JP3716275B1 - 成形用合成樹脂組成物およびその成形方法、成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 成形時の収縮率が低く、複雑かつ精巧で、高精度な合成樹脂成形体の製造に適した成形用合成樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 任意の合成樹脂と、加圧による体積圧縮率が30%以上のとき、体積回復率が15%以上である弾性機能を有する物質、好ましくは弾性黒鉛体であって、その内部において炭素層面の壁によって構成される多数の円形の空間の内径が、上記合成樹脂の高分子化合物の分子サイズよりも実質的に小さい物質とをある特定の比率で混合することにより成形用樹脂組成物を作製する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、成形用合成樹脂組成物に関し、さらに詳しくは成形時の収縮率が低く、電気製品、自動車部品、OA機器部品、精密機器部品等、複雑かつ精巧で、高精度な合成樹脂成形体の製造に適した成形用合成樹脂組成物およびこの合成樹脂組成物を用いる成方法と成形体に関する。
一般に合成樹脂は成形性が良好なため大量生産に向いており、低コストで短時間での生産が可能であることや、幅広い性質を有する製品を製造することが可能なこと等から近年成形材料として多く利用されている。合成樹脂組成物の成形方法には、押出成形、中空成形、反応成形等が挙げられるが、代表的な方法は射出成形法であり、それによって製造される部品は、電気製品、自動車部品、OA機器部品、精密機器部品等、多岐にわたっている。
このように、近年様々な分野において成形材料としての合成樹脂の需要は増加しているが、合成樹脂組成物の成形時には、相変化を起こしたり、結晶化したり、温度低下に伴う熱収縮をしたりすることによって成形収縮が起こることが知られている。そのため、合成樹脂組成物に熱可塑性樹脂等、種々の低収縮化剤を配合することによって成形時の収縮を最小にすることが検討されてきた。しかし、熱可塑性樹脂を低収縮化剤として合成樹脂組成物に配合すると、作製される成形体の低収縮性はある程度実現可能であるが、耐熱性が不十分になってしまうという問題点があった。そこで、低収縮性と耐熱性を同時に兼ね備えた成形用合成樹脂組成物として、例えば特許文献1には、不飽和ポリエステル樹脂組成物にA−Bブロック共重合体を配合することにより、硬化時の収縮が低く、耐熱性に優れた成形体を作製することができる低収縮性不飽和ポリエステル樹脂組成物が開示されている。
特開平3−37257号公報
しかしながら、上記従来の組成物を作成するために使用できる不飽和ポリエステル樹脂は、生産性が比較的低いこと、成形現場の環境が悪いこと、さらにリサイクルが困難なこと等の問題点がある。また、添加剤としての低収縮剤であるA−Bブロック共重合体は原料の単量体から重合、精製などの過程を経て作製されるため、調製に時間と手間を要するという問題点があった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、作製が容易であり、成形時の収縮率が低く、複雑かつ精巧で、高精度な合成樹脂成形体の製造に適した成形用合成樹脂組成物の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の成形用合成樹脂組成物は、任意の合成樹脂と、加圧による体積圧縮率が30%以上のとき、体積回復率が15%以上である弾性機能を有する物質(以下、弾性機能物質と記載する)を配合するのが好ましい。
さらに、上記弾性機能物質が弾性黒鉛体であって、その内部において炭素層面の壁によって構成される多数の空間(以下、孔と記載する)の内径が、上記合成樹脂の高分子化合物の分子サイズよりも実質的に小さいことが好ましい。
また、上記合成樹脂に対して、上記弾性機能物質を5〜70重量%の量で含有するのが好ましい。
本発明の成形用合成樹脂組成物は、例えば市販の混練機を用いて、合成樹脂と、加圧による体積圧縮率が30%以上のとき、体積回復率が15%以上である弾性機能物質、好ましくは弾性黒鉛体であって、その内部において炭素層面の壁によって構成される孔の内径が、上記合成樹脂の高分子化合物の分子サイズよりも実質的に小さい物質とをある特定の比率で混練するだけで容易に作製することができる。さらに成形時に特定の圧力を加えることによって合成樹脂組成物に配合された弾性機能物質が機能し、成形収縮率が低く寸法精度の高い成形体を得ることができる。
以下、本発明について図面を用いて詳細に説明する。
<合成樹脂>
本発明において、合成樹脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも用いることができる。例えば、熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂などが挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂などが挙げられる。
<充填剤>
充填剤としては、加圧により充填剤の体積の30%以上を圧縮後、荷重を除いた際、15%以上体積を回復させる機能を有する弾性機能物質を使用することができる。
ところで、弾性黒鉛体はその内部が炭素層面の壁によって仕切られた多数の円形の空間からなり、いわばスポンジ状構造を有する。このため、弾性黒鉛体は高い圧縮/回復率と弾性限界を示すことが知られている。したがって、好ましくは、上記弾性機能物質が弾性黒鉛体であって、その内部において炭素層面の壁によって構成される孔の内径が、上記合成樹脂の高分子化合物の分子サイズよりも実質的に小さいことが好ましい。上記の条件を満たす弾性黒鉛体としては、例えばSUPERIOR GRAPHITE Co.製の弾性黒鉛体(商品名「DESULCO」)が挙げられる。「DESULCO」の孔の内径は約19.2nmである。
また、合成樹脂の高分子化合物の分子サイズが例えば5000nm程度である非常に大きな合成樹脂を用いて成形用合成樹脂組成物を作製する場合においては、上記の条件を満たすような弾性黒鉛体として、興亜石油株式会社、三井鉱山株式会社共同開発弾性黒鉛体(商品名「ELFITE」)等を用いることも可能である。「ELFITE」の孔の内径は約1000〜5000nmである。
さらに、合成樹脂組成物は、必要に応じて公知の添加剤を含んでいても良い。添加剤としては、例えば酸化防止剤、難燃剤、帯電防止剤、硬化剤、着色剤、各種劣化防止剤、強化剤等が挙げられる。
なお、合成樹脂組成物の生成方法(合成樹脂に上記充填剤や添加剤を添加する方法)は、特に限定されるものではない。例えば、上記充填剤や添加剤の配合量が少ない場合は、例えば乾式混合等の方法を選択し、上記充填剤や添加剤の配合量が多い場合は、例えば溶融混練等の方法を選択することができる。あらかじめ上記充填剤や添加剤を高濃度に分散配合したものを成形前に薄めて使用することもできる。
[実施例]
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
[充填剤の体積圧縮率/回復率の測定]
本実施例および比較例において使用した充填剤の体積圧縮率/回復率の測定方法について、図1〜3を用いて以下に説明する。
使用した充填剤;1.SUPERIOR GRAPHITE Co.製弾性黒鉛体(商品名「DESULCO」)
2.日本黒鉛工業株式会社製黒鉛パウダー(商品名「CPB」)
3.重質炭酸カルシウムパウダー
4.興亜石油株式会社、三井鉱山株式会社共同開発弾性黒鉛体(商品名「ELFITE」)
図1は、充填剤が充填された状態の体積圧縮率/回復率測定装置を示す概略断面図である。同図は、シリンダー1に充填剤2が充填されており、無荷重の状態を示す図である。本実施例では、シリンダー1の内径D=3.50mmとした。まず、充填剤2を、高さが内径Dの1〜1.5倍となるように充填した。次にシリンダー1に図示しないピストンを挿入し、軽く抑えて(手で1〜2kg)図示しない手動式のハンドプレスに装着し、充填剤の高さH0を測定した。
図2は、荷重時の充填剤の体積圧縮率/回復率測定装置を示す概略断面図である。同図は、図1と同様にシリンダー1に充填剤2が充填されており、上記図示しない手動式のハンドプレスを使用して特定の荷重を加えた状態を示す図である。この場合における充填剤の高さH1を測定した。
図3は、荷重を除いた際の充填剤の体積圧縮率/回復率測定装置を示す概略断面図である。同図は図1および図2と同様にシリンダー1に充填剤2が充填されており、図2において加えた荷重を除き、十分に、例えば24時間、放置した状態を示す図である。この場合における充填剤の高さH2を測定した。以上の条件において測定した値から、以下に示す式(1)、式(2)を用いて体積圧縮率Cおよび体積回復率Eを算出し、結果を表1〜表4に示した。
なお、本実施例においては、充填剤を合成樹脂に混合して作製した合成樹脂組成物を、射出成機(東芝機械株式会社製;商品名「IS45P」)を用いて成した。従って、測定荷重としては、15.289MPaから、射出成機の射出圧力の上限である196.1MPa以上、すなわち表1〜表4に示すように203.857MPaの荷重を加えて測定を行い、実施例1以下に示す実施例における射出成形機で設定可能な成形圧力条件による結果を包含するようにした。


Figure 0003716275
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上記表1〜4の結果を図4に示した。同図によれば、弾性黒鉛体「DESULCO」および「ELFITE」は体積圧縮率Cおよび体積回復率Eが高く、弾性機能が高いことが分かる。また、「CPB」および重質炭酸カルシウムパウダーは体積回復率Eが低く、荷重を高くしても体積回復率がほとんど変化しないことが分かる。
本実施例においては、以下の合成樹脂および充填剤を使用した。
(1)成形用合成樹脂組成物の作製
合成樹脂;ポリプロピレン樹脂(日本ポリオレフィン株式会社製;商品名「ジェイアロマーEG110」)
充填剤 ;SUPERIOR GRAPHITE Co.製弾性黒鉛体(商品名「DESULCO」)
充填剤を粒径0.1mm以下に粉砕し、合成樹脂および充填剤を乾式混合した後、混練機(株式会社栗本鉄工所製;商品名「S−1 KRC」)を用いて混練し(バレル温度240℃)、得られた組成物を粉砕したものを使用した。
(2)成形用合成樹脂組成物の成形
<成形条件>
・成形温度 240℃
・型温度 40℃
・射出時間 10秒
・冷却時間 10秒
・射出圧力 下記表5に示す
射出成形機(東芝機械株式会社製;商品名「IS45P」)を用い、作製した組成物を上記条件の下ノズルを介して金型に供給して加圧成形し、平板状の成形体(試験片)を得た。成形時に用いた金型は縦の長さ40.00mm、横の長さ25.00mm、厚さ2.50mm、および四隅のアール3.0mmの平板状であり、金型の短径の一側面に上記作製された組成物を注入するための注入口を有する。注入口の寸法は4.00mm×2.00mmとした。
(3)成形収縮率の算出
作製された成形体(試験片)を24時間以上放置した後で寸法を測定し、式(3)を用いて成形収縮率を算出した。
Figure 0003716275
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表5に結果を示したように、射出圧力により成形収縮率が変化し、本実施例においては組成物中の充填剤の割合が20重量%のとき、射出圧力が140.1MPaの場合において成形収縮率が0となり、さらに射出圧力を高くすることによって成形収縮率がマイナスの値になる、すなわち金型内径寸法よりも大きな成形体を得ることもできることが分かった。
[比較例1]
合成樹脂;実施例1で使用したポリプロピレン樹脂と同様の樹脂を使用した。
充填剤 ;なし
上記成形用合成樹脂組成物の作製および得られた組成物の成形については、実施例1と同様に行い、結果を表6に示した。
Figure 0003716275
[比較例2]
合成樹脂;実施例1で使用したポリプロピレン樹脂と同様の樹脂を使用した。
充填剤 ;日本黒鉛工業株式会社製黒鉛パウダー(商品名「CPB」)
上記合成樹脂および充填剤を使用した成形用合成樹脂組成物の作製および得られた組成物の成形については、実施例1と同様に行い、結果を表7に示した。
Figure 0003716275
[比較例3]
合成樹脂;実施例1で使用したポリプロピレン樹脂と同様の樹脂を使用した。
充填剤 ;市販の重質炭酸カルシウムパウダー
上記合成樹脂および充填剤を使用した成形用合成樹脂組成物の作製および得られた組成物の成形については、実施例1と同様に行い、結果を表8に示した。
Figure 0003716275
[比較例4]
合成樹脂;実施例1で使用したポリプロピレン樹脂と同様の樹脂を使用した。
充填剤 ;興亜石油株式会社、三井鉱山株式会社共同開発弾性黒鉛体(商品名「ELFITE」)
上記合成樹脂および充填剤を使用した成形用合成樹脂組成物の作製および得られた組成物の成形については、実施例1と同様に行い、結果を表9に示した。
Figure 0003716275
表6〜表9から明らかなように、射出圧力を高くすることにより成形収縮率はより低くなったが、実施例1の結果と比較すると成形収縮率が高く、寸法精度の高い成形体を得ることができなかった。
これは、「CPB」および重質炭酸カルシウムパウダーを充填剤として用いた場合、上記の表2、表3および図4から明らかなように、体積回復率Eが小さすぎる、すなわち、充填剤の弾性機能が十分でないためと考えられる。
一方、合成樹脂として使用される高分子化合物の分子サイズは、下限がポリエチレンの場合で100〜200nm程度である。また、上記のように、「ELFITE」において、炭素層面の壁によって構成される孔の内径は、1000〜5000nmである。したがって、「ELFITE」の孔の内径は本実施例で使用した合成樹脂の高分子化合物の分子サイズよりも大きいために、合成樹脂に配合した際、「ELFITE」の孔内に合成樹脂が入り込んでしまい、「ELFITE」の体積圧縮/回復機能が失われ、寸法制度の高い成形体が得られないと考えられる。
以上のように、合成樹脂に配合する充填剤は弾性黒鉛体であって、その内部において炭素層面の壁によって構成される孔の内径が、上記合成樹脂の高分子化合物の分子サイズよりも実質的に小さいことが好ましく、本実施例においては「DESULCO」を使用した。しかし、合成樹脂の高分子化合物の分子サイズが例えば5000nm程度である、非常に大きな合成樹脂を用いて成形用合成樹脂組成物を作製する場合においては、上記の条件を満たすよう、弾性機能を有する弾性黒鉛体として「ELFITE」等を用いることも可能である。
本実施例においては、以下の合成樹脂および充填剤を使用した。
(1)成形用合成樹脂組成物の作製
合成樹脂;ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製;商品名「ユーピロンS3000」)
充填剤 ;SUPERIOR GRAPHITE Co.製弾性黒鉛体(商品名「DESULCO」)
混練機のバレル温度を280℃に変更したほかは、実施例1に示した方法と同様にして合成樹脂組成物の作製を行った。
(2)成形用合成樹脂組成物の成形
<成形条件>
・成形温度 280℃
・型温度 90℃
・射出圧力 下記表10に示す
以上の成形条件を変更したほかは、実施例1に示した方法と同様にして合成樹脂組成物の成形を行った。
(3)成形収縮率の算出
作製された成形体(試験片)の成形収縮率を、上記の式(3)を用いて算出し、結果を表10に示した。
Figure 0003716275
[比較例5]
合成樹脂;実施例2で使用したポリカーボネート樹脂と同様の樹脂を使用した。
充填剤 ;なし
上記合成樹脂および充填剤を使用した成形用合成樹脂組成物の作製および得られた組成物の成形については、実施例2と同様に行った。表11から明らかなように、射出圧力を高くすることにより成形収縮率はより低くなったが、実施例2の結果と比較すると成形収縮率が高く、寸法精度の高い成形体を得ることができなかった。
Figure 0003716275
本実施例においては、以下の合成樹脂および充填剤を使用した。
(1)成形用合成樹脂組成物の作製
合成樹脂;ポリアセタール樹脂(ポリプラスチックス株式会社製;商品名「ジュラコンTD−25」)
充填剤 ;SUPERIOR GRAPHITE Co.製弾性黒鉛体(商品名「DESULCO」)
混練機のバレル温度を200℃に変更したほかは、実施例1に示した方法と同様にして合成樹脂組成物の作製を行った。
(2)成形用合成樹脂組成物の成形
<成形条件>
・成形温度 200℃
・射出圧力 下記表12に示す
以上の成形条件を変更したほかは、実施例1に示した方法と同様にして合成樹脂組成物の成形を行った。
(3)成形収縮率の算出
作製された成形体(試験片)の成形収縮率を、上記の式(3)を用いて算出し、結果を表12に示した。
Figure 0003716275
[比較例6]
合成樹脂;実施例3で使用したポリアセタール樹脂と同様の樹脂を使用した。
充填剤 ;なし
上記合成樹脂および充填剤を使用した成形用合成樹脂組成物の作製および得られた組成物の成形については、実施例3と同様に行った。表13から明らかなように、射出圧力を高くすることにより成形収縮率はより低くなったが、実施例3の結果と比較すると成形収縮率が高く、寸法精度の高い成形体を得ることができなかった。
Figure 0003716275
以上のように、本発明の成形用合成樹脂組成物は、例えば市販の混練機を用いて合成樹脂と、加圧による体積圧縮率が30%以上のとき、体積回復率が15%以上である弾性機能物質、好ましくは弾性黒鉛体であって、その内部において炭素層面の壁によって構成される孔の内径が、上記合成樹脂の高分子化合物の分子サイズよりも実質的に小さい物質とをある特定の比率で混練するだけで容易に作製することができ、成形時に特定の圧力を加えることによって合成樹脂組成物に配合された弾性機能物質が機能し、成形収縮率が低く寸法精度の高い成形体を得ることができる。さらには成形過程で加える圧力を調節することにより成形体の寸法を一定の範囲で自在に変化させることも可能である。
本発明の成形用合成樹脂組成物は、例えばコンピュータ・OA機器等のメカ部品、精密機械類(カメラ等)のボデー、鏡胴、その他、各種歯車、軸受け、カム等の摺動部品・機構部品等に成形され、機械、器具または装置等の製品の一部としての使用が可能である。
充填剤が充填された状態の体積圧縮率/回復率測定装置を示す概略断面図である。 荷重時の充填剤の体積圧縮率/回復率測定装置を示す概略断面図である。 荷重を除いた際の充填剤の体積圧縮率/回復率測定装置を示す概略断面図である。 充填剤の体積圧縮率/回復率の測定結果を示すグラフである。

Claims (5)

  1. 成形時の型に対する収縮率が小さい成形用の合成樹脂組成物であって、
    エラストマーを除く合成樹脂と、所定の加圧による体積圧縮率が30%以上のとき、体積回復率が15%以上である弾性機能を有する弾性黒鉛体とを混合して成り、かつ前記成形用合成樹脂組成物に弾性機能を有する弾性黒鉛体を5〜70重量%の範囲で配合して成ることを特徴とする成形用合成樹脂組成物。
  2. 前記弾性機能を有する物質が弾性黒鉛体であって、
    該弾性黒鉛体の内部において炭素層面の壁によって構成される多数の空間の内径が、前記合成樹脂の高分子化合物の分子サイズよりも実質的に小さいことを特徴とする請求項1記載の成形用合成樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の成形用合成樹脂組成物から成形される成形体。
  4. 請求項記載の成形体を使用して製造された機械、器具または装置。
  5. 成形時の型に対する収縮率が小さい成形用の合成樹脂組成物による成形方法であって、
    エラストマーを除く合成樹脂と、所定の加圧による体積圧縮率が30%以上のとき、体積回復率が15%以上である弾性機能を有する弾性黒鉛体とを混合し、かつ該弾性機能を有する弾性黒鉛体を5〜70重量%の範囲で配合して作製した成形用合成樹脂組成物を、金型に供給して成形過程において加圧することによって成形を行い、成形体を得る成形方法。

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