JP3714055B2 - 衝突形態判定装置および衝突形態判定方法 - Google Patents

衝突形態判定装置および衝突形態判定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、衝突形態判定装置および衝突形態判定方法に関し、詳しくは、車両の衝突の形態が対称衝突であるか非対称衝突であるかを判定する衝突形態判定装置およびその判定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両に搭載されたエアバック装置などの乗員保護装置は、衝突の形態に基づいて起動タイミングの調整が行なわれている。衝突の形態としては、車両の正面全面が衝突する対称衝突(フルラップ衝突)や車両の正面の片側が衝突する非対称衝突(オフセット衝突)、車両が所定の角度をもって衝突する斜突などに分類される。対称衝突は、車両の全面全体が衝突する正突と、ポールに衝突する例に見られるように車両の正面の略中央部が対象物に衝突するポール衝突、トラックなどの後部の下にめり込むように衝突するアンダーライドなどに分類される。また、非対称衝突は、変形しない硬い対象物に衝突するORB(Offset Rigid Barrier)と、変形する対象物に衝突するODB(Offset Deformable Barrier)とに分類される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
こうした衝突の形態の相違は、衝突の際の乗員の移動方向や移動量,移動のタイミングなどの相違として現われる場合が多いため、より適切な乗員保護装置をより的確なタイミングで起動するために衝突の形態を判別し、これを用いることが考えられている。衝突の形態を判別する装置の一つとして、出願人は、車両の前方左右に配置されたGセンサ(サテライトセンサ)により検出される減速度の差や比に基づいて対称衝突と非対称衝突とを有効に判別できる装置を提案している(特願平8−326180号)。
【0004】
本発明の衝突形態判定装置および衝突形態判定方法は、衝突の形態として対称衝突であるか非対称衝突であるかを判定することを目的の一つとする。また、本発明の衝突形態判定装置および衝突形態判定方法は、より正確に衝突の形態を判定することを目的の一つとする。さらに、本発明の衝突形態判定装置および衝突形態判定方法は、迅速に衝突の形態を判定することを目的の一つとする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明の衝突形態判定装置および衝突形態判定方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
【0006】
本発明の衝突形態判定装置は、車両の衝突の形態が対称衝突であるか非対称衝突であるかを判定する衝突形態判定装置であって、前記車両の左右の前方に各々配置され、左右各々の減速度を検出する減速度検出手段と、該減速度検出手段により検出された左右各々の減速度のいずれかが所定値を超えたとき、衝突形態の判定の開始と判定する開始判定手段と、該判定の開始が判定された時刻から特に設定された時間経過するまでを積分区間として前記左右各々の減速度の時間積分値を演算する積分演算手段と、該演算された左右各々の減速度の時間積分値に基づいて車両の衝突の形態が対称衝突であるか非対称衝突であるかを判定する衝突形態判定手段とを備え、前記衝突形態判定手段は、前記左右各々の減速度の時間積分値の比が、第1の閾値と第2の閾値により設定される範囲内にあるか否かの判断に基づいて前記衝突の形態を判定する手段であることを要旨とする。
【0007】
この本発明の衝突形態判定装置では、開始判定手段が車両の左右の前方に各々配置された減速度検出手段により検出された左右各々の減速度のいずれかが所定値を超えたときに、衝突形態の判定の開始を判定し、積分演算手段が、この判定がなされた時刻から特に設定された時間経過するまでを積分区間として左右各々の減速度の時間積分値を演算する。そして、衝突形態判定手段は、この演算された左右各々の減速度の時間積分値に基づいて車両の衝突の形態が対称衝突であるか非対称衝突であるかを判定する。こうした本発明の衝突形態判定装置によれば、左右各々の減速度の積分に基づいて衝突の形態を判定するから、ノイズなどの影響を受け難く、より正確に衝突の形態を判定することができる。
【0008】
こうした本発明の衝突形態判定装置において、前記衝突形態判定手段は、前記左右各々の減速度の時間積分値の比に基づいて前記衝突の形態を判定するこの態様の本発明の衝突形態判定装置において、前記衝突形態判定手段は、前記左右各々の減速度の時間積分値の比が0.5ないし2の範囲内のときに対称衝突と判定し、該範囲外のときに非対称衝突と判定する手段であるものとすることもできる。
【0009】
また、本発明の衝突形態判定装置において、前記開始判定手段は、前記左右各々の減速度のいずれかが複数回に亘って前記所定値を越えたとき、判定の開始と判定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、ノイズなどの影響による判定の開始の誤判定を防止することができる。
【0010】
さらに、本発明の衝突形態判定装置において、前記積分演算手段は、前記特に設定された時間として乗員移動時間または乗員移動時間に係数を乗じて得られる時間を用いて積分する手段であるものとすることもできる。こうすれば、乗員移動時間に対して適切な時間内に判定することができる。
【0011】
あるいは、本発明の衝突形態判定装置において、前記積分演算手段は、前記特に設定された時間として前記減速度検出手段による左右各々の減速度のいずれかが前記所定値より大きな第2の所定値に至るまでの時間を用いて積分する手段であるものとすることもできる。この態様の本発明の衝突形態判定装置において、前記積分演算手段は、前記減速度検出手段による左右各々の減速度のいずれかが複数回に亘って前記第2の所定値を越えたとき、該第2の所定値に至ったと判定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、ノイズなどの影響による積分時間の誤設定を防止することができる。
【0012】
これら第2の所定値に至るまでを積分区間とする態様の本発明の衝突形態判定装置において、前記積分演算手段は、前記積分区間が一定の時間未満のとき、該一定の時間を積分区間として積分する手段であるものとすることもできる。こうすれば、少なくとも一定の時間を積分区間とするから、得られる時間積分値の的確性を確保することができる。
【0013】
第2の所定値に至るまでを積分区間とする態様の本発明の衝突形態判定装置において、前記開始判定手段により判定の開始が判定されてから前記減速度検出手段により検出された左右各々の減速度のいずれもが前記第2の所定値に達することなく第2の所定時間が経過したとき、衝突の形態の判定を中止する第1判定中止手段を備えるものとすることもできる。こうすれば、衝突形態の判定を中止することができると共に再び新たに衝突形態の判定を開始することができる。
【0014】
本発明の衝突形態判定装置において、前記開始判定手段により判定の開始が判定されてから前記減速度検出手段により検出された左右各々の減速度のいずれかが所定時間に亘って前記所定値より小さいとき、衝突の形態の判定を中止する第2判定中止手段を備えるものとすることもできる。こうすれば、衝突形態の判定を中止することができると共に再び新たに衝突形態の判定を開始することができる。
【0015】
本発明の衝突形態判定方法は、車両の衝突の形態が対称衝突であるか非対称衝突であるかを判定する衝突形態判定方法であって、車両の左右前方で各々検出される減速度のいずれかが所定値を超えたときから特に設定された時間を経過するまでを積分区間として該各々検出される減速度の時間積分値を演算し、該演算された時間積分値の左右の比が、第1の閾値と第2の閾値により設定される範囲内にあるか否かの判断に基づいて車両の衝突の形態が対称衝突であるか非対称衝突であるかを判定することを要旨とする。
【0016】
この本発明の衝突形態判定方法によれば、左右各々の減速度の時間積分値の比に基づいて衝突の形態を判定するから、ノイズなどの影響を受け難く、より正確に衝突の形態を判定することができる。
【0017】
こうした本発明の衝突形態判定方法において、前記時間積分値の左右の比が0.5ないし2の範囲内のときに対称衝突と判定し、該範囲外のときに非対称衝突と判定するものとすることもできる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。図1は本発明の一実施例である衝突形態判定装置20の構成の概略を機能ブロックを用いて示す構成図であり、図2は実施例の衝突形態判定装置20のハード構成の概略を示す構成図であり、図3は実施例の衝突形態判定装置20が車両10に搭載されている様子を例示する説明図である。
【0019】
実施例の衝突形態判定装置20は、図1および図3に示すように、車両10の両サイドメンバの前方に各々取り付けられ左右の減速度を検出する左右のフロントセンサ24,26と、左右のフロントセンサ24,26により検出された減速度Gl,Grを入力する信号入力部28と、左右のフロントセンサ24,26からの減速度Gl,Grに基づいて車両の衝突形態の判定処理の開始を判定する処理開始判定部30と、判定処理の開始が判定されてから特定の時間が経過するまでを積分区間としても左右のフロントセンサ24,26により検出される減速度Gl,Grの時間積分値Vl,Vrを演算する積分演算部32と、演算された時間積分値Vl,Vrに基づいて車両の衝突の形態が対称衝突であるか非対称衝突であるかを判定する衝突形態判定部34とを備える。
【0020】
実施例の衝突形態判定装置20のハード構成は、図2に示すように、左右のフロントセンサ24,26と、CPU42を中心として構成されたマイクロコンピュータ40とにより構成されている。マイクロコンピュータ40は、CPU42の他、処理プログラムを記憶したROM44と、一時的にデータを記憶するRAM46と、入出力処理回路(I/O)48とを備える。図1に例示する実施例の衝突形態判定装置20の各部は、ROM44に記憶された処理プログラムが起動されたときに、ソフトウエアとハードウエアとが一体となって機能する。
【0021】
実施例の衝突形態判定装置20における処理開始判定部30は、左右のフロントセンサ24,26により検出される減速度Gl,Grのいずれか一方が閾値G1を越えた時刻を始点時刻tsとして車両の衝突の形態の判定の開始と判定する。
【0022】
積分演算部32は、衝突側のフロントセンサにより検出される減速度Gの2重積分Tが所定値T1になったときを積分区間の終点時刻teとして設定し、左右のフロントセンサ24,26により検出される減速度Gl,Grに対して始点時刻tsと終点時刻teとを積分区間として時間積分値Vl,Vrを演算する。
【0023】
次に、こうして構成された実施例の衝突形態判定装置20の動作について説明する。図4は実施例の衝突形態判定装置20のマイクロコンピュータ40により実行される処理開始処理ルーチンの一例を示すフローチャートであり、図5は実施例のマイクロコンピュータ40により実行される衝突形態の判定を行なう衝突判定処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。図4の処理開始処理ルーチンは、車両10が始動されて初期化ルーチンが実行された後に実行され、図5の衝突判定処理ルーチンは、図4のルーチンにより始点時刻tsが設定されたときに実行される。まず、図4の処理開始処理ルーチンに基づいて衝突形態の判定の処理の開始動作について説明し、その後、図5の衝突判定処理ルーチンに基づいて車両の衝突形態の判定処理について説明する。
【0024】
図4の処理開始処理ルーチンが実行されると、マイクロコンピュータ40のCPU42は、まず、左右のフロントセンサ24,26により検出される左右の減速度Gl,Grの入力を開始する処理を実行する(ステップS100)。具体的には、所定のサンプリング周波数(例えば、2k[Hz])で左右のフロントセンサ24,26により検出される電気信号をサンプリングするのである。
【0025】
次に、入力された減速度Gl,Grのいずれかが閾値G1より大きくなっているか否かを判定する(ステップS102)。ここで、閾値G1は、車両の衝突形態の判定を開始するために設定されるものであり、例えば、2Gや3Gなどの値に設定される。減速度Gl,Grのいずれもが閾値G1以下のときには、カウンタC1を値0にリセットして(ステップS104)、減速度Gl,Grが閾値G1より大きくなるのを待つ。減速度Gl,Grのいずれかが閾値G1より大きいときには、カウンタC1をインクリメントして(ステップS106)、カウンタC1が値3以上であるか否かを判定する(ステップS108)。カウンタC1が値3未満のときには、ステップS102に戻り、カウンタC1が値3以上のときには、そのときの時刻tを始点時刻tsに設定して(ステップS110)、衝突判定処理を行なう(ステップS112)。こうしたカウンタC1が値3以上となるのを判定する処理は、減速度Gl,Grのいずれかが連続3回に亘って閾値G1より大きくなっていることを判定する処理であり、ノイズなどにより偶発的に減速度Gl,Grのいずれかが閾値G1より大きくなった場合に衝突形態の判定処理が開始されないようにする。
【0026】
こうして始点時刻tsが設定されると、図5の衝突判定処理ルーチンが実行される。このルーチンが実行されると、マイクロコンピュータ40のCPU42は、まず初期化処理を実行し(ステップS120)、左右のフロントセンサ24,26から検出される減速度Gl,Grの入力を開始する処理を実行する(ステップS122)。そして、衝突側のフロントセンサにより検出される減速度Gの始点時刻tsからの時間による2重積分値Tを演算し(ステップS124)、2重積分値Tを閾値T1と比較する(ステップS126)。ここで、衝突側の判定は、ステップS102の処理で閾値G1を先に越えた減速度を検出した側である。この判定は、非対称衝突では衝突側の減速度の方が非衝突側の減速度に比して速く大きくなることに基づく。また、閾値T1は、衝突開始時刻からの減速度の時間による2重積分が所定値となるいわゆる乗員移動時間(衝突開始時刻から運転者がハンドルに接触するまでの最短時間として設定される時間)に係数を乗じたものである。実施例では、閾値T1として乗員移動時間に0.5を乗じた値を用いた。
【0027】
2重積分値Tが閾値T1を越えると、そのときの時刻を終点時刻teに設定し(ステップS128)、始点時刻tsから終点時刻teを積分区間として左右のフロントセンサ24,26により検出される減速度Gl,Grの時間積分値Vl,Vrを演算する(ステップS130)。そして、右時間積分値Vrに対する左時間積分値Vlの比(Vl/Vr)が閾値V1と閾値V2とにより設定される範囲内にあるか否かを判定し(ステップS130)、比(Vl/Vr)がこの範囲内にあるときには、対称衝突と判定し(ステップS134)、比(Vl/Vr)がこの範囲外のときには、非対称衝突と判定して(ステップS136)、本ルーチンを終了する。ここで、閾値V1と閾値V2は、車両の衝突の形態が対称衝突であるか非対称衝突であるかを判定するために設定されるものであり、実施例の衝突形態判定装置20が搭載される車両による衝突実験などにより定められる。実施例では、閾値V1として0.5を用いると共に閾値V2として2.0を用いた。なお、右時間積分値Vrに対する左時間積分値Vlの比(Vl/Vr)が閾値V2以上のときには、車両の前方左側が衝突している非対称衝突であり、比(Vl/Vr)が閾値V1以下のときには車両の前方右側が衝突している非対称衝突である。
【0028】
図6は、車両10の前方左側が衝突した際の減速度Gl,Grと衝突の形態の判定との様子を例示する説明図である。図示するように、車両10の前方左側が衝突するから、左右のフロントセンサ24,26のうち左フロントセンサ24により検出される減速度Glの方が速く閾値G1を越える。3回のサンプリング値が閾値G1を連続して越えるとその時刻tが始点時刻tsとして設定され、処理が開始される。そして、始点時刻tsからの減速度Glの時間の2重積分値Tが閾値T1を越えるときに、その時刻tが終点時刻teに設定され、時間積分値Vl,Vrが演算されるのである。図示するように、非対称衝突では、衝突側の減速度(Gl)の方が大きいから、その時間積分値も大きな値となる。したがって、時間積分値Vl,Vrの比(Vl/Vr)により対称衝突か非対称衝突かを判定することができるのである。
【0029】
以上説明した実施例の衝突形態判定装置20によれば、車両の衝突の形態が対称衝突であるか非対称衝突であるかを判定することができる。しかも、乗員移動時間に係数を乗じた時間までの左右の時間積分値Vl,Vrにより判定するから、迅速に判定することができる。また、実施例の衝突形態判定装置20によれば、減速度Gl,Grのいずれかが3回に亘って連続して閾値G1を越えたときに衝突形態の判定を開始するものとしたから、ノイズなどによる処理の開始の誤判定を防止することができる。
【0030】
実施例の衝突形態判定装置20では、減速度Gl,Grのいずれかが3回に亘って連続して閾値G1を越えたときに衝突形態の判定を開始するものとしたが、ノイズなどによる誤判定を防止する目的であるから、その回数は何回でもよい。また、ノイズなどによる誤判定が問題にならないとき、例えば、減速度Gl,Grが加工されているときなどは、減速度Gl,Grのいずれかが閾値G1を越えたら直ちに衝突形態の判定を開始するものとしてもよい。
【0031】
実施例の衝突形態判定装置20では、閾値T1として乗員移動時間に係数として0.5を乗じたものとしたが、係数は如何なる値であっても差し支えない。
【0032】
また、実施例の衝突形態判定装置20では、積分区間の終点時刻teを衝突側の減速度の時間による2重積分Tが乗員移動時間に係数を乗じた値に至った時刻を設定したが、終点時刻teを減速度Gl,Grのいずれかが閾値G1より大きな閾値G2に至った時刻または所定時間経過した時刻に設定するものとしてもよい。この場合、図5の衝突判定処理ルーチンに代えて図7の衝突判定処理ルーチンを実行すればよい。以下、このルーチンに基づいて終点時刻teを減速度Gl,Grのいずれかが閾値G1より大きな閾値G2に至った時刻または所定時間経過した時刻に設定する処理について説明する。
【0033】
図7の衝突判定処理ルーチンが実行されると、図5のルーチンと同様に、初期化処理が行なわれると共に(ステップS120)、左右のフロントセンサ24,26により検出される減速度Gl,Grの入力を開始する処理が実行される(ステップS122)。そして、始点時刻tsが設定されてから第1所定時間が経過しているかを判定する(ステップS224)。ここで、第1所定時間は、左右のフロントセンサ24,26により検出される減速度Gl,Grのいずれもが閾値G2より大きくならない場合に衝突の判定処理を中止するために設定されるものであり、実施例では20msecとした。この第1所定時間の経過を判定することにより、車両が悪路を走行しているときや縁石などの小さな障害物に当たったときに衝突形態の判定処理を中止することができる。
【0034】
始点時刻tsが設定されてから第1所定時間が経過していないときには、左右のフロントセンサ24,26により検出される減速度Gl,Grのいずれかが連続3回に亘って閾値G2より大きくなったか否かを判定する(ステップS226〜S232)。ここで、閾値G2は、車両の衝突形態の判定が必要となる減速度の値として設定されるものであり、例えば8Gや10Gなどが用いられる。図7におけるカウンタC2は、図4のルーチンにおけるカウンタC1と同様に、減速度Gl,Grのいずれかが連続3回に亘って閾値G2を越えたか否かをカウントするものである。
【0035】
そして、始点時刻tsが設定されてから第2所定時間が経過しているかを判定し(ステップS234)、第2所定時間を経過しているときには、その時刻tを終点時刻teに設定し(ステップS128)、第2所定時間を経過していないときには、第2所定時間を経過するのを待って、その時刻tを終点時刻teに設定する(ステップS128)。ここで、第2所定時間は、車両の衝突形態を判定するために必要な時間として設定されるものであり、実施例では10msecとした。したがって、第2所定時間を経過する前に減速度Gl,Grのいずれかが閾値G2を越えたときには、第2所定時間を経過した時刻が終点時刻teに設定され、第2所定時間を経過した後に減速度Gl,Grのいずれかが閾値G2を越えたときには、閾値G2を越えた時刻tが終点時刻teに設定されるのである。なお、終点時刻teが設定された後の処理については図5のルーチンのステップS130〜S136の処理と同一であるから、その図示および説明は省略する。
【0036】
図8は、車両の前方左側が衝突した際の減速度Gl,Grと衝突の形態の判定との様子を例示する説明図である。図示するように、衝突側の左フロントセンサ24により検出される減速度Glが連続3回に亘って閾値G2を越えた時刻を終点時刻teとして設定し、時間積分値Vl,Vrを計算して衝突の形態を判定する。
【0037】
以上図7の衝突判定処理ルーチンを実行する変形例の衝突形態判定装置によれば、減速度Gl,Grのいずれかが閾値G2を越えた時刻か始点時刻tsが設定されてから第2所定時間を経過した時刻を終点時刻teとして設定し、車両の衝突の形態を判定することができる。しかも、減速度Gl,Grのいずれかが連続3回に亘って閾値G2を越えたときに閾値G2を越えたと判定するから、ノイズなどによる誤判定を防止することができる。また、減速度Gl,Grのいずれもが閾値G2を越えることなく第1所定時間を経過したときには、車両の衝突形態の判定を中止するから、車両が悪路を走行しているときや縁石などの小さな障害物に当たったときに必要以上の処理を中止することができる。
【0038】
こうした変形例の衝突形態判定装置では、減速度Gl,Grのいずれかが連続3回に亘って閾値G2を越えたときに閾値G2を越えたと判定したが、ノイズなどによる誤判定を防止する目的であるから、その回数は何回でもよい。また、ノイズなどによる誤判定が問題にならないときには、減速度Gl,Grのいずれかが閾値G2を越えたら直ちに閾値G2を越えたと判定するものとしてもよい。
【0039】
また、変形例の衝突形態判定装置では、第2所定時間を経過する前に減速度Gl,Grのいずれかが閾値G2を越えても第2所定時間を経過する時刻を終点時刻teとして設定したが、第2所定時間を考慮しないものとしても差し支えない。或いは、減速度Gl,Grと閾値G2との判定を行なわずに第2所定時間を経過した時刻を終点時刻teに設定するものとしてもかまわない。
【0040】
実施例の衝突形態判定装置20や変形例の衝突形態判定装置では、車両の衝突形態が対称衝突であるか非対称衝突であるかを判定するまでの処理で終了するものとしたが、その判定の取り消し処理を行なうものとしてもよい。この処理としては、例えば、図9に例示する判定取消処理ルーチンを実行すればよい。このルーチンは、図5や図7の衝突判定処理ルーチンにより衝突形態の判定が行なわれたときに実行される。以下、この判定取消処理について簡単に説明する。
【0041】
この判定取消処理ルーチンが実行されると、マイクロコンピュータ40のCPU42は、左フロントセンサ24により検出される減速度Gl,Grの入力を開始する処理を実行し(ステップS300)、始点時刻tsから所定時間経過したかを判定する(ステップS302)。ここで、この所定時間は、判定の取消が有効となる時間として設定されるものであり、実施例では前述の第1所定時間と同様に20msecとした。
【0042】
所定時間経過していないときには、左右のフロントセンサ24,26に検出される減速度Gl,GrのいずれかがカウンタC3が閾値Cref以上となるまで連続して閾値G3を下回るか否かを判定する(ステップS304〜S312)。ここで、閾値G3は、通常、衝突の場合には下回らない値として設定されるものであり、例えば2Gや値0などが設定される。車両が悪路を走行しているときや縁石などの小さな障害物に当たったときなどでは、減速度Gl,Grの変化は振動成分に起因するものとなるから、減速度Gl,Grは小さな値や負の値となる。ステップS304〜S310の処理は、こうした現象を検出しようとするものなのである。なお、この処理におけるカウンタC3は、一定の時間を経過したか否かを判定するために用いられるものであり、カウンタC3と比較される閾値Crefは一定の時間経過するのに処理が繰り返される回数として設定されている。したがって、カウンタC3を用いる代わりに一定の時間の経過により判定してもよい。なお、実施例では、一定の時間として5msecとした。
【0043】
減速度Gl,GrのいずれかがカウンタC3が閾値Cref以上となるまで連続して閾値G3を下回るときには、図5のルーチンのステップS134やS136の処理で行なわれたた衝突形態の判定を取り消し(ステップS312)、初期化処理をして(ステップS314)本ルーチンを終了する。初期化処理を行なうのは、衝突でないと判定するからである。一方、減速度Gl,GrのいずれかがカウンタC3が閾値Cref以上となるまで連続して閾値G3を下回る前に所定時間経過したときには、判定の取り消しはせずに本ルーチンを終了する。図10に判定が取り消される様子を例示する。なお、図10では、閾値G3は閾値G1と同一とした。
【0044】
以上説明した判定取消処理を行なう衝突形態判定装置によれば、車両が悪路を走行しているときや縁石などの小さな障害物に当たったときなどの車両が衝突していないのを判定し、衝突形態の判定を取り消すことができる。しかも初期化処理するから、その後の車両の衝突における形態の判定を実行することができる。
【0045】
なお、説明した判定取消処理ルーチンでは、減速度Gl,Grのいずれかが連続して一定の時間閾値G3を下回るときに判定の取り消しを行なったが、減速度Gl,Grのいずれかが閾値G3を下回ったときに直ちに判定を取り消すものとしてもよい。また、図9の判定取消処理ルーチンでは、始点時刻tsから所定時間経過したときには、判定の取り消しを行なわないものとしたが、所定時間経過しての判定の取り消し要件を満たせば判定を取り消すものとしてもよい。
【0046】
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である衝突形態判定装置20の構成の概略を機能ブロックを用いて示す構成図である。
【図2】 実施例の衝突形態判定装置20のハード構成の概略を示す構成図である。
【図3】 実施例の衝突形態判定装置20が車両10に搭載されている様子を例示する説明図である。
【図4】 実施例の衝突形態判定装置20のマイクロコンピュータ40により実行される処理開始処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図5】 実施例の衝突形態判定装置20のマイクロコンピュータ40により実行される衝突形態の判定を行なう衝突判定処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図6】 車両の前方左側が衝突した際の減速度Gl,Grと衝突の形態の判定との様子を例示する説明図である。
【図7】 変形例の衝突判定処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図8】 車両の前方左側が衝突した際の減速度Gl,Grと衝突の形態の判定との様子を例示する説明図である。
【図9】 変形例の衝突形態判定装置のマイクロコンピュータ40により実行される判定取消処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図10】 判定の取り消しの様子を例示する説明図である。
【符号の説明】
10 車両、20 衝突形態判定装置、24 左フロントセンサ、26 右フロントセンサ、28 信号入力部、30 処理開始判定部、32 積分演算部、34 衝突形態判定部、40 マイクロコンピュータ、42 CPU、44 ROM、46 RAM、48 入出力処理回路。

Claims (11)

  1. 車両の衝突の形態が対称衝突であるか非対称衝突であるかを判定する衝突形態判定装置であって、
    前記車両の左右の前方に各々配置され、左右各々の減速度を検出する減速度検出手段と、
    該減速度検出手段により検出された左右各々の減速度のいずれかが所定値を超えたとき、衝突形態の判定の開始と判定する開始判定手段と、
    該判定の開始が判定された時刻から特に設定された時間経過するまでを積分区間として前記左右各々の減速度の時間積分値を演算する積分演算手段と、
    該演算された左右各々の減速度の時間積分値に基づいて車両の衝突の形態が対称衝突であるか非対称衝突であるかを判定する衝突形態判定手段と
    を備え、
    前記衝突形態判定手段は、前記左右各々の減速度の時間積分値の比が、第1の閾値と第2の閾値により設定される範囲内にあるか否かの判断に基づいて前記衝突の形態を判定する手段である衝突形態判定装置。
  2. 前記衝突形態判定手段は、前記左右各々の減速度の時間積分値の比が0.5ないし2の範囲内のときに対称衝突と判定し、該範囲外のときに非対称衝突と判定する手段である請求項1記載の衝突形態判定装置。
  3. 前記開始判定手段は、前記左右各々の減速度のいずれかが複数回に亘って前記所定値を越えたとき、判定の開始と判定する手段である請求項1または2に記載の衝突形態判定装置。
  4. 前記積分演算手段は、前記特に設定された時間として乗員移動時間または乗員移動時間に係数を乗じて得られる時間を用いて積分する手段である請求項1ないし3のいずれか1に記載の衝突形態判定装置。
  5. 前記積分演算手段は、前記特に設定された時間として前記減速度検出手段による左右各々の減速度のいずれかが前記所定値より大きな第2の所定値に至るまでの時間を用いて積分する手段である請求項1ないし3のいずれか1に記載の衝突形態判定装置。
  6. 前記積分演算手段は、前記減速度検出手段による左右各々の減速度のいずれかが複数回に亘って前記第2の所定値を越えたとき、該第2の所定値に至ったと判定する手段である請求項5記載の衝突形態判定装置。
  7. 前記積分演算手段は、前記積分区間が一定の時間未満のとき、該一定の時間を積分区間として積分する手段である請求項5または6に記載の衝突形態判定装置。
  8. 前記開始判定手段により判定の開始が判定されてから前記減速度検出手段により検出された左右各々の減速度のいずれもが前記第2の所定値に達することなく第2の所定時間が経過したとき、衝突の形態の判定を中止する第1判定中止手段を備える請求項5ないし7のいずれか1に記載の衝突形態判定装置。
  9. 前記開始判定手段により判定の開始が判定されてから前記減速度検出手段により検出された左右各々の減速度のいずれかが所定時間に亘って前記所定値より小さいとき、衝突の形態の判定を中止する第2判定中止手段を備える請求項1ないし8のいずれか1に記載の衝突形態判定装置。
  10. 車両の衝突の形態が対称衝突であるか非対称衝突であるかを判定する衝突形態判定方法であって、
    車両の左右前方で各々検出される減速度のいずれかが所定値を超えたときから特に設定された時間を経過するまでを積分区間として該各々検出される減速度の時間積分値を演算し、該演算された時間積分値の左右の比が、第1の閾値と第2の閾値により設定される範囲内にあるか否かの判断に基づいて車両の衝突の形態が対称衝突であるか非対称衝突であるかを判定する衝突形態判定方法。
  11. 前記時間積分値の左右の比が0.5ないし2の範囲内のときに対称衝突と判定し、該範囲外のときに非対称衝突と判定する請求項10記載の衝突形態判定方法。
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