JP3717127B2 - 4位修飾アミノ置換5員芳香族複素環化合物の製造方法 - Google Patents

4位修飾アミノ置換5員芳香族複素環化合物の製造方法 Download PDF

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  • Thiazole And Isothizaole Compounds (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は種々の医薬品原料として有用な4位修飾アミノ置換イソオキサゾール類またはアミノ置換イソチアゾール類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
4位に置換基を有するアミノイソオキサゾール、アミノイソチアゾールおよびそれらの誘導体は、種々の医薬品などの原料に有用である。例えば、4位にアルキル基を有するアミノイソオキサゾール誘導体からアミノナフタレンスルホンアミド型の化合物が合成されており、これはエンドセリン拮抗作用を有するため、血圧降下剤、抗動脈硬化剤などとして有用である(ヨーロッパ特許出願公開第558258号公報)。
【0003】
このような4位に置換基を有するアミノイソオキサゾールは、ヒドロキシルアミンと、アセチレンニトリルあるいはβ−ケトニトリルとの環化反応により合成されている。4位に置換基を有するアミノイソチアゾールは、エナミンとイソチオシアネートとの反応により合成されている。しかしこれらの方法では試薬の合成に多工程を必要とし、かつ4位置換アミノイソオキサゾールやアミノイソチアゾールの合成は困難であった。この他に、アミノイソオキサゾールまたはアミノイソチアゾール環の4位に置換基を導入する方法もいくつか報告されているが、その場合4位に導入される置換基の種類が限定されておりまた入手困難な試薬を用いる場合が多く一般的な合成法は存在しなかった。
【0004】
そこで、このような4位修飾アミノイソオキサゾール類およびアミノイソチアゾール類の簡便な製造方法が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題点を解決するものであり、その目的は4位修飾アミノイソオキサゾール類および4位修飾アミノイソチアゾール類の簡便な製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は式(I)で示される、4位修飾アミノ置換5員芳香族複素環化合物の製造方法であって、
【0007】
【化4】
Figure 0003717127
【0008】
ここでR1は水素またはアミノ保護基であり、R2は低級アルキルであり、R3は親電子性化合物の残基であり、XおよびYは互いに異なり、一方はNであり、他方はOまたはSである、
式(II)で示される化合物を、
【0009】
【化5】
Figure 0003717127
【0010】
ここで、R2、XおよびYは各々式(I)で定義したのと同意義であり、R4はアミノ保護基である、
アルキルリチウム試薬の存在下で、またはアルキルリチウム試薬と反応させた後、親電子性化合物と反応させる工程を包含する。
【0011】
本発明においては、上記方法において前記式(II)の化合物の4位をハロゲン化し、水素化アルカリ金属で処理した後、前記アルキルリチウム試薬の存在下で、または前記アルキルリチウム試薬と反応させた後、前記親電子性化合物と反応させる工程も包含される。
【0012】
本明細書における略号の意義を次に示す。
【0013】
Boc:t−ブトキシカルボニル
Bu:ブチル
Et:エチル
Me:メチル
Ph:フェニル
TBDMS:t−ブチルジメチルシリル
本明細書において、各基の好適な範囲は次の通りである。
【0014】
「低級アルキル」の炭素数は1〜6であり、このようなアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどがある。この低級アルキルの炭素数は、好ましくは1〜4である。最も好ましい低級アルキルは、メチルまたはエチルである。これらは、ハロゲン、ニトロ、保護されたヒドロキシ、保護されたアミノ等で置換されていてもよい。
【0015】
「アリール」とは、フェニル、ナフチルなどの単環あるいは多環の芳香族基を意味する。「アラルキル」とは、前記アリールで置換されている前記低級アルキルを意味する。前記の「低級アルキル」、「アリール」、「アラルキル」はいずれもハロゲン、ニトロ、保護されていてもよいドロキシ、保護されていてもよいアミノ、あるいはその他反応に悪影響をおよぼさない置換基により置換されていてもよい。
【0016】
「アミノ基の保護基」としては、低級アルコキシカルボニル基、低級アルケニルオキシカルボニル基、ハロゲノアルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、トリアルキルシリル基、ジアゾ基、アシル型保護基、スルホニル型保護基などがあり、低級アルコキシカルボニル基、低級アルケニルオキシカルボニル基およびアラルキルオキシカルボニル基のようなオキシカルボニル型のアミノ保護基が特に好適である。
【0017】
上記低級アルコキシカルボニル基としては、t−ブチルオキシカルボニルなどが;低級アルケニルオキシカルボニル基としては、ビニルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニルなどが;アラルキルオキシカルボニル基としては、フェニルオキシカルボニルなどが;ハロゲノアルコキシカルボニル基としては、2−ヨウ化エチルオキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエチルオキシカルボニルなどが;アラルキルオキシカルボニル基としては、ベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、o−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニルなどが;トリアルキルシリル基としては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリルなどがある。
【0018】
アシル型のアミノ保護基としては、アルキルカルボニル(アセチル、ハロゲン化アセチル、ピバロイル、ホルミルなど)、およびアリールカルボニル(ベンゾイル、トルオイルなど)が例示される。
【0019】
スルホニル型のアミノ保護基としては、メタンスルホニル、トリフルオロエタンスルホニル、トルエンスルホニル、4−t−ブチルベンゼンスルホニル、または置換されていてもよいナフタレンスルホニルなどを含む。このナフタレン上の置換基としては、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールオキシ、アラルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、チオール、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノアルキル、N含有ヘテロ環(ピペリジン、ピロリジンなど)、アラルキル置換アミノ、カルバモイルなどから任意に選ばれる。
【0020】
本発明の方法により製造される4位修飾アミノ置換5員芳香族複素環化合物は次式(I)の構造を有する:
【0021】
【化6】
Figure 0003717127
【0022】
ここでR1は水素またはアミノ保護基であり、R2は低級アルキルであり、R3は親電子性化合物の残基であり、XおよびYは互いに異なり、一方はNであり、他方はOまたはSである。
【0023】
式(I)で示される化合物を製造するには次式(II)で示される化合物が出発原料として用いられる:
【0024】
【化7】
Figure 0003717127
【0025】
ここで、R2、XおよびYは各々式(I)で定義したのと同意義であり、R4はアミノ保護基である。
【0026】
この式(II)で示される化合物は、通常のアミノイソオキサゾール類またはイソチアゾール類の合成法により調製される次式(III)の化合物のアミノ基を保護化することにより得られる:
【0027】
【化8】
Figure 0003717127
【0028】
本発明の方法によれば、上記式(II)の化合物にアルキルリチウム試薬の存在下で親電子性化合物を反応させることにより式(I)で示される化合物が得られる。式(II)の化合物にアルキルリチウム試薬を反応させた後、親電子性化合物と反応させることによっても得られる。
【0029】
この反応は、以下のスキームに示されるようなリチオ化反応を経て進行する。
【0030】
【化9】
Figure 0003717127
【0031】
上記アルキルリチウム試薬としては、通常、炭素数が1〜6のアルキルリチウムが用いられる。このようなアルキルリチウム試薬としてはt−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、n−ブチルリチウムなどがある。このようなアルキルリチウム試薬は上記式(II)で示される化合物に対して好ましくは2当量以上の割合で用いられる。このアルキルリチウム試薬からリチウム原子が式(II)の化合物に付加して(IV)式で示される中間体を形成すると考えられるため、式(II)の化合物にあらかじめアルキルリチウム試薬を反応させた後に親電子性化合物を反応させることが好ましい。尚、所望によりアルキルリチウム試薬との反応を、リチウムに配位性を有するアミン(例えば、テトラメチルエチレンジアミン)や、極性溶媒存在下で行えば、反応性が高まることもある。
【0032】
上記親電子性化合物としては、リチオ化反応により発生したアニオン種と反応性を有し、比較的脱離しやすいかまたは電子を吸引しやすい基を有するものであれば通常知られている親電子性化合物が幅広く用いられ、導入したいR3基の種類に応じて使用される親電子性化合物の種類が決定される。例えば、親電子性化合物としては、ハロゲン化低級アルキル、二酸化炭素(CO2)、ハロゲン化アリル、ハロゲン化アルキル金属(スタニルハライドなど)、シリルハライド(アルキルシリルハライド、アリールシリルハライドなど)、ジメチルホルムアミド、ハロゲン化アラルキル、ジスルフィド化合物、ケトン、アルデヒドなどのカルボニル型化合物、ホウ酸トリアルキル(例えば(Meo)3B)などのボロン化合物、PhSeCl、PhSeSePhなどのセレン化合物、酸素ガス(O2)などが用いられる。各々の化合物の例、およびそれに対応してR3として導入される基を以下の表1に示す。
【0033】
【表1】
Figure 0003717127
【0034】
上記表1に示すように、本発明方法により、親電子性化合物残基として、低級アルキル(メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)、カルボキシル、低級アルケニル(アリルなど)、アルキル金属(トリアルキルスタニルなど)、置換シリル(アルキルシリル、アリールシリルなど)、アルデヒド、アラルキル(ベンジル、フェネチル、ナフチルなど)、アリールチオ(フェニルチオ、ナフチルチオなど)、アリール金属(フェニルセレンなど)、ヒドロキシ、1−ヒドロキシ置換アルキル、ジヒドロキシボランなどが導入される。
【0035】
上記反応は、通常の不活性溶媒、好ましくはエーテル系または芳香族炭化水素系の溶媒を用いて行われる。このような溶媒としてはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ベンゼン、トルエンなどが用いられ得、好ましくは非水条件下で行われる。反応温度は−100℃から室温程度、好ましくは−78〜0℃が採用される。
【0036】
本発明の方法においては、上記式(II)で示される化合物の4位をあらかじめハロゲン化しておき、水素化アルカリ金属を作用させた後に、アルキルリチウム試薬の存在下で、またはアルキルリチウム試薬と反応させた後に、親電子性化合物を反応させることも可能である。特にXおよびYのうちの一方がSである場合、つまりイソチアゾール環の場合には、収率の点から好ましい方法である。化合物(I)の4位におけるリチオ化がスムーズに進行しにくいと考えられる場合には、副反応が先行する場合があるが、このような場合には間接的方法として、上記のようにあらかじめ4位をハロゲン化し、次いで水素化アルカリ金属を作用させた後に、親電子性化合物との反応を行えば収率低下が防げる。式(II)の化合物のハロゲン化には通常のハロゲン化試薬が用いられ得る。ハロゲン化試薬としてはBr2,ICl、Cl2などがあり、Br、I、Clなどが導入される。水素化アルカリ金属としては、NaH,KHなどが用いられ、いずれも好ましくは非水条件下、0℃〜室温で行われる。水素化アルカリ金属は式(II)の化合物に対して、好ましくは1当量の以上の割合で用いられる。この反応は以下のスキームに示されるようなリチオ化反応を経て進行する。このスキームにおいてZはハロゲン、Qはアルカリ金属を示す。
【0037】
【化10】
Figure 0003717127
【0038】
上記各方法で得られた式(I)の化合物のR4がアミノ保護基である場合には、必要に応じて脱保護反応が行われ、式(I)においてR1がHである化合物つまり下記式の化合物が得られる。
【0039】
【化11】
Figure 0003717127
【0040】
ここでR2、R3、XおよびYは式(I)で定義したのと同様である。
【0041】
このようにして得られた式(I)の化合物の好適な例を以下に示す。
【0042】
【表2】
Figure 0003717127
【0043】
このように、本発明により、簡便な方法で効果的に4位修飾アミノ置換5員芳香族複素環化合物が製造され得る。これまでアニリン誘導体、アミノ置換ピリジン誘導体などの6員芳香族化合物のアミノ基のα位、またはα位の置換基に、アルキルリチウム試薬および親電子性化合物を用いて置換基を導入することは知られていたが(J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,1984,pp1304−1305;Tetrahedron Letters,Vol.29,No.45,pp5725−5728,1988;J.Org.Chem.,1980,45,pp4798−4801;およびSynthesis,October,pp871−878,1991)、本発明のように5員芳香族複素環化合物への置換反応は全く知られていない。
【0044】
本発明の方法により得られる式(I)の化合物は、各種医薬品などを製造するための中間体として有用である。
【0045】
【実施例】
(実施例1)
4位に置換基を有する3−アミノ−5−メチルイソオキサゾールの合成
(A)アミノ基の保護
【0046】
【化12】
Figure 0003717127
【0047】
3−アミノ−5−メチルイソオキサゾール(化合物IIa)10.62g(0.108mol)のピリジン溶液(50ml)に窒素雰囲気下、0℃でBoc2O 31.0g(0.143mmol)を加えて室温で2日間攪拌した。ピリジンを減圧留去し得られた残渣に氷を加え、2N塩酸でpH=1とした後、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を0.1N塩酸および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。残渣をメタノール200mlに溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液100mlを加えた。この懸濁液を室温で2時間攪拌した。メタノールを減圧留去し、水層を2N塩酸でpH=1とした後、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を0.1N塩酸、水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。得られた褐色の結晶を再結晶(n−ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、目的の3−t−ブトキシカルボニルアミノ−5−メチルイソオキサゾール(IIb)を得た。
【0048】
収率 63%, m.p. 108-109℃
1H NMR(CDCl3)δppm:1.51(s,9H), 2.37(s,3H),
6.49(s,1H), 7.21(brs,1H)
13C NMR(CDCl3)δppm:12.61, 28.17, 81.73, 95.43, 151.81,
158.55, 169.70
IR : 3420, 2976, 1733, 1622cm-1
元素分析 (C9H14N2O3)
計算値(%) : C,54.53; H,7.12; N,14.13
実測値(%) : C,54.40; H,7.05; N,14.14
TLC Rf=0.37(酢酸エチル/n-ヘキサン=1/4)。
【0049】
(B)アルキル化
【0050】
【化13】
Figure 0003717127
【0051】
種々の親電子性化合物を用い、次の方法により(A)項で得られた3−t−ブトキシカルボニルアミノ−5−メチルイソオキサゾールの4位の修飾を行った。
化合物IIb 198mg(1.0mmol)のTHF溶液(2ml)に、窒素雰囲気下、−78℃でn−BuLiの1.64Mのn−ヘキサン溶液 1.40ml(2.3mmol)を滴下する。滴下終了後、冷却浴を取りはずし、30分間撹拌を続ける。その間反応液は、懸濁液から溶液となった後にもう一度懸濁液へと変化する。得られた懸濁液を−78℃に冷却した後に、親電子性化合物(E)を加える。0℃に昇温させて1時間撹拌した後に、氷−1N塩酸にあけ、酢酸エチルで2回抽出する。有機層をあわせ、食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮する。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2)により精製して目的化合物(I−1)を得る。
【0052】
各Eに対応して得られた各化合物の物性を以下に示す。
【0053】
▲1▼E=MeI
化合物(I-1)のR3=Me
収率 92%, m.p. 125-128℃
1H NMR(CDCl3)δppm:1.51(s,9H), 1.91(s,3H), 2.30(s,3H), 6.45(brs,1H)
13C NMR(CDCl3)δppm:7.18,11.21,28.14,81.55,105.33,152.29,
157.84,166.10
IR(CHCl3) : 3416,2970,1732,1621,1529cm-1
元素分析(C10H16H2O3として)
計算値(%) : C,56.59; H,7.60; N,13.20
実測値(%) : C,56.31; H,7.39; N,12.97
TLC Rf=0.30(酢酸エチル/n-ヘキサン=1/4)。
【0054】
▲2▼E=CO2
化合物(I-1)のR3=COOH(CH2N2との反応によりCOOMeとして同定)
収率 81%, m.p. 111-115℃
1H NMR(CDCl3)δppm:1.53(s,9H), 2.63(s,3H), 3.91(s,3H), 8.34(brs,1H)
13C NMR(CDCl3)δppm:13.71, 28.12, 52.09, 82.10, 100.19, 150.15,
157.11, 163.43, 174.32
IR(CHCl3) : 3360, 3006, 1741, 1705, 1619, 1539cm-1
元素分析(C11H16N2O5として)
計算値(%) : C,51.56; H,6.29; N,10.93
実測値(%) : C,51.63; H,6.18; N,10.93
TLC Rf=0.28(酢酸エチル/n-ヘキサン=1/2)。
【0055】
▲3▼E=アリルブロマイド
化合物(I-1)のR3=CH2=CH-CH2-
収率 97%, m.p. 75-77℃
1H NMR(CDCl3)δppm:1.51(s,9H), 2.30(s,3H),
3.15(ddd,J=1.6Hz,1.6Hz,6.0Hz,2H),
5.06(ddt,J=1.6Hz,1.6Hz,16.8Hz,1H),
5.10(ddt,J=1.6Hz,1.6Hz,10.0Hz,1H),
5.83(ddt,J=6.0Hz,10.0Hz,16.8Hz,1H),
6.56(brs,1H)
13C NMR(CDCl3)δppm:11.36, 26.41, 28.14, 81.68, 106.29,
116.29, 134.48, 151.76, 157.27, 166.67
IR(CHCl3) : 3414, 3000, 1731, 1638, 1621, 1530cm-1
TLC Rf=0.65(酢酸エチル/n-ヘキサン=1/2)。
【0056】
▲4▼E=Me3SnCl
化合物(Iー1)のR3=Me3Sn-
収率 92%, m.p. 132-134℃
1H NMR(CDCl3)δppm:0.29(s,2JsnH=58/55Hz,9H), 1.49(s,9H),
2.38(s,4JsnH=4Hz,3H), 6.95(brs,1H)
13C NMR(CDCl3)δppm:-7.15(1Jsnc=393/375Hz), 13.93, 28.21,
81.55, 101.72, 153.14, 162.64, 174.75
IR(CHCl3) : 3414, 2976, 1730, 1581, 1522, 1411cm-1
元素分析(C12H18N2O3として)
計算値(%) : C,39.93; H,6.14; N,7.76
実測値(%) : C,39.64; H,6.09; N,7.73
TLC Rf=0.40(酢酸エチル/n-ヘキサン=1/4)。
【0057】
▲5▼E=ClSiMe3
化合物(I-1)のR3=-Si(CH3)3
収率 50%, m.p. 98-100℃
1H NMR(CDCl3)δppm:0.29(s,9H), 1.50(s,9H), 2.40(s,3H),
6.39(brs,1H)
13C NMR(CDCl3)δppm:0.600, 14.44, 28.80, 82.11, 104.05,
153.14, 161.32, 160.72, 175.48
IR(CHCl3) : 3418, 2976, 1729, 1580, 1515, 1250, 843cm-1
元素分析(C12H22N2O3Si)
計算値(%) : C,53.30; H,8.20; N,10.36
実測値(%) : C,53.23; H,8.10; N,10.25
TLC Rf=0.42(酢酸エチル/n-ヘキサン=1/4)。
【0058】
▲6▼E=ジメチルホルムアミド
化合物(I-1)のR3=CHO
収率 77%, m.p. 66-68℃
1H NMR(CDCl3)δppm:1.53(s,9H), 2.68(s,3H), 8.39(brs,1H),
9.90(s,1H)
13C NMR(CDCl3)δppm:11.82, 28.08, 82.52, 109.10, 150.15,
156.34, 176.70, 184.51
IR(CHCl3) : 3362, 2974, 2842, 1745, 1673, 1619, 1538cm-1
元素分析(C10H14N2O4
計算値(%) : C,53.09; H,6.24; N,12.38
実測値(%) : C,52.92; H,6.19; N,12.37
TLC Rf=0.24(酢酸エチル/n-ヘキサン=1/2)。
【0059】
▲7▼E=Ph-S-S-Ph
化合物(I-1)のR3=SPh
収率 67%, m.p. 122-127℃
1H NMR(CDCl3)δppm:1.50(s,9H), 2.44(s,3H), 6.73(brs,1H),
7.03-7.09(m,2H), 7.14-7.34(m,3H)
13C NMR(CDCl3)δppm:11.71, 28.02, 82.33, 96.16, 125.83,
126.29, 129.40, 134.64, 150.08, 158.16,
174.05
IR(CHCl3) : 3398, 2976, 1746, 1605, 1535cm-1
元素分析(C15H18N2O3S)
計算値(%) : C,58.80; H,5.92; N,9.14; S,10.47
実測値(%) : C,58.44; H,5.84; N,8.82; S,10.45
TLC Rf=0.18(酢酸エチル/n-ヘキサン=4/1)。
【0060】
▲8▼E=PhCH2Cl
化合物(I-1)のR3=CH2Ph
収率 65%, m.p. 113-114℃
1H NMR(CDCl3)δppm:1.46(s,9H), 2.28(s,3H), 3.78(s,2H),
6.31(brs,1H), 7.09-7.34(m,5H)
13C NMR(CDCl3)δppm:11.46, 28.10, 81.65, 108.29, 126.60, 128.26,
128.65, 138.26, 151.84, 157.27, 167.04
IR(CHCl3) : 3420, 2976, 1731, 1638, 1530cm-1
TLC Rf=0.20(酢酸エチル/n-ヘキサン=4/1)。
【0061】
▲9▼E=EtI
化合物(I-1)のR3=Et
収率 92%, m.p. 95-98℃
1H NMR(CDCl3)δppm:1.11(t,J=7.6Hz,3H), 1.51(s,9H),
2.31(s,3H), 2.40(q,J=7.6Hz,2H),
6.45(brs,1H)
13C NMR(CDCl3)δppm:11.35, 13.61, 15.44, 28.13, 81.66,
110.77, 152.00, 157.06, 165.92
IR(CHCl3) : 3420, 2972, 1733, 1638, 1529cm-1
元素分析(C11H18N2O3
計算値(%) : C,58.39; H,8.02; N,12.38
実測値(%) : C,58.32; H,7.96; N,12.40
TLC Rf=0.38(酢酸エチル/n-ヘキサン=1/4)。
【0062】
(C)アミノ保護基の脱保護
【0063】
【化14】
Figure 0003717127
【0064】
(B)項で得られた3−t−ブトキシカルボニルアミノ−4,5−ジメチルイソオキサゾール(Ia)2.09g(9.847mmol)をトリフルオロ酢酸(20ml)に溶解し、窒素雰囲気下において室温で1.5時間攪拌した。反応液に飽和炭素ナトリウム水溶液を加え中和したのち、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し、3−アミノ−4,5−ジメチルイソオキサゾール(Ib)1.06gを得た。
【0065】
収率 96%
1H NMR(CDCl3)δppm:1.81(s,3H), 2.22(s,3H),
3.82(brs,2H)。
【0066】
(実施例2)
4位に置換基を有する3−アミノ−5−ヒドロキシプロピルイソオキサゾールの合成
【0067】
【化15】
Figure 0003717127
【0068】
実施例1(A)項の手法を用いてイソオキサゾール化合物の3位のアミノ基を保護し、3−Bocアミノ体(IIc)を得た。実施例1(B)項の方法により親電子性化合物としてPhCH2Brを用い、4位にベンジル基を導入し、3−t−ブトキシカルボニルアミノ−4−ベンジル−5−(3−t−ブチルジメチルシリルオキシ)プロピルイソオキサゾール(Ic)を得た。
【0069】
収率 88%, m.p. 91ー93℃
1H NMR(CDCl3)δppm:0.03(s,6H), 0.88(s,9H), 1.45(s,9H),
1.7-1.9(m,2H), 2.74(t,J=7.6Hz,2H),
3.61(t,J=6.0Hz,2H), 3.79(s,2H), 6.25(s,1H),
7.1-7.3(m,5H)
13C NMR(CDCl3)δppm:-5.35, 18.27, 22.26, 25.90, 28.08, 30.50,
61.71, 81.61, 107.89, 126.58, 128.20, 128.62,
138.32, 151.71, 157.19, 170.38
IR(CHCl3) : 3414, 2942, 1730, 1629, 1529cm-1
TLC Rf=0.45(酢酸エチル/n-ヘキサン=1/1)。
【0070】
(実施例3)
4位に置換基を有する5−アミノ−3−メチルイソオキサゾールの合成
(A)アミノ基の保護
【0071】
【化16】
Figure 0003717127
【0072】
5−アミノ−3−メチル−イソオキサゾール(IId) 2.94g(30mmol)の塩化メチレン(15ml)溶液にピリジン 5.35ml(66mmol)、(Boc)2O 14.4g(66mmol)を加え、7時間加熱還流させた。反応溶液を濃縮し、メタノール50mlおよび2N−NaOH水溶液50mlを加え、室温で2時間撹拌を続けた。反応液を塩化メチレンで抽出し、シリカゲルクロマトグラフィーにかけた。溶出液を濃縮し、残渣をn−ヘキサンから結晶化させ、5−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチルイソオキサゾール(IIe)を得た。
【0073】
収量1.80g(20%)
1H NMR(CDCl3)δppm:1.53(s,9H), 2.24(s,3H), 5.91(s,1H), 7.16(brs,1H)
(B)アルキル化
【0074】
【化17】
Figure 0003717127
【0075】
種々の親電子性化合物を用い、次の方法により(A)項で得られた5−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチルイソオキサゾール(IIe)の4位の修飾を行った。
【0076】
テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA) 87.2mg(0.75mmol)のTHF(0.5ml)溶液に、sec−BuLiの1.30Mシクロヘキサン溶液576.9μl(0.75mmol)を窒素雰囲気下、−78℃で滴下する。滴下後さらに5分間撹拌し、本実施例で得られた化合物(IIe)49.6mg(0.25mmol)のTHF(0.8ml)溶液を滴下する。さらに−50℃で30分間撹拌する。得られた懸濁液に−50℃で親電子性化合物を加え、その温度で1時間撹拌する。反応液に氷および2N塩酸を加え、酢酸エチルで2回抽出する。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的化合物(I−2)を得る。
【0077】
▲1▼E=MeI
化合物(I-2)のR3=Me
収率 76%, m.p. 93-95℃
1H NMR(CDCl3)δppm:1.50(s,9H), 1.89(s,3H), 2.19(s,3H), 6.48(brs,1H)
13C NMR(CDCl3)δppm:6.98, 10.74, 28.10, 82.14, 102.52, 151.21,
156.19,161.88
IR(CHCl3) : 3412, 2978, 1737, 1662, 1510cm-1
元素分析(C10H16N2O3
計算値(%) : C,56.59; H,7.60; N,13.20
実測値(%) : C,56.55; H,7.53; N,13.02
TLC Rf=0.16(酢酸エチル/n-ヘキサン=1/4)。
【0078】
▲2▼E=CO2
化合物(I-2)のR3=COOH(CH2N2との反応によりCOOMeとして同定)
収率 80%, m.p. 121-125℃
1H NMR(CDCl3)δppm:1.55(s,9H), 2.38(s,3H), 3.88(s,3H), 8.98(brs,1H)
13C NMR(CDCl3)δppm:11.85, 27.98, 51.77, 83.57, 91.43, 148.68,
158.58,163.91, 166.19
IR(CHCl3) : 3422, 2972, 1638, 1529, 1219cm-1
元素分析(C11H16N2O5
計算値(%) : C,51.56; H,6.29; N,10.93
実測値(%) : C,51.49; H,6.21; N,10.87
TLC Rf=0.28(酢酸エチル/n-ヘキサン=1/4)。
【0079】
(実施例4)
4位に置換基を有する5−アミノ−3−メチルイソチアゾールの合成
(A)アミノ基の保護
【0080】
【化18】
Figure 0003717127
【0081】
5−アミノ−3−メチルイソチアゾール塩酸塩(IIf)22.6g(0.15M)の塩化メチレン(200ml)−ピリジン(13ml)溶液に、室温下でジ−tブチルカルボナート 36.0g(0.165mol)を加えた。室温で5時間撹拌した後、氷と2N塩酸との混合物にあける。有機層を分取し、水層を塩化メチレンで抽出した。有機層を食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。濃縮残渣にn−ヘキサンを加え、生じるスラリーを濾過し、5−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチルイソチアゾール(IIg)の粉末を得た。
【0082】
収量10.54g(0.049M), 収率33%, m.p. 132ー134℃
1H NMR(CDCl3)δppm:1.54(s,9H), 2.38(s,3H), 6.43(s,1H)
13C NMR(CDCl3)δppm:19.22, 28.19, 82.75, 106.85, 152.49,
161.58, 163.91
IR(CHCl3) : 3414, 2972, 1717, 1555, 1153cm-1
元素分析(C9H14N2O2Sとして)
計算値(%) : C,50.45; H,6.59; N,13.07; S,14.96;
実測値(%) : C,50.39; H,6.63; N,13.07; S,14.99;
TLC Rf=0.40(n-ヘキサン/酢酸エチル=2/1)。
【0083】
【化19】
Figure 0003717127
【0084】
(B)ハロゲン化
化合物(IIg)2.13g(10mmol)の酢酸(20ml)溶液に、室温下で、酢酸ナトリウム1.64g(20mmol)、およびヨードクロル1.62g(10mmol)を加えた。室温で10分間撹拌した後、塩化メチレンを炭酸水素ナトリウム−チオ硫酸ナトリウム水溶液との混液にあける。有機層を分取し、水層を塩化メチレンで抽出した。有機層をあわせ、食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮することにより、5−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−4−ヨードイソチアゾール(Va)の粉末残渣3.23g(9.5mmol)を得た。
【0085】
収率 95%, m.p. 166ー168℃
1H NMR(CDCl3)δppm:1.57(s,9H), 2.49(s,3H)
13C NMR(CDCl3)δppm:20.30, 28.13, 63.42, 83.62, 152.04,
159.11, 163.74
IR(CHCl3) : 3382, 2978, 1717, 1549, 1153cm-1
元素分析(C9H13IN2O2Sとして)
計算値(%) : C,31.78; H,3.85; I,37.30; N,8.23; S,9.43;
実測値(%) : C,31.58; H,3.90; I,37.13; N,8.43; S,9.21;
TLC Rf=0.75(n-ヘキサン/酢酸エチル=2/1)。
【0086】
(C)アルキル化
【0087】
【化20】
Figure 0003717127
【0088】
種々の親電子性化合物を用い、次の方法により(B)項で得られた化合物(Va)のアルキル化反応を行った。
【0089】
化合物(Va)510mg(1.5mmol)のTHF(10ml)溶液に、窒素雰囲気、氷冷下で水素化ナトリウム90mg(2.25mmol)を加える。氷冷下10分間撹拌し、次いで内温15±2℃にて10分撹拌後、−78℃に冷却し、t−BuLi(1.7M/lのペンタン溶液)2.25ml(3.75mmol)を滴下する。−78℃で30分撹拌後、親電子性化合物(E)を加える。−78℃で30分間撹拌後、0℃に昇温し、氷−酢酸エチル(60ml)−2N塩酸(15ml)混液にあける。有機層を分取し、水層を酢酸エチル(10ml)で抽出する。有機層をあわせ、食塩水(15ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮する。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2)により精製して目的化合物(I−3)を得る。
【0090】
各々のEに対応して得られた各化合物の物性を以下に示す。
【0091】
▲1▼E=CO2
化合物(I-3)のR3=COOH(CH2N2との反応によりCOOMeとして同定)
収率 95%, m.p. 148-150℃
1H NMR(CDCl3)δppm:1.55(s,9H), 2.58(s,3H), 3.93(s,3H),
13C NMR(CDCl3)δppm:21.25, 28.11, 51.85, 83.57, 109.19, 152.30,
164.21, 165.44, 169.69
IR(CHCl3) : 3300, 2978, 1714, 1675, 1542, 1242, 1151cm-1
TLC Rf=0.69(n-ヘキサン/酢酸エチル=2/1)。
【0092】
▲2▼E=CH3I
化合物(I-3)のR3=CH3
収率 64%, m.p. 188-190℃
1H NMR(CDCl3)δppm:1.54(s,9H), 2.05(s,3H), 2.33(s,3H)
13C NMR(CDCl3)δppm:10.37, 18.18, 28.21, 82.79, 113.42, 152.28,
155.29, 163.44
IR(CHCl3) : 3420, 2976, 1717, 1578, 1241, 1155cm-1
元素分析(C10H16N2O2Sとして)
計算値(%) : C,52.61; H,7.06; N,12.27; S,14.04;
実測値(%) : C,52.60; H,7.04; N,12.13; S,13.89;
TLC Rf=0.72(クロロホルム/メタノール=10:1)。
【0093】
▲3▼E=Ph-CH2Br
化合物(I-3)のR3=CH2-Ph
収率 21%, m.p. 162-165℃
1H NMR(CDCl3)δppm:1.49(s,9H), 2.29(s,3H), 3.88(s,2H),
7.05-7.35(m,5H)
13C NMR(CDCl3)δppm:18.61, 28.55, 31.38, 83.25, 116.40, 126.44,
127.25, 128.31, 128.82, 129.37, 138.07,
152.66, 157.29, 164.04
IR(CHCl3) : 3412, 2976, 1716, 1571, 1243, 1154cm-1
元素分析(C16H20N2O2Sとして)
計算値(%) : C,63.13; H,6.62; N,9.20; S,10.53;
実測値(%) : C,62.73; H,6.64; N,8.98; S,10.26;
TLC Rf=0.52(n-ヘキサン/酢酸エチル=2:1)。
【0094】
▲4▼E=CH2=CHCH2Br
化合物(I-3)のR3=-CH2-CH=CH2
収率 30%, m.p. 143-145℃
1H NMR(CDCl3)δppm:1.53(s,9H), 2.33(s,3H), 3.27(d,2H,J=5.4Hz),
5.03(d,1H,J=17.2Hz), 5.14(d,1H,J=10.2Hz),
5.77-5.96(m,1H), 7.36(brs,1H)
13C NMR(CDCl3)δppm:18.01, 28.17, 29.45, 82.77, 114.68, 116.51,
134.10, 152.33, 156.72, 163.28
IR(CHCl3) : 3412, 2976, 1716, 1570, 1243, 1218, 1154cm-1
元素分析(C12H18N2O2Sとして)
計算値(%) : C,56.67; H,7.13; N,11.01; S,12.61;
実測値(%) : C,56.33; H,7.15; N,11.09; S,12.77;
TLC Rf=0.54(n-ヘキサン/酢酸エチル=2:1)。
【0095】
(実施例5)
(A)ハロゲン化
【0096】
【化21】
Figure 0003717127
【0097】
3−アミノ−5−メチルイソチアゾール塩酸塩を用い、実施例4(A)項の方法で、そのアミノ基を保護した。得られた3−t−ブトキシカルボニルアミノ−5−メチル−イソチアゾール(IIh)の酢酸(40ml)溶液に酢酸ナトリウム3.19g(39mmol)を加えた。これを5℃に冷却し、臭素1.5ml(29.3mmol)を滴下した。滴下終了後、室温で3時間攪拌した。さらに臭素0.6ml(11.7mmol)を滴下し、引き続いて室温で1時間攪拌した。反応液を炭酸ナトリウム水溶液に加えpH=9とし、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、チオ硫酸ナトリウム水溶液、および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的化合物である3−t−ブトキシカルボニルアミノ−4−ブロモ−5−メチル−イソチアゾール(Vb)を得た。
【0098】
収率 27%, m.p. 102-104℃
1H NMR(CDCl3)δppm:1.54(s,9H), 2.46(s,3H), 7.16(brs,1H)
13C NMR(CDCl3)δppm:13.54, 28.16, 81.95, 99.07, 150.62,
153.26, 158.21
IR(CHCl3) : 3412, 2976, 1743, 1517cm-1
元素分析(C9H13BrN2O2S)
計算値(%) : C,36.87; H,4.47; N,9.55
Br,27.25; S,10.94
実測値(%) : C,36.73; H,4.41; N,9.55
Br,27.09; S,10.92
TLC Rf=0.25(酢酸エチル/n-ヘキサン=1/4)。
【0099】
(B)アルキル化
【0100】
【化22】
Figure 0003717127
【0101】
種々の親電子性化合物を用い、次の方法により(A)項で得られた3−t−ブトキシカルボニルアミノ−4−ブロモ−5−メチルイソチアゾールのアルキル化を行った。
【0102】
化合物(Vb)350mg(1.19mmol)のTHF(7ml)溶液に、窒素雰囲気下、0℃で水素化ナトリウム(60%オイル懸濁液) 71.6mg (1.79mmol)を加え、30分間攪拌する。得られた懸濁液を−78℃に冷却し、t−BuLi(1.7Mペンタン溶液)1.8ml(1.79mmol)を滴下した。30分間攪拌後、得られた懸濁液に親電子性化合物を加え、−78℃でさらに1時間攪拌した。反応液に氷−2N塩酸を加え酢酸エチルで2回抽出した。有機層をあわせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的化合物(I−4)を得た。
【0103】
▲1▼E=MeI
化合物(I-4)のR3=Me
収率 66%, m.p. 162-163℃
1H NMR(CDCl3)δppm:1.51(s,9H), 2.05(s,3H), 2.39(s,3H),
6.71(brs,1H)
13C NMR(CDCl3)δppm:10.89, 12.26, 82.19, 81.16, 123.63,
152.14, 156.10, 157.93
IR(CHCl3) : 3420, 2972, 1738, 1509cm-1
元素分析(C10H16N2O2S)
計算値(%) : C,52.61; H,7.06; N,12.27; S,14.04
実測値(%) : C,52.66; H,7.00; N,12.18; S,13.90
TLC Rf=0.21(酢酸エチル/n-ヘキサン=1/4)。
【0104】
▲2▼E=EtI
化合物(I-4)のR3=Et
収率 38%, m.p. 114-116℃
1H NMR(CDCl3)δppm:1.26(t,J=7.2Hz,3H), 1.51(s,9H),
2.52(q,J=7.2Hz,2H), 6.77(brs,1H)
13C NMR(CDCl3)δppm:11.98, 13.54, 18.64, 28.21, 81.19,
128.86, 152.07, 155.34, 157.79
IR(CHCl3) : 3410, 2976, 1728, 1485cm-1
元素分析(C11H18N2O2S)
計算値(%) : C,54.52; H,7.49; N,11.56; S,13.23
実測値(%) : C,54.22; H,7.37; N,11.40; S,13.19
TLC Rf=0.23(酢酸エチル/n-ヘキサン=1/4)。
【0105】
▲3▼E=CO2
化合物(I-4)のR3=COOH(CH2N2との反応によりCOOMeとして同定)
収率 59%, m.p. 175-178℃
1H NMR(CDCl3)δppm:1.53(s,9H), 2.71(s,3H), 3.94(s,3H),
9.59(brs,1H)
13C NMR(CDCl3)δppm:14.85, 28.18, 52.16, 81.27, 113.70,
150.86, 157.85, 164.23, 171.63
IR(CHCl3) : 3334, 2976, 1737, 1692, 1519, 1219cm-1
元素分析(C11H16N2O4Sとして)
計算値(%) : C,48.52; H,5.92; N,10.29; S,11.77
実測値(%) : C,48.30; H,5.79; N,10.19; S,11.53
TLC Rf=0.09(酢酸エチル/n-ヘキサン=1/4)。
【0106】
【発明の効果】
このように、本発明によれば、4位修飾アミノ置換5員複素環化合物、より詳細には4位修飾アミノイソオキサゾール類またはアミノイソチアゾール類が簡便かつ効果的に製造され得る。得られた化合物は、各種の医薬品合成のための中間体として有用である。

Claims (9)

  1. 式(I)で示される、4位修飾アミノ置換5員芳香族複素環化合物の製造方法であって、
    Figure 0003717127
    (ここでRは水素またはアミノ保護基であり、Rは置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいアラルキルであり、Rは低級アルキル、カルボキシル、アリル、アルキル金属、置換シリル、アルデヒド、アラルキル、フェニルチオフェニルセレン、ヒドロキシ、1−ヒドロキシ置換アルキルおよびジヒドロキシボランでなる群から選択される親電子性化合物の残基であり、XおよびYは互いに異なり、一方はNであり、他方はOまたはSである)
    式(II)で示される化合物を、
    Figure 0003717127
    (ここで、R、XおよびYは各々式(I)で定義したのと同意義であり、Rはアミノ保護基である)
    アルキルリチウム試薬の存在下で、またはアルキルリチウム試薬と反応させた後、ハロゲン化低級アルキル、二酸化炭素、ハロゲン化アリル、ハロゲン化アルキル金属、シリルハライド、ジメチルホルムアミド、ハロゲン化アラルキル、ジフェニルジスルフィド、カルボニル型化合物、ホウ酸トリアルキルフェニルセレネニルクロリド、二セレン化ジフェニルおよび酸素ガスでなる群から選択される親電子性化合物と反応させる工程を包含する、4位修飾アミノ置換5員芳香族複素環化合物の製造方法。
  2. 前記式(II)の化合物の4位をハロゲン化し、水素化アルカリ金属で処理した後、前記アルキルリチウム試薬の存在下で、または前記アルキルリチウム試薬と反応させた後、前記親電子性化合物と反応させる工程を包含する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記XおよびYのうちの一方がNであり他方がOである請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記XおよびYのうちの一方がNであり他方がSである請求項1または2に記載の方法。
  5. さらにアミノ脱保護反応を行うことを包含する、請求項1または2に記載の方法。
  6. 前記式(I)で示される化合物のRが、低級アルコキシカルボニル型またはアラルキルオキシカルボニル型のアミノ保護基である請求項1または2に記載の方法。
  7. 前記式(II)で示される化合物が、
    式(III):
    Figure 0003717127
    (ここでR、XおよびYは各々式(I)で定義したのと同意義である)で示されるアミノ化合物(III)をアミノ保護反応に付して得られるものである、請求項1または2に記載の方法。
  8. 前記親電子性化合物が、ハロゲン化低級アルキル、二酸化炭素、ハロゲン化アリル、ハロゲン化アルキル金属、シリルハライド、ジメチルホルムアミド、ハロゲン化アラルキルおよびジフェニルジスルフィドでなる群から選択される請求項1または2に記載の方法。
  9. 前記式(I)のRが、低級アルキル基、カルボキシル基、アリル基、アラルキル基、アルデヒド基、アルキル金属基、置換シリル基およびフェニルチオ基でなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
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