JP2004051785A - 重合体、レジスト組成物、およびパターン形成方法 - Google Patents
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- Materials For Photolithography (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
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Abstract
【解決手段】下記式(1)
【化1】
(式中、m、nはそれぞれ0〜3の整数を示し、R1は水素原子またはメチル基を示し、Z1は単環式飽和炭化水素構造または多環式飽和炭化水素構造を示す。ただし、mとnが同時に0であることはない。)
で表される構成単位から選ばれる1種又は2種以上を構成単位として含有することを特徴とする重合体。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レジスト材料等に有用な重合体、特に、エキシマーレーザーあるいは電子線を使用する微細加工に好適なレジスト材料用重合体、および、この重合体を用いたレジスト組成物、パターン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体素子あるいは液晶素子の製造における微細加工の分野においては、素子の高密度化、高集積化を実現するため、リソグラフィー技術の進歩を背景とした急速な微細化が進んでいる。その微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化が用いられ、具体的には、従来のg線(波長:438nm)、i線(波長:365nm)に代表される紫外光から遠紫外光へと露光光源が変化してきている。
【0003】
現在では、KrFエキシマーレーザー(波長:248nm)リソグラフィー技術が市場に導入され、さらに短波長化を図ったArFエキシマーレーザー(波長:193nm)リソグラフィー技術も導入されようとしている。さらに、次世代の技術として、F2エキシマーレーザー(波長:157nm)リソグラフィー技術が研究されている。また、これとは若干異なるタイプのリソグラフィー技術として、電子線リソグラフィー技術についても精力的に研究されている。
【0004】
このような短波長の光源あるいは電子線に対する高感度のレジストとして、インターナショナル・ビジネス・マシーン(IBM)社より「化学増幅型レジスト」が提唱され、現在、この化学増幅型レジストの改良および開発が精力的に進められている。
【0005】
光源の短波長化においては、レジストに使用される樹脂もその構造変化を余儀なくされる。例えば、KrFエキシマーレーザーリソグラフィーにおいては、波長248nmの光に対して透明性の高いポリヒドロキシスチレンや、その水酸基を酸解離性の溶解抑制基で保護したもの等が用いられる。しかし、ArFエキシマーレーザーリソグラフィーにおいては、上記樹脂は波長193nmの光に対する透明性が必ずしも十分とはいえず、使用できない場合が多い。
【0006】
そのため、193nmにおいて透明なアクリル系樹脂あるいはシクロオレフィン系樹脂が注目されている。このようなアクリル系樹脂としては、例えば、エステル部にアダマンタン骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルとエステル部にラクトン骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの共重合体が特開平10−319595号公報等に記載されている。さらに、特開平9−73173号にはメタクリル酸2−メチル−2−アダマンチルの共重合体が酸の作用により解裂してポジ型に作用するとともに、高いドライエッチング耐性、高感度および高解像性が得られることが報告されている。しかしながら、このような脂環式骨格を有する共重合体は、基板密着性がよくない、疎水性が高く現像液への塗れ性がよくないなどの問題を持つ。
【0007】
これらの問題を改良すべく、ラクトン構造を有する化合物のメタクリル酸誘導体を使用する方法、脂環式構造に水酸基などの親水性基を導入した化合物のメタクリル酸エステル使用する方法などの数々の提案がなされた。例えば、特開平10−274852号公報、特開2000−26446号公報などには、ラクトン環を有する橋かけ環式炭化水素のメタクリル酸エステル、特開2001−242627号公報にはブチロラクトンメタクリル酸エステルが記載されている。
【0008】
しかし、上記のラクトン環を有する橋かけ環式炭化水素のメタクリル酸エステルは、酸の作用により解裂する性質が高くないので、感度および解像性が十分でない。また、ラクトン構造を有するメタクリル酸誘導体や脂環式構造に水酸基などの親水性基を導入した化合物のメタクリル酸誘導体を共重合した場合は、分子中の酸素原子数が多くなることから必要性能の一つであるドライエッチング耐性が低下する現象が見られるようになった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、波長250nm以下の光、特にArFエキシマーレーザー光に対して透明性が高く、感度、解像度、基板密着性、ドライエッチング耐性といったレジスト性能に優れ、遠紫外光エキシマーレーザーリソグラフィーや電子線リソグラフィー等に好適なレジスト組成物、および、このレジスト組成物を用いたパターン形成方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、特定の構成単位を含む新規な重合体を用いることにより、基板密着性、ドライエッチング耐性、現像液への濡れ性などのレジスト性能が良好であり、感度、解像度に極めて優れたレジスト組成物が得られること、このレジスト組成物を用いたパターン形成方法を見出して本発明に到達した。
【0011】
すなわち、本発明の第一は下記式(1)
【化5】
(式中、m、nはそれぞれ0〜3の整数を示し、R1は水素原子またはメチル基を示し、Z1は単環式飽和炭化水素構造または多環式飽和炭化水素構造を示す。ただし、mとnが同時に0であることはない。)
で表される構成単位から選ばれる1種又は2種以上を構成単位として含有することを特徴とする重合体である。
【0012】
本発明の第ニは下記式(2)〜(4)
【化6】
(式中、a〜fはそれぞれ0〜2の整数を示し、r〜wはそれぞれ0〜3の整数を示し、R2〜R4は水素原子またはメチル基を示し、Z2〜Z4は単環式飽和炭化水素構造または多環式飽和炭化水素構造を示す。ただし、aとb、cとd、eとf、rとs、tとu、vとwが同時に0であることはない。)
で表される構成単位から選ばれる1種又は2種以上を構成単位として含有することを特徴とする重合体である。
【0013】
本発明の第三は下記式(5)〜(7)
【化7】
(式中、α〜ζはそれぞれ0〜3の整数を示し、R5〜R7は水素原子またはメチル基を示す。ただし、αとβ、γとδ、εとζ同時に0であることはない。)で表される構成単位から選ばれる1種又は2種以上を構成単位として含有することを特徴とする重合体である。
【0014】
本発明の第四は、上記重合体を含有することを特徴とするレジスト組成物である。
【0015】
本発明の第五は、上記のレジスト組成物を被加工基板上に塗布する工程と、250nm以下の波長の光で露光する工程と、必要に応じて加熱処理した後現像液を用いて現像する工程とを含むパターン形成方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
【0017】
本発明の第一は下記式(1)
【化8】
で表される構成単位から選ばれる1種又は2種以上を構成単位として含有することを特徴とする重合体である。
【0018】
上記式(1)中のm、nはそれぞれ0〜3の整数であり、CmH2 m、CnH2nの例としては、なし、CH2、CH2−CH2、CH2−CH2−CH2、CH(CH3)−CH2が挙げられる。ただし、mとnが同時に0であることはない。重合体をレジスト組成物材料に使用したときの感度の点からm、nは0〜2が好ましい。R1は水素原子またはメチル基を示す。
【0019】
Z1は単環式飽和炭化水素構造または多環式飽和炭化水素構造を示す。単環式飽和炭化水素構造の炭素数は4〜8が好ましい。多環式飽和炭化水素構造の例としては、縮合多環式飽和炭化水素構造、橋かけ環式飽和炭化水素基、スピロ炭化水素基を有するものが挙げられる。レジスト組成物材料に使用したときの重合体のドライエッチング耐性の点から、炭素数7以上の多環式飽和炭化水素構造が好ましく、さらに下記式(8)〜(13)
【化9】
で表されるような骨格を有するものが好ましい。これらの中でも橋かけ環式炭化水素構造を有するものがより好ましい。また、単量体の重合性の点から炭素数22以下の多環式飽和炭化水素構造が好ましく、18以下のものがより好ましい。
【0020】
上記単環式飽和炭化水素構造または多環式飽和炭化水素構造は、骨格中に−O−、−S−または−NH−を1つまたは複数個有していても良い。ただし、重合体の安定性が低いなどの理由から、これらのヘテロ原子同士がとなりあった−O−O−、−S−S−や−O−NH−のような構造をもつ化合物は、本発明には含まれない。レジスト組成物材料に使用したときの重合体のドライエッチング耐性、光透過性等の点から骨格中に−O−を1つまたは複数個有していてものが好ましく、−O−を1つ有しているものがより好ましい。
【0021】
以上の単環式飽和炭化水素構造または多環式飽和炭化水素構造は、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐アルキル基で置換されていても良く、さらにヒドロキシ基、カルボキシ基または炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基で置換されいても良い。直鎖若しくは分岐アルキル基の例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などが挙げられる。炭素数1〜6のアルコールとエステル化されたカルボキシ基の例としては、−COOCH3、−COOC2H5、−COOC3H7、−COOC4H9、−COOC5H10、−COOC6H13(ここで、C3H7はn−プロピル基、iso−プロピル基、C4H9はn−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、−COOC5H10はn−ペンチル基、C6H13はn−ヘキシル基などを示す)が挙げられる。
【0022】
レジスト組成物材料に使用したときの重合体のドライエッチング耐性の点から、上記多環式飽和炭化水素構造は、炭素数1〜2のアルキル基で置換されていることが好ましい。レジスト組成物材料に使用したときの重合体の基板に対する密着性の点で、上記多環式飽和炭化水素構造および/またはその置換基がヒドロキシ基、カルボキシ基または炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基で置換されていこと好ましく、ヒドロキシ基、カルボキシ基で置換されていることがより好ましい。
【0023】
本発明の重合体は、下記式(14)
【化10】
(式中、m、n、R1、Z1は上記式(1)と同じものを示す。)
で表される単量体から選ばれる1種又は2種以上を重合させることにより得られる。上記式(14)で表される単量体のみを重合または共重合させても、上記式(14)で表される単量体以外の単量体と共重合させてもよい。
【0024】
上記式(14)で表される単量体の具体例として下記式(15)〜(23)
【化11】
(式中、R1は上記式(1)と同じ。)
が挙げられる。レジスト組成物材料に使用したときの重合体のドライエッチング耐性の点から、上記式(21)、(22)で表される単量体のように橋かけ環式炭化水素構造を有するものが好ましい。
【0025】
本発明の第ニは下記式(2)〜(4)
【化12】
で表される構成単位から選ばれる1種又は2種以上を構成単位として含有することを特徴とする重合体である。
【0026】
上記式(2)〜(4)中のa〜fはそれぞれ0〜2の整数であり、CaH2a〜CfH2fの例としては、なし、CH2、CH2−CH2などが挙げられ、r〜wはそれぞれ0〜3の整数であり、CrH2r〜CwH2wの例としては、なし、CH2、CH2−CH2、CH2−CH2−CH2、CH(CH3)−CH2が挙げられる。重合体をレジスト組成物材料に使用したときの感度の点から、a〜fはそれぞれ0または1、r〜wは0〜2が好ましい。ただし、aとb、cとd、eとf、rとs、tとu、vとwが同時に0であることはない。R2〜R4は水素原子またはメチル基を示す。
【0027】
Z2〜Z4は単環式飽和炭化水素構造または多環式飽和炭化水素構造を示す。単環式飽和炭化水素構造及び多環式飽和炭化水素構造の例は上記式(1)で表される構成単位と同様なものが挙げられる。
【0028】
上記式(2)〜(4)で表される構成単位から選ばれる1種又は2種以上を構成単位として含有することを特徴とする重合体は、下記式(24)〜(26)
【化13】
(式中、a〜f、r〜w、R2〜R4、Z2〜Z4は上記式(2)〜(4)と同じものを示す。)
で表される単量体から選ばれる1種又は2種以上を重合させることにより得られる。上記式(24)〜(26)で表される単量体のみを重合または共重合させても、上記式(24)〜(26)で表される単量体以外の単量体と共重合させてもよい。
【0029】
上記式(24)〜(26)で表される単量体の具体例として下記式(27)〜(44)
【化14】
【化15】
(式中、R2〜R4は上記式(2)〜(4)と同じ。)
が挙げられる。レジスト組成物材料に使用したときの重合体のドライエッチング耐性の点から、上記式(4)で表される単量体が好ましい。また、レジスト組成物材料に使用したときの重合体のラインエッジラフネス低減の点から、上記式(5)で表される単量体が好ましい。
【0030】
上記式(24)〜(26)で表される単量体の好ましい例示としては、上記式(35)〜(44)で表される構造およびこれらの幾何異性体、光学異性体などが挙げられ、中でも上記式(42)〜(44)およびこれらの幾何異性体、光学異性体がより好ましい。
【0031】
本発明の第三は下記式(5)〜(7)
【化16】
で表される構成単位から選ばれる1種又は2種以上を構成単位として含有することを特徴とする重合体である。
【0032】
上記式(5)〜(7)中のα〜ζはそれぞれ0〜3の整数であり、CαH2α〜CζH2ζの例としては、なし、CH2、CH2−CH2などが挙げられる。重合体をレジスト組成物材料に使用したときの感度の点から、α〜ζはそれぞれ0または1が好ましい。ただし、αとβ、γとδ、εとζ同時に0であることはない。R5〜R7は水素原子またはメチル基を示す。
【0033】
上記式(5)〜(7)で表される構成単位から選ばれる1種又は2種以上を構成単位として含有することを特徴とする重合体は、下記式(45)〜(47)
【化17】
(式中、α〜ζは上記式(5)〜(7)と同じものを示す。)
で表される単量体から選ばれる1種又は2種以上を重合させることにより得られる。上記式(45)〜(47)で表される単量体のみを重合または共重合させても、上記式(45)〜(47)で表される単量体以外の単量体と共重合させてもよい。
【0034】
上記式(45)〜(47)で表される単量体の具体例として下記式(48)〜(53)
【化18】
(式中、R5〜R7は上記式(5)〜(11)と同じものを示す。)
が挙げられる。レジスト組成物材料に使用したときの重合体のドライエッチング耐性の点から、上記式(6)で表される単量体が好ましい。また、レジスト組成物材料に使用したときの重合体のラインエッジラフネス低減の点から、上記式(7)で表される単量体が好ましい。
【0035】
本発明で使用される単量体の製造は、一例として下記工程にて行うことができるが、これに限定されるものではない。
【0036】
【化19】
1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、マレイン酸無水物およびその誘導体などの原料は、市販のものや既知の製法で合成したものが使用出来る。
【0037】
水素化ホウ素ナトリウムを還元剤として、酸無水物からラクトンを得る方法は広く知られており、例えば、J.Org.Chem.,35,3574(1970)には、THFまたはDMF溶媒下、水素化ホウ素ナトリウムを還元剤としてラクトン化合物を合成する方法が記載され、また、Synthesis,42(1974)エタノール溶媒下、水素化ホウ素ナトリウムにより還元する方法が記載されている。
【0038】
上記原料にアクロレイン、メタクロレインなどを付加させるヘテロディールス・アルダー反応は既知の方法にて、容易に進行するが、好ましくは無溶媒又はベンゼン等の溶媒中、必要に応じてルイス酸等の触媒を添加して行われる。
【0039】
不飽和結合へのアクリル酸、メタクリル酸の不飽和結合への付加反応は、好ましくは酸触媒を使用し、無溶媒、過剰のアクリル酸やメタクリル酸中、トルエンなどの不活性溶媒中などで行うことが可能である。
【0040】
上記反応の生成物は、いくつかの構造異性体、幾何異性体、光学異性体を含む場合がある。本発明には、異性体の混合物のままあるいは中間体を含んでいても使用可能である。必要ならば、通常の蒸留、薄膜蒸留、再結晶あるいはカラムクロマトグラフィー等の手段によって精製しても良い。
【0041】
本発明においては、以上の単量体に、これまで化学増幅型のポジ型レジストとして公知の耐ドライエッチング性向上基や酸解離性の溶解抑制基を有するアクリル酸誘導体、メタクリル酸誘導体、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸などのアルカリ可溶性とするためのエチレン性二重結合を有するカルボン酸、アクリル樹脂の製造に用いられる公知の単量体などを必要に応じ、適宜組み合わせ、共重合させて用いることができる。
【0042】
上記のアクリル酸誘導体としては、例えばアクリル酸tert‐ブチル、アクリル酸テトラヒドロピラニル、アクリル酸テトラヒドロフラニル、アクリル酸1‐メチルシクロヘキシル、アクリル酸1‐メチルアダマンチル、アクリル酸エトキシエチル、アクリル酸エトキシプロピル、アクリル酸と2‐ヒドロキシ‐3‐ピナノンとのエステルなどのカルボキシル基の水酸基を酸解離性置換基で保護したアクリル酸エステル、あるいはアクリル酸アダマンチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ナフチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸3‐オキソシクロヘキシル、アクリル酸ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、アクリル酸トリシクロデカニル、アクリル酸とテルピネオールとのエステル、アクリル酸と3‐ブロモアセトンとのエステルなどのカルボキシル基の水酸基を酸非解離性置換基で保護したアクリル酸エステルなどが挙げられる。また、メタクリル酸誘導体としてはこれらのアクリル酸誘導体に対応するメタクリル酸の誘導体を挙げることができる。
【0043】
また、エチレン性二重結合を有するカルボン酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ノルボルネン又はその一部をアルキル基、アルキルオキシ基、水酸基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、アルキルオキシカルボニル基等で置換したノルボルネン誘導体モノマー、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル等のビニルエーテル誘導体モノマー、スチレン、パラヒドロキシスチレン、パラメトキシスチレン、パラtert−ブトキシスチレン等のスチレン誘導体モノマー、及び無水マレイン酸等を挙げることができる。
【0044】
アクリル樹脂の製造に用いられる公知のモノマーの例としては、アクリル酸、メタクリル酸又はこれらのカルボン酸の水素原子をメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n‐ブチル、tert−ブチル、n‐ヘキシル、オクチル、2‐エチルヘキシル、ラウリル、2‐ヒドロキシエチル、2‐ヒドロキシプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2−ヒドロキシエチル、ノルボルニル、トリシクロデカニル、アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル等の基で置換したアクリル酸誘導体モノマー又はメタクリル酸誘導体モノマー等を挙げることが出来る。
【0045】
本発明の重合体は、上記式(1)〜(7)で表される構成単位から選ばれる1種又は2種以上と下記式(A)〜(C)
【化20】
(式中、qは1〜4の整数を示し、R8、R10はそれぞれ水素原子またはメチル基を示し、R9は炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐アルキル基、炭素数4〜8の環式炭化水素基、炭素数4〜16の橋かけ環式炭化水素基を示し、R11は水素原子、親水性官能基または親水性官能基を有する炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐アルキル基、炭素数4〜8の環式炭化水素基、炭素数4〜16の橋かけ環式炭化水素基を示し、R12、R13はそれぞれ水素原子、メチル基、またはエチル基を示す。ここで前記アルキル基、環式炭化水素基、橋かけ環式炭化水素基、親水性官能基は炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐アルキル基で置換されていても良く、さらにヒドロキシ基、カルボキシ基または炭素数1〜6のアルコールとエステル化されたカルボキシ基で置換されていても良い。)
で表される構成単位から選ばれる1種又は2種以上を構成単位として含有する重合体が好ましい。
【0046】
上記式(A)、(B)中の炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐アルキル基の例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基などが挙げられる。
【0047】
環式炭化水素基の例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基およびこれらの置換基がスピロ構造を有しているものがあげられる。これらのアルキル基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基または炭素数1〜6のアルコールとエステル化されたカルボキシ基で置換されていても良い。
【0048】
上記式(C)中の親水性官能基の例としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基などの極性の高い基、およびケトン、酸無水物、エステル、エーテル、ラクトン、イミド、アミドなどの構造を有する直鎖若しくは分岐アルキル基、環状化合物等があげられる。親水性官能基を有する化合物には、骨格の一部がケトン、酸無水物、エステル、エーテル、ラクトン、イミド、アミドなどの構造に置換された炭素数4〜8の環式炭化水素基、炭素数4〜16の橋かけ環式炭化水素基も含まれる。
【0049】
上記の親水性官能基には、通常、疎水性に含まれるものもあるが、本発明を使用したレジスト剤組成物において必要な親水性が得られればよい。
【0050】
以上のアルキル基、環式炭化水素基、橋かけ環式炭化水素基、親水性官能基は炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐アルキル基で置換されていても良く、さらにヒドロキシ基、カルボキシ基または炭素数1〜6のアルコールとエステル化されたカルボキシ基で置換されていても良い。
【0051】
上記式(A)で表される構成単位を含む重合体は、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−エチルアダマンタン等を重合することにより得られる。これらのなかで、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−エチルアダマンタン等がレジスト組成物材料に使用したときの感度および解像度の点で好ましい。
【0052】
上記式(B)で表される構成単位を含む重合体は、親水性官能基を有する単量体、例えば末端ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート、アルキル置換エーテル基を有する(メタ)アクリレート、δ−バレロラクトニル基を有する(メタ)アクリレート、γ−ブチロラクトニル基を有する(メタ)アクリレート、および、これらの単量体の親水性官能基上にアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基等の置換基を有する誘導体、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−エチルアダマンタン等の環式炭化水素基がヒドロキシ基、カルボキシ基等の親水性官能基で置換された単量体などを重合することにより得られる。
【0053】
このような単量体として、具体的には、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、1−メタクリロイルオキシ−3−ヒドロキシアダマンタン、β−(メタ)アクリロイルオキシ−β−メチル−δ−バレロラクトン、β−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、β−(メタ)アクリロイルオキシ−β−メチル−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、2−(1−(メタ)アクリロイルオキシ)エチル−4−ブタノリド、パントラクトン(メタ)アクリレート、8−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[5.2.1.02 , 6]デカン−2−オン、9−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[5.2.1.02 , 6]デカン−2−オン等が挙げられる。
【0054】
これらのなかで、1−メタクリロイルオキシ−3−ヒドロキシアダマンタン、8−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[5.2.1.02 , 6]デカン−2−オン、9−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[5.2.1.02 , 6]デカン−2−オン等がレジスト組成物材料に使用したときの重合体の基板に対する密着性の点で好ましい。
【0055】
上記式(C)で表される構成単位を含む重合体は、4〜8員環のα−メチレンラクトン、および、そのラクトン環炭素上にアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基等の置換基を有する誘導体等の単量体を重合することにより得られる。これらのなかで、α−メチレン−γ−ブチロラクトン、およびそのγ位炭素上にアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基等の置換基を有する誘導体、例えばα−メチレン−γ−ブチロラクトン、α−メチレン−γ−メチル−γ−ブチロラクトン、α−メチレン−γ−エチル−γ−ブチロラクトン、4,4−ジメチル−2−メチレン−4−ブタノライド等がレジスト組成物材料に使用したときの感度および解像度の点で好ましい。
【0056】
重合体中の上記式(A)で示される構成単位の比率は、感度および解像度を高めるため30モル%以上が好ましく、また、有機溶剤への溶解性を低下させないため70モル%以下が好ましい。重合体の上記式(B)で示される構成単位の比率は、ドライエッチング耐性を低下させないため70モル%以下が好ましい。重合体の上記式(C)で示される構成単位の比率は、感度および解像度を低下させないため60モル%以下が好ましい。
【0057】
なお、以上の本発明の重合体において、各構成単位は任意のシーケンスを取り得る。したがって、本発明の重合体は、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
【0058】
本発明の重合体の例としては、上記式(15)〜(53)の単量体と下記式(D)〜(K)
【化21】
【化22】
で表される単量体から選ばれる1種または2種以上を共重合させたものが挙げられる。
【0059】
メタクリル酸系の重合体の好ましい例として、表1に示す単量体を重合させたものが挙げられる。
【0060】
【表1】
アクリル酸系の重合体の好ましい例として、表2に示す単量体を重合させたものが挙げられる。
【0061】
【表2】
上記の組成で、メタクリル酸系の単量体の一部をアクリル酸系の単量体に置換しても良く、アクリル酸系の単量体の一部をメタクリル酸系の単量体に置換しても良い。
【0062】
以上の重合体は、レジスト組成物材料、特に化学増幅型レジスト組成物材料に好適である。以下、本発明の重合体が化学増幅型レジスト組成物用樹脂である場合について説明する。
【0063】
化学増幅型レジスト組成物用樹脂には、高感度を実現するために酸によりアルカリ水溶液に可溶となる性質と、高いドライエッチング耐性を実現するために炭素密度の高い構造とが要求される。酸の作用で脱離しやすい官能基を有する構造としては、例えば、アシル基、t−ブチル基、テトラヒドロピラニル基、メチルアダマンチル基等によりヒドロキシ基やカルボキシル基を保護した構造が挙げられる。
【0064】
酸の作用で脱離しやすい性質を有する官能基を有する構造を導入するためには、本発明の単量体と、このような構造を有する単量体とを共重合すればよい。また、高いドライエッチング耐性を有する構造を導入するためには、炭素密度の高いアルキル基を有する単量体と本発明の単量体を共重合すればよい。
【0065】
このような構造を有する単量体としては、例えば、これまで化学増幅型レジスト組成物用樹脂の原料単量体として知られているものが使用可能である。本発明の重合体に用いる原料単量体は、リソグラフィーに使用される光源によって任意に選択される。
【0066】
例えば、KrFエキシマーレーザーや電子線を光源とする場合は、その高いエッチング耐性を考慮して、本発明の単量体とp−ヒドロキシスチレンあるいはその誘導体とを共重合した重合体が好適に用いられる。この場合、重合体中の本発明の単量体に由来する構成単位の比率は、5%以上であることが好ましく、また、60%以下であることが好ましい。
【0067】
ArFエキシマーレーザーを光源とする場合は、本発明の単量体と環状炭化水素基を有する単量体と親水性官能基を有する単量体および/またはラクトン構造を有する単量体を共重合した重合体が好適である。
【0068】
環状炭化水素基を有する単量体と親水性官能基を有する単量体とを共重合して得られるアクリル系共重合体、または、環状炭化水素基を有する単量体とラクトン構造を有する単量体とを共重合して得られるアクリル系共重合体は、ArFエキシマーレーザーリソグラフィー用樹脂として好適であることが知られている。このような重合体に本発明の構成単位を導入することにより、高感度、高解像度、感度、解像度および基板密着性、現像液への濡れ性といったレジスト性能を損なうことなく、ドライエッチング耐性を向上させることが可能になる。
【0069】
環状炭化水素基を有する構成単位は、これを含む重合体に高いドライエッチング耐性を付与するものである。特に、酸により脱離する保護基(環状炭化水素基が直接保護基になっていてもよい。)を含有するものは、波長193nmのArFエキシマーレーザーを用いたフォトリソグラフィーにおける高い感度も付与することができる。環状炭化水素基を有する構成単位は、必要に応じて、1種としても、2種以上としてもよい。
【0070】
親水性官能基を有する構成単位は、これを含む重合体に基板に対する密着性を付与するものである。特に、酸により脱離する保護基を含有するものは、波長193nmのArFエキシマーレーザーを用いたフォトリソグラフィーにおける高い感度も付与することができる。親水性官能基としては、例えば、末端ヒドロキシ基、アルキル置換エーテル基、δ−バレロラクトニル基、γ−ブチロラクトニル基等を挙げることができる。なお、上記の親水性官能基には、通常、疎水性に含まれるものもあるが、本発明において必要な親水性が得られればよいので、上記のものが含まれる。親水性官能基を有する構成単位は、必要に応じて、1種としても、2種以上としてもよい。
【0071】
化学増幅型レジスト組成物用樹脂として用いる場合、本発明の重合体の質量平均分子量は特に限定されないが、1,000以上であることが好ましく、また、100,000以下であることが好ましい。質量平均分子量がこれより大きいと、レジスト溶液に対する溶解性が低下して解像度が低下する。質量平均分子量がこれより小さいと、ドライエッチング耐性が低下してレジスト形状悪化する傾向がある。
【0072】
化学増幅型レジスト組成物用樹脂として用いる場合、本発明の重合体の含有量は1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。また、本発明の重合体の含有量は80質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。上記含有量より少ない場合はレジスト用途に使用した場合の効果が低く、上記含有量より多い場合、レジスト組成物の粘性が高くなるなど取り扱いが難しくなる。
【0073】
本発明の重合体(化学増幅型レジスト組成物用樹脂)は公知の重合法により製造することができるが、簡便に製造できるという点で、あらかじめ単量体および重合開始剤を有機溶媒に溶解させた単量体溶液を一定温度に保持した有機溶媒中に滴下する、いわゆる滴下重合法により製造することが好ましい。
【0074】
滴下重合法に用いられる有機溶媒としては特に限定されないが、単量体および得られる共重合体のいずれも溶解できる溶媒が好ましく、例えば、1,4−ジオキサン、イソプロピルアルコール、アセトン、テトラヒドロフラン、乳酸エチル等が挙げられる。なお、有機溶媒の使用量は特に限定されず、適宜決めればよい。
【0075】
滴下重合法に用いられる重合開始剤としては特に限定されないが、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物等が挙げられる。また、n−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、2−メルカプトエタノール等のメルカプタン類を連鎖移動剤として用いてもよい。なお、重合開始剤および連鎖移動剤の使用量は特に限定されず、適宜決めればよい。
【0076】
滴下重合法における重合温度は特に限定はされないが、通常、50〜150℃の範囲であることが好ましい。
【0077】
滴下重合法によって製造された重合体溶液は、必要に応じてテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の良溶媒を単独または2種以上を混合して適当な溶液粘度に希釈した後、ヘプタン、メタノール、水等を単独または2種以上を混合した多量の貧溶媒中に滴下して重合体を析出させる。その後、その析出物を濾別し、十分に乾燥して本発明の重合体を得る。
【0078】
重合溶液を多量の貧溶媒中に滴下して重合体を析出させる工程は再沈殿と呼ばれ、重合溶液中に残存する未反応の単量体や重合開始剤等を取り除くために非常に有効である。これらの未反応物等は、そのまま残存しているとレジスト性能に悪影響をおよぼす可能性があるため、できれば取り除くことが好ましい。この再沈殿工程は、場合により不要となることもある。
【0079】
本発明の化学増幅型レジスト組成物は、上記のような本発明の重合体および光酸発生剤を溶剤に溶解したものである。本発明の重合体は、1種を用いても、2種以上を併用してもよい。
【0080】
光酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、キノンジアジド化合物、ジアゾメタン化合物等が挙げられる。中でも、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等のオニウム塩化合物を用いることが好ましい。
【0081】
光酸発生剤として、具体的には、トリフェニルスルホニウムトリフレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、(ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウムトルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。
【0082】
光酸発生剤の使用量は、用いる光酸発生剤の種類等により適宜決められるが、通常、本発明の重合体に対し、光酸発生剤を質量で0.001〜0.2倍である。光酸発生剤の使用量をこの範囲にすることにより、露光により発生した酸の触媒作用による化学反応を十分に生起させることができる。光酸発生剤の使用量がこの量より少ない場合、露光により発生した酸の触媒作用による化学反応を十分に生起させることができず、多い場合レジスト組成物の安定性が低下し、組成物を塗布する際の塗布むらや現像時のスカム等の発生が多くなる。
【0083】
本発明の化学増幅型レジスト組成物に用いる溶剤は目的に応じて任意に選択されるが、溶剤の選択は樹脂の溶解性以外の理由、例えば、塗膜の均一性、外観あるいは安全性等からも制約を受けることがある。
【0084】
本発明において通常使用される溶剤としては、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン等の直鎖状ケトン類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等の環状ケトン類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルアセテート類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコ−ルモノイソプロピルエ−テル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコ−ルモノメチルエ−テル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のジエチレングリコールアルキルエーテル類、酢酸エチル、乳酸エチル等のエステル類、n−プロピルアルコ−ル、イソプロピルアルコ−ル、n−ブチルアルコ−ル、tert−ブチルアルコ−ル、シクロヘキサノール、1−オクタノール等のアルコール類、1,4−ジオキサン、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらの溶剤は、1種を用いても、2種以上を併用してもよい。
【0085】
溶剤の使用量は、通常、レジスト用重合体(本発明の重合体)100質量部に対して200質量部以上であり、300質量部以上であることがより好ましい。また、溶剤の使用量は、通常、レジスト用重合体(本発明の重合体)100質量部に対して5000質量部以下であり、2000質量部以下であることがより好ましい。
【0086】
さらに、本発明の化学増幅型レジスト組成物には、必要に応じて、界面活性剤、クエンチャー、増感剤、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤等の各種添加剤を配合することもできる。これらの添加剤は、当該分野で既知のもであればいずれも使用可能である。また、これらの添加剤の配合量は特に限定されず、適宜決めればよい。
【0087】
次に、本発明のパターン形成方法の一例について説明する。
【0088】
最初に、パターンを形成するシリコンウエハー等の被加工基板の表面に、本発明の化学増幅型レジスト組成物をスピンコート等により塗布する。そして、この化学増幅型レジスト組成物が塗布された被加工基板は、ベーキング処理(プリベーク)等で乾燥し、基板上にレジスト膜を形成する。
【0089】
次いで、このようにして得られたレジスト膜に、フォトマスクを介して、250以下の波長の光を照射する(露光)。露光に用いる光は、KrFエキシマーレーザーまたはArFエキシマーレーザーであることが好ましく、特にArFエキシマーレーザーであることが好ましい。
【0090】
光照射(露光)後、適宜ベーキング処理(PEB)し、基板をアルカリ現像液に浸漬し、露光部分を現像液に溶解除去する(現像)。アルカリ現像液は公知のものいずれを用いてもよい。そして、現像後、基板を純水等で適宜リンス処理する。このようにして被加工基板上にレジストパターンが形成される。
【0091】
通常、レジストパターンが形成された被加工基板は、適宜ベーキング処理(ポストベーク)してレジストを強化し、レジストのない部分を選択的にエッチングする。エッチングを行った後、レジストは、通常、剥離剤を用いて除去される。
【0092】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって詳しく説明するが、本発明はこれらの記載に限定されるものではない。ここで「部」は、特に断りがない限り、「質量部」を意味する。
【0093】
また、共重合体の物性測定およびレジストの評価は以下の方法で行った。
【0094】
<質量平均分子量>
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(以下GPCという。)により、ポリスチレン換算で求めた。溶剤には、クロロホルムあるいはテトラヒドロフランを使用した。
【0095】
<共重合体の平均共重合組成(モル%)>
1H−NMR、1 3C−NMRの測定により求めた。溶剤には、重クロロホルムあるいは重ジメチルスルホキシドを使用した。
【0096】
<感度>
共重合体100部に、トリフェニルスルホニウムトリフレート2部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート630部とγ−ブチロラクトン70部を溶解して均一溶液とした後、テフロン(登録商標)フィルターを用いて濾過し、レジスト組成物溶液を調製した。シリコンウエハー上にレジスト組成物溶液をスピンコートし、ホットプレートを用いて、120℃、60秒間プリベークを行い、膜厚400nmの薄膜を形成した。次いで、193nm光照射装置(ニコン製SP193)を用いて露光した後、直ちに120℃、60秒間露光後ベークを行った。次いで、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いて室温で60秒間現像し、純粋で水洗し、乾燥した。レジスト膜が完全に溶解し、シリコンウエハー表面が露出する最低露光量を感度とした。
【0097】
<エッチング速度>
膜厚400nmのレジスト膜が塗布されたシリコンウエハーを、昭和真空(株)製SPE−220T型ドライエッチング装置にてドライエッチング処理した。ガスはCF4/O2混合ガスとし、処理時間を2分間とした。ドライエッチング処理前後のレジスト膜の膜厚を、大日本スクリーン製造(株)製ラムダエースVM−8000J型光干渉式膜厚測定装置を用いて測定し、単位時間あたりの膜厚減少量をレジストのエッチング速度とした。なお、エッチング速度はノボラック樹脂のエッチング速度を1として規格化した。
【0098】
[合成例1] 下記式(54)で示される重合体P−1の合成
【化23】
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計をつけたセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下で乳酸エチル24.0部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を70℃に上げた。a−1モノマー14.6部、2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン(以下、MAdMAという。)11.0部、テトラヒドロフラン24.0部、アゾビスイソブチロニトリル0.98部を混合した単量体溶液を一定速度で6時間かけてフラスコ中に滴下し、その後、70℃で2時間保持した。次いで、得られた反応溶液をメタノール800部に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿を得た。沈殿を濾別し、減圧下60℃で約10時間乾燥した。沈殿をテトラヒドロフラン45部に溶解させ、メタノール800部に攪拌しながら滴下し、得られた沈殿を濾別し、減圧下60℃で約40時間乾燥した。
【0099】
各物性を測定したところ、GPC分析による質量平均分子量(以下Mwという。)は12300、分散度(以下、Mw/Mnという。)は1.65で、共重合比は1H−NMRの積分比からa−1:MAdMA=50:50であった。
【0100】
[合成例2〜8] 重合体P−2〜P−8の合成
重合体P−1およびこれと同様の方法で合成した重合体P−2〜P−8を表3に示す。
【0101】
【表3】
MAdMA:2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン
【化24】
EAdMA:2−メタクリロイルオキシ−2−エチルアダマンタン
【化25】
IAdMA:1−メタクリロイルオキシイソプロピルアダマンタン
【化26】
HAdMA:1−メタクリロイルオキシ−3−ヒドロキシアダマンタン
【化27】
a−1:
【化28】
a−2:
【化29】
A−1:
【化30】
[実施例および比較例]
合成例1〜8で得られた各共重合体をレジストとしたときの感度およびドライエッチング耐性を測定した結果を表4に示した。
【0102】
【表4】
このように本発明の重合体を用いたレジスト組成物は、十分な感度を備えた上に、優れたドライエッチング耐性を有していた。
【0103】
【発明の効果】
本発明の重合体は波長250nm以下の光、特にArFエキシマレーザー光に対して透明性が高く、ドライエッチング耐性および基板密着性、現像液への濡れ性、有機溶媒に対する溶解性が良好で、感度、解像度の点で極めて優れており、レジスト組成物用樹脂として好適である。
【0104】
このレジスト組成物を用いた本発明のパターン形成方法によれば、高精度の微細なレジストパターンを安定して形成することができる。このパターン形成方法は遠紫外光エキシマーレーザーリソグラフィーや電子線リソグラフィー、特にArFエキシマーレーザーを使用するリソグラフィーに好適である。
Claims (16)
- Z1〜Z4が炭素数4〜8の単環式飽和炭化水素構造または炭素数7〜22の多環式飽和炭化水素構造である請求項1または2記載の重合体。
- Z1〜Z4が炭素数7〜22の多環式飽和炭化水素構造である請求項1または2記載の重合体。
- Z1〜Z4が橋かけ環式飽和炭化水素構造を有する炭素数7〜22の多環式飽和炭化水素構造である請求項1または2記載の重合体。
- Z1〜Z4が置換基として炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基を有する請求項2記載の重合体。
- Z1〜Z4が置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基または炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基を有する請求項1または2記載の重合体。
- Z1〜Z4が置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基または炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基を有する請求項1または2記載の重合体。
- 請求項1〜8記載の構成単位から選ばれる1種又は2種以上と下記式(A)〜(C)
で表される構成単位から選ばれる1種又は2種以上を構成単位として含有することを特徴とする重合体。 - 質量平均分子量が1,000〜100,000であることを特徴とする請求項1〜9記載の重合体。
- 請求項1〜10記載の重合体を含有することを特徴とするレジスト組成物。
- 請求項1〜10記載の重合体及び光酸発生剤を含有することを特徴とするレジスト組成物。
- 請求項11または12に記載のレジスト組成物を被加工基板上に塗布する工程と、250nm以下の波長の光で露光する工程と、必要に応じて加熱処理した後現像液を用いて現像する工程とを含むパターン形成方法。
- 露光に用いる光が、ArFエキシマーレーザーであることを特徴とする請求項13に記載のパターン形成方法。
- 請求項11または12に記載のレジスト組成物を被加工基板上に塗布する工程と、電子線で露光する工程と、必要に応じて加熱処理した後現像液を用いて現像する工程とを含むパターン形成方法。
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