JP3715717B2 - 駆動伝達装置及びシート材給送装置 - Google Patents
駆動伝達装置及びシート材給送装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3715717B2 JP3715717B2 JP18052796A JP18052796A JP3715717B2 JP 3715717 B2 JP3715717 B2 JP 3715717B2 JP 18052796 A JP18052796 A JP 18052796A JP 18052796 A JP18052796 A JP 18052796A JP 3715717 B2 JP3715717 B2 JP 3715717B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coupling
- rotating shaft
- drive transmission
- shaft
- sheet material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Sheets, Magazines, And Separation Thereof (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転軸から回転軸へ駆動力を伝達する駆動伝達装置に関し、詳細には例えばプリンタ,ファクシミリ,複写機等のシート材給送装置においてシート材を一枚ずつ給送する回転体に駆動力を伝達する駆動伝達装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、複写機等の事務機器のシート材給送装置においては、転写紙、感光紙等のシート材がカセット若しくはデッキ等に多数枚積載収納されており、給送ローラ等により前記シート束から一枚のシート材が次工程に向けて給送されるようになっている。
【0003】
図9〜図12は従来のシート材給送装置の説明図である。以下、図9〜図12を用いて従来例について説明する。図において、51はフィードローラ、52はリタードローラ、53はピックアップローラであり、これら3個のローラによってカセット54内に積載収納されているシート材Sを一枚ずつ分離給送する。
【0004】
前記フィードローラ51及びリタードローラ52は、図示しないステッピングモータからの駆動力が該フィードローラ51の軸51a及びリタードローラ52の軸52aに伝達されて回転するようになっている。また前記ピックアップローラ53は、フィードローラ51の駆動力が図示しないギア列を介して伝達されて回転するようになっている。更に前記リタードローラ52の軸52aにはトルクリミッタ55が設けられており、該トルクリミッタ55によりリタードローラ52の正転/逆転が制御されている。
【0005】
また前記リタードローラ52は、前記フィードローラ51に所定の分離圧で圧接されており、且つ前記フィードローラ51に対して平行関係を維持しながら接離可能な構成となっている。具体的には、リタードローラ52の軸52aの端部と、図示しないステッピングモータからギア列等を介して駆動力が伝達される軸56の端部とが、カップリング57によって連結されている。これにより、前記フィードローラ51とリタードローラ52との間にシート材Sが進入して該リタードローラ52がフィードローラ1から微小距離離間した場合でも回転駆動力が伝達できるようになっている。
【0006】
また、前記フィードローラ51とリタードローラ52による分離時に戻されたシート材Sは、該フィードローラ51とリタードローラ52との間に挟まれたままになってしまうことがある。この状態でカセット54を引き出してしまうと、図11に示すようにシート材Sを破損してしまうため、これを防止するためにリタードローラ52をフィードローラ51から離間させなければならない。更に各ローラの磨耗やリタードローラ52の分離圧の解除を考慮すると、前記リタードローラ52のフィードローラ51に対する離間距離を大きくする必要がある。そこで、前記軸52a,56とカップリング57との結合において、図9に示すように、軸52a,56の外径とカップリング57の内径とに差を持たせている。これにより、前記離間距離を大きくすることができ、且つ前記軸52aと軸56との間に芯ズレが発生しても駆動伝達が行えるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとしている課題】
しかしながら、上記従来例では、図9及び図10に示すように、カップリング57が駆動側の軸56の中心に対して容易にズレてしまい、片寄ってしまうことがあった。この片寄りが生じると、駆動伝達を行う際に、そのズレに起因して被駆動側の軸52aに不均一にモーメントが作用することがあった。そうすると、給送条件で非常に重要なリタードローラ52の分離圧に変動が生じてしまい、スリップジャムやリタードローラ52の逆転によるジャムが発生することがあった。
【0008】
このように、リタードローラ52に駆動伝達を行う機構に上記従来のカップリング57を用いると、分離性能に重要な圧変動が生じてしまい、充分な分離性能を満足することができなかった。更に、ローラの磨耗状況も前記圧変動によって偏磨耗を起こし、耐久性が劣ることもあった。
【0009】
また、軸52aと軸56とを電気的に連結する場合に、前記カップリング57を導電性のよい材質で形成し、これにより前記軸52a,56間を電気的に接続しているものもあるが、駆動負荷の変化のあるリタードローラ52の駆動伝達では、電気的連結の状態が不安定であった。
【0010】
また、従来は図12に示すように、駆動側の軸56の挿入組立をする際に、リタードローラ52の軸52aに取り付けられたカップリング57がフレーム58に設けられた軸受穴58aから離反してしまっている場合があり、該フレーム58の壁がブラインドとなって、組立作業が非常に困難であった。
【0011】
そこで、本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、組立作業が容易で、回転軸から回転軸への駆動力の伝達が円滑に行え、且つ電気的接続が安定した駆動伝達装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の代表的な構成は、第一回転軸と、第二回転軸と、前記第一回転軸と前記第二回転軸との間にあり、該2つの回転軸の端部を内包して軸同士を連結し、一方の回転軸の回転駆動力を他方の回転軸へ伝達するためのカップリングと、前記カップリング内において前記第一回転軸と前記第二回転軸とを電気的に連結するための連結部材と、を有し、前記各回転軸はそれぞれカップリング内に内包される部分に球形状部を有し、該球形状部の外径は前記回転軸の外径よりも大きく、且つ前記カップリングの内径と略同一径であることを特徴とする。
【0013】
また前記各回転軸のカップリング内に内包される部分には前記球形状部を有する球形状部材が取り付けられており、該球形状部材はカップリングに対して摺動性が良い部材で形成されていることを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、回転軸の中心に対してカップリングが片寄ることがなく、回転軸から回転軸への駆動力の伝達が円滑に行える。
【0015】
また前記球形状部材は軸端側に開口部を有し、該開口部又は該開口部内の軸端に前記連結部材を挿入することにより前記回転軸を電気的に連結していることを特徴とする。
【0016】
上記構成によれば、例えば回転軸の端部の外径と前記球形状部材の内径に隙間を設け、その隙間に連結部材を挿入させ連結することにより、該連結部材がカップリングの内径部と回転軸の外径部との間に挟まれるため、駆動伝達する際にこじりを生じてしまうことがなく、安定した電気的接続が行える。
【0017】
また前記カップリングは、一方の端部に軸方向に垂直な貫通長穴を、他方の端部に端面に開口した切欠溝を有し、該貫通長穴と切欠溝には各回転軸に軸方向に垂直に圧入したピンが貫通しており、更に前記切欠溝はスラスト方向に対してのピンの抜けを防止する抜け止め部を有していることを特徴とする。
【0018】
上記構成によれば、カップリングは回転軸を結合するための貫通長穴と切欠溝を有し、該切欠溝には抜け止め部が設けてあるため、例えば前記2つの回転軸には伸縮自在な圧縮コイルバネ等の連結部材の反力により組立途中にも離反する力が作用するが、組立性が損なわれることはない。
【0019】
また一方の回転軸を結合した状態のカップリングの他方の回転軸を挿入する開口部が、該他方の回転軸を支持するためにフレームに設けられた軸受穴の近傍に待機するように前記カップリングの姿勢が保持されるように構成したことを特徴とする。具体的には前記連結部材は伸縮自在な圧縮コイルバネであり、且つ前記カップリング内に一方の回転軸のみが装着された状態において該カップリングから突出しており、該連結部材のカップリングから突出した部分を前記フレームの軸受穴に挿入することにより前記カップリングの姿勢を保持していることを特徴とする。
【0020】
上記構成によれば、一方の回転軸のみが結合した状態のカップリングの他方の開口部から連結部材を突出させ、この連結部材の突出した部分を前記フレームの軸受穴に挿入することで前記カップリングの姿勢を保持するようにしているため、他方の回転軸をカップリングに挿入する際に前記連結部材を挿入ガイドとして利用することができ、組立性を向上させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に本発明を適用した駆動伝達装置及びこれを用いたシート材給送装置の一実施形態について図面を参照して具体的に説明する。尚、以下の実施形態では、画像形成装置としての複写機におけるシート材給送装置を例示して説明する。
【0022】
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態について図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明に係る駆動伝達装置を用いたシート材給送装置の概略構成を示す斜視図、図2は前記装置におけるカップリング部周辺を示す模式断面図、図3は前記装置におけるリタードローラの分離圧の状態を示す斜視図、図4はリタードローラが離間した際のカップリング部を示す拡大断面図、図5は駆動軸の組立時の状態を示す拡大断面図、図6は従来のカップリング内に電気的連結部材を設けた拡大断面図、図7は本発明を適用した複写機の概略構成を示す模式断面図である。
【0023】
尚、以下の説明の順序としては、先ず画像形成装置としての複写機の全体構成について簡単に説明し、次に本発明に係る駆動伝達装置及びこれを用いたシート材給送装置について詳しく説明する。
【0024】
先ず、図7を用いて複写機の概略構成について簡単に説明する。複写機本体1の上部に開閉可能に設けられた自動原稿給送装置2にセットされた原稿Gは、原稿台ガラス3上に一枚ずつ供給され、読取手段4によって画像が読み取られる。この読取手段4によって読み取られた画像は、後述するレーザースキャナ13に転送される。
【0025】
また、複写機本体1の下部に着脱自在に装着されたカセット5に複数枚積載されたシート材Sは、後述するシート材給送装置20により一枚ずつ分離給送され、レジストローラ対6に送り込まれる。該レジストローラ対6に送り込まれたシート材Sは、画像形成部7における画像形成動作とタイミングを合わせて感光体ドラム8と転写器9との間に送られ、ここで感光体ドラム8上に形成されたトナー像が転写される。転写を終えたシート材Sは続いて定着器10に送られ、ここで前記トナー像の定着処理が行われる。そして定着処理を終えたシート材Sは、排出ローラ対11により機外に排出され、トレイ12上に積載される。
【0026】
尚、前記画像形成部7は、前記感光体ドラム8、転写器9、及び定着器10の他に、レーザー発信装置13a,ポリゴンミラー13b,反射ミラー13c等を有するレーザースキャナ13と、感光体ドラム8の表面を均一に帯電させるための帯電手段14と、感光体ドラム8上に形成された潜像をトナーで現像するための現像手段15と、転写後に感光体ドラム8上に残留したトナーを除去するためのクリーニング手段16を有している。
【0027】
尚、本実施形態では、前記感光体ドラム8、及び前記プロセス手段としての帯電手段14、現像手段15、クリーニング手段16をそれぞれ別個に配置構成しているが、例えばこれらをユニット化したカートリッジとし、該カートリッジを複写機本体1に対して着脱自在な構成としても良い。
【0028】
次に図1〜図6を用いて本発明に係る駆動伝達装置及びこれを用いたシート材給送装置について詳しく説明する。
【0029】
図1において、シート材Sを多数枚積載収容したカセット5は、その内側にシート材積載台としての中板5aを有しており、複写機本体1に設けられたカセット装填部17へ着脱自在に装着されるようになっている。そして、カセット装填部17には積載されたシート材Sを順次給送する複数個の給送ローラ21,22,23が設けられている。
【0030】
21は第一回転体としてのフィードローラであり、シート材Sの搬送方向に回転するものである。22は第二回転体としてのリタードローラであり、前記フィードローラ21に圧接してシート材Sの搬送方向及び逆方向に回転可能となっている。23はピックアップローラであり、前記ローラ対21,22間にシート材Sを給送するものである。そして、これら3個の給送ローラ21,22,23によって前記カセット5内に積載されたシート材Sを一枚ずつ分離給送する。
【0031】
24はローラホルダーであり、前記フィードローラ21とピックアップローラ23を支持している。このローラホルダー24によってピックアップローラ23はフィードローラ21の周りに揺動可能に支持されている。
【0032】
前記ピックアップローラ23は、前記カセット5内の最上位のシート材Sに対して当接/離間可能となっており、詳しくはピックアップ給送時には前記シート材Sに当接し、その後、前記ローラ対21,22による分離時には上昇して前記シート材Sから離間するようになっている。即ち、この間に駆動源であるモータ25によって前記3個の給送ローラ21,22,23の駆動を行うことで、前記カセット5内に積載されたシート材Sが一枚ずつ分離され給送される。
【0033】
前記モータ25からの駆動力は、図示しない駆動伝達機構を介して減速ギア26に伝達され、更に減速ギア26に噛合しているギア27及びギア28にそれぞれ伝達される。前記ギア27に伝達された駆動力は、軸21aを介してフィードローラ21に伝達され、該フィードローラ21が回転するようになっている。尚、ピックアップローラ23は前記フィードローラ21に伝達された駆動力が図示しない駆動伝達機構(ギア列等)を介して伝達されて回転するようになっている。また、前記ギア28に伝達された駆動力は、後述する第一回転軸である軸29、カップリング30、第二回転軸である軸22a、トルクリミッタ31を介してリタードローラ22に伝達され、該リタードローラ22が回転するようになっている。
【0034】
前記リタードローラ22は、図3に示すように、軸22aが軸受部材32に揺動自在に取り付けられている支持部材33に支持されており、フィードローラ21に対して平行関係を維持しながら接離可能となっている。また、前記支持部材33は軸受部材32との間に架け渡されたバネ34によって付勢されており、即ち前記リタードローラ22はフィードローラ21に所定の分離圧で圧接されている。
【0035】
また前記リタードローラ22の軸22aにはトルクリミッタ31が取り付けられており、該トルクリミッタ31によってリタードローラ22の正転/逆転が制御されている。更に第一回転軸である軸29と第二回転軸である軸22aとの間には、軸29の回転駆動力を軸22aに伝達するためのカップリング30が設けており、該カップリングは前記2つの軸29,22aの軸端部を内包して該軸同士を連結している。これにより、フィードローラ21とリタードローラ22との間にシート材Sが進入して該リタードローラ22がフィードローラ21から微小距離離間した場合でも回転駆動力が伝達できるようになっている。
【0036】
尚、従来のカップリングにあっては、図16及び図17を用いて前述したように、リタードローラを接離可能とするためにカップリングの内径と軸の外径との間に差が設けてあるため、軸の中心に対するカップリングの片寄りが生じてしまっていた。この片寄りが生じると、軸から軸へ回転を伝達する際にリタードローラのフィードローラに対する分離圧に大きな変動を与えてしまい、紙送りの不良や、リタードローラの偏磨耗が発生し、給送能力が大きく低下してしまうおそれがあった。
【0037】
そこで、本発明では、図2及び図4に示すように、前記軸29,22aのカップリング30に内包される部分に、球形状部35aを有する球形状部材35が取り付けられた構成となっている。この球形状部材35の球形状部35aは、外径が前記軸29,22aの外径よりも大きく、且つ前記カップリング30の内径と略同一径となるように形成されている。更に、この球形状部材35はカップリング30に対して摺動性が良い部材(例えば、POM,PPC,テフロン粉末含有材,含油材等)で形成されている。
【0038】
この構成により、軸29,22aの中心に対してカップリング32の片寄りが発生するのを防ぐことができ、前述した片寄りを原因とする給送能力の低下を防止することができる。
【0039】
また前記球形状部材35は、図4に示すように軸端側に開口部35bを有し、該開口部35bの内径部と該開口部35b内の各軸端の外径部との間に隙間36を設けている。そして、この隙間36に、前記カップリング30内において前記軸29と前記軸22aとを電気的に連結するための連結部材37を挿入している。これにより、前記軸29と前記軸22aとが電気的に連結される。尚、前記連結部材37は伸縮自在であり、具体的には本実施形態では圧縮コイルバネを用いている。
【0040】
このように、圧縮コイルバネ37の端部が球形状部材35に内包されて露出することがないため、図6に示す従来例のように、圧縮コイルバネ37がカップリング35の内壁と軸29,22aの外径部との間に挟まれ、駆動伝達する際にこじりを生じてしまうことがなくなる。即ち、リタードローラの分離圧の変動のない滑らかな駆動伝達を実現しつつ、安定した電気的接続が行える。尚、ここで言うこじりとは、圧縮コイルバネ37の巻き線の角部がカップリング35の内壁に喰い込み削ってしまうため、カップリング35の動きに大きな抵抗が生じてしまい、2軸の軸中心のズレに瞬時に追従できなくなり、分離圧に変動を与えてしまう状態のことである。
【0041】
また、一方の軸22aを結合した状態のカップリング30の他方の軸29を挿入する開口部が、該他方の軸29を支持するために本体フレーム39に設けられた軸受穴39aの近傍に待機するように前記カップリング30の姿勢が保持されるように構成されている。具体的には、前記連結部材37を伸縮自在な圧縮コイルバネとし、図5に示すように、前記カップリング30内に一方の軸22aのみが装着された状態において前記連結部材37が前記カップリング30から突出するようにし、該連結部材37のカップリング30から突出した部分を前記フレーム39の軸受穴39aに挿入することで、前記カップリング30の姿勢を保持するようにしている。
【0042】
このように、前記連結部材のカップリング30から突出した部分を、前記本体フレーム39に設けた軸受穴39aより突出させることにより、駆動入力側である軸29を図5に示す矢印に沿ってカップリング30に挿入して組み付ける際に、前記本体フレーム39の軸受穴39aから突出した連結部材37がガイドとして機能するため、組立性が向上する。
【0043】
また、前記カップリング30は、一方の端部(軸22a側)に軸方向に垂直な貫通長穴30aを、他方の端部(軸29側)に端面に開口した切欠溝30bを有し、該貫通長穴30aと切欠溝30bに各軸22a,29に軸方向に垂直に圧入したピン38を貫通させ、前記軸22a,29を連結している。更に前記切欠溝30bには抜け止め部30cが設けてあり、該切欠溝30bに取り付けられた軸29のピン38がスラスト方向に対して抜けてしまうのを防止している。即ち、前述の如くして組み立てた際に、前記軸29には連結部材37によって挿入方向とは反対方向への力が作用するが、前記抜け止め部30cにより軸29がカップリング30から抜けてしまうことはない。
【0044】
上述の如く構成することにより、リタードローラの分離圧の変動のない滑らかな駆動伝達を実現しつつ、安定した電気的接続が行え、且つ組立性が良好である。
【0045】
〔第2実施形態〕
次に本発明の第2実施形態について図面を参照して具体的に説明する。図7はカップリング部を示す拡大断面図である。
【0046】
尚、装置の構成は前述した実施形態と略同等であるため、ここでは詳しい説明は省略する。また、前述した実施形態と同等の機能及び構成を有する部材には同一符号を付している。
【0047】
前述した第1実施形態では、2つの軸22a,29の軸端部に球形状部35aを有する球形状部材35をそれぞれ取り付け、これを連結部材37で連結した構成を例示したが、本実施形態では、前記球形状部材35,35と連結部材37の機能を一体化した球形状部材40を設け、該球形状部材40に前記2つの軸22a,29を圧入することにより電気的に連結している。この球形状部材40は、各軸22a,29のカップリング30に内包される部分に球形状部40aを有し、更に球形状部40a,40aの間には連結部材として機能する連結部40bが一体的に形成されている。この球形状部材40の連結部40bは弾性を持たせるため、球形状部40aよりも断面積が小さい細軸状に形成されている。また球形状部材40は前記軸22a,29を電気的に連結するため、電気抵抗が非常に小さい材料(例えば導電性POM等)で成形されている。
【0048】
上述したように、本実施形態にあっては、電気的接続を行う連結部材を別個に設けなくても良いため、部品点数が少なくて済み、コストの面でもメリットがある。更に2つの軸22a,29は前述の如き球形状部材40にそれぞれ圧入されているため、電気的接続も安定している。
【0049】
〔他の実施例〕
前述した実施形態では、各回転軸のカップリングに内包される部分に球形状部を有する球形状部材を取り付けた構成、或いは電気的接続をする連結部材を一体に有する球形状部材を取り付けた構成について例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば前記各回転軸と球形状部とを一体に形成したものであっても同様の効果が得られる。
【0050】
また前述した実施形態では、本発明を適用した画像形成装置の一形態として、自動原稿給送装置を備えた複写機を例示したが、これに限定されるものではなく、例えばコンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末や、送受信機能を有するファクシミリ装置等であっても本発明は有効である。
【0051】
また前述した実施形態では、記録方式として電子写真記録方式を用いた例を説明したが、これに限定されるものではなく、他にも熱転写記録方式や感熱記録方式、更にはワイヤードット記録方式等の記録方式、或いはそれ以外の記録方式であっても適用し得る。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、離間距離を大きくできるとともに、カップリングが駆動伝達を行う軸の中心に対して片寄ることが生じることがないため、駆動伝達しているさいの不均一なモーメントが加わることがない。その結果、リタードローラに駆動を伝達する際に発生していた、分離圧の変動を防ぐことができ、安定した給紙を実現することができる。そして、ローラの磨耗状況も圧変動が生じずに偏磨耗しないため、ローラの耐久性を向上させることができる。
【0053】
以上説明したように、本発明によれば、第一回転軸と第二回転軸はそれぞれカップリング内に内包される部分に球形状部を有し、該球形状部の外径は前記回転軸の外径よりも大きく、且つ前記カップリングの内径と略同一径であるため、更に具体的には前記各回転軸のカップリング内に内包される部分に前記球形状部を有する球形状部材を取り付け、該球形状部材をカップリングに対して摺動性が良い部材で形成しているため、回転軸の中心に対してカップリングが片寄ることがなく、回転軸から回転軸への駆動力の伝達が円滑に行える。
【0054】
また前記球形状部材は軸端側に開口部を有し、該開口部又は該開口部内の軸端に前記連結部材を挿入することにより前記回転軸を電気的に連結しているため、例えば回転軸の端部の外径と前記球形状部材の内径に隙間を設け、その隙間に連結部材を挿入させ連結することにより、該連結部材がカップリングの内径部と回転軸の外径部との間に挟まれるため、駆動伝達する際にこじりを生じてしまうことがなく、安定した電気的接続が行える。
【0055】
また前記カップリングは回転軸を結合するための貫通長穴と切欠溝を有し、該切欠溝には抜け止め部が設けてあるため、例えば前記2つの回転軸には伸縮自在な圧縮コイルバネ等の連結部材の反力により組立途中にも離反する力が作用するが、組立性が損なわれることはない。
【0056】
また一方の回転軸のみが結合した状態のカップリングの他方の開口部から連結部材を突出させ、この連結部材の突出した部分をフレームの軸受穴に挿入することで前記カップリングの姿勢を保持するようにしているため、他方の回転軸をカップリングに挿入する際に前記フレームの軸受穴から突出した連結部材を挿入ガイドとして利用することができ、組立性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る駆動伝達装置を用いたシート材給送装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】前記装置におけるカップリング部周辺を示す模式断面図である。
【図3】前記装置におけるリタードローラの分離圧の状態を示す斜視図である。
【図4】第1実施形態に係るカップリング部を示す拡大断面図である。
【図5】組立時のカップリング部周辺の状態を示す拡大断面図である。
【図6】従来のカップリング内に電気的連結部材を設けた拡大断面図である。
【図7】本発明を適用した複写機の概略構成を示す模式断面図である。
【図8】第2実施形態に係るカップリング部を示す拡大断面図である。
【図9】従来のカップリング部周辺を示す模式断面図である。
【図10】従来のカップリング部をを駆動軸側から見た図である。
【図11】カセット引き出し時に生じるシート材の状態を示す模式斜視図である。
【図12】従来の組立時のカップリング部周辺を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
G…原稿
S…シート材
1…複写機本体
2…自動原稿給送装置
3…原稿台ガラス
4…読取手段
5…カセット
6…レジストローラ対
7…画像形成部
8…感光体ドラム
9…転写器
10…定着器
11…排出ローラ対
12…トレイ
13…レーザースキャナ
13a…レーザー発信装置
13b…ポリゴンミラー
13c…反射ミラー
14…帯電手段
15…現像手段
16…クリーニング手段
17…カセット装填部
20…シート材給送装置
21…フィードローラ
21a,22a,29…軸
22…リタードローラ
23…ピックアップローラ
24…ローラホルダー
25…モータ
26…減速ギア
27…ギア
28…ギア
30…カップリング
30a…貫通長穴
30b…切欠溝
30c…抜け止め部
31…トルクリミッタ
32…軸受部材
33…支持部材
34…バネ
35,40…球形状部材
35a,40a…球形状部
35b…開口部
36…隙間
37…連結部材
38…ピン
39…本体フレーム
39a…軸受穴
40b…連結部
Claims (8)
- 第一回転軸と、
第二回転軸と、
前記第一回転軸と前記第二回転軸との間にあり、該2つの回転軸の端部を内包して軸同士を連結し、一方の回転軸の回転駆動力を他方の回転軸へ伝達するためのカップリングと、
前記カップリング内において前記第一回転軸と前記第二回転軸とを電気的に連結するための連結部材と、
を有し、
前記各回転軸はそれぞれカップリング内に内包される部分に球形状部を有し、該球形状部の外径は前記回転軸の外径よりも大きく、且つ前記カップリングの内径と略同一径であることを特徴とする駆動伝達装置。 - 前記各回転軸のカップリング内に内包される部分には前記球形状部を有する球形状部材が取り付けられており、該球形状部材はカップリングに対して摺動性が良い部材で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の駆動伝達装置。
- 前記球形状部材は軸端側に開口部を有し、該開口部又は該開口部内の軸端に前記連結部材を挿入することにより前記回転軸を電気的に連結していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の駆動伝達装置。
- 前記カップリングは、一方の端部に軸方向に垂直な貫通長穴を、他方の端部に端面に開口した切欠溝を有し、該貫通長穴と切欠溝には各回転軸に軸方向に垂直に圧入したピンが貫通しており、更に前記切欠溝はスラスト方向に対してのピンの抜けを防止する抜け止め部を有していることを特徴とする請求項1に記載の駆動伝達装置。
- 一方の回転軸を結合した状態のカップリングの他方の回転軸を挿入する開口部が、該他方の回転軸を支持するためにフレームに設けられた軸受穴の近傍に待機するように前記カップリングの姿勢が保持されるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の駆動伝達装置。
- 前記連結部材は伸縮自在であり、且つ前記カップリング内に一方の回転軸のみが装着された状態において該カップリングから突出しており、該連結部材のカップリングから突出した部分を前記フレームの軸受穴に挿入することにより前記カップリングの姿勢を保持していることを特徴とする請求項5に記載の駆動伝達装置。
- 前記連結部材は圧縮コイルバネであることを特徴とする請求項6に記載の駆動伝達装置。
- シート材を一枚ずつ給送するシート材給送装置において、
シート材の搬送方向に回転する第一回転体と、
前記第一回転体に圧接してシート材の搬送方向及び逆方向に回転可能な第二回転体と、
を有し、
前記第二回転体に駆動力を伝達する駆動伝達手段として、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の駆動伝達装置を用いたことを特徴とするシート材給送装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18052796A JP3715717B2 (ja) | 1996-07-10 | 1996-07-10 | 駆動伝達装置及びシート材給送装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18052796A JP3715717B2 (ja) | 1996-07-10 | 1996-07-10 | 駆動伝達装置及びシート材給送装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1025034A JPH1025034A (ja) | 1998-01-27 |
JP3715717B2 true JP3715717B2 (ja) | 2005-11-16 |
Family
ID=16084830
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18052796A Expired - Fee Related JP3715717B2 (ja) | 1996-07-10 | 1996-07-10 | 駆動伝達装置及びシート材給送装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3715717B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5564447B2 (ja) * | 2011-01-31 | 2014-07-30 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | ジョイント機構、シート給紙装置および画像形成装置 |
JP7071221B2 (ja) | 2018-06-05 | 2022-05-18 | キヤノン株式会社 | シート給送装置及び画像形成装置 |
-
1996
- 1996-07-10 JP JP18052796A patent/JP3715717B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1025034A (ja) | 1998-01-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4174380B2 (ja) | 電子写真感光体ドラム及びプロセスカートリッジ | |
JP5153214B2 (ja) | 画像形成装置の駆動ジョイント機構 | |
CN103823343A (zh) | 动力传递装置、成像设备及将驱动力施加到传输辊的方法 | |
KR100224601B1 (ko) | 복합기의 자동 급지장치 | |
KR101428481B1 (ko) | 인쇄매체이송장치 및 이를 구비하는 화상형성장치 | |
US8028992B2 (en) | Recording sheet transporting apparatus and image forming apparatus | |
JP4564899B2 (ja) | 駆動伝達装置、シート搬送装置および画像形成装置 | |
JPH0859005A (ja) | 給紙分離装置 | |
JP3715717B2 (ja) | 駆動伝達装置及びシート材給送装置 | |
JP3787441B2 (ja) | 電子写真画像形成装置 | |
JP3735473B2 (ja) | シート給送部材および該シート給送部材を有するシート給送装置 | |
US11334015B2 (en) | Sheet conveyance apparatus and image forming apparatus | |
US6050564A (en) | Sheet feeding device | |
JP4273012B2 (ja) | シート給送装置及びこれを備えた画像形成装置並びに画像読取装置 | |
JP3274925B2 (ja) | ロール紙エンド検知装置 | |
US11190657B2 (en) | Document conveying apparatus, image reading apparatus, and image forming apparatus | |
JP3087569B2 (ja) | 給紙装置 | |
US20210229940A1 (en) | Image forming apparatus for driving pickup roller | |
JPH11247880A (ja) | トルクリミッタ及びシート給送装置及び画像処理装置 | |
JP3611922B2 (ja) | 用紙搬送装置 | |
JP2002167067A (ja) | シート重送防止装置 | |
US7343129B2 (en) | Image forming apparatus | |
JP3494996B2 (ja) | 給紙装置およびそれを備えた画像記録装置 | |
US20200270080A1 (en) | Manual sheet feeding device and image forming apparatus | |
JP2020172379A (ja) | ホルダーユニットおよびそれを備えた画像形成装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20041227 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050809 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050826 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090902 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090902 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100902 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110902 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110902 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120902 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120902 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130902 Year of fee payment: 8 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |