JP3710302B2 - 耐高温酸化性およびスケール密着性に優れたフェライト系ステンレス鋼 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に各種内燃機関やガスタービン等の排ガス管路部材用途に好適な耐高温酸化性およびスケール密着性に優れた低コストのフェライト系ステンレス鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境問題に関する関心の高まりから、燃焼効率の良い火力発電システムや機関、更には排ガス規制をクリアできる自動車エンジンが求められている。これらの要求を満足すべく対策を行なうと、燃焼ガスの温度が高くなり、排ガス浄化システムなどの周辺部材の温度が高くなる。この結果、これらの部材は一層優れた耐熱性が要求されるようになってくる。耐熱性には高温強度に加えて高温のガス環境下で耐用できる耐高温酸化性が必要である。
【0003】
耐高温酸化性は、異常酸化を起こさず酸化増量が少ないことと、酸化スケール(酸化皮膜)の密着性が良好であることである。自動車のエンジンなどの内燃機関では運転および停止の繰り返しがあり、また火力発電システムでもDSS(毎日起動停止)操業があるために耐熱部材も過熱冷却の繰り返しを受ける。従って酸化皮膜の密着性が良くない材料は酸化皮膜が剥離し、これが原因となって、配管の目づまりを起こしたり、部材そのものの肉厚減少が起こり、そこを起点とした破損などの問題が生じる。
【0004】
オーステナイト系ステンレス鋼は、フェライト系ステンレス鋼と比較して高温強度が高い。しかし、熱膨張が大きいため、熱ひずみが大きく、加熱および冷却の繰り返しを受けると熱疲労による割れを起こしやすい。また、オーステナイト系ステンレス鋼は、鋼素地と酸化スケールとの熱膨張の差が大きいため、酸化皮膜の剥離も多い。
【0005】
これらの理由から、自動車の排ガス用材料にはフェライト系ステンレス鋼が使用されている。例えば、自動車のエキゾーストマニホールドには、フェライト系ステンレス鋼のSUS430J1Lが使用されているが、酸化皮膜の剥離が多く、また、素材のコストが高いことが問題視されている。
【0006】
米国特許第4,640,722号明細書は、自動車排ガス用材料に適するフェライト系ステンレス鋼として、Cr:6〜25%の範囲において従来の耐熱鋼に用いられていたAlに代えてSiを含有させ(Si:1.0〜2.0重量%)、炭素と窒素を固定するに十分なTi(またはZr,Ta)を加えたうえで(Ti:4C+3.5 N〜0.5 %)、炭窒化物を形成していない非結合Nbを0.1重量%以上含有させることによって、1010〜1120℃の加熱でNb-SiリッチのLaves相を生成させて耐高温酸化抵抗およびクリープ特性を改善した鋼を開示している。この鋼はさらにMoを5%以下含有し、Cr+Mo≧8重量%と規定している。だが、このUSP'722明細書には酸化皮膜の剥離をどのようにしたら防止できるかについて教示がない。また低温靱性と加工性の改善についても教えるところはない。自動車のエキゾーストマニホールド用途には、高温耐酸化性に加えて酸化皮膜の密着性、低温靱性および加工性に優れることが併せて要求される。
【0007】
米国特許第4,461,811号明細書には、重量%でC≦0.03%,N≦0.05%,Cr:10.5〜13.5%,Al≦0.10%,Ti≦0.12%,Al+Ti≦0.12%,Nbおよび/またはTa:CとNを固定するに十分な量,残部がFeからなるフェライト系ステンレス鋼が記載されている。この鋼はCuやNi等のろう材(brazing filler)との濡れ性がよいと教示している。このため、フェライト系ステンレス鋼本来の高温での耐酸化性や耐食性を必要とする熱交換器や排ガスシステム等を構成するろう付けされる用途に適するとされている。だが、このUSP'811明細書に記載のスタビライズド鋼が酸化皮膜の密着性,低温靱性および加工性を同時に満足するか否か不明であり、またそのための処法について示唆も認知もない。
【0008】
米国特許第4,417,921号明細書には、重量%でC≦0.03%,N≦0.03%,C+N≦0.04%,Cr:11.5〜13.5%,Mn≦1.0%,Si≦1.0%,Ni≦0.5%,Cu≦0.15%,Ni+3Cu≦0.80%,Tiおよび/またはNb:0.1 %以上で且つ4(C+N)以上〜0.75%,残部がFeからなるフェライト系ステンレス鋼が記載されている。このTiまたはNbでCとNを固定し且つCuを添加した鋼は溶接性,延性,加工性,耐応力腐食割れ性に優れるので、フィンを一体成形する熱交換器用途に適するとされている。だが、USP'921にはこの種のフェライト系ステンレス鋼の高温特性、特に高温での耐酸化性や酸化皮膜の密着性に及ぼす各元素の影響について教示がなく、自動車のエキゾーストマニホールド用途に必要な諸特性について示唆するところはない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような背景から、SUS430J1Lと同等の高温強度を有しながら、一層優れた耐高温酸化性、とくに酸化皮膜の密着性に優れた特性を示す安価な材料であって且つ低温靱性や加工性にも優れたフェライト系ステンレス鋼が排ガス用途、特に自動車のエキゾーストマニホールド用途に求められるようになった。この要求は、最近の排ガス浄化の向上や内燃機関の高効率化に伴って一層厳しくなっている。本発明の課題は、この要求を満たすフェライト系ステンレス鋼を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、質量%において、C:0.03%以下,Si:0.80%〜1.20%,Mn:0.60%〜1.50%,Cr:13.5 %を越え〜15.5%,Nb:0.20%〜0.80%,Ti:0.1%以下(無添加を含む),Cu:0.04%〜0.25 %,N:0.03%以下,Al:0.05%以下(無添加を含む),O:0.012%以下,
ただし、上記の範囲において、
0.7≦Mn/Si≦1.5 ・・・(1)
1.4≦Nb+1.2Si≦2.0 ・・・(2)
1221.6(C+N)−55.1Si+65.7Mn−8.7Cr−99.5Ti−40.4Nb+1.1Cu+54≦0 ・・・(3)
Cr+Mn+Si≧15.5 ・・・(4)'
の関係(1),(2),(3)および(4)'を同時に満足するようにこれらの元素を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、大気雰囲気下950℃で200時間連続加熱後の酸化増量が0.2kg/m2以下でスケール剥離量が0.01kg/m2以下である耐高温酸化性およびスケール密着性に優れたフェライト系ステンレス鋼を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
フェライト系ステンレス鋼においては、特公昭59-15976号公報に記載されているように、La,Ce,Yなどの希土類元素を含有させれば良好な高温酸化特性を示すことがよく知られている。また特公昭57-2267号公報に記載されているようにC,NおよびMnを低減し且つSi含有量を高めることにより耐酸化性,成形性および溶接性を改善できることが知られ、米国特許第4,640,722号明細書や特開昭60-145359号公報に記載のように耐酸化性に有効なAlをSiで置換して耐酸化性を保持させることが知られている。本発明者らはこれらとは全く異なる処法によってフェライト系ステンレス鋼の高温酸化特性(酸化増量の抑制とスケール密着性)が改善できることを知った。それはMnとSiの相互の含有量を或る特定範囲に厳密に調整することである。
【0014】
すなわち本発明者らは、低コストの13Cr系のフェライト系ステンレス鋼を中心として、異常酸化を抑制し且つ優れた酸化皮膜の密着性を改善すべく合金成分の面からの広範な研究を行った結果、異常酸化を抑制するためにはSiを添加することが有効であることがわかった。ところがSiを添加すると、異常酸化を抑制し酸化増量を小さくすることができるものの、生成した酸化物はSUS430J1Lの場合と同様に、冷却過程で剥離しやすい性質を有することがわかった。
【0015】
ところが、適正量のMnを添加すると酸化皮膜の密着性が著しく改善されることがわかった。これは、高Crフェライト系ステンレス鋼においては、Mnは高温酸化に悪影響を及ぼすという常識を覆す全く新しい知見である。
【0016】
しかし、Mnを多量に添加すると本成分系ではオーステナイト相が生成して耐高温酸化性をかえって劣化させ、そこを起点として異常酸化が発生することも明らかとなった。
【0017】
図1は、Mn/Si比を変化させた以外は本発明で規定する化学成分値を有するフェライト系ステンレス鋼において、後記実施例で説明する1000℃で100時間の連続酸化試験を行った場合の酸化増量とスケール剥離量をSi/Mn比で整理して示したものである。
【0018】
図1に見られるように、Mn/Si比が0.7以上で1.5以下の場合には酸化増量もスケール剥離量も極減する。この比が0.7未満ではスケール剥離量が急激に多くなり1.5を超えると酸化増量が急増する。
【0019】
この理由については必ずしも明確ではないが、次のように考えるられる。Si量が多くなると耐高温酸化性が良くなるが、 これはSiの増量によりCr2O3を主体とする酸化物が表層に形成されるからであると考えられる。しかし単にSiを添加するだけではスケール剥離を生じる。これはCr2O3を主体とする酸化物と下層の母材との熱膨張率の差に起因するからであると考えられる。
【0020】
ところが、Mn/Si比が0.7以上となるようにMnが存在すると、Cr2O3を主とする酸化物と鋼素地との中間の熱膨張率を有する、 Mnを含むスピネル系の酸化物が生成する。この結果、Mnの増量によって酸化増量が多くなっても、生成する酸化物は鋼素地との熱膨張差が緩和されるために密着性が良くなる。しかし、Mn/Si比が1.5より高くなるような割合のMn量ではスケールの密着性は良好でも、異常酸化が生じて耐熱性に問題が生ずる。このようなことから、この系統のフェライト系ステンレス鋼ではMn/Si比を0.7〜1.5の範囲に厳密に調節すれば、酸化増量の抑制とスケール密着性の改善が同時に達成され、 優れた耐高温酸化性を示すようになる。
【0021】
換言すれば、Mn系の酸化物を多く形成させてスケールの密着性を良くするためにはSi量にともなってMn量を多くさせる必要があるが、逆にSi量が少ない場合にはそれにともなってMn量を少なくする必要がある。Si量が少ない鋼ではMn量が多くなるとγ相が生成しやすくなり、異常酸化の起点となる。またMn系のスピネル酸化物そのものの生成量が多くなり異常酸化に至る。
【0022】
以下に、 本発明鋼における各成分の作用とそれらの含有量 (質量%) の限定理由を個別に概説する。
【0023】
CとN:CとNは一般的には高温強度を高めるためには重要な元素であるが、反面、含有量が多くなると耐酸化性,加工性ならびに靱性の低下を来す。また、CとNはNbとの化合物をつくり、高温強度向上に作用するフェライト相中の有効Nb量を減少せしめる。このような理由からCとNはそれぞれ0.03%以下とする。
【0024】
Si:Siは前述のように耐高温酸化性を改善するために不可欠な元素である。本発明鋼のような比較的Cr量が少ない鋼であっても優れた耐高温酸化性を付与するのに非常に有効である。しかし、過剰に添加すると硬質になり、加工性および靱性の劣化をもたらすので、0.8%〜1.2%の範囲とする。Siの最適含有量は約 1.0%付近にある。
【0025】
Mn:Mnも本発明鋼の重要な元素である。本発明鋼のようにSiを添加することによって、酸化増量は抑制されるが、生成した酸化物は加熱後の冷却中に剥離しやすくなる。Mnを添加すると前述のようにスピネル型酸化物を形成して表層酸化物の密着性を著しく改善する。しかし、過剰に添加すると、オーステナイト相の析出などによってかえって異常酸化を誘発する。このためその範囲を0.60%〜1.50%とする。Mnの最適含有量は1.0%付近である。
【0026】
Cr:Crは耐高温酸化性を付与するためには非常に有効な元素である。一方、過剰に添加すると鋼の脆化を招き、また硬質となって加工性を劣化させる他、原料価格が高くなる。したがって、 13.5%を越え15.5%以下とする。とくに、エキゾーストマニホールド用途において、950℃で200時間連続加熱後の酸化増量が0.2kg/m2以下で且つスケール剥離量が0.01kg/m2以下の要求を満たすには、Mn/Si比がほぼ1となり且つMnとSiをいずれも約1.0%で含有させたうえ、Si+Mn+Crの合計含有量が15.5以上となるようにすることが望ましいが、この場合にはCr量は必然的に13.5%を越えて含有させることが必要となる。Crの最適含有量は14%付近にある。
【0027】
Nb:Nbは高温強度を維持せしめるのに有効に作用するので本発明鋼の重要な元素である。高温強度を維持するためには少なくとも0.20%以上添加する必要がある。一方、Nbを過剰に添加すると溶接高温割れ感受性が高くなる。十分な高温強度を維持し、かつ溶接高温割れ感受性に余り影響を及ぼさないようにNbの上限を0.80%とする。好ましいNb含有量の下限値は8×(C+N)+0.30であり、その上限値は0.60%である。Nb含有量の最適値はCとNがいずれも0.015%以下の可及的低量の場合、約0.50%付近にある。
【0028】
Cu:Cuは本発明鋼において、低温靭性と加工性の両方を向上させるのに極めて有効に作用する。この事実を試験結果で以下に示す。
【0029】
試験は、14%Cr,1.0%Si,1.0%Mn,0.5%Nbの鋼を基本鋼とし、Cuの含有量を変えて破面遷移温度に及ぼすCuの影響を調べた。図2にその試験結果を示す。破面遷移温度は、板厚2mmのVノッチシャルピー衝撃試験片を用いて、−75℃から50℃の範囲で衝撃試験を行い、延性破面率が50%となるときの温度と定義した。低温靭性の指標となる破面遷移温度は−30℃以下が好ましい。図2に見られるように、Cuの含有量が0.02〜0.30%未満の範囲において破面遷移温度が−30℃以下となり、 0.04 〜 0.25 %の範囲においては一層優れた低温靭性を呈することがわかる。なおCuの含有量を0.30%以上とした場合は、Cuを添加しない場合に比較して靭性が若干改善されるものの、破面遷移温度を上昇させる傾向があることも明らかになった。
【0030】
また上記と同じ14%Cr,1.0%Si,1.0%Mn,0.5%Nbの鋼を基本鋼とし、Cuの含有量を変えて全伸びと均一伸びに及ぼすCuの影響を調べた。その結果を図3に示した。全伸びおよび均一伸びの測定は板厚2mmの冷延焼鈍板から試片を採り、冷延方向に平行の方向(L方向)にひずみ速度3mm/minで引張試験を実施して求めた。図3に見られるように、Cuの含有量が0.02%以上0.30%未満の範囲で全伸びが上昇し、また加工性の指標となる均一伸びも上昇することがわかる。0.04 〜 0.25 %の範囲では一層優れた加工性を呈することがわかる。
【0031】
このように、本発明鋼においてCuを0.02%以上0.30%未満の範囲で含有させた場合に、低温靭性と加工性が同時に優れることがわかった。なお、この程度の少量のCu含有量では、Cu添加による高温特性に及ぼす悪影響(例えば熱間加工性の低下)は殆んど現れない。
【0032】
O:O(酸素)は溶接性に悪影響を及ぼすので、できる限り低いことが好ましい。しかし低く抑えるほど製造コストの上昇を招く。本発明鋼においては、OはAlおよびSiの添加によって容易に低減でき、このとき十分な溶接性を有する範囲としてOは0.012%以下とする。
【0033】
TiとAl:TiとAlは本発明鋼において添加の有無を問わず各々0.10%まで許容できる。Tiは鋼のr値(ランクフォード値)を向上させ、鋼成形性を改善することが知られているが、Tiを添加するとTiNの生成による鋼板表面疵(ヘゲ疵)の発生による鋼板製造歩留りの低下を来し、また溶接性も低下させる。とくにエキゾーストマニホールド製造のための造管時の溶接や組立用の溶接時にTiNが生成するとその後に厳しい加工を施す場合に悪い影響を与える。このため、本発明鋼中のTi量は0.10%以下、好ましくは0.05%以下であるのがよく、この程度のTi量は本発明鋼において不純物量として許容できる。
【0034】
また、Alは鋼の溶製時に残存酸素を除去する脱酸剤として有用である。すなわち、鋼中に酸素が残存すると溶接性が悪くなるのでAl脱酸は有用であるが、本発明鋼はSiを含有させるので、このSiが脱酸剤として機能し、Alによる脱酸は必ずしも必要としない。またAlが過剰に鋼中に混入すると溶接時にAl系の酸化物が多量に生成して逆に溶接性を劣化させる結果ともなる。したがってAlは添加の有無を問わず0.05%以下とするのがよく、この程度のAl量は本発明鋼において許容できる。
【0035】
そのほかの製造上混入する不純物としてP,S,Ni等がある。これらの元素はいずれも本発明鋼において有用な作用を供するものではないので少ない程よいが、本発明鋼においてPは0.040%まで、Sは0.008%まで、またNiは0.50%まで含有しても特段の悪影響は現れない。したがってこの程度までのこれら元素の含有は許容される。
【0036】
以上のような各成分の含有量において、
0.7≦Mn/Si≦1.5 ・・・(1)
の関係が満足するようにMn量とSi量を規制することが本発明の前記の課題を達成するうえで重要であり、この(1)式の条件を満足すれば、図1に示したように、1000℃で100時間の連続加熱後の酸化増量が0.4kg/m2以下で且つスケール剥離量が0.02kg/m2以下となる耐高温酸化性およびスケール密着性に優れたフェライト系ステンレス鋼が得られる。なお図1の成果は、Mn/Si比を最適にすると、酸化増量の上限値0.4kg/m2とスケール剥離量の上限値0.02kg/m2よりは遥かに小さい値まで耐高温酸化性およびスケール密着性を改善できることを示している。
【0037】
また、本発明に従う鋼は前記関係式(1)に加えて関係式(2),(3),(4)の要件を充足するように各成分量を調整されることが前記課題を解決するうえで重要な役割を果たす。これらの点は後記の実施例から明らかであるが、その概要を予め説明すると次のとおりである。
【0038】
関係式(2)すなわち、
1.4≦Nb+1.2Si≦2.0 ・・・(2)
を充足するようにNbとSiを複合添加すると、本発明鋼は優れた高温疲労特性を示すようになる。この効果はNb+1.2Siの量が1.4以上で発現される。しかし、NbとSiはいずれも過剰に添加すると加工性を低下させる作用がある。このためNb+1.2Siの量は2.0%以内に抑えるのがよい。
【0039】
関係式(3)すなわち、
1221.6(C+N)−55.1Si+65.7Mn−8.7Cr−99.5Ti−40.4Nb+1.1Cu+54≦0 ・・・(3)
を充足するように各成分量を調整することにより、本発明鋼は1000℃までの温度域でオーステナイト相が生成しないようになる。エキゾーストマニホールドの場合、材料面からは最高1000℃までの温度域を考慮することが必要であるが、この耐用温度でオーステナイト相が生成すると、オーステナイト相を起点とする異常酸化が起こる。関係式(3)の関係を充足するように成分バランスを図ると、この異常酸化が防止できる。
【0040】
関係式(4)すなわち、
Cr+Mn+Si≧14.7 ・・・(4)
の関係を充足するように、Cr,Mn,Siの合計量を厳密に調整することが、エキゾーストマニホールドに要求される耐高温酸化性を具備する上で重要であることかわかった。以下に試験結果を挙げてこの点を説明する。
【0041】
供試鋼は、Cr:11.0〜15.5%,Si:0.8〜1.2%,Mn:0.7〜1.5%の範囲でCr,Si,Mn量を変化させ、且つNb=0.5%,Cu=0.1%の一定とした鋼であり、これら各供試鋼の(Cr+Mn+Si)の合計量と耐高温酸化特性との関係を調べた。試験は、各鋼について板厚2mmの板状試験片を大気雰囲気下で200時間の連続加熱を行ったあと、単位面積当たりの質量増加量を測定した。その結果を図4および図5に示した。図4は連続加熱温度=930℃の場合、図5は連続加熱温度=950℃の場合のものである。
【0042】
図4および図5の結果から、耐高温酸化特性の指標となる酸化増量は、鋼中の(Cr+Mn+Si)の合計量で良く整理できることがわかる。そして、異常酸化を生じる酸化増量の目安を0.2kg/m2とすると、図4のように、930℃で200時間の連続加熱ではCr,Si,Mnの総量が質量%で14.7以上、また図5のように950℃で200時間の連続加熱では該総量が15.5以上で、異常酸化を抑制できることが明らかとなった。
【0043】
したがって、この試験結果から、 930℃での連続加熱条件では式(4)、950℃での連続加熱条件では式(4)'、すなわち、
Cr+Mn+Si≧14.7 ・・・(4)
Cr+Mn+Si≧15.5 ・・・(4)'
の関係を満足すると、各温度で優れた耐高温酸化特性を得ることができるという知見がえられた。
【0044】
以上のように各成分をバランスさせた本発明のフェライト系ステンレス鋼は、優れた耐高温酸化特性とスケール密着性を同時に有し、併せて低温靱性、加工性に優れ、高温強度並びに高温疲労特性も良好である。しかも18Cr系ステンレス鋼よりも低コストに製造できる。一般に排ガス管路部材は溶接部を有するが、本発明鋼は溶接部の熱疲労特性も良好である。
【0045】
このような良好な諸特性を同時に具備する本発明鋼は、自動車エンジンに直結して高温となるエキゾーストマニホールド用途に好適な材料である。エキゾーストマニホールドは、プレスした板、或いは予め高周波溶接によって造管したパイプを、必要な形状寸法に加工および溶接して製造され、使用にあたっては振動および高温の排ガスに曝され、しかも加熱冷却の繰り返しを受ける。本発明鋼は、後記の実施例にも示すように、このような用途において従来材よりも十分な耐用性を示し且つ安価である。
【0046】
エキゾーストマニホールドに限らず、本発明の低コストフェライト系ステンレス鋼は700℃〜950℃の高温で使用され且つ耐高温酸化性およびスケール剥離量が重要視される部材、例えば自動車エンジンの排ガス管路におけるメタリックコンバーターの外筒や火力発電システムの排ガス管路用部材等にも好適に使用できる。
【0047】
以下に本発明の実施例を挙げて本発明の効果を具体的に示す。
【0048】
【実施例】
表1〜3に供試材の鋼中の化学成分値(質量%)を示した。これら表中の「発」と記載した鋼が本発明鋼であり、無印のものは参考鋼である。F11からF17まで、E09とE10、およびG08は比較鋼である。いずれの鋼も真空溶解炉にて溶製し、鍛造、熱延により厚さ4.5mmの熱延鋼帯とした。これを1050℃で焼鈍したうえ厚さ2.0mmの冷延鋼帯とし、さらに1050℃で焼鈍した。各冷延焼鈍材から各種の試験片に加工後、試験に供した。なお、高周波造管パイプを用いた熱疲労特性の把握にはF01とF14を用いた。
【0049】
表1〜3の鋼の900℃および1000℃の100時間連続酸化試験結果を表4〜5に示した。耐高温酸化性は酸化増量およびスケール剥離量で評価した。すなわち長さ35mm,幅25mm,板厚2.0mmの試験片を用い、各温度で100時間連続酸化試験を行った後の単位面積あたりの酸化増量およびスケール剥離量を測定して評価した。なお、スケール剥離量の測定は酸化試験後の冷却中に試片表面から自然に剥離した酸化スケールを収集してその重量を計測することによって行い、単位面積当たりの剥離量を求めた。また表2中の×印で示す異常酸化を起こしたものは、こぶ状の酸化物が試験片を覆い、スケール剥離量で耐酸化性を評価するのは妥当ではないと判断されたものである。
【0050】
表6に、低温靱性および加工性の試験結果、並びに高温引張と高温疲労試験結果を示した。これらの試験条件は次のとおりである。
【0051】
低温靭性は破面遷移温度で評価した。すなわち「JIS Z 2202」に準拠した板厚2.0mmのVノッチ試験片を作製し「JIS Z 2241」に規定する金属材料衝撃試験方法(シャルピー衝撃試験)を、−75℃から50℃の温度範囲で行い、脆性破面率が50%となる温度を破面遷移温度とした。
【0052】
加工性は引張試験と曲げ試験で評価した。すなわち「JIS Z 2201の13B号」に準拠した引張試験片と「JIS Z 2204の1号」に準拠した金属材料曲げ試験片を作製し「JIS Z 2241」に規定する引張試験における伸び(全伸および均一伸び)と「JIS Z 2248」に規定する曲げ試験の押曲げ法による曲げ角度を測定した。
【0053】
高温引張特性は「JIS G 0567」に準拠した高温引張試験により700℃と900℃における0.2%耐力によって評価した。高温疲労特性は「JIS Z 2275」に準拠した平面曲げ疲労試験を、600℃で最大応力180N/mm2,平均応力0N/mm2,繰り返し速度40Hzの条件と、900℃で最大応力30N/mm2,平均応力0N/mm2,繰り返し速度60Hzの条件で行い、破損繰り返し数が107以上のものを良と判定した。
【0054】
表7には、パイプを用いた熱疲労試験結果を示した。熱疲労試験はφ42.7mmの高周波造管パイプに対して、応力下で、下限温度200℃と上限温度900℃の加熱冷却サイクルを繰り返し付与した。加熱および冷却速度は3℃/minとし、上限および下限温度での保持時間は0.5minとした。応力付与は拘束率(材料の自由熱膨張量に対する付加ひずみの比)が50%とした。試験結果は、破損繰り返し数(試験中の最大引張応力が初期の応力の75%にまで低下したときの繰り返し数)および目視による表面のスケール密着状態で評価した。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】
【表5】
【0060】
【表6】
【0061】
【表7】
【0062】
表4〜5の結果にみられるように、本発明鋼および参考鋼は、900℃の連続酸化試験で酸化増量が0.02kg/m2以下、1000℃の連続酸化試験で酸化増量が0.4kg/m2以下と非常に良好な耐高温酸化性を示す。同時に、耐スケール剥離性にも優れ、900℃の試験では全くスケール剥離せず、1000℃の試験でもスケール剥離量は0.02kg/m2以下と極微量である。これらの特性は、前述したように酸化増量の抑制に対してはSiの添加が、またスケール剥離の抑制に対してはMnの添加が有効に作用し、これら両方の特性はMn/Si比によって支配される。
【0063】
さらに表4〜5の結果を見ると、Cr,Mn,Siの総量が14.7以上である鋼は、930℃で200時間の連続加熱を行っても酸化増量は0.2kg/m2以下であり、異常酸化は生じていない。Cr,Mn,Siの総量が15.5以上である鋼は、950℃で200時間の連続加熱でも酸化増量が0.2kg/m2以下であり、異常酸化は生じていない。そしてこれら異常酸化を生じない鋼のスケール密着性はいずれも良好である。
【0064】
これに対し、比較鋼G08に見られるように、Si量とMn量が通常のフェライト系ステンレス鋼と同程度のものでは、たとえMn/Si比が本発明で規定する範囲であっても、両元素の量が本発明で規定する下限値より低いので、900℃においてすでに異常酸化を起こしてしまい、スケール剥離量も著しい。比較鋼F12はSi量が本発明で規定する下限未満であるため、他の成分は本発明で規定する範囲であっても1000℃の酸化試験において異常酸化を起こしている。比較鋼F14はSi量を本発明で規定する範囲で含むものの、スケール剥離を抑制するMn量が本発明で規定する下限値未満であるために、酸化物の殆んど全部が剥離してしまう。
【0065】
このような傾向は、MnとSiの相関を見るとより顕著になる。例えば、F11のようにSiが本発明規定の上限より多い鋼、F14のようにMn量が本発明で規定するよりも低い鋼およびF16のようにMn/Si比が本発明で規定する比より小さい鋼は、いずれもSi量に対するMnの相対量が適正範囲よりも少ないのでスケール剥離量が多く、また1000℃では異常酸化を招くことがある。
【0066】
他方、F13のようにMn量が本発明で規定するより多い鋼およびF15のようにMn/Si比が本発明で規定する比よりも高い鋼は、Siの添加に対してMn添加量が多いので、900℃でのスケール剥離量は抑制されるものの、酸化増量が多く、1000℃では異常酸化を起こす。
【0067】
さらに、前記の(3)式の要件(表1〜3において(3)式の値をGで示す)を満たさないF17は900℃〜1000℃の温度域でオーステナイト相(室温観察時にはマルテンサイト相))が生成し、オーステナイト相を起点として異常酸化が起こる。このため酸化増量およびスケール剥離量とも多く、高温酸化特性が本質的に劣っている。
【0068】
他方、表6の低温靱性および加工性試験結果から、E01〜E08並びにA1〜A7は、いずれも破面遷移温度が−40℃以下と非常に低く、低温靱性に優れることがわかる。これに対し、比較鋼E09,E10の破面遷移温度は−20℃,0℃と高い温度となり、低温靱性に劣っている。
【0069】
また、加工性についても、E01〜E08並びにA1〜A7はすべて35%以上の全伸びを示し且つ均一伸びも25%以上であり、非常に良好な結果が得られている。これに対し、比較鋼E09は良好であるものの、比較鋼E10では全伸びが30%、均一伸びが20%であり、劣っている。なお、曲げ加工性については、いずれの鋼も密着まで曲げ加工が可能であるという結果が得られた。
【0070】
さらに表6の高温特性試験の結果から、本発明鋼および参考鋼はいずれも0.2%耐力が700℃で100N/mm2以上、900℃で13N/mm2以上を示し、また破損繰り返し数は600℃(180N/mm2),900℃(30N/mm2)のいずれの場合も107サイクル以上の値を示しており、高温強度と高温疲労特性に優れることがわかる。
【0071】
表7の結果は、F 01は、加熱・冷却の繰り返しおよび引張・圧縮の繰り返し応力を受けても、母材および溶接部ともスケールの剥離が見られないことを示している。F 01の熱疲労特性はCr量の高いSUS430J1Lと同程度を示す。ただしSUS430J1Lは試験中にスケール剥離が生じた。同様に、比較鋼F14も熱疲労特性はF 01に比べると若干劣る程度であるが、Mnの添加量が本発明範囲から外れるためにこのような厳しい試験条件下ではスケール剥離を生じる。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、Cr量が比較的低いフェライト系ステンレス鋼にあって、700℃〜950℃の高温で使用されかつ高温酸化特性およびスケール剥離量が重要視される排ガス管路部材として十分に耐用できる安価な材料が提供され、特に自動車エンジンのエキゾーストマニホールドを構成する材料或いは火力発電システムの高温排ガス管路部材を構成する材料として経済的にも特性的にも従来材に比べると優位な材料が提供され、この分野の技術の進展に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 1000℃の耐高温酸化性およびスケール密着性に及ぼす鋼中のSi/Mn比の関係を示す図である。
【図2】破面遷移温度に及ぼす鋼中のCu量の影響を示す図である。
【図3】引張試験における全伸びおよび均一伸びに及ぼす鋼中のCu量の影響を示す図である。
【図4】大気雰囲気中で930℃で200時間連続加熱後の酸化増量に及ぼす鋼中の(Cr+Mn+Si)の総量の影響を示す図である。
【図5】大気雰囲気中で950℃で200時間連続加熱後の酸化増量に及ぼす鋼中の(Cr+Mn+Si)の総量の影響を示す図である。
Claims (3)
- 質量%において、
C:0.03%以下,
Si:0.80%〜1.20%,
Mn:0.60%〜1.50%,
Cr:13.5%を越え〜15.5%,
Nb:0.20%〜0.80%,
Ti:0.1%以下 (無添加を含む),
Cu:0.04%〜0.25 %,
N:0.03%以下,
Al:0.05%以下 (無添加を含む),
O:0.012%以下,
ただし、上記の範囲において、
0.7≦Mn/Si≦1.5 ・・・(1)
1.4≦Nb+1.2Si≦2.0 ・・・(2)
1221.6(C+N)−55.1Si+65.7Mn−8.7Cr−99.5Ti−40.4Nb+1.1Cu+54≦0 ・・・(3)
Cr+Mn+Si≧15.5 ・・・(4)'
の関係(1),(2),(3)および(4)'を同時に満足するようにこれらの元素を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、大気雰囲気下950℃で200時間連続加熱後の酸化増量が0.2kg/m2以下でスケール剥離量が0.01kg/m2以下である耐高温酸化性およびスケール密着性に優れたフェライト系ステンレス鋼。 - 鋼は、内燃機関の排ガス管路を構成する部材に加工されている請求項1に記載の耐高温酸化性およびスケール密着性に優れたフェライト系ステンレス鋼。
- 内燃機関の排ガス管路を構成する部材は、自動車エンジンに接続されたエキゾーストマニホールドである請求項2に記載のフェライト系ステンレス鋼。
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