に前記第1のバイアス電圧供給手段により供給されるバイアス電圧により電荷が生成された記録紙における前記第1の領域が少なくとも最下流側の感光体ドラムと転写ローラとの間の転写位置を通過するときに当該転写ローラに対し前記第2のバイアス電圧供給手段によりバイアス電圧が供給されるようにする一方、前記第2の領域が当該転写位置を通過するときに当該転写ローラに対し前記第1のバイアス電圧供給手段によりバイアス電圧が供給されるようにするものであることを特徴としている。
【0009】
この構成によれば、上流側から搬送されてきた転写ベルト上の記録紙であってその略表面全域に第のバイアス電圧供給手段によるバイアス電圧により電荷が生成された記録紙における搬送方向の先端から所定寸法だけ内側に入った位置までの領域の電荷が第2のバイアス電圧供給手段によるバイアス電圧により打ち消される結果、記録紙はその領域では転写ベルトに静電吸着されないかあるいは静電吸着力が弱くなった状態となる。このため、記録紙を転写ベルトから容易に分離させることができ、転写ベルトを破損させないようにすることができる。
【0010】
また、請求項3の発明は、感光体ドラムの表面にトナー像が形成される画像形成手段と、転写ベルトを介して転写ローラが感光体ドラムに対向配置され、転写ベルト上の記録紙を下流側に搬送しつつ感光体ドラムのトナー像を記録紙に転写する転写搬送手段と、転写ベルト上の記録紙を搬送方向の先端から所定寸法だけ内側に入った位置より上流側の領域において当該転写ベルトに静電吸着させる静電吸着手段とを有する画像形成装置であって、前記転写搬送手段が前記転写ローラの下流側に除電ローラを備えたものであり、前記静電吸着手段が、前記転写ローラにバイアス電圧を供給する第1のバイアス電圧供給手段と、前記第1のバイアス電圧供給手段により供給されるバイアス電圧とは逆極性のバイアス電圧を前記除電ローラに供給する第2のバイアス電圧供給手段と、前記転写ベルト上の記録紙の略表面全域に電荷が生成されるように前記転写ローラに対し前記第1のバイアス電圧供給手段によりバイアス電圧を供給すると共に、前記転写ベルト上の記録紙における搬送方向の先端から前記所定寸法だけ内側に入った位置までの領域が前記除電ローラを通過するときに当該除電ローラに対し前記第2のバイアス電圧供給手段によりバイアス電圧が供給されるようにするバイアス制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0011】
この構成によれば、略表面全域に第1のバイアス電圧供給手段によるバイアス電圧により電荷が生成された記録紙の搬送方向の先端から所定寸法だけ内側に入った位置までの領域が除電ローラを通過するときにその領域の電荷が第2のバイアス電圧供給手段によるバイアス電圧により打ち消される結果、記録紙はその領域では転写ベルトに静電吸着されないかあるいは静電吸着力が弱くなった状態となる。このため、記録紙を転写ベルトから容易に分離させることができ、転写ベルトを破損させないようにすることができる。
【0012】
また、請求項4の発明は、請求項3に係るものにおいて、前記画像形成手段が転写ベル トの搬送方向に沿って複数の感光体ドラムを備えると共に、前記転写搬送手段が転写ベルトを介して各感光体ドラムに対向配置される複数の転写ローラを備え、前記除電ローラが少なくとも最下流側の転写ローラの下流側に配設されるものであることを特徴としている。
【0013】
この構成によれば、略表面全域に第1のバイアス電圧供給手段によるバイアス電圧により電荷が生成された記録紙の搬送方向の先端から所定寸法だけ内側に入った位置までの領域が最下流側の転写ローラの下流側に配設された除電ローラを通過するときにその領域の電荷が第2のバイアス電圧供給手段によるバイアス電圧により打ち消される結果、記録紙はその領域では転写ベルトに静電吸着されないかあるいは静電吸着力が弱くなった状態となる。このため、記録紙を転写ベルトから容易に分離させることができ、転写ベルトを破損させないようにすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の内部構成を概略的に示す図である。この図において、画像形成装置10は、タンデム型のカラープリンタを構成するもので、記録紙(転写紙)にカラー画像をプリントする本体部12と、本体部12の上方に配設され、本体部12でカラー画像のプリントされた記録紙が排出される記録紙排出部14とから構成されている。
【0015】
本体部12は、筐体18内の下部に配設された給紙カセット20と、筐体18内の上部に配設された画像形成部22と、筐体18内の画像形成部22の下方に配設された転写搬送部24と、筐体18内の転写搬送部24の下流側に配設された定着ユニット26と、給紙カセット20と転写搬送部24との間に配設された第1の搬送路28と、定着ユニット26と記録紙排出部14との間に配設された第2の搬送路30とを備えている。
【0016】
給紙カセット20は、筐体18の外部に引き出すことにより記録紙の補給が可能となっており、内部に集積された記録紙Pが図略の給紙ローラにより1枚ずつ第1の搬送路28側に繰り出されるようになっている。
【0017】
画像形成部22は、ブラックのトナー画像を形成する第1の画像形成ユニット221、シアンのトナー画像を形成する第2の画像形成ユニット222、マゼンタのトナー画像を形成する第3の画像形成ユニット223及びイエローのトナー画像を形成する第4の画像形成ユニット224とを備えている。
【0018】
各画像形成ユニット221乃至224は、感光体ドラム225と、感光体ドラム225の周面に対向して配設された帯電部226と、帯電部226の下流側であって感光体ドラム225の周面に対向して配設された露光部227と、露光部227の下流側であって感光体ドラム225の周面に対向して配設された現像部228と、現像部228の下流側であって感光体ドラム225の周面に対向して配設されたクリーニング部229とを備えている。なお、各画像形成ユニット221乃至224の感光体ドラム225は、図略の駆動モータにより図示の時計方向に回転するようになっている。また、各画像形成ユニット221乃至224の現像部228には、各トナーボックスにブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーがそれぞれ収納されている。
【0019】
転写搬送部24は、第1の画像形成ユニット221の近傍位置に配設された前ローラ(従動ローラ)241と、第4の画像形成ユニット224の近傍位置に配設された後ローラ(駆動ローラ)242と、前ローラ241と後ローラ242とに跨って配設された転写ベルト243と、各画像形成ユニット221乃至224の感光体ドラム225の現像部228の下流側における位置に転写ベルト243を介して圧接可能に配設された4つの転写ローラ244とを備えている。
【0020】
この転写搬送部24では、第1の搬送路28から搬送されてきた記録紙を図略の駆動モータにより回転駆動される後ローラ242により図示の反時計方向に回転する転写ベルト243により静電吸着して下流側に搬送すると共に、各画像形成ユニット221乃至224の転写ローラ244の位置で記録紙に対してトナー像が転写されるようになっている。この転写ベルト243は、例えばシリコーン等で表面をコーティングしたポリイミド樹脂等の耐熱性を有する樹脂材料により構成されている。また、各転写ローラ244は、導電性を有するゴム材料等で構成されている。なお、転写ベルト243上の記録紙に対する静電吸着機構及びその制御動作については後述する。
【0021】
定着ユニット26は、画像形成部22で感光体ドラム225の表面に形成されたトナー像が転写された記録紙を加熱することにより定着処理するものであり、熱遮蔽ボックス261と、熱遮蔽ボックス261内の上部に配設され、内蔵されたヒータにより加熱される定着ローラ262と、熱遮蔽ボックス261内の下部において定着ローラ262に圧接して配設された加圧ローラ263と、熱遮蔽ボックス261内の定着ローラ262及び加圧ローラ263の前部に配設され、転写搬送部24により搬送されてきた記録紙を定着ローラ262及び加圧ローラ263間に案内する前搬送路264と、熱遮蔽ボックス261内の定着ローラ262及び加圧ローラ263の後部に配設され、定着ローラ262及び加圧ローラ263間を通過した記録紙を第2の搬送路30に案内する後搬送路265とを備えている。
【0022】
第1の搬送路28は、給紙カセット20から繰り出されてきた記録紙Pを転写搬送部24側に搬送するものであり、所定位置に配設された複数の搬送ローラ対281と、転写搬送部24の手前に配設され、画像形成部22の画像形成動作と給紙動作とのタイミングを取るためのレジストローラ対282とを備えている。これらの複数の搬送ローラ対281とレジストローラ対282とは、図略の駆動モータにより電磁クラッチを介してそれぞれ個別に回転駆動される。
【0023】
なお、レジストローラ対282の手前にフォトインタラプタ等で構成されたレジストセンサ283が設けられており、記録紙の先端がレジストローラ対282に当接する位置にまで搬送されてくると、レジストセンサ283からの出力信号に基づき電磁クラッチが遮断されて搬送ローラ対281の回転駆動が停止され、記録紙の搬送が一旦停止される。
【0024】
第2の搬送路30は、定着ユニット26で定着処理された記録紙を記録紙排出部14に搬送するものであり、所定位置に複数の搬送ローラ対301が配設されると共に、出口側に排出ローラ対302が配設されている。これらの搬送ローラ対301及び排出ローラ対302は、図略の駆動モータによりクラッチを介して回転駆動されるようになっている。
【0025】
記録紙排出部14は、本体部12を構成する筐体18の上面に本体部12と一体に形成されたもので、第2の搬送路30から搬送されてきた定着処理の終了した記録紙を画像の形成された面が裏側になるようにして順次集積する。
【0026】
図2は、転写ベルト243上の記録紙に対する静電吸着機構及びその制御動作を説明するためのブロック図である。すなわち、第1の画像形成ユニット221の感光体ドラム225に対向配置されている転写ローラ244には、第1のバイアススイッチSW1を介してバイアス電圧供給部40からバイアス電圧が供給され、第2の画像形成ユニット222の感光体ドラム225に対向配置されている転写ローラ244には、第2のバイアススイッチSW2を介してバイアス電圧供給部40からバイアス電圧が供給されるようになっている。
【0027】
また、第3の画像形成ユニット223の感光体ドラム225に対向配置されている転写ローラ244には、第3のバイアススイッチSW3を介してバイアス電圧供給部40からバイアス電圧が供給され、第4の画像形成ユニット224の感光体ドラム225に対向配置されている転写ローラ244には、第4のバイアススイッチSW4を介してバイアス電圧供給部40からバイアス電圧が供給されるようになっている。
【0028】
このバイアス電圧供給部40に接続される第1乃至第4のバイアススイッチSW1乃至SW4は、例えばMOSFET等の半導体スイッチング素子により構成され、制御部42から出力される制御信号に基づいてON/OFF制御される。また、レジストローラ対282は、電磁クラッチ44の電磁コイルへの通電を制御するクラッチスイッチSWcが制御部42から出力される制御信号によりON状態とされることで駆動モータ46の回転が電磁クラッチ44を介して伝達されて回転駆動される一方、クラッチスイッチSWcが制御部42から出力される制御信号によりOFF状態とされることで駆動モータ46の回転伝達が電磁クラッチにより遮断されて回転駆動が停止される。
【0029】
このように構成されている画像形成装置10における転写ベルト243上の記録紙に対する静電吸着動作は、制御部42により次のように制御される。すなわち、図3のタイミングチャートに示すように、画像形成部22における画像形成動作とタイミング調整された時刻t1で制御部42から制御信号ScがクラッチスイッチSWcに供給されると、クラッチスイッチSWcがON状態となる結果、電磁クラッチ44がON状態になって駆動モータ46の回転がレジストローラ対282に伝達され、レジストローラ対282に当接した状態で一旦停止している記録紙が転写ベルト243上に搬送される。
【0030】
この転写ベルト243上に搬送された記録紙は、その下流側の先端が時刻t2に第1の画像形成ユニット221の感光体ドラム225と転写ローラ244との対向位置である転写位置230に到達する。そして、記録紙の先端が転写位置230を所定距離だけ通過した時刻t3(時刻t2からの経過時間ta)において制御部42から制御信号Sr1がバイアススイッチSW1に供給されることでバイアススイッチSW1がON状態になり、第1の画像形成ユニット221の感光体ドラム225に対向配置された転写ローラ244にバイアス電圧供給部40からバイアス電圧の供給が開始される。
【0031】
ここで、本実施形態では、各感光体ドラム225の表面には正極性の静電領域が形成されるようになっているので、バイアス電圧供給部40からは負極性のバイアス電圧が転写ローラ244に供給される。これにより、図4に示すように、転写ベルト243の転写ローラ244側表面にはプラス電荷が生成されると共に、転写ベルト243の記録紙P側表面にはマイナス電荷が生成される結果、記録紙Pの転写ベルト243側表面にはプラス電荷が生成され、記録紙Pの感光体ドラム225側表面にはマイナス電荷が生成される。このため、記録紙Pは転写ベルト243に静電吸着され、感光体ドラム225に形成されているトナー像の記録紙Pへの転写が可能な状態となる。
【0032】
なお、図5に示すように、記録紙Pの左右上下に画像の形成されない領域である記録しろ(非画像形成領域)が設定されるので、上記時刻t3には、記録紙Pの搬送方向の先端(下流側先端)から所定寸法Dだけ内側に入った画像形成領域に達するようになっている。このため、記録紙Pは、記録しろである所定寸法Dの領域では転写ベルト243には静電吸着されず、所定寸法Dだけ内側に入った位置よりも上流側の領域において転写ベルト243に静電吸着されることになる。
【0033】
そして、時刻t4になると、制御部42からクラッチスイッチSWcに供給されていた制御信号Scの出力が停止されてクラッチスイッチSWcがOFF状態となる結果、電磁クラッチ44がOFF状態になってレジストローラ対282への駆動モータ46の回転伝達が停止され、それ以降は記録紙は転写ベルト243に静電吸着されて下流側に搬送されることになる。
【0034】
また、時刻t5になると、記録紙の下流側の先端が第2の画像形成ユニット222の感光体ドラム225と転写ローラ244との対向位置である転写位置230に到達する。そして、記録紙の先端がその転写位置を所定距離だけ通過した時刻t6(時刻t5からの経過時間ta)において制御部42から制御信号Sr2がバイアススイッチSW2に供給されることでバイアススイッチSW2がON状態となる結果、第2の画像形成ユニット222の感光体ドラム225に対向配置された転写ローラ244にバイアス電圧供給部40からバイアス電圧の供給が開始される。これにより、記録紙は所定寸法Dだけ内側に入った位置よりも上流側の領域における転写ベルト243への静電吸着が継続される。
【0035】
また、時刻t7になると、記録紙の下流側の先端が第3の画像形成ユニット223の感光体ドラム225と転写ローラ244との対向位置である転写位置230に到達する。そして、記録紙の先端がその転写位置を所定距離だけ通過した時刻t8(時刻t7からの経過時間ta)において制御部42から制御信号Sr3がバイアススイッチSW3に供給されることでバイアススイッチSW3がON状態となる結果、第3の画像形成ユニット223の感光体ドラム225に対向配置された転写ローラ244にバイアス電圧供給部40からバイアス電圧の供給が開始される。これにより、記録紙は所定寸法Dだけ内側に入った位置よりも上流側の領域における転写ベルト243への静電吸着が継続される。
【0036】
さらに、時刻t9になると、記録紙の下流側の先端が第4の画像形成ユニット224の感光体ドラム225と転写ローラ244との対向位置である転写位置230に到達する。そして、記録紙の先端がその転写位置を所定距離だけ通過した時刻t10(時刻t9からの経過時間ta)において制御部42から制御信号Sr4がバイアススイッチSW4に供給されることでバイアススイッチSW4がON状態となる結果、第4の画像形成ユニット224の感光体ドラム225に対向配置された転写ローラ244にバイアス電圧供給部40からバイアス電圧の供給が開始される。これにより、記録紙は所定寸法Dだけ内側に入った位置よりも上流側の領域における転写ベルト243への静電吸着が継続される。
【0037】
そして、時刻t11になると、記録紙の後端が第1の画像形成ユニット221の感光体ドラム225における転写位置を通過し終わることになるため、この時点で制御部42からの制御信号Sr1の出力が停止されることでバイアススイッチSW1がOFF状態になって第1の画像形成ユニット221の感光体ドラム225に対向配置された転写ローラ244へのバイアス電圧の供給が停止される。時刻t12になると、記録紙の後端が第2の画像形成ユニット222の感光体ドラム225における転写位置を通過し終わることになるため、この時点で制御部42からの制御信号Sr2の出力が停止されることでバイアススイッチSW2がOFF状態になって第2の画像形成ユニット222の感光体ドラム225に対向配置された転写ローラ244へのバイアス電圧の供給が停止される。
【0038】
さらに、時刻t13になると、記録紙の後端が第3の画像形成ユニット223の感光体ドラム225における転写位置を通過し終わることになるため、この時点で制御部42からの制御信号Sr3の出力が停止されることでバイアススイッチSW3がOFF状態になって第3の画像形成ユニット223の感光体ドラム225に対向配置された転写ローラ244へのバイアス電圧の供給が停止される。そして、時刻t14になると、記録紙の後端が第4の画像形成ユニット224の感光体ドラム225における転写位置を通過し終わることになるため、この時点で制御部42からの制御信号Sr4の出力が停止されることでバイアススイッチSW4がOFF状態になって第4の画像形成ユニット224の感光体ドラム225に対向配置された転写ローラ244へのバイアス電圧の供給が停止される。
【0039】
なお、各時刻t1〜t14は、電磁クラッチ44の制御信号Scが制御部42から出力された時点を基準にして制御部42の接続されているタイマー48によりカウントが開始されて得られたものである。
【0040】
このように、図2に示す静電吸着機構が適用される本発明の画像形成装置10では、記録紙の下流側の先端が各画像形成ユニット221乃至224の感光体ドラム225における転写位置230を所定距離だけ通過したときに、転写ローラ244にバイアス電圧の供給が開始されるようになっているので、記録紙は所定寸法Dだけ内側に入った位置よりも上流側の領域で転写ベルト243に静電吸着されることになり、記録紙の下流側の先端から所定寸法Dだけ内側に入った位置までの領域では転写ベルト243に静電吸着されないことになる。
【0041】
このため、記録紙の先端部分は転写ベルト243から容易に離反可能となり、分離爪をその先端が転写ベルト243から離反した状態で配設しておいても記録紙の先端部分が確実に分離爪の先端に引っ掛かかることになって転写ベルト243から記録紙を分離させることができる。これにより、転写搬送部24の下流側に分離爪を配設する場合であっても転写ベルト243を損傷することがない。また、記録紙の先端部分が転写ベルト243から容易に離反可能となることから、分離爪を配設しておかなくても定着ユニット26へ導くことも可能となる。
【0042】
なお、バイアス電圧供給部40及び制御部42は、転写ベルト243上の記録紙を搬送方向の先端から所定寸法だけ内側に入った位置より上流側の領域おいて転写ベルト243に静電吸着させる静電吸着手段を構成する。
【0043】
図6は、転写ベルト243上の記録紙に対する別の静電吸着機構及びその制御動作を説明するための図である。この図6においては、図2に示すものと同一の構成要素については同一の参照符号を付すことで詳細な説明を省略し、以下においては図2に示すものとの相違点のみを説明する。
【0044】
すなわち、この図6に示すものでは、各画像形成ユニット221乃至224の転写ローラ244に図2に示すバイアス電圧供給部40と同様の構成になる第1のバイアス電圧供給部50からバイアススイッチSW1乃至SW4を介してバイアス電圧が供給される一方、最下流側の第4の画像形成ユニット224の転写ローラ244に第1のバイアス電圧供給部50からバイアス電圧が供給されていないときに制御部42からの制御信号によりON/OFF制御されるバイアススイッチSW5を介して第2のバイアス電圧供給部52か
らバイアス電圧が供給されるようになっている。
【0045】
この第2のバイアス電圧供給部52から出力される電圧は、第1のバイアス電圧供給部50から出力される電圧とは逆極性のものであり、第1のバイアス電圧供給部50から供給されたバイアス電圧により記録紙の表面に生成された電荷を打ち消す程度の大きさを有するものである。
【0046】
このように構成されている画像形成装置10における転写ベルト243上の記録紙に対する静電吸着動作は、制御部42により次のように制御される。すなわち、図7のタイミングチャートに示すように、画像形成部22における画像形成動作とタイミング調整された時刻t20で制御部42から制御信号ScがクラッチスイッチSWcに供給されると、クラッチスイッチSWcがON状態となる結果、電磁クラッチ44がON状態になって駆動モータ46の回転がレジストローラ対282に伝達され、レジストローラ対282に当接した状態で一旦停止している記録紙が転写ベルト243上に搬送される。
【0047】
この転写ベルト243上に搬送された記録紙は、その下流側の先端が時刻t21に第1の画像形成ユニット221の感光体ドラム225の転写位置230に到達すると、制御部42から制御信号Sr1がバイアススイッチSW1に供給されることでバイアススイッチSW1がON状態になり、第1の画像形成ユニット221の感光体ドラム225に対向配置された転写ローラ244に第1のバイアス電圧供給部50からバイアス電圧の供給が開始される。これにより、記録紙は下流側の先端から転写ベルト243に静電吸着され、感光体ドラム225に形成されているトナー像の記録紙への転写が可能な状態となる。
【0048】
そして、時刻t22になると、制御部42からクラッチスイッチSWcに供給されていた制御信号Scの出力が停止されてクラッチスイッチSWcがOFF状態となる結果、電磁クラッチ44がOFF状態になってレジストローラ対282への駆動モータ46の回転伝達が停止され、それ以降の記録紙は転写ベルト243に静電吸着されて下流側に搬送されることになる。
【0049】
また、時刻t23に記録紙の下流側の先端が第2の画像形成ユニット222の感光体ドラム225の転写位置230に到達すると、制御部42から制御信号Sr2がバイアススイッチSW2に供給されることでバイアススイッチSW2がON状態となる結果、第2の画像形成ユニット222の感光体ドラム225に対向配置された転写ローラ244に第1のバイアス電圧供給部50からバイアス電圧の供給が開始される。これにより、記録紙は下流側の先端から転写ベルト243に静電吸着され、感光体ドラム225に形成されているトナー像の記録紙への転写が可能な状態となる。
【0050】
また、時刻t24に記録紙の下流側の先端が第3の画像形成ユニット223の感光体ドラム225の転写位置230に到達すると、制御部42から制御信号Sr3がバイアススイッチSW3に供給されることでバイアススイッチSW3がON状態となる結果、第3の画像形成ユニット223の感光体ドラム225に対向配置された転写ローラ244に第1のバイアス電圧供給部50からバイアス電圧の供給が開始される。これにより、記録紙は下流側の先端から転写ベルト243に静電吸着され、感光体ドラム225に形成されているトナー像の記録紙への転写が可能な状態となる。
【0051】
さらに、時刻t25に記録紙の搬送方向の先端が第4の画像形成ユニット224の感光体ドラム225の転写位置230に到達すると、制御部42から制御信号Sr5がバイアススイッチSW5に供給されることでバイアススイッチSW5がON状態となる結果、第4の画像形成ユニット224の感光体ドラム225に対向配置された転写ローラ244に第2のバイアス電圧供給部50からバイアス電圧の供給が開始される。
【0052】
そして、時刻t26に記録紙の搬送方向の先端から所定寸法Dだけ内側に入った位置が第4の画像形成ユニット224の感光体ドラム225の転写位置230に到達すると、制御部42からの制御信号Sr5の出力が停止されることでバイアススイッチSW5がOFF状態になって第2のバイアス電圧供給部52からバイアス電圧の供給が停止される。さらに、時刻t26からごく僅かに遅れた時刻t27で制御部42から制御信号Sr4がバイアススイッチSW4に供給されることでバイアススイッチSW4がON状態となる結果、第4の画像形成ユニット224の感光体ドラム225に対向配置された転写ローラ244に対し第1のバイアス電圧供給部50からバイアス電圧の供給が開始される。
【0053】
このように、時刻t25と時刻t26間で転写ローラ244に第2のバイアス電圧供給部52からバイアス電圧が供給されることにより記録紙の搬送方向の先端から所定寸法D(図5)だけ内側に入った位置までの領域(第1の領域)における電荷(上流側で第1のバイアス電圧供給部50から供給されるバイアス電圧により生成されている電荷)が打ち消されることになる。このため、記録紙は搬送方向の先端から所定寸法D(図5)だけ内側に入った位置よりも上流側の領域(第2の領域)で転写ベルト243に静電吸着されることになり、記録紙の搬送方向の先端から所定寸法Dだけ内側に入った位置までの領域では転写ベルト243に静電吸着されないかあるいは静電吸着力が弱くなった状態となる。
【0054】
そして、時刻t28になると、記録紙の後端が第1の画像形成ユニット221の感光体ドラム225における転写位置230を通過し終わることになるため、この時点で制御部42からの制御信号Sr1の出力が停止されることでバイアススイッチSW1がOFF状態になって第1の画像形成ユニット221の感光体ドラム225に対向配置された転写ローラ244へのバイアス電圧の供給が停止される。時刻t29になると、記録紙の後端が第2の画像形成ユニット222の感光体ドラム225における転写位置230を通過し終わることになるため、この時点で制御部42からの制御信号Sr2の出力が停止されることでバイアススイッチSW2がOFF状態になって第2の画像形成ユニット222の感光体ドラム225に対向配置された転写ローラ244へのバイアス電圧の供給が停止される。
【0055】
さらに、時刻t30になると、記録紙の後端が第3の画像形成ユニット223の感光体ドラム225における転写位置230を通過し終わることになるため、この時点で制御部42からの制御信号Sr3の出力が停止されることでバイアススイッチSW3がOFF状態になって第3の画像形成ユニット223の感光体ドラム225に対向配置された転写ローラ244へのバイアス電圧の供給が停止される。
【0056】
そして、時刻t31になると、記録紙の後端が第4の画像形成ユニット224の感光体ドラム225における転写位置230を通過し終わることになるため、この時点で制御部42からの制御信号Sr4の出力が停止されることでバイアススイッチSW4がOFF状態になって第4の画像形成ユニット224の感光体ドラム225に対向配置された転写ローラ244へのバイアス電圧の供給が停止される。
【0057】
このように、図6に示す静電吸着機構が適用される本発明の画像形成装置10では、記録紙の搬送方向の先端から所定寸法D(図5)だけ内側に入った位置までの領域(第1の領域)が最下流側の感光体ドラム225と転写ローラ244との間の転写位置230を通過するときに、その転写ローラ244に第2のバイアス電圧供給部52からバイアス電圧が供給されるようになっているので、記録紙は搬送方向の先端から所定寸法Dだけ内側に入った位置よりも上流側の領域(第2の領域)で転写ベルト243に静電吸着されることになり、記録紙の搬送方向の先端から所定寸法Dだけ内側に入った位置までの領域では転写ベルト243に静電吸着されないかあるいは静電吸着力が弱くなった状態となる。
【0058】
このため、記録紙の先端部分は転写ベルト243から容易に離反可能となり、分離爪をその先端が転写ベルト243から離反した状態で配設しておいても記録紙の先端部分が確実に分離爪の先端に引っ掛かかることになって転写ベルト243から記録紙を分離させることができる。これにより、転写搬送部24の下流側に分離爪を配設する場合であっても転写ベルト243を損傷することがない。また、記録紙の先端部分が転写ベルト243から容易に離反可能となることから、分離爪を配設しておかなくても定着ユニット26へ導くことも可能となる。
【0059】
なお、第1のバイアス電圧供給部50、第2のバイアス電圧供給部52及び制御部42は、転写ベルト243上の記録紙を搬送方向の先端から所定寸法だけ内側に入った位置より上流側の領域おいて転写ベルト243に静電吸着させる静電吸着手段を構成する。
【0060】
図8は、転写ベルト243上の記録紙に対するさらに別の静電吸着機構及びその制御動作を説明するための図である。この図8においては、図6(あるいは図2)に示すものと同一の構成要素については同一の参照符号を付すことで詳細な説明を省略し、以下においては図6に示すものとの相違点のみを説明する。
【0061】
すなわち、図6に示すものでは、最下流側の第4の画像形成ユニット224における転写ローラ244により記録紙の搬送方向の先端から所定寸法Dだけ内側に入った位置までの領域における電荷が打ち消されるようになっているのに対し、図8に示すものでは、最下流側の第4の画像形成ユニット224における転写ローラ244の下流側における転写ベルト243の内面に当接するようにして金属材料等からなる導電性の除電ローラ54が回転可能に配設され、この除電ローラ54に制御部42からの制御信号によりON/OFF制御されるバイアススイッチSW5を介して第2のバイアス電圧供給部52からバイアス電圧が供給されることで記録紙の搬送方向の先端から所定寸法Dだけ内側に入った位置までの領域における電荷が打ち消されるようになっており、図6に示すものと図8に示すものとはこの点においてのみ相違している。
【0062】
このため、転写ベルト243上の記録紙に対する静電吸着動作は、図9のタイミングチャートに示すように、時刻20から時刻24までの動作(すなわち、バイアススイッチSW1乃至SW3の動作)及び時刻28から時刻31までの動作は図6に示すものと同様となり、時刻25から時刻27までの動作(すなわち、バイアススイッチSW4及びSW5の動作)のみが異なることになる。
【0063】
すなわち、この静電吸着機構においては、時刻t25に記録紙の下流側の先端が第4の画像形成ユニット224の感光体ドラム225の転写位置230に到達すると、制御部42から制御信号Sr4がバイアススイッチSW4に供給されることでバイアススイッチSW4がON状態となる結果、第4の画像形成ユニット224の感光体ドラム225に対向配置された転写ローラ244に第1のバイアス電圧供給部50からバイアス電圧の供給が開始される。これにより、記録紙は下流側の先端から転写ベルト243に静電吸着され、感光体ドラム225に形成されているトナー像の記録紙への転写が可能な状態となる。
【0064】
そして、時刻t26に記録紙の下流側の先端が除電ローラ54の位置に到達すると、制御部42から制御信号Sr5がバイアススイッチSW5に供給されることでバイアススイッチSW5がON状態となる結果、除電ローラ54に第2のバイアス電圧供給部52からバイアス電圧の供給が開始される。そして、記録紙の下流側の先端が所定距離だけ下流側に搬送された時刻t27において除電ローラ54への第2のバイアス電圧供給部52からのバイアス電圧の供給が停止される。
【0065】
このように、時刻t26と時刻t27間で除電ローラ54に第2のバイアス電圧供給部52からバイアス電圧が供給されることにより記録紙の搬送方向の先端から所定寸法D(図5)だけ内側に入った位置までの領域に第1のバイアス電圧供給部50から供給されるバイアス電圧により生成されている電荷が打ち消されることになる。このため、記録紙は搬送方向の先端から所定寸法D(図5)だけ内側に入った位置よりも上流側の領域で転写ベルト243に静電吸着されることになり、記録紙の搬送方向の先端から所定寸法Dだけ内側に入った位置までの領域では転写ベルト243に静電吸着されないかあるいは静電吸着力が弱くなった状態となる。
【0066】
このように、図8に示す静電吸着機構が適用される本発明の画像形成装置10では、記録紙の搬送方向の先端から所定寸法D(図5)だけ内側に入った位置までの領域が除電ローラ54を通過するときに、除電ローラ54に第2のバイアス電圧供給部52からバイアス電圧が供給されるようになっているので、記録紙は搬送方向の先端から所定寸法Dだけ内側に入った位置よりも上流側の領域(第2の領域)で転写ベルト243に静電吸着されることになり、記録紙の搬送方向の先端から所定寸法Dだけ内側に入った位置までの領域(第1の領域)では転写ベルト243に静電吸着されないかあるいは静電吸着力が弱くなった状態となる。
【0067】
このため、記録紙の先端部分は転写ベルト243から容易に離反可能となり、分離爪をその先端が転写ベルト243から離反した状態で配設しておいても記録紙の先端部分が確実に分離爪の先端に引っ掛かかることになって転写ベルト243から記録紙を分離させることができる。これにより、転写搬送部24の下流側に分離爪を配設する場合であっても転写ベルト243を損傷することがない。また、記録紙の先端部分が転写ベルト243から容易に離反可能となることから、分離爪を配設しておかなくても定着ユニット26へ導くことも可能となる。
【0068】
なお、第1のバイアス電圧供給部50、第2のバイアス電圧供給部52及び制御部42は、転写ベルト243上の記録紙を搬送方向の先端から所定寸法だけ内側に入った位置より上流側の領域おいて転写ベルト243に静電吸着させる静電吸着手段を構成する。
【0069】
本発明の画像形成装置10は、上記実施形態に示すように、記録紙が少なくとも最下流側の感光体ドラム225と転写ローラ244との間の転写位置230を通過する段階で、転写ベルト243上の記録紙を搬送方向の先端から所定寸法だけ内側に入った位置より上流側の領域(第2の領域)において転写ベルト243に静電吸着させるようにしており、記録紙の搬送方向の先端から所定寸法だけ内側に入った位置までの領域(第1の領域)では転写ベルト243に静電吸着されないかあるいは静電吸着力が弱くなった状態となるようにしているので、記録紙を転写ベルトから容易に分離させることができ、転写ベルトを破損させないようにすることができる。
【0070】
なお、本発明は、上記実施形態のものに限定されるものではなく、例えば以下に述べるような種々の変形態様を必要に応じて採用することができる。
【0071】
(1)上記実施形態では、画像形成装置10の図2に示す静電吸着機構において、記録紙の搬送方向の先端から所定寸法だけ内側に入った位置よりも上流側の領域が感光体ドラム225と転写ローラ244との間の各転写位置230を通過するときにその記録紙が通過する位置の各転写ローラ244に対しバイアス電圧供給部40によりバイアス電圧が供給されるようにしているが、これに限るものではない。
【0072】
例えば、少なくとも最下流側の転写位置230についてだけ記録紙の搬送方向の先端から所定寸法だけ内側に入った位置よりも上流側の領域がその転写位置230を通過するときにその転写ローラ244に対しバイアス電圧供給部40によりバイアス電圧が供給されるようにし、他の転写位置230については記録紙の搬送方向の先端がその転写位置230に到達した段階でその転写ローラ244に対しバイアス電圧供給部40によりバイアス電圧が供給されるようにしてもよい。このようにした場合、最下流側の転写位置230を通過した記録紙の搬送方向の先端部分における静電吸着力は弱くなっているため、転写ベルト243から容易に離反されるようになる。
【0073】
また、4つの転写位置230のうち少なくとも何れか1つの転写位置230についてだけ記録紙の搬送方向の先端から所定寸法だけ内側に入った位置よりも上流側の領域がその転写位置230を通過するときにその転写ローラ244に対しバイアス電圧供給部40によりバイアス電圧が供給されるようにし、他の転写位置230については記録紙の搬送方向の先端がその転写位置230に到達した段階でその転写ローラ244に対しバイアス電圧供給部40によりバイアス電圧が供給されるようにしてもよい。このようにした場合、すべての転写位置230について記録紙の搬送方向の先端がその転写位置230に到達した段階でその転写ローラ244に対しバイアス電圧供給部40によりバイアス電圧が供給されるようにする場合に比べて記録紙の搬送方向の先端部分における静電吸着力は弱くなっているため、転写ベルト243から容易に離反されるようになる。
【0074】
(2)上記実施形態では、画像形成装置10の図6に示す静電吸着機構において、最下流側である第4の画像形成ユニット224の転写ローラ244に対して第1,第2のバイアス電圧供給部50,52からバイアス電圧が供給されるようにしているが、これに限るものではない。例えば、第3の画像形成ユニット223における転写ローラ244に対しても、第4の画像形成ユニット224の転写ローラ244に対するのと同様のタイミングで第1,第2のバイアス電圧供給部50,52からバイアス電圧が供給されるようにしてもよい。
【0075】
(3)上記実施形態では、画像形成装置10の図8に示す静電吸着機構において、除電ローラ54は最下流側である第4の画像形成ユニット224の転写ローラ244の下流側に設けるようにしているが、これに限るものではない。例えば、第3の画像形成ユニット223における転写ローラ244の下流側にも設けるようにしてもよい。要は、少なくとも最下流側の転写ローラ244の下流側に除電ローラ54が設けられておればよい。
【0076】
(4)上記実施形態では、画像形成装置10の図6及び図8に示す静電吸着機構において、第1のバイアス電圧供給部50と第2のバイアス電圧供給部52とは、別体のものとして説明しているが、これに限るものではない。例えば、第1のバイアス電圧供給部50と第2のバイアス電圧供給部52とを同一のバイアス電圧供給部で構成し、切り換えスイッチ等を介して出力されるバイアス電圧の極性を逆にするようにしてもよい。この場合であっても、第1のバイアス電圧供給部50と第2のバイアス電圧供給部52とを備えていることに相違はない。
【0077】
(5)上記実施形態では、画像形成装置10はタンデム型のカラープリンタを構成するものであるが、これに限るものではない。例えば、感光体ドラムを1つしか有していない構造のカラープリンタであってもよいし、モノクロプリンタであってもよい。また、プリンタに限るものではなく、複写機、ファクシミリ装置、あるいはそれらの機能を併せ持つ複合機等であってもよい。要は、感光体ドラムの表面にトナー像が形成される画像形成部と、転写ベルトを介して転写ローラが感光体ドラムに対向配置され、転写ベルト上の記録紙を下流側に搬送しつつ感光体ドラムのトナー像を記録紙に転写する転写搬送部とを有する画像形成装置であればよい。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像形成装置によれば、転写ベルト上の記録紙を搬送方向の先端から所定寸法だけ内側に入った位置より上流側の領域において転写ベルトに静電吸着させるようにしており、搬送方向の先端から所定寸法だけ内側に入った位置までの領域では転写ベルトに静電吸着されないかあるいは静電吸着力が弱くなった状態となるようにしているので、転写ベルトを破損させることなく記録紙を転写ベルトから容易に分離させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る画像形成装置の内部構成を概略的に示す図である。
【図2】 図1に示す画像形成装置における転写搬送部の静電吸着機構及び制御動作を説明するためのブロック図である。
【図3】 図2に示す転写搬送部の静電吸着動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図4】 図2に示す転写搬送部の静電吸着動作を説明するための要部正面図である。
【図5】 記録紙の静電非吸着領域と静電吸着領域を示す平面図である。
【図6】 図1に示す画像形成装置における転写搬送部の別の静電吸着機構及び制御動作を説明するためのブロック図である。
【図7】 図6に示す転写搬送部の静電吸着動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】 図1に示す画像形成装置における転写搬送部のさらに別の静電吸着機構及び制御動作を説明するためのブロック図である。
【図9】 図8に示す転写搬送部の静電吸着動作を説明するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
10 画像形成装置
40 バイアス電圧供給部(バイアス電圧供給手段)
42 制御部(バイアス制御手段)
50 第1のバイアス電圧供給部(第1のバイアス電圧供給手段)
52 第2のバイアス電圧供給部(第2のバイアス電圧供給手段)
54 除電ローラ
225 感光体ドラム
230 転写位置
243 転写ベルト
244 転写ローラ

Claims (4)

  1. 感光体ドラムの表面にトナー像が形成される画像形成手段と、転写ベルトを介して転写ローラが感光体ドラムに対向配置され、転写ベルト上の記録紙を下流側に搬送しつつ感光体ドラムのトナー像を記録紙に転写する転写搬送手段と、転写ベルト上の記録紙を搬送方向の先端から所定寸法だけ内側に入った位置より上流側の領域において当該転写ベルトに静電吸着させる静電吸着手段とを有する画像形成装置であって、前記静電吸着手段は、前記転写ローラにバイアス電圧を供給する第1のバイアス電圧供給手段と、当該第1のバイアス電圧供給手段により供給されるバイアス電圧とは逆極性のバイアス電圧を前記転写ローラに供給する第2のバイアス電圧供給手段と、上流側から搬送されてきた前記転写ベルト上の記録紙であってその略表面全域に前記第2のバイアス電圧供給手段によるバイアス電圧により生成される電荷とは逆極性の電荷が生成された記録紙における搬送方向の先端から前記所定寸法だけ内側に入った位置までの第1の領域が感光体ドラムと転写ローラとの間の転写位置を通過するときに前記転写ローラに対し前記第2のバイアス電圧供給手段によりバイアス電圧が供給されるようにする一方、前記所定寸法だけ内側に入った位置より上流側の第2の領域が前記転写位置を通過するときに前記転写ローラに対し前記第1のバイアス電圧供給手段によりバイアス電圧が供給されるようにするバイアス制御手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記画像形成手段は転写ベルトの搬送方向に沿って複数の感光体ドラムを備えると共に、前記転写搬送手段は転写ベルトを介して各感光体ドラムに対向配置される複数の転写ローラを備え、前記第1のバイアス電圧供給手段は各転写ローラに対しバイアス電圧を供給するものであり、前記第2のバイアス電圧供給手段は少なくとも最下流側の転写ローラに対しバイアス電圧を供給するものであり、前記バイアス制御手段は、上流側から搬送されてきた前記転写ベルト上の記録紙であってその略表面全域に前記第1のバイアス電圧供給手段により供給されるバイアス電圧により電荷が生成された記録紙における前記第1の領域が少なくとも最下流側の感光体ドラムと転写ローラとの間の転写位置を通過するときに当該転写ローラに対し前記第2のバイアス電圧供給手段によりバイアス電圧が供給されるようにする一方、前記第2の領域が当該転写位置を通過するときに当該転写ローラに対し前記第1のバイアス電圧供給手段によりバイアス電圧が供給されるようにするものであることを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
  3. 感光体ドラムの表面にトナー像が形成される画像形成手段と、転写ベルトを介して転写ローラが感光体ドラムに対向配置され、転写ベルト上の記録紙を下流側に搬送しつつ感光体ドラムのトナー像を記録紙に転写する転写搬送手段と、転写ベルト上の記録紙を搬送方向の先端から所定寸法だけ内側に入った位置より上流側の領域において当該転写ベルトに静電吸着させる静電吸着手段とを有する画像形成装置であって、前記転写搬送手段は前記転写ローラの下流側に除電ローラを備えたものであり、前記静電吸着手段は、前記転写ローラにバイアス電圧を供給する第1のバイアス電圧供給手段と、前記第1のバイアス電圧供給手段により供給されるバイアス電圧とは逆極性のバイアス電圧を前記除電ローラに供給する第2のバイアス電圧供給手段と、前記転写ベルト上の記録紙の略表面全域に電荷が生成されるように前記転写ローラに対し前記第1のバイアス電圧供給手段によりバイアス電圧を供給すると共に、前記転写ベルト上の記録紙における搬送方向の先端から前記所定寸法だけ内側に入った位置までの領域が前記除電ローラを通過するときに当該除電ローラに対し前記第2のバイアス電圧供給手段によりバイアス電圧が供給されるようにするバイアス制御手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記画像形成手段は転写ベルトの搬送方向に沿って複数の感光体ドラムを備えると共に、前記転写搬送手段は転写ベルトを介して各感光体ドラムに対向配置される複数の転写ローラを備え、前記除電ローラは少なくとも最下流側の転写ローラの下流側に配設されるものであることを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
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