JP3718533B2 - ジヒドロキシフェニルスルフィド誘導体またはその塩を含む抗メラノーマ剤 - Google Patents

ジヒドロキシフェニルスルフィド誘導体またはその塩を含む抗メラノーマ剤 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、新規なジヒドロキシフェニルスルフィド誘導体またはその塩を含む抗メラノーマ剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
メラノーマは、メラニン形成能を有することを特徴とする悪性腫瘍で、化学療法に対する抵抗性が高く、また転移後の治療が困難など、予後の悪い疾病である。近年、欧米のみならず本邦でも増加する傾向にあり、有効なメラノーマ治療薬の開発は急務である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、現在メラノーマの臨床治療薬としては、DTIC(5-(3,3-dimethyl-1-triazenyl)-1H-imidazole-4-carboxamide:NSC45388)が最もよく知られているが、安定性、肝障害等の問題を抱えている。またハイドロキノン誘導体にも優れたメラニン合成阻害作用が知られているが、皮膚刺激性、白斑の問題等に大きな欠点を抱えている。
【0004】
以前、本発明者らはシステニルフェノールやシステアミニルフェノール(Biochemical Pharmacology Vol.36 No.12 p2007-2011)、システニルカテコール(Br. J. Cancer 1988 58 p776-778)がメラノサイトに対して選択的毒性を示すことを見いだし、メラノーマ治療での有効性を認めた。しかし未だその効果は不十分で、メラノーマの有効な治療手段としては、外科的切除手術に頼ざらなければならないのが現状である。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、新規にジヒドロキシフェニルスルフィド誘導体またはその塩を合成し、それらの化合物がメラニン産生細胞に対して優れた細胞毒性を有すること、さらにはメラノーマ細胞を移植したマウスにおいて著しい延命効果が確認されたことから本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明の新規なジヒドロキシフェニルスルフィド誘導体は、一般式(1)(式中、R1〜R5のうち、2個は水酸基、それ以外の3個は水素原子または低級アルキル基を示し、R6 、R7は、水素原子、低級アルキル基またはアセチル基を示す。nは2または3を示す。)で表される。
【化2】
Figure 0003718533
【0007】
たとえば、3−S−システアミニルカテコール、3−S−ホモシステアミニルカテコール、3−S−システアミニル−5−メチルカテコール、N−アセチル−3−S−システアミニルカテコール、3−S−システアミニル−N,N−ジメチルカテコール、4−S−システアミニルカテコール、4−S−ホモシステアミニルカテコール、N−アセチル−4−S−システアミニルカテコール、2−S−システアミニルハイドロキノンおよびその塩などが挙げられる。これらの中でも4−S−システアミニルカテコール、4−S−ホモシステアミニルカテコール、N−アセチル−4−S−システアミニルカテコールおよびその塩などの4−S−システアミニルカテコール誘導体が特に優れた抗メラノーマ作用を有するので好ましい。なお、塩としては、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩などが挙げられる。
【0008】
本発明のジヒドロキシフェニルスルフィド誘導体は、例えば下記の方法により合成することができる。
【0009】
<合成方法1>
ピロカテコールおよびシスタミン、ホモシスタミンまたはその塩の中から選ばれる1種に臭化水素酸を加え、加熱還流し、放冷後、赤茶色の反応液を濃縮し、イオン交換クロマトグラフィーにより精製し、4−S−システアミニルカテコール誘導体を得ることができる。たとえば、シスタミンを用いれば4−S−システアミニルカテコールが得られ、ホモシスタミンを用いれば4−S−ホモシステアミニルカテコールが得られる。なお、塩としては塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩などが挙げられる。
【化3】
Figure 0003718533
【0010】
<合成方法2>
ハイドロキノンおよびシスタミン、ホモシスタミンまたはその塩の中から選ばれる1種に臭化水素酸を加え、加熱還流し、放冷後、赤茶色の反応液を濃縮し、イオン交換クロマトグラフィーにより精製し、2−S−システアミニルハイドロキノン誘導体を得ることができる。たとえば、シスタミンを用いれば2−S−システアミニルハイドロキノンが得られ、ホモシスタミンを用いれば2−S−ホモシステアミニルハイドロキノンが得られる。
【化4】
Figure 0003718533
【0011】
<合成方法3>
メタノールおよびギ酸にピロカテコールまたは4−メチルカテコールを溶解し、次に、酸化銀および無水硫酸ナトリウムを加え、o−キノン体を生成する。これをシステアミン、ホモシステアミンまたはその塩の中から選ばれる1種にメタノールおよび精製水を加えた溶液に滴下する。5〜15分間攪拌した後、亜硫酸水を添加し反応を停止させた後、反応液を濃縮し、イオン交換クロマトグラフィーにより精製後、エタノール中より再結晶することにより、3−S−システアミニルカテコール誘導体が得られる。たとえば、ピロカテコールおよびシステアミンを用いれば3−S−システアミニルカテコールが得られ、ピロカテコールおよびホモシステアミンを用いれば3−S−ホモシステアミニルカテコールが得られ、4−メチルカテコールおよびホモシステアミンを用いれば3−S−システアミニル−5−メチルカテコールが得られる。
【化5】
Figure 0003718533
【0012】
また、当該化合物はメラニン産生細胞に対して優れた細胞毒性を有し、さらにはメラノーマ細胞を移植したマウスにおいて著しい延命効果が確認された。特に、4−S−システアミニルカテコール誘導体には、きわめて優れた効果を確認された。なお、カテコール類の細胞毒性については、細胞内でカテコール類が酸化されo−キノン体を生成し、これがDNAポリメラーゼなどのSH酵素と結合して不活性化することによって、細胞毒性を与えるものと推定される。
【化6】
Figure 0003718533
【0013】
本発明のジヒドロキシフェニルスルフィド誘導体を抗メラノーマ剤として使用する場合、経皮あるいは経口などあらゆる投与形態で用いられる。また、当該化合物の配合量は投与形態によって異なるが、多くの場合、0.0001〜10重量%の範囲で用いられる。なお、投与方法は常法によるが、たとえば、局所適用の場合、皮膚浸透促進剤としてプロピレングリコール、N−メチル−2−ピロリドン、プロピレングリコールなど、角質層溶解剤としてサリチル酸、硫黄、トランスレチン酸、レチノイドなどのほか、油脂、ロウ、脂肪酸、界面活性剤、アルコールなどを適宜配合することができる。
【0014】
【実施例】
次に、合成方法および抗メラノーマ作用を例を挙げて本発明を説明する。
【0015】
<合成例1> 4−S−システアミニルカテコール
ピロカテコール(33.0g,300mmol)、シスタミン2塩酸塩(16.9g,75mmol)に47%臭化水素酸500mlを加え、2時間加熱還流した。放冷後、赤茶色の反応液を濃縮し、イオン交換クロマトグラフィー(3M HCl)により精製し、4−S−システアミニルカテコール塩酸塩(5.07g,22.9mmol)を得た。収率は30.5%であり、mp142〜145℃の無色針状晶である。
【0016】
<合成例2> 3−S−システアミニルカテコール
メタノール100ml、98%ギ酸1mlにピロカテコール(1.10g,10mmol)を溶解した液に、酸化銀(4.70g,20mmol)と無水硫酸ナトリウム(6g)を加え、o−キノンを発生させた。このo−キノン溶液を、システアミン塩酸塩(1.13g,10mmol)にメタノール20mlおよび水20mlを加えた溶液に、滴下した。10分攪拌後、6%亜硫酸水5mlを入れ反応を停止させた後、反応液を濃縮し、イオン交換クロマトグラフィー(3M HCl)により精製後、エタノール中より再結晶し、3−S−システアミニルカテコール塩酸塩(1.45g,6.55mmol)を得た。収率は65.5%であり、mp141〜144℃の無色針状晶である。
【0017】
<合成例3> 3−S−システアミニル−5−メチルカテコール
メタノール200ml、98%ギ酸2mlに4−メチルカテコール(2.48g,20mmol)を溶解した液に、酸化銀(9.30g,40mmol)と無水硫酸ナトリウム(9.3g)を加え、o−キノン体を発生させた。このo−キノン溶液を、システアミン塩酸塩(2.50g,22mmol)にメタノール50mlおよび水50mlを加えた溶液に、滴下した。10分攪拌後、6%亜硫酸水10mlを入れ反応を停止させた後、反応液を濃縮し、イオン交換クロマトグラフィー(3M HCl)により精製後、エタノール中より再結晶し、3−S−システアミニルカテコール塩酸塩(2.21g,9.4mmol)を得た。収率は46.9%であり、mp162〜164℃の淡黄色針状晶である。
【0018】
<試験例1> マウスに対する延命効果
オス5週齢のBDF1マウスにB16マウス黒色腫細胞を移植し、表1に示したように対照群には生理食塩水、実施例として4−S−システアミニルカテコール塩酸塩を100mg/kg、200mg/kg、比較例として4−S−システアミニルフェノールを300mg/kg、DTIC(5-(3,3-dimethyl-1-triazenyl)-1H-imidazole-4-carboxamide:NSC45388)を50mg/kg、それぞれ各10匹のマウスに9日間連日投与した。そして平均生存率、および対照群に対する延命率を表1に示した。
【0019】
【表1】
Figure 0003718533
本発明の4−S−システアミニルカテコール塩酸塩は、4−S−システアミニルフェノールと比較して、メラノーマ細胞を移植したマウスにおいて、著しい延命効果が認められた。また、現在、メラノーマの臨床治療薬として使用されているDTICと比較して、同程度あるいはそれ以上の延命効果が認められた。
【0020】
【効果】
本発明の新規な4−S−システアミニルカテコール誘導体またはその塩によれば、メラノーマを有効に治療することができる。

Claims (2)

  1. 一般式(1)(式中、R1〜R5のうち、2個は水酸基、それ以外の3個は水素原子または低級アルキル基を示し、R6、R7は、水素原子、低級アルキル基またはアセチル基を示す。nは2または3を示す。)で表されるジヒドロキシフェニルスルフィド誘導体またはその塩としての4−S−システアミニルカテコール誘導体またはその塩を含有する抗メラノーマ剤。
    Figure 0003718533
  2. 前記4−S−システアミニルカテコール誘導体は4−S−システアミニルカテコール、4−S−ホモシステアミニルカテコールあるいはN−アセチル−4−S−システアミニルカテコールである請求項1記載の抗メラノーマ剤。
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