JP3718603B2 - 回転機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、隔離部を間に挟んで回転駆動部により回転部を磁気的に回転駆動する回転機に関し、特に回転部側の空間と回転駆動部側の空間の間で何れか一方の側にとって不都合な物質、熱、振動、騒音等が他方の側から一方の側に移動又は伝達すると不具合を及ぼす回転機に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
気体や液体の攪拌や送出を行うインペラ等の回転体を、隔壁を隔てて駆動部により回転駆動することにより、回転体側の空間と駆動部側の空間の間で何れか一方の側にとって不都合な物質や熱等が他方の側から一方の側に移動することが防ぐ回転機として、駆動部と回転体に隔壁を挟んで相対するようにそれぞれ磁極を設け、駆動部を回転させることにより隔壁を隔てて回転体を磁気的に回転駆動するものがある。例えば、電気ポットのポンプ装置、攪拌器等である。
【0003】
これにより、回転体側の空間で攪拌や送出する気体や液体として飲食物、食器、調理器具、医薬品、医療用品、衛生用品等を取り扱う場合に、駆動部側の空間から回転体側の空間に軸受の潤滑剤や磁性粉等を含む不純物や毒性のある物質が混入することを防いだり、回転体側から駆動部側にそのような気体や液体が漏えいして水分や金属腐食性物質等の駆動部に錆を発生させたり金属の腐食等を引き起こす物質が進入することを防ぐことができる。このような場合の回転体は、回転体側の空間において駆動部とは別個に種々の軸受装置により回転自在に支持されていた。
【0004】
一方、攪拌や送出する気体や液体として飲食物や医薬品等を取り扱う場合の回転体及び軸受装置は常時清浄に維持する必要があり、そのためには、回転体及び軸受装置の洗浄又は清掃、或いは回転部の交換等を随時容易に行うことができることが強く望まれる。ところが、従来のこの種回転機では、この点について十分に配慮されていなかった。
【0005】
本発明は、従来技術に存した上記のような問題点に鑑み行われたものであって、その目的とするところは、回転部側の空間と回転駆動部側の空間の間で何れか一方の側にとって不都合な物質や熱等が他方の側から一方の側に移動することが防がれると共に、回転部を取り外して洗浄又は清掃、或いは回転部の交換等を随時行い得、而も、回転支持部における回転部の支持を安定的に行い得る回転機を提供することにある。
【0006】
また、他の目的は、回転機全体をよりコンパクト化することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の回転機は、
軸心線のまわりに回転する磁界を形成し得る磁極構成体を有する回転駆動部と、
その回転駆動部の磁極構成体と相対する磁極を有し、回転駆動部に形成された磁界が軸心線のまわりに回転することにより前記磁極に磁気的に作用し、回転駆動部と非接触で軸心線のまわりに磁気的に回転駆動される回転部と、
その回転部を離脱可能な状態で回転自在に支持する回転支持部と、
前記回転部と回転駆動部の間を隔離する隔離部を備え、
回転部の磁極と磁極構成体との間の磁気的吸引力が、回転部が所定位置から軸心方向に離脱することを防ぐよう作用することを特徴とする。
【0008】
回転駆動部による回転部の回転駆動は、回転部と回転駆動部が隔離部により隔離された状態で行われるので、回転部側の空間と回転駆動部側の空間の間で何れか一方の側にとって不都合な物質や熱等(例えば種々の塵埃や液滴等)が他方の側から一方の側に移動すること、及びこの反対側に移動することが防がれる。具体的には、例えば飲食物、食器、調理器具、医薬品、医療用品、衛生用品等を回転部側において取り扱う場合のように、主として回転部側の清浄性等の空間の状態を保つために回転駆動部側の空間から回転部側の空間に不都合な物質や熱等(防錆剤、絶縁塗料、重金属、種々の塵埃等)が移動することを防ぐ場合、主として回転駆動部側の腐食、絶縁性低下、その他の機能低下や破損等を防ぐために回転部側の空間から回転駆動部側の空間に不都合な物質や熱等(水分、金属腐食性物質、絶縁塗料溶解性物質、極低温物質、極高温物質等)が移動することを防ぐ場合、これら両方を主目的とする場合を挙げることができる。また、回転部側と回転駆動部側の間の機械的振動や騒音(例えば、回転部の回転による騒音や振動、及び回転駆動部の電磁振動等)の伝達を可及的に防ぐことが可能である。
【0009】
回転部は回転支持部に対し離脱可能なので、回転支持部から回転部を取り外して回転支持部又は回転部の洗浄又は清掃、或いは回転部の交換等を随時行い得る。従って、回転部側の空間の清浄性等の空間の状態や回転部の回転性維持等を容易且つ適切に行い得る。
【0010】
また、回転部の磁極と回転駆動部との間の磁気的吸引力が、回転部が所定位置から軸心方向(軸心方向一方にのみ離脱し得る場合は軸心方向一方)に離脱することを防ぐよう作用するので、回転部の離脱可能性を維持しつつ回転支持部における回転部の支持を安定化する上で有用である。この磁気吸引力は、回転部の磁極と、磁極構成体における、永久磁石体、鉄心コイルの鉄心、空心コイルのヨーク等との間に作用するものである。なお、回転部の離脱防止については、他の離脱防止手段を併用することがより望ましい。
【0011】
回転駆動部が有する磁極構成体としては、例えば、永久磁石体、空心コイル、鉄心コイル等が電動機等により軸心線のまわりに回転して軸心線のまわりに回転する磁界を形成し得るもの、及び、鉄心コイル部又は空心コイル部により構成される電機子(固定電機子)が、軸心線のまわりに回転する磁界を形成し得るものを挙げることができる。電機子における回転磁界の形成は、例えば、回転部の磁極位置を検知するセンサ(ホールセンサ等)によって検知する磁極位置に応じ各極を構成するコイルに流す電流を転流させることにより行うことができる。或いはセンサを使用せずに電機子にて発生する誘起電圧を利用して磁極位置を検知することもできる。
【0012】
磁極構成体が鉄心コイル部又は空心コイル部により構成される電機子である場合、静止状態の電機子により隔離部を挟んで直接回転部を磁気的に駆動するので、全体としてコンパクトに構成することができる。
【0013】
回転部が有する磁極は、回転駆動部の磁極構成体と、例えば軸心方向に又は径方向に相対する。この回転部の磁極は、通常の場合、永久磁石体による磁極である。永久磁石体が磁粉が生じ易い材料からなる場合には、被膜により被覆して磁粉の発生を防ぐようにすることが好ましい。
【0014】
隔離部は、回転部側の空間と回転駆動部側の空間の間で何れか一方の側にとって不都合な物質や熱等の移動、或いは、振動や騒音の伝達が他方の側へ悪影響を及ぼすことを阻止し得、且つ回転部が回転駆動部により磁気的に回転駆動され得るものであることを要し、例えば非強磁性材料(常磁性材料、反磁性材料等)製の隔壁や隔膜等により構成することができる。隔離部により回転部又回転駆動部を密封するものとすることもできる。また隔離部は、回転部と回転駆動部の間を軸心方向に隔離する部分(例えば軸心方向に対し垂直な部分)、或いは回転部と回転駆動部の間を径方向に隔離する部分(例えば軸心線と同軸状をなす円筒状部分)を備えるものとすることができる。
【0015】
この回転機における回転部と回転支持部については、
回転部が転動体を保持し、その転動体を介して回転部が回転支持部に対し径方向及び軸心方向に支持されつつ自在に回転し得、
転動体と回転支持部との間で径方向に作用する弾性的な押圧力、及び回転部の磁極と回転駆動部との間の磁気的吸引力により、回転部が回転支持部に保持されるものとすることができる。
【0016】
転動体は一般的には転動球体である。転動体の保持は、例えば転動体が収容される凹部を有する環状の保持器により行う。
【0017】
転動体と回転支持部との間で径方向に作用する弾性的な押圧力は、例えば、転動体を保持する回転部、又は転動体を支持する回転支持部の何れか又は両方において発生する。
【0018】
このような回転機の場合、回転部の磁極と回転駆動部との間の磁気的吸引力の他に、転動体と回転支持部との間で径方向に作用する弾性的な押圧力が、回転部が所定位置から軸心方向に離脱することを防ぐ上で有効である。回転部の離脱可能性を維持しつつ回転支持部における回転部の支持を安定化する上でも有用である。
【0019】
このような回転機の例としては、
回転支持部が、軸心線と同軸状をなす円筒状内周面部を有すると共に、その軸心線に対し垂直な環状面部を前記円筒状内周面部の軸心方向後側に有してなり、
回転部が3以上の転動体を保持し、それらの転動体のうち3以上が180度未満の中心角毎に前記円筒状内周面部によって径方向に支持されると共に、前記転動体のうち3以上が180度未満の中心角毎に環状面部によって軸心方向に支持されることにより回転部が回転支持部に回転自在に支持され、
転動体と転動体を転動自在に支持する円筒状内周面部との間で径方向に作用する弾性的な押圧力、及び回転部の磁極と回転駆動部との間の磁気的吸引力により、回転部が回転支持部に保持されるものを挙げることができる。
【0020】
前記環状面部は、円筒状内周面部の軸心方向後側、すなわちその円筒状内周面部の回転部離脱側とは逆の側(前方)の端部又はそれよりも奥方に位置する。例えば、底面(転動体を軸心方向に支持する環状面部を含む)が円形平面で内周面(円筒状内周面部)が円筒面形状である凹部を回転支持部とすることができる。円筒状内周面部よりも軸心方向前方側の内径は、円筒状内周面部と等しいかそれよりも大きい。この場合、回転部は回転支持部から軸心方向前方にのみ離脱し得る。
【0021】
転動体は、例えば一定半径及び一定軸心方向位置において等中心角毎に配置するものとすることができる。転動体の一部は、径方向外方及び軸心方向一方に回転部からはみ出ているものとすることができる。
【0022】
円筒状内周面部によって径方向に支持される転動体と環状面部によって軸心方向に支持される転動体は同一の転動体(転動球体)でも異なる転動体でもよい。
【0023】
前記回転機の他の例としては、
回転支持部が、軸心線と同軸状をなす円筒状外周面部を有すると共に、その軸心線に対し垂直な環状面部を前記円筒状内周面部の軸心方向後側に有してなり、
回転部が3以上の転動体を保持し、それらの転動体のうち3以上が180度未満の中心角毎に前記円筒状外周面部によって径方向に支持されると共に、前記転動体のうち3以上が180度未満の中心角毎に環状面部によって軸心方向に支持されることにより回転部が回転支持部に回転自在に支持され、
転動体と転動体を転動自在に支持する円筒状内周面部との間で径方向に作用する弾性的な押圧力、及び回転部の磁極と回転駆動部との間の磁気的吸引力により、回転部が回転支持部に保持されるものを挙げることができる。
【0024】
この場合の回転支持部は、例えば、環状平面状の底面(転動体を軸心方向に支持する環状面部を含む)の中央部に軸心方向の円柱部を備え、その円柱部の外周面が円筒状外周面部であるものとすることができる。円筒状外周面部よりも軸心方向前方側の内径は、円筒状内周面部と等しいかそれよりも小さい。この場合、回転部は回転支持部から軸心方向前方にのみ離脱し得る。
【0025】
上記回転機は、回転駆動部が、空心コイル部からなる電機子であるものとすることができる(請求項3)。
【0026】
このような電機子としては、例えば円板状又は環状平板状等のバックヨークを空心コイル部の軸心方向一方側(回転部が位置する側とは逆の側)に備えており、回転部の磁極と軸心方向に相対するものを挙げることができる。
【0027】
電機子により隔離部を挟んで直接回転部を駆動するものであり、而もその電機子が空心コイル部からなるので、電機子自体を小型化して全体を一層コンパクトに構成することができる。
【0028】
特に、空心コイル部からなる電機子と回転部の磁極が隔離部を挟んで軸心方向に相対する面対向型とした場合、全体を薄型化する上で効果が高い。
【0029】
上記回転機は、回転部にインペラを備えたものとすることができる(請求項4)。
【0030】
このインペラは、例えば、空気などの気体を攪拌したり送出するもの、水などの液体を攪拌したり送出するもの等とすることができる。気体又は液体に相当する場合、回転部側の空間に飲食物を配置することで、この飲食物の攪拌において回転駆動部側の空間にある飲食物に不都合な物質が混入することなく、或いは飲食物が回転部側の空間へ混入することなく動作させることができる。回転部側の空間に他のものが存在する場合も同様の効果が得られる。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0032】
図1乃至図3は、本発明の回転機の実施の形態の一例としての気体を攪拌及び送出する回転機であるファンモータに関するものであって、図1は中央縦断面図、図2は、図1におけるII-II線要部断面図、図3は、図1におけるIII-III線要部断面図である。
【0033】
このファンモータは、非強磁性材料製の水平状隔壁10に設けられた下方開口の円形凹部12(下側から見た場合)の底部12aを挟んで、底部12aの上側に近接してステータ14の電機子16(回転駆動部)が位置し、底部12aの下側に、ロータマグネット40を備えたロータ42(回転部)を有してなり、電機子16、円形凹部12及びロータマグネット40は、同軸状をなす。水平状隔壁10は、このファンモータが搭載される装置側に固定又はその一部を構成する。
【0034】
電機子16は、ほぼ水平に三角形状に巻回された6個の空心コイル18が、水平板状の強磁性材料製の環状ヨーク板20の下面に対し、軸心線のまわりに6回回転対称状なすよう固定されてなる。3つの空心コイル18の内側には、ロータマグネット40の磁極位置を検出するためのホールセンサ22がそれぞれ配設されている。電機子16とロータマグネット40との磁気作用によりロータ42は回転する。
【0035】
環状ヨーク板20は水平板状の環状基板24の下側に固定され、環状基板24は、円筒状外周壁を備えた円形箱状フレーム26の上板部の中央に垂下した中央垂下部26aの下端部に固定されている。円形箱状フレーム26は、水平状隔壁10に設けられた円形凹部12の凸側(上側)の外周部に対し、下部において同軸状に外嵌固定されている。
【0036】
ロータ42は、ロータフレーム44と、ロータマグネット40と、インペラ46と、保持器48と、4個の転動球体50からなる。
【0037】
ロータフレーム44は、中央開口部を有する略円板状をなし、中央開口部の周囲に環状の中央立上部44aを有し、その中央立上部44aと外周部の間の径方向位置に環状の中間立上部44bを有する。ロータフレーム44は、ロータマグネット40のヨークとして機能する強磁性材料製であることが好ましい。
【0038】
ロータフレーム44の上面側における中央立上部44aと中間立上部44bの間に環状のロータマグネット40が固定されている。中間立上部44bの外周側に環状の保持器48が設けられ、その保持器48における90度中心角毎の4箇所に転動球体50が保持されている。各転動球体50は、上端部及び外端部が、保持器48に設けた透孔を介してそれぞれ上方及び径方向外方に突出した状態で転動自在に保持されている。
【0039】
インペラ46は、円筒状をなす外周壁部の外方に羽根を有し、外周壁部の上部に位置する上板部の中央部に嵌合筒状部46aが立ち上げられ、その嵌合筒状部46aの上端部に、外方に突起した固定爪部46bを有してなる。このインペラ46は、嵌合筒状部46aをロータフレーム44の中央立上部44a内に下方から嵌合させることにより固定爪部46bの下面が中央立上部44aの上端面に接した状態でロータフレーム44に対し同軸状に固定される。インペラ46は、ロータフレーム44に対し固定爪部46bにより着脱可能であり、固定爪部46bの上側面は外方に向かって下降傾斜しているので固定作業は円滑に行われる。
【0040】
円形凹部12(回転支持部)の内周面12bは軸心線と同軸状の円筒状をなし、円形凹部12の上面は軸心線に対し垂直な平面状をなす。ロータ42の上部を円形凹部12内に同軸状に嵌合させた状態において、各転動球体50は、円形凹部12の内周面12bによって径方向に支持されると共に、円形凹部12の上面によって軸心方向に支持され、これによりロータ42は円形凹部12に回転自在に支持される。
【0041】
ロータ42の転動球体50には潤滑剤を使用せず、ロータマグネット40は磁粉発生を防ぐために被膜によって被覆されている。また、ロータ42が円形凹部12に回転自在に支持された状態において、ロータ42の転動球体50と円形凹部12の内周面12bとの間で径方向に作用する弾性的な押圧力と、ロータ42のロータマグネット40とステータ14の環状ヨーク板20等との間で軸心方向に作用する磁気的吸引力によって、円形凹部12においてロータ42の着脱性を維持しつつロータ42を安定的に支持することができる。ロータ42は円形凹部12に対し嵌脱可能なので、円形凹部12からロータ42を取り外して円形凹部12又はロータ42の洗浄又は清掃、或いはロータ42の交換等を随時行い得る。更に、インペラ46をロータ42から取り外してインペラ46及びロータ42を洗浄又は清掃することができる。従って、インペラ46を含むロータ42側の空間の清浄性維持及びロータ42の回転性維持等を容易且つ適切に行い得る。
【0042】
ホールセンサ22により検知したロータマグネット40の磁極位置に応じ空心コイル18の励磁電流を転流させることにより、インペラ46を備えたロータ42は、水平状隔壁10により隔離された状態でステータ14の電機子16により磁気的に回転駆動されるので、ロータ42側の空間とステータ14側の空間の間で何れか一方の側にとって不都合な物質や熱等(例えば種々の塵埃や液滴等)が他方の側から一方の側に移動することを防ぎつつ水平状隔壁10の下方の空気を攪拌することができる。
【0043】
また、このファンモータは、水平状隔壁10における円形凹部12の底部12aを挟んで電機子16により直接ロータ42を駆動するものであり、而も、電機子16の空心コイル18がロータマグネット40と軸心方向に相対する面対向型であるため、全体として効果的に薄型化されている。
【0044】
図4は、本発明の回転機の実施の形態の別の例としてのファンモータの要部半断面図である。
【0045】
このファンモータにおいては、ステータコア80にステータコイル82が巻回されてなる環状の電機子84の径方向内方に、円形凹部12の円筒状周壁12cを挟んでロータ86における環状のロータマグネット88外周面が相対している。ロータフレーム90は、下方開口の環状溝形状をなし、インペラ46の嵌合筒状部46aがロータフレーム90の中央貫通孔90aに嵌合してロータフレーム90にインペラ46が同軸状に固定されている。保持器48はロータフレーム90の外周上部に設けられ、ロータマグネット88はロータフレーム90の外周下部に設けられている。ロータ86が円形凹部12に回転自在に支持された図4に示す状態において、ロータマグネット88の磁気センタはステータコア80のそれよりもやや下方にずれているので、それらの間の磁気吸引力により、ロータ42に対し上向きの力が作用する。
【0046】
その他の点は、図1乃至図3に示されたファンモータと同様である。
【0047】
なお、以上の実施の形態についての記述における上下位置関係は、単に図に基づいた説明の便宜のためのものであって、実際の使用状態等を限定するものではない。
また、例えば、ロータ42の回転支持に、転動体がユニット化された玉軸受を使用してもよい。
【0048】
【発明の効果】
本発明の回転機においては、回転部側の空間と回転駆動部側の空間の間で何れか一方の側にとって不都合な物質や熱等が他方の側から一方の側に移動することが防がれ、而も、回転支持部から回転部を取り外して回転支持部又は回転部の洗浄又は清掃、或いは回転部の交換等を随時行い得る。また回転部の磁極と回転駆動部との間の磁気的吸引力が、回転支持部における回転部の支持を安定化する上で有用に作用する。
【0049】
請求項2の回転機においては、回転部の磁極と回転駆動部との間の磁気的吸引力の他に、転動体と回転支持部との間で径方向に作用する弾性的な押圧力が、回転支持部における回転部の支持を安定化する上で有用に作用する。
【0050】
請求項3の回転機は、全体を一層コンパクトなものとすることができる。
請求項4の回転機は、気体や液体を攪拌又は送出するファンモータ、ポンプ装置、攪拌器等を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ファンモータの中央縦断面図である。
【図2】図1におけるII-II線要部断面図である。
【図3】図1におけるIII-III線要部断面図である。
【図4】別のファンモータの要部半断面図である。
【符号の説明】
10 水平状隔壁
12 円形凹部
12a 底部
12b 内周面
12c 円筒状周壁
14 ステータ
16 電機子
18 空心コイル
20 環状ヨーク板
22 ホールセンサ
24 環状基板
26 円形箱状フレーム
26a 中央垂下部
40 ロータマグネット
42 ロータ
44 ロータフレーム
44a 中央立上部
44b 中間立上部
46 インペラ
46a 嵌合筒状部
46b 固定爪部
48 保持器
50 転動球体
80 ステータコア
82 ステータコイル
84 電機子
86 ロータ
88 ロータマグネット
90 ロータフレーム
90a 中央貫通孔

Claims (4)

  1. 軸心線のまわりに回転する磁界を形成し得る磁極構成体を有する回転駆動部と、
    その回転駆動部の磁極構成体と相対する磁極を有し、回転駆動部に形成された磁界が軸心線のまわりに回転することにより前記磁極に磁気的に作用し、回転駆動部と非接触で軸心線のまわりに磁気的に回転駆動される回転部と、
    その回転部を離脱可能な状態で回転自在に支持する回転支持部と、
    前記回転部と回転駆動部の間を隔離する隔離部を備え、
    回転支持部が、軸心線と同軸状をなす円筒状内周面部を有すると共に、その軸心線に対し垂直な環状面部を前記円筒状内周面部の軸心方向後側に有してなり、
    回転部が3以上の転動体を保持し、それらの転動体のうち3以上が180度未満の中心角毎に前記円筒状内周面部によって径方向に支持されると共に前記環状面部によって軸心方向に支持されることにより回転部が回転支持部に回転自在に支持され、
    転動体と転動体を転動自在に支持する円筒状内周面部との間で径方向に作用する弾性的な押圧力、及び回転部の磁極と回転駆動部との間の磁気的吸引力により、回転部が回転支持部に保持されることを特徴とする回転機。
  2. 転動体の一部が径方向外方及び軸心方向一方に回転部からはみ出ている請求項1記載の回転機。
  3. 回転駆動部が、空心コイル部からなる電機子である請求項1又は2記載の回転機。
  4. 回転部にインペラを備えた請求項1、2又3記載の回転機。
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