JP3711428B2 - ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン誘導体 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新規なピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明誘導体は文献未載の新規化合物である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は医薬品として有用な化合物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、下記一般式(1)で表される新規な誘導体が提供される。
【0005】
一般式(1):
【0006】
【化3】
【0007】
〔式中、R1及びR2はそれぞれ低級アルキル基、低級アルコキシカルボニル低級アルキル基、1−ピロリジニルカルボニル低級アルキル基、N−低級アルキルカルバモイル低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、ジ低級アルキルホスホロ低級アルキル基、N−(トリ低級アルコキシフェニル)カルバモイル低級アルキル基、オキソアルキル基又は置換基として低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルカノイルアミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、ヒドロキシル基及びハロゲン原子から選ばれる基の1〜3個を有することのあるフェニル基を示すか、あるいはR1及びR2は互いに結合してそれらが結合する硫黄原子と共に1,4−チオキサン環、1,4−ジチアン環、2H−1,4−ベンゾチアジン−3(4H)−オン環、テトラヒドロチオピラン環又は4位に2−フロイル基もしくは置換基として低級アルコキシ基の1〜3個を有することのあるベンゾイル基を有する1,4−チアザン環を形成する基を示す。R3は水素原子、低級アルキル基又は置換基として低級アルコキシ基の1〜3個を有することのあるフェニル低級アルキル基を示す。〕
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明誘導体を表わす上記一般式(1)において、R1、R2及びR3で示される各基としては、次のものを例示することができる。
【0009】
即ち、低級アルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状低級アルキル基を例示できる。
【0010】
低級アルコキシカルボニル低級アルキル基としては、例えばメトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、1−エトキシカルボニルエチル、2−エトキシカルボニルエチル、3−エトキシカルボニルプロピル、4−エトキシカルボニルブチル、5−エトキシカルボニルペンチル、6−エトキシカルボニルヘキシル、2−ブトキシカルボニルエチル、ヘキシルオキシカルボニルメチル基等を例示できる。
【0011】
1−ピロリジニルカルボニル低級アルキル基としては、例えば1−ピロリジニルカルボニルメチル、2−(1−ピロリジニル)カルボニルエチル、3−(1−ピロリジニル)カルボニルプロピル、4−(1−ピロリジニル)カルボニルブチル、5−(1−ピロリジニル)カルボニルペンチル、6−(1−ピロリジニル)カルボニルヘキシル基等を例示できる。
【0012】
N−低級アルキルカルバモイル低級アルキル基としては、例えばN−メチルカルバモイルメチル、N−エチルカルバモイルメチル、N−プロピルカルバモイルメチル、N−ブチルカルバモイルメチル、N−ペンチルカルバモイルメチル、N−ヘキシルカルバモイルメチル、2−(N−メチルカルバモイル)エチル、2−(N−エチルカルバモイル)エチル、3−(N−メチルカルバモイル)プロピル、4−(N−メチルカルバモイル)ブチル、5−(N−メチルカルバモイル)−ペンチル、6−(N−メチルカルバモイル)ヘキシル基等を例示できる。
【0013】
ヒドロキシ低級アルキル基としては、例えばヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチル、6−ヒドロキシヘキシル基等を例示できる。
【0014】
ジ低級アルキルホスホロ低級アルキル基としては、例えばジメチルホスホロメチル、ジエチルホスホロメチル、ジプロピルホスホロメチル、ジイソプロピルホスホロメチル、ジブチルホスホロメチル、ジペンチルホスホロメチル、ジヘキシルホスホロメチル、2−(ジメチルホスホロ)エチル、2−(ジエチルホスホロ)エチル、3−(ジエチルホスホロ)プロピル基等を例示できる。
【0015】
N−(トリ低級アルコキシフェニル)カルバモイル低級アルキル基としては、例えばN−(3,4,5−トリメトキシフェニル)カルバモイルメチル、2−〔N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)カルバモイル〕エチル、3−〔N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)カルバモイル〕プロピル、4−〔N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)カルバモイル〕ブチル、5−〔N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)カルバモイル〕ペンチル、6−〔N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)カルバモイル〕ヘキシル、2−〔N−(2,3,4−トリメトキシフェニル)カルバモイル〕エチル、2−〔N−(2,3,5−トリメトキシフェニル)カルバモイル〕エチル、2−〔N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)カルバモイル〕エチル、2−〔N−(2,3,6−トリメトキシフェニル)カルバモイル〕エチル、2−〔N−(2,4,5−トリメトキシフェニル)カルバモイル〕エチル、2−〔N−(2,4,6−トリメトキシフェニル)カルバモイル〕エチル、2−〔N−(3,4,5−トリエトキシフェニル)カルバモイル〕エチル基等を例示できる。
【0016】
オキソアルキル基としては、例えば2−オキソプロピル、2−オキソブチル、3−オキソブチル、2−オキソペンチル、3−オキソペンチル、4−オキソペンチル、5−オキソヘキシル、6−オキソヘプチル、7−オキソオクチル基等の炭素数3〜8のオキソアルキル基を例示できる。
【0017】
低級アルコキシ基としては、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基等を例示できる。
【0018】
低級アルカノイルアミノ基としては、例えばアセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ、バレリルアミノ、ピバロイルアミノ、ヘキサノイルアミノ、ヘプタノイルアミノ基等を例示できる。
【0019】
低級アルキルスルホニルアミノ基としては、例えばメチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、プロピルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、ペンチルスルホニルアミノ、ヘキシルスルホニルアミノ基等を例示できる。
【0020】
ハロゲン原子には、弗素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が包含される。
【0021】
置換基として低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルカノイルアミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、ヒドロキシル基及びハロゲン原子から選ばれる基の1〜3個を有することのあるフェニル基としては、フェニル基に加えて、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−エチルフェニル、4−プロピルフェニル、4−ブチルフェニル、4−ペンチルフェニル、4−ヘキシルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、3,4,5−トリメチルフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−エトキシフェニル、4−プロポキシフェニル、4−ブトキシフェニル、4−ペンチルオキシフェニル、4−ヘキシルオキシフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、3,5−ジメトキシフェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、2,4,5−トリメトキシフェニル、2,3,5−トリメトキシフェニル、2−アセチルアミノフェニル、3−アセチルアミノフェニル、4−アセチルアミノフェニル、4−プロピオニルアミノフェニル、4−ブチリルアミノフェニル、4−バレリルアミノフェニル、4−ピバロイルアミノフェニル、4−ヘキサノイルアミノフェニル、4−ヘプタノイルアミノフェニル、2,4−ジアセチルアミノフェニル、3,5−ジアセチルアミノフェニル、2−メチルスルホニルアミノフェニル、3−メチルスルホニルアミノフェニル、4−メチルスルホニルアミノフェニル、4−エチルスルホニルアミノフェニル、4−プロピルスルホニルアミノフェニル、4−ブチルスルホニルアミノフェニル、4−ペンチルスルホニルアミノフェニル、4−ヘキシルスルホニルアミノフェニル、2,4−ジメチルスルホニルアミノフェニル、3,5−ジメチルスルホニルアミノフェニル、2−ヒドロキシフェニル、3−ヒドロキシフェニル、4−ヒドロキシフェニル、2,4−ジヒドロキシフェニル、3,5−ジヒドロキシフェニル、3,4,5−トリヒドロキシフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、4−フルオロフェニル、4−ブロモフェニル、4−ヨードフェニル、2,4−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル、3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル、4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル、4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル、3,5−ジメチル−4−メトキシフェニル、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル、3,5−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェニル基等を例示できる。
【0022】
4位に2−フロイル基もしくは置換基として低級アルコキシ基の1〜3個を有することのあるベンゾイル基を有する1,4−チアザン環としては、例えば4−(2−フロイル)−1,4−チアザン、4−ベンゾイル−1,4−チアザン、4−(2−メトキシベンゾイル)−1,4−チアザン、4−(3−メトキシベンゾイル)−1,4−チアザン、4−(4−メトキシベンゾイル)−1,4−チアザン、4−(4−エトキシベンゾイル)−1,4−チアザン、4−(4−プロポキシベンゾイル)−1,4−チアザン、4−(4−ブトキシベンゾイル)−1,4−チアザン、4−(4−ペンチルオキシベンゾイル)−1,4−チアザン、4−(4−ヘキシルオキシベンゾイル)−1,4−チアザン、4−(2,3−ジメトキシベンゾイル)−1,4−チアザン、4−(2,4−ジメトキシベンゾイル)−1,4−チアザン、4−(3,4−ジメトキシベンゾイル)−1,4−チアザン、4−(3,5−ジメトキシベンゾイル)−1,4−チアザン、4−(2,3,5−トリメトキシベンゾイル)−1,4−チアザン、4−(2,4,5−トリメトキシベンゾイル)−1,4−チアザン、4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−1,4−チアザン、4−(3,4,5−トリエトキシベンゾイル)−1,4−チアザン等を例示できる。
【0023】
置換基として低級アルコキシ基の1〜3個を有することのあるフェニル低級アルキル基としては、例えばベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチル、6−フェニルヘキシル、2−メトキシベンジル、3−メトキシベンジル、4−メトキシベンジル、4−エトキシベンジル、4−プロポキシベンジル、4−ブトキシベンジル、4−ペンチルオキシベンジル、4−ヘキシルオキシベンジル、2−(4−メトキシフェニル)エチル、3−(4−メトキシフェニル)プロピル、4−(4−メトキシフェニル)ブチル、5−(4−メトキシフェニル)ペンチル、6−(4−メトキシフェニル)ヘキシル、2,3−ジメトキシベンジル、2,4−ジメトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、3,5−ジメトキシベンジル、2,3,5−トリメトキシベンジル、2,4,5−トリメトキシベンジル、3,4,5−トリメトキシベンジル、3,4,5−トリエトキシベンジル基等を例示できる。
【0024】
本発明のピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン誘導体は、医薬として有用である。特に、本発明誘導体は、鎮痛剤(術後疼痛、偏頭痛、痛風、慢性疼痛、神経因性疼痛、癌性疼痛等)、抗炎症剤、鎮静剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、血糖降下剤、脂質低下剤、血圧低下剤、制癌剤等として有用であり、なかでも、鎮痛剤として好ましく用いられ、これは従来の鎮痛剤に見られる副作用を示さない特徴を有している。
【0025】
上記各種医薬用途に好適な本発明誘導体としては、次の一般式(2)で表わされるものを例示できる。
【0026】
一般式(2):
【0027】
【化4】
【0028】
〔式中、R1aは低級アルキル基、フェニル基又はヒドロキシ低級アルキル基を、R2aは低級アルキル基、オキソアルキル基、低級アルコキシカルボニル低級アルキル基、1−ピロリジニルカルボニル低級アルキル基、N−低級アルキルカルバモイル低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、ジ低級アルキルホスホロ低級アルキル基、N−(トリ低級アルコキシフェニル)カルバモイル低級アルキル基又は置換基として低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルカノイルアミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、ヒドロキシル基及びハロゲン原子から選ばれる基の1〜3個を有することのあるフェニル基を示すか、あるいはR1a及びR2aは互いに結合してそれらが結合する硫黄原子と共に1,4−チオキサン環、1,4−ジチアン環、2H−1,4−ベンゾチアジン−3(4H)−オン環、テトラヒドロチオピラン環又は4位に2−フロイル基もしくは置換基として低級アルコキシ基の1〜3個を有することのあるベンゾイル基を有する1,4−チアザン環を形成する基を示す。R3は前記に同じ。〕
上記一般式(2)の中でも、R1aが低級アルキル基であるピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン誘導体は、より好ましく、該誘導体中でも、R2aが置換基として低級アルコキシ基及びヒドロキシル基から選ばれる基の1〜3個を有するフェニル基であるものは更に好ましい。
【0029】
本発明ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン誘導体中、特に前記した医薬用途に好適なものは、一般式(2)中、R1aがメチル基又はエチル基で、R2aが2−ヒドロキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基又は3,4,5−トリメトキシフェニル基で且つR3が水素原子であるもの、並びにR1a及びR2aが共に低級アルキル基で且つR3が置換基として低級アルコキシ基の1〜3個を有することのあるフェニル低級アルキル基であるものを挙げることができる。
【0030】
之等の本発明誘導体は、種々の方法により製造することができる。その一例を下記反応工程式−1に示す。
【0031】
【化5】
【0032】
〔式中、R1及びR2は前記に同じ。Aは低級アルキル基を示す。〕
上記反応工程式−1においては、まず3−アミノピラゾール(3)とマロン酸ジエステル(4)とを反応させることにより化合物(5)を収得できる。該反応は、メタノール、エタノール、プロパノール等の不活性溶媒中、塩基の存在下に行われる。ここで、塩基としては、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等のアルカリ金属アルコキシドを好適に使用し得、その使用量は、過剰当量とするのが好ましい。また3−アミノピラゾール(3)とマロン酸ジエステル(4)との使用量は、それぞれほぼ等モル量ずつとするのが一般的である。反応は、還流温度程度の温度条件にて、5〜100時間程度を要して行なわれる。
次に、化合物(5)を、アルカリの存在下に、ヨードベンゼンジアセテートと反応させることにより、化合物(6)を得る。該反応においては、溶媒として水を好適に使用でき、アルカリとしては炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等を使用できる。上記アルカリ及びヨードベンゼンジアセテートの使用量は、それぞれ原料化合物を基準として等モル量〜少過剰量とするのが好ましい、反応は、0℃〜室温付近の温度で約1〜10時間を要して行ない得る。
【0033】
続いて、上記で得られる化合物(6)をチオエーテル誘導体(7)と反応させることにより、本発明化合物(1a)を得ることができる。該反応は、メタノール、エタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール等の低級アルコールを溶媒として用い、p−トルエンスルホン酸、酢酸等の酸触媒を適量添加して行なうことができる。チオエーテル誘導体(7)の使用量は、化合物(6)に対して1〜10倍モル量程度とするのがよく、反応は室温〜還流温度にて10分〜24時間程度で完了する。
【0034】
【化6】
【0035】
〔式中、R1及びR2は前記に同じ。R3aは低級アルキル基又は置換基として低級アルコキシ基の1〜3個を有することのあるフェニル低級アルキル基を、Xはハロゲン原子をそれぞれ示す。〕
反応工程式−2に従えば、本発明化合物(1a)は、これをハロゲン化物(8)と反応させることにより、本発明化合物(1b)に変換できる。該反応は、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等の不活性溶媒中、脱酸剤の存在下に行なわれる。脱酸剤としては、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水酸化物や、ナトリウムエトキシドを好適に用いることができる。之等は化合物(7)に対して1〜1.5当量程度用いられるのが好ましい。また、ハロゲン化物(8)の使用量は、化合物(7)に対して1〜1.5当量とするのが好適である。反応は一般に0℃〜室温の温度範囲において、20分〜5時間程度で完了する。
【0036】
上記のごとくして得られる本発明化合物(1)は、下記に示す共鳴構造をとると考えられ、従って、それらのいずれの構造式でも表わし得る。
【0037】
【化7】
【0038】
かくして得られる本発明化合物は、通常の分離手段により容易に単離精製できる。該手段としては例えば吸着クロマトグラフィー、プレパラティブ薄層クロマトグラフィー、再結晶、溶媒抽出等を例示できる。
【0039】
尚、本発明化合物の一部には、硫黄原子及び/又は炭素原子を不斉中心とする光学異性体の存在するものがあり、本発明化合物は当然セラミ体、光学活性体の両方を包含する。上記光学異性体は、慣用の分割法、例えば光学分割剤を使用する方法等で分離することができる。
【0040】
【実施例】
以下、本発明を更に詳しく説明するため、本発明化合物の原料化合物の製造例を参考例として挙げ、次いで本発明化合物の製造例を実施例として挙げる。
【0041】
また、各実施例で得られた化合物の構造、融点及び1H−NMRスペクトルデータを第1〜3表に記載する。尚、1H−NMRスペクトルは、内部基準としてTMSを用いて、ジメチルスルホキシド(DMSO)−d6溶媒中で測定した。
【0042】
【参考例1】
5−オキソ−6−(フェニルヨードニウム)−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラートの製造
9.0gの金属ナトリウムをエタノール200mlに溶解し、この溶液に16.0gの3−アミノピラゾールと32.0gのマロン酸ジエチルを溶かし、2日間加熱還流した。反応終了後、エタノールを減圧下留去した後、水300mlを加え、クエン酸で水溶液を酸性にした。析出した結晶を瀘取し、エタノール及びジエチルエーテルで順次洗浄し、60℃で5時間減圧乾燥して、7−ヒドロキシ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−5−オンの結晶(融点:300℃以上)22.8gを得た。
【0043】
1H−NMR(δ:ppm)〔DMSO−d6〕
4.17(1H,s),5.53(1H,d,J=2.0),7.41(1H,d,J=2.0),10.35(1H,brs)。
【0044】
次に、7.3gの炭酸ナトリウムを水300mlに溶解し、この水溶液に、上記で得られた結晶10.0gを溶かし、更に室温下、ヨードベンゼンジアセテート21.3gを加え、室温で1時間撹拌した。反応終了後、析出した結晶を瀘取し、水及びジエチルエーテルで順次洗浄し、室温で20時間減圧乾燥して、目的化合物の結晶(融点:300℃以上)20.0gを得た。
【0045】
1H−NMR(δ:ppm)〔DMSO−d6〕
5.65(1H,d,J=2.0),7.35−7.59(4H,m),7.83(2H,d,J=8.4),11.14(1H,brs)。
【0046】
【実施例1】
6−(メチル−4−メチルフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラートの製造
2,2,2−トリフルオロエタノール20mlに、参考例1で得られた化合物2.0g、メチル−4−メチルフェニルスルフィド0.98g及びp−トルエンスルホン酸100mgを溶かし、室温で30分撹拌した。反応終了後、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒…メタノール:クロロホルム=1:10)で精製し、得られた結晶を更にジエチルエーテル−n−ヘキサンで洗浄して、目的化合物の結晶1.5gを得た。
【0047】
【実施例2〜21】
実施例1と同様にして、次の第1表に記載の各化合物を合成した。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】
更に、実施例1と同様にして、下記の各化合物を合成することができる。
【0053】
・6−(メチル−3−ヒドロキシフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・6−(メチル−2−メトキシフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・6−(メチル−3−メトキシフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・6−(メチル−4−メトキシフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・6−(エチル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・6−(エチル−3,4,5−トリメトキシフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・6−(フェニル−4−メチルフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・6−(フェニル−4−クロロフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・6−(フェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・6−(フェニル−3,4,5−トリメトキシフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・6−(フェニル−4−アセチルアミノフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・6−(フェニル−4−メチルスルホニルアミノフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・6−(フェニル−2−ヒドロキシフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・6−(フェニル−メトキシカルボニルメチルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・6−(フェニル−N−メチルカルバモイルメチルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・6−(フェニル−1−ピロリジニルカルボニルメチルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・6−(フェニル−ジエチルホスホロメチルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・6−〔フェニル−2−〔N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)カルバモイル〕エチルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
【0054】
【実施例22〜30】
更に実施例1と同様にして、下記第2表に記載の各化合物を合成した。
【0055】
【表5】
【0056】
【表6】
【0057】
【実施例31】
4−ベンジル−6−(メチル−n−プロピルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラートの製造
60%水素化ナトリウム161mgをDMF15mlに溶かし、そこに実施例30で得た化合物800mgを0℃で加え、0℃で10分間攪拌した。次に、臭化ベンジル620mgを加え、室温で2時間攪拌した。反応終了後、水を加えて希釈し、30mlのクロロホルムで3回抽出した。有機層を集めて水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒…メタノール:クロロホルム=1:15)で精製し、得られた結晶をジエチルエーテル−n−ヘキサンで洗浄して、目的化合物の無色結晶1.00gを得た。
【0058】
【実施例32〜36】
実施例31と同様にして、下記第3表に記載の各化合物を合成した。
【0059】
【表7】
【0060】
更に、実施例1〜30に記載の各化合物を用いて、実施例31と同様にして、下記の各化合物を製造することができる。
【0061】
・4−ベンジル−6−(メチル−4−メチルフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−メチル−6−(メチル−4−メチルフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−6−(メチル−4−メチルフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−ベンジル−6−〔メチル−(3,4,5−トリメトキシフェニル)スルホニウム〕−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−メチル−6−〔メチル−(3,4,5−トリメトキシフェニル)スルホニウム〕−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−6−〔メチル−(3,4,5−トリメトキシフェニル)スルホニウム〕−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−ベンジル−6−(メチル−4−クロロフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−メチル−6−(メチル−4−クロロフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−6−(メチル−4クロロフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−ベンジル−6−(1−テトラヒドロチオピラニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−メチル−6−(1−テトラヒドロチオピラニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−6−(1−テトラヒドロチオピラニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−ベンジル−6−〔4−(1,4−チオキサニウム)〕−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−メチル−6−〔4−(1,4−チオキサニウム)〕−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−6−〔4−(1,4−チオキサニウム)〕−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−ベンジル−6−〔1−(1,4−ジチアニウム)〕−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−メチル−6−〔1−(1,4−ジチアニウム)〕−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−6−〔1−(1,4−ジチアニウム)〕−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−メチル−6−(メチル−n−プロピルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−(4−メトキシベンジル)−6−(メチル−n−ブチルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
【発明の属する技術分野】
本発明は新規なピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明誘導体は文献未載の新規化合物である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は医薬品として有用な化合物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、下記一般式(1)で表される新規な誘導体が提供される。
【0005】
一般式(1):
【0006】
【化3】
【0007】
〔式中、R1及びR2はそれぞれ低級アルキル基、低級アルコキシカルボニル低級アルキル基、1−ピロリジニルカルボニル低級アルキル基、N−低級アルキルカルバモイル低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、ジ低級アルキルホスホロ低級アルキル基、N−(トリ低級アルコキシフェニル)カルバモイル低級アルキル基、オキソアルキル基又は置換基として低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルカノイルアミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、ヒドロキシル基及びハロゲン原子から選ばれる基の1〜3個を有することのあるフェニル基を示すか、あるいはR1及びR2は互いに結合してそれらが結合する硫黄原子と共に1,4−チオキサン環、1,4−ジチアン環、2H−1,4−ベンゾチアジン−3(4H)−オン環、テトラヒドロチオピラン環又は4位に2−フロイル基もしくは置換基として低級アルコキシ基の1〜3個を有することのあるベンゾイル基を有する1,4−チアザン環を形成する基を示す。R3は水素原子、低級アルキル基又は置換基として低級アルコキシ基の1〜3個を有することのあるフェニル低級アルキル基を示す。〕
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明誘導体を表わす上記一般式(1)において、R1、R2及びR3で示される各基としては、次のものを例示することができる。
【0009】
即ち、低級アルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状低級アルキル基を例示できる。
【0010】
低級アルコキシカルボニル低級アルキル基としては、例えばメトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、1−エトキシカルボニルエチル、2−エトキシカルボニルエチル、3−エトキシカルボニルプロピル、4−エトキシカルボニルブチル、5−エトキシカルボニルペンチル、6−エトキシカルボニルヘキシル、2−ブトキシカルボニルエチル、ヘキシルオキシカルボニルメチル基等を例示できる。
【0011】
1−ピロリジニルカルボニル低級アルキル基としては、例えば1−ピロリジニルカルボニルメチル、2−(1−ピロリジニル)カルボニルエチル、3−(1−ピロリジニル)カルボニルプロピル、4−(1−ピロリジニル)カルボニルブチル、5−(1−ピロリジニル)カルボニルペンチル、6−(1−ピロリジニル)カルボニルヘキシル基等を例示できる。
【0012】
N−低級アルキルカルバモイル低級アルキル基としては、例えばN−メチルカルバモイルメチル、N−エチルカルバモイルメチル、N−プロピルカルバモイルメチル、N−ブチルカルバモイルメチル、N−ペンチルカルバモイルメチル、N−ヘキシルカルバモイルメチル、2−(N−メチルカルバモイル)エチル、2−(N−エチルカルバモイル)エチル、3−(N−メチルカルバモイル)プロピル、4−(N−メチルカルバモイル)ブチル、5−(N−メチルカルバモイル)−ペンチル、6−(N−メチルカルバモイル)ヘキシル基等を例示できる。
【0013】
ヒドロキシ低級アルキル基としては、例えばヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチル、6−ヒドロキシヘキシル基等を例示できる。
【0014】
ジ低級アルキルホスホロ低級アルキル基としては、例えばジメチルホスホロメチル、ジエチルホスホロメチル、ジプロピルホスホロメチル、ジイソプロピルホスホロメチル、ジブチルホスホロメチル、ジペンチルホスホロメチル、ジヘキシルホスホロメチル、2−(ジメチルホスホロ)エチル、2−(ジエチルホスホロ)エチル、3−(ジエチルホスホロ)プロピル基等を例示できる。
【0015】
N−(トリ低級アルコキシフェニル)カルバモイル低級アルキル基としては、例えばN−(3,4,5−トリメトキシフェニル)カルバモイルメチル、2−〔N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)カルバモイル〕エチル、3−〔N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)カルバモイル〕プロピル、4−〔N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)カルバモイル〕ブチル、5−〔N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)カルバモイル〕ペンチル、6−〔N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)カルバモイル〕ヘキシル、2−〔N−(2,3,4−トリメトキシフェニル)カルバモイル〕エチル、2−〔N−(2,3,5−トリメトキシフェニル)カルバモイル〕エチル、2−〔N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)カルバモイル〕エチル、2−〔N−(2,3,6−トリメトキシフェニル)カルバモイル〕エチル、2−〔N−(2,4,5−トリメトキシフェニル)カルバモイル〕エチル、2−〔N−(2,4,6−トリメトキシフェニル)カルバモイル〕エチル、2−〔N−(3,4,5−トリエトキシフェニル)カルバモイル〕エチル基等を例示できる。
【0016】
オキソアルキル基としては、例えば2−オキソプロピル、2−オキソブチル、3−オキソブチル、2−オキソペンチル、3−オキソペンチル、4−オキソペンチル、5−オキソヘキシル、6−オキソヘプチル、7−オキソオクチル基等の炭素数3〜8のオキソアルキル基を例示できる。
【0017】
低級アルコキシ基としては、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基等を例示できる。
【0018】
低級アルカノイルアミノ基としては、例えばアセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ、バレリルアミノ、ピバロイルアミノ、ヘキサノイルアミノ、ヘプタノイルアミノ基等を例示できる。
【0019】
低級アルキルスルホニルアミノ基としては、例えばメチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、プロピルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、ペンチルスルホニルアミノ、ヘキシルスルホニルアミノ基等を例示できる。
【0020】
ハロゲン原子には、弗素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が包含される。
【0021】
置換基として低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルカノイルアミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、ヒドロキシル基及びハロゲン原子から選ばれる基の1〜3個を有することのあるフェニル基としては、フェニル基に加えて、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−エチルフェニル、4−プロピルフェニル、4−ブチルフェニル、4−ペンチルフェニル、4−ヘキシルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、3,4,5−トリメチルフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−エトキシフェニル、4−プロポキシフェニル、4−ブトキシフェニル、4−ペンチルオキシフェニル、4−ヘキシルオキシフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、3,5−ジメトキシフェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、2,4,5−トリメトキシフェニル、2,3,5−トリメトキシフェニル、2−アセチルアミノフェニル、3−アセチルアミノフェニル、4−アセチルアミノフェニル、4−プロピオニルアミノフェニル、4−ブチリルアミノフェニル、4−バレリルアミノフェニル、4−ピバロイルアミノフェニル、4−ヘキサノイルアミノフェニル、4−ヘプタノイルアミノフェニル、2,4−ジアセチルアミノフェニル、3,5−ジアセチルアミノフェニル、2−メチルスルホニルアミノフェニル、3−メチルスルホニルアミノフェニル、4−メチルスルホニルアミノフェニル、4−エチルスルホニルアミノフェニル、4−プロピルスルホニルアミノフェニル、4−ブチルスルホニルアミノフェニル、4−ペンチルスルホニルアミノフェニル、4−ヘキシルスルホニルアミノフェニル、2,4−ジメチルスルホニルアミノフェニル、3,5−ジメチルスルホニルアミノフェニル、2−ヒドロキシフェニル、3−ヒドロキシフェニル、4−ヒドロキシフェニル、2,4−ジヒドロキシフェニル、3,5−ジヒドロキシフェニル、3,4,5−トリヒドロキシフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、4−フルオロフェニル、4−ブロモフェニル、4−ヨードフェニル、2,4−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル、3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル、4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル、4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル、3,5−ジメチル−4−メトキシフェニル、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル、3,5−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェニル基等を例示できる。
【0022】
4位に2−フロイル基もしくは置換基として低級アルコキシ基の1〜3個を有することのあるベンゾイル基を有する1,4−チアザン環としては、例えば4−(2−フロイル)−1,4−チアザン、4−ベンゾイル−1,4−チアザン、4−(2−メトキシベンゾイル)−1,4−チアザン、4−(3−メトキシベンゾイル)−1,4−チアザン、4−(4−メトキシベンゾイル)−1,4−チアザン、4−(4−エトキシベンゾイル)−1,4−チアザン、4−(4−プロポキシベンゾイル)−1,4−チアザン、4−(4−ブトキシベンゾイル)−1,4−チアザン、4−(4−ペンチルオキシベンゾイル)−1,4−チアザン、4−(4−ヘキシルオキシベンゾイル)−1,4−チアザン、4−(2,3−ジメトキシベンゾイル)−1,4−チアザン、4−(2,4−ジメトキシベンゾイル)−1,4−チアザン、4−(3,4−ジメトキシベンゾイル)−1,4−チアザン、4−(3,5−ジメトキシベンゾイル)−1,4−チアザン、4−(2,3,5−トリメトキシベンゾイル)−1,4−チアザン、4−(2,4,5−トリメトキシベンゾイル)−1,4−チアザン、4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−1,4−チアザン、4−(3,4,5−トリエトキシベンゾイル)−1,4−チアザン等を例示できる。
【0023】
置換基として低級アルコキシ基の1〜3個を有することのあるフェニル低級アルキル基としては、例えばベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチル、6−フェニルヘキシル、2−メトキシベンジル、3−メトキシベンジル、4−メトキシベンジル、4−エトキシベンジル、4−プロポキシベンジル、4−ブトキシベンジル、4−ペンチルオキシベンジル、4−ヘキシルオキシベンジル、2−(4−メトキシフェニル)エチル、3−(4−メトキシフェニル)プロピル、4−(4−メトキシフェニル)ブチル、5−(4−メトキシフェニル)ペンチル、6−(4−メトキシフェニル)ヘキシル、2,3−ジメトキシベンジル、2,4−ジメトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、3,5−ジメトキシベンジル、2,3,5−トリメトキシベンジル、2,4,5−トリメトキシベンジル、3,4,5−トリメトキシベンジル、3,4,5−トリエトキシベンジル基等を例示できる。
【0024】
本発明のピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン誘導体は、医薬として有用である。特に、本発明誘導体は、鎮痛剤(術後疼痛、偏頭痛、痛風、慢性疼痛、神経因性疼痛、癌性疼痛等)、抗炎症剤、鎮静剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、血糖降下剤、脂質低下剤、血圧低下剤、制癌剤等として有用であり、なかでも、鎮痛剤として好ましく用いられ、これは従来の鎮痛剤に見られる副作用を示さない特徴を有している。
【0025】
上記各種医薬用途に好適な本発明誘導体としては、次の一般式(2)で表わされるものを例示できる。
【0026】
一般式(2):
【0027】
【化4】
【0028】
〔式中、R1aは低級アルキル基、フェニル基又はヒドロキシ低級アルキル基を、R2aは低級アルキル基、オキソアルキル基、低級アルコキシカルボニル低級アルキル基、1−ピロリジニルカルボニル低級アルキル基、N−低級アルキルカルバモイル低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、ジ低級アルキルホスホロ低級アルキル基、N−(トリ低級アルコキシフェニル)カルバモイル低級アルキル基又は置換基として低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルカノイルアミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、ヒドロキシル基及びハロゲン原子から選ばれる基の1〜3個を有することのあるフェニル基を示すか、あるいはR1a及びR2aは互いに結合してそれらが結合する硫黄原子と共に1,4−チオキサン環、1,4−ジチアン環、2H−1,4−ベンゾチアジン−3(4H)−オン環、テトラヒドロチオピラン環又は4位に2−フロイル基もしくは置換基として低級アルコキシ基の1〜3個を有することのあるベンゾイル基を有する1,4−チアザン環を形成する基を示す。R3は前記に同じ。〕
上記一般式(2)の中でも、R1aが低級アルキル基であるピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン誘導体は、より好ましく、該誘導体中でも、R2aが置換基として低級アルコキシ基及びヒドロキシル基から選ばれる基の1〜3個を有するフェニル基であるものは更に好ましい。
【0029】
本発明ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン誘導体中、特に前記した医薬用途に好適なものは、一般式(2)中、R1aがメチル基又はエチル基で、R2aが2−ヒドロキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基又は3,4,5−トリメトキシフェニル基で且つR3が水素原子であるもの、並びにR1a及びR2aが共に低級アルキル基で且つR3が置換基として低級アルコキシ基の1〜3個を有することのあるフェニル低級アルキル基であるものを挙げることができる。
【0030】
之等の本発明誘導体は、種々の方法により製造することができる。その一例を下記反応工程式−1に示す。
【0031】
【化5】
【0032】
〔式中、R1及びR2は前記に同じ。Aは低級アルキル基を示す。〕
上記反応工程式−1においては、まず3−アミノピラゾール(3)とマロン酸ジエステル(4)とを反応させることにより化合物(5)を収得できる。該反応は、メタノール、エタノール、プロパノール等の不活性溶媒中、塩基の存在下に行われる。ここで、塩基としては、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等のアルカリ金属アルコキシドを好適に使用し得、その使用量は、過剰当量とするのが好ましい。また3−アミノピラゾール(3)とマロン酸ジエステル(4)との使用量は、それぞれほぼ等モル量ずつとするのが一般的である。反応は、還流温度程度の温度条件にて、5〜100時間程度を要して行なわれる。
次に、化合物(5)を、アルカリの存在下に、ヨードベンゼンジアセテートと反応させることにより、化合物(6)を得る。該反応においては、溶媒として水を好適に使用でき、アルカリとしては炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等を使用できる。上記アルカリ及びヨードベンゼンジアセテートの使用量は、それぞれ原料化合物を基準として等モル量〜少過剰量とするのが好ましい、反応は、0℃〜室温付近の温度で約1〜10時間を要して行ない得る。
【0033】
続いて、上記で得られる化合物(6)をチオエーテル誘導体(7)と反応させることにより、本発明化合物(1a)を得ることができる。該反応は、メタノール、エタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール等の低級アルコールを溶媒として用い、p−トルエンスルホン酸、酢酸等の酸触媒を適量添加して行なうことができる。チオエーテル誘導体(7)の使用量は、化合物(6)に対して1〜10倍モル量程度とするのがよく、反応は室温〜還流温度にて10分〜24時間程度で完了する。
【0034】
【化6】
【0035】
〔式中、R1及びR2は前記に同じ。R3aは低級アルキル基又は置換基として低級アルコキシ基の1〜3個を有することのあるフェニル低級アルキル基を、Xはハロゲン原子をそれぞれ示す。〕
反応工程式−2に従えば、本発明化合物(1a)は、これをハロゲン化物(8)と反応させることにより、本発明化合物(1b)に変換できる。該反応は、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等の不活性溶媒中、脱酸剤の存在下に行なわれる。脱酸剤としては、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水酸化物や、ナトリウムエトキシドを好適に用いることができる。之等は化合物(7)に対して1〜1.5当量程度用いられるのが好ましい。また、ハロゲン化物(8)の使用量は、化合物(7)に対して1〜1.5当量とするのが好適である。反応は一般に0℃〜室温の温度範囲において、20分〜5時間程度で完了する。
【0036】
上記のごとくして得られる本発明化合物(1)は、下記に示す共鳴構造をとると考えられ、従って、それらのいずれの構造式でも表わし得る。
【0037】
【化7】
【0038】
かくして得られる本発明化合物は、通常の分離手段により容易に単離精製できる。該手段としては例えば吸着クロマトグラフィー、プレパラティブ薄層クロマトグラフィー、再結晶、溶媒抽出等を例示できる。
【0039】
尚、本発明化合物の一部には、硫黄原子及び/又は炭素原子を不斉中心とする光学異性体の存在するものがあり、本発明化合物は当然セラミ体、光学活性体の両方を包含する。上記光学異性体は、慣用の分割法、例えば光学分割剤を使用する方法等で分離することができる。
【0040】
【実施例】
以下、本発明を更に詳しく説明するため、本発明化合物の原料化合物の製造例を参考例として挙げ、次いで本発明化合物の製造例を実施例として挙げる。
【0041】
また、各実施例で得られた化合物の構造、融点及び1H−NMRスペクトルデータを第1〜3表に記載する。尚、1H−NMRスペクトルは、内部基準としてTMSを用いて、ジメチルスルホキシド(DMSO)−d6溶媒中で測定した。
【0042】
【参考例1】
5−オキソ−6−(フェニルヨードニウム)−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラートの製造
9.0gの金属ナトリウムをエタノール200mlに溶解し、この溶液に16.0gの3−アミノピラゾールと32.0gのマロン酸ジエチルを溶かし、2日間加熱還流した。反応終了後、エタノールを減圧下留去した後、水300mlを加え、クエン酸で水溶液を酸性にした。析出した結晶を瀘取し、エタノール及びジエチルエーテルで順次洗浄し、60℃で5時間減圧乾燥して、7−ヒドロキシ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−5−オンの結晶(融点:300℃以上)22.8gを得た。
【0043】
1H−NMR(δ:ppm)〔DMSO−d6〕
4.17(1H,s),5.53(1H,d,J=2.0),7.41(1H,d,J=2.0),10.35(1H,brs)。
【0044】
次に、7.3gの炭酸ナトリウムを水300mlに溶解し、この水溶液に、上記で得られた結晶10.0gを溶かし、更に室温下、ヨードベンゼンジアセテート21.3gを加え、室温で1時間撹拌した。反応終了後、析出した結晶を瀘取し、水及びジエチルエーテルで順次洗浄し、室温で20時間減圧乾燥して、目的化合物の結晶(融点:300℃以上)20.0gを得た。
【0045】
1H−NMR(δ:ppm)〔DMSO−d6〕
5.65(1H,d,J=2.0),7.35−7.59(4H,m),7.83(2H,d,J=8.4),11.14(1H,brs)。
【0046】
【実施例1】
6−(メチル−4−メチルフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラートの製造
2,2,2−トリフルオロエタノール20mlに、参考例1で得られた化合物2.0g、メチル−4−メチルフェニルスルフィド0.98g及びp−トルエンスルホン酸100mgを溶かし、室温で30分撹拌した。反応終了後、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒…メタノール:クロロホルム=1:10)で精製し、得られた結晶を更にジエチルエーテル−n−ヘキサンで洗浄して、目的化合物の結晶1.5gを得た。
【0047】
【実施例2〜21】
実施例1と同様にして、次の第1表に記載の各化合物を合成した。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】
更に、実施例1と同様にして、下記の各化合物を合成することができる。
【0053】
・6−(メチル−3−ヒドロキシフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・6−(メチル−2−メトキシフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・6−(メチル−3−メトキシフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・6−(メチル−4−メトキシフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・6−(エチル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・6−(エチル−3,4,5−トリメトキシフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・6−(フェニル−4−メチルフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・6−(フェニル−4−クロロフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・6−(フェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・6−(フェニル−3,4,5−トリメトキシフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・6−(フェニル−4−アセチルアミノフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・6−(フェニル−4−メチルスルホニルアミノフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・6−(フェニル−2−ヒドロキシフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・6−(フェニル−メトキシカルボニルメチルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・6−(フェニル−N−メチルカルバモイルメチルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・6−(フェニル−1−ピロリジニルカルボニルメチルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・6−(フェニル−ジエチルホスホロメチルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・6−〔フェニル−2−〔N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)カルバモイル〕エチルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
【0054】
【実施例22〜30】
更に実施例1と同様にして、下記第2表に記載の各化合物を合成した。
【0055】
【表5】
【0056】
【表6】
【0057】
【実施例31】
4−ベンジル−6−(メチル−n−プロピルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラートの製造
60%水素化ナトリウム161mgをDMF15mlに溶かし、そこに実施例30で得た化合物800mgを0℃で加え、0℃で10分間攪拌した。次に、臭化ベンジル620mgを加え、室温で2時間攪拌した。反応終了後、水を加えて希釈し、30mlのクロロホルムで3回抽出した。有機層を集めて水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒…メタノール:クロロホルム=1:15)で精製し、得られた結晶をジエチルエーテル−n−ヘキサンで洗浄して、目的化合物の無色結晶1.00gを得た。
【0058】
【実施例32〜36】
実施例31と同様にして、下記第3表に記載の各化合物を合成した。
【0059】
【表7】
【0060】
更に、実施例1〜30に記載の各化合物を用いて、実施例31と同様にして、下記の各化合物を製造することができる。
【0061】
・4−ベンジル−6−(メチル−4−メチルフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−メチル−6−(メチル−4−メチルフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−6−(メチル−4−メチルフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−ベンジル−6−〔メチル−(3,4,5−トリメトキシフェニル)スルホニウム〕−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−メチル−6−〔メチル−(3,4,5−トリメトキシフェニル)スルホニウム〕−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−6−〔メチル−(3,4,5−トリメトキシフェニル)スルホニウム〕−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−ベンジル−6−(メチル−4−クロロフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−メチル−6−(メチル−4−クロロフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−6−(メチル−4クロロフェニルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−ベンジル−6−(1−テトラヒドロチオピラニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−メチル−6−(1−テトラヒドロチオピラニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−6−(1−テトラヒドロチオピラニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−ベンジル−6−〔4−(1,4−チオキサニウム)〕−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−メチル−6−〔4−(1,4−チオキサニウム)〕−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−6−〔4−(1,4−チオキサニウム)〕−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−ベンジル−6−〔1−(1,4−ジチアニウム)〕−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−メチル−6−〔1−(1,4−ジチアニウム)〕−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−6−〔1−(1,4−ジチアニウム)〕−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−メチル−6−(メチル−n−プロピルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
・4−(4−メトキシベンジル)−6−(メチル−n−ブチルスルホニウム)−5−オキソ−4H−ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン−7−オラート
Claims (5)
- 一般式
で表わされるピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン誘導体。 - 一般式
で表わされる請求項1に記載のピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン誘導体。 - R1aが低級アルキル基である請求項2に記載のピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン誘導体。
- R2aが置換基として低級アルコキシ基及びヒドロキシル基から選ばれる基の1〜3個を有するフェニル基である請求項3に記載のピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン誘導体。
- R1aがメチル基又はエチル基で、R2aが2−ヒドロキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基又は3,4,5−トリメトキシフェニル基で且つR3が水素原子であるか又はR1a及びR2aが共に低級アルキル基で且つR3が置換基として低級アルコキシ基の1〜3個を有することのあるフェニル低級アルキル基である請求項4に記載のピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン誘導体。
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Family Applications (1)
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JP33548497A Expired - Fee Related JP3711428B2 (ja) | 1996-12-25 | 1997-12-05 | ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン誘導体 |
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1997
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