JP3719606B2 - 化学増幅型ホトレジスト組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ArFエキシマレーザーに対する透明性が高く、パターン特性、特に耐ドライエッチング性及び密着性の優れたレジストパターンを与える化学増幅型ホトレジスト組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
これまで、化学増幅型レジストの樹脂成分としては、KrFエキシマレーザー(248nm)に対し高い透明性を有するポリヒドロキシスチレンやこのヒドロキシル基を酸解離性の溶解抑制基で保護したものが主に用いられてきた。
しかしながら、近年半導体素子の微細化に対する要求はますます高まり、その光源もKrFエキシマレーザーからより短波長のArFエキシマレーザー(193nm)を用いるプロセスに移行しつつある。
【0003】
ところで、ArFエキシマレーザー(193nm)を光源とするプロセスにおいては、従来用いていたポリヒドロキシスチレンのような芳香族環をもつ樹脂では、このArFエキシマレーザーに対する透明性が不十分で使用できないため、これに代わるものとして芳香族環をもたないアクリル系樹脂が注目されるようになってきたが、このアクリル系樹脂は、耐ドライエッチング性が劣るという欠点を有している。
【0004】
そして、このような耐ドライエッチング性を向上させるために、アクリル酸と脂環式アルキルとのエステルを樹脂中の構成単位に導入することが有効であることが知られ、これまでエステル部にアダマンタン骨格をもつアクリル酸エステルの重合体(特許文献1参照)や、エステル部にアダマンタン骨格をもつアクリル酸エステルとアクリル酸テトラヒドロピラニルエステルとの共重合体(特許文献2参照)などが提案されている。
【0005】
しかしながら、このようなアダマンタン骨格をもつアクリル酸エステルを構成単位として導入すれば、透明性及び耐ドライエッチング性については、ある程度の向上効果が認められるが、その効果は必ずしも満足しうるものではない上に、アダマンタン骨格をもつアクリル酸エステル自体容易に入手しうるものではないためコスト高になるのを免れず、また感度の点でも不十分で、良好なパターン形状が得られないという欠点がある。
【0006】
一方、ArFエキシマレーザーを用いるプロセスにおいては、0.2μm以下の超微細パターンを解像性よく形成させることが重要な目的となっているが、このような超微細パターンを形成させる場合、基板とレジスト層との密着性が不足し、パターン倒れを生じるという問題を伴う。
このため、アクリル酸の3‐オキソシクロヘキシルエステル(特許文献3参照)や、γ‐ブチロラクトン(特許文献4参照)のような含酸素複素環基をもつアクリル酸エステルを構成単位として導入したものが提案されている。
【0007】
しかしながら、このような含酸素複素環基をもつアクリル酸エステル単位を導入したアクリル系樹脂をArFエキシマレーザーに対して使用すると、密着性の点では幾分改善が認められるものの、現像液として用いられるアルカリ水溶液に対する親和性が不十分で、半導体素子製造の主流となっているパドル現像においては、忠実なレジストパターンが形成できない。このため、基板に対する密着性が優れ、しかもパドル現像可能なアルカリ水溶液に対する親和性を有するArFエキシマレーザー用レジストを実現させることが、この分野における重要な課題となっている。
【0008】
【特許文献1】
特開平4−39665号公報(特許請求の範囲その他)
【特許文献2】
特開平5−265212号公報(特許請求の範囲その他)
【特許文献3】
特開平5−346668号公報(特許請求の範囲その他)
【特許文献4】
特開平7−181677号公報(特許請求の範囲その他)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、ArFエキシマレーザーに対する透明性が高く、かつ優れた感度、レジストパターン形状、耐ドライエッチング性及び密着性を示すとともに、アルカリに対する親和性が高く、パドル現像により良好なレジストパターンを与えうる化学増幅型ホトレジスト組成物を提供することを目的としてなされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ArFエキシマレーザー用の化学増幅型ホトレジスト組成物、特にポジ型ホトレジスト組成物について種々研究を重ねた結果、特定のブチロラクトン環をもつ単量体から製造された共重合体を樹脂成分として用いることにより、ArFエキシマレーザーに対して良好な透明性を有し、かつ優れた感度、レジストパターン形状、耐ドライエッチング性及び密着性を示す上に、アルカリに対し高い親和性を有する化学増幅型ホトレジスト組成物が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、(A)酸の作用によりアルカリに対する溶解性が変化するアクリル系樹脂及び(A)成分100重量部当り0.5〜30重量部の(B)酸発生剤を含有するポジ型レジスト組成物であって、(A)成分がその構成単位の少なくとも一部として一般式
【化4】
(式中のR1は水素原子又はメチル基である)
で表わされる構成単位を有するアクリル酸若しくはメタクリル酸エステル共重合体であることを特徴とする化学増幅型ホトレジスト組成物を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の化学増幅型ホトレジスト組成物は、(A)酸の作用によりアルカリに対する溶解性が変化するアクリル系樹脂及び(B)酸発生剤を必須成分として含有するものである。
【0013】
ところで、一般に化学増幅型ホトレジスト組成物の樹脂成分としては、(a)耐ドライエッチング性向上基や酸解離性保護基を有するアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体と(b)エチレン性二重結合をもつ不飽和カルボン酸及び(c)他の単量体から選ばれる少なくとも1種との共重合体が用いられているが、本発明においても、(A)成分としてこのような共重合体が用いられる。
【0014】
そして、この(a)のアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体としては、これまで知られている化学増幅型ホトレジストにおいて、耐ドライエッチング性を向上させるために用いられているもの、あるいは酸解離性保護基を導入させるために用いられているものの中から任意に選ぶことができる。
【0015】
このようなものとしては、例えば(a−1)アクリル酸若しくはメタクリル酸のカルボキシル基の水素原子をtert‐ブチル基、2‐テトラヒドロピラニル基、2‐テトラヒドロフラニル基、1‐メチルシクロヘキシル基、1‐メチルアダマンチル基、1‐エトキシエチル基及び1‐メトキシプロピル基などにより置換したもの又はアクリル酸若しくはメタクリル酸と2‐ヒドロキシ‐3‐ピナノンとのエステルのようなカルボキシル基を酸解離性置換基で保護したアクリル酸若しくはメタクリル酸や、(a−2)アクリル酸若しくはメタクリル酸のカルボキシル基の水素原子をアダマンチル基、シクロヘキシル基、ナフチル基、ベンジル基、3‐オキソシクロヘキシル基、ビシクロ[2,2,1]ヘプチル基、トリシクロデカニル基及びアセトニル基などにより置換したもの又はアクリル酸若しくはメタクリル酸とテルピネオールとのエステルのようなカルボキシル基を酸非解離性置換基で保護したアクリル酸若しくはメタクリル酸がある。
【0016】
次に(b)のエチレン性二重結合をもつ不飽和カルボン酸は、アルカリ可溶性を付与するために用いられるものであって、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸などがあるが、これらの中で特にアクリル酸及びメタクリル酸が好ましい。
【0017】
また、(c)の他の単量体は、(a)又は、(a)及び(b)の単量体と共重合させるものであって、このようなものとしては、アクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n‐ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n‐ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2‐エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2‐ヒドロキシエチル、アクリル酸2‐ヒドロキシプロピル及び対応するメタクリル酸アルキルや、アクリル酸若しくはメタクリル酸のアミド類、例えばアクリルアミド、N‐メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド及び対応するメタクリルアミドや、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、エチルビニルエーテルのようなエチレン結合をもつ化合物などが挙げられる。
【0018】
そのほか、一般式
【化6】
(式中のR1は前記と同じ意味をもち、Xはメチレン基又はアルキル置換メチレン基である)
で表わされるアクリル酸若しくはメタクリル酸エステル及び一般式
【化7】
(式中のR1は前記と同じであり、R2は水素原子又は低級アルキル基、Yは酸素原子、メチレン基又はアシル基を有するメチレン基、Zはメチレン基、アルキル置換メチレン基又はカルボニル基である)
で表わされるアクリル酸若しくはメタクリル酸エステルも用いることができる。
【0019】
前記一般式(III)で表わされるアクリル酸若しくはメタクリル酸エステルとしては、アクリル酸の2‐オキサシクロペンタン‐4‐オン‐1‐イルエステル、3‐メチル‐2‐オキサシクロペンタン‐4‐オン‐1‐イルエステル又は3,3‐ジメチル‐2‐オキサシクロペンタン‐4‐オン‐1‐イルエステル及び対応するメタクリル酸のエステルを挙げることができる。
【0020】
また、前記一般式(IV)で表わされるアクリル酸若しくはメタクリル酸エステルとしては、アクリル酸の2,4‐ジオキサシクロヘキサ‐5‐オン‐1‐イルエステル、3‐メチル‐2,4‐ジオキサシクロヘキサ‐5‐オン‐1‐イルエステル、3,3‐ジメチル‐2,4‐ジオキサシクロヘキサ‐5‐オン‐1‐イルエステル、1‐メチル‐2‐オキサシクロヘキサ‐3,5‐ジオン‐1‐イルエステル、1‐メチル‐4‐アセチル‐2‐オキサシクロヘキサ‐3,5‐ジオン‐1‐イルエステル及び対応するメタクリル酸のエステルを挙げることができる。
【0021】
そして、本発明組成物の(A)成分は、上記の(a)、(b)及び(c)の中から選ばれる少なくとも1種の単量体に加えて、さらに前記一般式(II)で表わされるアクリル酸若しくはメタクリル酸エステルを単量体として用いて誘導されたもの、すなわち前記一般式(I)で表わされる構成単位を有する共重合体であることが必要である。この前記一般式(II)で表わされるアクリル酸若しくはメタクリル酸エステルは、新規化合物でこれまで化学増幅型ホトレジストの樹脂成分である、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増加するアクリル系樹脂を製造する際の単量体として使用されることが未だ知られていなかった化合物である。
【0022】
この一般式(II)で表わされる単量体は、例えばアクリル酸又はメタクリル酸に、慣用のエステル化方法に従い、式
【化8】
で表わされる含酸素複素環ヒドロキシ化合物を反応させることにより得られる。
【0023】
本発明の(A)成分は、これらの単量体により構成されるが、特に好ましいのは、前記一般式(II)で表わされるアクリル酸若しくはメタクリル酸エステルとともにアクリル酸2‐テトラヒドロピラニル、アクリル酸2‐テトラヒドロフラニル、アクリル酸1‐エトキシエチル、アクリル酸1‐メトキシプロピル及び対応するメタクリル酸エステルのようなカルボキシル基の水酸基をアセタール系の酸解離性置換基で保護したアクリル酸及びメタクリル酸特にアクリル酸若しくはメタクリル酸の2‐テトラヒドロピラニルエステルを単量体として用いた共重合体が酸解離性が高く、露光後加熱処理による依存性が少ないので有利である。
【0024】
本発明においては、このように、(A)成分の構成単位の一部が前記一般式(I)で表わされる構成単位であることが必要であるが、この構成単位の割合としては、全構成単位の20〜80モル%、特に50〜80モル%の範囲が、耐ドライエッチング性、密着性、未露光部とのコントラストが良好になる点で好ましい。
【0025】
次に、本発明の(B)成分としては、これまで化学増幅型レジストの酸発生剤として知られている化合物の中から任意に選んで用いることができる。
このような化合物としては、例えば次に示すものを挙げることができる。
【0026】
(イ)ビススルホニルジアゾメタン;
ビス(p‐トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1‐ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4‐ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタンなど。
【0027】
(ロ)ニトロベンジル誘導体;
p‐トルエンスルホン酸2‐ニトロベンジル、p‐トルエンスルホン酸2,6‐ジニトロベンジルなど。
【0028】
(ハ)スルホン酸エステル;
ピロガロールトリメシレート、ピロガロールトリトシレートなど。
【0029】
(ニ)オニウム塩;
ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロフェスフェート、(4‐メトキシフェニル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(p‐tert‐ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロフェスフェート、(4‐メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、(p‐tert‐ブチルフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネートなど。
【0030】
(ホ)ベンゾイントシレート及びそのアルキル置換体;
ベンゾイントシレート、α‐メチルベンゾイントシレートなど。
【0031】
(ヘ)ハロゲン含有トリアジン化合物;
2‐(4‐メトキシフェニル)‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐(4‐メトキシナフチル)‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐[2‐(2‐フリル)エテニル]‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐[2‐(5‐メチル‐2‐フリル)エテニル]‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐[2‐(3,5‐ジメトキシフェニル)エテニル]‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐[2‐(3,4‐ジメトキシフェニル)エテニル]‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐(3,4‐メチレンジオキシフェニル)‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2,4,6‐トリス(2,3‐ジブロモプロピル)‐1,3,5‐トリアジンなど。
【0032】
(ト)シアノ基を有するオキシムスルホネート;
α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)フェニルアセトニトリル、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐4‐メトキシフェニルアセトニトリル、α‐(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)フェニルアセトニトリル、α‐(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)‐4‐メトキシフェニルアセトニトリル、α‐(エチルスルホニルオキシイミノ)‐4‐メトキシフェニルアセトニトリル、α‐(プロピルスルホニルオキシイミノ)‐4‐メチルフェニルアセトニトリル、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐4‐ブロモフェニルアセトニトリル、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐1‐シクロペンテニルアセトニトリル、α‐[1‐(又は2‐)ナフチルスルホニルオキシイミノ]‐4‐メトキシベンジルシアニド、α‐(10‐カンファースルホニルオキシイミノ)‐4‐メトキシベンジルシアニドなど。
【0033】
これらの酸発生剤の中で特に好ましいのは、オニウム塩及びシアノ基を有するオキシムスルホネートである。(A)成分と(B)成分の配合割合は、(A)成分100重量部に対し、(B)成分0.5〜30重量部、好ましくは、1〜10重量部である。この範囲よりも少なくなると像形成ができないし、多くなると、均一な溶液とならず、保存安定性が低下する。
【0034】
本発明のホトレジスト組成物には、所望に応じ、(A)成分及び(B)成分に加えて、通常の化学増幅型ホトレジストに慣用されている添加成分、例えば、ハレーション防止剤、酸化防止剤、熱安定剤、密着性向上剤、可塑剤、着色剤、界面活性剤、付加的樹脂、有機カルボン酸、アミン類など本発明組成物の特性が阻害されない範囲の量で配合することができる。
【0035】
本発明のホトレジスト組成物は、その使用に当たっては上記各成分を溶剤に溶解した溶液の形で用いるのが好ましい。このような溶剤の例としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2‐ヘプタノンなどのケトン類や、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール、又はジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル又はモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類及びその誘導体や、ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
【0036】
本発明のホトレジスト組成物を用いれば、例えば次のようにしてパターン形成することができる。すなわち、このホトレジスト組成物を、シリコンウエーハなどの基板上に塗布し、70〜150℃で30〜150秒間プリベイクを行い、レジスト層を形成したのち、マスクを介してArFエキシマレーザーなどの放射線を照射し、70〜150℃程度の加熱を30秒から150秒行い、次いで現像を行う。レジストの現像液としては、アルカリ性水溶液を用いることができ現像により、露光部がアルカリ性水溶液に溶解し、ポジ型のパターンが得られる。アルカリ性水溶液としては例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリンなどの水溶液を用いることができる。
【0037】
【実施例】
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
【0038】
参考例1
3‐ヒドロキシ‐1‐オキサシクロペンタン‐2‐オン55.1g(0.54モル)、トリエチルアミン60g(0.60モル)をテトラヒドロフラン200ミリリットルに溶解し、十分撹拌した後、これにメタクリロイルクロリド62.4g(0.60モル)を25℃で1時間にわたって滴下した。
次いで、25℃にて24時間反応させた後、反応液をろ過した。そのろ液の溶媒を留去し、残存生成物をジエチルエーテル300ミリリットルに溶解し、10重量%水酸化ナトリウム溶液で10回洗浄した。次いで、n‐ヘプタンを溶媒としてカラムクロマトグラフィーにより精製し、無色の液体として、式
【化9】
で表わされる化合物のメタクリル酸エステルを得た。
この生成物の1H−NMR(溶媒:アセトン−d6)を測定した結果、1.92ppm、2.30〜2.50ppm、3.90〜4.10ppm、5.20ppm、5.60ppm、6.12ppmにピークが認められた。
【0039】
このようにして得たメタクリル酸エステル17.4g(0.094モル、全モノマーに対するモル%は75モル%)、メタクリル酸2‐テトラヒドロピラニル5.3g(0.031モル、全モノマーに対するモル%は25モル%)をテトラヒドロフラン560gに溶解し、反応開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.81gを加え、75℃で3時間重合反応させた。反応終了後、反応物をn‐ヘプタン5リットル中に注加して重合体を析出させ、得られた共重合体を室温下で減圧乾燥した。このようにして、上記のメタクリル酸エステルとメタクリル酸2‐テトラヒドロピラニルの共重合体(A−1)を得た。この共重合体の収量は14.9gであり、重量平均分子量は13,500で、分散度は2.01であった。
【0040】
参考例2
参考例1における重合性モノマーの代りに、全モノマーに対するモル%が50モル%となる量のメタクリル酸アダマンチルを用い、参考例1と同様にして、式
【化10】
で表わされるメタクリル酸アダマンチルとメタクリル酸2‐テトラヒドロピラニルとメタクリル酸との共重合体(A−2)を得た。収量は16.0gであり、重量平均分子量は16,500で、分散度は2.20であった。
【0041】
参考例3
参考例1における重合性モノマーの代りに、式
【化11】
で表わされる化合物のメタクリル酸エステル17.2g(0.094モル、全モノマーに対するモル%は75モル%)を用い、参考例1と全く同様にして、上記モノマーとメタクリル酸2‐テトラヒドロピラニルの共重合体(A−3)を得た。この共重合体の収量は14.7gであり、重量平均分子量は14,500で、分散度は、1.98であった。
【0042】
実施例
参考例1で得た重合体(A−1)100重量部、ビス(p‐tert‐ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート2重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート680重量部に溶解してポジ型レジスト溶液を得た。
次いで、このレジスト溶液をスピンナーを用いてシリコンウエーハ上に塗布し、ホットプレート上で100℃で90秒間乾燥することにより、膜厚0.5μmのレジスト層を形成した。次いで、ArF露光装置(ニコン社製)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を選択的に照射したのち、110℃90秒間PEB処理し、次いで2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で65秒間パドル現像し、30秒間水洗して乾燥した。
【0043】
このような操作で形成された0.25μmのラインアンドスペースが1:1に形成される露光時間を感度としてmJ/cm2(エネルギー量)単位で測定したところ、6.0mJ/cm2であった。
また、このようにして形成された0.25μmのレジストパターンの断面形状をSEM(走査型電子顕微鏡)写真により、観察したところ、基板に対して垂直な矩形のレジストパターンであった。
また、このような操作で0.20μmのレジストパターンまで解像され、パターン倒れはなかった。
次いで、テトラフルオロメタンガスをエッチングガスとして、エッチング装置OAPM−406(東京応化工業株式会社製)でドライエッチングし、耐ドライエッチング性を単位時間当たりの膜減り量で評価し、ポリヒドロキシスチレンを1.0とした場合、1.1であった。
【0044】
比較例1
実施例1において、重合体(A−1)を同量の参考例2で得た重合体(A−2)に代えた以外は実施例1と同様にして、ポジ型レジスト溶液を調製し、次いで実施例と同様な条件でレジストパターンを形成した。
その際の実施例と同様な定義の感度は、15mJ/cm2であり、0.30μm以下のレジストパターンは解像することができなかった。
また、実施例と同様な定義の耐ドライエッチング性を調べたところ、1.0であった。
【0045】
比較例2
実施例において、重合体(A−1)を同量の参考例3で得た重合体(A−3)に代えた以外は実施例と同様にして、ポジ型レジスト溶液を調製し、次いで実施例と同様な条件でレジストパターンを形成した。
その際の実施例と同様な定義の感度は、5.0mJ/cm2であり、このような操作で0.25μmのレジストパターンまで解像され、パターン倒れはなかったものの、形成された0.30μmのレジストパターンの断面形状をSEM(走査型電子顕微鏡)写真により、観察したところ、基板に対して台形状のレジストパターンであった。
また、同様にして、耐ドライエッチング性を調べたところ、1.5であった。
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