JPH05610B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、バーナへ燃焼用空気を供給する送風
機を備えた強制送風式燃焼装置において、送風機
および比例弁を制御する制御装置に係り、特に異
なつた燃料種にも対応して、安全かつ確実な着火
が得られるよう改良された制御装置に関する。

［従来の技術］ 給湯器や暖房機等の燃焼機器では、使用する燃
料種によつて発熱量が異なる。そのため、例えば
ガスを燃料とする場合には、同じ発熱量を得るた
めの燃料供給量がガス種によつて異なる。また、
供給されるガスの圧力がガス種によつて異なるた
め、ガス量を調節する比例弁が同じ制御量に制御
されても、バーナへ供給されるガス量が異なる。
燃焼機器では、こうした燃料種の差による影響を
受けずに、複数のガス種に対応して使用するため
に、ガス種に応じてガス通路に、オリフイス等を
利用して、制御装置には同じものを使用する方法
と、特公昭57−3844号公報の発明のように、ガス
通路をそのままにして、ガス制御弁の駆動におい
て、ガス種に応じて制御装置のゲインを切替える
方法とがある。

また、点火時には、安全かつ確実な着火が得ら
れるように、燃焼機器毎の緩点火燃焼量が決めら
れていて、緩点火燃焼量となるようにガス種に応
じて比例弁等のガス制御弁が制御されている。

［発明が解決しようとする課題］ しかし、燃焼用空気を送風機によつて供給する
強制送風式燃焼装置、特に全一次空気燃焼等を行
い燃焼プレートを備えた強制送風式燃焼装置で
は、ガス種に応じてノズル等を変更するととも
に、燃焼プレートの炎口径を変更すると、それに
伴つて燃焼用空気の通過経路も変更してしまうこ
とになる。従つて、送風機による供給空気を目的
燃焼量に合わせるためには、送風機の制御特性を
変更する必要がある。また、燃料供給量を調節す
る比例弁が、検出される送風機の回転数に応じて
制御される場合には、送風機の制御特性が変更さ
れると、それに伴つて比例弁の制御特性が変化し
てしまう。このため、点火時には、緩点火燃焼量
に応じた燃料が供給されないため、安全かつ確実
な着火が得られないという問題がある。

本発明は、強制送風式燃焼装置において、異な
つた燃料種に対しても安全かつ確実な着火が得ら
れる制御装置を提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本発明は、バーナの燃焼量を決定する燃焼量決
定手段と、前記バーナへ燃焼用空気を供給する送
風機を燃料種に対応して制御するための複数の制
御特性を有し、前記燃焼量決定手段の決定燃焼量
に応じて前記送風機を制御する送風機制御手段
と、前記送風機の回転数を検出する回転数検出手
段と、前記バーナへの燃料供給量を調節する比例
弁を前記送風機制御手段の前記複数の制御特性に
それぞれ対応して制御するための複数の制御特性
を有し、前記回転数検出手段の検出回転数に応じ
て前記比例弁を制御する比例弁制御手段と、前記
送風機制御手段の制御特性と前記比例弁制御手段
の制御特性を、燃料種に応じてそれぞれ選択する
制御特性選択手段とからなり、点火時に、前記燃
焼量決定手段は緩点火燃焼量を決定するととも
に、選択された各制御特性に基づいて前記送風機
および前記比例弁をそれぞれ緩点火制御すること
を技術的手段とする。

［作 用］ 本発明の強制送風式燃焼装置の制御装置では、
使用される燃料種に対応して送風機の制御特性と
比例弁の制御特性とが選択され、点火時には、送
風機は決定された緩点火燃焼量に応じて制御さ
れ、比例弁は検出された送風機の回転数に応じて
制御される。

ここで、比例弁の制御特性は送風機の制御特性
に対応しているため、比例弁は決定された緩点火
燃焼量に応じて制御される。

従つて、送風機および比例弁は、選択された燃
料種において、緩点火燃焼量に応じた燃焼用空気
および燃料をバーナへそれぞれ供給する。この結
果、バーナは緩点火制御された燃焼量で着火す
る。

［発明の効果］ 本発明では、使用される燃料種が異なつても、
燃焼用空気および燃料が、緩点火燃焼量となるよ
うに供給されるため、安全かつ確実な緩点火が得
られる。

［実施例］ 次に本発明の強制送風式燃焼装置の制御装置
を、実施例に基づき説明する。

第２図にその概略を示すガス給湯器では、燃焼
器１０は、給湯器ケース１とその内部に設けられ
たバーナプレート１１とからなり、燃焼用空気を
供給する送風機１２とを備え、送風機１２の作動
によつて燃焼用空気が送風機ケース１２ａからバ
ーナケース１１ａへ供給される。またノズル１３
からは燃料ガスが供給され、送風機１２によつて
供給される一次空気のみで燃焼する全一次空気燃
焼を行い、燃焼ガスは排気口から排出される。バ
ーナプレート１１近傍の上方には、点火装置であ
るスパーカ１４、炎検知のためのフレームロツド
１５、燃焼温度を検知するサーモカツプル１６が
それぞれ設けられている。

燃料ガスをノズル１３へ供給する燃料管２０に
は、その上流側から順に元電磁弁２１、主電磁弁
２２が、さらに圧力を調節して燃焼器１０への燃
料供給量を調節する比例弁２３とがそれぞれ設け
られ、燃料管２０は比例弁２３の下流では分岐し
ており、分岐した一方の燃料管２０には燃料を遮
断するための切替用の電磁弁２４が備えられ、他
方には燃焼器１０への燃料供給量を制限するため
のオリフイス２５が備えられている。

水管３０は、図示しない水供給源および給湯口
とそれぞれ接続された供給管３１および給湯管３
１ａと、これらの間を連通して設けられた熱交換
器３２およびバイパス管３２ａとからなり、供給
管３１から供給される水の一部は熱交換器３２を
介して、残る部分はバイパス管３２ａを介して給
湯管３１ａへ導かれ、熱交換器３２およびバイパ
ス管３２ａの合流部にはバイパス弁３３が設けら
れ、熱交換器３２によつて加熱される水と、バイ
パス管３２ａによつてそのまま導かれる水の割合
を適切に調節する。

一方、供給管３１には上流側より水量制御弁３
４、水量センサ３５および入水温サーミスタ３６
が、また熱交換器３２の下流には熱交換サーミス
タ３７が、さらに給湯管３１ａには出湯温サーミ
スタ３８がそれぞれ備えられている。

なお水量センサ３５は、供給管３１内を通過す
る水流により回転する図示しない羽根車の回転数
に応じた数のパルスを出力する。

制御装置４０は、マイクロコンピユータを中心
とするもので、第１図に示すとおり、温調制御部
４１、点火制御部４２、燃焼制御部４３、水量制
御部４４の各機能部から構成され、さらに使用者
によつて操作されるコントローラ４５および図示
しない安全回路を備え、それぞれ次のとおり機能
する。

温調制御部４１は、水管３０に配された各サー
ミスタの抵抗値から得られる温度信号と、水管３
０内を通過する水量に応じて発生される水量セン
サ３５からのパルス信号およびコントローラ４５
による設定温度に基づいて、熱交換器３２が水の
加熱をするのに必要な目標燃焼量を決定し、送風
機１２に印加するための基礎電圧値を決定する。

また、点火時には、安全かつ確実な着火が行わ
れるように、燃焼器１０に応じた緩点火燃焼量を
目標燃焼量として決定する。

点火制御部４２は、水量センサ３５に基づく通
水信号が伝えられると、予め設定されたシーケン
スで点火制御を行う。

燃焼制御部４３は、送風機制御部５１、回転数
検出部５２、比例弁制御部５３、空燃比補正部５
４、ガス種設定部５５の各機能部を有し、各機能
部はそれぞれ次のとおり機能する。

送風機制御部５１は、温調制御部４１の基礎電
圧値に基づいて送風機１２の印加電圧を制御す
る。

ここでは、温調制御部４１で決定される基礎電
圧値に対応した送風機１２の制御電圧データが、
ガス種毎に記憶装置にそれぞれ記憶されていて、
基礎電圧値が与えられると、それに対応したデー
タが使用されるガス種に応じてマイクロコンピユ
ータの演算処理により読み出され、それに基づい
た電圧が送風機１２に印加される。

従つて、送風機１２には、同じ目標燃焼量Ｑ１
〜Ｑ２に対応して、例えば都市ガス６Ｃ、天然ガ
ス１３Ａ、プロパンガスLPGでは、第３図の実
線Ａ，Ｂ，Ｃに示すとおり、ガス種に応じて異な
つた電圧範囲Ｖ１〜Ｖ２、Ｖ３〜Ｖ４、Ｖ５〜Ｖ
６で制御電圧が印加され、それぞれ異なつた回転
数で駆動される。また点火時には、緩点火燃焼量
Qaに対応して、各ガス種毎にそれぞれ実線Ａ，
Ｂ，Ｃ中の点ａ，ｂ，ｃで示される電圧値Va，
Vb，Vcが印加され、送風機１２は緩点火制御さ
れる。

なお、送風機制御部５１における演算処理の内
容は、後述するガス種設定部５５により設定され
る。

回転数検出部５２は、送風機１２の回転数を検
出して、その回転数に基づいて比例弁２３への通
電電流値を示す基礎電流値を決定する。

比例弁制御部５３は、回転数検出部５２の基礎
電流値に基づいて比例弁２３への通電電流を制御
する。ここでは、各ガス種毎に、回転数検出部５
２の検出回転数に対応した比例弁２３の通電電流
データが、記憶装置にそれぞれ記憶されていて、
基礎電流値が与えられると、それに対応したデー
タが使用されるガス種に応じてマイクロコンピユ
ータの演算処理により読み出され、それに基づい
た電流が比例弁２３に通電される。この演算処理
においては、目標燃焼量が同じ場合でも、送風機
１２がガス種に応じて異なつた回転数に制御され
ているため、検出される回転数は、ガス種に応じ
て異なつており、また、同じ目標燃焼量に対する
ガスの供給量も、ガス種に応じて異なるため、比
例弁２３には、第４図の実線Ｄ，Ｅ，Ｆにそれぞ
れ示すとおり、異なつた回転数N1〜N2、回転数
N3〜N4、回転数N5〜N6にそれぞれ対応して、
目標燃焼量が得られるように、それぞれ異なつた
電流値I1〜I2、電流値I3〜I4、電流値I5〜I6が与
えられる。その結果、比例弁２３はそれぞれの電
流値に応じた開度を呈し、燃焼器１０には、各ガ
ス種において、目標燃焼量が得られる量の燃料ガ
スがそれぞれ供給されることになる。

また、点火時には、緩点火燃焼量Qaに対応す
るように、各ガス種毎にそれぞれ実線Ｄ，Ｅ，Ｆ
中の点ｄ，ｅ，ｆで示される電流値Id，Ie，Ifが
通電され、比例弁２３は緩点火制御される。な
お、比例弁制御部５３における演算処理の内容
は、後述するガス種設定部５５により設定され
る。

空燃比補正部５４は、燃焼温度に応じて出力さ
れるサーモカツプル１６の出力電圧に基づいて空
燃比の誤差を求め、それに基づいて送風機１２の
印加電圧を補正し、供給される燃焼用空気量を補
正することにより、適正な空燃比に維持する。ま
た、補正によつて変化した送風機１２の回転数に
相当する比例弁２３への基礎電流値の変化分を修
正する信号を比例弁制御部５３へ出力する。

ガス種設定部５５は、使用されるガス種に応じ
て送風機制御部５１および比例弁制御部５３の各
目標値を変更させるために、送風機制御部５１お
よび比例弁制御部５３の各制御特性、すなわち演
算式を設定、変更する部分である。

水量制御部４４は、入水温度に基づいてバイパ
ス弁３３および水量制御弁３４の開度を調節し、
加熱能力以上の水量が熱交換器３２内へ流入する
のを制限する。

以上の構成からなる本実施例のガス給湯器は次
のとおり作動する。

工場での出荷時、あるいは、ガス給湯器の設置
時に、使用されるガス種に応じて制御装置４０の
特性がガス種設定部５５で、あらかじめ設定され
る。

使用者がコントローラ４５によつて出湯温度を
設定し、図示しない水栓を操作すると、供給管３
１によつて供給される水は、水量制御弁３４、水
量センサ３５を通過して、熱交換器３２およびバ
イパス管３２ａへ流入し、バイパス弁３３でそれ
ぞれの流出量が調節されて、給湯管３１ａを介し
て図示しない給湯口から流出する。供給管３１内
の水の通過が水量センサ３５で検知されると、送
風機１２がガス種に応じて緩点火制御された回転
数で回転を開始する。

また、水量センサ３５からの信号に基づいて点
火制御部４２によつて点火制御が開始され、スパ
ーカ１４に火花放電が行われる。さらに元電磁弁
２１と主電磁弁２２が開状態にされ、比例弁２３
にガス種に応じた所定の緩点火電流値が通電され
ると、ノズル１３からは緩点火燃焼量に応じた燃
料ガスが噴出し、燃焼用空気と混合される。

従つて、スパーカ１４によつて点火されると、
安全かつ確実に着火にする。

着火がフレームロツド１５によつて検知される
と、温調制御部４１において必要な燃焼量が計算
され、送風機１２の基礎電圧値が決定される。

送風機１２には、基礎電圧値をガス種に応じて
演算処理された印加電圧に基づいた電圧が印加さ
れ、その電圧に応じた回転数で回転する。

送風機１２の回転数が検出されると、比例弁２
３を制御するための演算処理が行われ、比例弁２
３にはガス種に応じた通電電流値が決定され、そ
の電流値に基づいて比例弁２３が通電される。

比例弁２３は、通電電流に応じた開度を呈し、
燃焼器１０には、目標燃焼量に応じた量の燃料ガ
スが供給される。

その後、出湯量や設定温度の変更があると、そ
の変更に応じて燃焼量が変更される。

以上のとおり、本発明では、使用されるガス種
に対応して、送風機と比例弁の制御特性がそれぞ
れ変更され、点火時には緩点火制御されるため、
点火時の燃焼量がガス種によつて変化することが
なく、緩点火燃焼量が得られるため、安全かつ確
実に着火する。

本実施例では、ガス給湯器を示したが、強制送
風式燃焼装置を備えた暖房機や調理器でもよい。

また、燃料がガスに限定されず、ガス化して使
用される石油でもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示すガス給湯器の制
御装置の機能的構成を示す機能ブロツク図、第２
図は本実施例のガス給湯器の構成を示す概略図、
第３図は本実施例の制御装置の作動説明のための
目標燃焼量と送風機への印加電圧との関係を示す
特性図、第４図は送風機の回転数と比例弁の電流
との関係を示す特性図である。 図中、４１…温調制御部（燃焼量決定手段）、
５１…送風機制御部（送風機制御手段）、５２…
回転数検出部（回転数検出手段）、５３…比例弁
制御部（比例弁制御手段）、５５…ガス種設定部
（制御特性選択手段）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ バーナの燃焼量を決定する燃焼量決定手段
   と、 前記バーナへ燃焼用空気を供給する送風機を燃
   料種に対応して制御するための複数の制御特性を
   有し、前記燃焼量決定手段の決定燃焼量に応じて
   前記送風機を制御する送風機制御手段と、 前記送風機の回転数を検出する回転数検出手段
   と、 前記バーナへの燃料供給量を調節する比例弁を
   前記送風機制御手段の前記複数の制御特性にそれ
   ぞれ対応して制御するための複数の制御特性を有
   し、前記回転数検出手段の検出回転数に応じて前
   記比例弁を制御する比例弁制御手段と、 前記送風機制御手段の制御特性と前記比例弁制
   御手段の制御特性を、燃料種に応じてそれぞれ選
   択する制御特性選択手段とからなり、 点火時に、前記燃焼量決定手段は緩点火燃焼量
   を決定するとともに、選択された各制御特性に基
   づいて前記送風機および前記比例弁をそれぞれ緩
   点火制御することを特徴とする強制送風式燃焼装
   置の制御装置。