JP3714723B2 - 文書表示システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は文書表示システムに関し、例えば、リンク付文書(別名ハイパーテキスト)の表示機能を有する、WWW(World Wide Web)ブラウザを搭載しているシステムに適用し得るものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、文書等のテキスト情報の典型的な利用形態として注目を集めているものに「ハイパーテキスト」と称されるものがある。これは、複数のテキスト情報を種々の参照関係を表すリンクによって非線形な形に関連付けたものである。すなわち、文書中の単語(キーワード)からその単語に関連する文書にリンクが張られており、ユーザはその単語を指定することにより関連文書を参照することができる。同様に、その参照文書中の単語からも他の文書へリンクが張られており、このようなリンクを順次たどることにより、ユーザは目的とする文書を得ることができる。
【0003】
以上の技術を基にして、表示入力手段、リンク付文書検索手段、リンク付文書格納手段から構成され、リンク先文書の格納装置が複数のこともあり得るシステムにおいて、リンク付文書を表示したり、検索したりするリンク付文書検索表示システムがある(特開平5−28240号公報参照)。
【0004】
このシステムによれば、利用者が表示入力手段を用いてリンク付文書のリンク先の文書を指定すれば、表示入力手段が接続されているリンク付文書検索手段が計算機ネットワークを介して別の場所のリンク付文書検索手段と通信することによって指定文書を入手し、又は、表示入力手段が接続されているリンク付文書検索手段が、自己に接続されているリンク付文書格納手段からその指定文書を検索し、利用者に表示することができる。
【0005】
一方、市販の辞書や識者により特別監修された辞書等をモデルとして電子化した電子辞書装置が実用化されている。この装置によれば、キーボードやCRTディスプレイ等を使用して入力された語句を検索対象文字として電子辞書から検索し、該検索語句に付随して記憶されている訳語等の説明記述を表示出力することができる。このような電子辞書装置の機能を利用して、原文の近傍に訳語を表示するシステム(特開平6−325081号公報参照)や、機械翻訳装置等で翻訳した訳文の単語の近傍に対応する原文の単語を表示するシステム(特開平6−124302号公報参照)等が既に提案されている。
【0006】
利用者は、上述したリンク付文書検索表示システムと、このような電子辞書装置の機能を利用した単語表示システムとを用いることによって、検索して必要な文書を取り出し、検索文書中のある単語の訳語や該単語の意味を容易に参照することができるようになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、情報処理装置上で実現されることが多い、上述したリンク付文書検索表示システムと、電子辞書装置の機能を利用した単語表示システムとを切り替えて使用することは操作が煩雑となる。
【0008】
そこで、リンク付文書検索表示システムと単語表示システムとを融合したシステムの提供も考えられる。すなわち、検索した文書の表示画面に、例えば「辞書引き」等の入力指示アイコンを表示し、そのアイコンが指示入力されたときに、検索文書中の単語の訳語や該単語の意味を電子辞書から取り出して表示することが考えられる。
【0009】
しかし、このようなシステムも、上記公報記載の単語表示システムを前提としているので、原文(若しくは訳文)の近傍に訳語を表示すると、原文(若しくは訳文)のフォーマットが変わってしまう、という課題が生じる。
【0010】
また、訳語等を表示させる単語を利用者が個別に指定できないという課題が生じる。すなわち、検索した文書に含まれている単語を、その表示画面上で個別に直接指定できず、辞書引きを求める単語の文字列を入力するための入力フィールドを表示して入力しなければならないという課題が生じる。
【0011】
最近においては、インターネット用のハードウェアやソフトウェアの普及により、日本語以外の言語で記述された文書が検索によって得られる機会が多くなりつつある。そのため、文書検索表示システムとして、機械翻訳機能までは搭載していなくても、辞書引き機能の搭載を望まれるようになると考えられる。従って、上述した課題は大きなものである。
【0012】
また、リンク付文書でなくても、表示文書中の単語の訳語を利用者が知得したくなることも多く生じる。さらに、日本語文書であっても、日本人利用者がある単語の意味を知得したい場合も生じる。このような要求に対しても、上記と同様な課題が生じている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の文書表示システムは、(1) 見出し文字列と、その見出し文字列に対する説明用記述とからなる各項目情報を記憶している電子辞書と、(2) 文書を表示させると共に、表示文書の表示形態や表示文書自体を変更させる指示入力を取込む表示入力手段と、(3) 文書を、辞書引きが可能な表示形態へ表示することを上記表示入力手段から指示されたときに、対象文書中の全て又は一部の辞書引き単位の文字列毎に、上記電子辞書の格納情報を上記表示入力手段に与え得ることを表すリンク情報を付与した文書に変換し、上記表示入力手段によって、それら各文字列をそれぞれリンク文書であることを表す態様で表示させる辞書リンク情報付与手段と、(4) リンク文書としての表示態様で表示されている文字列が選択されたことを表すリンク情報が上記表示入力手段から与えられたときに、選択文字列に関する説明用記述を少なくとも上記表示入力手段に与えて表示させる辞書引き手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
これにより、文書を表示した状態から、所定文字列への辞書引きを指令して、その記述内容を表示できるようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(A)第1の実施形態
以下、本発明による文書表示システムをリンク付文書の検索表示システムに適用した第1の実施形態を図面を参照しながら詳述する。
【0016】
第1の実施形態のリンク付文書の検索表示システムは、一般のテキスト文書を表示する場合に、文書中の適当な単語にタグをつけてリンク付文書として表示するものである。言い換えると、普通のテキスト文書を電子辞書へのリンクタグの付いた文書に自動変換することを特徴としたものであり、また、リンク先文書として、電子辞書から必要な情報を抜粋した文書を新たに作成することに特徴を有するものである。
【0017】
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態のリンク付文書の検索表示システムの全体構成を示すブロック図である。図1において、このリンク付文書の検索表示システムは、表示入力手段1、リンク付文書検索手段2、リンク付文書格納手段3、辞書リンクタグ付与手段4、辞書内容抽出手段8、辞書内容文書格納手段9及び電子辞書10からなっている。
【0018】
ここで、複数のリンク付文書をファイルとして格納しているリンク付文書格納手段3をアクセスし得るリンク付文書検索手段2として、図1では1個を示しているが、実際的なシステムとしては、複数のリンク付文書検索システム2が通信回線を介して相互に接続されている。また、リンク付文書検索手段2には1又は2以上の表示入力手段1が接続されている。
【0019】
表示入力手段1は、基本的には、利用者が入力したファイル情報を取り込んで、接続されているリンク付文書検索手段2に渡し、そのリンク付文書検索手段2から与えられたファイル内容を表示するものである。
【0020】
リンク付文書検索手段2は、表示入力手段1からファイル情報(ファイル名だけでなくコマンドのこともあり得る)が与えられると、リンク付文書格納手段3又は後述する辞書内容文書格納手段9からファイル(リンク付文書)を取り出し、そのファイルを表示入力手段1に出力するものである。また、リンク付文書検索手段2は、表示入力手段1からのファイル情報に応じて、後述する辞書リンクタグ付与手段4を立ち上げるものである。さらに、リンク付文書検索手段2は、表示入力手段1からのファイル情報に応じて、後述する辞書リンクタグ付与手段4又は辞書内容文書格納手段9からリンク付けされたファイル等を取り出して表示入力手段1に与えるものである。
【0021】
実際上は、リンク付文書検索手段2及びリンク付文書格納手段3は大容量記憶装置を備えた通信装置を有する同一のワークステーション等の情報処理装置で構成され、表示入力手段1はパーソナルコンピュータ等の情報処理装置で構成され、例えば、オフィス単位等のある程度大きな単位でリンク付文書検索手段2及びリンク付文書格納手段3を構成するワークステーションが設置され、個人単位等で表示入力手段(パーソナルコンピュータ)1が設置されてシステムが構成されていることが多い。
【0022】
なお、上述した表示入力手段1を構成する部分のうちソフトウェア部分は、インターネットにおいてはWWWブラウザと呼ばれており、また、リンク付文書検索手段2を構成する部分のうちソフトウェア部分は、インターネットにおいてはWWWサーバと呼ばれている。
【0023】
以上のような従来のリンク付文書検索表示システムと同様な構成要素に加えて、この第1の実施形態の場合、上述のように、辞書リンクタグ付与手段4、辞書内容抽出手段8、辞書内容文書格納手段9及び電子辞書10が設けられている。
【0024】
辞書リンクタグ付与手段4は、リンク付文書検索手段2からあるファイルに対して辞書リンクタグ付与の指示(コマンド)が出ている場合に、辞書内容抽出手段8に対して、そのファイルにおける各単語の辞書内容の抽出を指示し、辞書内容抽出手段8から抽出内容の格納位置の情報を受け取り、該ファイルに対して新たにリンクタグを付けるものである。
【0025】
辞書内容抽出手段8は、辞書リンクタグ付与手段4から受け取った各単語について、電子辞書10から、その単語の記述の部分(見出し及びその説明用記述)を抽出し、辞書内容文書格納手段9に格納すると共に、辞書リンクタグ付与手段4には格納位置の情報(例えば格納ファイル名)を返送するものである。
【0026】
辞書内容文書格納手段9は、辞書内容抽出手段8によって抽出された辞書内容を文書ファイルとして格納し、リンク付文書検索手段2からの検索に応じるものある。
【0027】
第1の実施形態の電子辞書10は、一般的の電子辞書であって良く、例えば、一般的な電子辞書を1ファイルとしてメモリ又はディスク上に記憶させたものである。電子辞書10のデータ形式は任意であるが、例えば、図2に示す形式を適用することができる。すなわち、「改行の次の行は見出し項目で、その見出し語の記述内容は記号□が現れるまで続く」というように、見出し語やその記述範囲が識別できる形式のものを適用することができる。
【0028】
ここで、辞書リンクタグ付与手段4及び辞書内容文書格納手段9は、リンク付文書検索手段2に接続して設けられており、例えば、リンク付文書検索手段2及びリンク付文書格納手段3を構成するワークステーション上に、又は、このワークステーションに接続した専用装置として実現される。また、電子辞書5及び辞書内容抽出手段8は、同様に、接続関係がある辞書リンクタグ付与手段4及び辞書内容文書格納9を構成するワークステーション上に、又は、このワークステーションに接続した専用装置として実現されていても良いが、多くの情報処理装置が共通の電子辞書5をアクセスできる形式で実現できるように別個の位置の独立したワークステーション上に実現しても良い。
【0029】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態の文書検索表示システムにおける表示入力手段1の動作を、図面を参照しながら説明する。図3は、表示入力手段1の動作の流れを示すフローチャートである。
【0030】
表示入力手段1は、当該手段として立ち上がると図3に示す処理を開始し、初期入力画面を表示させた後(ステップ100)、利用者からの入力を待ち受ける(ステップ101)。
【0031】
図4(A)は初期入力画面の一例を示すものである。初期入力画面は、検索対象のファイル情報を入力させるファイル名フィールドを有している。なお、初期入力画面を含めて全ての表示画面には、ファイルを再転送させることを起動する「再転送」ボタン(正確にはアイコンと呼ぶべきであるが、利用者による選択対象であることを明らかにする点からボタンと呼んでいる)と、ファイルの検索表示を終了させる「終了」ボタンと、リンクに従って参照したファイル(リンク付文書)の系列において現在の参照ファイルから系列の一つ前のファイルに戻ることを指示する「戻り」ボタンと、系列の一つ先のファイルに進むことを指示する「進み」ボタンとが含まれている。
【0032】
初期入力画面又は他の画面を表示している入力待機状態において、入力があると、その入力が「終了」ボタンによるものか否かを判定する(ステップ102)。終了が指示された場合には、表示入力手段1としての動作を終了させる。終了が指示されていない場合には、その入力によって指示されたファイル情報をリンク付文書検索手段2に与え(ステップ103)、そのリンク付文書検索手段2からそのファイル内容を受信して表示する(ステップ104)。そして、ステップ101の入力待機状態に戻る。
【0033】
図4(B)は、図4(A)に示す初期入力画面において、「Corporate Guidance」に係るファイル情報が入力されてリンク付文書検索手段2にそのファイル情報を与え、その返答内容を受信して表示した例を示すものである。図4(B)中の文字列に対するアンダーラインは、その文字列にリンク付けされたファイル(文書)が存在することを示している。図4(B)は、リンク付文書「Corporate Guidance」のリンク先のファイル(文書)として、3種類のファイルがある場合を示している。
【0034】
図4(C)は、図4(B)において、いずれかのリンク付文書(「Global Slogan」)を画面上で選択することにより、リンク付文書検索手段2にそのリンク付文書のファイル情報を与え、その返答内容を受信して表示した例を示すものである。この例の文書には、リンク先のファイル(文書)は存在しない。以降、図4(C)のようにこれ以上のリンク先のファイルを持たない文書(リンクの末端になっている文書)で、かつ、後述する辞書内容文書ではないものを「一般文書」と呼ぶ。実際上の一般文書と、辞書内容文書とは、文書の保持されている場所(パス名)と、文書ファイルとして存在するかコマンドの出力として渡されるかの違い等によっても区別されるようになされている。
【0035】
なお、図4(A)に示す初期入力画面から、ファイル名の入力によっては、図4(C)に示すような一般文書を直接呼ぶことも可能である。
【0036】
また、図4(C)のように一般文書を表示するときには、「辞書引き」ボタンをも表示して、適宜、辞書引き可能モードに入り得ることを示している。図4(D)は、図4(C)において「辞書引き」ボタンが操作されたことにより、リンク付文書検索手段2に辞書リンク付文書(辞書内容文書)のファイル情報を与え、その返答内容を受信して表示した例を示すものである。図4(D)中の各単語に引かれたアンダーラインは、図4(C)の文書中の各単語に文書がリンク付けられ、該文書が一般文書からリンク付文書に変更されたことを示している。また、図4(D)は、「単純検索」ボタンを表示して、「現在は単純検索モードから辞書引き可能モードに入っており、適宜、単純検索モードに戻り得る」ことを示している。
【0037】
ここで、「辞書引き可能モード」とは、表示画面中のアンダーラインが付与された単語を選択することにより、その単語についての電子辞書5の記述内容を取り出すことができる動作を実行し得る検索モードである。一方、「単純検索モード」は、一般的なリンク付文書間のリンク関係に従って検索を行なうモードである。
【0038】
図5は、図4(D)において、ある単語が選択されて(すなわち、その単語にリンク付けられた文書が選択され、リンク付文書検索手段2にそのファイル情報を与えて)その返答内容(辞書の内容)を受信して表示した画面例を示すものである。なお、図5は、指定単語の電子辞書5中での内容だけを表示したものを示しているが、指定単語の前後の単語も合わせて表示するようにしても良いことは勿論である。
【0039】
次に、第1の実施形態の文書検索表示システムにおけるリンク付文書検索手段2の動作の基本的な流れを図面を参照しながら説明する。ここで、図6がリンク付文書検索手段2の動作の基本的な流れを示すフローチャートである。
【0040】
リンク付文書検索手段2は、図6に示す処理を開始すると、表示入力手段1側から与えられた転送情報(ファイル情報やタグ付与コマンド)を取り込み(ステップ200)、その転送情報が辞書引き可能モードに入るためのタグ付与コマンドか否かを判定する(ステップ201)。
【0041】
ここで、指定されたものがタグ付与コマンドでなければ、検索対象の文書のファイル名であるので、その文書ファイルをリンク付文書格納手段3から取り出す(ステップ202)。そして、その文書が一般文書であるか否かを判定する(ステップ204)。この判定により、取り出された文書が一般文書でないという結果を得ると、その文書はリンク付文書であるので、当該文書を表示入力手段1側に向けて返信(出力)して(ステップ206)、一連の処理を終了する。これに対して、取り出した文書が一般文書であると判定された場合には、当該一般文書に「辞書引き」ボタン(図4(C)右上部参照)を表示に付与できるように文書を変更した後(ステップ205)、当該文書を表示入力手段1側に向けて返信(出力)して(ステップ206)、一連の処理を終了する。
【0042】
「辞書引き」ボタンを表示に付与できるようにする文書変更方法としては、様々な方法が考えられ、実現できるものであればいずれの方法によっても良い。図7に示すように、当該文書21の先頭に一行22を追加する方法を一例として挙げることができる。この例の変更方法は、「辞書引き」ボタンの表示をリンク文書と同様に行ない、このボタン(擬似リンク文書)が選択されたときにリンク文書にジャンプする代わりにコマンド(タグ付与コマンド)を実行することにより、「辞書引き」の選択入力を取り込めるようになっている。なお、図7中の「“/cgi−bin/into the dic”」は実行可能なコマンド名である。図4(C)に示す表示形式以外で「辞書引き」ボタンを表示しても良いことは勿論である。例えば、表示入力手段1の機能として、現在のモードを認識して「再転送ボタン」や「終了ボタン」の横にモード変更ボタン(「辞書引き」ボタン)を付与する方法をとっても良い。
【0043】
なお、この明細書においては、タグ付文書データの具体例の記載は、HTML(Hypertext Markup Language )に準拠して行なっている。
【0044】
上述したステップ201の判定により、タグ付与コマンドが表示入力手段1から与えられたと認識した場合には、すなわち、ステップ205で変更された文書に付与された「辞書引き」可能モードボタンが選択された場合には、タグ付与コマンドを起動する(ステップ203)。このコマンドの起動によって、辞書リンクタグ付与手段4が後述する図9に一連の動作を実行する。
【0045】
その後、タグ付与コマンドの処理結果の出力文書に「単純検索」ボタン(図4(D)右上部参照)を表示に付加するように文書を変更した後(ステップ207)、当該文書を表示入力手段1側に向けて返信(出力)して(ステップ206)、一連の処理を終了する。
【0046】
ここで、タグ付与コマンドの処理結果の出力文書に「単純検索」ボタンを表示に付加するように文書を変更する方法として様々な方法が考えられるが、この実施形態では、図8に示すように当該文書31の先頭に一行32を追加する方法を採用したとする。すなわち、「単純検索」ボタンが選択されたときに、辞書引き可能モードに入る前の文書(「辞書引き」ボタンの付与された文書;図4(C)参照)にジャンプして戻るように文書を変換する方法を採用しているとする。図8中の「“slogan”」はタグ付与コマンドが起動される直前に表示されていた元々のファイル名であるとする。なお、図4(D)に示す表示形式以外で「単純検索」ボタンを表示しても良いことは勿論である。例えば、表示入力手段1の機能として、現在のモードを認識して「再転送ボタン」や「終了ボタン」の横にモード変更ボタン(「単純検索」ボタン)を付与する方法をとっても良い。
【0047】
次に、第1の実施形態の文書検索表示システムにおける辞書リンクタグ付与手段4の動作の流れを図面を参照しながら説明する。ここで、図9が辞書リンクタグ付与手段4の動作の流れを示すフローチャートである。辞書リンクタグ付与手段4は、上述したように、リンク付文書検索手段2が表示入力手段1からタグ付与コマンドを受信したときに起動され(ステップ203)、これにより、以下の動作を実行する。
【0048】
辞書リンクタグ付与手段4は、リンク付文書検索手段2から起動されると、図9に示す処理を開始し、表示入力手段1からのファイル情報に含まれている指定されたファイル(テキストデータ)を取得する(ステップ300)。次に、辞書リンクタグ付与済み文書となるべき結果ファイル(の領域)を、テンポラリ領域に作成する(ステップ301)。
【0049】
そして、ステップ300で転送された元ファイルの文章部分を、形態素解析等の手法で単語に分割する(ステップ302)。この単語への分割時には、原形(辞書引きのための語形)でない単語を原形に変換する。
【0050】
例えば、図4(C)に示す元ファイルの文章中に「storehouses」という複数形が存在するが、辞書引きの見出し語の設定は「storehouse」という単数形で行ないたいので、「storehouses」(複数形)から「storehouse」(単数形)への変換を行なう。以降、「storehouses」のように、文章に出現したままの形を「出現形」と呼び、「storehouse」のような辞書引きのための語形を上述したように「原形」と呼ぶ。動詞の活用形等も出現形なので原形に変換する。
【0051】
その後、リンク付け未処理の単語が存在しなくなるまで、リンク付け処理ループを実行する(ステップ303〜306)。なお、全ての単語に対してリンク付け処理ループによる処理が終了したときには(ステップ303で否定結果)、リンク付文書検索手段2に結果ファイルを出力して(ステップ307)、一連の処理を終了する。
【0052】
ステップ303において未処理の単語が存在するという結果を得た場合には、辞書内容抽出手段8に指示を出して辞書内容を抽出させ、それを文書ファイルにして辞書内容文書格納手段9に格納させる(ステップ304)。この処理については、後で詳細に説明する。このステップ304の処理は、各単語について繰り返し行なわれるので、辞書リンクタグ付けが完了した時点では、その文書中の単語の辞書内容は全て辞書内容文書格納手段9に辞書内容文書(リンク先の文書)として格納されていることになる。
【0053】
このステップ304による抽出が現在対象となっている単語について終了すると、格納された辞書内容文書をリンク先文書とするように、対象単語にリンクタグを付与し(ステップ305)、結果ファイルへ書き込んで(ステップ306)、上述したステップ303に戻る。
【0054】
このような各単語に対するリンク先を表すタグの付与処理によって付与されるタグは、図10に示すようになる。なお、図10は、例えば図4(C)の文書を元ファイルとする結果ファイルの一部を示したものである。図10中の「<A HREF=“/dic/keep/storehouse”>」や「</A>」が一対のタグになっており、この一対のタグにはさまれた部分「storehouses」が、「/dic/keep/」という辞書内容文書格納場所の「storehouse」というファイルにリンクされていることを示している。
【0055】
なお、図4(C)の文書を元ファイルとした場合の結果ファイルを表示した図4(D)に示すように、表示入力手段1において表示される場合には、例えば、この一対のタグは、一対のタグがはさむ単語のアンダーラインとして表示され、リンク先が存在することを示すものとなる。
【0056】
ここで、元ファイルの文章中では「storehouses」という複数形になっているが、辞書引きの見出し語の設定は「storehouse」という単数形で行ない、結果ファイルに書き込むときには「storehouses」(複数形)にリンク先として「storehouse」(単数形)を付与する。このように処理を行なって結果ファイルを作成すると、この結果ファイルは、表示入力手段1では図4(D)のように表示される。
【0057】
次に、辞書内容抽出手段8が、辞書リンクタグ付与手段4の起動により実行する図9のステップ304の動作について、図11のフローチャートを参照しながら以下に説明する。
【0058】
まず、与えられた単語についての辞書内容文書が、辞書内容文書格納手段9に既に格納されているか否か(言い換えると新たな抽出を必要とするか否か)を判定する(ステップ500)。例えば、辞書内容文書のファイル名を単語名と同一にしておき、そのファイル名を探索することで辞書内容文書格納手段9に既に格納されているか否かを判定することができる。
【0059】
以前に辞書引きを行なったことがある単語であったために、辞書内容文書格納手段9に既に格納されていた場合は、当該の辞書内容文書ファイル名を辞書リンクタグ付与手段4に渡して(ステップ503)、一連の処理を終了する。
【0060】
ステップ500において、辞書内容文書格納手段9に未だ格納されていないと判定された場合には、電子辞書10に当該単語を見出しとする項目があるか否かを、辞書引きを行なうことにより判定する(ステップ501)。
【0061】
電子辞書10に当該単語を見出しとする項目があった場合には、すなわち、当該単語が未知語ではなかった場合には、当該単語をファイル名とする辞書内容文書ファイルを作成し、電子辞書10から当該単語の記述部分を抽出してそのファイルに書き込み、辞書内容文書格納手段9に格納する(ステップ502)。その後、当該の辞書内容文書ファイル名を辞書リンクタグ付与手段4に渡して(ステップ503)、一連の処理を終了する。
【0062】
上述した図2に示すように、電子辞書10のデータ形式が、「改行の次の行は見出し項目で、その見出し語の記述内容は記号□が現れるまで続く」というように、見出し語やその記述範囲が識別できる形式になっていることにより、上述したステップ501での辞書引きが可能となっている。
【0063】
ステップ501の判定により、電子辞書10に当該単語を見出しとする項目がないことを認識すると、すなわち、当該単語が未知語であると、未知語用辞書内容文書ファイルが、辞書内容文書格納手段9に既に格納されているか否かを判定する(ステップ504)。例えば、未知語用辞書内容文書ファイルのファイル名を、例えば「unknown words」等と予め決めておき、そのファイル名を探索することで判定することとする。
【0064】
未知語用辞書内容文書ファイルが、辞書内容文書格納手段9に既に格納されていた場合には、未知語用辞書内容文書ファイル名を辞書リンクタグ付与手段4に渡して(ステップ503)、一連の処理を終了する。
【0065】
未知語用辞書内容文書ファイルが、辞書内容文書格納手段9に未だ格納されていなかった場合には、例えば「その単語は辞書にありません。」という文を中身としたファイルを未知語用辞書内容文書ファイルとして作成し、予め決められた(「unknown words」といった)未知語用辞書内容文書ファイル名で辞書内容文書格納手段9に格納する(ステップ505)。その後、未知語用辞書内容文書ファイル名を辞書リンクタグ付与手段4に渡して(ステップ503)、一連の処理を終了する。
【0066】
ところで、未知語に関する処理方法としては、2種類考えられる。
【0067】
1.未知語用辞書内容文書ファイルを作成する方法
上述した図11における処理で採用した未知語用辞書内容文書ファイルを作成する方法(ステップ505参照)である。例えば、図4(C)に示す文書が元ファイルの場合において、「vast」という単語(文字列)が未知語であるときには、結果ファイルは図12(A)のように記述される。この未知語「vast」がリンク先として選択された場合には、表示入力手段1での表示画面は、図12(B)に示すように、未知語であることを明らかとするメッセージ「その単語は辞書にありません。」を含むものとなる。
【0068】
2.未知語には辞書リンクタグ付けをしない方法
未知語に関する第2の処理方法は、未知語には辞書リンクタグ付けをしない方法であり、これにより、未知語をリンク先として利用者が選択することはできない。例えば、図4(C)に示す文書が元ファイルの場合において、「vast」という単語(文字列)が未知語であるときには、結果ファイルは図13(A)のように記述される。この結果ファイルが、表示入力手段1によって表示されたときには、図13(B)に示すように、「vast」の部分だけリンクの存在を示すアンダーラインがない状態が表示される。すなわち、「vast」を選択することはできない状態で表示される。
【0069】
第1の方法は、上述した図9のフローチャートに示す辞書リンクタグ付与手段4の動作の流れ、及び、上述した図11のフローチャートに示す辞書内容抽出手段8の動作の流れで採用されていた。そこで、以下では、未知語には辞書リンクタグ付けをしない第2の方法を採用した場合の辞書リンクタグ付与手段4の動作及び辞書内容抽出手段8の動作を簡単に説明する。なお、第1の未知語処理方法に代えて、第2の未知語処理方法を採用したシステム自体、第1の実施形態とは異なる実施形態となっている。
【0070】
ここで、第2の未知語処理方法を採用した場合における辞書リンクタグ付与手段4の動作フローチャートを図14(図9に置き換わる図面)に示すと共に、辞書内容抽出手段8の動作フローチャートを図15(図11に置き換わる図面)に示す。
【0071】
図14のフローチャートにおいて、図9のフローチャートと異なるのは、辞書内容抽出・格納処理ステップ(ステップ304)と、辞書内容文書へのリンク付け処理ステップ(ステップ305)との間に、未知語フラグがたっているか否かを判定するステップ308を設けたことである。
【0072】
このステップ308において、未知語フラグがたっていないと判定された場合には、すなわち、未知語ではなかった場合には、辞書内容文書へのリンク付けを行ない(ステップ305)、結果ファイルに書き込み(ステップ306)、ステップ303に戻る。これに対して、ステップ308において、未知語フラグがたっていると判定された場合には、すなわち、未知語であった場合には、辞書内容文書へのリンク付けを行なわず(ステップ305を飛ばして)、結果ファイルには単語のみをタグなしで書き込み(ステップ306;図13(A)参照)、ステップ303に戻る。この場合の表示画面は、上述のように図13(B)に示すようなものになる。
【0073】
辞書内容抽出手段8の動作に係る図15のフローチャートにおいて、上述した図11のフローチャートと異なるのは、辞書引きを行なって未知語か否か判定し(ステップ501)、未知語であると判定された場合の処理の部分である。すなわち、ステップ501で未知語であると判定された場合には、未知語フラグをたてる(ステップ506)だけで、辞書内容文書ファイル名を渡すこともなく、処理を終了する。
【0074】
次に、以上の処理を実行する各部よりなる第1の実施形態の文書検索表示システムの動作を、上述した図4、図5、図12に示す表示画面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下の説明は、英文ファイルに対する英日辞書引きを対象として行なっている。また、未知語に対する特殊処理方法が、未知語用辞書内容文書ファイルを作成する方法であるとして説明を行なう。
【0075】
例えば、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置が、この実施形態に係るリンク付文書検索表示システムの表示入力手段1として立ち上げられると、接続しているリンク付文書検索手段2に初期入力画面を規定する情報「start」を送り、図4(A)に示す初期入力画面の内容を取り込んで表示させる。
【0076】
図4(A)に示す初期入力画面が表示されているときに、利用者がファイル情報「guidance」を入力してエンターキーを押下したとする。ここで、「guidance」はリンク付文書「Corporate guidance」のファイルを規定しているファイル名とする。
【0077】
このとき、リンク付文書検索手段2は上記のファイル情報の入力を受けて(ステップ200)、その情報がリンク付文書を指していることからタグ付与コマンドではないと判定し(ステップ201)、その文書を取り出して(ステップ202)、一般文書ではないと判定し(ステップ204)、表示が図4(B)に示すようになるリンク付文書を表示入力手段1に出力する(ステップ206)。
【0078】
リンク付文書「Corporate guidance」は、3個のリンク付文書をリンク先文書として有し、これらのリンク先のリンク付文書をそれぞれ指定する「message」、「slogan」、「glance」をタグの一情報として有しているとする。
【0079】
図4(B)に示す画面が表示されているときに、利用者がリンク付文書「Global Slogan」を示す文字列をマウス等で選択すると、リンク付文書検索手段2はファイル情報「slogan」を受け取り(ステップ200)、これもタグ付与コマンドではないと判定し(ステップ201)、その文書を取り出す(ステップ202)。ここで、利用者が選択したリンク先文書「GlobalSlogan」は一般文書であるとすると、ステップ204で一般文書であると判定され、「辞書引き」ボタンを付与され(ステップ205)、表示が上述した図4(C)に示すようになる一般文書を表示入力手段1に出力する(ステップ206)。
【0080】
「辞書引き」ボタンは、リンク先文書の代わりに「辞書引き」可能モードに入るためのタグ付与コマンド「/cgi−bin/into the dic」をファイル情報として有しているとする。
【0081】
図4(C)に示す画面が表示されているときに、利用者が「辞書引き」ボタンをマウス等で選択すると、リンク付文書検索手段2はファイル情報(タグ付与コマンド)「/cgi−bin/into the dic」を受け取り(ステップ200)、タグ付与コマンドであると判定し(ステップ201)、辞書リンクタグ付与手段4に対してタグ付与コマンドを起動する(ステップ203)。
【0082】
タグ付与コマンドが起動されると、辞書リンクタグ付与手段4は一般文書ファイル「slogan」をリンク付文書検索手段2から転送させ(ステップ300)、結果ファイル(の格納領域)を(テンポラリ領域に)作成し(ステップ301)、文書ファイル「slogan」中の文章を各単語に分割して(ステップ302)、先頭から未処理単語があるか否かを判定する(ステップ303)。先頭単語は「we」であって未処理なので、辞書内容抽出・格納ルーチンに入る(ステップ304)。
【0083】
辞書内容抽出・格納ルーチン内では、「we」についての辞書内容文書が辞書内容文書格納手段9にあるか否かを判定する(ステップ500)。例えば、辞書内容文書格納場所は「“/dic/keep”」であるとし、「we」についての辞書内容文書ファイル名は常に「we」であると設定されているとする。辞書内容文書格納場所を探索してファイル「we」が存在しなかった場合、ステップ501に進むことになる。
【0084】
そこで、辞書引きをするが、「we」が電子辞書10にあったとすると(ステップ501)、電子辞書10から「we」の記述部分を抽出し、辞書内容文書格納手段9にファイル名「we」として格納する(ステップ502)。その後、格納場所も含めた辞書内容文書ファイル名として、「/dic/keep/we」を辞書リンクタグ付与手段4に渡して(ステップ503)、このルーチンを終了する。
【0085】
辞書リンクタグ付与手段4は、渡されたファイル名を用いて、図10の1行目のようにタグで挟み込んで(ステップ305)、結果ファイルに書き込む(ステップ306)。
【0086】
続く単語「draw」や「on」も、電子辞書10に存在し(存在したとする)同じルーチンをたどって同様に処理される。
【0087】
次の単語「vast」が電子辞書10に存在しないとする。このときには、ステップ501からステップ504に進み、未知語用辞書内容文書ファイル「/dic/keep/unknown words」が存在するか否かを調べる。ここで、未知語が初めて出現したとすると、未知語用辞書内容文書ファイルは格納されていないので、ステップ505に進み、未知語用辞書内容文書ファイル「/dic/keep/unknown words」を作成して格納し(中身は「その単語は辞書にありません。」という一文)、ファイル名として、「/dic/keep/unknown words」を辞書リンクタグ付与手段4に渡して(ステップ503)、このルーチンを終了する。
【0088】
なお、以降に出現する未知語に対しては、辞書内容文書格納手段9の内部がクリアされなければ、「vast」の際に作成した未知語用辞書内容文書ファイルを参照することができる(ステップ504で「格納済み」であると判定できる)ので、その場合は、未知語用辞書内容文書ファイル名「/dic/keep/unknown words」を辞書リンクタグ付与手段4に直ちに渡して(ステップ503)、このルーチンを終了する。
【0089】
ステップ303〜306でなる処理ループが繰返され、全ての単語に対するリンクタグの付与処理が終了すると、ステップ303で未処理単語はもう存在しないと判定され、辞書リンクタグ付与手段4は、タグ付けされた結果ファイルをタグ付与コマンドに対する応答出力としてリンク付文書検索手段2に返送する(ステップ307)。
【0090】
次に、リンク付文書検索手段2によって、タグ付与コマンドの出力文書に「単純検索」ボタンを付与され(ステップ207)、それはさらに表示入力手段1に送られて、図4(D)のように表示される。
【0091】
図4(D)に示すように表示される「単純検索」ボタンは、リンク先文書として、「slogan」をファイル情報として有しているとする。
【0092】
図4(D)に示す画面が表示されているときに、例えば「storehouses」という単語を利用者がマウス等で選択すると、その単語には辞書内容文書格納手段9に格納されている「storehouse」の辞書内容文書ファイルをリンク先とするタグ情報が付けられているので、図5に示す画面が表示されることになる。これに対して、図4(D)に示す画面が表示されているときに、例えば「vast」という単語を利用者がマウス等で選択すると、その単語には辞書内容文書格納手段9に格納されている未知語用辞書内容文書をリンク先とするタグ情報が付けられているので、図12(B)に示す画面が表示されることになる。
【0093】
なお、図5又は図12(B)の表示画面から図4(D)の画面に戻りたいときは戻りボタンを選択すれば良い。
【0094】
図4(D)に示す画面が表示されているときに、「単純検索」ボタンを利用者がマウス等で選択すると、リンク先文書として「slogan」のファイルを示しているので、ステップ200−201−202−204−205−206をたどって、図4(C)の画面を表示することになる。
【0095】
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態の文書検索表示システムによれば、一般文書に対して、リンク付文書の形式を利用して電子辞書へのリンクタグを付与する手段を設けたので、元々の文書のフォーマットを変更することなく訳語を参照することができるようになる。
【0096】
また、第1の実施形態によれば、利用者は訳語表示を希望する単語を文書表示状態から直接的に個別に指定でき、それに応じて、システムが個別の単語の訳語表示を実行することができる。すなわち、全ての単語の訳語を原文に併記しても、利用者が既に知得している訳語に対しては過剰サービスとなっており、そのために多くの処理が割かれているならば無駄であるということができる。また、個別表示では、1単語に対して多くの情報を表示することができるが、全ての単語に訳語を表示する場合は、各単語について最低限の訳語情報しか表示できず、この点で、個別表示の有用性が高いということができる。また、個別指定を入力フィールドを表示して文字入力させて取込む方法に比べれば操作性が良好である。
【0097】
さらに、第1の実施形態によれば、電子辞書を1ファイルとして用意したので、一旦情報処理装置上のメモリに読み込んでしまえば参照時にはポインタを移動するだけで良く、高速アクセスを実現できる。
【0098】
さらにまた、第1の実施形態によれば、一般文書に電子辞書に記述されていない未知語が存在する場合であっても、リンクタグの付与動作が悪影響を受けることはない。
【0099】
この場合において、上述した第2の未知語用特殊処理方法を適用した場合には、辞書に意味が載っていない単語をわざわざ参照してしまうことがないので、利用者にとっての使い勝手が良い。一方、上述した第1の未知語用特殊処理方法を適用した場合には、未知語である旨が表示され、この点で、利用者にとっての使い勝手は良い。
【0100】
上記実施形態においては、単語に辞書リンクタグを付与するようにしているが、そのために電子辞書を新たなデータ形式で作成しておく必要はなく、既存の電子辞書をそのまま適用することができる。
【0101】
また、電子辞書の参照にあたっては、辞書全体を読み込んで対象単語の周囲も含めて対象単語の位置を表示するという方法と、第1の実施形態のように辞書の一部分のみを抽出して表示するという方法があるが、第1の実施形態の方法によれば、以下の効果を奏する。
【0102】
第1の実施形態のシステムでは、無関係な辞書内容部分は表示されないので、辞書全体を読み込む方法よりも参照しやすい、という利点がある。また、ハードウェアに十分にメモリやキャッシュが備えられていないときには、電子辞書全体を情報処理装置上のメモリやキャッシュに読み込むことができないことがあるが、上記実施形態の文書表示検索システムでは、メモリやキャッシュに持つのは必要な単語の部分だけで良く、メモリやキャッシュの容量が少なくても高速に動作することができる。
【0103】
(B)第2の実施形態
次に、本発明による文書表示システムをリンク付文書の検索表示システムに適用した第2の実施形態を図面を参照しながら詳述する。
【0104】
第1の実施形態は、辞書リンクタグ付与手段4が辞書内容を取出せるように単語に付与するリンクタグが、既に電子辞書から取出されて辞書内容文書格納手段に格納された情報に付与されたファイル名であった。この第2の実施形態は、辞書リンクタグ付与手段4が辞書内容を取出せるように単語に付与するリンクタグを、辞書抽出コマンドとし、ある単語の辞書引きが指令されたときに、辞書抽出コマンドを発行してその時点で電子辞書から所定情報を抽出するようにしており、この点で第1の実施形態とは異なっている。
【0105】
(B−1)第2の実施形態の構成
図16は、第2の実施形態のリンク付文書の検索表示システムの全体構成を示すブロック図である。この図16において、上述した第1の実施形態に係る図1の同一、対応部分には同一符号を付して示している。
【0106】
図16において、第2の実施形態のリンク付文書の検索表示システムは、表示入力手段1、リンク付文書検索手段2、リンク付文書格納手段3、辞書リンクタグ付与手段4、辞書内容抽出手段8及び電子辞書10からなっており、辞書内容文書格納手段9が設けられていない点が第1の実施形態と異なっている。
【0107】
表示入力手段1、リンク付文書格納手段3及び電子辞書10の機能は、第1の実施形態と同一であるので、その説明は省略する。
【0108】
リンク付文書検索手段2は、表示入力手段1からのファイルの情報に応じて、リンク付文書格納手段3の文書(ファイル)を検索し、得た検索ファイルを直ちに表示入力手段1に与えるものである。また、リンク付文書検索手段2は、表示入力手段1からのファイルの情報に応じて、辞書リンクタグ付与手段4又は辞書内容抽出手段8を立ち上げるものである。さらに、リンク付文書検索手段2は、表示入力手段1からのファイル情報に応じて、辞書リンクタグ付与手段4からリンク付けされたファイル等を受け取って表示入力手段1に与えるものである。
【0109】
辞書リンクタグ付与手段4は、リンク付文書検索手段2からあるファイルに対して辞書リンクタグ付与の指示が出ている場合に、該ファイルに対して新たにリンクタグ(この実施形態では後述するように辞書内容抽出コマンドが該当する)を付けるものである。
【0110】
辞書内容抽出手段8は、リンク付文書検索手段2から辞書内容抽出コマンド起動の指示が出ている場合に、指定された単語の記述部分を電子辞書10から抽出し、リンク付文書検索手段2に出力するものである。
【0111】
(B−2)第2の実施形態の動作
表示入力手段1の動作は、第1の実施形態の動作と同一であるので、以下では、リンク付文書検索手段2、辞書リンクタグ付与手段4及び辞書内容抽出手段8の動作を、この順で説明していく。
【0112】
ここで、図17が、第2の実施形態のリンク付文書検索手段2の基本的な動作の流れを示すフローチャートである。
【0113】
リンク付文書検索手段2は、図17に示す処理を開始すると、表示入力手段1側から与えられたファイル情報を取り込み(ステップ200)、その指定がコマンドか否か(否定は文書を意味する)を判定する(ステップ208)。
【0114】
ここで、指定されたものがコマンドでなければ、指定されたものは文書であるので、以降の処理は、第1の実施形態と同様に、ステップ202−204−206を経て終了するか、若しくは、ステップ202−204−205−206を経て終了する。
【0115】
すなわち、その文書(ファイル)をリンク付文書格納手段3から取り出し、その文書が一般文書であるか否かを判定し、一般文書でない場合には、その文書はリンク付文書であるので、当該文書を表示入力手段1側に向けて返信(出力)し、これに対して、取り出した文書が一般文書であると、当該一般文書に「辞書引き」可能モードボタンを付与して表示できるように文書を変更して表示入力手段1側に向けて返信(出力)し、一連の処理を終了する。
【0116】
上記ステップ208の判定により、指定が、文書を指しているのではなくコマンドを示していることを認識すると、その指定が辞書引き可能モードに入るためのタグ付与コマンドか否かを判定する(ステップ201)。なお、第2の実施形態の場合、コマンドとして、タグ付与コマンドと辞書内容抽出コマンドとの2種類があり、この判定ステップ201は、これら2種類のコマンドを弁別させるものである。
【0117】
指定されたコマンドがタグ付与コマンドであると、以降の処理は、第1の実施形態と同様に、ステップ203−207−206を経て終了する流れとなる。すなわち、タグ付与コマンドを起動して辞書リンクタグ付与手段4に後述する図18に示す一連の動作を実行させ、その後、タグ付与コマンドの処理結果の出力文書に「単純検索」ボタンを表示に付加させるように文書を変更し、当該文書を表示入力手段1側に向けて返信(出力)して一連の処理を終了する。
【0118】
上述したステップ201で、このコマンドがタグ付与コマンドではないと判定された場合、言い換えると、辞書内容抽出コマンドであると認識した場合には、辞書内容抽出コマンドを起動して(ステップ209)、辞書内容抽出手段8に後述する図20に示す処理を実行させ、その後、辞書内容抽出コマンドの出力結果を出力としてリンク付文書検索手段2に渡し(ステップ206)、一連の処理を終了する。
【0119】
なお、後述するように、ステップ203で表すルーチン内のステップ309(図18)の動作において、各単語にリンクタグとして辞書内容抽出コマンドを付与するので、そのリンク(単語)を選択した場合に、ステップ209で表すルーチンを通ることになる。
【0120】
次に、第2の実施形態の辞書リンクタグ付与手段4の動作を、図18に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0121】
辞書リンクタグ付与手段4は、リンク付文書検索手段2から起動されると、一連の処理を開始し、指定された元ファイル(テキストデータ)を取得し(ステップ300)、結果ファイル(の領域)を、テンポラリ領域に作成し(ステップ301)、元ファイルの文章部分を、形態素解析等の手法で単語に分割し(ステップ302)、全ての単語について所定の処理を実行したかを確認し(ステップ303)、全ての単語について処理が実行された場合に、リンク付文書検索手段2に結果ファイルを出力して(ステップ307)、一連の処理を終了する。
【0122】
以上のような全体の流れは、第1の実施形態と同様であるが、第2の実施形態の辞書リンクタグ付与手段4が、各単語について実行する所定の処理が第1の実施形態と異なっている。
【0123】
ステップ303の判別により、未処理単語が存在することを認識すると、対象単語を引数とする辞書内容抽出コマンドをリンク先とするように、対象単語にリンクタグを付与する(ステップ309)。その後、結果ファイルへ書き込んで(ステップ306)、未処理単語の存在確認ステップ303に戻る。
【0124】
図19には、ステップ309による辞書リンクタグ付け処理結果の一例を示している。図19中の「<A HREF=“/cgi−bin/pick dic?storehouse”>」や「</A>」が一対のタグになっており、一対のタグにはさまれた部分(この例では「storehouse」)が、ここでは「/cgi−bin/pick dic」という実行可能な辞書内容抽出コマンドに、引数として「storehouse」を渡して起動するように、リンクされていることを示している。
【0125】
次に、第2の実施形態の辞書内容抽出手段8の動作を、図20に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0126】
辞書内容抽出手段8は、リンク付文書検索手段2からの辞書内容抽出コマンドで起動されて、一連の処理を開始し、コマンドの引数として渡された単語を見出しとする項目が電子辞書10にあるか否かを、辞書引きを行なって判定する(ステップ501)。
【0127】
そして、電子辞書10に当該単語を見出しとする項目があった場合には、すなわち、当該単語が未知語ではなかった場合には、電子辞書10から当該単語の記述部分を抽出して(ステップ509)、抽出した内容をリンク付文書検索手段2に出力して(ステップ508)、一連の処理を終了する(テンポラリとして一旦ファイルの形式にしても良い)。
【0128】
一方、ステップ501の判定により、電子辞書10に当該単語を見出しとする項目がなかったことを認識した場合には、すなわち、当該単語が未知語であった場合には、未知語用メッセージを作成する(ステップ507)。例えば、テンプレートとして、「〜は辞書にありません。」等の文を用意しておき、「〜」の部分に引数の単語名を入れることで未知語用メッセージを作成する。その後、そのメッセージ文をリンク付文書検索手段2に出力して(ステップ508)、一連の処理を終了する。
【0129】
(B−3)第2の実施形態の効果
上記第2の実施形態においても、第1の実施形態と基本的な技術的思想を同じにしているので、第1の実施形態と同様な効果な効果を奏することができる。これに加えて、第2の実施形態は、以下の効果を奏することができる。
【0130】
第2の実施形態の文書検索表示システムは、第1の実施形態と比較した場合に、リンクタグ付け時に辞書引き(辞書内容抽出)をしないという相違があるので、第1の実施形態に比較して、リンクタグ付け処理を高速にでき、辞書リンクタグ付文書の表示が速くなることを期待できる。
【0131】
逆に、第2の実施形態の文書検索表示システムは、それぞれの単語を参照するたびにコマンドを起動して辞書内容を抽出するので、第1の実施形態に比較して、単語参照時に処理が遅くなる可能性がある。また、第1の実施形態のシステムにおいて、辞書内容文書格納領域を大きくとれる場合には、単語参照時での処理が第2の実施形態のシステムよりさらに高速になる。
【0132】
以上のように、第1及び第2の実施形態のシステムは、実際上どのようなシステムを構成するかの観点によっては、共に有用なものである。
【0133】
(C)第3の実施形態
次に、本発明による文書表示システムをリンク付文書の検索表示システムに適用した第3の実施形態を図面を参照しながら詳述する。
【0134】
この第3の実施形態は、第1の実施形態における「辞書リンクタグ付与手段4が辞書内容を取出せるように単語に付与するリンクタグを、既に電子辞書から取出されて辞書内容文書格納手段に格納された情報に付与されたファイル名とする」という考え方と、第2の実施形態における「辞書リンクタグ付与手段4が辞書内容を取出せるように単語に付与するリンクタグを、ある単語の辞書引きが指令されたときに発行する辞書抽出コマンドとする」という考え方とを混合したものである。
【0135】
(C−1)第3の実施形態の構成
図21は、第3の実施形態のリンク付文書の検索表示システムの全体構成を示すブロック図である。この図21において、上述した第1の実施形態に係る図1の同一、対応部分には同一符号を付して示している。
【0136】
図21に示すように、第3の実施形態のリンク付文書の検索表示システムも、第1の実施形態と同様に、表示入力手段1、リンク付文書検索手段2、リンク付文書格納手段3、辞書リンクタグ付与手段4、辞書内容抽出手段8、辞書内容文書格納手段9及び電子辞書10から構成されている。しかし、各手段の接続関係は、第1の実施形態のものとは異なっている。
【0137】
第3の実施形態は、第1及び第2の実施形態の利点を共に発揮させようとしたものであり、そのため、図21に示すような構成を有する。
【0138】
表示入力手段1、リンク付文書格納手段3及び電子辞書10の機能は、第1の実施形態と同一であるので、その説明は省略する。
【0139】
リンク付文書検索手段2は、表示入力手段1からのファイルの情報に応じて、リンク付文書格納手段3の文書(ファイル)を検索し、得た検索ファイルを直ちに表示入力手段1に与えるものである。また、リンク付文書検索手段2は、表示入力手段1からのファイルの情報に応じて、辞書リンクタグ付与手段4、又は、辞書内容抽出手段8を立ち上げるものである。さらに、リンク付文書検索手段2は、表示入力手段1からのファイル情報に応じて、辞書リンクタグ付与手段4又は辞書内容文書格納手段9からリンク付けされたファイル等を受け取って表示入力手段1に与えるものである。
【0140】
辞書リンクタグ付与手段4は、リンク付文書検索手段2からあるファイルに対して辞書リンクタグ付与の指示が出ている場合に、辞書内容文書格納手段9を参照して、該ファイルに対して新たにリンクタグ(このリンクタグは、辞書内容文書格納手段9内の文書ファイル又は辞書内容抽出コマンドのいずれかとなる;詳細は後述する)を付けるものである。
【0141】
辞書内容抽出手段8は、リンク付文書検索手段2から辞書内容抽出コマンド起動の指示が出ている場合に、指定された単語の記述の部分を電子辞書10から抽出し、リンク付文書検索手段2に出力すると同時に、その内容を辞書内容文書格納手段9に文書ファイルとして格納するものである。
【0142】
辞書内容文書格納手段9は、辞書内容抽出手段8で抽出された辞書内容を文書ファイルとして格納し、リンク付文書検索手段2及び辞書リンクタグ付与手段4からの検索に応じるものである。
【0143】
(C−2)第3の実施形態の動作
表示入力手段1及びリンク付文書検索手段2の動作は、第2の実施形態の動作と同様であるので、以下では、辞書リンクタグ付与手段4及び辞書内容抽出手段8の動作を、この順で説明する。
【0144】
なお、リンク付文書検索手段2の動作は、第2の実施形態に係る図17で表すことができて第2の実施形態と同様であるが、ステップ203でのタグ付与コマンドで起動される処理、及び、ステップ204での辞書内容抽出コマンドで起動される処理が第2の実施形態のものと異なっているので、その点では第2の実施形態のものとは異なっているということができる。すなわち、図21において、リンク付文書検索手段2及び辞書内容文書格納手段9とを直接結線しているのは、この相違点を意識している。
【0145】
次に、第3の実施形態の辞書リンクタグ付与手段4の動作を、図22に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0146】
辞書リンクタグ付与手段4は、リンク付文書検索手段2から起動されると、一連の処理を開始し、指定された元ファイル(テキストデータ)を取得し(ステップ300)、結果ファイル(の領域)を、テンポラリ領域に作成し(ステップ301)、元ファイルの文章部分を、形態素解析等の手法で単語に分割し(ステップ302)、全ての単語について所定の処理を実行したかを確認し(ステップ303)、全ての単語について処理が実行された場合に、リンク付文書検索手段2に結果ファイルを出力して(ステップ307)、一連の処理を終了する。
【0147】
以上のような全体の流れは、第1、第2の実施形態と同様であるが、第3の実施形態の辞書リンクタグ付与手段4が、各単語について実行する所定の処理が第1、第2の実施形態とは異なっている。
【0148】
ステップ303の判別により、未処理単語が存在することを認識すると、辞書リンクタグ付与手段4は、対象単語についての辞書内容文書が、辞書内容文書格納手段9に既に格納されているか否かを判定する(ステップ310)。
【0149】
辞書内容文書格納手段9に既に格納されていた場合には、格納された辞書内容文書をリンク先文書とするように、対象単語にリンクタグを付与し(ステップ305)、結果ファイルへ書き込んで(ステップ306)、未処理単語の存在確認ステップ303に戻る。
【0150】
これに対して、ステップ310の判定により、辞書内容文書格納手段9に対象単語についての辞書内容文書が格納されていないことを認識すると、対象単語を引数とする辞書内容抽出コマンドをリンク先とするように、対象単語にリンクタグを付与し(ステップ309)、結果ファイルへ書き込んで(ステップ306)、未処理単語の存在確認ステップ303に戻る。
【0151】
図23には、ステップ305及び309による辞書リンクタグ付け処理結果の一例を示している。図23中の一対のタグ「<A HREF=”/dic/keep/we”>」及び「</A>」は、第1の実施形態と同様に、辞書内容文書格納手段9から該当するファイルを取出すことができるようにしたリンクタグであり、また、他の一対のタグ「<A HREF=”/cgi−bin/pick dic?storehouse”>」及び「</A>」は、第2の実施形態と同様に、所定単語に対する辞書内容抽出コマンドを発行できるようにしたリンクタグである。すなわち、この図23に示した例の場合、単語「we」や「on」については、辞書内容文書格納手段9に既に格納されているという想定で、辞書内容文書ファイルへのリンクとなっており、その他の「draw」、「vast」、「storehouses」については、辞書内容抽出コマンドへのリンクとなっている。
【0152】
以上のように、第3の実施形態は、辞書内容文書格納手段9に既に格納されているか否かによって、各単語に対する辞書リンクタグの付与方法を切り替えている点に特徴を有するものである。
【0153】
次に、第3の実施形態の辞書内容抽出手段8の動作を、図24に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0154】
辞書内容抽出手段8は、リンク付文書検索手段2からの辞書内容抽出コマンドで起動されて(ステップ210)、一連の処理を開始し、コマンドの引数として渡された単語を見出しとする項目が電子辞書10にあるか否かを、辞書引きを行なうことにより判定する(ステップ501)。
【0155】
電子辞書10に当該単語を見出しとする項目があった場合には、すなわち、当該単語が未知語ではなかった場合には、電子辞書10から当該単語の記述部分を抽出して、その内容を辞書内容文書格納手段9に格納する(ステップ502)。そして、抽出した内容をリンク付文書検索手段2に出力して(ステップ508)、一連の処理を終了する。
【0156】
一方、ステップ501の判定により、電子辞書10に当該単語を見出しとする項目がなかったことを認識した場合には、すなわち、当該単語が未知語であった場合には、未知語用メッセージを作成する(ステップ507)。例えば、テンプレートとして、「〜は辞書にありません。」等の文を用意しておき、「〜」の部分に引数の単語名を入れることで未知語用メッセージを作成する。その後、そのメッセージ文をリンク付文書検索手段2に出力して(ステップ508)、一連の処理を終了する。
【0157】
(C−3)第3の実施形態の効果
上記第3の実施形態においても、第1、第2の実施形態と基本的な技術的思想を同じにしているので、第1、第2の実施形態と同様な効果を奏することができる。
【0158】
第3の実施形態における効果の特有性(第1、第2の実施形態の効果と異なる点)を記述すると、以下の通りである。
【0159】
第3の実施形態の文書検索表示システムは、リンクタグ付け前に格納済み判定を行なうので、第2の実施形態よりは、リンクタグ付け処理(ひいては辞書リンク付文書の表示)が遅くなるが、辞書引き(辞書内容抽出)はこの段階では行なわないので、第1の実施形態よりはリンクタグ付け処理が高速であり、辞書リンクタグ付文書の表示が速くなる。
【0160】
また、リンクタグ付け時に、辞書内容抽出コマンドと辞書内容文書にリンクを張り分けることにより、辞書内容の参照時に、全てその時点でコマンドを起動する第2の実施形態よりは処理が高速である。なお、第1の実施形態のように全部格納してあるわけではないので、第1の実施形態よりは処理は遅い。
【0161】
また、一度、参照された辞書内容だけを格納することになるので、第1の実施形態のように参照されないものまで格納してしまう無駄はないので、ディスク等を有効に使える。
【0162】
(D)第4の実施形態
次に、本発明による文書表示システムをリンク付文書の検索表示システムに適用した第4の実施形態を図面を参照しながら詳述する。
【0163】
この第4の実施形態のシステムは、第2の実施形態と同様に、リンクタグとして辞書内容抽出コマンドを付与するようにしたものであるが、リンクタグの付与処理時での辞書引きを不要にしたことを特徴とするものである。
【0164】
(D−1)第4の実施形態の構成
図25は、第4の実施形態のリンク付文書の検索表示システムの全体構成を示すブロック図である。この図21において、上述した第1の実施形態に係る図1の同一、対応部分には同一符号を付して示している。
【0165】
図25に示すように、第4の実施形態のリンク付文書の検索表示システムも、第1の実施形態と同様に、表示入力手段1、リンク付文書検索手段2、リンク付文書格納手段3、辞書リンクタグ付与手段4、辞書内容抽出手段8、辞書内容文書格納手段9及び電子辞書10から構成されている。しかし、各手段の接続関係は、第1の実施形態のものとは異なっている。
【0166】
表示入力手段1、リンク付文書格納手段3及び電子辞書10の機能は、第1の実施形態と同一であるので、その説明は省略する。
【0167】
リンク付文書検索手段2は、表示入力手段1からのファイルの情報に応じて、リンク付文書格納手段3の文書(ファイル)を検索し、得た検索ファイルを直ちに表示入力手段1に与えるものである。また、リンク付文書検索手段2は、表示入力手段1からのファイルの情報に応じて、辞書リンクタグ付与手段4、又は、辞書内容抽出手段8を立ち上げるものである。さらに、リンク付文書検索手段2は、表示入力手段1からのファイル情報に応じて、辞書リンクタグ付与手段4からリンク付けされたファイル等を受け取って表示入力手段1に与えるものである。
【0168】
辞書リンクタグ付与手段4は、リンク付文書検索手段2からあるファイルに対して辞書リンクタグ付与の指示が出ている場合に、該ファイルに対して新たにリンクタグ(この実施形態では辞書内容抽出コマンド)を付けるものである。
【0169】
辞書内容抽出手段8は、リンク付文書検索手段2から辞書内容抽出コマンド起動の指示が出ている場合に、辞書内容文書格納手段9から文書を取り出すか、又は、指定された単語の記述の部分を電子辞書10から抽出するかして、リンク付文書検索手段2に出力するものである。
【0170】
辞書内容文書格納手段9は、辞書内容抽出手段8で抽出された辞書内容を文書ファイルとして格納し、辞書内容抽出手段8からの検索に応じるものである。
【0171】
(D)第4の実施形態の動作
表示入力手段1(図3参照)、リンク付文書検索手段2(図17参照)及び辞書リンクタグ付与手段4(図18参照)の動作は、第2の実施形態での動作と同様であるので(それぞれ図3、図17、図18参照)、その説明は省略し、以下では、辞書内容抽出手段8の動作を、図26に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0172】
辞書内容抽出手段8は、リンク付文書検索手段2からの辞書内容抽出コマンドで起動されて(ステップ210)、一連の処理を開始し、与えられた単語についての辞書内容文書が、辞書内容文書格納手段9に既に格納されているか否かを判定する(ステップ500)。
【0173】
以前に辞書引きを行なったことがある単語であったために、辞書内容文書格納手段9に既に格納されていた場合には、当該の辞書内容文書ファイルを取り出して、リンク付文書検索手段2に出力して(ステップ508)、一連の処理を終了する。
【0174】
これに対して、ステップ500で、辞書内容文書格納手段9に格納されていなかったことを認識した場合には、コマンドの引数として渡された単語を見出しとする項目が電子辞書10にあるか否かを、辞書引きを行なって判定する(ステップ501)。
【0175】
ここで、電子辞書10に当該単語を見出しとする項目があった場合、すなわち、当該単語が未知語ではなかった場合には、電子辞書10から当該単語の記述部分を抽出し、辞書内容文書格納手段9に格納して(ステップ502)、抽出した内容をリンク付文書検索手段2に出力して(ステップ508)、一連の処理を終了する。
【0176】
一方、ステップ501で、電子辞書10に当該単語を見出しとする項目がなかったと認識した場合、すなわち、当該単語が未知語であった場合には、未知語用メッセージを作成し(ステップ507)、そのメッセージ文をリンク付文書検索手段2に出力して(ステップ508)、一連の処理を終了する。
【0177】
(D)第4の実施形態の効果
上記第4の実施形態においても、第1、第2、第3の実施形態と基本的な技術的思想を同じにしているので、第1、第2、第3の実施形態と同様な効果を奏することができる。
【0178】
第4の実施形態における効果の特有性(第1、第2、第3の実施形態の効果と異なる点)を記述すると、以下の通りである。
【0179】
第4の実施形態の文書検索表示システムは、第1の実施形態と比較した場合に、リンクタグ付け時に辞書引きをしないので、リンクタグ付け処理を高速に実行させることができる。
【0180】
また、第4の実施形態の文書検索表示システムは、第3の実施形態と比較した場合にも、リンクタグ付け時には格納済み判定を行なわないので、リンクタグ付け処理を、第2の実施形態と同程度に高速に実行させることができる。
【0181】
しかし、単語を参照する際には、そのたびにコマンドを起動して、さらにコマンド内で格納済み判定を行なうので、第1の実施形態よりは、単語参照時に処理が遅くなる。また、第2、第3の実施形態と比較すると、「格納済み判定+格納済み文書を取り出す」処理にかかる時間と、辞書内容抽出処理にかかる時間とを比較した場合に、どちらが速いかは一概には言えないので、第4の実施形態の方が、第2、第3の実施形態よりも処理が速い場合もあり得る。
【0182】
また、一度は参照された辞書内容だけを格納することになるので、第1の実施形態のように参照されないものまで格納してしまう無駄はなく、第3の実施形態と同様に、ディスク等を有効に使うことができるようになる。
【0183】
(E)他の実施形態
上記各実施形態では、表示入力手段1の表示画面において、「辞書引き」可能モードに入るためのボタンや「単純検索」モードに戻るためのボタンは、アンダーラインをボタンに付与してリンク文書を指す形式で実現していたが、上述したように、終了ボタンや再転送ボタンと同様の形式で並列に表示しても良い。
【0184】
また、上記実施形態においては、電子辞書が英和辞書のものを示したが、国語辞典(英英辞典等を含む)や熟語辞典等であっても良く、また、見出しに対して、図や音等を記述内容として含む辞書であっても良い。音を記述内容に含む場合には、表示入力手段にも音声出力装置(音声合成手段やスピーカ手段)を設けることを要する。さらに、電子辞書は一つに限らず、分野別等の複数の電子辞書を備えるものであっても良い。この場合は、辞書を選択することを要するが、かかる選択方法としては既存のものを適用することができる。その方法としては、例えば、各辞書毎にキーワードを定めておき、「辞書引き」ボタンが操作されたときに、対象文書に最も多くキーワードに該当する単語を含む電子辞書を選択しても良い。また例えば、既存の方法ではないが、タグの種類と電子辞書の種類とを対応させておき、該当するタグが見付けた場合にその対応辞書を引くようにしても良い。例えば、文書の著者を記載しているタグを見付けた場合に、人名辞典を引くようにしても良い。
【0185】
さらに、上記実施形態においては、文書検索手段が1個のシステムを示したが、通信ネットワークを介して複数の文書検索手段が接続されたシステムであっても良い。この場合、表示入力手段からファイル(文書)の取出しが依頼された文書検索手段は、自己に直接接続されている文書格納手段に該当するファイルが存在しない場合には、他の文書検索手段にファイルの取出しを依頼することになり、受信した元ファイルに対して、利用者からの指令に応じて適宜「辞書引き」可能モードに入ることになる。また、電子辞書も、複数の文書検索手段が共通に利用するように接続されたものであっても良い。
【0186】
さらにまた、上記実施形態においては、リンク付文書の検索表示システムに本発明を適用したものを示したが、本発明の特徴は、一般文書の辞書引きを可能としている点にあるので、リンク付文書以外の線形な文書系列の検索表示システムに本発明を適用することができる。また、個別の文書に対して、辞書引きを可能とする検索機能を有しないシステムにも本発明を適用することができる。
【0187】
また、上記実施形態においては、リンク先を規定する情報がタグで表現されているものを示したが、他の形式であっても良いことは勿論である。例えば、文書中の各単語の付加情報(属性値等)としてリンク情報を付与するようにしても良い。
【0188】
さらに、上記実施形態においては、辞書引き結果として、表示入力手段に見出し及びその見出しに対する記述内容を与えて表示させるものを示したが、指示された単語の情報だけを表示する形式の場合には、記述内容だけを表示入力手段に与えて表示させるものであっても良い。
【0189】
さらにまた、上記実施形態においては、「辞書引き」ボタンが操作されたときに、辞書リンクタグの付与を行なうものを示したが、検索により一般文書が取出されたときに、自動的に辞書リンクタグの付与動作を行なうようにしても良い。この場合、検索指令が「辞書引き」可能モードへの変更指令も兼ねている。
【0190】
【発明の効果】
以上のように、本発明の文書表示システムによれば、辞書引き対象の文字列をキーボード等から入力することなく、文書を表示した状態で所定文字列を選択することにより、辞書引きを指令して、その記述内容を表示できるようになり、文書表示フォーマットを辞書引きを考慮して変更することを不要にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の全体構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態の電子辞書のデータ形式の説明図である。
【図3】第1の実施形態の表示入力手段の処理フローチャートである。
【図4】第1の実施形態の表示入力手段の表示画面例(1)を示す説明図である。
【図5】第1の実施形態の表示入力手段の表示画面例(2)を示す説明図である。
【図6】第1の実施形態のリンク付文書検索手段の処理フローチャートである。
【図7】第1の実施形態の「辞書引き」を付与した変更文書データの説明図である。
【図8】第1の実施形態の「単純検索」を付与した変更文書データの説明図である。
【図9】第1の実施形態の辞書リンクタグ付与手段の処理フローチャートである。
【図10】第1の実施形態の辞書リンクタグ付与文書の説明図である。
【図11】第1の実施形態の辞書内容文書格納手段の処理フローチャートである。
【図12】第1の実施形態の第1の未知語処理方法によるデータを示す説明図である。
【図13】第1の実施形態の第1の未知語処理方法によるデータ及び表示画面を示す説明図である。
【図14】第1の実施形態の辞書リンクタグ付与手段の第2の処理フローチャートである。
【図15】第1の実施形態の辞書内容文書格納手段の第2の処理フローチャートである。
【図16】第2の実施形態の全体構成を示すブロック図である。
【図17】第2の実施形態のリンク付文書検索手段の処理フローチャートである。
【図18】第2の実施形態の辞書リンクタグ付与手段の処理フローチャートである。
【図19】第2の実施形態の辞書リンクタグ付与文書の説明図である。
【図20】第2の実施形態の辞書内容抽出手段の処理フローチャートである。
【図21】第3の実施形態の全体構成を示すブロック図である。
【図22】第3の実施形態の辞書リンクタグ付与手段の処理フローチャートである。
【図23】第3の実施形態の辞書リンクタグ付与の結果ファイル例の説明図である。
【図24】第3の実施形態の辞書内容抽出手段の処理フローチャートである。
【図25】第4の実施形態の全体構成を示すブロック図である。
【図26】第4の実施形態の辞書内容抽出手段の処理フローチャートである。
【符号の説明】
1…表示入力手段、2…リンク付文書検索手段、3…リンク付文書格納手段、4…辞書リンクタグ付与手段、8…辞書内容抽出手段、9…辞書内容文書格納手段、10…電子辞書。

Claims (2)

  1. 見出し文字列と、その見出し文字列に対する説明用記述とからなる各項目情報を記憶している電子辞書と、
    文書を表示させると共に、表示文書の表示形態や表示文書自体を変更させる指示入力を取込む表示入力手段と、
    文書を、辞書引きが可能な表示形態へ表示することを上記表示入力手段から指示されたときに、対象文書中の全て又は一部の辞書引き単位の文字列毎に、上記電子辞書の格納情報を上記表示入力手段に与え得ることを表すリンク情報を付与した文書に変換し、上記表示入力手段によって、それら各文字列をそれぞれリンク文書であることを表す態様で表示させる辞書リンク情報付与手段と、
    リンク文書としての表示態様で表示されている文字列が選択されたことを表すリンク情報が上記表示入力手段から与えられたときに、選択文字列に関する説明用記述を少なくとも上記表示入力手段に与えて表示させる辞書引き手段とを備え、
    上記辞書引き手段が、
    リンク情報として、所定文字列を特定した抽出指令が与えられたときに、その文字列についての上記電子辞書の格納内容を抽出する辞書内容抽出部と、
    この辞書内容抽出部が抽出した格納内容を記憶する辞書内容文書格納部と、
    リンク文書としての表示態様で表示されている文字列が選択されたことを表すリンク情報が与えられた場合において、そのリンク情報が抽出指令のときに、上記辞書内容抽出部に抽出動作させて、選択文字列に関する抽出された少なくとも説明用記述を上記表示入力手段に与えると共に、与えられたリンク情報が上記辞書内容文書格納部からの読出しを求める情報のときに、選択文字列に関する少なくとも説明用記述を上記辞書内容文書格納部から読出して上記表示入力手段に与えるリンク先情報取出部でなり、
    上記辞書リンク情報付与手段が、各文字列にリンク情報を付与する際に、上記辞書内容文書格納部に辞書内容が格納されている文字列に対しては、上記辞書内容文書格納部からの読出しを求めるリンク情報を付与し、上記辞書内容文書格納部に辞書内容が格納されていない文字列に対しては、上記辞書内容抽出部に抽出動作させ得る抽出指令のリンク情報を付与する
    ことを特徴とする文書表示システム。
  2. 見出し文字列と、その見出し文字列に対する説明用記述とからなる各項目情報を記憶している電子辞書と、
    文書を表示させると共に、表示文書の表示形態や表示文書自体を変更させる指示入力を取込む表示入力手段と、
    文書を、辞書引きが可能な表示形態へ表示することを上記表示入力手段から指示されたときに、対象文書中の全て又は一部の辞書引き単位の文字列毎に、上記電子辞書の格納情報を上記表示入力手段に与え得ることを表すリンク情報を付与した文書に変換し、上記表示入力手段によって、それら各文字列をそれぞれリンク文書であることを表す態様で表示させる辞書リンク情報付与手段と、
    リンク文書としての表示態様で表示されている文字列が選択されたことを表すリンク情報が上記表示入力手段から与えられたときに、選択文字列に関する説明用記述を少なくとも上記表示入力手段に与えて表示させる辞書引き手段とを備え、
    上記辞書引き手段が、
    リンク情報が与えられたときに、そのリンク情報に係る文字列の情報が下記辞書内容文書格納部に格納されていない場合に、その文字列についての上記電子辞書の格納内容を抽出する辞書内容抽出部と、
    この辞書内容抽出部が抽出した格納内容を記憶する辞書内容文書格納部と、
    リンク文書としての表示態様で表示されている文字列が選択されたことを表すリンク情報が与えられた場合において、そのリンク情報に係る文字列の情報が上記辞書内容文書格納部に格納されていないときには上記辞書内容抽出部に抽出動作させて、選択文字列に関する抽出された少なくとも説明用記述を上記表示入力手段に与えると共に、そのリンク情報に係る文字列の情報が上記辞書内容文書格納部に格納されているときには上記辞書内容文書格納部から読出した選択文字列に関する少なくとも説明用記述を上記表示入力手段に与えるリンク先情報取出部でなり、
    上記辞書リンク情報付与手段が、各文字列にリンク情報を付与する際に、上記辞書内容抽出部に抽出動作させ得る抽出指令のリンク情報を付与する
    ことを特徴とする文書表示システム。
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