JP3719294B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やプリンタ、ファックス及びその他の装置に用いられる電子写真画像形成装置に関し、さらに詳しくは画像形成装置を構成する像担持体および転写部材の駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式の画像形成装置においては像担持体に潜像形成手段を用いて潜像を形成し、現像手段により顕像化された像を転写部材に転写することにより画像形成を行う。このような画像形成装置においては、像担持体の速度ムラに起因して画像の伸縮が生じるという課題がある。
【0003】
このような課題に対して、像担持体の速度ムラを抑える方法が種々提案されている。特開平4−204859号公報においては像担持体の周速度を検出し、検出した周速度に応じて駆動源の駆動速度を変調することにより像担持体の速度ムラを抑える方法が提案されている。
【0004】
また、特開昭62−264067号公報や特開昭63−11965号公報においては、像担持体が潜像形成手段により潜像が形成される位置から転写手段により像担持体上の像が転写部材に転写される位置まで移動する時間を駆動源や像担持体駆動部材の速度ムラ周期の整数倍とすることにより、駆動源や像担持体駆動部材の速度ムラを潜像の書き込みと像の転写で相殺させることにより画像の伸縮を抑える方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特開平4−204859号公報において提案されている方式では、微妙な像担持体の周速度を検出するための高精度な速度検出器と、検出された結果に基づき駆動源を制御するための高価なフィードバック回路を必要とし、さらに速度制御の高速応答性のために像担持体の低慣性化を実現しなければならず、画像形成装置のコスト高を招いてしまうという問題を有する。
【0006】
また、特開昭62−264067号公報や特開昭63−11965号公報において提案されている方式では、像担持体を駆動する駆動源や駆動伝達手段の速度ムラは相殺することができるが、像担持体に取り付けられる歯車など像担持体と一体的に動作する像担持体駆動部材の偏心や形状誤差に起因する速度ムラまで相殺させることができない。特に像担持体と一体的に動作する像担持体駆動部材に起因する速度ムラは像担持体の速度ムラに直接的に影響するため、像担持体と一体的に動作する像担持体駆動部材の取り付け精度や形状精度を極めて高精度にしなければならないという問題を有する。
【0007】
さらに、画像形成装置が複数の現像手段を備え、転写部材に像担持体の像を順次重ねて転写し、カラー画像を形成する場合においては、像担持体の速度ムラは画像の伸縮だけでなく色ズレや色ムラとして画質に影響する。一般的に人間の視覚は、速度ムラが同じ場合、色ズレや色ムラに関する感度は画像の伸縮の感度よりも遥かに高い。このため、カラー画像を形成するが画像形成装置に用いられる像担持体には極めて高精度な駆動が要求される。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、像担持体と一体的に動作する像担持体駆動部材に起因する速度ムラがあっても、簡単な構成で速度ムラを相殺し、画像の伸縮を抑えた高画質、低価格な画像形成装置を提供するものである。
【0009】
特に本発明は、複数の現像手段を備え、転写部材には像担持体の像が順次重ねて転写される画像形成装置に適用した場合、像担持体の速度ムラに起因する色ズレや色ムラを高精度に補正し、高画質な画像形成装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、回転可能な像担持体と、前記像担持体を駆動する駆動手段と、前記駆動手段から像担持体駆動位置において受けた駆動力を前記像担持体へ伝達する像担持体駆動部材と、前記像担持体に潜像形成位置で潜像を形成する潜像形成手段と、前記像担持体上の潜像を顕像化させ現像剤像を形成する現像手段と、前記像担持体上の前記現像剤像が転写位置で転写される中間転写媒体と、前記中間転写媒体上の画像を転写される2次転写部材と、前記像担持体上の前記現像剤像を前記中間転写媒体に転写するための転写手段と、前記転写手段と別体で前記像担持体駆動部材から転写駆動位置において駆動力を受け前記中間転写媒体を搬送する転写部材搬送手段と、を有する画像形成装置であって、前記像担持体駆動部材は前記像担持体と一体的に回転する像担持体歯車で構成され、前記駆動手段は前記像担持体駆動部材と前記像担持体駆動位置において噛み合う駆動手段歯車を有し、前記転写部材搬送手段は媒体駆動ローラと、前記媒体駆動ローラと一体的に回転し記像担持体駆動部材と前記転写駆動位置において噛み合う搬送力伝達歯車を有し、前記像担持体が前記潜像形成位置から前記転写位置まで回転する時間と前記像担持体駆動部材が前記像担持体駆動位置から前記転写駆動位置まで回転する時間とを略等しく構成したことを特徴とする。
【0012】
さらに、前記駆動手段歯車と前記搬送力伝達歯車は前記像担持体駆動部材に向かって押圧されていることを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明の画像形成装置は、複数の前記現像手段を備え、前記転写部材に前記像担持体の像が順次重ねて転写されることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の詳細を以下に図を参照して説明する。
【0016】
図1は本発明の画像形成装置の概略の構成を示す正面断面図である。図1に示すように本発明の画像形成装置は、像担持体1、像担持体1の周り配置される帯電手段2、潜像形成手段3、現像手段4、転写手段5、クリーナ6および転写部材7と転写部材7を搬送するための転写部材搬送手段8等から構成されている。
【0017】
本発明の画像形成装置における画像形成プロセスの概略を説明すると、像担持体1の図中矢印A方向への回転に伴い、潜像形成手段3により像担持体1上の潜像形成位置1aにおいて形成された潜像は、現像手段4により顕像化され、転写位置1bにおいて転写手段5により転写部材7に転写されることにより画像形成が行われる。
【0018】
本発明における像担持体1の駆動方法と転写部材7の搬送方法を図2の斜視図に示す。像担持体1には一体的に回転する像担持体駆動部材である像担持体歯車11が取り付けられている。駆動手段9の1部である駆動手段歯車91は像担持体歯車11と像担持体駆動位置11aで噛み合っており、駆動手段9の駆動力を像担持体歯車11に伝達する。像担持体歯車11は像担持体1と一体的に動作し像担持体1へ駆動力を伝達する。転写部材搬送手段8は、その構成部材である搬送力伝達歯車81が転写駆動位置11bにおいて像担持体歯車11と噛み合うよう構成されており、像担持体歯車11からの駆動力を伝達して転写部材7を搬送する。
【0019】
上記構成において、像担持体歯車11に形状誤差や偏心があると、駆動手段歯車91からの駆動速度が像担持体歯車11に正確に伝わらず、像担持体歯車11に回転速度ムラが生じる。像担持体歯車11の回転速度ムラは直接的に像担持体1の回転速度ムラとなり、さらに像担持体1の形状誤差や偏心による影響がこれに合成されて像担持体1に周速度ムラが生じる。この周速度ムラは潜像形成手段3によって像担持体1上に形成される潜像に伸縮を生じせしめる。一方、像担持体歯車11の回転速度ムラは像担持体歯車11から駆動力が伝達される転写部材搬送手段8にも速度ムラを生じせしめ、転写部材7の搬送速度に速度ムラを生じせしめる。このようにして、最終的に転写部材7に形成される画像には像担持体1上の潜像の伸縮に転写部材7の搬送速度ムラの影響が合成されて伸縮し、画質が低下する。
【0020】
本発明者は、上述の問題に対して像担持体歯車11に起因する回転速度ムラが像担持体11の速度だけでなく、転写部材7の速度にも影響を与えることに着目し、像担持体11の速度ムラと転写部材7の速度ムラを相殺させる方法を発明した。以下に本発明に原理について説明する。
【0021】
図3は本発明の原理を示す画像形成装置の正面断面図である。像担持体歯車11に形状誤差や偏心があると回転中心Oから歯車の噛み合い位置であるピッチ円までの長さが像担持体歯車11の回転角度に依存して変化する。そこで、像担持体歯車11の回転角度をθとして、像担持体駆動位置11aにおける回転中心からピッチ円までの長さをr11(θ)で表す。同様に潜像形成位置1aにおける像担持体1の回転中心Oから像担持体1外周面までの長さをr1(θ)で表す。像担持体1が潜像形成位置1aから転写位置1bまで回転移動する時間を像形成−転写時間t1とし、像担持体歯車11が像担持体駆動位置11aから転写駆動位置11bまで回転移動する時間を転写駆動伝達時間t2とする。駆動手段歯車91および搬送力伝達歯車81は像担持体歯車11に押圧されており、これらの歯車は常に像担持体歯車11の半径方向に関して前述のr11(θ)の位置で像担持体歯車11と噛み合っているものとする。
【0022】
始めに、像担持体1に形成される微小時間Δtにおける潜像の微小長さΔp1を求める。像担持体歯車11を駆動する駆動手段歯車91の回転速度は速度ムラを有すると考え、駆動手段歯車91の像担持体駆動位置11aでの周速を時刻tの関数としてv91(t)で表す。周速v91(t)を用いて、時刻tにおける像担持体1の潜像形成位置1aの周速v1a(t)は式(1)で表される。
【0023】
【数1】
【0024】
式(1)において像担持体1および像担持体歯車11の回転角度θ(t)は時間tの関数であり、式(2)の微分方程式をθについて解いて求められる。
【0025】
【数2】
【0026】
式(1)から微小時間Δtにおける潜像形成位置1aで形成される潜像の微小長さΔp1は時間tの関数として式(3)のように表される。
【0027】
【数3】
【0028】
次に、時刻tにおいて形成された潜像が転写部材7に転写された場合の転写部材7上での微小長さΔp7(t)を求める。時刻tにおいて形成された潜像は、像形成−転写時間t1後に転写部材7に転写され、Δp7(t)は式(4)のように表される。
【0029】
【数4】
【0030】
式(4)において、 v7(t+t1)は時刻t+t1における転写部材7の搬送速度を表し、v1b(t+t1)は時刻t+t1における転写位置1bでの像担持体1の周速を表す。v7(t+t1)は、駆動手段歯車91の周速v91(t)を用いると式(5)のように表される。
【0031】
【数5】
【0032】
式(5)において、k8(t+t1)は時刻t+t1における像担持体歯車11の転写駆動位置11bでの周速に対する転写部材7の搬送速度の比を示す。このk8(t+t1)は転写部材搬送手段8の構成により決定される係数であり、転写部材搬送手段8には速度の伝達ムラがあるものと考え時刻tの関数で表す。また、r11b(θ(t+t1))は時刻t+t1における転写駆動位置11bでの回転中心Oからピッチ円までの長さを表す。 r11b(θ(t))とr11(θ(t))は位相が転写駆動時間t2異なるだけで同じ長さを示す関数であるので、r11b(θ(t))は、 r11(θ(t))を用いると式(6)のように表される。
【0033】
【数6】
【0034】
よって式(5)は式(6)を用いて式(7)のように書き換えられる。
【0035】
【数7】
【0036】
また、 式(4)で用いた周速v1b(t+t1)は駆動手段歯車91の周速v91(t)を用いて式(8)のように表される。
【0037】
【数8】
【0038】
式(8)においてr1b(θ(t+t1))は時刻t+t1における転写位置1bでの回転中心Oから像担持体1外周面までの長さを示し、r1(θ(t))に等しい。よって、式(8)は式(9)のように表される。
【0039】
【数9】
【0040】
従って、式(3)、式(7)、式(9)を式(4)に代入すると転写部材7上での微小長さΔp7(t+t1)は式10のように表される。
【0041】
【数10】
【0042】
式(10)で表される転写部材7上での微小長さΔp7(t+t1)の変動が画像の伸縮を表し、もしも、Δp7(t+t1)が時刻tによらず一定であれば転写部材7上での画像の伸縮は生じない。ここで、像形成−転写時間t1と転写駆動伝達時間t2が等しくなるように画像形成装置を構成すれば、式(10)は式(11)のように表される。
【0043】
【数11】
【0044】
式(10)、(11)から像形成−転写時間t1と転写駆動伝達時間t2を等しくすることにより、微小長さΔp7(t+t1)に対して像担持体歯車11の回転中心からピッチ円までの長さr11(θ(t))は影響しなくなることが解かる。つまり、本発明の構成において像形成−転写時間t1と転写駆動伝達時間t2を等しくすることにより、像担持体歯車11に形状誤差や偏心があっても転写部材7に形成される画像には伸縮が生じないことが解かる。
【0045】
さらに、式(11)には像担持体1の回転中心Oから像担持体1外周面までの長さr1(θ)は含まれておらず、像担持体1の形状誤差や偏心は微小長さΔp7(t+t1)には影響しないことが解かる。つまり、本発明の構成によれば、像担持体1に形状誤差や偏心があっても転写部材7に形成される画像には伸縮が生じないことが解かる。
【0046】
ところで、像形成−転写時間t1と転写駆動伝達時間t2を完全に等しくしなくとも、略等しくすることで像担持体歯車11の偏心による転写部材7上の画像の伸縮への影響を緩和することができる。そこで、像形成−転写時間t1と転写駆動伝達時間t2に時間差ΔTがある場合の転写部材7上の画像の伸縮への影響を求める。一般的に像担持体歯車11に生じる形状誤差や偏心では、偏心による成分が最も大きいという傾向がある。像担持体歯車11に偏心成分がある場合、回転中心Oから像担持体歯車11のピッチ円までの長さr11(θ)は像担持体11の1回転で1周期となる関数となり、式(12)のように表される。
【0047】
【数12】
【0048】
式(12)においてδ11、ξ11は各々像担持体歯車11の偏心量と偏心の方向を示す位相角を表し、R11は平均ピッチ円半径を表す。ところで、像担持体歯車11の1回転当たりのr11(θ)の変動周波数が低い場合、式(2)から求められるθ(t)は像担持体歯車11の平均回転速度をωとしてθ(t)=ωtと近似しても計算上差し支えない。また、像担持体歯車11の回転速度は像担持体歯車11の偏心量δ11は基準ピッチ円半径R11に比べて十分小さいので、式(12)を用いると転写部材7上の微小長さΔp7(t+t1)は近似的に式(13)のように表される。
【0049】
【数13】
【0050】
式(13)において、像形成−転写時間t1と転写駆動伝達時間t2の時間差ΔTを正規化し像担持体歯車11の回転周期T11に対する比kTに置き換えて表すと式(13)は式(14)のように表される。
【0051】
【数14】
【0052】
式(14)から、像担持体歯車11の偏心量δ11に起因する画像の伸縮は像担持体11の1回転1周期で変化し、その振幅は時間差比kTに依存して変化することが解かる。
【0053】
図4は時間差比kTと像担持体歯車11の偏心に起因する画像の伸縮への影響の関係を示したグラフで、横軸はkTを、縦軸はsin(πkT)を示す。図からkTが0.5の時sin(πkT)は最大値1となり、像担持体歯車11の偏心に起因する画像の伸縮への影響は最大となることが解かる。また、kTが0.167の時sin(πkT)は0.5となり、画像の伸縮への影響は半分に緩和される。画像形成装置が単色画像を形成する場合には、kTは0.167以下であれば画質上問題の無いレベルまで画像の伸縮を緩和することができ、 kTはこの範囲であれば像形成−転写時間t1と転写駆動伝達時間t2は略等しいとみなすことができる。さらにkTが0.064の時sin(πkT)は0.2となり、画像の伸縮への影響は5分の1に緩和される。画像形成装置が転写部材7上に色重ねを行いカラー画像を形成する場合には、転写部材7上の現像剤像に高精度な位置決めが必要とされるためkTは0.064以下が望ましく、 kTはこの範囲であれば像形成−転写時間t1と転写駆動伝達時間t2は略等しいとみなすことができる。
【0054】
上述の実施の形態の説明では、駆動手段歯車91および搬送力伝達歯車81は像担持体歯車11に押圧されている場合について説明した。次に、駆動手段歯車91および搬送力伝達歯車81の回転軸が固定である場合の転写部材7上の画像の伸縮を求める。図5は駆動手段歯車91の回転軸O91が固定である場合の像担持体歯車11と駆動手段歯車91の噛み合い状態を示す正面断面図である。歯車に形状誤差や偏心がない理想的な場合、像担持体歯車11のピッチ円は中心がOで半径がR11である真円C11に、駆動手段歯車91のピッチ円は中心がO91で半径がR91である真円C91となり、両歯車はピッチ円どうしの接点P0で噛み合う。
【0055】
歯車に形状誤差や偏心がある場合、像担持体歯車11および駆動手段歯車91のピッチ円はC11、C91から外れて回転軸O、O91からの長さがr11(θ)、r91(θ91)である曲線となる。θ91は駆動手段歯車91の回転角度を示し、時刻tの関数である。駆動手段歯車91が像担持体歯車11に押圧されている場合は、噛み合い位置は像担持体歯車のピッチ円上点P1となるが、駆動手段歯車91の回転軸が固定されている場合は、噛み合い位置は両ピッチ円の中間、つまり線分P1−P2の中点P3となる。このような場合、時刻tにおける像担持体歯車11の回転角速度ω11(t)は駆動手段歯車91の回転角速度ω91(t)を用いて式(15)のように表される。なお、計算の簡略化のため両歯車のピッチ円は、理想的なピッチ円からの誤差δ11(θ)、δ91(θ91)で表し、これらは、r11(θ)、r91(θ91)から式(16)、(17)を用いて変換される。
【0056】
【数15】
【0057】
式(15)から時刻tにおける像担持体1の潜像形成位置1aの周速v1a(t)は式(18)のように表される。
【0058】
【数16】
【0059】
像担持体歯車11と搬送力伝達歯車81の噛み合いにおいても像担持体歯車11、搬送力伝達歯車81の回転角速度ω11(t)、ω81(t)の関係は同様に計算され、搬送力伝達歯車81の理想的なピッチ円半径をR81、歯車の回転角度θ81における理想的なピッチ円から誤差をδ81(θ81)として式(19)のように表される。
【0060】
【数17】
【0061】
式(19)から転写部材7の速度v7(t+t1)は、駆動手段歯車91の回転角速度ω91(t)を用いて式(20)のように表される。
【0062】
【数18】
【0063】
式(20)においてk’8(t+t1)は搬送力伝達歯車81の回転角速度ω81(t)にたいする転写部材7の搬送速度v7(t)の比を表す。式(18)、式(20)を用い、駆動手段歯車91および搬送力伝達歯車81が像担持体歯車11に押圧されている場合と同様な手順で計算すると時刻t+t1に転写部材上に形成される画像の微小長さΔp7(t+t1)は式(21)のように表される。
【0064】
【数19】
【0065】
R11、R91、R81に比べてδ11(θ)、δ91(θ)、δ81(θ)は十分小さいので式(21)は近似的に式(22)のように表される。
【0066】
【数20】
【0067】
式(22)において像形成−転写時間t1と転写駆動伝達時間t2が等しければ、式(22)は式(23)のように表される。
【0068】
【数21】
【0069】
式(22)、(23)から像形成−転写時間t1と転写駆動伝達時間t2を等しくすることによりΔp7にはδ11(θ)を含んだ項が残るものの、R11で除算される項がなくなって式は簡略化されており、駆動手段歯車91および搬送力伝達歯車81の回転軸が固定の場合でも像担持体歯車11の偏心による転写部材7上の画像の伸縮への影響は大幅に緩和されることが解かる。さらに、R91とR81が等しければ、Δp7にはδ11(θ)を含んだ項が全くなくなり、像担持体歯車11の形状誤差や偏心による転写部材上の画像の伸縮への影響は完全に相殺されることが解かる。
【0070】
以上から駆動手段歯車91および搬送力伝達歯車81の回転軸が固定の場合でも、像形成−転写時間t1と転写駆動伝達時間t2を等しくすることにより像担持体歯車11の形状誤差や偏心による転写部材上の画像の伸縮への影響を大幅に緩和あるいは相殺することができる。
【0071】
【実施例】
本発明の原理に基づいた画像形成装置の実施例を図を参照して説明する。
【0072】
(実施例1)
図6は本発明の第1の実施例を示す画像形成装置の正面断面図である。本実施例の画像形成装置の構成は、例えばアルミニューム素管の外周面に感光層が形成されて図中矢印A方向に回転駆動される像担持体1の周辺に配置した帯電器2、潜像形成手段である露光器3,現像手段である現像器4と、転写手段である転写部5,クリーナ部6等の主要プロセス手段によって構成されている。
【0073】
図6を参照して画像形成プロセス順に説明すると、本実施例における帯電ローラ21は、例えばゴム等の半導電性の弾性体で形成され、図中矢印A方向に回転する像担持体1に従動しながらDC(−)2kV以下程度のバイアスが印加され、像担持体1を(−)600V〜(−)700Vの帯電電位に一様に帯電させる。
【0074】
尚、帯電ローラ21はスプリング22等によって構成された押圧機構によって像担持体1に向かって押圧支持され、約1kgの総圧力で像担持体1に圧接している。
【0075】
次に、図示省略した半導体レーザ等の発光素子から発射された光ビームを偏向走査する偏向走査手段をモータの出力軸に装着して回転し、この光ビームを像担持体1に向けて照射する光路31を形成する反射ミラー32等を収納した露光器3から照射されて入射する光ビームによって、像担持体1は像担持体1の潜像形成位置1aにおいて像露光されて潜像を形成し、この像露光部の電位は(−)10V〜(−)150Vになる。
【0076】
次に、現像器4は現像剤を貯蔵する現像剤貯蔵部43の中に現像剤を有し、アジテータ44からなる現像剤移送手段の回転によって、現像剤供給ローラ42へと移送される構成であり、現像剤供給ローラ42は現像剤を現像剤担持体41の表面に移送させ、現像剤担持体41と摺擦して現像剤を(−)極性に摩擦帯電させるとともに、現像剤担持体41の表面に現像剤をコーティングさせる。この現像剤担持体41にはDC(−)200V〜(−)400V程度のバイアスが印加されており、回転する現像剤担持体41の表面に担持されて搬送される現像剤は、規制ブレード45によって、所望の搬送量に規制されるとともにより一層均一な(−)極性に摩擦帯電して像担持体1まで搬送され、上記潜像に現像される。
【0077】
現像器の現像剤担持体41によって現像された現像剤像は、図中矢印A方向に搬送され転写手段および転写部材搬送手段である転写ローラ51よって駆動される転写部材7と合流し、DC(+)800V程度のバイアスを転写ローラ51に印加することによって転写部材7に像担持体1の転写位置1bにおいて転写されて像担持体1の移動経路とは異なった方向にに搬送され、図示省略した次ぎのステップに用意されたプロセス手段へと進行する。
【0078】
この転写後に更に像担持体1は図中矢印A方向に回転駆動され、転写残りの残留現像剤は、クリーニング装置6に配置した回転クリーニングブラシ61に摺擦して除去され、更に、クリーニングブレード62に摺擦して一掃除去され、図示省略した残留現像剤貯蔵部に搬送されて貯蔵される。
【0079】
次に本実施例における像担持体1および転写部材7の駆動方法について図7を参照して説明する。像担持体1には像担持体1と一体的に回転する像担持体駆動部材である像担持体歯車11が取り付けられており、駆動手段からの駆動力を像担持体1および転写部材搬送手段へと伝達する。
【0080】
駆動手段は、駆動モータ93、駆動モータの駆動軸に取り付けられたモータ歯車92、駆動手段歯車91から構成される。駆動手段歯車91はモータ歯車92によりもピッチ円直径が大きい歯車91aと像担持体歯車11よりもピッチ円直径が小さい歯車91bからなり、歯車91aがモータ歯車92と、歯車93bが像担持体歯車11と像担持体駆動位置11bでそれぞれ噛み合うように回転自在に支持されるとともに、その回転軸は図示省略した押圧機構により像担持体歯車11に向かって押圧され、像担持体歯車11と歯車93bの噛み合い位置は常に像担持体歯車11のピッチ円上となるように構成されている。駆動モータ93が発生する駆動力はモータ歯車92、駆動手段歯車91を介して2段に減速され、像担持体歯車11へと伝達される。
【0081】
また、転写部材搬送手段は、転写ローラ51と転写ローラ51と一体的に回転する搬送力伝達歯車81から構成される。搬送力伝達歯車81は像担持体歯車11と転写駆動位置11bで噛み合うように構成されており、像担持体11から転写ローラ51へ駆動力を伝達する。転写ローラ51および搬送力伝達歯車81は、図示省略した押圧機構により像担持体1および像担持体歯車11に向かって押圧支持され、像担持体歯車11と搬送力伝達歯車81の噛み合い位置は常に像担持体歯車11のピッチ円周上となるとともに、転写ローラ51は転写部材7を転写位置1bにおいて像担持体1へ押し当ててニップする構成となっている。転写ローラ51の外周面は例えば発泡性のゴムなど像担持体1よりも摩擦係数が高い材質で被覆されており、転写ローラ51は回転しながら転写部材7を摩擦力で搬送する。
【0082】
像担持体歯車11、駆動手段歯車91、モータ歯車92、搬送力伝達歯車81の各歯車のモジュールについては駆動ジッタ低減のためにできるだけ小さい方が望ましいが、小さすぎると駆動伝達力の許容値が減少したり軸間精度が厳しくなるためこれらのバランスによって決められ、概ね0.5から2が望ましい。各歯車の歯形形状についてはインボリュート曲線の平歯や斜歯等を用いることができるが、斜歯歯車の方が噛み合い率を大きくとることができるためジッタ低減のためには望ましい。また、各歯車の材質については鉄、アルミニウム、黄銅、焼結合金等の金属やポリアセタール等の樹脂を用いることができるが、ジッタ低減、低騒音化のためには防振効果のあるポリアセタールが望ましい。
【0083】
本実施例においては、像担持体駆動位置11aと潜像形成位置1aが像担持体1および像担持体歯車11の回転方向に関して同一位置となるように構成されている。また、本実施例の構成では、転写位置1bと転写駆動位置11bの回転角度方向に関する位置は必然的に等しい。よって、本実施例の構成によれば像担持体1が潜像形成位置1aから転写位置1bまで回転する時間と感光体歯車11が像担持体駆動位置11aから転写駆動位置11bまで回転する時間は等しくなり、前述の原理によって、像担持体歯車11に形状誤差や偏心があってもこれらに起因する転写部材7上の画像の伸縮への影響を完全に相殺することができる。
【0084】
(実施例2)
図8は本発明の第2の実施例を示す画像形成装置の正面断面図である。本実施例の画像形成装置の構成は、例えばニッケル電鋳管など可撓性を有する部材の外周面に感光層が形成され図中矢印Aの方向に搬送されるベルト状の像担持体1の周辺に配置した帯電器2、潜像形成手段である露光器3,現像手段である現像器4と、転写手段である転写部5,クリーナ部6等の主要プロセス手段によって構成されている。
【0085】
図8を参照して本実施例を説明すると、本実施例の像担持体1は、像担持体駆動ローラ12およびテンションローラ13で支持されている。像担持体駆動ローラ12は外周面を例えばウレタンゴム等の摩擦係数が高い材料で被覆され、摩擦力により像担持体1を搬送する。テンションローラ13は像担持体1の搬送に従動して回転するとともに、図示省略した圧接機構により像担持体1を図中矢印D方向に圧接して支持し、像担持体1にテンションをかけるように構成されている。
【0086】
次に像担持体1以外の部材について画像形成プロセス順に説明すると、本実施例における帯電ローラ21は、例えばゴム等の半導電性の弾性体で形成され、図中矢印A方向に搬送する像担持体1に従動しながらDC(−)2kV以下程度のバイアスが印加され、像担持体1を(−)600V〜(−)700Vの帯電電位に一様に帯電させる。
【0087】
尚、帯電ローラ21はスプリング22等によって構成された押圧機構によって像担持体1に向かって押圧支持され、約1kgの総圧力で像担持体1に圧接している。
【0088】
次に、図示省略した半導体レーザ等の発光素子から発射された光ビームを偏向走査する偏向走査手段をモータの出力軸に装着して回転し、この光ビームを像担持体1に向けて照射する光路31を形成する反射ミラー32等を収納した露光器3から照射されて入射する光ビームによって、像担持体1は像担持体1の潜像形成位置1aにおいて像露光されて潜像を形成し、この像露光部の電位は(−)10V〜(−)150Vになる。
【0089】
次に、現像器4は現像剤を貯蔵する現像剤貯蔵部43の中に現像剤を有し、アジテータ44からなる現像剤移送手段の回転によって、現像剤供給ローラ42へと移送される構成であり、現像剤供給ローラ42は現像剤を現像剤担持体41の表面に移送させ、現像剤担持体41と摺擦して現像剤を(−)極性に摩擦帯電させるとともに、現像剤担持体41の表面に現像剤をコーティングさせる。この現像剤担持体41にはDC(−)200V〜(−)400V程度のバイアスが印加されており、回転する現像剤担持体41の表面に担持されて搬送される現像剤は、規制ブレード45によって、所望の搬送量に規制されるとともにより一層均一な(−)極性に摩擦帯電して像担持体1まで搬送され、上記潜像に現像される。
【0090】
現像器の現像剤担持体41によって現像された現像剤像は、図中矢印A方向に搬送され転写手段および転写部材搬送手段である転写ローラ51よって駆動される転写部材7と合流し、DC(+)800V程度のバイアスを転写ローラ51に印加することによって転写部材7に像担持体1の転写位置1bにおいて転写されて像担持体1の移動経路とは異なった方向にに搬送され、図示省略した次ぎのステップに用意されたプロセス手段へと進行する。
【0091】
この転写後に更に像担持体1は図中矢印A方向に回転駆動され、転写残りの残留現像剤は、クリーニング装置6に配置した回転クリーニングブラシ61に摺擦して除去され、更に、クリーニングブレード62に摺擦して一掃除去され、図示省略した残留現像剤貯蔵部に搬送されて貯蔵される。
【0092】
次に本実施例における像担持体1および転写部材7の駆動方法について図9を参照して説明する。像担持体1は像担持体駆動ローラ12の回転に伴い、像担持体駆動ローラ12の外周面との摩擦力で搬送される。像担持体駆動ローラ12には一体的に回転する像担持体駆動部材である像担持体歯車11が取り付けられており、駆動手段からの駆動力を像担持体1および転写部材搬送手段へと伝達する。
【0093】
駆動手段は、駆動モータ93、駆動モータの駆動軸に取り付けられたモータ歯車92、駆動手段歯車91から構成される。駆動手段歯車91はモータ歯車92によりもピッチ円直径が大きい歯車91aと像担持体歯車11よりもピッチ円直径が小さい歯車91bからなり、歯車91aがモータ歯車92と、歯車93bが像担持体歯車11と像担持体駆動位置11bでそれぞれ噛み合うように回転自在に支持されるとともに、その回転軸は図示省略した押圧機構により像担持体歯車11に向かって押圧され、像担持体歯車11と歯車93bの噛み合い位置は常に像担持体歯車11のピッチ円上となるように構成されている。駆動モータ93が発生する駆動力はモータ歯車92、駆動手段歯車91を介して2段に減速され、像担持体歯車11へと伝達される。
【0094】
また、転写部材搬送手段は、転写ローラ51と転写ローラ51と一体的に回転する搬送力伝達歯車81から構成される。搬送力伝達歯車81は像担持体歯車11と転写駆動位置11bで噛み合うように構成されており、像担持体11から転写ローラ51へ駆動力を伝達する。転写ローラ51および搬送力伝達歯車81は、図示省略した押圧機構により像担持体1および像担持体歯車11に向かって押圧支持され、像担持体歯車11と搬送力伝達歯車81の噛み合い位置は常に像担持体歯車11のピッチ円周上となるとともに、転写ローラ51は転写部材7を転写位置1bにおいて像担持体1へ押し当ててニップする構成となっている。転写ローラ51の外周面は例えば発泡性のゴムなど像担持体1よりも摩擦係数が高い材質で被覆されており、転写ローラ51は回転しながら転写部材7を摩擦力で搬送する。
【0095】
像担持体歯車11、駆動手段歯車91、モータ歯車92、搬送力伝達歯車81の各歯車のモジュールについては駆動ジッタ低減のためにできるだけ小さい方が望ましいが、小さすぎると駆動伝達力の許容値が減少したり軸間精度が厳しくなるためこれらのバランスによって決められ、概ね0.5から2が望ましい。各歯車の歯形形状についてはインボリュート曲線の平歯や斜歯等を用いることができるが、斜歯歯車の方が噛み合い率を大きくとることができるためジッタ低減のためには望ましい。また、各歯車の材質については鉄、アルミニウム、黄銅、焼結合金等の金属やポリアセタール等の樹脂を用いることができるが、ジッタ低減、低騒音化のためには防振効果のあるポリアセタールが望ましい。
【0096】
潜像形成位置1aおよび像担持体駆動位置11aは、像担持体1が潜像形成位置1aから転写位置1bまで移動する時間と像担持体歯車11が像担持体駆動位置11aから転写駆動位置11bまで移動する時間が等しくなるように決められている。
【0097】
本実施例では、転写部材7上の画像の伸縮の影響を計算するにあたって、図8に示すように像担持体1の回転中心から外周面までの長さr1(θ)を像担持体1が像担持体駆動ローラ12から離れる点1cにおける像担持体駆動ローラ12の回転中心Oから外周面までの長さとして、前述と同様に計算を進めることができる。しかし、像担持体1がベルト状で像担持体1の周長と像担持体駆動ローラ12の周長が異なるため前述のr1(θ(t))とr1b(θ(t+t1))は必ずしも等しくならない。このため転写部材7上の微小長さΔp7(t+t1)は式(24)のように表されるようになる。
【0098】
【数22】
【0099】
式(24)から微小長さΔp7(t+t1)に対して像担持体駆動ローラの回転中心から外周面までの長さr1(θ)の影響は残るものの、像形成−転写時間t1と転写駆動伝達時間t2を等しくすることにより、像担持体歯車11の回転中心からピッチ円までの長さr11(θ(t))は影響しなくなることが解かる。さらに、r11(θ(t))は周期関数であるので像担持体駆動ローラ12の回転周期をT12、1以上の整数をnとして像形成−転写時間t1と転写駆動伝達時間t2に式(25)の関係が成立しても、Δp7(t+t1)は式(24)のように表される。
【0100】
【数23】
【0101】
従って、本実施例の構成によればベルト上の像担持体を用いた場合でも像担持体1が潜像形成位置1aから転写位置1bまで回転する時間と感光体歯車11が像担持体駆動位置11aから転写駆動位置11bまで回転する時間を等しくする、あるいは式(25)に示した関係を満たすことにより、像担持体歯車11に形状誤差や偏心があってもこれらの転写部材7上の画像の伸縮への影響を完全に相殺することができる。
【0102】
(実施例3)
図10は本発明の第3の実施例を示す画像形成装置の正面断面図である。本実施例の画像形成装置の構成は、例えばアルミニューム素管の外周面に感光層が形成されて図中矢印A方向に回転駆動される像担持体1の周辺に配置した帯電器2、潜像形成手段である露光器3,現像手段である複数の現像器4と、転写手段である転写部5,クリーナ部6等の主要プロセス手段によって構成されている。本実施例の転写部材は、中間転写媒体71および2次転写部材72からなり、中間転写媒体71上に複数色の像担持体1上の現像剤像を順次重ねてから転写してカラー画像を形成し、これを2次転写部材72に転写してカラー画像を形成する。
【0103】
図10を参照して画像形成プロセス順に説明すると、本実施例における帯電ローラ21は、例えばゴム等の半導電性の弾性体で形成され、図中矢印A方向に回転する像担持体1に従動しながらDC(−)2kV以下程度のバイアスが印加され、像担持体1を(−)600V〜(−)700Vの帯電電位に一様に帯電させる。
【0104】
尚、帯電ローラ21はスプリング22等によって構成された押圧機構によって像担持体1に向かって押圧支持され、約1kgの総圧力で像担持体1に圧接している。
【0105】
次に、図示省略した半導体レーザ等の発光素子から発射された光ビームを偏向走査する偏向走査手段をモータの出力軸に装着して回転し、この光ビームを像担持体1に向けて照射する光路31を形成する反射ミラー32等を収納した露光器3から照射されて入射する光ビームによって、像担持体1は像担持体1の潜像形成位置1aにおいて像露光されて潜像を形成し、この像露光部の電位は(−)10V〜(−)150Vになる。
【0106】
次に、複数の現像器4a,4b,4c,4dを有する現像部位では、各々の現像器には各々イエロー,マゼンタ,シアン,ブラックの異なった色の現像剤を収容してあり、図示省略した制御部の司令に基づいて選択的に上記潜像に対して現像可能状態になる構成である。図10中現像可能状態の現像器は4cであり、現像剤担持体41が像担持体1に近接した状態であって図示省略した駆動装置によって駆動される構成である。
【0107】
一方、他の現像器4a,4b,4dは現像待機状態であり、各々の現像剤担持体21が像担持体1から離れた状態であって同様に図示省略した駆動装置によって駆動される構成である。
【0108】
本実施例では像担持体1の周囲に配置する複数の現像器4a,4b,4c,4dは、所望量の現像剤貯蔵を可能にするとともに互いの干渉を避けて上記像担持体1の周囲に配置可能にする為に略近似した偏平断面形状に構成されている。
【0109】
一方、それぞれの現像器は現像剤を貯蔵する現像剤貯蔵部43の中に現像剤を有し、アジテータ44からなる現像剤移送手段の回転によって、現像剤供給ローラ42へと移送される構成であり、現像剤供給ローラ42は現像剤を現像剤担持体41の表面に移送させ、現像剤担持体41と摺擦して現像剤を(−)極性に摩擦帯電させるとともに、現像剤担持体41の表面に現像剤をコーティングさせる。この現像剤担持体41にはDC(−)200V〜(−)400V程度のバイアスが印加されており、回転する現像剤担持体41の表面に担持されて搬送される現像剤は、規制ブレード45によって、所望の搬送量に規制されるとともにより一層均一な(−)極性に摩擦帯電して像担持体1まで搬送され、上記潜像に現像される。
【0110】
現像器4cの現像剤担持体41によって現像された現像剤像は、図中矢印A方向に搬送され中間転写媒体71と合流し、DC(+)800V程度のバイアスを1次転写ローラ51に印加することによって中間転写媒体71に像担持体1の転写位置1bにおいて転写されて像担持体1の移動経路とは異なった方向にに搬送される。
【0111】
この転写後に更に像担持体1は図中矢印A方向に回転駆動され、転写残りの残留現像剤は、クリーニング装置6に配置した回転クリーニングブラシ61に摺擦して除去され、更に、クリーニングブレード62に摺擦して一掃除去され、図示省略した残留現像剤貯蔵部に搬送されて貯蔵される。
【0112】
中間転写媒体71は例えばポリカーボネイト等の樹脂にカーボン等の導電剤を分散して中抵抗化させたベルトであり、1次転写ローラ51、テンションローラ52、2次転写上ローラ53により支持されている。1次転写ローラ51は像担持体1上の現像剤像を中間転写媒体71に転写するための転写手段と中間転写媒体71を図示した経路で周期的に搬送駆動する駆動手段を兼ねている。テンションローラ52は図示省略した押圧機構により図中矢印C方向に押圧支持されて、中間転写媒体71が弛むことのないようテンションをかけるとともに中間転写媒体71の搬送に従動して回転する。2次転写ローラ54は転写部材7を中間転写媒体71に図示省略した押圧機構により押圧し、2次転写上ローラとともに中間転写媒体71を介して転写部材7をニップする。2次転写上ローラは中間転写媒体71の搬送に従動して回転する。
【0113】
前述した像担持体1上の現像剤像が中間転写媒体71に転写されるまでの画像形成プロセスが当接する現像器が4a、4b、4c、4dと変わりながら4回繰り返されるとともに、中間転写媒体71は図示した経路を4周搬送され中間転写媒体71上には各現像器の現像剤像が順次重ねて転写されてカラー画像が形成される。中間転写媒体71上に形成されたカラー画像は、図中矢印D方向に搬送され2次転写部材72と合流し、DC(+)1kV程度のバイアスを2次転写ローラ54へ印加することによって2次転写部材72に転写されてカラー画像が形成される。その後、2次転写部材72は中間転写媒体71の移動経路とは異なった方向に搬送され、図示省略した次ぎのステップに用意されたプロセス手段へと進行する。
【0114】
次に本実施例における像担持体1および中間転写媒体71の駆動方法について図11を参照して説明する。像担持体1には像担持体1と一体的に回転する像担持体歯車11が取り付けられており、駆動手段からの駆動力を像担持体1および転写部材搬送手段へ伝達する。
【0115】
駆動手段は、駆動モータ93、駆動モータの駆動軸に取り付けられたモータ歯車92、駆動手段歯車91から構成される。駆動手段歯車91はモータ歯車92によりもピッチ円直径が大きい歯車91aと像担持体歯車11よりもピッチ円直径が小さい歯車91bからなり、歯車91aがモータ歯車92と、歯車93bが像担持体歯車11と像担持体駆動位置11bでそれぞれ噛み合うように回転自在に支持されるとともに、その回転軸は像担持体歯車11に向かって図示省略した押圧機構により押圧され、像担持体歯車11と歯車93bの噛み合い位置は常に像担持体歯車11のピッチ円上となるように構成されている。駆動モータ93が発生する駆動力はモータ歯車92、駆動手段歯車91a、91bを介して2段に減速され、像担持体歯車11へと伝達される。
【0116】
また、転写部材搬送手段は、1次転写ローラ51と1次転写ローラ51と一体的に回転する搬送力伝達歯車81から構成される。搬送力伝達歯車81は像担持体歯車11と転写駆動位置11bで噛み合うように構成されており、像担持体11から1次転写ローラ51へ駆動力を伝達する。1次転写ローラ51および搬送力伝達歯車81は、像担持体1および像担持体歯車に向かって図示省略した押圧機構により押圧され、像担持体歯車11と搬送力伝達歯車81の噛み合い位置は常に像担持体歯車11のピッチ円周上となるとともに、1次転写ローラ51は中間転写媒体71を転写位置1bにおいて像担持体1へ押し当ててニップする構成となっている。1次転写ローラ51の外周面は例えば発泡性のゴムなど像担持体1よりも摩擦係数が高い材質で被覆されており、1次転写ローラ51は回転しながら中間転写媒体71を摩擦力で搬送する。
【0117】
像担持体歯車11、駆動手段歯車91、モータ歯車92、搬送力伝達歯車81の各歯車のモジュールについては駆動ジッタ低減のためにできるだけ小さい方が望ましいが、小さすぎると駆動伝達力の許容値が減少したり軸間精度が厳しくなるためこれらのバランスによって決められ、概ね0.5から2が望ましい。各歯車の歯形形状についてはインボリュート曲線の平歯や斜歯等を用いることができるが、斜歯歯車の方が噛み合い率を大きくとることができるためジッタ低減のためには望ましい。また、各歯車の材質については鉄、アルミニウム、黄銅、焼結合金等の金属やポリアセタール等の樹脂を用いることができるが、ジッタ低減、低騒音化のためには防振効果のあるポリアセタールが望ましい。
【0118】
本実施例においては、像担持体駆動位置11aと潜像形成位置1aが像担持体1および像担持体歯車11の回転方向に関して同一位置となるように構成されている。また、本実施例の構成では、転写位置1bと転写駆動位置11bの回転角度方向に関する位置は必然的に等しい。よって、本実施例の構成によれば像担持体1が潜像形成位置1aから転写位置1bまで回転する時間と感光体歯車11が像担持体駆動位置11aから転写駆動位置11bまで回転する時間は等しくなり、前述の原理によって、像担持体歯車11に形状誤差や偏心があってもこれらに起因する2次転写部材72上の画像の伸縮への影響を完全に相殺することができる。
【0119】
特に、本実施例のように中間転写媒体71上に複数色の現像剤像を順次色重ねしてカラー画像を形成する場合は、中間転写媒体71上の各色の現像剤像の位置がズレると画像に色ズレや色ムラが発生する。一般的に人間の視覚は、速度ムラが同じ場合、色ズレに関する感度は画像の伸縮の感度よりも遥かに高い。このため、カラー画像を形成する画像形成装置に用いられる像担持体には極めて高精度な駆動が要求される。本実施例の構成によれば、カラー画像を形成する画像形成装置において像担持体歯車11に起因する像担持体1の速度ムラを完全に相殺することができ、色ズレや色ムラのない高画質な画像形成装置を構成することができる。
【0120】
(実施例4)
図12は本発明の第4の実施例を示す画像形成装置の正面断面図である。本実施例の画像形成装置の構成は、例えばアルミニューム素管の外周面に感光層が形成されて図中矢印A方向に回転駆動される像担持体1の周辺に配置した帯電器2、潜像形成手段である露光器3,現像手段である複数の現像器4と、転写手段である転写部5,クリーナ部6等の主要プロセス手段によって構成されている。本実施例の転写部材は、中間転写媒体71および2次転写部材72からなり、中間転写媒体71上に複数色の像担持体1上の現像剤像を順次重ねてから転写してカラー画像を形成し、これを2次転写部材72に転写してカラー画像を形成する。
【0121】
図12を参照して画像形成プロセス順に説明すると、本実施例における帯電ローラ21は、例えばゴム等の半導電性の弾性体で形成され、図中矢印A方向に回転する像担持体1に従動しながらDC(−)2kV以下程度のバイアスが印加され、像担持体1を(−)600V〜(−)700Vの帯電電位に一様に帯電させる。
【0122】
尚、帯電ローラ21はスプリング22等によって構成された押圧機構によって像担持体1に向かって押圧支持され、約1kgの総圧力で像担持体1に圧接している。
【0123】
次に、図示省略した半導体レーザ等の発光素子から発射された光ビームを偏向走査する偏向走査手段をモータの出力軸に装着して回転し、この光ビームを像担持体1に向けて照射する光路31を形成する反射ミラー32等を収納した露光器3から照射されて入射する光ビームによって、像担持体1は像担持体1の潜像形成位置1aにおいて像露光されて潜像を形成し、この像露光部の電位は(−)10V〜(−)150Vになる。
【0124】
次に、複数の現像器4a,4b,4c,4dを有する現像部位では、各々の現像器には各々イエロー,マゼンタ,シアン,ブラックの異なった色の現像剤を収容してあり、図示省略した制御部の司令に基づいて選択的に上記潜像に対して現像可能状態になる構成である。図12中現像可能状態の現像器は4cであり、現像剤担持体41が像担持体1に近接した状態であって図示省略した駆動装置によって駆動される構成である。
【0125】
一方、他の現像器4a,4b,4dは現像待機状態であり、各々の現像剤担持体21が像担持体1から離れた状態であって同様に図示省略した駆動装置によって駆動される構成である。
【0126】
本実施例では像担持体1の周囲に配置する複数の現像器4a,4b,4c,4dは、所望量の現像剤貯蔵を可能にするとともに互いの干渉を避けて上記像担持体1の周囲に配置可能にする為に略近似した偏平断面形状に構成されている。
【0127】
一方、それぞれの現像器は現像剤を貯蔵する現像剤貯蔵部43の中に現像剤を有し、アジテータ44からなる現像剤移送手段の回転によって、現像剤供給ローラ42へと移送される構成であり、現像剤供給ローラ42は現像剤を現像剤担持体41の表面に移送させ、現像剤担持体41と摺擦して現像剤を(−)極性に摩擦帯電させるとともに、現像剤担持体41の表面に現像剤をコーティングさせる。この現像剤担持体41にはDC(−)200V〜(−)400V程度のバイアスが印加されており、回転する現像剤担持体41の表面に担持されて搬送される現像剤は、規制ブレード45によって、所望の搬送量に規制されるとともにより一層均一な(−)極性に摩擦帯電して像担持体1まで搬送され、上記潜像に現像される。
【0128】
現像器4cの現像剤担持体41によって現像された現像剤像は、図中矢印A方向に搬送され中間転写媒体71と合流し、DC(+)800V程度のバイアスを1次転写ローラ51に印加することによって中間転写媒体71に像担持体1の転写位置1bにおいて転写されて像担持体1の移動経路とは異なった方向にに搬送される。
【0129】
この転写後に更に像担持体1は図中矢印A方向に回転駆動され、転写残りの残留現像剤は、クリーニング装置6に配置した回転クリーニングブラシ61に摺擦して除去され、更に、クリーニングブレード62に摺擦して一掃除去され、図示省略した残留現像剤貯蔵部に搬送されて貯蔵される。
【0130】
中間転写媒体71は例えばポリカーボネイト等の樹脂にカーボン等の導電剤を分散して中抵抗化させたベルトであり、1次転写ローラ51、テンションローラ52、2次転写上ローラ53、媒体駆動ローラ55により支持されている。1次転写ローラ51は像担持体1上の現像剤像を中間転写媒体71に転写するための転写手段であり、中間転写媒体71の搬送に従動して回転する。テンションローラ52は図示省略した押圧機構により図中矢印C方向に押圧支持されて、中間転写媒体71が弛むことのないようテンションをかけるとともに中間転写媒体71の搬送に従動して回転する。2次転写ローラ54は転写部材7を中間転写媒体71に図示省略した押圧機構により押圧し、2次転写上ローラとともに中間転写媒体71を介して転写部材7をニップする。2次転写上ローラは中間転写媒体71の搬送に従動して回転する。媒体駆動ローラ55は中間転写媒体71を図示した経路で周期的に搬送駆動する。
【0131】
前述した像担持体1上の現像剤像が中間転写媒体71に転写されるまでの画像形成プロセスが当接する現像器が4a、4b、4c、4dと変わりながら4回繰り返されるとともに、中間転写媒体71は図示した経路を4周搬送され中間転写媒体71上には各現像器の現像剤像が重ねて転写されてカラー画像が形成される。中間転写媒体71上に形成されたカラー画像は、図中矢印D方向に搬送され2次転写部材72と合流し、DC(+)1kV程度のバイアスを2次転写ローラ54へ印加することによって2次転写部材72に転写されてカラー画像が形成される。その後、2次転写部材72は中間転写媒体71の移動経路とは異なった方向に搬送され、図示省略した次ぎのステップに用意されたプロセス手段へと進行する。
【0132】
次に本実施例における像担持体1および中間転写媒体71の駆動方法について図13を参照して説明する。像担持体1には像担持体1と一体的に回転し像担持体1の直径よりも大きいピッチ円を持つ像担持体歯車11が取り付けられており、駆動手段からの駆動力を像担持体1および転写部材搬送手段へ伝達する。
【0133】
駆動手段は、駆動モータ93、駆動モータの駆動軸に取り付けられたモータ歯車92、駆動手段歯車91から構成される。駆動手段歯車91はモータ歯車92によりもピッチ円直径が大きい歯車91aと像担持体歯車11よりもピッチ円直径が小さい歯車91bからなり、歯車91aがモータ歯車92と、歯車93bが像担持体歯車11と像担持体駆動位置11bでそれぞれ噛み合うように固定された回転軸周りに回転自在に支持されている。駆動モータ93が発生する駆動力はモータ歯車92、駆動手段歯車91a、91bを介して2段に減速され、像担持体歯車11へと伝達される。
【0134】
また、転写部材搬送手段は、媒体駆動ローラ55と媒体駆動ローラ55と一体的に回転し媒体駆動ローラの直径よりも大きいピッチ円を持つ搬送力伝達歯車81から構成される。搬送力伝達歯車81は像担持体歯車11と転写駆動位置11bで噛み合うように構成されている。駆動手段歯車81の回転軸は固定されており、像担持体11の回転軸との距離は変化しない構成である。媒体駆動ローラ55の外周面は例えば発泡性のゴムなど摩擦係数が高い材質で被覆されており、媒体駆動ローラは回転しながら中間転写媒体71を摩擦力で搬送する。
【0135】
像担持体歯車11、駆動手段歯車91、モータ歯車92、搬送力伝達歯車81の各歯車のモジュールについては駆動ジッタ低減のためにできるだけ小さい方が望ましいが、小さすぎると駆動伝達力の許容値が減少したり軸間精度が厳しくなるためこれらのバランスによって決められ、概ね0.5から2が望ましい。各歯車の歯形形状についてはインボリュート曲線の平歯や斜歯等を用いることができるが、斜歯歯車の方が噛み合い率を大きくとることができるためジッタ低減のためには望ましい。また、各歯車の材質については鉄、アルミニウム、黄銅、焼結合金等の金属やポリアセタール等の樹脂を用いることができるが、ジッタ低減、低騒音化のためには防振効果のあるポリアセタールが望ましい。
【0136】
本実施例の構成では、転写位置1bと転写駆動位置11bの回転方向に関する位置は等しくない。このため、像担持体駆動位置11aと潜像形成位置1aの回転方向に関する位置を適当に変えて、像担持体1が潜像形成位置1aから転写位置1bまで回転する時間と感光体歯車11が像担持体駆動位置11aから転写駆動位置11bまで回転する時間が等しくなるよう構成されている。また、本実施例では駆動手段歯車91と搬送力伝達歯車81の回転軸は固定されている。従って、本実施例の構成によれば、像担持体歯車11に形状誤差や偏心があってもこれらに起因する2次転写部材7上の画像の伸縮への影響を大幅に緩和することができる。
【0137】
特に、本実施例のように中間転写媒体71に色の異なる現像剤像を順次色重ねしてカラー画像を形成する場合は、中間転写媒体71上の各色の現像剤像の位置がズレると画像に色ズレや色ムラが発生する。一般的に人間の視覚は、速度ムラが同じ場合、色ズレに関する感度は画像の伸縮の感度よりも遥かに高い。このため、カラー画像を形成する画像形成装置に用いられる像担持体には極めて高精度な駆動が要求される。本実施例の構成によれば、カラー画像を形成する画像形成装置において像担持体歯車11に起因する像担持体1の速度ムラを大幅に緩和することができ、色ズレや色ムラのない高画質な画像形成装置を構成することができる。
【0138】
また、本実施例の構成のように、像担持体1から中間転写媒体71への転写手段と中間転写媒体71の駆動手段を別にすることにより、それぞれの構成や部材の材質の自由度が上がり、より高精度な中間転写媒体71の駆動と高効率な転写が可能となる。
【0139】
(実施例5)
図14は本発明の第3の実施例を示す画像形成装置の正面断面図である。本実施例の画像形成装置の構成は、例えばアルミニューム素管の外周面に感光層が形成されて図中矢印A方向に回転駆動される像担持体1の周辺に配置した帯電器2、潜像形成手段である露光器3,現像手段である複数の現像器4と、転写手段である転写部5,クリーナ部6等の主要プロセス手段によって構成されている。本実施例の転写部材7は、転写ドラム51の外周面に取り付けられ、転写ドラム51と一体的に複数回転することにより、転写部材7上に複数色の像担持体1上の現像剤像を順次重ねて転写しカラー画像を形成する。
【0140】
図14を参照して画像形成プロセス順に説明すると、本実施例における帯電ローラ21は、例えばゴム等の半導電性の弾性体で形成され、図中矢印A方向に回転する像担持体1に従動しながらDC(−)2kV以下程度のバイアスが印加され、像担持体1を(−)600V〜(−)700Vの帯電電位に一様に帯電させる。
【0141】
尚、帯電ローラ21はスプリング22等によって構成された押圧機構によって像担持体1に向かって押圧支持され、約1kgの総圧力で像担持体1に圧接している。
【0142】
次に、図示省略した半導体レーザ等の発光素子から発射された光ビームを偏向走査する偏向走査手段をモータの出力軸に装着して回転し、この光ビームを像担持体1に向けて照射する光路31を形成する反射ミラー32等を収納した露光器3から照射されて入射する光ビームによって、像担持体1は像担持体1の潜像形成位置1aにおいて像露光されて潜像を形成し、この像露光部の電位は(−)10V〜(−)150Vになる。
【0143】
次に、複数の現像器4a,4b,4c,4dを有する現像部位では、各々の現像器には各々イエロー,マゼンタ,シアン,ブラックの異なった色の現像剤を収容してあり、図示省略した制御部の司令に基づいて選択的に上記潜像に対して現像可能状態になる構成である。図14中現像可能状態の現像器は4cであり、現像剤担持体41が像担持体1に近接した状態であって図示省略した駆動装置によって駆動される構成である。
【0144】
一方、他の現像器4a,4b,4dは現像待機状態であり、各々の現像剤担持体21が像担持体1から離れた状態であって同様に図示省略した駆動装置によって駆動される構成である。
【0145】
本実施例では像担持体1の周囲に配置する複数の現像器4a,4b,4c,4dは、所望量の現像剤貯蔵を可能にするとともに互いの干渉を避けて上記像担持体1の周囲に配置可能にする為に略近似した偏平断面形状に構成されている。
【0146】
一方、それぞれの現像器は現像剤を貯蔵する現像剤貯蔵部43の中に現像剤を有し、アジテータ44からなる現像剤移送手段の回転によって、現像剤供給ローラ42へと移送される構成であり、現像剤供給ローラ42は現像剤を現像剤担持体41の表面に移送させ、現像剤担持体41と摺擦して現像剤を(−)極性に摩擦帯電させるとともに、現像剤担持体41の表面に現像剤をコーティングさせる。この現像剤担持体41にはDC(−)200V〜(−)400V程度のバイアスが印加されており、回転する現像剤担持体41の表面に担持されて搬送される現像剤は、規制ブレード45によって、所望の搬送量に規制されるとともにより一層均一な(−)極性に摩擦帯電して像担持体1まで搬送され、上記潜像に現像される。
【0147】
現像器4cの現像剤担持体41によって現像された現像剤像は、図中矢印A方向に搬送され転写ドラム51上の転写部材7と合流し、DC(+)800V程度のバイアスを転写ドラム51に印加することによって転写部材7に像担持体1の転写位置1bにおいて転写されて像担持体1の移動経路とは異なった方向にに搬送される。
【0148】
この転写後に更に像担持体1は図中矢印A方向に回転駆動され、転写残りの残留現像剤は、クリーニング装置6に配置した回転クリーニングブラシ61に摺擦して除去され、更に、クリーニングブレード62に摺擦して一掃除去され、図示省略した残留現像剤貯蔵部に搬送されて貯蔵される。
【0149】
転写部材7は、静電吸着力等を利用した図示省略した取り付け装置により転写ドラム51の外周面に取り付けらている。転写ドラム51は像担持体1上の現像剤像を転写部材7に転写するための転写手段と転写部材77を図中矢印D方向へ回転駆動する駆動手段を兼ねている。
【0150】
前述した像担持体1上の現像剤像が転写部材7に転写されるまでの画像形成プロセスが当接する現像器が4a、4b、4c、4dと変わりながら4回繰り返されるとともに、転写ドラム51は4回転し転写部材7上に各現像器の現像剤像が順次重ねて転写されてカラー画像が形成される。その後、転写部材7は転写ドラム51から剥離されて、図示省略した搬送機構により搬送され、図示省略した次ぎのステップに用意されたプロセス手段へと進行する。
【0151】
次に本実施例における像担持体1および転写ドラム51の駆動方法について図15を参照して説明する。像担持体1には像担持体1と一体的に回転する像担持体歯車11が取り付けられており、駆動手段からの駆動力を像担持体1および転写部材搬送手段へ伝達する。
【0152】
駆動手段は、駆動モータ93、駆動モータの駆動軸に取り付けられたモータ歯車92、駆動手段歯車91から構成される。駆動手段歯車91はモータ歯車92によりもピッチ円直径が大きい歯車91aと像担持体歯車11よりもピッチ円直径が小さい歯車91bからなり、歯車91aがモータ歯車92と、歯車93bが像担持体歯車11と像担持体駆動位置11bでそれぞれ噛み合うように回転自在に支持されるとともに、その回転軸は像担持体歯車11に向かって図示省略した押圧機構により押圧され、像担持体歯車11と歯車93bの噛み合い位置は常に像担持体歯車11のピッチ円上となるように構成されている。駆動モータ93が発生する駆動力はモータ歯車92、駆動手段歯車91a、91bを介して2段に減速され、像担持体歯車11へと伝達される。
【0153】
また、転写部材搬送手段は、転写ドラム51と転写ドラム51と一体的に回転する搬送力伝達歯車81から構成される。搬送力伝達歯車81は像担持体歯車11と転写駆動位置11bで噛み合うように構成されており、像担持体11から転写ドラム51へ駆動力を伝達する。転写ドラム51および搬送力伝達歯車81は、像担持体1および像担持体歯車11に向かって図示省略した押圧機構により押圧支持され、像担持体歯車11と搬送力伝達歯車81の噛み合い位置は常に像担持体歯車11のピッチ円周上となるとともに、転写ドラム51は転写部材7を転写位置1bにおいて像担持体1へ押し当ててニップする構成となっている。
【0154】
像担持体歯車11、駆動手段歯車91、モータ歯車92、搬送力伝達歯車81の各歯車のモジュールについては駆動ジッタ低減のためにできるだけ小さい方が望ましいが、小さすぎると駆動伝達力の許容値が減少したり軸間精度が厳しくなるためこれらのバランスによって決められ、概ね0.5から2が望ましい。各歯車の歯形形状についてはインボリュート曲線の平歯や斜歯等を用いることができるが、斜歯歯車の方が噛み合い率を大きくとることができるためジッタ低減のためには望ましい。また、各歯車の材質については鉄、アルミニウム、黄銅、焼結合金等の金属やポリアセタール等の樹脂を用いることができるが、ジッタ低減、低騒音化のためには防振効果のあるポリアセタールが望ましい。
【0155】
本実施例においては、像担持体駆動位置11aと潜像形成位置1aが像担持体1および像担持体歯車11の回転方向に関して同一位置となるように構成されている。また、本実施例の構成では、転写位置1bと転写駆動位置11bの回転角度方向に関する位置は必然的に等しい。よって、本実施例の構成によれば像担持体1が潜像形成位置1aから転写位置1bまで回転する時間と感光体歯車11が像担持体駆動位置11aから転写駆動位置11bまで回転する時間は等しくなり、前述の原理によって、像担持体歯車11に形状誤差や偏心があってもこれらに起因する転写部材7上の画像の伸縮への影響を完全に相殺することができる。
【0156】
特に、本実施例のように転写部材7に色の異なる現像剤像を順次色重ねしてカラー画像を形成する場合は、中間転写媒体71上の各色の現像剤像の位置がズレると画像に色ズレや色ムラが発生する。一般的に人間の視覚は、速度ムラが同じ場合、色ズレに関する感度は画像の伸縮の感度よりも遥かに高い。このため、カラー画像を形成する画像形成装置に用いられる像担持体には極めて高精度な駆動が要求される。本実施例の構成によれば、カラー画像を形成する画像形成装置において像担持体歯車11に起因する像担持体1の速度ムラを完全に相殺することができ、色ズレや色ムラのない高画質な画像形成装置を構成することができる。
【0157】
【発明の効果】
以上、説明してきたように本発明の構成によれば、像形−転写時間と転写駆動伝達時間を略等しくすることにより、像担持体歯車の形状誤差や偏心による転写部材上に形成される画像の伸縮への影響を相殺あるいは緩和することができ、簡単な構成で画像の伸縮のない高画質な画像形成装置を提供することができる。
【0159】
さらに、駆動手段歯車と搬送力伝達歯車を像担持体歯車に向かって押圧することにより、像形−転写時間と転写駆動伝達時間が等しければ、像担持体歯車の形状誤差や偏心に起因した画像の伸縮を完全に相殺することができる。
【0160】
さらに、本発明を複数の前記現像手段を備え、転写部材には像担持体の像が順次重ねて転写されてカラー画像が形成される画像形成装置に適用した場合は、像担持体歯車の形状誤差や偏心に起因した色ズレや色ムラを相殺あるいは緩和することができ、高画質なカラー画像を形成する画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の概略の構成を示す正面断面図。
【図2】本発明における像担持体1の駆動方法と転写部材7の搬送方法を示す斜視図。
【図3】本発明の原理を示す画像形成装置の正面断面図。
【図4】時間差比kTと像担持体歯車11の偏心に起因する画像の伸縮への影響の関係のグラフを示す図。
【図5】駆動手段歯車91の回転軸O91が固定である場合の像担持体歯車11と駆動手段歯車91の噛み合い状態を示す正面断面図。
【図6】本発明の第1の実施例を示す画像形成装置の正面断面図。
【図7】本発明の第1実施例における像担持体1および転写部材7の駆動方法を示す斜視図。
【図8】本発明の第2の実施例を示す画像形成装置の正面断面図。
【図9】本発明の第2実施例における像担持体1および転写部材7の駆動方法を示す斜視図。
【図10】本発明の第3の実施例を示す画像形成装置の正面断面図。
【図11】本発明の第3実施例における像担持体1および中間転写媒体71の駆動方法を示す斜視図。
【図12】本発明の第4の実施例を示す画像形成装置の正面断面図。
【図13】本発明の第4実施例における像担持体1および中間転写71の駆動方法を示す斜視図。
【図14】本発明の第5の実施例を示す画像形成装置の正面断面図。
【図15】本発明の第5実施例における像担持体1および転写ドラム51の駆動方法を示す斜視図。
1 像担持体
2 帯電手段
3 潜像形成手段
4 現像手段
5 転写手段
6 クリーナ
7 転写部材
8 転写部材搬送手段
9 駆動手段
11 像担持体歯車
81 搬送力伝達歯車
91 駆動手段歯車
Claims (3)
- 回転可能な像担持体と、前記像担持体を駆動する駆動手段と、前記駆動手段から像担持体駆動位置において受けた駆動力を前記像担持体へ伝達する像担持体駆動部材と、前記像担持体に潜像形成位置で潜像を形成する潜像形成手段と、前記像担持体上の潜像を顕像化させ現像剤像を形成する現像手段と、前記像担持体上の前記現像剤像が転写位置で転写される中間転写媒体と、前記中間転写媒体上の画像を転写される2次転写部材と、前記像担持体上の前記現像剤像を前記中間転写媒体に転写するための転写手段と、前記転写手段と別体で前記像担持体駆動部材から転写駆動位置において駆動力を受け前記中間転写媒体を搬送する転写部材搬送手段と、を有する画像形成装置であって、前記像担持体駆動部材は像担持体と一体的に回転する像担持体歯車で構成され、前記駆動手段は前記像担持体駆動部材と前記像担持体駆動位置において噛み合う駆動手段歯車を有し、前記転写部材搬送手段は媒体駆動ローラと、前記媒体駆動ローラと一体的に回転し前記像担持体駆動部材と前記転写駆動位置において噛み合う搬送力伝達歯車を有し、前記像担持体が前記潜像形成位置から前記転写位置まで回転する時間と前記像担持体駆動部材が前記像担持体駆動位置から前記転写駆動位置まで回転する時間とを略等しく構成したことを特徴とする画像形成装置。
- 前記駆動手段歯車と前記搬送力伝達歯車は前記像担持体駆動部材に向かって押圧されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置は、複数の前記現像手段を備え、前記転写部材に前記像担持体の像が順次重ねて転写されることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
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