JP3717423B2 - アルキル変性シリコーンエマルジョンの製造方法 - Google Patents

アルキル変性シリコーンエマルジョンの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、保存安定性、希釈安定性及び機械的安定性等の各種安定性に優れたアルキル変性シリコーンエマルジョンを簡便かつ安全に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリコーンのケイ素原子に結合した有機基の一部を長鎖アルキル基で置換したアルキル変性シリコーンは、ジメチルシリコーンに比べて、ペインタブル性に優れていることから、プラスチック、ゴム等の成形品を塗装したり、接着させたりする場合の金型離型剤として広く使用されている。このような用途に対し、アルキル変性シリコーンは、扱い易さや安全性等の点から、通常、アルキル変性シリコーンを有機溶媒に溶解した溶液(特公昭45−10057号公報、特公平3−11606号公報参照)、あるいは水中に乳化分散したエマルジョン(特公平8−2475号公報、特開平5−287204号公報参照)の形で使用される。
また、アルキル変性シリコーンは、滑り性、撥水性等の点でも優れることから、表面保護剤、撥水剤等(特開平11−92694号公報、特開2000−63755号公報、特開2000−239656号公報参照)としても使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アルキル変性シリコーンは、長鎖アルキル基で置換されているので、ジメチルシリコーンに比べて、水中に乳化分散させることが難しく、そのため、アルキル変性シリコーンエマルジョンは、希釈安定性、機械的安定性等の各種安定性の点で劣るという欠点があった。かかる欠点を解消するため、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩を配合した組成物(特開平5−287204号公報参照)が報告されているが、該組成物でも安定性は十分とはいえなかった。
また、アルキル変性シリコーンは、長鎖アルキル基の含有量が多くなると固体となるが、そのようなアルキル変性シリコーンをエマルジョンとするには、加熱溶融してから乳化する必要がある。そのため、該アルキル変性シリコーンの乳化性はさらに悪くなり、その結果、該アルキル変性シリコーンエマルジョンの安定性は、ますます低下する傾向があった。
また、アルキル変性シリコーンエマルジョンを作製するには、まず、アルキル変性シリコーンを合成し、次にそれを機械的に水中へ乳化分散するという2段階の煩雑な工程が必要であった。特に、長鎖アルキル基の含有量が多い固体アルキル変性シリコーンの場合は、さらに、上記の如く、加熱溶融状態での取扱いが必要となるため、作業の危険性も高く、作業安全性の点で非常に問題もあった。
そこで、本発明は、希釈安定性、機械的安定性等の安定性に優れたアルキル変性シリコーンエマルジョンを簡便かつ安全に製造することができる方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討した結果、アルキル変性シリコーンエマルジョンの原料物質を乳化してエマルジョンを作製した後、エマルジョン中において原料物質を付加反応させることにより、上記課題を解決できることを見出し、かかる知見に基づき、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ケイ素原子に結合した水素原子を含有するポリシロキサンとα−オレフィンとの混合物を、界面活性剤の存在下で水中に乳化分散した後、白金化合物を添加して付加反応を行うことを特徴とするアルキル変性シリコーンエマルジョンの製造方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】
上記したように、本発明の特徴は、出発原料であるケイ素原子に結合した水素原子を含有するポリシロキサンとα−オレフィンとの混合物を、界面活性剤の存在下で水中に乳化分散した後、白金化合物を添加して付加反応を行う点にある。その結果、本発明は、希釈安定性、機械的安定性等の安定性に優れたアルキル変性シリコーンエマルジョンを簡便かつ安全に製造することができるという優れた効果を得ることができる。
出発原料であるケイ素原子に結合した水素原子を含有するポリシロキサンは、少なくとも1個のケイ素原子に結合した水素原子を分子中に含有していれば、その構造、分子量等について特に制限はない。但し、生成物であるアルキル変性シリコーンのペインタブル性、撥水性等の特性を十分に発揮させる点では、下記の一般式[化2]で示されるものが好ましい。
【0006】
【化2】
Figure 0003717423
【0007】
一般式[化2]中、R1は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロへキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基等の炭素数1〜6の1価炭化水素基であり、乳化の容易さの点を考慮すると、メチル基が好ましい。R2は水素原子又はR1である。mは0〜1,000の整数、nは0〜1,000の整数であるが、nが0の場合、R2の少なくとも一方は水素原子である。生成物であるアルキル変性シリコーンのペインタブル性、撥水性等の特性を十分に発揮させる点では、mは0〜100の整数、nは5〜100の整数、n/m+n≧0.25であることが好ましい。
【0008】
出発原料であるα−オレフィンは、分子末端に不飽和二重結合を有していれば、その構造、分子量等について特に制限はない。生成物であるアルキル変性シリコーンのペインタブル性、撥水性等の特性を十分に発揮させる点では、炭素数が12以上であることが好ましい。
【0009】
ケイ素原子に結合した水素原子を含有するポリシロキサンとα−オレフィンの配合比は特に制限はないが、両物質の反応性を良好にする点からは、ポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子1個に対し、α−オレフィンを1.0〜1.5モルとすることが好ましい。
【0010】
本発明では、まず、上記2種類の出発原料の混合物を界面活性剤の存在下で水中に乳化分散させる。この時に使用する界面活性剤は、出発原料のヒドロシリル化反応を阻害しないものであれば制限はなく、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性系界面活性剤等を単独あるいは種々組み合わせて使用することができるが、例えば、使用時に併用される他の薬剤がイオン性を有する場合等も考慮すると、それらとの併用性の点からノニオン系界面活性剤が好ましい。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、エトキシ化高級アルコール、エトキシ化アルキルフェノール、多価アルコール脂肪酸エステル、エトキシ化多価アルコール脂肪酸エステル、エトキシ化脂肪酸、エトキシ化脂肪酸アミド、ソルビトール、ソルビタン脂肪酸エステル、エトキシ化ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコールリン酸エステル塩、エトキシ化高級アルコール硫酸エステル塩、エトキシ化アルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、エトキシ化高級アルコールリン酸エステル塩等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アシル塩化コリン等が挙げられる。
両性系界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン等が挙げられる。
【0011】
上記2種類の出発原料の混合物を水中に乳化分散する方法は、特に制限はない。例えば、出発原料の混合物を上記界面活性剤と共に、ホモミキサー、コロイドミル、ホモジナイザー等の乳化機器を使用して、水中へ均一に乳化分散することにより、出発原料の混合物のエマルジョンが得られる。
【0012】
次いで、得られたエマルジョンを撹拌下、白金化合物を添加して出発原料の付加反応を行う。この白金化合物は、調製したエマルジョン液滴中に取り込まれ、ポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子とα−オレフィンとの付加反応のヒドロシリル化触媒となって、該付加反応を促進させる。そして、該エマルジョン液滴中でケイ素原子に結合した水素原子を含有するポリシロキサンとα−オレフィンとが付加反応して、アルキル変性シリコーンエマルジョンが作製される。
【0013】
上記白金化合物としては、塩化白金酸、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン−白金錯体等が例示される。白金化合物のエマルジョン中への添加方法は、塩化白金酸であれば水溶液として、シロキサンの白金錯体であれば界面活性剤と混合して自己乳化物として、エマルジョン中に添加すればよい。
【0014】
付加反応を行う温度は、50℃未満でも徐々に進行するが、反応速度が遅いため生産性が低く、また、80℃を超えるとエマルジョンの安定性が低下する場合があるので、50〜80℃で行うことが好ましい。
付加反応を行う時間は、反応温度が50〜80℃の場合、3時間未満であると出発原料の付加が不十分であり、10時間を超えても、それ以上、付加反応は進行しないため、3〜10時間が好ましい。
【0015】
ケイ素原子に結合した水素原子を含有するポリシロキサンの種類によっては、付加反応中に副反応として、脱水素反応が起こる場合があり、特にポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子の含有量が多い場合には、脱水素反応が起こる傾向が大きい。その場合には、酸性物質をエマルジョンに添加し、エマルジョンのpHを酸性にして付加反応を行うことが好ましい。
そのような酸性物質としては、例えば、リン酸、塩酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、乳酸等の有機酸等が挙げられ、少量で効果があり、また取扱いの点を考慮すると、リン酸が好ましい。酸性物質の添加量は、ケイ素原子に結合した水素原子を含有するポリシロキサン100重量部に対し、1重量部以下で十分である。
【0016】
本発明の方法により得られたアルキル変性シリコーンエマルジョンには、必要に応じて、防腐剤、防錆剤、着色剤等の添加剤や、ノニオン系、イオン系の他の界面活性剤を添加することができる。
また、本発明の方法により得られたアルキル変性シリコーンエマルジョンは、それ自体で各種用途に使用することができるが、更に撥水剤、柔軟剤、帯電防止剤、難燃剤等の水性処理剤を添加しても差し支えない。
【0017】
【実施例】
以下に、本発明の具体的態様を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0018】
(実施例1)
500mlのビーカーに、下記の一般式[化3]で示される、ケイ素原子に結合した水素原子を含有するポリシロキサン18.3g、α−オレフィンとしてダイアレン168(CH2=CHC1429;57%、CH2=CHC1633;43%混合物、三菱化学社製、商品名)81.7g、及び界面活性剤としてポリオキシエチレントリデシルエーテル(エチレンオキシド9モル付加物)10gを仕込み、ホモミキサーにて撹拌し均一にした後、更に水190gを徐々に加え、均一に乳化分散させた。次いで、ホモジナイザーに30mPaの圧力で1回通過させ、原料物質エマルジョンを得た。
次に、この原料物質エマルジョンを撹拌装置及び温度計の付いた500mlのガラスフラスコに移し、撹拌下、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン−白金錯体0.5%トルエン溶液0.3gと、ポリオキシエチレントリデシルエーテル(エチレンオキシド9モル付加物)0.6gの混合物を添加し、70℃で5時間、付加反応を行った。そして、このエマルジョンを少量サンプル採取し、20%水酸化ナトリウム水溶液を用いて原料物質エマルジョンの残存水素原子に由来する水素ガス発生量を測定したところ、水素ガス発生が無かったことから、付加反応の終了を確認し、アルキル変性シリコーンエマルジョンAを得た。
このアルキル変性シリコーンエマルジョンAの105℃、3時間乾燥後の不揮発分は32.1%、性状は白色固体で、融点は37〜40℃であった。その不揮発分について、IR、NMR、GPC等で機器分析を行った結果、下記の一般式[化4]で示されるアルキル変性シリコーンであった。
【0019】
【化3】
Figure 0003717423
【0020】
【化4】
Figure 0003717423
【0021】
(実施例2)
実施例1で使用したケイ素原子に結合した水素原子を含有するポリシロキサン13.8g、α−オレフィンとしてダイアレン208(CH2=CHC1633;0.5%、CH2=CHC1837;27%、CH2=CHC2041;23%、CH2=CHC2245;19%、CH2=CHC2449;15%、CH2=CHC2653;11%、CH2=CHC2857;4.5%混合物、三菱化学社製、商品名)86.2gを使用した以外は、実施例1と同様の条件、方法で、アルキル変性シリコーンエマルジョンBを得た。
このアルキル変性シリコーンエマルジョンBの105℃、3時間乾燥後の不揮発分は31.8%、性状は白色固体で、融点は54〜58℃であった。その不揮発分について、IR、NMR、GPC等で機器分析を行った結果、下記の一般式[化5]で示されるアルキル変性シリコーンであった。
【0022】
【化5】
Figure 0003717423
【0023】
(実施例3)
実施例1で使用したケイ素原子に結合した水素原子を含有するポリシロキサン22.6g、α−オレフィンとしてダイアレン124(CH2=CHC1021;56%、CH2=CHC1225;44%混合物、三菱化学社製、商品名)77.4gを使用した以外は、実施例1と同様の条件、方法で、アルキル変性シリコーンエマルジョンCを得た。
このアルキル変性シリコーンエマルジョンCの105℃、3時間乾燥後の不揮発分は32.3%、性状は微白濁液体であった。その不揮発分について、IR、NMR、GPC等で機器分析を行った結果、下記の一般式[化6]で示されるアルキル変性シリコーンであった。
【0024】
【化6】
Figure 0003717423
【0025】
(実施例4)
下記の一般式[化7]で示される、ケイ素原子に結合した水素原子を含有するポリシロキサン37.8g、α−オレフィンとしてダイアレン208(実施例2で使用したもの)62.1gを使用した以外は、実施例1と同様の条件、方法で、アルキル変性シリコーンエマルジョンDを得た。
このアルキル変性シリコーンエマルジョンDの105℃、3時間乾燥後の不揮発分は33.2%、性状は白色固体で、融点は37〜41℃であった。その不揮発分について、IR、NMR、GPC等で機器分析を行った結果、下記の一般式[化8]で示されるアルキル変性シリコーンであった。
【0026】
【化7】
Figure 0003717423
【0027】
【化8】
Figure 0003717423
【0028】
(実施例5)
実施例1において、原料物質エマルジョンに更に10%リン酸水溶液0.3g(ケイ素原子に結合した水素原子を含有するポリシロキサン100重量部に対し0.16重量部)を添加し、原料物質エマルジョンのpHを5.2とした以外は、実施例1と同様の条件、方法で、アルキル変性シリコーンエマルジョンEを得た。
このアルキル変性シリコーンエマルジョンEの105℃、3時間乾燥後の不揮発分は32.0%、性状は白色固体で、融点は37〜40℃であった。その不揮発分について、IR、NMR、GPC等で機器分析を行った結果、下記の一般式[化9]で示されるアルキル変性シリコーンであった。
【0029】
【化9】
Figure 0003717423
【0030】
(比較例1)
撹拌装置、温度計及び滴下ロートの付いた500mlのガラスフラスコに、α−オレフィンとしてダイアレン168(実施例1で使用したもの)122.6g、ジビニルテトラメチルシロキサン−白金錯体0.5%トルエン溶液0.04g及びトルエン150gを仕込み、撹拌下70℃に昇温した後、実施例1で使用した、ケイ素原子に結合した水素原子を含有するポリシロキサン27.4gを1時間掛けて滴下した。その後、更に70℃で3時間付加反応を継続した後、20%水酸化ナトリウム水−ブタノール溶液を用いて、その溶液の水素ガス発生が無いことを確認して付加反応を終了した。次いで、減圧下、120℃でトルエンを留去し、アルキル変性シリコーンFを得た。
このアルキル変性シリコーンFの性状は白色固体で、融点は37〜40℃であった。その不揮発分について、IR、NMR、GPC等で機器分析を行った結果、実施例1で得られたアルキル変性シリコーンと同じものであった。
次に、500mlのビーカーに、上記アルキル変性シリコーンF100g及び実施例1で使用した界面活性剤ポリオキシエチレントリデシルエーテル(エチレンオキシド9モル付加物)10gを仕込み、50℃に加熱溶融し、ホモミキサーにて撹拌し均一にした後、50℃の温水190gを徐々に加え、均一に乳化分散させた。次いで、加温状態でホモジナイザーに30mPaの圧力で1回通過させ、アルキル変性シリコーンエマルジョンGを得た。
【0031】
(比較例2)
比較例1で得られたアルキル変性シリコーンエマルジョンG100重量部に対し、ペレックスSS−L(アルキルジフェニルエーテルスルホン酸ナトリウム50%水溶液、商品名、花王社製)3重量部を添加混合し、アルキル変性シリコーンエマルジョンHを得た。
【0032】
(平均粒子径の測定及び各種安定性の評価)
実施例1〜5及び比較例1〜2で得られた各アルキル変性シリコーンエマルジョンの平均粒子径の測定、並びに保存安定性、希釈安定性及び機械的安定性の評価を行い、その結果を表1に示した。なお、平均粒子径の測定は、ベックマン・コールター社製、光子相関分光分析型粒子径測定装置(コールターN4プラス)を用いて計測した。保存安定性は、アルキル変性シリコーンエマルジョン100gをガラス瓶に入れ、25℃で放置して目視観察することにより評価した。また、希釈安定性は、アルキル変性シリコーンエマルジョンを水で2%に希釈し、希釈液100gを200mlガラスビーカーに入れ、25℃で24時間放置後の表面状態を目視観察することにより評価した。また、機械的安定性は、アルキル変性シリコーンエマルジョンを水で2%に希釈し、希釈液300gを500mlガラスビーカーに入れ、ホモミキサー10,000rpmで1時間及び2時間撹拌後の表面状態を目視観察することにより評価した。
その結果、表1からわかるように、本願発明に係る実施例1〜5のアルキル変性シリコーンエマルジョンは、比較例1〜2のアルキル変性シリコーンエマルジョンに比べて、分散粒子であるアルキル変性シリコーンの平均粒子径が小さく、また、保存安定性、希釈安定性及び機械的安定性のいずれの点においても優れていた。
【0033】
【表1】
Figure 0003717423
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、出発原料を乳化した後、付加反応を行うため、アルキル変性シリコーンの平均粒子径を小さくすることができ、保存安定性、希釈安定性及び機械的安定性等の安定性に優れたアルキル変性シリコーンエマルジョンを製造することができる。また、従来方法のように、予めアルキル変性シリコーンを作製したり、加熱溶融したりする必要がないため、アルキル変性シリコーンエマルジョンを簡便かつ安全に製造することができる。

Claims (4)

  1. ケイ素原子に結合した水素原子を含有するポリシロキサンとα−オレフィンとの混合物を、界面活性剤の存在下で水中に乳化分散した後、白金化合物を添加して付加反応を行うことを特徴とするアルキル変性シリコーンエマルジョンの製造方法。
  2. ケイ素原子に結合した水素原子を含有するポリシロキサンが、下記の一般式[化1]で示され、α−オレフィンの炭素数が12以上である請求項1記載のアルキル変性シリコーンエマルジョンの製造方法。
    Figure 0003717423
    (式中、R1は炭素数1〜6の1価炭化水素基、R2は水素原子又はR1、mは0〜1,000の整数、nは0〜1,000の整数、但し、nが0の場合、R2の少なくとも一方は水素原子である。)
  3. 付加反応を50〜80℃で行う請求項1または2記載のアルキル変性シリコーンエマルジョンの製造方法。
  4. ケイ素原子に結合した水素原子を含有するポリシロキサン100重量部に対し、酸性物質を1重量部以下添加して付加反応を行う請求項1〜3のいずれか1項記載のアルキル変性シリコーンエマルジョンの製造方法。
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