JP3719019B2 - 照明装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リモコン送信器から送信されたワイヤレス信号により照明負荷の点灯状態の切り換えや各種設定・制御を可能とした照明装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近では、リモコン送信器を操作し赤外線を伝送媒体とするワイヤレス信号を伝送することによって照明負荷の点灯状態を切り換えるようにした照明装置が普及してきている。この種の照明装置に用いる照明器具は、ワイヤレス信号を受信するための受信部を器具本体に備えていることが多い。
【0003】
ところで、この種の照明器具をオフィスなどで用いるときには、複数台の照明器具が近接して天井などに設置されることになる。このように複数台の照明器具が近接して配置されている状態で、ワイヤレス信号により特定の照明器具の点灯状態を選択的に切り換えるには、ワイヤレス信号を所望の照明器具に選択的に到達させることが必要である。ワイヤレス信号を所望の照明器具に選択的に到達させる技術としては、各照明器具ごとにワイヤレス信号の送受可能な範囲を制限するような光学設計を行う技術と、照明器具側にチャンネルを設定しておきワイヤレス信号によってチャンネルを指定することにより所望の照明器具でのみワイヤレス信号の指示を受け付けるようにする技術とがある。
【0004】
たとえば、前者のような光学設計による技術としては、特開平9−106706号公報に記載されているように、ワイヤレス送信器から送出するワイヤレス信号のビームの広がり角度を狭くするものもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のようにワイヤレス信号のビームの広がり角度を狭くするような光学設計を行ったとしても、壁などでの反射によってワイヤレス信号が所望の照明器具以外の照明器具に回り込むことがあり、不必要な照明器具が誤って動作することがある。このようなワイヤレス信号の回り込みによる誤動作を光学的に解決しようとすれば、ワイヤレス信号の送信や受信に関わる光学素子に特殊なものが必要になりコスト高につながる。
【0006】
一方、チャンネルを設定すればこの種の誤動作は回避されるが、照明器具の接地の際に各照明器具にチャンネルを設定することになり、施工作業が面倒になるという問題がある。
【0007】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、光学設計を特殊なものにしたりチャンネルの設定を行うことなくワイヤレス信号による指示で所望の照明負荷のみ点灯・消灯させることを可能とした照明装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、照明負荷と、照明負荷による照明範囲内に設定された検知エリア内の人の存否を検出する人感センサと、別に設けたリモコン送信器からワイヤレス信号により伝送される少なくとも照明負荷の点灯・消灯を指示する操作情報を上記人感センサの出力に基づいて上記検知エリア内に人が存在すると判断される期間に受付可能とする制御部とを備えるものである。この構成によれば、人感センサの検知エリア内に人が存在すると判断される期間に、リモコン送信器からのワイヤレス信号による照明負荷の点灯・消灯を指示する操作情報を受付可能としているから、複数の照明負荷が存在している場合に人感センサにより人の存在が検出されていなければ、その人感センサに対応した照明負荷は点灯・消灯などの指示を受け付けることができず、結果的に不必要な照明負荷を誤って点灯・消灯させるのを防止することができる。しかも、ワイヤレス信号のビームの広がり角度を狭くするような光学設計が不要であるとともに、チャンネルの設定も不要であるから、比較的低コストで提供でき、かつ施工作業が容易になる。
【0009】
請求項2の発明は、照明負荷と、照明負荷による照明範囲内に設定された検知エリア内の人の存否を検出する人感センサと、別に設けたリモコン送信器からワイヤレス信号により伝送される複数種類の操作情報を判別する操作情報判別手段を備え少なくとも照明負荷の点灯・消灯を指示する操作情報を含む一部の操作情報を上記人感センサの出力に基づいて上記検知エリアに人が存在すると判断される期間に受付可能とする制御部とを備え、制御部は操作情報判別手段で規定した残りの操作情報を人感センサの出力とは無関係に受け付けるものである。この構成によれば、人感センサの検知エリア内に人が存在すると判断される期間に、リモコン送信器からのワイヤレス信号による照明負荷の点灯・消灯を指示する操作情報を受付可能としているから、複数の照明負荷が存在している場合に人感センサにより人の存在が検出されていなければ、その人感センサに対応した照明負荷は点灯・消灯の指示を受け付けることができず、結果的に不必要な照明負荷を誤って点灯・消灯させるのを防止することができる。しかも、ワイヤレス信号のビームの広がり角度を狭くするような光学設計が不要であるとともに、チャンネルの設定も不要であるから、比較的低コストで提供でき、かつ施工作業が容易になる。さらに、リモコン送信器から伝送される操作情報の種類を判別し、操作情報の種類によっては人感センサの出力とは無関係に受付可能としているから、たとえば複数個の照明負荷を一括して点灯・消灯させる操作情報については人感センサの出力とは無関係に受付可能としておけば、室内の全部の照明負荷を一括して点灯・消灯させることが可能になり使い勝手がよい。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、上記制御部が、上記人感センサの出力に基づいて人が検知エリアに存在しなくなったと判断される時点から一定の受付可能期間を時限する受付タイマを備え、上記人感センサの出力に基づいて上記検知エリアに人が存在すると判断される期間に加えて上記受付可能期間にも上記操作情報を受付可能とするものである。この構成によれば、人感センサで人の存在が検出されなくなった後も受付タイマで時限された受付可能期間内は操作情報の受付が可能であるから、たとえば人が人感センサの検知エリアの外に出てから照明負荷を消灯させるようなことが可能になり、使い勝手がより向上する。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかの発明において、上記照明負荷による照明範囲よりも上記人感センサの検知エリアを狭く設定したものである。この構成では、照明負荷による照明範囲外からはワイヤレス信号によって照明負荷を個別に点灯・消灯させることができず、人の存在しない場所を照明範囲とする照明負荷を点灯させることによる電力の無駄を低減することができ、また照明範囲内に人が存在している場合でも照明負荷を個別に点灯・消灯させる指示を受け付けるのは特定の範囲内に人が存在するときに制限されるから、複数個の照明負荷が存在する場合に誤って隣接する照明負荷を点灯・消灯させる可能性が少なくなる。
【0012】
請求項5の発明は、照明負荷と、照明負荷による照明範囲内にそれぞれ設定された検知エリア内の人の存否を検出する複数個の人感センサと、別に設けたリモコン送信器からのワイヤレス信号による操作情報の受付の可否を各人感センサの出力に基づく各検知エリアでの人の存否の組み合わせに応じて決定する制御部とを備えるものである。この構成によれば、複数個の人感センサを設けることによって照明負荷の照明範囲内に複数の検知エリアを設定することができ、特定の検知エリアに人が存在するときにリモコン送信器からの操作情報の受付を可能とすることができるから、複数の照明負荷が存在している場合でも不必要な照明負荷が誤って操作情報を受け取ることがなく、たとえば隣接する照明負荷を誤って点灯・消灯させるのを防止することができる。しかも、ワイヤレス信号のビームの広がり角度を狭くするような光学設計が不要であるとともに、チャンネルの設定も不要であるから、比較的低コストで提供でき、かつ施工作業が容易になる。
【0013】
請求項6の発明は、請求項5の発明において、上記リモコン送信器が複数種類の操作情報を伝送可能であって、上記制御部が、操作情報の種類を判別する操作情報判別手段を備え、各人感センサの出力に基づく各検知エリアでの人の存否の組み合わせに応じて、受信したワイヤレス信号に含まれる操作情報のうち受付可能な操作情報を異ならせるものである。この構成によれば、複数個の人感センサによる検知エリアの組み合わせにより設定される複数個のエリアのうち、どのエリアに人が存在するかに応じて、異なる操作情報を受付可能としているから、たとえば特定のエリアに人が存在するときには、照明負荷を個別に点灯・消灯させ、また別のエリアに人が存在するときには複数の照明負荷を一括して点灯させるなどの操作が可能になる。
【0014】
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6の発明において、上記照明負荷と上記人感センサと上記制御部とは1つの器具本体に取り付けられているものである。この構成によれば、照明負荷と人感センサと制御部とが1つの器具本体に取り付けられているので、器具本体を天井などに設置すれば上述した各種機能を実現することができ、設置施工が容易になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
(実施形態1)
本実施形態の照明装置は、図1に示すように、照明負荷11を備える照明器具1と、照明負荷11の点灯・消灯などの指示を赤外線を伝送媒体とするワイヤレス信号によって与えるリモコン送信器2とにより構成される。
【0017】
照明器具1はマイコンを主構成とする制御部15を備え、制御部15は照明負荷11が接続された調光回路16に指示を与えることによって照明負荷11の点灯・消灯あるいは調光の制御を行う。調光回路16は、調光レベルを段階的に設定する(段調光という)ものと連続的に設定する(連続調光という)ものとのどちらを用いてもよい。すなわち、制御部15には点灯照度設定部17が設けられ、調光レベルが点灯照度設定部17から調光回路16に指示される。また、制御部15には、リモコン送信器2からのワイヤレス信号を受信する受信部13が接続され、制御部15ではワイヤレス信号により与えられた指示内容を解読する。
【0018】
一方、リモコン送信器2は、制御部15に各種の指示を与える操作を行う押釦スイッチなどからなる操作部21を備え、操作部21の操作に応じた操作情報を信号生成部22で所定の形態の信号列に変換し、この信号列を送信部23からワイヤレス信号として送出するように構成されている。操作情報としては、少なくとも照明負荷11の点灯状態(点灯・消灯・調光)を変更する指示が可能であればよいが、後述する各種設定を変更する指示を操作情報としてワイヤレス信号により伝送してもよい。
【0019】
ところで、照明器具1には照明負荷11による照明範囲内に検知エリアを設定し、検知エリア内の人の存否を検出する人感センサ12が設けられている。人感センサ12には、たとえば焦電形赤外線センサにより人体から放射される熱線を検出するものが用いられる。本実施形態では、人感センサ12により検知エリア内の人の存在が検知されている期間、および人感センサ12により人が検知されなくなった後の一定時間として設定された点灯保持時間は検知エリア内に人が存在すると判断する。点灯保持時間は制御部15に設けた照明タイマ18により時限されており、照明タイマ18は再トリガ可能に構成されている。しかして、点灯保持時間を設定しておくことにより、検知エリアに人が存在しているにもかかわらず人感センサ12で一時的に人が検出されない状態が生じても、連続的に人の存在が検出されているとみなすことが可能になる。
【0020】
また、制御部15には人感センサ12の出力に基づいて人が検知エリアに存在しなくなったと判断された時点からの一定時間として点灯保持時間とは別に設定された受付可能期間を時限する受付タイマ19も備えている。
【0021】
さらにまた、制御部15にはCdSのような光電素子を用いた明るさセンサ14が接続されており、明るさセンサ14により周囲照度を検出している。一般に照明負荷11は周囲照度が低いときに点灯させるものであるから、明るさセンサ14により周囲照度を監視し、制御部15では周囲照度が規定値よりも高いときには照明負荷11を強制的に消灯状態に保つように制御する。
【0022】
ところで、本実施形態では、人感センサ12の出力に基づいて人が検知エリアに存在すると判断される期間(つまり、人感センサ12により人が検出されている期間と照明タイマ18により点灯保持時間が時限されている期間)と、受付タイマ19により受付可能期間が時限されている期間において、リモコン送信器2からのワイヤレス信号による操作情報の受付を許可するように構成されている。逆に言えば、これらの期間以外にはワイヤレス信号による操作情報を受け付けないようになっている。したがって、複数台の照明器具1が隣接して配列されていても人感センサ12により人が検出されなければ(つまり、人が検出されてから受付可能期間が終了するまでの期間でなければ)、ワイヤレス信号による操作情報は受け付けられず、結果的に照明負荷11の点灯・消灯・調光などの点灯状態の変更が行われないことになる。つまり、不必要な照明負荷11を点灯させたり、点灯させておきたい照明負荷11を誤って消灯させたりするというような誤操作を防止することができる。
【0023】
このように、人感センサ12での人の検出の有無に応じて照明負荷11の点灯状態を変更可能としているから、人感センサ12の検知エリアは、照明負荷11による照明範囲と一致させるか、照明範囲よりも狭く設定しておく。とくに、照明範囲よりも検知エリアを狭く設定しておけば、照明範囲外から照明負荷11を点灯させる操作ができないから、誤操作の可能性を一層低減することができる。
【0024】
なお、点灯照度設定部17に設定される調光レベル、照明タイマ18により時限する点灯保持時間、受付タイマ19により時限される受付可能期間をリモコン送信器2からのワイヤレス信号により設定可能としてもよく、このようなワイヤレス信号についても人感センサ12により人が検出されなければ、制御部15で受け付けることがないから、他の照明器具1への誤設定を防止することができる。このように、チャンネルを用いることなく各照明器具1に選択的にワイヤレス信号を伝送することができるのであり、しかもリモコン送信器2からのワイヤレス信号のビームの広がり角度を狭くする必要がなく光学設計も容易である。
【0025】
本実施形態では、照明器具1として、照明負荷11と人感センサ12と受信部13と明るさセンサ14と制御部15と調光回路16とを1つの器具本体(図示せず)に取り付けて一体化しているので、照明器具1を天井などに設置施工するだけで、照明負荷11だけでなく人感センサ12、受信部13、明るさセンサ14も設置施工することができ、施工作業が容易になる。
【0026】
次に、本実施形態の照明装置の使用例を図2を用いて説明する。図2では2台の照明器具1a、1bを天井3に隣接して配置してある。両照明器具1a,1bは図1に示した照明器具1と同構成を有するものであって、人感センサ12および受信部13は照明器具1a,1bの下面に設けてある。図2では各照明器具1a,1bの検知エリアをそれぞれAa,Abとして示してある。
【0027】
ここで、リモコン送信器2が検知エリアAaに存在する操作者5により操作されるとすると、図示する位置ではリモコン送信器2からのワイヤレス信号は両照明器具1a,1bで受信可能となる。ここで、操作者5は検知エリアAaに存在しているから、上述した制御部15の動作によって照明器具1aにおいてのみワイヤレス信号が受付可能となる。つまり、隣接して配置された2台の照明器具1a,1bのうち人感センサ12により操作者5を検出している照明器具1aでのみワイヤレス信号による操作情報を受け付けることが可能になり、操作情報が照明器具1bに伝送されることによる誤操作が防止されるのである。このようにして、照明負荷1aのみの点灯状態を変更したり、点灯照度設定部17、照明タイマ18、受付タイマ19の設定を変更したりすることが可能になる。
【0028】
ここで、人感センサ12の検知エリアAを照明負荷11による照明範囲よりも狭く設定する各種例を図3に示す。ただし、図示例では受信部13を器具本体1から分離してある。図3(a)は照明器具1の直下を中心として照明範囲よりも狭い範囲で検知エリアAを設定したものである。この設定では複数個の照明器具1が近接して配置されていても人感センサ12の検知エリアAが重複するのを確実に防止することができ、各照明負荷1にワイヤレス信号を各別に受け付けさせることができる。また、図3(b)は受信部13の直下を中心として照明範囲よりも狭い範囲で検知エリアAを設定したものである。この設定ではリモコン送信器2と受信部13との距離が比較的近い状態でワイヤレス信号が伝送されるから、検知エリアAを狭くしていることとあいまって、所望の照明器具1に確実にワイヤレス信号を受け付けさせることができる。さらに、図3(c)は人感センサ12の検知エリアAを天井3から所定距離Hの範囲に設定したものであり、床付近にペットなどがいたとしても誤検出することがなく、操作者5が立った状態でリモコン送信器2を操作するときにのみワイヤレス信号が受け付けられるようにすることが可能になり誤操作が防止される。このように図3に示した検知エリアAの設定例を目的に応じて適宜に採用すれば、誤操作の可能性を一層低減することができる。
【0029】
(実施形態2)
本実施形態は、リモコン送信器2から複数種類の操作情報が送出可能であって、図4に示すように、各操作情報の種類を判別する操作情報判別手段としての制御信号判別部20が照明器具1の制御部15に設けられているものである。他の構成は実施形態1と同様である。
【0030】
実施形態1では人感センサ12が検知エリア内の人の存在を検出している期間および受付タイマ19により時限されている受付可能期間に、リモコン送信器2からのワイヤレス信号を受け付けるように構成していたが、操作情報の種類によっては人感センサ12での人の検知にかかわりなくワイヤレス信号を受け付けることが要求されることもある。たとえば、室内に配置された複数の照明負荷11を一括して点灯・消灯させる操作情報は、人感センサ12により人が検出されなくても受け付けることが要求される。そこで、本実施形態では、制御信号判別部20を設け、人感センサ12により人が検出されているときに受付可能とする操作情報と人感センサ12による人の検知とは無関係に受付可能とする操作情報とを判別している。
【0031】
上述の構成を用いると、各制御部15に個別に指示を与える操作情報と、複数の制御部15に一括して指示を与える操作情報とをリモコン送信器2から送出することになる。つまり、実施形態1と同様に2台の照明器具1a,1b(図2参照)を近接して配置し、照明器具1aに設けた人感センサ12で操作者5が検出されているとすれば、前者の操作情報は照明器具1aでのみ受付可能となり、後者の操作情報は両方の照明器具1a,1bで受付可能となるのである。他の構成および動作は実施形態1と同様である。
【0032】
(実施形態3)
本実施形態は、図5に示すように、実施形態1の構成に人感センサ24を付加した構成を有する。人感センサ24は検知エリアを人感センサ12とは異ならせてあり、制御部15は人感センサ24による人の検出の有無に応じてリモコン送信器2からのワイヤレス信号とは無関係に照明負荷11を点灯・消灯させる。
【0033】
本実施形態は、たとえば以下のように使用することができる。いま、図5に示した照明器具1と同構成の2台の照明器具1a,1bを図6のように近接して天井3に配置し、人感センサ24の検知エリアA2a,A2bを床に達する範囲で設定し、人感センサ12の検知エリアA1a,A1bを床よりも高い所定範囲で設定するものとする。ここで、図示例では両検知エリアA2a,A2bに人5,5’が存在しているから、両照明器具1a,1bの照明負荷11が点灯する。リモコン送信器2からのワイヤレス信号を照明器具1a,1bで受付可能とするには、人感センサ12の検知エリアA1a,A1bに人が存在することが必要である。そこで、照明器具1aの照明範囲に存在する人(操作者)5がリモコン送信器2を用いて照度を変更するには、検知エリアA1aに入るように立ち上がればよい。この状態では、検知エリアA1bにおいて人が検出されていないから、リモコン送信器2からのワイヤレス信号によって照明器具1bの点灯状態が変更されることはない。
【0034】
上述の構成によって、照明器具1a,1bの照明範囲内での人の存否に応じて照明負荷11の点灯・消灯を行うことと、各照明器具1a,1bでリモコン送信器2からのワイヤレス信号を選択的に受付可能とすることとの両方が可能になるのである。なお、上述した使用例は一例であって、人感センサの個数は2個に限定されるものではなく、また各人感センサに対する制御部15の動作や検知エリアの設定についてもとくに限定されるものではない。他の構成および動作は実施形態1と同様である。
【0035】
(実施形態4)
本実施形態は、図7に示すように、2個の人感センサ12,24を備え、さらには実施形態2と同様に制御信号判別部20を制御部15に設けているものである。両人感センサ12,24は検知エリアを異ならせてある。また、実施形態2と同様にリモコン送信器2では複数種類の操作情報をワイヤレス信号として送出可能であって、制御信号判別部20では操作情報の種類を判別している。
【0036】
ところで、実施形態2では操作情報を2種類に分けて判別していたが、本実施形態では、人感センサ12,24による人の検出の有無の組み合わせに対応付けて、受付可能な操作情報(信号群)を4種類に分けて判別している。つまり、2個の人感センサ12,24を備えることによって、各1個の人感センサ12,24で人が検出される2状態と、両人感センサ12,24がともに人を検出しない状態と、両人感センサ12,24がともに人を検出する状態との4状態が生じるから、これらの4状態に対応付けて操作情報の種類を判別するのである。
【0037】
上述の関係を示すと表1のようになる。つまり、リモコン送信器2からは操作情報として4種類の制御信号群α,β,γ,δがワイヤレス信号により送出される。一方、制御部15は、各人感センサ12,24が人を検出しているか(○で表す)、人感センサが人を検出していないか(×で表す)に応じて、どの制御信号群α,β,γ,δを受付可能とするかを決定するのである。
【0038】
【表1】
Figure 0003719019
【0039】
本実施形態の使用例を図8ないし図11に基づいて説明する。図示例では図7に示した照明器具1と同構成を有する2台の照明器具1a,1bを隣接させて天井3に配置してある。また、照明器具1aでは人感センサ12の検知エリアA1aを人感センサ24の検知エリアA2aの範囲内に設定し、照明器具1bでは人感センサ12の検知エリアA1bと人感センサ24の検知エリアA2bとがほとんど重複しないように設定してある。
【0040】
このような設定がなされているとすると、図8に示すように操作者5がどの人感センサ12,24にも検出されていなければ、表1から明らかなように、制御信号群δのみが受け付けられることになる。制御信号群δは、2台の照明器具1a,1bの照明負荷11を一括して点灯・消灯させる指示などを含む。
【0041】
また、図9に示すように操作者5が照明器具1aに設けた人感センサ24の検知エリアA2aに存在しているが、人感センサ12の検知エリアA1aには存在しないとき(つまり、人感センサ24でのみ人が検出されるとき)には、制御信号群βのみが受付可能になる。この状態において照明器具1bは制御信号群δのみが受付可能であって制御信号群βは受け付けることができない。つまり、制御信号群βは、照明器具1a,1bに選択的に伝送されるのであり、照明負荷11の点灯・消灯の指示、照明タイマ18や受付タイマ19の設定値を変更する指示などを含む。
【0042】
図10に示すように、操作者5が照明器具1aに設けた人感センサ12の検知エリアA1aと人感センサ24の検知エリアA2aとの両方に存在しているときには、制御信号群γが受付可能になる。この状態も照明器具1bでは制御信号群γを受け付けないから、制御信号群γは照明器具1aにのみ伝送されるのであって、たとえば調光量の変更の指示などは制御信号群γにより行うことになる。
【0043】
図11に示すように、照明器具1bの人感センサ12の検知エリアA1bに人が存在するときには、人感センサ24では人が検出されていないから、照明器具1bでは制御信号群αが受付可能になる。この制御信号群αも照明器具1bでのみ選択的に受付可能になる。ここに人感センサ12の検知エリアA1bは照明器具1bの照明範囲の周辺部に設定してあるから、この位置で照明負荷11の点灯・消灯を指示すれば使い勝手がよい。つまり、制御信号群αは照明負荷11の点灯・消灯の指示を含む。他の構成および動作は実施形態2と同様である。
【0044】
(実施形態5)
上述した各実施形態では、器具本体に照明負荷11とともに人感センサ12、受信部13を取り付けて照明器具1を構成した例を示したが、本実施形態では照明負荷11を備える照明器具1とは別に、人感センサ12および受信部13を設けた例を示す。すなわち、図12に示すように、各照明負荷11はそれぞれ端末34に接続され、各端末34は2線式の信号線36を介して中央制御装置30に対してマルチドロップ式に接続される。また、信号線36には端末機能を備えたスイッチ31、端末機能とともに人感センサを備えた人感センサ付端末32、端末機能とともにワイヤレス信号の受信部を備えたリモコン受信器33も接続される。
【0045】
スイッチ31、人感センサ付端末32、リモコン受信器33、端末34はそれぞれ固有のアドレスを有し、中央制御装置30は、スイッチ31、人感センサ付端末32、リモコン受信器33、端末34との間で多重伝送技術を用いてデータを授受している。また、中央制御装置30では、スイッチ31、人感センサ付端末32、リモコン受信器33、端末34とが互いにアドレスによって対応付けられている。したがって、スイッチ31を操作するとアドレスにより対応付けられている端末34に操作情報が伝送され、端末34に接続された照明負荷11の点灯状態の制御などを行うことができる。
【0046】
ところで、図示例では複数個(図では2個)の照明負荷11を1つの単位としてグループG1,G2を形成しており、各グループG1,G2ごとに人感センサ付端末32とリモコン受信器33とをそれぞれ設けてある。中央制御装置30は実施形態1における制御部15の機能を有しており、各グループG1,G2における人感センサ付端末32で人が検出されていると、リモコン受信器33で受信したワイヤレス信号を受付可能とする。リモコン受信器33で受信されたワイヤレス信号の操作情報は、信号線36を伝送される伝送信号により中央制御装置30に伝送され、中央制御装置30では操作情報に応じた制御データを端末34に伝送して照明負荷11の点灯状態の制御などを行うのである。
【0047】
ここで、本実施形態では各グループG1,G2が実施形態1の照明器具1に相当するのであって、人感センサ付端末33により人が検出されているグループG1,G2のリモコン受信器32のみがワイヤレス信号の受付を行う。また、照明負荷11の点灯状態の制御などはグループG1,G2を単位として行われ、グループG1,G2の中の複数個の照明負荷11は一括して制御される。本実施形態は多重伝送技術を用いた点を除けば、構成および動作は基本的に実施形態1と同様である。
【0048】
なお、上述した各実施形態では、1つの制御部15を1つの照明器具1に対応付けているが、それぞれ照明負荷11を備えた複数個の照明器具1に対して1つの制御部15を共用して設けてもよい。この場合、人感センサ12、受信部13、明るさセンサ14、制御部15は照明器具1とは別体に設けられることになる。また、人感センサ12としては、人体から放射される熱線を検知する焦電型赤外線センサ、超音波の送受波により距離の変化を検出して人の存否を判断する超音波センサ、光を投受光し受光量の変化によって人の存否を判断する光電センサなどを用いることができる。
【0049】
【発明の効果】
請求項1の発明は、照明負荷と、照明負荷による照明範囲内に設定された検知エリア内の人の存否を検出する人感センサと、別に設けたリモコン送信器からワイヤレス信号により伝送される少なくとも照明負荷の点灯・消灯を指示する操作情報を人感センサの出力に基づいて検知エリア内に人が存在すると判断される期間に受付可能とする制御部とを備えるものであり、人感センサの検知エリア内に人が存在すると判断される期間に、リモコン送信器からのワイヤレス信号による照明負荷の点灯・消灯を指示する操作情報を受付可能としているから、複数の照明負荷が存在している場合に人感センサにより人の存在が検出されていなければ、その人感センサに対応した照明負荷は点灯・消灯などの指示を受け付けることができず、結果的に不必要な照明負荷を誤って点灯・消灯させるのを防止することができるという利点がある。しかも、ワイヤレス信号のビームの広がり角度を狭くするような光学設計が不要であるとともに、チャンネルの設定も不要であるから、比較的低コストで提供でき、かつ施工作業が容易になるという効果がある。
【0050】
請求項2の発明は、照明負荷と、照明負荷による照明範囲内に設定された検知エリア内の人の存否を検出する人感センサと、別に設けたリモコン送信器からワイヤレス信号により伝送される複数種類の操作情報を判別する操作情報判別手段を備え少なくとも照明負荷の点灯・消灯を指示する操作情報を含む一部の操作情報を人感センサの出力に基づいて検知エリアに人が存在すると判断される期間に受付可能とする制御部とを備え、制御部は操作情報判別手段で規定した残りの操作情報を人感センサの出力とは無関係に受け付けるものであり、人感センサの検知エリア内に人が存在すると判断される期間に、リモコン送信器からのワイヤレス信号による照明負荷の点灯・消灯を指示する操作情報を受付可能としているから、複数の照明負荷が存在している場合に人感センサにより人の存在が検出されていなければ、その人感センサに対応した照明負荷は点灯・消灯の指示を受け付けることができず、結果的に不必要な照明負荷を誤って点灯・消灯させるのを防止することができるという効果がある。しかも、ワイヤレス信号のビームの広がり角度を狭くするような光学設計が不要であるとともに、チャンネルの設定も不要であるから、比較的低コストで提供でき、かつ施工作業が容易になる。さらに、リモコン送信器から伝送される操作情報の種類を判別し、操作情報の種類によっては人感センサの出力とは無関係に受付可能としているから、たとえば複数個の照明負荷を一括して点灯・消灯させる操作情報については人感センサの出力とは無関係に受付可能としておけば、室内の全部の照明負荷を一括して点灯・消灯させることが可能になり使い勝手がよいという効果もある。
【0051】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、制御部が、人感センサの出力に基づいて人が検知エリアに存在しなくなったと判断される時点から一定の受付可能期間を時限する受付タイマを備え、人感センサの出力に基づいて検知エリアに人が存在すると判断される期間に加えて受付可能期間にも操作情報を受付可能とするものであり、人感センサで人の存在が検出されなくなった後も受付タイマで時限された受付可能期間内は操作情報の受付が可能であるから、たとえば人が人感センサの検知エリアの外に出てから照明負荷を消灯させるようなことが可能になり、使い勝手がより向上するという効果がある。
【0052】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかの発明において、照明負荷による照明範囲よりも人感センサの検知エリアを狭く設定したものであり、照明負荷による照明範囲外からはワイヤレス信号によって照明負荷を個別に点灯・消灯させることができず、人の存在しない場所を照明範囲とする照明負荷を点灯させることによる電力の無駄を低減することができ、また照明範囲内に人が存在している場合でも照明負荷を個別に点灯・消灯させる指示を受け付けるのは特定の範囲内に人が存在するときに制限されるから、複数個の照明負荷が存在する場合に誤って隣接する照明負荷を点灯・消灯させる可能性が少なくなるという効果がある。
【0053】
請求項5の発明は、照明負荷と、照明負荷による照明範囲内にそれぞれ設定された検知エリア内の人の存否を検出する複数個の人感センサと、別に設けたリモコン送信器からのワイヤレス信号による操作情報の受付の可否を各人感センサの出力に基づく各検知エリアでの人の存否の組み合わせに応じて決定する制御部とを備えるものであり、複数個の人感センサを設けることによって照明負荷の照明範囲内に複数の検知エリアを設定することができ、特定の検知エリアに人が存在するときにリモコン送信器からの操作情報の受付を可能とすることができるから、複数の照明負荷が存在している場合でも不必要な照明負荷が誤って操作情報を受け取ることがなく、たとえば隣接する照明負荷を誤って点灯・消灯させるのを防止することができるという効果がある。しかも、ワイヤレス信号のビームの広がり角度を狭くするような光学設計が不要であるとともに、チャンネルの設定も不要であるから、比較的低コストで提供でき、かつ施工作業が容易になるという効果がある。
【0054】
請求項6の発明は、請求項5の発明において、リモコン送信器が複数種類の操作情報を伝送可能であって、制御部が、操作情報の種類を判別する操作情報判別手段を備え、各人感センサの出力に基づく各検知エリアでの人の存否の組み合わせに応じて、受信したワイヤレス信号に含まれる操作情報のうち受付可能な操作情報を異ならせるものであり、複数個の人感センサによる検知エリアの組み合わせにより設定される複数個のエリアのうち、どのエリアに人が存在するかに応じて、異なる操作情報を受付可能としているから、たとえば特定のエリアに人が存在するときには、照明負荷を個別に点灯・消灯させ、また別のエリアに人が存在するときには複数の照明負荷を一括して点灯させるなどの操作が可能になるという利点がある。
【0055】
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6の発明において、照明負荷と人感センサと制御部とは1つの器具本体に取り付けられているものであり、照明負荷と人感センサと制御部とが1つの器具本体に取り付けられているので、器具本体を天井などに設置すれば上述した各種機能を実現することができ、設置施工が容易になるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示すブロック図である。
【図2】同上の使用例を示す動作説明図である。
【図3】同上の使用例を示す動作説明図である。
【図4】本発明の実施形態2を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態3を示すブロック図である。
【図6】同上の使用例を示す動作説明図である。
【図7】本発明の実施形態4を示すブロック図である。
【図8】同上の使用例を示す動作説明図である。
【図9】同上の使用例を示す動作説明図である。
【図10】同上の使用例を示す動作説明図である。
【図11】同上の使用例を示す動作説明図である。
【図12】本発明の実施形態5を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 照明器具
2 リモコン送信器
11 照明負荷
12,24 人感センサ
13 受信部
14 明るさセンサ
15 制御部
16 調光回路
17 点灯照度設定部
18 照明タイマ
19 受付タイマ
20 制御信号判別部
21 操作部

Claims (7)

  1. 照明負荷と、照明負荷による照明範囲内に設定された検知エリア内の人の存否を検出する人感センサと、別に設けたリモコン送信器からワイヤレス信号により伝送される少なくとも照明負荷の点灯・消灯を指示する操作情報を上記人感センサの出力に基づいて上記検知エリア内に人が存在すると判断される期間に受付可能とする制御部とを備えて成ることを特徴とする照明装置。
  2. 照明負荷と、照明負荷による照明範囲内に設定された検知エリア内の人の存否を検出する人感センサと、別に設けたリモコン送信器からワイヤレス信号により伝送される複数種類の操作情報を判別する操作情報判別手段を備え少なくとも照明負荷の点灯・消灯を指示する操作情報を含む一部の操作情報を上記人感センサの出力に基づいて上記検知エリアに人が存在すると判断される期間に受付可能とする制御部とを備え、制御部は操作情報判別手段で規定した残りの操作情報を人感センサの出力とは無関係に受け付けることを特徴とする照明装置。
  3. 上記制御部は、上記人感センサの出力に基づいて人が検知エリアに存在しなくなったと判断される時点から一定の受付可能期間を時限する受付タイマを備え、上記人感センサの出力に基づいて上記検知エリアに人が存在すると判断される期間に加えて上記受付可能期間にも上記操作情報を受付可能とすることを特徴とする請求項1または請求項2記載の照明装置。
  4. 上記照明負荷による照明範囲よりも上記人感センサの検知エリアを狭く設定したことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の照明装置。
  5. 照明負荷と、照明負荷による照明範囲内にそれぞれ設定された検知エリア内の人の存否を検出する複数個の人感センサと、別に設けたリモコン送信器からのワイヤレス信号による操作情報の受付の可否を各人感センサの出力に基づく各検知エリアでの人の存否の組み合わせに応じて決定する制御部とを備えることを特徴とする照明装置。
  6. 上記リモコン送信器は複数種類の操作情報を伝送可能であって、上記制御部は、操作情報の種類を判別する操作情報判別手段を備え、各人感センサの出力に基づく各検知エリアでの人の存否の組み合わせに応じて、受信したワイヤレス信号に含まれる操作情報のうち受付可能な操作情報を異ならせることを特徴とする請求項5記載の照明装置。
  7. 上記照明負荷と上記人感センサと上記制御部とは1つの器具本体に取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の照明装置。
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