JP3710956B2 - 洗濯機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗濯機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、洗濯機において、設置される地域の交流電源の周波数が60Hzであっても、50Hzであっても、脱水のときの定常回転数が一定の回転数になるように、洗濯兼脱水槽を駆動するモータを位相制御するようにした洗濯機がある。この制御は、モータの回転数を検知し、回転数が一定なるように、モータに供給される電源電圧の位相を調整して、モータのトルクを調整するものである。
【0003】
このような制御により、洗濯機を60Hz、50Hz共用タイプ(ヘルツフリー)としても、特に60Hzの場合に、脱水時の洗濯兼脱水槽の回転数が高くなりすぎないようにし、洗濯機の破損等を防止しているのである。
【0004】
そして、このように、脱水時に位相制御によってモータを駆動する洗濯機にあっては、何らかの原因で回転数の検知器部分が故障し、回転数が検知できなくなると、位相制御ができなくなる。したがって、従来、洗濯運転の途中、回転数が検知できていないことを検知すると、検知時点ですぐに洗濯運転を中断し、異常報知を行っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような洗濯機では、洗いの途中や洗いの後の脱水の前で異常停止してしまった場合、洗濯物は、ずぶ濡れ且つ洗剤を多く含んだ状態で放置されることになる。使用者は、洗濯物を絞るだけならば、洗濯兼脱水槽内でも比較的容易に行えるが、この場合、洗剤を除去するためにすすぎまで行わなければならず、非常なる手間と、すすぎを行えるだけの十分な場所が必要となる。したがって、従来の洗濯機では、使用者が非常な負担を強いられることになるという問題があった。
【0006】
コインランドリ店に設置されるコイン式洗濯機の場合、使用者が十分にすすぎを行える場所を確保するのは非常に困難であり、このことは特に大きな問題であった。
【0007】
本発明は、洗濯機に関し、このような課題を解消するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
本発明の請求項1に係る構成は、洗濯兼脱水槽内で洗濯物の洗い、すすぎを行うと共に、洗濯兼脱水槽を高速で回転させて洗濯物を脱水する洗濯機であって、脱水時には、洗濯兼脱水槽を駆動するモータの回転数を検知し、検知した回転数に基づいてモータに供給する電源の位相を調整し、前記モータを所定の定常回転数に維持させるようにした洗濯機において、前記モータの回転数が正常に検知できない場合には、最終の脱水より前に行われる、前記洗濯兼脱水槽の回転時間が相対的に短い脱水は、電源の位相を調整せずに電源位相そのままの電力を前記モータに供給するようにして実行し、前記洗濯兼脱水槽の回転時間が相対的に長い最終の脱水は実行しないようにしたものである。
【0024】
本発明の請求項2に係る構成は、洗濯兼脱水槽内で洗濯物の洗い、すすぎを行うと共に、洗濯兼脱水槽を高速で回転させて洗濯物を脱水する洗濯機であって、脱水時には、洗濯兼脱水槽を駆動するモータの回転数を検知し、検知した回転数に基づいてモータに供給する電源の位相を調整し、前記モータを所定の定常回転数に維持させるようにした洗濯機において、前記モータの回転数が正常に検知できない場合には、最終の脱水より前に行われる、前記洗濯兼脱水槽の回転時間が相対的に短い脱水は、電源の位相を調整せずに電源位相そのままの電力を前記モータに供給するようにして実行し、前記洗濯兼脱水槽の回転時間が相対的に長い最終の脱水は、前記モータへの通電時間を、回転数の検知が正常のときよりも短くして実行するようにしたものである。
【0025】
請求項1及び2の構成では、洗濯機の破損を防止できると共に、使用者は最終脱水がなくなった分、あるいは不足した分を洗濯物を絞るなどして補えば良く、使用者の負担を大幅に軽減できる。
【0026】
本発明の請求項3に係る構成は、洗濯兼脱水槽内で洗濯物の洗い、すすぎを行うと共に、洗濯兼脱水槽を高速で回転させて洗濯物を脱水する洗濯機であって、脱水時には、洗濯兼脱水槽を駆動するモータの回転数を検知し、検知した回転数に基づいてモータに供給する電源の位相を調整し、前記モータを所定の定常回転数に維持させるようにした洗濯機において、洗濯運転中に前記モータの回転数が正常に検知できなくなっても、洗いやすすぎは行うと共に、前記洗濯兼脱水槽内から排水した後、洗濯運転を中止するものである。
【0027】
この構成にあっては、例えば、すすぎ動作中に、モータの回転数が正常に検知できない状態となっても、回転数を正常に検知しているかの判断をすすぎ中には行わないことなどによって、すすぎはそのまま実行する。そして、洗濯兼脱水槽内から排水し、最終脱水に入る前になって、回転数を正常に検知しているか判断するなどにより、洗濯運転を中止する。
【0028】
これにより、脱水時に洗濯兼脱水槽の回転数が高過ぎる状態が続くことによって洗濯機が破損するという危惧を解消できると共に、使用者の負担を軽減することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態の洗濯機である、コイン式洗濯機の概要を示す。
【0030】
1は機枠、2はこの機枠1内に4本の吊り棒3により吊り下げ支持された、上面が開口した外槽である。4は周囲に多数の脱水孔4aを有し、前記外槽2内に配置された、同じく上面が開口した洗濯兼脱水槽で、この洗濯兼脱水槽4は底壁に設けられた回転軸5を中心として回転する。6は前記洗濯兼脱水槽4内の底部に回転自在に配設されたパルセータ、7は前記洗濯兼脱水槽4及びパルセータ6に動力伝達機構8を介して連結されたモータで、このモータ7は洗い及びすすぎ(ためすすぎ及び注水すすぎ)時にはパルセータ6のみを低速回転させ、洗濯物の脱水時には洗濯兼脱水槽4を回転軸5を中心として一方向へ高速回転させる(このとき前記パルセータ6も同時に高速回転する)。ここでは、前記モータ7として誘導モータを使用している。
【0031】
9は操作ボックスで、その前面には、スタートキー等からなる操作部10a及び運転条件や行程を表示するための表示部10bからなる操作パネル10が設けられており、内部には、後述する制御部が設けられている。
【0032】
11は前記外槽2及び洗濯兼脱水槽4の上方から洗濯兼脱水槽4へ落下給水する給水管、12はこの給水管11の途中に設けられた電磁式の給水弁、13は前記外槽2の底壁に設けられた排水パイプ、14はこの排水パイプ13の途中に設けられた排水弁で、トルクモータ15の動作により開閉される。16は前記外槽2の底部のエアトラップ17に圧力ホース18を介して接続された水位センサで、この水位センサ16により前記洗濯兼脱水槽4内の水位が検知され、洗濯兼脱水槽4に供給された水の量が分かる。
【0033】
なお、前記給水弁12は、本発明の給水装置を構成し、前記排水弁14及びトルクモータ15は排水装置を構成する。
【0034】
図2は本実施形態の制御機構を示すコイン式洗濯機のブロック回路である。
18はマイクロコンピュータからなる制御部である。19はコイン検知器である。前記操作ボックス9には、利用者が洗濯運転を行うときにコインを投入するコイン投入ボックス(図示せず)が備えられており、前記コイン検知器19は、このボックスの中に洗濯運転を行う所定金額のコインの投入されたかを検知する。20はパルス発生器であり、前記モータ7に付設され、モータ7の回転に伴ってパルスを発生させる。このパルス発生器20は前記モータ7が1回転する期間に2個のパルスを発生する。22はゼロクロス検知器であり、交流電源電圧AC100Vのゼロクロス点(電圧が0となる時点)を検知する。23は洗濯機に供給される電源の周波数が、50Hzであるか60Hzであるかを判別する周波数判別器である。
【0035】
前記制御部18の入力側には、前記操作部10a、水位センサ16、コイン検知器19、パルス発生器20、ゼロクロス検知器22及び周波数判別器23が接続されている。制御部18は、パルス発生器20で発生されたパルスの間隔を読み取り、これに基づいてモータ7の回転数を検知する。回転数が小さければ間隔は広くなり、回転数が高ければ間隔は短くなる。回転数が0であれば、パルスは入力されないことになる。
【0036】
前記制御部18の出力側には、前記表示部10bや負荷駆動部21が接続されている。前記負荷駆動部21は、トライアックを含み、前記制御部18からの制御信号によって、前記モータ7、給水弁12、トルクモータ15等に電源からの電力を供給する。
【0037】
前記制御部18は、前記操作部10a、水位センサ16、コイン検知器19、パルス発生器20、ゼロクロス検知器22及び周波数判別器23からの信号に基づいて、前記表示部10bの表示を制御するとともに前記負荷駆動部21を駆動制御する。
【0038】
前記制御部18は、脱水時の前記モータ7に駆動に対しては、前記ゼロクロス検知器22からのゼロクロス信号と、前記パルス発生器20からのパルス間隔に基づいて検知する前記モータ7の回転数と、に基づいて位相制御を行っている。これにより、交流電源の周波数が60Hzであるか50Hzであるかに関わらず、脱水時の前記洗濯兼脱水槽4の定常回転数が一定の回転数、例えば、900rpmとなるようにしている。このとき、前記モータ7の定常回転数は、減速比を1/2とすると、1800rpmとなる。
【0039】
具体的に説明すると、制御部18には、図3(a)に示すような電源電圧波形に対し、図3(b)に示すのような、電源電圧が0になったことを示すゼロクロス信号が入力され、制御部18は、図3(c)に示すように、ゼロクロス点のタイミングから所定の位相角だけ遅らせて負荷駆動部21のトライアックに通電信号を出力する。これによって、トライアックが動作して、モータ7には、図3(d)に示すような、トライアックをオンする位相角(通電角)に応じた電源電圧波形、即ち電力が供給される。
【0040】
制御部18は、モータ7の回転数を検知し、モータ7の回転数が目標となる回転数(目標回転数)になるよう通電角を調整する。即ち、モータ7の回転数が目標回転数より低くなれば、通電角を小さくし(トライアックをオンするタイミングを早くし)、モータ7へ供給する電力量を多くして、モータ7のトルクを大きくする。一方、モータ7の回転数が目標回転数より高くなれば、通電角を大きくし(トライアックをオンするタイミングを遅くし)、モータ7へ供給する電力量を少なくして、モータ7のトルクを小さくする。
【0041】
なお、遅延させずにゼロクロス点のタイミングでトライアックをオンさせると、電源電圧の全波形、即ち最大の電力がモータに供給されることになる。
【0042】
以上の構成に基づく本発明の実施形態のコイン式洗濯機における動作を図4〜図6のフローチャートにしたがって説明する。
【0043】
利用者が、洗濯運転に必要な料金を投入し、スタートキーを押すと、制御部18による制御の下、洗濯運転が開始される。即ち、洗い行程、中間脱水行程、すすぎ行程、最終脱水行程が順次実行される。
【0044】
ここで、洗い行程では、給水−洗い−排水の動作を順次行う。中間脱水行程では、脱水動作を行う。すすぎ行程では、給水−すすぎ−排水の動作を行う。最終脱水行程では、中間脱水行程での脱水動作より長い時間の脱水動作を行う。
【0045】
まず、洗い行程では、制御部18は、コイン検知器19で設定金額が投入されたことを検知すると、給水弁12を動作して、設定水位まで給水する(S1〜S8)。この設定水位は、投入された洗濯物の量によらず常に一定であり、定格容量の洗濯物を入れたときに水不足とならない水量に対応する水位である。(定格4.5Kgの洗濯機では、水量は約48lとしている。)
次に、制御部18は、モータ7を駆動制御して、パルセータ6を左右反転回転させ、洗い動作を行う(S9)。反転回転の周期としては、例えば、左1.5秒オン−1.0秒オフ−右1.5秒オン−1.0秒オフとする。これにより、交互に左回り、右回りの水流が発生し、洗濯物が洗われる。この洗いにおいては、モータの位相制御は行わず、図3(a)に示すような全波形の電源電圧を供給する。
【0046】
予め定められた洗い時間10分が経過すると(S10)、制御部18は、モータ7をオフしてパルセータ6を停止させる。そして、トルクモータ15を動作させて排水弁14を開き、排水を行う。(S11〜S15)
なお、洗い時間10分間の最後の1分間は洗濯物のほぐしが行われる。即ち、制御部18は、パルセータ6をそれまでより短い周期、例えば、左0.3秒オン−0.3秒オフ−右0.3秒オン−0.3秒オフで左右反転回転させる。
【0047】
こうして、洗い行程が終了すると、中間脱水行程に入る。制御部18は、トルクモータ15を動作させて排水弁14を開いたまま、モータ7を駆動し、脱水を開始する。このとき、伝達機構8のクラッチ(図示せず)は、洗濯兼脱水槽4とパルセータ6が共に駆動するよう切り換えてられており、洗濯兼脱水槽4とパルセータ6が共に右回りに回転する。
【0048】
制御部18は、パルス発生器20からのパルス信号に基づいてモータ7、即ち洗濯兼脱水槽4の回転数を検知しており、洗濯兼脱水槽4の回転数が脱水のときの定常回転数900rpmに立ち上がるまでは、前述の位相制御を行わない。これにより、モータ7には、全波形の電源電圧が供給される。即ち、最大の電力が供給される。そして、洗濯兼脱水槽4が定常回転数に達すると、位相制御を開始して、この定常回転数を維持するようモータ7を制御する。(S16〜S24)即ち、洗濯兼脱水槽4の回転数が定常回転数より低ければ、導通角を小さくして、モータ7に供給する電力の量を多くし、定常回転数より高ければ、導通角を大きくして、モータ7に供給する電力の量を少なくする。このとき、現在の回転数と定常回転数との差の大きさに応じて、導通角の増減量を決定する(差が大きいほど、増減量を大きくする)ことが望ましい。
【0049】
なお、本実施形態では、モータ7は、コストの関係からパワーに余力を持たさず、交流電源の周波数が50Hz(60Hzより供給電力が小さい)、洗濯容量が定格という条件で、モータ7に最大の電力を与えたとき、即ち、全波形の電源電圧を与えたときに、洗濯兼脱水槽4が略900rpmで回転する性能のものを採用している。したがって、周波数が50Hzの場合、制御部18は、位相制御によりモータ7を定常回転数に維持するとき、モータ7には全波形に近い電源電圧を供給することになる。
【0050】
また、立上げ時に洗濯兼脱水槽4の回転数ができるだけ定常回転数からオーバーしないようにするために、定常回転数に達する少し前の回転数から位相制御を開始するようにしても良い。
【0051】
こうして、脱水開始から60秒が経過すると、制御部18は、モータ7をオフする。このとき、洗濯兼脱水槽4はすぐに停止せず、惰性回転を続ける。そして、モータをオフしてから90秒が経過すると、制御部18は、図示しないブレーキ機構を動作してブレーキを掛け、洗濯兼脱水槽4を停止させる。同時に、排水弁14を閉じる。(S25〜S28)
次に、すすぎ行程に入る。このすすぎ行程では、いわゆる溜めすすぎを行う。制御部18は、洗い行程と同様に給水弁12、モータ7を制御し、設定水位まで水を溜めた後、パルセータ6を左右反転回転させて、洗濯物をすすぐ。そして、すすぎを開始してから2分が経過すると、排水弁14を開いて排水し、すすぎ行程を終了する。このすすぎ動作においても、洗い同様、モータ7の位相制御は行わない。また、すすぎ動作の最後の1分間は、洗い同様、ほぐし動作を行うようパルセータ6を左右反転回転させる。(S29〜S46)
すすぎ行程が終了すると、最終脱水行程に入る。この最終脱水行程での脱水においても、中間脱水行程での脱水と同様、制御部18は、洗濯兼脱水槽4の回転数が定常回転数になるまでモータを立ち上げると、位相制御を開始して洗濯兼脱水槽4を定常回転数に維持して脱水を行う。この脱水開始から5分が経過すると、制御部18は、モータ7をオフする。そして、その後90秒が経過すると、ブレーキ機構を動作してブレーキを掛け、洗濯兼脱水槽4を停止させる。同時に排水弁14を閉じる。こうして、最終脱水行程が終了すると、洗濯運転を終了する。(S49〜S61)
ここで、何らかの原因によってパルス発生器20が故障するなどすると、回転数が検知できなくなり、モータ7の位相制御が行えなくなる。そこで、次に、モータ7の回転数が正常に検知できなくなったときの動作について説明する。
【0052】
洗い行程及びすすぎ行程では位相制御は行わないので、何ら問題にならない。
【0053】
中間脱水行程では、パルス発生器20からパルスが入ってこなくなると、たとえ洗濯兼脱水槽4が定常回転数まで立ち上がったとしても、制御部18は、回転数が0であり、定常回転数に達していないと判断して、位相制御を行わない。したがって、常に全波形の電源電圧がモータ7へ供給されることになる。このため、洗濯兼脱水槽4の回転数は定常回転数を超えてしまう。
【0054】
中間脱水行程は、すすぎの前に洗濯物から水といっしょに洗剤を除去することを目的としており、水分を十分に除去する必要がないため脱水時間を短く設定している。したがって、洗濯兼脱水槽4の回転数が定常回転数を超えても、回転数が高くなり過ぎるまでに脱水が終わったり、仮に高くなり過ぎても洗濯機に大きな負担になる前に脱水が終わる。このため、脱水時間が短い中間脱水行程では、運転を中止して異常報知をするようなことをせず、脱水運転を継続する。
【0055】
回転数の検知異常は、すすぎ行程でのほぐし処理において、回転判定パルスをカウントすることにより最終脱水行程を行う前になって初めて行われる。即ち、ほぐし動作中のモータ7の回転により発生されるパルスを回転判定パルスとし、ほぐし処理1分間の回転判定パルスの数をカウントする(S39、S40)。このとき、パルス発生器20に異常が無ければ、洗濯物の量に若干影響されるものの、少なくとも1分間に30以上のパルスが発生する。
【0056】
制御部18は、最終脱水行程に入る前に、S48で回転判定パルス数が30以上カウントされたか否かを判定する。パルス発生器20に異常があれば、30以上カウントされていないので、制御部18は、回転数の検知異常と判断する。
【0057】
最終脱水行程での脱水は、洗濯物が乾燥しやすいよう、水分を十分に除去することを目的としたものである。したがって、脱水時間は中間脱水行程での脱水時間に比べて十分に長く設定されている。したがって、回転数が検知されず、モータ7の位相制御が行えなければ、洗濯兼脱水槽4の回転数が高くなり過ぎ、これが長く続いて洗濯機の負担が大きくなり、洗濯機が破損する虞がある。
【0058】
このため、制御部18は、S48で回転数の検知異常と判断すると、最終脱水行程を行わず、運転を中止して、排水弁14を閉じた後、異常報知を行う(S62、S63)。具体的には、表示部10bにて、回転数の検知異常を示す「777」を点滅表示する。
【0059】
但し、本実施形態では、電源の周波数が50Hzの場合は、前述したモータ7の性能の関係から洗濯兼脱水槽4の回転数は高くなり過ぎることがない。したがって、制御部18は、S47で周波数が50Hzであると判断すると、S48を回避し、回転数の検知異常の判定は行わない。これにより、異常が起きていても運転を継続し、最終脱水行程を位相制御がなされることが無いまま行い、洗濯運転を終了する。
【0060】
回転数の検知異常が起こると、その後、制御部18は、あらゆるキーを受けつけない。即ち、クリアキー(図示せず)を押しても異常は解除されない。サービスマンが修理にきて、コンセントを抜くなどし、電源の供給が無くなると、初めて解除される。
【0061】
なお、回転数の検知異常が起きたときの対処としては、最終脱水行程を行わないようにするのではなく、中間脱水のように時間を短くしたり、モータ7への間欠通電によって回転数を低く抑えるようにしたりして脱水を行い、少しでも洗濯物から水を絞るようにしても良い。この場合、最終脱水行程が終了した後、異常報知を行う。
【0062】
また、トルクに余裕のあるモータ7を採用すると、電源の周波数が50Hzであっても、位相制御を行わずに全波形の電源電圧をモータ7に供給すると洗濯兼脱水槽4の回転数が高くなり過ぎる。この場合には、S47の周波数判定は行わないようにし、回転数の検知異常があれば、電源の周波数によらず最終脱水行程を中止するようにする。
【0063】
最後に、給水異常、排水異常について説明する。給水時には、給水が正常になされているかを検知している。制御部18は、給水を開始してから30分が経過しても、設定水位まで給水されなければ(S6、S32)、給水異常であるとして、給水弁12を閉じ、異常報知を行う(S64、S65)。具体的には、表示部10bにて、給水異常を示す「222」を点滅表示する。この異常はクリアキーが押されると、解除される(S66、S67)。
【0064】
排水時には、排水が正常になされているかを検知している。即ち、制御部18は、給水を開始してから10分が経過しても、外槽2の低い位置に設定したリセット水位まで排水されなければ(S14、S45)、排水異常であるとして、排水弁14を閉じ、異常報知を行う(S68、S69)。具体的には、表示部10bにて、排水異常を示す「555」を点滅表示する。この異常はクリアキーが押されると、解除される(S70、S71)。
【0065】
給水異常としては蛇口が開き忘れがあり、排水異常としては排水ホースの倒し忘れがある。このような場合は、サービスマンを派遣しなくても解消できるので、クリアキーにてすぐに異常解除ができるようにしているのである。
【0066】
なお、以上の説明から明らかなように、制御部18は、本発明の制御装置を構成し、制御部18及びパルス発生器20は、本発明の回転数検知装置を構成する。
【0067】
上記実施形態は、一実施形態であって、本発明の趣旨の範囲で適宜変更や修正を行えることは明らかである。
【0068】
例えば、すすぎ行程では、溜めすすぎだけではなく、溜めすすぎの前にシャワーすすぎを行っても良い。このシャワーすすぎは、モータ7を間欠駆動して洗濯兼脱水槽4をゆっくりと回転させながら給水するすすぎ動作と、その後、洗濯物に染み込んだ水分と共に洗剤を除去する脱水動作とからなる。このシャワーすすぎでの脱水動作は、その目的が前述の中間脱水行程での脱水動作と同じであり、脱水時間は短く設定される。したがって、シャワーすすぎを行うよう構成した場合は、回転数の検知異常が起きても、シャワーすすぎにおける脱水は継続するものとする。
【0069】
また、回転数の検知異常が起きたときの異常報知は、表示だけでなく、ブザー等音声によって行われても良い。
【0070】
さらに、本発明は、コイン式洗濯機だけに適用されるものではなく、市販の全自動洗濯機に適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すコイン式洗濯機の概要を示す側面縦断面図である。
【図2】同コイン式洗濯機のブロック回路図である。
【図3】同コイン式洗濯機のモータの位相制御に関連する、波形図、入出力信号図である。
【図4】同コイン式洗濯機の動作を示すフローチャートである。
【図5】同コイン式洗濯機の動作を示す図4に続くフローチャートである。
【図6】同コイン式洗濯機の動作を示す図4に続くフローチャートである。
【符号の説明】
4 洗濯兼脱水槽
6 パルセータ
7 モータ
12 給水弁(給水装置)
14 排水弁(排水装置)
15 トルクモータ(排水装置)
18 制御部(制御装置、回転数検知装置)
20 パルス発生器(回転数検知装置)
Claims (3)
- 洗濯兼脱水槽内で洗濯物の洗い、すすぎを行うと共に、洗濯兼脱水槽を高速で回転させて洗濯物を脱水する洗濯機であって、脱水時には、洗濯兼脱水槽を駆動するモータの回転数を検知し、検知した回転数に基づいてモータに供給する電源の位相を調整し、前記モータを所定の定常回転数に維持させるようにした洗濯機において、
前記モータの回転数が正常に検知できない場合には、最終の脱水より前に行われる、前記洗濯兼脱水槽の回転時間が相対的に短い脱水は、電源の位相を調整せずに電源位相そのままの電力を前記モータに供給するようにして実行し、前記洗濯兼脱水槽の回転時間が相対的に長い最終の脱水は実行しないようにしたことを特徴とする洗濯機。 - 洗濯兼脱水槽内で洗濯物の洗い、すすぎを行うと共に、洗濯兼脱水槽を高速で回転させて洗濯物を脱水する洗濯機であって、脱水時には、洗濯兼脱水槽を駆動するモータの回転数を検知し、検知した回転数に基づいてモータに供給する電源の位相を調整し、前記モータを所定の定常回転数に維持させるようにした洗濯機において、
前記モータの回転数が正常に検知できない場合には、最終の脱水より前に行われる、前記洗濯兼脱水槽の回転時間が相対的に短い脱水は、電源の位相を調整せずに電源位相そのままの電力を前記モータに供給するようにして実行し、前記洗濯兼脱水槽の回転時間が相対的に長い最終の脱水は、前記モータへの通電時間を、回転数の検知が正常のときよりも短くして実行するようにしたことを特徴とする洗濯機。 - 洗濯兼脱水槽内で洗濯物の洗い、すすぎを行うと共に、洗濯兼脱水槽を高速で回転させて洗濯物を脱水する洗濯機であって、脱水時には、洗濯兼脱水槽を駆動するモータの回転数を検知し、検知した回転数に基づいてモータに供給する電源の位相を調整し、前記モータを所定の定常回転数に維持させるようにした洗濯機において、
洗濯運転中に前記モータの回転数が正常に検知できなくなっても、洗いやすすぎは行うと共に、前記洗濯兼脱水槽内から排水した後、洗濯運転を中止することを特徴とする洗濯機。
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