JP3713081B2 - 一酸化炭素センサ付燃焼装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一酸化炭素センサ付燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃焼装置には、燃焼排気ガス中の一酸化炭素濃度を検出する一酸化炭素センサを備えたものがある。この一酸化炭素センサは、例えば接触燃焼型のものであり、排気ガス中の一酸化炭素濃度が高くなると一酸化炭素センサの検出素子の表面での接触燃焼が増大し、検出素子の温度が上昇する。この検出素子の温度上昇に対応する信号が、一酸化炭素濃度を表す信号として用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記一酸化炭素センサを、ガス給湯装置のような燃焼能力切換式燃焼装置に装着することがある。この種の燃焼装置では、バーナは複数の燃焼部を有しており、このバーナへのガス供給系には、燃焼部へのガス供給を選択的に行って、バーナの燃焼能力を段階的に切換える燃焼能力切換手段が設けられている。
【0004】
上記燃焼装置では、上記燃焼能力切換手段により燃焼状態にある燃焼部の数が変更された時に、一酸化炭素濃度が等しいにも拘わらず一酸化炭素センサの出力値が変動してしまう。これは、排気ガスの組成が変化し、この組成変化に伴う排気ガスの比熱変化が一酸化炭素センサの出力に変化を引き起こすためである。
【0005】
具体的に説明すると、例えば、2つの燃焼部A,Bを持つバーナを備えた燃焼装置において、利用者は得たい燃焼能力に合わせて、燃焼部Aだけでの燃焼と、燃焼部A,Bの両方での燃焼を随時選択する。
両方の燃焼部A,Bが燃焼している状態で、排気ガス中のH2OおよびCO2の濃度がそれぞれ例えば16%、8%であったとすると、燃焼部Aだけで燃焼が行われている状態では、排気ガス中のH2OおよびCO2の濃度はそれぞれ8%、4%と半減する。これは、燃焼部Bでは燃焼が行われず、この燃焼部Bを通る空気が排気通路に至り、燃焼部Aからの排気ガスのH2OおよびCO2が希釈されるためである。これらH2OとCO2は、空気に比べて特に比熱(定圧比熱)が大きいので、これらの濃度は、排気ガスの比熱に影響を及ぼす。具体的には、燃焼部A,Bで燃焼が行われている場合の方が、燃焼部Aだけで燃焼が行われている場合に比べて排気ガスの比熱が大きくなる。
【0006】
上記比熱の変化が、一酸化炭素センサの出力に変化をもたらすのである。詳述すると、一酸化炭素センサは、前述したように一酸化炭素濃度が高くなると検出素子の表面での接触燃焼が増大し、これによる温度上昇を一酸化炭素濃度として検出する。ここで排気ガスの比熱が小さいと、その分、一酸化炭素センサから排気ガスにより奪われる熱量は少なくなり、奪われる熱量が少ない分接触燃焼による温度上昇は大きくなり実際より高い一酸化炭素濃度に対応する出力となる。これとは逆に排気ガスの比熱が大きいと、一酸化炭素センサから排気ガスにより奪われる熱量は多くなり、その分接触燃焼による温度上昇は小さくなり実際より低い一酸化炭素濃度に対応する出力となる。具体的には、一酸化炭素センサの出力は、燃焼部Aでの燃焼の場合に実際より高い一酸化炭素濃度に対応するレベルとなり、燃焼部A,Bでの燃焼の場合に実際より低い一酸化炭素濃度に対応するレベルとなる。
同様なことは、それぞれ異なる用途の複数のバーナを備えるとともに、共通の排気通路を備えた燃焼装置についても言える。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の一酸化炭素センサ付燃焼装置は、図1に示すように、複数の燃焼部1を組み込んだバーナと、上記複数の燃焼部への燃料供給を選択的に行うことによりバーナの燃焼能力を手動で切換える燃焼能力切換手段と、上記複数の燃焼部での燃焼により生じた排気ガスが通る共通の排気通路2と、上記排気通路に設けられ排気ガス中の一酸化炭素濃度を検出する一酸化炭素センサ3と、を備えた燃焼装置において、
さらに、上記排気通路に設けられ排気ガスの温度を検出する温度検出手段4と、検出された排気ガス温度に基づいて上記複数の燃焼部での燃焼状況を判断する燃焼状況判断手段5と、この燃焼状況に対応する排気ガスの比熱に基づいて上記一酸化炭素濃度を補正する補正手段6と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、異なる用途に用いられる複数のバーナと、上記複数のバーナへの燃料供給を選択的に行う手動の切換え栓と、上記複数のバーナでの燃焼により生じた排気ガスが通る共通の排気通路と、上記排気通路に設けられ排気ガス中の一酸化炭素濃度を検出する一酸化炭素センサと、を備えた燃焼装置において、
さらに、上記排気通路に設けられ排気ガスの温度を検出する温度検出手段と、検出された排気ガス温度に基づいて上記複数のバーナでの燃焼状況を判断する燃焼状況判断手段と、この燃焼状況に対応する排気ガスの比熱に基づいて上記一酸化炭素濃度を補正する補正手段と、を備えたことを特徴とする
請求項3の発明では、請求項2に記載の一酸化炭素センサ付燃焼装置において、少なくとも1つのバーナは複数の燃焼部を有し、このバーナには、複数の燃焼部への燃料供給を選択的に行うことによりバーナの燃焼能力を手動で切換える燃焼能力切換手段が付設されていることを特徴とする。
請求項4の発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の一酸化炭素センサ付燃焼装置において、上記一酸化炭素センサが温度補償用の温度データを出力する素子を含み、上記温度検出手段が、上記一酸化炭素センサとは別途に上記排気通路に設けられた温度センサにより構成されていることを特徴とする。
請求項5の発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の一酸化炭素センサ付燃焼装置において、上記一酸化炭素センサが温度補償用の温度データを出力する素子を含み、この素子が、上記温度検出手段を兼用することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わるガス給湯追焚装置(一酸化炭素センサ付燃焼装置)を図2,図3を参照しながら説明する。図2に示すように、このガス給湯追焚装置は、給湯部10と、浴槽の湯を追焚するための追焚部20と、これらに共通の排気通路30とを備えている。
【0011】
上記給湯部10は、ガスバーナ11と、ガスバーナ11からの燃焼熱を受ける熱交換器12と、両者の間に配置された燃焼胴13とを備えている。熱交換器12の入口側に接続された給水管14は、燃焼胴13を巻くようにして設けられている。熱交換器12の出口側に接続された給湯管15の末端には、出湯栓(図示しない)が接続されている。この出湯栓を開くと、給水管14からの水が熱交換器12で加熱されて湯となり、給湯管15を経て出湯栓から出る。
【0012】
同様に追焚部20は、ガスバーナ21と、ガスバーナ21からの燃焼熱を受ける熱交換器22と、両者の間に配置された燃焼胴23とを備えている。熱交換器22の一端には導湯管24が接続され、他端には戻り管25が接続されている。これら導湯管24,戻り管25は、浴槽の下部内面に設置された循環金具に接続されている。浴槽の水または湯は導湯管24を経て熱交換器22を通るときに加熱され、戻り管25を経て浴槽に戻される。このようにして追焚が行なわれる。
【0013】
図3に示すように、給湯部10のガスバーナ11は、選択的にガス供給を受ける複数例えば4つのバーナエレメントA〜D(燃焼部または燃焼面)を持っている。他方、追焚部20のガスバーナ21は、複数のバーナエレメントを有するが、これらバーナエレメントは同時にガス供給を受けるものであり、1つの燃焼部を構成している。
図2で明瞭に示されていないが、上記ガスバーナ11,21からの燃焼排気ガスは、それぞれ燃焼胴13,23を経、熱交換器12,22を経、すべて共通の排気通路30を通って外部に排出される。
【0014】
図2では給湯部10と追焚部20は離れて示されているが、実際には隣接しており、これらのガスバーナ11,21も隣合っている。ガスバーナ11,21間には、パイロットバーナ40が配置されている。このパイロットバーナ40の上方には、点火のためのイグナイタ41と、熱電対42が設けられている。
【0015】
次に、上記ガスバーナ11、21,パイロットバーナ40へガスを供給するためのガス供給系50について説明する。
このガス供給系50は、一本の主ガス管51と、この主ガス管51の下流端から分岐した3本の分岐ガス管52a,52b,52cを備えている。分岐ガス管52aは給湯部10のガスバーナ11に向かい、分岐ガス管52bは追焚部20のガスバーナ21に向かい、分岐ガス管52cはパイロットバーナ40へと向かう。
【0016】
上記主ガス管51と分岐ガス管52a,52b,52cとの分岐部には、分岐ガス管52a,52b,52cへのガス供給を制御するための開閉弁60と手動切換え栓70とが連なって設けられている。
【0017】
上記開閉弁60は中空の本体61を備えている。この本体61には、弁座62が形成されており、この弁座62に弁体63が対峙している。弁体63は、バネ64により弁座62方向に付勢される。この弁体63は、後述するように、シャフト74に押された時にバネ64に抗して弁座62からリフトしてガスの流通を許し、また、ソレノイド65によりこのリフト状態を維持される。
【0018】
上記切換え栓70は、上記開閉弁60の本体61に連なる中空の本体71と、この本体71に回動可能に収容された栓体72と、この栓体72を操作するつまみ73と、つまみ73と栓体72とを連結するシャフト74とを備えている。シャフト74は栓体72を貫通しており、栓体72に対して軸方向にスライド可能であるが、相対回動はできない。したがって、つまみ73を操作することにより、シャフト74を介して栓体72を回動操作することができる。つまみ73は、バネ75により外方向に突出するように付勢されており、手動でバネ75に抗して押し込むことができるようになっている。
【0019】
上記栓体72は、軸方向に延びるとともに下端面に開口する主通路72xと、栓体72の下部に形成され互いに90°をなすとともに主通路72xに連なる一対の副通路72a(1つのみ図示する)と、栓体72の上部に形成され互いに90°をなすとともに主通路72xに連なる一対の副通路72bとを有している。上記副通路72aは分岐ガス管52aに対応して形成されており、副通路72bは分岐ガス52bに対応して形成されている。なお、分岐ガス管52cは、栓体72の下端部に広い角度範囲にわたって形成された副通路72cを介して弁座62に連なる。
【0020】
上記開閉弁60と切換え栓70の作用について簡単に説明しておく。つまみ73をバネ75に抗して押すと、シャフト74が下方へ移動し弁体63をバネ64に抗して弁座62からリフトさせる。そして、栓体72を所定角度回動させることにより、分岐ガス管52cを介してパイロットバーナ40にガスが供給される。これと同時に点火つまみ(図示しない)を操作することにより、イグナイタ41が放電し、パイロットバーナ40への点火がなされる。パイロットバーナ40が点火すると、熱電対42に起電力が生じ、この起電力によりソレノイド65が励磁され、弁体63のリフト状態が維持される。そのため、つまみ73から手を放しても開閉弁60の開き状態が自己保持される。
【0021】
上記点火時には、栓体72は第1回動位置にあり、副通路72a,72bは分岐ガス管52a,52bと連通状態になく、ガスバーナ11,21へのガス供給は行われない。上記つまみ73の操作で栓体72を90°回動させて第2の回動位置にすると、副通路72aと分岐ガス管52aが連なり、給湯部10のガスバーナ11へのガス供給が可能となる。さらに栓体72を90°回して第3の回動位置にすると副通路72bと分岐ガス管52bが連なり、追焚部20のガスバーナ21へのガス供給が可能となる。
【0022】
上記給湯部10のガスバーナ11に向かう分岐ガス管52aの中途部には、水圧応答式の開閉弁55が設けられている。また、給湯部10の給水管14の中途部に、水圧駆動部56が設けられている。この水圧駆動部56は、上記出湯栓を開いて給水管14に水が流れた時に、内部で差圧を発生させてダイヤフラム(図示しない)に付与し、このダイヤフラムに連結された作動部材を介して上記開閉弁55を開くようになっている。これにより、ガスバーナ11へのガス供給が可能となる。
【0023】
分岐ガス管52a,52bの末端には、ノズルユニット57,58がそれぞれ接続されている。追焚部20側のノズルユニット58は、ガスバーナ21の複数のバーナエレメントにそれぞれ対峙するノズル58aを有し、上記切換え栓70での操作により分岐ガス管52bにガスが導入された時に、これらノズル58aからすべてのバーナエレメントにガスが供給される。
【0024】
次に、給湯側のノズルユニット57の構造を図3を参照しながら詳述する。このノズルユニット57は、上記分岐ガス管52aに連なるガス流入口57xと、バーナエレメントA,B,C,Dにそれぞれ対峙するノズル57a,57b,57c,57dとを有している。ノズル57aは常にガス流入口57xと連なっている。他のノズル57b,57c,57dは、燃焼能力切換手段80により、ガス流入口57xとの連通を制御されるようになっている。
【0025】
燃焼能力切換手段80は、ノズルユニット57に収容された弁体81と栓体82とを有している。弁体81はバネ83に付勢されて弁座84に着座するようになっている。この弁体81が弁座81からリフトすることにより、ガス流入口57xとノズル57bが連通するようになっている。栓体82は周壁に3つのポート82a,82b,82cを有するとともに、先端面に1つのポート82dを有している。
【0026】
上記栓体82には、回動部材85が連結されている。この回動部材85は操作つまみ86の操作により回動するようになっている。回動部材85にはカム85aが設けられており、このカム85aには弁体81に設けたカムフォロア87が対峙している。
【0027】
上記燃焼能力切換手段80において、回動部材85の初期回動位置では、図4(A)に示すように栓体82のポート82c,82bがノズルユニット57の通路57y,57zとそれぞれ連通するが、弁体81が弁座84に着座しているため、ガスは、ノズル57aを介してバーナエレメントAだけに送られる。
操作つまみ86を回動して回動部材85を第2回動位置にすると、カム85aとカムフォロア87のカム作用により、弁体81がリフトし、ノズル57bを介してバーナエレメントBにもガスが供給される。この第2回動位置では、図4(B)に示すように、栓体82のポート82a,82b,82cのいずれも、ノズルユニット57に形成された弁座84側の通路57yと連通状態にないので、バーナエレメントC,Dにはガスが供給されない。
【0028】
上記回動部材85が第3の回動位置に達すると、図4(C)に示すように、栓体82のポート82aが通路57yと連通状態となるので、この通路57y,栓体82のポート82a,82dを介してバーナエレメントCにもガスが供給される。しかし、栓体82の他のポート82b,82cが、ノズルユニット57に形成されたノズル57d側の通路57zと連通状態ではないので、バーナエレメントDにはガス供給がなされない。
回動部材85が第4の回動位置に達すると、図4(D)に示すように、栓体82のポート82b,82cがそれぞれ通路57y,57zに連通するため、すべてのバーナエレメントA〜Dにガスを供給することができる。
このように、操作つまみ86を回動操作させることにより、ガス燃焼にあずかるバーナエレメントの数を1〜4のいずれかに選択することができ、ガスバーナ11の燃焼能力を切り換えることができる。
【0029】
次に、本発明にとって最も重要な構成について説明する。給湯部10と追焚部20に共通の排気通路30には、排気ガス中の一酸化炭素濃度を検出するための一酸化炭素センサ90が設けられている。この一酸化炭素センサ90は、接触燃焼式のセンサであり、図5に示すように、白金抵抗体に触媒を付与した検出素子91と、白金抵抗体に触媒を付与しない比較素子92と、白金抵抗体からなる測温素子93とを備えている。検出素子91と比較素子92は約200℃に通電加熱されている。この検出素子91に排気ガス中の一酸化炭素が接触して燃焼する。排気ガス中の一酸化炭素濃度が高いほど、接触燃焼による熱量も増大し、それに伴い検出素子91の電気抵抗も大きくなる。検出素子91と比較素子92はブリッジ回路に組み込まれており、これら抵抗値の差に対応する電圧が一酸化炭素濃度として出力される。このようにして、一酸化炭素センサ90は一酸化炭素濃度に比例した電圧を出力する。なお、出力された一酸化炭素濃度を温度補償のために、測温素子93からの温度データが用いられる。
【0030】
上記排気通路30には、上記一酸化炭素センサ90の他に、排気ガスの温度を検出するための温度センサ95(温度検出手段)が設けられている。上記一酸化炭素センサ90と温度センサ95からの検出信号は制御部100に送られる。この制御部100は、温度センサ95からの排気ガス温度の情報を基にしてガスバーナ11のバーナエレメントA、B、C、Dおよびガスバーナ21の燃焼状況を判断する(燃焼状況判断手段)。このように燃焼状況を判断できる根拠について説明する。例えば、ガスバーナ11のバーナエレメントAだけで燃焼している場合に比べて、2つのバーナエレメントA,Bで燃焼している場合には、燃焼能力は倍になり、これに伴い排気ガスの温度も大きく上昇する。そのため、排気ガス温度から、燃焼状況を正確に検出することができるのである。
【0031】
上記のように、燃焼状態にある燃焼部(ガスバーナ11のバーナエレメントA〜D,ガスバーナ21)が多くなると、排気ガスの比熱も大きくなる。これは、前述したように、排気ガスに含まれる比熱の大きいH2OやCO2が増えるためである。そこで、上記のようにして判断された燃焼状況に基づいて決定される排気ガスの比熱により一酸化炭素センサ90からの一酸化炭素濃度を補正する(補正手段)。前述したように、排気ガスの比熱が大きいほど、一酸化炭素センサ90から排気ガスにより奪われる熱量は多くなるため、一酸化炭素センサ90は、実際より低い一酸化炭素濃度に対応する出力となる。そこで、例えば排気ガスが基準比熱(例えば予め設定された燃焼部数に対応する排気ガスの比熱)に対して排気ガスの比熱が増大するにつれて、検出された一酸化炭素濃度を増大方向に補正し、排気ガスの比熱が減少するにつれて、検出された一酸化炭素濃度を減少する方向に補正する。具体的には、この比熱に応じたゲインで乗算したり、比熱に応じた補正値を検出濃度に対して加算または減算する。このようにして、正確な一酸化炭素濃度の情報を得ることができる。なお、これらゲインまたは補正値は、上記燃焼部数(燃焼能力)の関数として直接求めてもよい。
【0032】
上記制御部100では、この補正された一酸化炭素濃度を閾値と比較して、閾値を超えた場合、ガス供給を完全に遮断する遮断指令信号を出力する。この遮断指令信号に応答して、ソレノイド65に直列に接続されたスイッチ(図示しない)がオフされ、ソレノイド65が非励磁状態となるため、弁体63はバネ64の力で弁座62に着座する。これにより、一酸化炭素濃度が閾値を超えた場合、直ちにガス供給を遮断するので、さらなる不完全燃焼を防止できる。
【0033】
なお、本実施例では充電電池110とサーモモジュール115を併用して上記制御部100に電力を供給している。勿論、電源として電池を利用しても構わないが、サーモモジュール115により充電電池110を充電するので電池交換の必要がないという利点がある。サーモモジュール115は給湯部10の燃焼胴13と給水管14との間に設けられ、両者の温度差を電力に変換する(ゼーベック効果)。
【0034】
上記実施例において、温度センサ95を省き、その代わりに、一酸化炭素センサ90の測温素子93を、温度検出手段として用いてもよい。また、この測温素子がないタイプの一酸化炭素センサの場合には、比較素子の白金抵抗体を温度検出手段として用いてもよい。
【0035】
本発明は、燃焼能力切換え式のバーナだけを有する燃焼装置にも適用できるし、また、燃焼能力切換え機能のないバーナを複数備えた燃焼装置にも適用できる。複数のバーナは、給湯,追焚以外の用途に用いられるものであってもよい。バーナにはファンにより燃焼空気を送るようにしてもよい。
【0036】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、複数の燃焼部の燃焼状況に応じて排気ガスの比熱が変化しても、排気ガス温度に基づいて燃焼状況を把握することにより、一酸化炭素の検出濃度を正確に補正することができる。また、その補正のための構成も簡単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例をなす給湯追焚装置の概略構成を示す構成図である。
【図3】同給湯追焚装置の給湯部バーナのためのノズルユニットおよび燃焼能力切換手段の拡大断面図である。
【図4】図3におけるIVーIV線に沿う断面図であり、(A)〜(D)はそれぞれ異なる状態を示す。
【図5】一酸化炭素センサの詳細な構造を示す拡大斜視図である。
【符号の説明】
1 燃焼部
2 排気通路
3 一酸化炭素センサ
4 温度検出手段
5 燃焼状況判断手段
6 補正手段
11,21 バーナ
30 排気通路
A,B,C,D バーナエレメント(燃焼部)
90 一酸化炭素センサ
95 温度センサ
100 制御部(燃焼状況判断手段、補正手段)
Claims (5)
- 複数の燃焼部を組み込んだバーナと、上記複数の燃焼部への燃料供給を選択的に行うことによりバーナの燃焼能力を手動で切換える燃焼能力切換手段と、上記複数の燃焼部での燃焼により生じた排気ガスが通る共通の排気通路と、上記排気通路に設けられ排気ガス中の一酸化炭素濃度を検出する一酸化炭素センサと、を備えた燃焼装置において、
さらに、上記排気通路に設けられ排気ガスの温度を検出する温度検出手段と、検出された排気ガス温度に基づいて上記複数の燃焼部での燃焼状況を判断する燃焼状況判断手段と、この燃焼状況に対応する排気ガスの比熱に基づいて上記一酸化炭素濃度を補正する補正手段と、を備えたことを特徴とする一酸化炭素センサ付燃焼装置。 - 異なる用途に用いられる複数のバーナと、上記複数のバーナへの燃料供給を選択的に行う手動の切換え栓と、上記複数のバーナでの燃焼により生じた排気ガスが通る共通の排気通路と、上記排気通路に設けられ排気ガス中の一酸化炭素濃度を検出する一酸化炭素センサと、を備えた燃焼装置において、
さらに、上記排気通路に設けられ排気ガスの温度を検出する温度検出手段と、検出された排気ガス温度に基づいて上記複数のバーナでの燃焼状況を判断する燃焼状況判断手段と、この燃焼状況に対応する排気ガスの比熱に基づいて上記一酸化炭素濃度を補正する補正手段と、を備えたことを特徴とする一酸化炭素センサ付燃焼装置。 - 少なくとも1つのバーナは複数の燃焼部を有し、このバーナには、複数の燃焼部への燃料供給を選択的に行うことによりバーナの燃焼能力を手動で切換える燃焼能力切換手段が付設されていることを特徴とする請求項2に記載の一酸化炭素センサ付燃焼装置。
- 上記一酸化炭素センサが温度補償用の温度データを出力する素子を含み、上記温度検出手段が、上記一酸化炭素センサとは別途に上記排気通路に設けられた温度センサにより構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の一酸化炭素センサ付燃焼装置。
- 上記一酸化炭素センサが温度補償用の温度データを出力する素子を含み、この素子が、上記温度検出手段を兼用することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の一酸化炭素センサ付燃焼装置。
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