JP3710635B2 - プリント配線板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パッケージ基板等を製造する際に用いることができる導体回路の形成方法を用いたプリント配線板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の信号の高周波化に伴って、パッケージ基板の材料は、低誘電率、低誘電正接であることが求められるようになってきている。そのためパッケージ基板の材料は、セラミックから樹脂へとその主流が移りつつある。
さらに、最近は、配線の高密度化が求められているため、配線が多層化されたビルドアップ多層配線基板といわれるプリント配線板が主流となりつつある。
【0003】
このような背景の下、樹脂基板を用いたプリント配線板に関する技術として、例えば、特公平4−55555号公報には、回路形成がされたガラスエポキシ基板にエポキシアクリレートを層間樹脂絶縁層として形成し、続いて、フォトリソグラフィーの手法を用いてバイアホール用開孔を設け、表面を粗化した後、めっきレジストを設けて、めっきにより導体回路およびバイアホールを形成する方法が提案されている。
【0004】
しかしながら、エポキシアクリレート等の樹脂からなる層間樹脂絶縁層は、金属である上層導体回路との密着性を確保するために、その表面および上層導体回路の表面を粗化しなければならない。このため、高周波数帯域の信号を伝搬させると、その表面の凹凸に起因して信号のノイズが生じてしまうという問題があった。この問題は、セラミック基板に比べて低誘電率および低誘電正接を持つ樹脂基板を使用する場合に、特に顕著であった。
【0005】
そこで、特開平7-45948号公報では、これらの問題を解決するために、層間樹脂絶縁層上に平坦な導体回路を形成する技術が開示されている。
即ち、セラミックや金属基板の片面に樹脂をスピンコート等の方法で塗布形成し、形成された平坦な樹脂層の表面に、Ni等の樹脂との密着性に優れる金属層を形成した後めっきレジストを形成する。次に、電気めっきを用いて導体回路となる金属の層を形成し、続いて、めっきレジストの下に存在していたNi等からなる金属層をエッチングして除去することにより独立の回路とするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、金属層として、NiやAl等の不動態を形成する金属を用いた場合、塩酸や硫酸等の比較的管理しやすい酸を用いてエッチングしようとすると、エッチングにより一旦生じた酸化物が前記酸により分解されにくいため、エッチングがスムーズに進行しないという問題点があった。
また、これらの金属の表面に酸化物被膜が形成された場合には、さらに、エッチングによる除去が困難となる。
【0007】
これらの金属は、濃硝酸や王水等の強酸には溶解するため、濃硝酸をベースとしたものやシアン化物、フッ化物等を用いるとエッチングを行うことができるが、これらの酸は、毒劇物であって取り扱いが難しいため、工程管理が難しく、かつ、作業環境に悪影響を及ぼすという問題があった。
【0008】
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、その目的は、管理の容易な酸性エッチング液を用いて選択的エッチングを行うことができ、その結果、樹脂基板等の絶縁基板との密着性に優れた平坦な形状の導体回路を形成することができる導体回路の形成方法および該方法を用いたプリント配線板の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、上記目的の実現に向け鋭意研究した結果、以下に示す内容を要旨構成とする発明に想到した。
即ち、第一の本発明のプリント配線板の製造方法は、絶縁基板上に、樹脂絶縁層と導体回路とを形成するプリント配線板の製造方法であって、少なくとも下記 (i) (v) の工程、即ち、
(i) 表面に、不動態膜を形成する金属であるNiからなる第1の導体層を樹脂絶縁層上に形成する工程、
(ii) 上記第1の導体層上に、Niよりもイオン化傾向が小さい金属であって、Cu、SnおよびPbから選ばれる少なくとも1種からなる第2の導体層を形成する工程、
(iii) 上記第2の導体層上にめっきレジストを形成する工程、
(iv) めっきレジストが形成された上記第2の導体層上に、電気めっきにより第3の導体層を形成する工程、
(v) めっきレジストを剥離した後、硫酸水溶液または塩酸水溶液からなる酸性エッチング液を用い、めっきレジストの下に存在していた第1の導体層と第2の導体層とを同時にエッチングする工程
を含むことを特徴とする。
【0010】
また、第二の本発明のプリント配線板の製造方法は、絶縁基板上に、樹脂絶縁層と導体回路とを形成するプリント配線板の製造方法であって、少なくとも下記 (i) (v) の工程、即ち、
(i) 表面に、不動態膜を形成する金属であるAlからなる第1の導体層を樹脂絶縁層上に形成する工程、
(ii) 上記第1の導体層上に、Alよりもイオン化傾向が小さい金属であって、Cu、Sn、PbおよびFeから選ばれる少なくとも1種からなる第2の導体層を形成する工程、
(iii) 上記第2の導体層上にめっきレジストを形成する工程、
(iv) めっきレジストが形成された上記第2の導体層上に、電気めっきにより第3の導体層を形成する工程、
(v) めっきレジストを剥離した後、硫酸水溶液または硫酸−過酸化水素混合水溶液からなる酸性エッチング液を用い、めっきレジストの下に存在していた第1の導体層と第2の導体層とを同時にエッチングする工程
を含むことを特徴とする。
なお、本明細書においては、以下 (i) (iv) のかっこ付きローマ数字をそれぞれ、丸付き数字でも表示することとします。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の導体回路の形成方法は、少なくとも下記▲1▼〜▲3▼の工程、即ち、▲1▼絶縁基板上に、不動態膜を形成する金属であって、Ni、Co、Cr、Ti、Nb、TaおよびAlから選ばれる少なくとも1種からなる第1の導体層を形成する工程、▲2▼上記第1の導体層上に、Ni、Alなどの表面に不動態膜を形成する金属よりもイオン化傾向が小さい金属からなる第2の導体層を形成する工程、▲3▼硫酸水溶液、塩酸水溶液または硫酸−過酸化水素混合水溶液からなる酸性エッチング液を用いて選択的エッチングを行うことにより、特定領域の第1の導体層と第2の導体層とを同時にエッチングする工程を含むことを特徴とする。
上記導体回路の形成方法では、エッチングにより、まず、表面に不動態膜を形成する金属よりもイオン化傾向が小さい金属が溶解し、Ni、Alなどの表面に不動態膜を形成する金属が露出する。表面に不導態膜を形成する金属が露出すると、この金属とこの金属よりもイオン化傾向が小さい金属が酸性エッチング液を電解質として電池反応を起こし、Ni、Alなどの不導態膜を形成する金属が溶解するのである。
このため、酸性エッチング液は、硫酸水溶液、塩酸水溶液または硫酸−過酸化水素混合水溶液などの溶液を使用でき、王水や硝酸などの量産に不向きな酸を使用する必要はない。
また、酸性エッチング液により、従来よりも速いエッチング速度を達成できる。
【0013】
本発明において、表面に不動態膜を形成する金属は、Ni、Co、Cr、Ti、NbTaおよびAlから選ばれる少なくとも1種からなる
これらの金属は、不動態膜を構成しやすく、通常の酸性エッチング液では溶解しないからである。
また、特に表面に不動態膜を形成する金属はNi、Alが望ましい。これらの金属は、樹脂との密着性に優れているからであり、プリント配線板の導体回路を形成するために最適だからである。
以下、図面を基に説明する。説明中では表面に不動態膜を形成する金属としてNi、Alを例にする。
図1(a)〜(e)は、本発明の導体回路の形成方法における各工程を模式的に示した断面図である。
本発明では、まず、絶縁基板31上にNiまたはAlからなる第1の導体層32を形成する(図1(a))。
絶縁基板31の材料としては特に限定されず、セラミック等の無機材料からなる基板でも、樹脂等の有機材料からなる基板でもよいが、形成した導体層との接着性が問題となる樹脂基板を用いた場合に、基板との密着性に優れた導体層を形成することができる点から、本発明は、主に、樹脂基板を対象としている。
【0014】
第1の導体層32の形成方法は特に限定されず、例えば、気相蒸着法、めっき法等が挙げられるが、樹脂基板上により密着性に優れた導体層を形成することができる点から、気相蒸着法、特にスパッタリング法が好ましい。スパッタリング法により、第1の導体層32を形成する場合には、形成された第1の導体層32が酸化されないように、減圧の不活性ガス雰囲気で行うことが望ましい。
【0015】
次に、第1の導体層32が形成された絶縁基板31上に、NiまたはAlよりもイオン化傾向が小さい金属からなる第2の導体層33を形成する(図1(b))。
Niよりもイオン化傾向が小さい金属としては、例えば、Cu、Sn、Pb等が挙げられる。これらの金属は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。即ち、これら金属単独の層を設けてもよく、上記金属からなる複数の層を設けてもよい。
また、Alよりもイオン化傾向が小さい金属としては、例えば、Cu、Sn、Pb、Fe等が挙げられる。これらの金属も、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0016】
第2の導体層33の形成方法も特に限定されず、例えば、気相蒸着法、めっき法等が挙げられるが、引き続いて同じ方法を用いると、簡単に導体層を形成することができるので、第1の導体層32の形成方法と同様の方法が好ましい。従って、第1の導体層32および第2の導体層33は、スパッタリング等の気相蒸着法を用いて形成することが望ましい。
第2の導体層33を形成する際には、第1の導体層32が酸化されないように、第1の導体層32を形成した後、大気雰囲気にさらすことなく、第2の導体層33を迅速に形成することが望ましい。
【0017】
第2の導体層33を形成した後、酸性エッチング液を用いて選択的エッチングを行うことにより、特定領域の第1の導体層32と第2の導体層33とを同時にエッチングし、導体回路を形成する。
選択的エッチングの方法は、特に限定されるものではなく、例えば、上記2層からなる導体層上にエッチングレジストを形成した後、エッチングレジストが形成されていない部分をエッチングにより削除して導体回路を形成する方法をとってもよい。また、めっきレジストを形成した後、めっきレジストが形成されていない部分に電気めっき法等を用いて導体層の厚付けを行い、めっきレジストを剥離した後、めっきレジストの下に存在していた導体層をエッチングして削除することにより導体回路を形成する方法をとってもよい。
ここでは、前者の方法を用いる。なお、後者の方法については、後述するプリント配線板の製造方法において詳述する。
【0018】
即ち、まず、第2の導体層33上に、フォトリソグラフィーの手法を用いてエッチングレジスト34を形成する(図1(c))。この後、エッチングレジスト34が形成された部分以外の部分をエッチングにより削除し、導体回路を形成するものである。
【0019】
この場合、エッチングは、酸性エッチング液を用いて行うことができる。
また、この酸性エッチング液として、例えば、硫酸水溶液、塩酸水溶液または硫酸−過酸化水素混合水溶液等の通常用いられている管理のしやすい液を用いることができる。
【0020】
第1の導体層32をNi層とし、第2の導体層33をCu層とし、エッチング液を硫酸−過酸化水素混合水溶液とした場合、エッチングは、以下のような機構により進行する。
まず、下記の(1)および(2)で示す化学式に従って、Cu層がエッチングされる。
【0021】
【化1】
Figure 0003710635
【0022】
Cu層がエッチングされてNi層が露出すると、続いて、Ni層のエッチングが始まる。
Ni単独の層をエッチングしようとする際、一応、下記の(3)および(4)で示す化学式による反応の進行が考えられる。
【0023】
【化2】
Figure 0003710635
【0024】
しかし、実際には、上記(3)式により生じたNiOとH2 SO4 との反応、即ち(4)式に記載の反応は、殆ど進行せず、このため、表面は酸化膜で覆われ、Ni層は殆どエッチングされない。
一方、本発明の場合には、Cu層とNi層との2層構造となっているため、Cu層を陰極、Ni層を陽極とする電池が形成され、下記の(5)、(6)式による反応が進行する。
【0025】
【化3】
Figure 0003710635
【0026】
Cuについては、上記エッチングの際の酸化反応(イオン化反応)と電池による還元反応とが可逆的に進行するが、NiはCuよりもイオン化傾向が大きいため、Niについては、Ni金属がNiイオンとなる不可逆反応のみが進行し、その結果、Niが溶液中に溶解し、エッチングが進行することとなる。また、この反応では、酸化物が形成されないため、Niが不動態化して反応の進行が止まることはなく、反応が最後まで進行し、エッチングが完了する(図1(d))。
【0027】
この後、エッチングレジストの剥離を行うことにより、絶縁基板31上に第1の導体層32と第2の導体層33とからなる導体回路が形成されることになる(図1(e))。
本発明の導体回路の形成方法では、NiまたはAlからなる第1の導体層32上に、NiまたはAlよりもイオン化傾向が小さい金属からなる第2の導体層33を形成するので、塩酸水溶液等の管理しやすい酸を用いて容易に選択的エッチングを行うことができる。また、絶縁基板31上にNiまたはAlからなる第1の導体層32を形成するので、絶縁基板31が特に樹脂基板である場合に、平滑で基板との密着性に優れた導体回路を形成することができる。
【0028】
次に、第一および第二の本発明のプリント配線板の製造方法について説明する。
第一の本発明のプリント配線板の製造方法は、絶縁基板上に、樹脂絶縁層と導体回路とを形成するプリント配線板の製造方法であって、少なくとも下記(i)〜(v)の工程、即ち、
(i)表面に、不動態膜を形成する金属であるNiからなる第1の導体層を樹脂絶縁層上に形成する工程、
(ii)上記第1の導体層上に、Niよりもイオン化傾向が小さい金属であって、Cu、SnおよびPbから選ばれる少なくとも1種からなる第2の導体層を形成する工程、
(iii)上記第2の導体層上にめっきレジストを形成する工程、
(iv)めっきレジストが形成された上記第2の導体層上に、電気めっきにより第3の導体層を形成する工程、
(v)めっきレジストを剥離した後、硫酸水溶液または塩酸水溶液からなる酸性エッチング液を用い、めっきレジストの下に存在していた第1の導体層と第2の導体層とを同時にエッチングする工程
を含むことを特徴とする。
また、第二の本発明のプリント配線板の製造方法は、絶縁基板上に、樹脂絶縁層と導体回路とを形成するプリント配線板の製造方法であって、少なくとも下記 (i) (v) の工程、即ち、
(i) 表面に、不動態膜を形成する金属であるAlからなる第1の導体層を樹脂絶縁層上に形成する工程、
(ii) 上記第1の導体層上に、Alよりもイオン化傾向が小さい金属であって、Cu、Sn、PbおよびFeから選ばれる少なくとも1種からなる第2の導体層を形成する工程、
(iii) 上記第2の導体層上にめっきレジストを形成する工程、
(iv) めっきレジストが形成された上記第2の導体層上に、電気めっきにより第3の導体層を形成する工程、
(v) めっきレジストを剥離した後、硫酸水溶液または硫酸−過酸化水素混合水溶液からなる酸性エッチング液を用い、めっきレジストの下に存在していた第1の導体層と第2の導体層とを同時にエッチングする工程
を含むことを特徴とする。
【0029】
本発明のプリント配線板の製造方法で用いる、表面に不動態膜を形成する金属よりもイオン化傾向が小さい金属、および、酸性エッチング液は、上記導体回路の形成方法で用いるものと全く同様のものでよい。
また、上記▲5▼の工程におけるエッチングは、上記導体回路の形成方法の場合と同様の機構により反応が進行し、めっきレジストの下に存在していた第1の導体層と第2の導体層とが同時にエッチングされ、除去される。
なお、本発明のプリント配線板の製造方法においては、絶縁基板として、樹脂基板上に直接導体回路が形成された基板を使用し、その上に樹脂絶縁層と導体回路とをそれぞれ1層設けてもよく、2層以上設けてもよい。また、導体回路が形成されていない樹脂基板を使用し、その上に樹脂絶縁層と導体回路とをそれぞれ1層設けてもよく、2層以上設けてもよい。また、上記樹脂絶縁層と上記導体回路とは、樹脂基板の片面に設けてもよく、両面に設けてもよい。
【0030】
以下、本発明のプリント配線板の製造方法を、多層プリント配線板を一例として、さらに詳しく説明する。
(1) まず、樹脂基板の表面に下層導体回路(内層銅パターン)を有する配線基板を作製する。
樹脂基板としては、無機繊維を有する樹脂基板が望ましく、具体的には、例えば、ガラス布エポキシ基板、ガラス布ポリイミド基板、ガラス布ビスマレイミド−トリアジン樹脂基板およびガラス布フッ素樹脂基板等が挙げられる。
この樹脂基板の下層導体回路の形成は、樹脂基板両面に銅箔を貼った銅貼積層板に、必要により後述するめっき被膜等を形成した後、エッチングを行うことにより行う。
また、この樹脂基板にドリルで貫通孔を設け、該貫通孔の壁面および銅箔表面に無電解めっきを施してスルーホールを形成する。無電解めっきとしては銅めっきが好ましい。
【0031】
通常、下層導体回路を形成する際には、銅箔の厚付けのために電気めっきを行う。この電気めっきとしては銅めっきが好ましい。
なお、スルーホール内壁および電気めっき膜表面を粗化処理してもよい。粗化処理としては、黒化(酸化)−還元処理、有機酸と第二銅錯体の混合水溶液によるスプレー処理、あるいは銅−ニッケル−リン針状合金めっきによる処理などがある。
また、必要に応じてスルーホール内に導電ペーストを充填し、この導電ペーストを覆う導体層を無電解めっきまたは電気めっきにて形成することもできる。
【0032】
(2) 次に、上記(1) で作製した配線基板の両面に樹脂絶縁層を形成する。この樹脂絶縁層は、多層プリント配線板の層間樹脂絶縁層として機能する。
上記樹脂絶縁層は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂またはこれらの複合樹脂で構成されていることが望ましい。
熱硬化性樹脂としては、熱硬化型ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミドトアジン樹脂から選ばれる少なくとも1種以上を用いることが望ましい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリスチレン(PS)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)等のエンジニアリングプラスチックを用いることが望ましい。
【0033】
(3) 次に、この樹脂絶縁層(以下、層間樹脂絶縁層と称す)に、下層導体回路との電気的接続を確保するためのバイアホール用開孔を設ける。
感光性樹脂の場合は、露光、現像してから熱硬化することにより、また、熱硬化性樹脂やポリオレフィン樹脂の場合は、レーザー加工することにより、上記層間樹脂絶縁層にバイアホール用開孔を設ける。
レーザー加工の場合に使用されるレーザ光としては、例えば、炭酸ガスレーザ、紫外線レーザ、エキシマレーザ等が挙げられる。
【0034】
(4) 次に、上記した▲1▼の工程として、樹脂絶縁層上に表面に不動態膜を形成する金属、例えばNiまたはAlからなる第1の導体層を形成する。
この第1の導体層の形成方法は特に限定されるものではないが、不活性ガスの減圧雰囲気下、スパッタリングにより行うのが望ましい。上記第1の導体層の厚さは、0.01〜0.5μmが好ましい。
これにより、上記樹脂絶縁層上に、平坦で樹脂絶縁層との密着性に優れた第1の導体層を形成することができる。
【0035】
(5) 次に、上記▲2▼の工程として、上記第1の導体層に、NiまたはAlなどの表面に不動態膜を形成する金属よりもイオン化傾向が小さい金属からなる第2の導体層を形成する。
この第2の導体層の形成方法も特に限定されるものではないが、不活性ガスの減圧雰囲気下、スパッタリングにより行うのが好ましい。上記第2の導体層の厚さは、0.05〜1.0μmが好ましい。
【0036】
(6) 上記(5) で形成した第2の導体層に、上記▲3▼の工程として、めっきレジストを形成する。
このめっきレジストの形成方法は限定されるものではないが、通常、感光性ドライフィルムをラミネートした後、露光、現像処理を行うことにより形成する。
【0037】
(7) 次に、上記▲4▼の工程として、無電解めっき膜をめっきリードとして電気めっきを行って第3の導体層を形成し、導体回路を厚付けする。第3の導体層(電気めっき膜)は、5〜30μmが好ましい。
【0038】
(8) 第3の導体層を形成した後、上記▲5▼の工程として、めっきレジストを剥離し、めっきレジストの下に存在していた第2の導体層および第1の導体層を、酸性エッチング液を用いたエッチングにより除去し、独立した導体回路とする。
酸性エッチング液としては、例えば、硫酸水溶液、塩酸水溶液または硫酸−過酸化水素混合水溶液等の管理しやすい酸を用いることができる。
【0039】
(9) さらに必要に応じて、導体回路表面上に、めっき法、気相蒸着法(PVD法)あるいは化学蒸着法(CVD法)によりNi層を形成し、続いて上記 (2)〜(8) の工程を繰り返すことにより多層化したプリント配線板を製造する。
以下、実施例をもとに説明する。
【0040】
【実施例】
(実施例1)
(1) BT(ビズマレイミド−トリアジン)樹脂からなる厚さ0.8mmの基板1の両面に18μmの銅箔2がラミネートされているBTレジン銅貼積層板(三菱ガス化学社製、商品名:HL830−0.8T12D)を出発材料とした(図2(a)参照)。まず、この銅貼積層板をドリル削孔して貫通孔を形成し(図2(b)参照)、次いで、パラジウム−スズコロイドを表面に付着させ、下記組成の無電解めっき水溶液を用い、下記条件にて無電解めっきを施し、基板全面に0.7μmの無電解めっき膜を形成した。
【0041】
[無電解めっき水溶液]
EDTA 150 g/l
硫酸銅 20 g/l
HCHO 30 ml/l
NaOH 40 g/l
α、α′−ビピリジル 80 mg/l
ポリエチレングリコール(PEG) 0.1 g/l
[無電解めっき条件]
70℃の液温度で30分
【0042】
さらに、下記組成の電気銅めっき水溶液で下記条件にて電気銅めっきを施し、厚さ15μmの電気銅めっき膜を形成した。
Figure 0003710635
【0043】
(2) 上記工程により基板全面に導体層3(スルーホール3aを含む)を形成した基板(図2(c)参照)を水洗いし、乾燥させた後、該基板をNaOH(20g/l)、NaClO2 (50g/l)、Na3 PO4 (15.0g/l)を含む水溶液からなる酸化浴(黒化浴)、および、NaOH(2.7g/l)、NaBH4 (1.0g/l)を含む水溶液からなる還元浴を用いた酸化還元処理に供し、そのスルーホール3aを含む導体層3の全表面に粗化面4を設けた(図2(d)参照)。
【0044】
(3) 次に、平均粒径15μmの銅粒子を含む金属粒子ペースト(タツタ電線社製、DDペースト:非導電性穴埋め銅ペースト)を、スルーホール3a内にスクリーン印刷によって充填し、100℃で30分、180℃で2時間の条件で乾燥、硬化させた。そして、導体層3表面に形成された粗化面4およびスルーホール3aからはみ出た金属粒子ペースト5を、#400のベルト研磨紙(三共理化学社製)を用いたベルトサンダー研磨により除去し、さらに、このベルトサンダー研磨による傷を取り除くため、アルミナ研磨やSiC研粒によるバフ研磨を行い、基板表面を平坦化した(図2(e)参照)。
【0045】
(4) 上記(3) で平坦化した基板表面に、常法に従ってパラジウムコロイド触媒を付着させてから無電解めっきを施すことにより、厚さ0.6μmの無電解銅めっき膜6を形成した(図2(f)参照)。
【0046】
(5) ついで、以下の条件で電気銅めっきを施し、厚さ15μmの電気銅めっき膜7を形成し、後述する図3(b)の工程において、下層導体回路9となる部分の厚付け、および、スルーホール3aに充填された金属粒子ペースト5を覆う導体層10となる部分を形成した。
【0047】
Figure 0003710635
【0048】
(6) 下層導体回路9および導体層10となる部分を形成した基板の両面に、市販の感光性ドライフィルムを貼り付け、マスクを載置して、100mJ/cm2 で露光した後、0.8%炭酸ナトリウムで現像処理し、厚さ15μmのエッチングレジスト8を形成した(図3(a)参照)。
【0049】
(7) そして、エッチングレジスト8を形成していない部分のめっき膜を、硫酸と過酸化水素との混合液を用いたエッチングにて溶解除去し、さらに、エッチングレジスト8を5%KOHで剥離除去することにより、独立した下層導体回路9および金属粒子ペースト5を覆う導体層10を形成した(図3(b)参照)。
【0050】
(8) 次に、下層導体回路9および金属粒子ペースト5を覆う導体層10の表面に、Cu−Ni−P合金からなる厚さ2.5μmの粗化層(凹凸層)11を形成し、さらにこの粗化層11の表面に厚さ0.3μmのSn層を形成した(図3(c)参照)。これらの層の形成方法は、以下のようである。なお、図3(c)には、Sn層を図示していない。
【0051】
即ち、基板を酸性脱脂してソフトエッチングし、ついで、塩化パラジウムと有機酸とからなる触媒溶液で処理して、Pd触媒を付着させ、この触媒を活性化した後、硫酸銅(8g/l)、硫酸ニッケル(0.6g/l)、クエン酸(15g/l)、次亜リン酸ナトリウム(29g/l)、ホウ酸(31g/l)、界面活性剤(日信化学工業社製、サーフィノール465)(0.1g/l)を含む、pH=9の無電解めっき浴にて無電解めっきを施し、導体回路の全表面にCu−Ni−P合金からなる粗化層11(凹凸層)を形成した。さらに、ホウフッ化スズ(0.1mol/l)、チオ尿素(1.0mol/l)を含むpH=1.2、温度50℃の無電解スズ置換めっき浴に浸漬し、上記粗化層の表面に厚さ0.3μmのSn層を設けた。
【0052】
(9) 次に、上記工程を経た樹脂基板の両面に、厚さ50μmの熱硬化型ポリオレフィン系樹脂シート(住友3M社製、1592)を温度50〜200℃まで昇温しながら圧力10kg/cm2 で加熱プレスして積層し、ポリオレフィン系樹脂からなる層間樹脂絶縁層12を設けた(図3(d)参照)。
【0053】
(10)次に、波長10.4μmのCO2 ガスレーザにて、ポリオレフィン系樹脂からなる層間樹脂絶縁層12に直径80μmのバイアホール用開孔13を設けた。この後、酸素プラズマを用いてデスミア処理を行った(図3(e)参照)。
【0054】
(11)次に、層間樹脂絶縁層の表面洗浄、表面改質を目的として、スパッタリングによるフィルムのエッチングを行った。このスパッタリングは、徳田製作所製 CFS−12P−100を用い、内部をアルゴンガスで置換した後、気圧0.6Pa、基板温度70℃、電力(RF)200W、時間2分間の条件で行った。
【0055】
(12)次に、同じ装置を用い、アルゴンガス雰囲気の下、Niをターゲットにしたスパッタリングを、気圧0.6Pa、基板温度70℃、電力(DC)400W、時間1分間の条件で行い、Ni層からなる第1の導体層14aをポリオレフィン系層間樹脂絶縁層12の表面に形成した。このとき、形成された第1の導体層14aの厚さは0.05μmであった。
【0056】
(13)次に、第1の導体層14a上に、スパッタリングによりCu層からなる第2の導体層14bを形成した(図4(a))。スパッタリングの条件は、電力(DC)4500W、時間2分間としてほかは、第1の導体層14aの形成条件と同じとした。このとき形成されたCu層の厚さは、0.15μmであった。なお、図4(b)以降では、第1の導体層14aと第2の導体層14bとを合わせて14としている。
【0057】
(14)上記処理を終えた基板の両面に、市販の感光性ドライフィルム(ニチゴーモートン社製、NIT−215)を貼り付け、フォトマスクフィルムを載置して、40mJ/cm2 で露光した後、0.8%炭酸ナトリウムで現像処理し、厚さ15μmのめっきレジスト16のパターンを形成した(図4(b)参照)。
【0058】
(15)次に、上記(1) に記載した条件とほぼ同様の条件で電気めっきを施して、厚さ10μmの電気めっき膜15を形成した。なお、この電気めっき膜15により、導体回路9部分の厚付けおよびバイアホール17部分のめっき充填が行われたことになる(図4(c)参照)。
【0059】
(16)そしてさらに、めっきレジスト16を5%KOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト16の下に存在していた第1の導体層(Ni層)14aおよび第2の導体層(Cu層)14bを硫酸−過酸化水素混合水溶液を用いるエッチングにて溶解除去し、第1の導体層(Ni層)14a、第2の導体層(Cu層)14bおよび電気銅めっき膜15からなる厚さ10μmの導体回路19(バイアホール17を含む)を形成した(図4(d)参照)。
【0060】
(17)その後、導体回路19(バイアホール17を含む)上にNiめっき層20を形成し(図5(a))、(9) 〜(16)の工程を繰り返すことにより、多層化を行った。なお、図面においては、図5(b)以降、多層化の工程を省略し、1層の層間樹脂絶縁層12と上層導体回路19上にソルダーレジスト層を形成している(図5(b)〜(c)参照)。ソルダーレジスト層の形成方法は、以下のようになる。
【0061】
(18)即ち、まず、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)に60重量%の濃度になるように溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本火薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー(分子量:4000)46.67重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、商品名:エピコート1001)15.0重量部、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ−CN)1.6重量部、感光性モノマーである多価アクリルモノマー(日本火薬社製、商品名:R604)3重量部、同じく多価アクリルモノマー(共栄化学社製、商品名:DPE6A)1.5重量部、分散系消泡剤(サンノプコ社製、商品名:S−65)0.71重量部を容器にとり、攪拌、混合して混合組成物を調製し、この混合組成物に対して光開始剤としてベンゾフェノン(関東化学製)を2重量部、光増感剤としてミヒラーケトン(関東化学社製)0.2重量部を加えてソルダーレジスト組成物を調製した。
【0062】
(19)次に、多層配線基板の両面に、上記ソルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布し、乾燥処理を行った後、ソルダーレジスト開口部となる部分がパターン描画されたフォトマスクをソルダーレジスト層に密着させて1000mJ/cm2 の紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処理し、開孔を形成した。さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件で加熱処理してソルダーレジスト層を硬化させ、開孔21を有し、その厚さが20μmのソルダーレジストパターン層18を形成した(図5(b)参照)。
【0063】
(20)次に、ソルダーレジストパターン層18を形成した基板を、塩化ニッケル(30g/l)、次亜リン酸ナトリウム(10g/l)、クエン酸ナトリウム(10g/l)からなるpH=5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開孔21の低部に厚さ5μmのニッケルめっき層を形成した。
【0064】
さらに、その基板を、シアン化金カリウム(2g/l)、塩化アンモニウム(75g/l)、クエン酸ナトリウム(50g/l)、次亜リン酸ナトリウム(10g/l)からなる無電解めっき液に93℃の条件で23秒間浸漬して、ニッケルめっき層上に、厚さ0.03μmの金めっき層22を形成した。なお、図5(c)においては、形成したニッケルめっき層および金めっき層をを合わせて22の符号を付している。
【0065】
(21)そして、ソルダーレジストパターン層18の開孔21にはんだペーストを印刷して、200℃でリフローすることによりはんだバンプ(はんだ体)23を形成し、はんだバンプ23を有する多層配線プリント基板を製造した(図5(c)参照)。
このようにして多層プリント配線板を製造した後、エッチング残りがあるか否かを観察した。結果を表1に示す。
【0066】
(実施例2〜12)
下記の表1に示した金属を用いて第一の導体層14aおよび第2の導体層14bを形成した以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を製造した。
また、製造した多層プリント配線板について、エッチング残りがあるか否かを観察した。結果を表1に示す。
【0067】
【表1】
Figure 0003710635
【0068】
表1に示したように、製造したプリント配線板は、いずれもエッチング残りはなかった。
【0069】
(比較例1)
実施例1と同様にして、(1) 〜(12)までの工程を行い、Ni層からなる第1の導体層14aを形成した後、第2の導体層14bは形成せず、その後、実施例1と同様にして、感光性ドライフィルムを用いたエッチングレジストの形成(14)、電気めっき(15)を行った。
その後、エッチングレジストを剥離し、実施例1と同様の酸性エッチング液を用いて第1の導体層(Ni層)のエッチングを試みたが、エッチングを完全に行うことができなかった。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の導体回路の形成方法によれば、絶縁基板上にNiまたはAlなどの表面に不動態を形成する金属からなる第1の導体層を形成した後、上記第1の導体層上に、上記不動態を形成する金属よりもイオン化傾向が小さい金属からなる第2の導体層を形成するので、管理が容易な酸性エッチング液を用い、第1の導体層と第2の導体層とを同時に選択的エッチングを行うことができ、上記エッチングにより導体回路を形成することができる。
また、形成した導体回路は、樹脂基板等の絶縁基板との密着性に優れるとともに、導体回路の表面が平坦化されているので、高周波帯域の信号を用いた際のノイズを防止することができる。
また、本発明のプリント配線板の製造方法によれば、樹脂絶縁層上にNiまたはAlなどの表面に不動態を形成する金属からなる第1の導体層、および、上記不動態を形成する金属よりもイオン化傾向が小さい金属からなる第2の導体層を順次形成するので、続くめっきレジストの形成、電気めっき、めっきレジストの剥離を行った後、管理の容易な酸性エッチング液を用い、めっきレジストの下に存在していた第1の導体層と第2の導体層とを同時にエッチングすることができ、このエッチングにより導体回路を形成することができる。
また、形成した導体回路は、層間樹脂絶縁層との密着性に優れるとともに、導体回路の表面が平坦化されているので、高周波帯域の信号を用いた際のノイズを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(e)は、本発明の導体回路の形成工程の一部を示す断面図である。
【図2】(a)〜(f)は、本発明のプリント配線板の製造工程の一部を示す断面図である。
【図3】(a)〜(e)は、本発明のプリント配線板の製造工程の一部を示す断面図である。
【図4】(a)〜(d)は、本発明のプリント配線板の製造工程の一部を示す断面図である。
【図5】(a)〜(c)は、本発明のプリント配線板の製造工程の一部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 銅箔
3 導体層
3a スルーホール
4 粗化面
5 金属粒子ペースト
6 無電解銅めっき膜
7、15 電解銅めっき膜
8 エッチングレジスト
9、19 導体回路
10 導体層
11 粗化層
12 層間樹脂絶縁層
13、21 開孔
14 第1の導体層および第2の導体層
14a 第1の導体層
14b 第2の導体層
16 めっきレジスト
17 バイアホール
18 ソルダーレジスト層
20 ニッケルめっき層
22 ニッケルめっき層および金めっき層
23 はんだバンプ
31 絶縁基板
32 第1の導体層
33 第2の導体層
34 エッチングレジスト

Claims (2)

  1. 絶縁基板上に、樹脂絶縁層と導体回路とを形成するプリント配線板の製造方法であって、少なくとも下記 (i) (v) の工程、即ち、
    (i) 表面に、不動態膜を形成する金属であるNiからなる第1の導体層を樹脂絶縁層上に形成する工程、
    (ii) 前記第1の導体層上に、Niよりもイオン化傾向が小さい金属であって、Cu、SnおよびPbから選ばれる少なくとも1種からなる第2の導体層を形成する工程、
    (iii) 前記第2の導体層上にめっきレジストを形成する工程、
    (iv) めっきレジストが形成された前記第2の導体層上に、電気めっきにより第3の導体層を形成する工程、
    (v) めっきレジストを剥離した後、硫酸水溶液または塩酸水溶液からなる酸性エッチング液を用い、めっきレジストの下に存在していた第1の導体層と第2の導体層とを同時にエッチングする工程
    を含むことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  2. 絶縁基板上に、樹脂絶縁層と導体回路とを形成するプリント配線板の製造方法であって、少なくとも下記 (i) (v) の工程、即ち、
    (i) 表面に、不動態膜を形成する金属であるAlからなる第1の導体層を樹脂絶縁層上に形成する工程、
    (ii) 前記第1の導体層上に、Alよりもイオン化傾向が小さい金属であって、Cu、Sn、PbおよびFeから選ばれる少なくとも1種からなる第2の導体層を形成する工程、
    (iii) 前記第2の導体層上にめっきレジストを形成する工程、
    (iv) めっきレジストが形成された前記第2の導体層上に、電気めっきにより第3の導体層を形成する工程、
    (v) めっきレジストを剥離した後、硫酸水溶液または硫酸−過酸化水素混合水溶液からなる酸性エッチング液を用い、めっきレジストの下に存在していた第1の導体層と第2の導体層とを同時にエッチングする工程
    を含むことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
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