JP3716627B2 - 充電コード収納装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動車椅子のシャシーフレームの下側に支持された充電器に接続された充電コードを収容する充電コード収納装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
特開平１０−１１８１３０号公報等に開示された電動車椅子の充電装置では、後輪を駆動するモーターに電力を供給するバッテリーと、バッテリーを充電する充電器とが、シートの下方のシャシーフレームの下側に支持されており、充電器に接続された充電コードを介して、家庭用電源等から充電できるように構成されている。そして、充電コードを収容するコードボックスが、シートよりも横外方に張り出した配置に設けられ、コードボックスの上側を開閉するようにして充電コードの出入れを行うことによって、使用者自身がシートに座った状態で充電作業を行えるようにしている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
電動車椅子は、ベッド、テーブル等に非常に接近する使い方をされる場合が多いが、上述の充電装置のコードボックスはシャシーフレームよりも横外側へ張り出しているため、走行時に、コードボックスがベッド、テーブル等の障害物に衝突して破損し易い等の問題がある。
【０００４】
なお、電動車椅子の充電装置には、上述の車載型の他、別体型もあるが、別体型の場合、外出時には充電ができないこと、充電時に充電器の置き場所を確保する必要があること、充電時にコード等の接続作業が煩雑であること、通常時に充電器、コードの収納場所が必要になること等の問題がある。また、電動車椅子の車載型充電装置の充電コードには、コードリール型もあるが、コードリール型の場合、ほぼ剥き出しの状態で装備されるため、経年劣化によりコードの巻取不足や水の侵入等の問題が生じる。
【０００５】
本発明は、このような問題に鑑み、電動車椅子の充電コードを使用者がシートに座った状態でも出入れし得るように収納し、かつ、電動車椅子の走行時にベッド、テーブル等の障害物への衝突を防止できる充電コード収納装置を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
請求項１に記載の発明は、モーターにより駆動される後輪が装着されたシャシーフレームの下側に、前記モーターに電力を供給するバッテリーと前記バッテリーを充電する充電器とが支持され、前記シャシーフレームの上側に、使用者が座るシートが、前記シャシーフレームとの間に横方に開口した空間を形成するように支持された電動車椅子において、前記シャシーフレームのサイドメンバーよりも横内側であって前記バッテリー又は前記充電器の上側に、前記サイドメンバーに隣接して仕切部材が固定され上側部分が開口したコード収容部を形成し、前記コード収容部に前記充電コードを収容すると共に、収容部カバーが前記コード収容部の上側開口部分を開閉するように縦向の回動軸を中心にして横方向へ回動自在に、前記サイドメンバーの上面に支持されるように構成されている充電コード収納装置である。
【０００７】
請求項１に記載の発明によれば、コード収容部がシートの下方に配置されているため、バッテリーの充電時に、使用者自身が、シートに座った状態で、シートの下方のコード収容部の収容部カバーを開閉して充電コードを出入れするようにして充電作業を行えると共に、コード収容部がシャシーフレームのサイドメンバーの横内側に配置されているため、電動車椅子の走行時に、充電コード収納装置がベッド、テーブル等の障害物に衝突することを防止することができる。
【０００８】
また、請求項２に記載の発明においては、収容部カバーには、コード収容部の上側開口部分を閉鎖する本体部と、本体部から下外方へ突出した被係止部とが設けられ、シャシーフレームのサイドメンバーの横外面には、凹形のロック機構装着部が設けられ、ロック機構装着部には、被係止部と係脱自在に係合するロック機構が装着されている。請求項２に記載の発明によれば、ロック機構がシャシーフレームのサイドメンバーの横外面に配置されているため、使用者自身がシートに座った状態でロック機構を操作し易いと共に、収容部カバーの被係止部及びロック機構の横外側への突出量が小さくなるため、被係止部又はロック機構の破損を防止し、かつ、すっきりした外観にすることができる。
【０００９】
また、請求項３に記載の発明においては、コード収容部が後輪よりも前方に配置され、収容部カバーの回動軸が、収容部カバーの前端側に配置されている。請求項３に記載の発明によれば、収容部カバーが完全に閉じられていない状態の場合、収容部カバーに後方から障害物が当たることを大径駆動輪である後輪により防止することができ、収容部カバーに前方から障害物が当たっても収容部カバーが後方へ回動することによって収容部カバーの破損を防止することができる。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図１は、本発明の実施の形態に係る充電コード収納装置が適用された電動車椅子の側面下部の斜視図であり、図２は、図１中の充電コード収納装置周辺の分解斜視図である。そして、図３は、図２中のコード収容部周辺の組立状態における縦断面図、図４は、図２中の収容部カバーの回動軸周辺の組立状態における縦断面図、図５は、図２中のロック機構周辺の組立状態における縦断面図である。そして、図６は、図２の充電コード収納装置周辺の収容部カバーの閉鎖状態（ａ）、収容部カバーの開放状態（ｂ）及び充電コードの取出状態における平面図である。
【００１１】
図１、２に示すように、本発明の実施の形態に係る充電コード収納装置が適用された電動車椅子には、左右対の前輪１、後輪３が装着されたシャシーフレームが備えられており、シャシーフレームは、前後に長い角パイプ状のサイドメンバー１０、左右に長い丸パイプ状のフロントメンバー１１等をもって形成されている。そして、前輪１は、比較的小径で、キャスター２を介して回転自在かつ転動方向を変更自在に構成されており、後輪３は、比較的大径でサイドメンバー１０よりも横外側に配置され、モーター（図示せず）を介して回転駆動されるように構成されている。
【００１２】
そして、図２、３に示すように、シャシーフレームの下側には、上面が開口した箱状のバッテリーケース１３が支持されており、バッテリーケース１３内には、後輪３の駆動モーターに電力を供給するバッテリー（図示せず）と、バッテリーを充電する充電器１７とが、横方向に並んで収容されており、バッテリーの上側には、バッテリー上部カバー１５（図６参照）が装着されている。また、図１に示すように、シャシーフレームの上方には、使用者が座るシート７が、シートフレーム８を介して支持されており、シート７とシャシーフレーム（サイドメンバー１０）との間には、横方に開口した空間が形成されている。なお、シート７及びシートフレーム８は、バッテリー、充電器１７がバッテリーケース１３に対して出入れできるように、シャシーフレームに対して開閉可能に構成されている。
【００１３】
そして、シャシーフレーム７の下方に、図６に示すように、コード収容部Ｃ、収容部カバー３０等からなる充電コード収納装置が、後輪３よりも前方の配置で備えられている。そして、コード収容部Ｃは、サイドメンバー１０の横内側であって充電器１７の上側に、サイドメンバー１０、バッテリー上部カバー１５及び仕切ブラケット２１、２４により前後左右を仕切ることによって、上側部分が開口された形でサイドメンバー１０に隣接して形成されている。また、収容部カバー３０は、コード収容部Ｃの上側開口部分を開閉するように、縦向のシャフト３５を中心にして横方向へ回動自在に、サイドメンバー１０の上面に支持されている。
【００１４】
そして、充電コード収納装置は、バッテリーの充電を行わない時には、図６（ｂ）に示すように、コード収容部Ｃ内に、充電器１７に接続された充電コード１８の先端側部分（プラグ側部分）が屈曲した状態で収容されて、図６（ａ）に示すように、収容部カバー３０によりコード収容部Ｃが閉鎖され、バッテリーの充電を行う時には、図６（ｂ）に示すように、収容部カバー３０が開かれ、図６（ｃ）、図１に示すように、コード収容部Ｃに収容されていた充電コード１８の先端側部分が、シート７とサイドメンバー１０の間から外部に取り出されるように構成されている。
【００１５】
即ち、図２、３に示すように、前方仕切ブラケット２１は、略コ字形縦断面形状の被固定仕切部２２とその上下端外横縁から横外方に突出したカバー支持部２３、２３とからなり、被固定仕切部２２をフロントメンバー１１の前面に当接させ、カバー支持部２３、２３をサイドメンバー１０の上下面に配置して、スクリュー２２ｂ、ナット２２ｃを介して、フロントメンバー１１に固定されている。そして、上側のカバー支持部２３には、縦向筒状のスペーサー２３ａが上側に突出して固定されており、スペーサー２３ａは、サイドメンバー１０を上下に貫通する縦向筒状のスペーサー１０ａと上下に整合するようになっている。また、後方仕切ブラケット２４は、被固定部２５と仕切部２６とからなる略Ｌ字形の横断面形状に形成されており、被固定部２５をサイドメンバー１０の内横面に当接させ、鍔状の上面係合部２５ａをサイドメンバー１０の上面に係合させ、仕切部２６をサイドメンバー１０の内横面から横内側に突出させて、スクリュー２５ｃ、ナット２５ｄを介して、サイドメンバー１０に固定されている。
【００１６】
そして、充電コード１８は、バッテリーケース１３の側面のコード引出孔１３ａから引き出され、充電コード１８の中間部分は、先端側部分をコード収容部Ｃに突出させるように、グロメット１８ａを介して後方仕切ブラケット２４の仕切部２６に固定されている。なお、バッテリーケース１７の側面には、蓋状のコード引出部カバー１４が、ブラケット１３ｂ、１３ｂ、スクリュー１３ｃ、１３ｃ…を介して固定されている。
【００１７】
また、図２、４に示すように、収容部カバー３０には、コード収容部の上側開口部分を閉鎖する横向平板状の本体部３１が設けられており、本体部３１の外側縁後端部には、鍔状の被係止部３３が、下外方へ突出して形成され、本体部３１の外側縁前端部には、縦向の被支持孔を有するボス状の被支持部３２が設けられている。そして、収容部カバー３０の被支持部３２は、縦向棒状のシャフト３５（回動軸）の上端部に横方向へ回動自在に支持されており、シャフト３５の下側部は、サイドメンバー１０、カバー支持部２３、２３を上下に貫通するように、縦向筒状のスペーサー２３ａ、１０ａ内に挿通され、ナット３９を介してサイドメンバー１０に固定されている。
【００１８】
また、収容部カバー３０の被係止部３３には、被係止突起３３ａが、後述のラッチ２８と係合して収容部カバー３０を閉鎖状態に係止するように設けられており、また、被支持部３２には、ワッシャ３６、ウェーブワッシャ３７が、ガタ付防止のために装着されている。更に、収容部カバー３０の被支持部３２には、捩りコイルスプリング３８が、収容部カバー３０をコード収容部Ｃの上側開口部分を開放する方向へ付勢して、被係止突起３３ａとラッチ２８との係合が解除されると、収容部カバー３０を約３０°開かせるように装着されている。
【００１９】
また、図２、５に示すように、サイドメンバー１０の横外面には、四角形孔状のラッチ装着部１０ｃ（ロック機構装着部）が設けられている。そして、サイドメンバー１０には、ラッチ装着ブラケット２９が、鍔状の上面係合部２９ａをサイドメンバー１０の上面に係合させ、凹形のラッチ固定部２９ｂをラッチ装着部１０ｃに挿入して、スクリュー２９ｄを介して固定されており、ラッチ固定部２９ｂには、ラッチ２８（ロック機構）が固定されている。
【００２０】
従って、ラッチ２８はサイドメンバー１０から横外側へ突出していないため、収容部カバー３０の被係止部３３の突出量を小さくして、破損等を防止することができ、また、すっきりした外観にすることができる。なお、ラッチ２８は、収容部カバー３０がコード収容部Ｃの上側開口部分を閉鎖した際に、被係止部３３の被係止突起３３ａと係脱自在に係合するように構成されており、ラッチ２８と被係止突起３３ａとは、被係止部３３を手で押して被係止突起３３ａをラッチ２８に押し込むと両者が係合し、被係止部３３を更に押すと両者の係合が解除されるように構成されている。
【００２１】
このように、充電コード収納装置は、シャシーフレームのサイドメンバー１０の内側にコード収容部Ｃを配置して構成されているため、電動車椅子の走行時にベッド、テーブル等の障害物に衝突することを防止することができる。また、収容部カバー３０が完全に閉じられていない場合、コード収容部Ｃ及び収容部カバー３０は後輪３より前方に配置されているため、収容部カバー３０に後方から障害物が当たることを大径駆動輪である後輪３により防止することができ、また、収容部カバー３０は前端の被支持部３２を回動自在に支持されているため、収容部カバー３０に前方から障害物が当たっても収容部カバー３０が後方へ回動することによって収容部カバー３０の破損を防止することができる。
【００２２】
また、充電コード収納装置はシート７の下方に配置されているため、バッテリーの充電時に、使用者自身が、シートに座った状態で、シート７の下方のコード収容部の収容部カバー３０を開閉して充電コード１８を出入れし、充電コード１８の先端のプラグを家庭用電源のコンセント等に差し込むようにして、充電作業を行うことができる。また、収容部カバー３０のロック機構を構成するラッチ２８等がシャシーフレームのサイドメンバー１０の横外面に配置されているため、使用者がシートに座った状態でも収容部カバー３０を容易に開閉することができる。
【００２３】
以上、本発明の実施の形態について述べたが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施の形態では、シャシーフレームのサイドメンバー１０とバッテリー上部カバー１５との間の空間を仕切ブラケット２１、２４により前後に仕切ることによって、前後左右が仕切られたコード収容部Ｃを形成する場合について述べたが、縦えば、枠状、箱状等の仕切部材をサイドメンバーの横内側に固定することによって、コード収容部を形成するようにしてもよい。
【００２４】
【発明の効果】
以上のように、請求項１に記載の発明によれば、コード収容部がシートの下方に配置されているため、バッテリーの充電時に、使用者自身が、シートに座った状態で、シートの下方のコード収容部の収容部カバーを開閉して充電コードを出入れするようにして充電作業を行えると共に、コード収容部がシャシーフレームのサイドメンバーの横内側に配置されているため、電動車椅子の走行時に、充電コード収納装置がベッド、テーブル等の障害物に衝突することを防止することができる。
【００２５】
また、請求項２に記載の発明によれば、ロック機構がシャシーフレームのサイドメンバーの横外面に配置されているため、使用者自身がシートに座った状態でロック機構を操作し易いと共に、収容部カバーの被係止部及びロック機構の横外側への突出量が小さくなるため、被係止部又はロック機構の破損を防止し、かつ、すっきりした外観にすることができる。
【００２６】
また、請求項３に記載の発明によれば、収容部カバーが完全に閉じていない状態の場合、収容部カバーに後方から障害物が当たることを大径駆動輪である後輪により防止することができ、収容部カバーに前方から障害物が当たっても収容部カバーが後方へ回動することによって収容部カバーの破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の実施の形態に係る充電コード収納装置が適用された電動車椅子の側面下部の斜視図である。
【図２】 図１中の充電コード収納装置周辺の分解斜視図である。
【図３】 図２中のコード収容部周辺の組立状態における縦断面図である。
【図４】 図２中の収容部カバーの回動軸周辺の組立状態における縦断面図である。
【図５】 図２中のロック機構周辺の組立状態における縦断面図である。
【図６】 図２の充電コード収納装置周辺の収容部カバーの閉鎖状態（ａ）、収容部カバーの開放状態（ｂ）及び充電コードの取出状態における平面図である。
【符号の説明】
１ 前輪
２ キャスター
３ 後輪
７ シート
８ シートフレーム
１０ サイドメンバー（シャシーフレーム）
１０ａ スペーサー
１０ｃ ラッチ装着部（ロック機構装着部）
１１ フロントメンバー（シャシーフレーム）
１３ バッテリーケース
１３ａ コード引出孔
１３ｂ ブラケット
１３ｃ スクリュー
１４ コード引出部カバー
１５ バッテリー上部カバー
１７ 充電器
１８ 充電コード
１８ａ グロメット
２１ 前方仕切ブラケット（仕切部材）
２２ 被固定仕切部
２２ｂ スクリュー
２２ｃ ナット
２３ カバー支持部
２３ａ スペーサー
２４ 後方仕切ブラケット（仕切部材）
２５ 被固定部
２５ａ 上面係合部
２５ｃ スクリュー
２５ｄ ナット
２６ 仕切部
２８ ラッチ（ロック機構）
２９ ラッチ装着ブラケット
２９ａ 上面係合部
２９ｂ ラッチ固定部
２９ｄ スクリュー
３０ 収容部カバー
３１ 本体部
３２ 被支持部
３３ 被係止部
３３ａ 被係止突起
３５ シャフト（回動軸）
３６ ワッシャ
３７ ウェーブワッシャ
３８ 捩りコイルスプリング
３９ ナット
Ｃ コード収容部
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動車椅子のシャシーフレームの下側に支持された充電器に接続された充電コードを収容する充電コード収納装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
特開平１０−１１８１３０号公報等に開示された電動車椅子の充電装置では、後輪を駆動するモーターに電力を供給するバッテリーと、バッテリーを充電する充電器とが、シートの下方のシャシーフレームの下側に支持されており、充電器に接続された充電コードを介して、家庭用電源等から充電できるように構成されている。そして、充電コードを収容するコードボックスが、シートよりも横外方に張り出した配置に設けられ、コードボックスの上側を開閉するようにして充電コードの出入れを行うことによって、使用者自身がシートに座った状態で充電作業を行えるようにしている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
電動車椅子は、ベッド、テーブル等に非常に接近する使い方をされる場合が多いが、上述の充電装置のコードボックスはシャシーフレームよりも横外側へ張り出しているため、走行時に、コードボックスがベッド、テーブル等の障害物に衝突して破損し易い等の問題がある。
【０００４】
なお、電動車椅子の充電装置には、上述の車載型の他、別体型もあるが、別体型の場合、外出時には充電ができないこと、充電時に充電器の置き場所を確保する必要があること、充電時にコード等の接続作業が煩雑であること、通常時に充電器、コードの収納場所が必要になること等の問題がある。また、電動車椅子の車載型充電装置の充電コードには、コードリール型もあるが、コードリール型の場合、ほぼ剥き出しの状態で装備されるため、経年劣化によりコードの巻取不足や水の侵入等の問題が生じる。
【０００５】
本発明は、このような問題に鑑み、電動車椅子の充電コードを使用者がシートに座った状態でも出入れし得るように収納し、かつ、電動車椅子の走行時にベッド、テーブル等の障害物への衝突を防止できる充電コード収納装置を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
請求項１に記載の発明は、モーターにより駆動される後輪が装着されたシャシーフレームの下側に、前記モーターに電力を供給するバッテリーと前記バッテリーを充電する充電器とが支持され、前記シャシーフレームの上側に、使用者が座るシートが、前記シャシーフレームとの間に横方に開口した空間を形成するように支持された電動車椅子において、前記シャシーフレームのサイドメンバーよりも横内側であって前記バッテリー又は前記充電器の上側に、前記サイドメンバーに隣接して仕切部材が固定され上側部分が開口したコード収容部を形成し、前記コード収容部に前記充電コードを収容すると共に、収容部カバーが前記コード収容部の上側開口部分を開閉するように縦向の回動軸を中心にして横方向へ回動自在に、前記サイドメンバーの上面に支持されるように構成されている充電コード収納装置である。
【０００７】
請求項１に記載の発明によれば、コード収容部がシートの下方に配置されているため、バッテリーの充電時に、使用者自身が、シートに座った状態で、シートの下方のコード収容部の収容部カバーを開閉して充電コードを出入れするようにして充電作業を行えると共に、コード収容部がシャシーフレームのサイドメンバーの横内側に配置されているため、電動車椅子の走行時に、充電コード収納装置がベッド、テーブル等の障害物に衝突することを防止することができる。
【０００８】
また、請求項２に記載の発明においては、収容部カバーには、コード収容部の上側開口部分を閉鎖する本体部と、本体部から下外方へ突出した被係止部とが設けられ、シャシーフレームのサイドメンバーの横外面には、凹形のロック機構装着部が設けられ、ロック機構装着部には、被係止部と係脱自在に係合するロック機構が装着されている。請求項２に記載の発明によれば、ロック機構がシャシーフレームのサイドメンバーの横外面に配置されているため、使用者自身がシートに座った状態でロック機構を操作し易いと共に、収容部カバーの被係止部及びロック機構の横外側への突出量が小さくなるため、被係止部又はロック機構の破損を防止し、かつ、すっきりした外観にすることができる。
【０００９】
また、請求項３に記載の発明においては、コード収容部が後輪よりも前方に配置され、収容部カバーの回動軸が、収容部カバーの前端側に配置されている。請求項３に記載の発明によれば、収容部カバーが完全に閉じられていない状態の場合、収容部カバーに後方から障害物が当たることを大径駆動輪である後輪により防止することができ、収容部カバーに前方から障害物が当たっても収容部カバーが後方へ回動することによって収容部カバーの破損を防止することができる。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図１は、本発明の実施の形態に係る充電コード収納装置が適用された電動車椅子の側面下部の斜視図であり、図２は、図１中の充電コード収納装置周辺の分解斜視図である。そして、図３は、図２中のコード収容部周辺の組立状態における縦断面図、図４は、図２中の収容部カバーの回動軸周辺の組立状態における縦断面図、図５は、図２中のロック機構周辺の組立状態における縦断面図である。そして、図６は、図２の充電コード収納装置周辺の収容部カバーの閉鎖状態（ａ）、収容部カバーの開放状態（ｂ）及び充電コードの取出状態における平面図である。
【００１１】
図１、２に示すように、本発明の実施の形態に係る充電コード収納装置が適用された電動車椅子には、左右対の前輪１、後輪３が装着されたシャシーフレームが備えられており、シャシーフレームは、前後に長い角パイプ状のサイドメンバー１０、左右に長い丸パイプ状のフロントメンバー１１等をもって形成されている。そして、前輪１は、比較的小径で、キャスター２を介して回転自在かつ転動方向を変更自在に構成されており、後輪３は、比較的大径でサイドメンバー１０よりも横外側に配置され、モーター（図示せず）を介して回転駆動されるように構成されている。
【００１２】
そして、図２、３に示すように、シャシーフレームの下側には、上面が開口した箱状のバッテリーケース１３が支持されており、バッテリーケース１３内には、後輪３の駆動モーターに電力を供給するバッテリー（図示せず）と、バッテリーを充電する充電器１７とが、横方向に並んで収容されており、バッテリーの上側には、バッテリー上部カバー１５（図６参照）が装着されている。また、図１に示すように、シャシーフレームの上方には、使用者が座るシート７が、シートフレーム８を介して支持されており、シート７とシャシーフレーム（サイドメンバー１０）との間には、横方に開口した空間が形成されている。なお、シート７及びシートフレーム８は、バッテリー、充電器１７がバッテリーケース１３に対して出入れできるように、シャシーフレームに対して開閉可能に構成されている。
【００１３】
そして、シャシーフレーム７の下方に、図６に示すように、コード収容部Ｃ、収容部カバー３０等からなる充電コード収納装置が、後輪３よりも前方の配置で備えられている。そして、コード収容部Ｃは、サイドメンバー１０の横内側であって充電器１７の上側に、サイドメンバー１０、バッテリー上部カバー１５及び仕切ブラケット２１、２４により前後左右を仕切ることによって、上側部分が開口された形でサイドメンバー１０に隣接して形成されている。また、収容部カバー３０は、コード収容部Ｃの上側開口部分を開閉するように、縦向のシャフト３５を中心にして横方向へ回動自在に、サイドメンバー１０の上面に支持されている。
【００１４】
そして、充電コード収納装置は、バッテリーの充電を行わない時には、図６（ｂ）に示すように、コード収容部Ｃ内に、充電器１７に接続された充電コード１８の先端側部分（プラグ側部分）が屈曲した状態で収容されて、図６（ａ）に示すように、収容部カバー３０によりコード収容部Ｃが閉鎖され、バッテリーの充電を行う時には、図６（ｂ）に示すように、収容部カバー３０が開かれ、図６（ｃ）、図１に示すように、コード収容部Ｃに収容されていた充電コード１８の先端側部分が、シート７とサイドメンバー１０の間から外部に取り出されるように構成されている。
【００１５】
即ち、図２、３に示すように、前方仕切ブラケット２１は、略コ字形縦断面形状の被固定仕切部２２とその上下端外横縁から横外方に突出したカバー支持部２３、２３とからなり、被固定仕切部２２をフロントメンバー１１の前面に当接させ、カバー支持部２３、２３をサイドメンバー１０の上下面に配置して、スクリュー２２ｂ、ナット２２ｃを介して、フロントメンバー１１に固定されている。そして、上側のカバー支持部２３には、縦向筒状のスペーサー２３ａが上側に突出して固定されており、スペーサー２３ａは、サイドメンバー１０を上下に貫通する縦向筒状のスペーサー１０ａと上下に整合するようになっている。また、後方仕切ブラケット２４は、被固定部２５と仕切部２６とからなる略Ｌ字形の横断面形状に形成されており、被固定部２５をサイドメンバー１０の内横面に当接させ、鍔状の上面係合部２５ａをサイドメンバー１０の上面に係合させ、仕切部２６をサイドメンバー１０の内横面から横内側に突出させて、スクリュー２５ｃ、ナット２５ｄを介して、サイドメンバー１０に固定されている。
【００１６】
そして、充電コード１８は、バッテリーケース１３の側面のコード引出孔１３ａから引き出され、充電コード１８の中間部分は、先端側部分をコード収容部Ｃに突出させるように、グロメット１８ａを介して後方仕切ブラケット２４の仕切部２６に固定されている。なお、バッテリーケース１７の側面には、蓋状のコード引出部カバー１４が、ブラケット１３ｂ、１３ｂ、スクリュー１３ｃ、１３ｃ…を介して固定されている。
【００１７】
また、図２、４に示すように、収容部カバー３０には、コード収容部の上側開口部分を閉鎖する横向平板状の本体部３１が設けられており、本体部３１の外側縁後端部には、鍔状の被係止部３３が、下外方へ突出して形成され、本体部３１の外側縁前端部には、縦向の被支持孔を有するボス状の被支持部３２が設けられている。そして、収容部カバー３０の被支持部３２は、縦向棒状のシャフト３５（回動軸）の上端部に横方向へ回動自在に支持されており、シャフト３５の下側部は、サイドメンバー１０、カバー支持部２３、２３を上下に貫通するように、縦向筒状のスペーサー２３ａ、１０ａ内に挿通され、ナット３９を介してサイドメンバー１０に固定されている。
【００１８】
また、収容部カバー３０の被係止部３３には、被係止突起３３ａが、後述のラッチ２８と係合して収容部カバー３０を閉鎖状態に係止するように設けられており、また、被支持部３２には、ワッシャ３６、ウェーブワッシャ３７が、ガタ付防止のために装着されている。更に、収容部カバー３０の被支持部３２には、捩りコイルスプリング３８が、収容部カバー３０をコード収容部Ｃの上側開口部分を開放する方向へ付勢して、被係止突起３３ａとラッチ２８との係合が解除されると、収容部カバー３０を約３０°開かせるように装着されている。
【００１９】
また、図２、５に示すように、サイドメンバー１０の横外面には、四角形孔状のラッチ装着部１０ｃ（ロック機構装着部）が設けられている。そして、サイドメンバー１０には、ラッチ装着ブラケット２９が、鍔状の上面係合部２９ａをサイドメンバー１０の上面に係合させ、凹形のラッチ固定部２９ｂをラッチ装着部１０ｃに挿入して、スクリュー２９ｄを介して固定されており、ラッチ固定部２９ｂには、ラッチ２８（ロック機構）が固定されている。
【００２０】
従って、ラッチ２８はサイドメンバー１０から横外側へ突出していないため、収容部カバー３０の被係止部３３の突出量を小さくして、破損等を防止することができ、また、すっきりした外観にすることができる。なお、ラッチ２８は、収容部カバー３０がコード収容部Ｃの上側開口部分を閉鎖した際に、被係止部３３の被係止突起３３ａと係脱自在に係合するように構成されており、ラッチ２８と被係止突起３３ａとは、被係止部３３を手で押して被係止突起３３ａをラッチ２８に押し込むと両者が係合し、被係止部３３を更に押すと両者の係合が解除されるように構成されている。
【００２１】
このように、充電コード収納装置は、シャシーフレームのサイドメンバー１０の内側にコード収容部Ｃを配置して構成されているため、電動車椅子の走行時にベッド、テーブル等の障害物に衝突することを防止することができる。また、収容部カバー３０が完全に閉じられていない場合、コード収容部Ｃ及び収容部カバー３０は後輪３より前方に配置されているため、収容部カバー３０に後方から障害物が当たることを大径駆動輪である後輪３により防止することができ、また、収容部カバー３０は前端の被支持部３２を回動自在に支持されているため、収容部カバー３０に前方から障害物が当たっても収容部カバー３０が後方へ回動することによって収容部カバー３０の破損を防止することができる。
【００２２】
また、充電コード収納装置はシート７の下方に配置されているため、バッテリーの充電時に、使用者自身が、シートに座った状態で、シート７の下方のコード収容部の収容部カバー３０を開閉して充電コード１８を出入れし、充電コード１８の先端のプラグを家庭用電源のコンセント等に差し込むようにして、充電作業を行うことができる。また、収容部カバー３０のロック機構を構成するラッチ２８等がシャシーフレームのサイドメンバー１０の横外面に配置されているため、使用者がシートに座った状態でも収容部カバー３０を容易に開閉することができる。
【００２３】
以上、本発明の実施の形態について述べたが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施の形態では、シャシーフレームのサイドメンバー１０とバッテリー上部カバー１５との間の空間を仕切ブラケット２１、２４により前後に仕切ることによって、前後左右が仕切られたコード収容部Ｃを形成する場合について述べたが、縦えば、枠状、箱状等の仕切部材をサイドメンバーの横内側に固定することによって、コード収容部を形成するようにしてもよい。
【００２４】
【発明の効果】
以上のように、請求項１に記載の発明によれば、コード収容部がシートの下方に配置されているため、バッテリーの充電時に、使用者自身が、シートに座った状態で、シートの下方のコード収容部の収容部カバーを開閉して充電コードを出入れするようにして充電作業を行えると共に、コード収容部がシャシーフレームのサイドメンバーの横内側に配置されているため、電動車椅子の走行時に、充電コード収納装置がベッド、テーブル等の障害物に衝突することを防止することができる。
【００２５】
また、請求項２に記載の発明によれば、ロック機構がシャシーフレームのサイドメンバーの横外面に配置されているため、使用者自身がシートに座った状態でロック機構を操作し易いと共に、収容部カバーの被係止部及びロック機構の横外側への突出量が小さくなるため、被係止部又はロック機構の破損を防止し、かつ、すっきりした外観にすることができる。
【００２６】
また、請求項３に記載の発明によれば、収容部カバーが完全に閉じていない状態の場合、収容部カバーに後方から障害物が当たることを大径駆動輪である後輪により防止することができ、収容部カバーに前方から障害物が当たっても収容部カバーが後方へ回動することによって収容部カバーの破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の実施の形態に係る充電コード収納装置が適用された電動車椅子の側面下部の斜視図である。
【図２】 図１中の充電コード収納装置周辺の分解斜視図である。
【図３】 図２中のコード収容部周辺の組立状態における縦断面図である。
【図４】 図２中の収容部カバーの回動軸周辺の組立状態における縦断面図である。
【図５】 図２中のロック機構周辺の組立状態における縦断面図である。
【図６】 図２の充電コード収納装置周辺の収容部カバーの閉鎖状態（ａ）、収容部カバーの開放状態（ｂ）及び充電コードの取出状態における平面図である。
【符号の説明】
１ 前輪
２ キャスター
３ 後輪
７ シート
８ シートフレーム
１０ サイドメンバー（シャシーフレーム）
１０ａ スペーサー
１０ｃ ラッチ装着部（ロック機構装着部）
１１ フロントメンバー（シャシーフレーム）
１３ バッテリーケース
１３ａ コード引出孔
１３ｂ ブラケット
１３ｃ スクリュー
１４ コード引出部カバー
１５ バッテリー上部カバー
１７ 充電器
１８ 充電コード
１８ａ グロメット
２１ 前方仕切ブラケット（仕切部材）
２２ 被固定仕切部
２２ｂ スクリュー
２２ｃ ナット
２３ カバー支持部
２３ａ スペーサー
２４ 後方仕切ブラケット（仕切部材）
２５ 被固定部
２５ａ 上面係合部
２５ｃ スクリュー
２５ｄ ナット
２６ 仕切部
２８ ラッチ（ロック機構）
２９ ラッチ装着ブラケット
２９ａ 上面係合部
２９ｂ ラッチ固定部
２９ｄ スクリュー
３０ 収容部カバー
３１ 本体部
３２ 被支持部
３３ 被係止部
３３ａ 被係止突起
３５ シャフト（回動軸）
３６ ワッシャ
３７ ウェーブワッシャ
３８ 捩りコイルスプリング
３９ ナット
Ｃ コード収容部
Claims (3)
- モーターにより駆動される後輪が装着されたシャシーフレームの下側に、前記モーターに電力を供給するバッテリーと前記バッテリーを充電する充電器とが支持され、前記シャシーフレームの上側に、使用者が座るシートが、前記シャシーフレームとの間に横方に開口した空間を形成するように支持された電動車椅子において、
前記シャシーフレームのサイドメンバーよりも横内側であって前記バッテリー又は前記充電器の上側に、前記サイドメンバーに隣接して仕切部材が固定され上側部分が開口したコード収容部を形成し、前記コード収容部に前記充電コードを収容すると共に、収容部カバーが前記コード収容部の上側開口部分を開閉するように縦向の回動軸を中心にして横方向へ回動自在に、前記サイドメンバーの上面に支持されることを特徴とする充電コード収納装置。 - 収容部カバーには、コード収容部の上側開口部分を閉鎖する本体部と、前記本体部から下外方へ突出した被係止部とが設けられ、シャシーフレームのサイドメンバーの横外面には、凹形のロック機構装着部が設けられ、前記ロック機構装着部には、前記被係止部と係脱自在に係合するロック機構が装着されたことを特徴とする請求項１に記載の充電コード収納装置。
- コード収容部が後輪よりも前方に配置され、収容部カバーの回動軸が、前記収容部カバーの前端側に配置されたことを特徴とする請求項１又は２に記載の充電コード収納装置。
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