JP3714943B1 - ボルト、開口閉塞用具および板状体の取付け方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ボルト1は、ナットをはめ付けるためのねじ部3と、互いに対向する2面2a・2bがねじ部3の軸心と直交していて当該2面間に被取付け部材を圧入できるかみ込み溝2とを有する。排水管5の開口6にかみ込み溝2をかみ込ませることによりボルト1の仮止めをする。ボルト1の挿通口13cを有する蓋13等を、仮止めしたボルト1に通すことによって開口6を塞ぎ、ナット16で締め付ける。こうすることにより、排水管5の外側から開口6を容易に塞ぐことができる。
【選択図】 図1
Description
1) ボルトを管に固定する手段がないため、手でボルトを支持しながら蓋をしたりナットを回したりしなければならない。それだけでもやりにくい作業であるうえに、水漏れを防止できるよう蓋を確実に固定する必要があり、複数のボルトとパッキンとを用いて各ボルトによるパッキンの締め付け力が均一になるよう注意する必要もある。ボルトが不安定な状態でこのような作業を行うことは容易でない。
2) フックの向きが適切でないと蓋を安定して固定させることができないが、パネルの場合とは異なり、管の内側に位置するフックの向きを目視によりチェックすることは不可能である。
3) 上記のように支持するボルト等をもし誤って管内に落とすと、落ちたボルトが排水管の詰まりを引き起こす恐れがある。
ここでいうかみ込み溝は、被取付け部材の縁部(たとえば管や壁にあけた開口の縁、建物の壁や屋根用パネルの取付け枠の縁など)にかみ込ませる部分をいう。
また、かみ込み溝より先端側の端部が上記のような凸状の曲面に形成されたこのボルトによれば、ボルトを被取付け部材に固定したときに、ボルトの先端と被取付け部材との間に極端な段差ができなくなる。たとえば排水管の穴を塞ぐ蓋を固定するためにこのボルトが用いられた場合、排水管の内面とボルトの先端との間には明確な段差がなくなるか、または段差が小さくなる。したがって管内の排水の流れを妨げにくく、かつ排水とともに流れる物が引っ掛かりにくくなる効果がある。また、屋根や壁用のパネルの取り付けなどにこの請求項のボルトが用いられた場合にも、物が引っ掛かりにくい、上記端部の側での外観が良好である、といったメリットがもたらされる。
このようなボルトは、力をかけて押し込んだり軽くたたいたりすることにより、かみ込み溝を被取付け部材の縁部にかみ込ませることができ、たとえばライナ等を用いなくても安定した状態でボルトを被取付け部材に仮止めすることができる。被取付け部材の厚さが事前に知られていない場合には、かみ込み溝の幅が種々の寸法に設定された複数のボルトを用意しておき、試してみたうえで、被取付け部材の厚さに合う溝幅をもつものを採用すればよい。厚さに合う幅のものがない場合には、かみ込み溝の幅がやや大きいボルトを採用し、かみ込み溝と被取付け部材との間に生じる隙間にライナを挿入することによって使用する。
かみ込み溝をこのように形成することにより、被取付け部材とかみ込み溝との隙間にライナを挿入しやすくなるからである。ライナを用いれば、被取付け部材として多数種類の厚さのものがある場合にも、少ない種類の(つまり、かみ込み溝の幅の寸法が異なる僅かの種類の)ボルトを用意しておくだけで、適切な対応が可能になる。この請求項のボルトのようにテーパ面があるなら、ライナの挿入が容易であるほか、ライナの厚さの種類も少なくて足りる。
このような開口閉塞用具を用いれば、管の壁面に設けられた開口を、内部の水などが漏れ出ないように蓋で塞ぐ作業を容易に行うことができる。上記のボルトを開口の縁に仮止めしたうえ、そのボルトに蓋の挿通口を合わせて環状パッキンおよび蓋を取り付け、蓋から外に出る各ボルトにボルト用パッキンとナットとをはめ付けることによって、閉塞作業を完了できるからである。管と蓋、および蓋とナットの間にそれぞれパッキンをはさむので、管の内部を流れる流体が漏れ出ることを防止できる。しかも、再びナットを緩めることによって蓋を外すことも可能なので、同じ開口を清掃作業等のために何度も利用することができる。
なお、管の壁面に設けた開口を容易に塞ぐことができるなら、排水管の内部を清掃する作業は、全体として簡単に、かつ短時間内に行うことが可能になる。
請求項5の開口閉塞用具は、とくに、上記ボルトにおけるかみ込み溝より先端側の端部が、外周縁から中心部に向けて徐々に厚さの増大する凸状の曲面に形成されていることを特徴とする。
このようなボルトを含む開口閉塞用具を使用するなら、管の内面とボルトの先端との間には明確な段差がなくなるか、または段差が小さくなるため、管内の水などの流れを妨げにくく、また流れる物が引っ掛かりにくくなる。
このようなパッキンを用いることにより、管内の流体が蓋の挿通口とねじ部との隙間を通って漏れ出ることを効果的に防止できる。
袋ナットを用いることにより、管の外部においてねじ部が完全に覆われるので、管内の流体が万一ねじ部を伝わってきたとしても、それ以上外部に漏れ出ることが避けられる。
このような蓋を含む閉塞用具を使用すれば、その蓋の内面が管壁の内側面に対して段差のない位置にくるため、管の内側にできがちな凹凸が小さい(または無い)状態となる。したがって、管内を通る流体がスムーズに流れるうえ、その流体中に混入された固形物等が開口付近(蓋等を取り付けた部分)に引っ掛かって詰まること等が防止されることになる。
このような開口閉塞用具を使用すれば、管に開口を設けて管を清掃したのちに、その開口を蓋にて容易に閉塞できるとともに、その開口を利用して元の管に新たに分岐管(または合流管)を接続することが可能である。しかも、そうして接続したのちは、その分岐点(合流点)において、上記のボルトを外すなどして分岐(合流)を解き、管内の清掃等を行うことも容易になる。
1) ナットをはめ付けるためのねじ部を有するとともに、互いに対向する2面がねじ部の軸心と直交していて当該2面間に被取付け部材を圧入できるかみ込み溝が形成されているボルトを、被取付け部材の縁部にかみ込み溝をかみ込ませる(つまり圧入して固定する)ことにより仮止め状態にしたうえ、
2) ボルトの挿通口を有する板状体を、上記ボルトをその挿通口に通すことによって被取付け部材に掛け止めた状態とし、
3) 上記板状体の表面に出たボルトのねじ部にナットをはめて締め付ける
ことを特徴とする。
請求項2に記載のボルトなら、手間をかけずに確実に被取付け部材に仮止めすることができる。
請求項3に記載のボルトなら、かみ込み溝にライナを挿入して使用することが容易であるうえ、用意しておくボルト等の寸法の種類が少なくてよいのでコストを低下できる。
請求項5の開口閉塞用具を使用するなら、管内の水などの流れを妨げにくく、また流れる物が引っ掛かりにくくなる。
請求項6および7に記載の開口閉塞用具なら、とくに良好な密封性が得られる。
請求項8に記載の開口閉塞用具を使用すれば、管内の流体の流れがスムーズになるとともに、その流体中の異物が開口付近に引っ掛かかること等が防止される。
請求項9の開口閉塞用具によれば、開口を容易に閉塞できるとともに、その開口を利用して管に新たに分岐管(または合流管)を接続することが可能である。
まず、図1(a)〜(c)に一実施例としてのボルト1を示す。図2(a)には、開口閉塞用具10を用いて排水管5の壁面の開口6を塞いだ状態を示し、同(b)にそのb−b断面図を示す。また図3には、図2(a)におけるIII−III断面図を示す。
排水管5の側面の開口6の上下に、2個のボルト1のかみ込み溝2をそれぞれかみ込ませることにより、ねじ部3を外側に向けて各ボルト1を仮止めする。かみ込み溝の幅(W)を排水管5の厚さ(T)に一致させているので、上下の各ボルト1は、支持手段がなくても自然には落下することがなくなる。この状態で、環状パッキン12を上下のボルト1の外側に掛け、蓋13の挿通口13cにボルト1のねじ部3を通して開口6に蓋13を当てる。ねじ部3にボルト用パッキン14と座金15をこの順に通し、最後にナット16をはめて締め付ける。
このように、ボルト1を開口6の縁に仮止めできることから、排水管5の外側のみから容易に蓋13を取り付けることができる。蓋13は、ボルト1とナット16とによって固定するので、必要に応じて取り外したうえ開口6を再度利用することも可能である。
図9に示すボルト11は、かみ込み溝22を構成する対向面のうちねじ部3寄りの面22bをテーパ面(外向きに開いた傾斜面)に加工したものである。排水管5の厚さよりもかみ込み溝22の幅が大きい場合、図示のように隙間にライナ38を挿入することが容易である。挿入するライナ38の枚数を適宜に増減させれば、複数の厚さの排水管に対して単一寸法のボルト11を適用することもできる。
そのほか、パイプ状の柱などに平坦な板類を取り付ける際にも、発明のボルトを使用することができる。たとえば図13は、円形断面の中空パイプであるポール5’に、電力計などのメータの固定用パネル13’を取り付けた状態を示している。同図(a)に示すように、パイプ5’の側面2箇所に穴6’をあけておき、図1等に示したボルト1(またはボルト11・21・31)のかみ込み溝をその穴6’の縁部にかみ込ませてそのボルト1をポール5’に仮止めし、そうしたボルト1を利用して(ナット等も同時に使用して)パネル13’を取り付ける(そしてそのパネル13’にメータを固定する)。なお、ポール5’に設ける穴6’は、爪の部分を含めてボルト1を通せるだけの径をもつもので足り、その穴6’にねじを形成するには及ばない。こうしてパネル13’をポール5’に取り付けると、取付け状態が安定するほか、同図(b)のとおりパネル13’やポール5’の後ろ側に何らの突出物も見苦しい物も存在しない。この点は、従来のようにポール5’にバンド19’を巻き付けることによりパネル13’を取り付けていた場合(図13(c))に比べて、外観等の点で大いに好ましい。
2・22・32 かみ込み溝
3 ねじ部
4・34 爪部
5 排水管
6 開口
10・20 開口閉塞用具
12 環状パッキン
13・23・33 蓋
13c・23c 挿通口
14 ボルト用パッキン
15・18 座金
16 ナット
17 座ぐり
36 穴
38 ライナ
41 パネル
Claims (10)
- ナットをはめ付けるためのねじ部を有するとともに、
互いに対向する2面がねじ部の軸心と直交していて当該2面間に被取付け部材を圧入できるかみ込み溝が形成されていること、
および、かみ込み溝より先端側の端部が、外周縁から中心部に向けて徐々に厚さの増大する凸状の曲面に形成されていること
を特徴とするボルト。 - かみ込み溝の幅が、被取付け部材の厚さに一致していることを特徴とする請求項1に記載のボルト。
- ナットをはめ付けるためのねじ部を有するとともに、互いに対向する2面がねじ部の軸心と直交していて当該2面間に被取付け部材を圧入できるかみ込み溝が形成されており、
かみ込み溝における対向する2面の少なくとも一方に、テーパ付きライナを挿入可能なテーパ面が形成されていることを特徴とするボルト。 - 管の壁面に設けられた開口を塞ぐための開口閉塞用具であって、
ナットをはめ付けるためのねじ部を有するとともに、互いに対向する2面がねじ部の軸心と直交していて当該2面間に被取付け部材を圧入できるかみ込み溝が形成されているボルトと、
上記の管に対して同心の曲面を内側に有するとともにボルトの挿通口を有する蓋と、上記開口の周囲において管と蓋との間に装着される環状パッキンと、蓋から外に出るボルトの外周にはめるボルト用パッキンと、ボルトのねじ部にはめ付けるナットと
を有することを特徴とする開口閉塞用具。 - 上記ボルトにおけるかみ込み溝より先端側の端部が、外周縁から中心部に向けて徐々に厚さの増大する凸状の曲面に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の開口閉塞用具。
- 上記のボルト用パッキンが、上記ナットの締結時に上記ボルトのねじ部に密着するものであることを特徴とする請求項4または5に記載の開口閉塞用具。
- 上記のナットが袋ナットであることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の開口閉塞用具。
- 上記の蓋は、上記環状パッキンを介して管に取り付けられたときその蓋の内面が管壁の内側面に対して段差のない位置にくるよう、開口の内側に位置する部分が上記環状パッキンとの接触面を含む部分よりも厚く形成されたものであることを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載の開口閉塞用具。
- 上記の蓋が、ボルトの挿通口のほかにその面を貫通する穴を有し、その穴から外側に管または管用の継ぎ手を有することを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の開口閉塞用具。
- ナットをはめ付けるためのねじ部を有するとともに、互いに対向する2面がねじ部の軸心と直交していて当該2面間に被取付け部材を圧入できるかみ込み溝が形成されているボルトを、被取付け部材の縁部にかみ込み溝をかみ込ませることにより仮止め状態にしたうえ、
ボルトの挿通口を有する板状体を、上記ボルトをその挿通口に通すことによって被取付け部材に掛け止めた状態とし、
上記板状体の表面に出たボルトのねじ部にナットをはめて締め付ける
ことを特徴とする板状体の取付け方法。
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