JP3711115B2 - はかり機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、力を縮小又は拡大するためのレバー機構をロバーバル部の外部に設けたはかり機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ロバーバル機構を備えたロードセルを使用して荷重を計量することは、例えば特開昭63−277936号公報や特開平1−240830号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ロバーバル機構の内部にレバーを配置して、力を縮小し測定することは普通に行われているが、寸法が制限される上に、その構造も制約され、更には荷重に対する十分な縮小率が得られない問題点がある。
【0004】
また、特開2000−283829号公報に開示されているように、ロバーバル機構の面方向にレバーを延伸することも考えられるが、全長が長くなるという欠点がある。
【0005】
本発明の目的は、上述の問題点を解消し、ロバーバル部に対し別体の力測定部を配置し、荷重に対し十分な縮小率又は拡大率が得られるはかり機構を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係るはかり機構は、基体と荷重受部との間を一対の平行リンク部材によりフレクシャを介して連結したロバーバル部に対し、該ロバーバル部の面方向と異なる方向にレバー機構を配置した別体の力測定部を連結し、該力測定部に力センサを取り付け、前記ロバーバル部の荷重受部から伝達された力を前記力測定部のレバー機構により縮小又は拡大して、前記力センサにより荷重として測定することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は斜視図図、図2は分解斜視図であり、ロバーバル部1は保持部材2に固定されており、このロバーバル部1は1個の金属ブロックを刳り抜いて製作されている。即ち、基体3に対し荷重受部4が上下一対の平行リンク部材5、6を介して接続され、基体3と平行リンク部材5、6間、平行リンク部材5、6と荷重受部4間は計4個のフレクシャ7により連結されている。そして、各フレクシャ7にはそれぞれ透孔8が設けられ、その有効幅は狭くされている。そして、基体3から上下の平行リンク部材5、6間に固定部3aが延在されている。
【0008】
このロバーバル部1の基体3には第1の力変換部10がロバーバル部1と直交する方向に連結され、更に第1の力変換部10に第2の力変換部30が第1の力変換部10に対し直交する方向、つまりロバーバル部1と平行する方向に連結され、第2の力変換部30には例えば音叉振動子を備えた力センサ50が固定されている。
【0009】
第1の力変換部10の基部11は、上下のボルト9を介してロバーバル部1の固定部3aに固定されている。図3の正面図に示すように、第1の力変換部10は金属ブロックを刳り抜いて製作されており、多数の切込部が設けられ、幾つかのレバーが組み込まれている。
【0010】
第1の力変換部10において、ロバーバル部1の荷重受部4に図示しない連結機構を介して連結された力受部12は、支点13により基部11に対し端部が連結されたレバー14の中間部に連結片15を介して力点として連結されている。レバー14の反対端は作用点として、薄肉部16、連結片17、薄肉部18を介して上方のレバー19に接続されている。レバー19は支点20により基部11に支持され、薄肉部18はレバー19の端部に力点として連結され、レバー19の他端部は作用点として薄肉部21を介して鉛直方向の連結片22に接続され、連結片22は薄肉部23を介してレバー24の端部に力点として連結されている。レバー24は中間部の支点25により基部11に連結され、他端部は薄肉部26を介して作用点として、連結片27、薄肉部28を介して略円形状の連結部29に連結されている。
【0011】
なお、基部11、力受部12、レバー14、19、24等の厚みは、この金属ブロックの厚みと同等とされているが、一部の薄肉部は幅狭とされている。
【0012】
図4は第2の力変換部30の正面図を示し、1個の金属ブロックを刳り抜いて製作されている。この第2の力変換部30は基部31と力受部32、平行リンク部材33、34、4個のフレクシャ35によりロバーバル機構が構成されている。各フレクシャ35には透孔36が形成され、フレクシャ35の有効幅は狭くされている。
【0013】
基部31は2個のボルト37によりロバーバル部1の固定部3aに設けられた台座3bのボルト穴に固定され、第1の力変換部1の連結部29がボルト38により力受部32の台座32aに連結されている。また、平行リンク部材33、34間に、基部31からセンサ固定部31aが延在され、力センサ50を固定するためのボルト穴を設けた台座31b、位置決めピン穴31cが設けられている。更に、第2の力受部32には力センサ50の荷重作用部を固定するためのボルト穴を有する台座32bが設けられている。また、第2の力変換部30の力受部32には、分銅載置部40がボルト41により固定されている。
【0014】
図5は力センサ50の正面図を示し、1個の比較的薄肉の金属ブロックを刳り抜いて製作されている。基部51は第2の力変換部30に固定されるようにされ、力作用部52は連結片53、薄肉部54を介してレバー55の力点に連結され、レバー55は支点56により基部51に連結されている。レバー55の他端部は、薄肉部57を介して力点として音叉振動子58に連結され、音叉振動子58の他端は薄肉部59を介して基部51に連結されている。
【0015】
基部51にはボルト挿通孔51a、位置決め用切欠溝51bが設けられ、力作用部52にはボルト挿通孔52aが設けられている。
【0016】
この力センサ50の基部51は、ボルト60により第2の力変換部30の台座31bに固定され、力センサ50の力作用部52はボルト61により第2の力変換部30の台座32aに連結されている。なお、切欠溝51bには位置決めピン穴31cに圧入したピン62が挿通されている。
【0017】
荷重の測定に際して、ロバーバル部1の荷重受部4に図示しない受皿を介して上方から荷重Wが加わると、荷重受部4は下方に沈み込むが、ロバーバル機構が構成されているので、基体3、平行リンク部材5、6とによる平行四辺形は維持される。
【0018】
荷重受部4に加わる力は、ロバーバル部1の外側に配置した第1の力変換部10の力受部12に伝達され、更にレバー14に加えられ、レバー比に従って縮小された力が連結片17を介してレバー19の力点に伝達される。レバー19において、荷重Wは更に縮小されて連結片22を介してレバー24の力点に伝達される。レバー24においては荷重Wは更に縮小され、連結片27を介して連結部29に伝達され、この連結部29に作用する力は、更に別体の第2の力変換部30の力受部32に伝達される。
【0019】
この第2の力変換部30はロバーバル機構となっているために、力受部32は基部31、平行リンク部材33、34と共に平行四辺形を維持しながら下方に変位する。この変位は力センサ50の力作用部52に伝達され、連結片53を介してレバー55に作用し、レバー55のてこ比に従って音叉振動子58に伝達される。音叉振動子58において、加わる張力は周波数の変化として検出され、力の大きさに変換される。
【0020】
この実施の形態においては、荷重受部4に加えられた荷重Wは、音叉振動子58への作用点においては、例えば約70分の1の力に減少されている。このように、ロバーバル部1の外側に力測定部を配設することにより、荷重Wの縮小率を大きくして、力センサ50への負荷を小さくしたり、或いは荷重測定範囲を大きくすることができ、はかり機構をコンパクトにまとめることができる。
【0021】
また、分銅載置部40に基準分銅を載置することにより、第2の力変換部30の力受部32に荷重を加えることになり、力センサ50を校正することができる。上述のロバーバル部1、第1、第2の力変換部10、30、力センサ50は筐体に内蔵されており、基準分銅が自動的にモータにより分銅載置部40に載置されるので、校正ボタンによる操作だけで内部校正を行うことができる。この場合にも、第1の力変換部10における荷重Wの縮小率が大きくされているので、基準分銅の重さを小さくすることができる。
【0022】
なお、実施の形態の説明では、ロバーバル部1、第1、第2の力変換部10、30、力センサ50はそれぞれ単一の金属ブロックを刳り抜いて製作するように説明したが、これらは複数の金属部材を組み合わせて製作することもできる。
【0023】
また、力測定部を第1、第2の力変換部10、30に分けたが、第1の力変換部10のみを使用し、この第1の力変換部10に力センサ50を取り付けることもできる。力センサ50もレバー55等を備えていなくとも、例えば音叉振動子58のみから成っていてもよい。
【0024】
実施の形態においては、荷重を縮小して測定する場合について説明したが、本発明は微小な荷重を拡大して測定する場合においても適用可能である。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るはかり機構は、ロバーバル部の外側に力測定部を配置することにより、ロバーバル部の機械的強度を弱めることがなく、また荷重の縮小率又は拡大率を大きくして、力センサの小型化や測定荷重範囲の拡大を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態のはかり機構の斜視図である。
【図2】分解斜視図である。
【図3】第1の力変換部の正面図である。
【図4】第2の力変換部の正面図である。
【図5】力センサの正面図である。
【符号の説明】
1 ロバーバル部
2 保持部材
3 基体
3a 固定部
4 荷重受部
5、6、33、34 平行リンク部材
7、35 フレクシャ
10 第1の力変換部
11、32 力受部
12、31、51 基部
14、19、24、55 レバー
29 連結部
30 第2の力変換部
40 分銅載置部
50 力センサ
52 力作用部
58 音叉振動子

Claims (5)

  1. 基体と荷重受部との間を一対の平行リンク部材によりフレクシャを介して連結したロバーバル部に対し、該ロバーバル部の面方向と異なる方向にレバー機構を配置した別体の力測定部を連結し、該力測定部に力センサを取り付け、前記ロバーバル部の荷重受部から伝達された力を前記力測定部のレバー機構により縮小又は拡大して、前記力センサにより荷重として測定することを特徴とするはかり機構。
  2. 前記力測定部は、前記レバー機構を有する第1の力変換部と、該第1の力変換部に連結し前記力センサを取り付けた第2の力変換部とを有する請求項1に記載のはかり機構。
  3. 前記力測定部は前記ロバーバル部の面方向と直交する方向に連結した請求項1に記載のはかり機構。
  4. 前記力測定部に分銅載置部を設けた請求項1に記載のはかり機構。
  5. 前記力測定部にロバーバル機構を設けた請求項1に記載のはかり機構。
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