JP3710282B2 - 液体吐出ヘッドの製造方法、液体吐出ヘッド、該液体吐出ヘッドが搭載されたヘッドカートリッジおよび液体吐出装置 - Google Patents

液体吐出ヘッドの製造方法、液体吐出ヘッド、該液体吐出ヘッドが搭載されたヘッドカートリッジおよび液体吐出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、ワープロもしくはホストコンピュータ等の出力用端末としてのプリンタ、ビデオプリンタ等に用いられる液体吐出ヘッドの製造方法、波体吐出ヘッド、該液体吐出ヘッドが搭載されたヘッドカートリッジおよび液体吐出装置に関する。さらに詳しくは、記録のためのエネルギーとして利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換素子が形成された素子基板を有し、熱エネルギーを記録用の液体に作用させることで発生する気泡の成長によって液体を吐出する液体吐出ヘッドの製造方法、液体吐出ヘッド、該液体吐出ヘッドが搭載されたヘッドカートリッジおよび液体吐出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱等のエネルギーをインクに与えることで、インクに急激な体積変化を伴う状態変化(気泡の発生)を生じさせ、このインクの状態変化に基づく作用力によっで吐出口からインクを吐出し、これを被記録媒体上に付着させて画像形成を行うインクジェット記録方法、いわゆるバブルジェット記録方法が従来から知られている。このバブルジェット記録方法を用いる記録装置には、米国特許第4,723,129号明細書公報に開示されているように、インクを吐出するための吐出口と、この吐出口に連通するインク流路と、インク流路内に配された、インクを吐出するためのエネルギー発生手段としての電気熱変換体とが一般的に設けられている。
【0003】
このような記録方法によれば、品位の高い画像を高速、低騒音で記録することができると共に、この記録方法を行うヘッドではインクを吐出するための吐出口を高密度に配置することができるため、小型の装置で高解像度の記録画像、さらにカラー画像をも容易に得ることができるという多くの優れた利点を有している。このため、このバブルジェット記録方法は、近年、プリンター、複写機、ファクシミリなどの多くのオフィス機器に利用されており、さらに、捺染装置などの産業用システムにまで利用されるようになってきている。
【0004】
このようなバブルジェット技術が多方面の製品に利用されるに従って、例えば、エネルギー効率の向上等の様々な要求が近年さらに高まっている。そして、エネルギー効率の向上の要求に対しては、発熱体の保護膜の厚さを調整するといった発熱体の最適化が対応策として挙げられる。この手法は、発生した熱の液体への伝搬効率を向上させる点で効果がある。
【0005】
又、高画質な画像を得るために、インクの吐出スピードが速く、安定した気泡発生に基づく良好なインク吐出を行える液体吐出方法などを与えるための駆動条件が提案されたり、また、高速記録の観点から、吐出された液体の液流路内への充填速度の速い液体吐出ヘッドを得るために液流路の形状を改良したものが提案されたりしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、基本的に従来の気泡、特に膜沸騰に伴う気泡を液流路中に形成して液体を吐出する方式の、根本的な吐出特性を、従来では予想できない水準に高めることを主たる課題とする。
【0007】
発明者たちは、従来では得られなかった気泡を利用した新規な液滴吐出方法、およびその方法を用いたヘッドなどを提供すべく鋭意研究を行った。このとき、液流路中の可動部材の機構の原理を解析するといった液流路中の可動部材の動作を起点とする第1技術解析、および気泡による液滴吐出原理を起点とする第2技術解析、さらには、気泡形成用の発熱体の気泡形成領域を起点とする第3技術解析を行い、これらの解析によって、可動部材の支点と自由端の配置関係を吐出口側つまり下流側に自由端が位置する関係にすること、また可動部材を発熱体もしくは、気泡発生領域に面して配することで積極的に気泡を制御する全く新規な技術を確立するに至った。
【0008】
次に、気泡自体が吐出量に与えるエネルギーを考慮すると、気泡の下流側の成長成分を考慮することが吐出特性を格段に向上できる要因として最大であるとの知見に至った。つまり、気泡の下流側の成長成分を吐出方向へ効率よく変換させることこそ吐出効率、吐出速度の向上をもたらすことも判明した。
【0009】
さらに、気泡を形成するための発熱領域、例えは電気熱変換俸の液体の流れ方向の面積中心を通る中心線から下流側、あるいは、発泡を司る面における面積中心などの気泡下流側の成長にかかわる可動部材や液流路などに構造的要素を勘案することも好ましいということがわかった。
【0010】
また、一方、可動部材の配置と液供給路の構造を考慮することで、リフィル速度を大幅に向上することができることがわかった。
【0011】
本発明の主たる目的は、液体吐出ヘッドの可動部材等を高い精度で、かつ高密度に形成することができる液体吐出ヘッドの製造方法を提供することにある。
【0012】
また、本発明の更なる目的は、気泡の発生に基づく圧力による可動部材の自由端の変位を利用して液体を吐出する際に、吐出特性が安定した、信頼性の高い液体吐出ヘッド等を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の液体吐出ヘッドの製造方法は、液体を吐出するための吐出口と、前記吐出口に連通された液流路と、該液流路に充填された液体に気泡を発生させるための発熱体が備えられた基板と、前記基板の前記発熱体に対面する位置に前記基板との間に間隙をおいて前記吐出口側を自由端として前記基板に支持固定された可動部材と、を少なくとも有し、前記気泡が発生されることにより生じる圧力によって、前記可動部材の自由端が前記可動部材の前記基板との支持固定部付近に構成された支点部を中心として変位され、液体を前記吐出口から吐出させる液体吐出ヘッドの製造方法であって、導電性材料からなる導電体層が最上層に形成された前記基板上に前記間隙を形成するためのスペーサ層を形成する工程と、前記スペーサ層の上に、導電性材料からなる潜像層を前記可動部材と略同じ形状に形成する工程と、前記スペーサ層のうち前記可動部材の支持固定部に対応する部分を除去し、前記導電体層が露出された開口部を前記潜像層よりも前記液流路における流路方向の上流側に形成する工程と、前記導電体層を陰極として電気メッキを行うことによりメッキが前記潜像層に達するまで前記開口部内の前記導電体層上にメッキを析出させて前記導電体層と前記潜像層とを導通させ、さらに電気メッキを行うことにより前記導電体層および前記潜像層の上にメッキを析出させて前記可動部材となるメッキ層を形成する工程と、前記スペーサ層を除去することにより前記可動部材を形成する工程とを有することを特徴とする。
【0014】
これにより、可動部材となるメッキ層の長さや幅の寸法が可動部材の形状に形成された潜像層の寸法によって決定されるため、可動部材が高い精度で、かつ高密度に形成され、液体を吐出する際の吐出特性が安定した、信頼性の高い液体吐出ヘッドが製造される。
【0015】
さらに、前記スペーサ層の上に、導電性材料からなる潜像層を前記可動部材と略同じ形状に形成する工程は、前記潜像層を前記液流路の流路方向に沿ってある一定の間隔を隔てて形成する工程からなる構成とすることにより、可動部材が、液流路の流路方向に沿って支点部から自由端に向かうにつれて段階的に薄くなるように形成される。このように形成された可動部材は、支点側の可動部よりも自由端側の可動部の方がより大きく屈曲し、発生した気泡の成長に伴って自由端側の可動部がより大きく変位するため、液体吐出ヘッドの液体吐出効率が向上する。
【0016】
また、前記スペーサ層のうち前記可動部材の支持固定部に対応する部分を除去し、前記導電体層が露出された開口部を前記潜像層よりも前記液流路における流路方向の上流側に形成する工程は、少なくとも前記スペーサ層のうち前記可動部材の支持固定部に対応する部分を残して前記スペーサ層の上にエッチングマスクを形成する工程と、エッチングにより前記スペーサ層のうち前記可動部材の支持固定部に対応する部分を除去する工程とを有し、前記潜像層を前記エッチングマスクの一部として用いる構成とすることにより、開口部を形成する際に潜像層と開口部との位置合わせが高精度に行われる。
【0017】
さらに、前記導電体層および前記潜像層の上に、前記可動部材となるメッキ層を前記導電体層を陰極として電気メッキにより析出して形成する工程は、前記開口部に前記メッキ層を成長させることにより、前記可動部材の支持固定部を形成する工程と、前記メッキ層をさらに成長させることにより前記導電体層と前記潜像層とを導通させ、前記導電体層および前記潜像層の上に前記可動部材となるメッキ層を形成する工程とを有する構成とすることが好ましい。
【0018】
また、前記スペーサ層の材料として高分子樹脂を用いる構成としてもよい。
【0019】
さらに、前記スペーサ層を除去する工程は、酸素プラズマにより前記スペーサ層を除去する工程からなる構成とすることが好ましい。
【0020】
また、本発明の液体吐出ヘッドは、液体を吐出するための吐出口と、前記吐出口に連通された液流路と、該液流路に充填された液体に気泡を発生させるための発熱体が備えられた基板と、前記基板の前記発熱体に対面する位置に、前記基板との間に間隙をおいて、前記吐出口側を自由端として前記基板に支持固定された可動部材と、を少なくとも有し、前記気泡が発生されることにより生じる圧力によって、前記可動部材の自由端が前記可動部材の前記基板との支持固定部付近に構成された支点部を中心として変位され、液体を前記吐出口から吐出させる液体吐出ヘッドであって、前記可動部材が上記本発明の液体吐出ヘッドの製造方法により製造されることを特徴とする。
【0021】
これにより、可動部材となるメッキ層の長さや幅の寸法が可動部材の形状に形成された潜像層の寸法によって決定されるため、可動部材が高い精度でかつ高密度に形成されるので、液体吐出ヘッドの液体吐出特性が安定され、信頼性が向上される。
【0027】
本発明のヘッドカートリッジは、上記本発明の液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッドに供給される液体を保持する液体容器とを有する。
【0028】
本発明の液体吐出装置は、上記本発明の液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッドから液体を吐出させるための駆動信号を供給する駆動信号供給手段とを有する。
【0031】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0032】
図1は本発明の液体吐出ヘッドの一実施形態の基本的な構造を説明するための、液流路方向に沿った断面図、図2は図1に示した液体吐出ヘッドの一部を破断して示す斜視図である。
【0033】
図1に示すように、この液体吐出ヘッドは、液体に気泡を発生させるための熱エネルギーを与える複数個(図1では1つのみ示す)の発熱体2が並列に設けられた素子基板1と、この素子基板1上に接合された天板3と、素子基板1および天板3の前端面に接合されたオリフィスプレート4とを有する。
【0034】
素子基板1は、シリコン等の基体上に絶縁および蓄熱を目的とした酸化シリコン膜または窒化シリコン膜を成膜し、その上に、発熱体2を構成する電気抵抗層および配線電極をパターニングしたものである。この配線電極から電気抵抗層に電圧を印加し、電気抵折層に電流を流すことで発熱体2が発熱する。
【0035】
天板3は、各発熱体2に対応した複数の液流路7および各液流路7に液体を供給するための共通液室8を構成するためのもので、天井部分から各発熱体2の間に延びる流路側壁9が一体的に設けられている。天板3はシリコン系の材料で構成され、液流路7および共通液室9のパターンをエッチングで形成したり、シリコン基板上にCVD等の公知の成膜方法により窒化シリコン、酸化シリコン等の流路側壁9となる材料を堆積した後、液流路7の部分をエッチングして形成することができる。
【0036】
オリフィスプレート4には、各液流路7に対応しそれぞれ液流路7を介して共通液室8に連通する複数の吐出口5(図2参照)が形成されている。オリフィスプレート4もシリコン系の材料からなるものであり、例えば、吐出口5を形成したシリコン基板を10〜150μm程度の厚さに削ることにより形成される。なお、オリフイスプレート4は本発明には必ずしも必要な構成ではなく、オリフィスプレート4を設ける代わりに、天板3に液流路7を形成する際に天板3の先端面にオリフィスプレート4の厚さ相当の壁を残し、この部分に吐出口5を形成することで、吐出口付きの天板とすることもできる。
【0037】
さらに、この液体吐出ヘッドには、液流路7を吐出口5に連通された第1の液流路7aと、発熱体2を有する第2の液流路7bとに分けるように、発熱体2に対面して配置された片持梁状の可動部材6が設けられている。可動部材6は、窒化シリコンや酸化シリコン等のシリコン系の材料、あるいは弾性に優れたニッケル等で形成された薄膜である。
【0038】
この可動部材6は、液体の吐出動作によって共通液室8から可動部材6の上方を経て吐出口5側へ流れる大きな流れの上流側であって、可動部材6の素子基板1との支持固定部の付近に支点6aを有し、さらに、この支点6aに対して下流側に自由端6bを持つように、発熱体2に面した位置に発熱体2を覆うような状態で発熱体2から所定の距離を隔てて配されている。この発熱体2と可動部材6との間が気泡発生領域10となる。
【0039】
上記構成に基づき、発熱体2を発熱させると、可動部材6と発熱体2との間の気泡発生領域10の液体に熱が作用し、これにより発熱体2上に膜沸騰現象に基づく気泡が発生し、成長する。この気泡の成長に伴う圧力は可動部材6に優先的に作用し、可動部材6の自由端6bは図1に破線で示されるように、支点6aを中心に吐出口5側に大きく開くように変位する。可動部材6の変位もしくは変位した状態によって、気泡の発生に基づく圧力の伝搬や気泡自身の成長が吐出口5側に導かれ、吐出口5から液体が吐出する。
【0040】
つまり、気泡発生領域10上に、液流路7内の液体の流れの上流側(共通液室8側)に支点6aを持ち下流側(吐出口5側)に自由端6bを持つ可動部材6を設けることによって、気泡の圧力伝搬方向が下流側へ導かれ、気泡の圧力が直接的に効率よく吐出に寄与することになる。そして、気泡の成長方向自体も圧力伝搬方向と同様に下流方向に導かれ、上流より下流で大きく成長する。このように、気泡の成長方向自体を可動部材6によって制御し、気泡の圧力伝搬方向を制御することで、吐出効率や吐出力または吐出速度等の根本的な吐出特性を向上させることができる。
【0041】
なお、ここで、「上流」および「下流」とは、液体の供給源から気泡発生領域10(又は可動部材6)の上方を経て、吐出口5へ向かう液体の流れ方向に関して、又はこの構成上の方向に関しての表現として表されている。
【0042】
一方、気泡が消泡工程に入ると、可動部材6の弾性力との相乗効果で気泡は急速に消泡し、可動部材6も最終的には図1に実線で示した初期位置に復帰する。このとき、気泡発生領域10での気泡の収縮体積を補うため、また、吐出された液体の体積分を補うために、上流側すなわち共通液室8側から液体が流れ込み、液流路7への液体の充填(リフィル)が行われるが、この液体のリフィルは、可動部材6の復帰作用に伴って効率よく合理的かつ安定して行われる。
【0043】
ここで、図1に示した液体吐出ヘッドの素子基板1について説明する。図3は、図1等に示した液体吐出ヘッドの素子基板のうち、発熱体の付近を示す断面図である。
【0044】
図3において、符号11はシリコン基板、符号12は蓄熱層であるところの熱酸化膜を示す。符号13は蓄熱層を兼ねる層間膜であるところのSiO2膜またはSi34膜、符号14は抵抗層、符号15はAlまたはAl−Si、Al−Cu等のAl合金配線、符号16は保護膜であるところのSiO2膜またはSi34膜を示す。符号17は抵抗層14の発熱に伴う化学的・物理的衝撃から保護膜16を守るための耐キャビテーション膜である。また、符号18は、配線15が形成されていない領域の抵抗層14の熱作用部である。
【0045】
これらの駆動素子は、半導体技術によりSi基板に形成され、熱作用部が同一基板に更に形成される。
【0046】
図4は、主要素子を縦断するように切断された素子基板を示す模式的断面図である。
【0047】
P導電体のSi基板21には、一般的なMOSプロセスであるイオンプラテーション等の不純物導入および拡散によって、N型ウェル領域22にP−MOS23が、P型ウェル領域24にN−MOS25が構成される。P−MOS23およびN−MOS25は、それぞれ厚さ数百Åのゲート絶縁膜26を介して4000Å以上5000Å以下の厚さにCVD法で堆積したpoly−Siによるゲート配線27およびN型あるいはP型の不純物導入をしたソース領域28、ドレイン領域29等で構成され、それらP−MOS23とN−MOS25とによりC−MOSロジックが構成される。
【0048】
また、素子駆動用N−MOSトランジスタは、やはり不純物導入および拡散等の工程によって、P−ウェル基板中にドレイン領域30、ソース領域31およびゲート配線32等で構成される。
【0049】
なお、本実施例では、N−MOSトランジスタを使った構成で説明しているが、複数の発熱素子を個別に駆動できる能力を持ち、かつ、上述したような微細構造を達成できる機能をもつトランジスタであれば、これに限らない。
【0050】
また、各素子間は、5000Å以上10000Å以下の厚さのフィールド酸化により、酸化膜分離領域33を形成し、素子分離されている。このフィールド酸化膜は、熱作用部18の下においては一層目の蓄熱層34として作用する。
【0051】
各素子が形成された後、層間絶縁膜35が約7000Åの厚さにCVD法によるPSG(Phospho−Silicate Glass)膜、BPSG(Boron−doped Phospho−Silicate Glass)膜等で堆積され、熱処理により平坦化処理等をされてからコンタクトホールを介し、第1の配線層となるAl電極36により配線が行われている。その後、プラズマCVD法によるSiO2膜等の層間絶縁膜27を10000Å以上15000Å以下の厚さに堆積し、更にスルーホールを介して、抵抗層14として約1000Åの厚さのTaN0.8,hex膜をDCスパッタ法により形成した。その後、各発熱体への配線となる第2の配線層Al電極を形成した。
【0052】
保護膜16は、プラズマCVDによるSi34膜が、約10000Åの厚さに成膜される。最上層には、導電性材料からなる導電体層であって、後述するように電気メッキを行う際に陰極として機能する耐キャビテーション膜17がTa等で約2800Åの厚さに堆積される。
【0053】
次に、本実施形態の液体吐出ヘッドの特徴である可動部材の製造方法について、図5を参照して詳しく説明する。図5は、図1等に示した液体吐出ヘッドにおける可動部材の製造方法を示す断面図である。
【0054】
まず、図5(a)に示すように、素子基板1の耐キャビテーション膜17上に全芳香族ポリアミド酸溶液をスピン塗布した後に熱処理を行い、ポリイミド薄膜からなるスペーサ層41を形成する。スペーサ層41には、メッキ浴にて腐蝕せず、電気絶縁性の高い材料を用いる。その材料としては、有機高分子樹脂や、SiO2,TiO2,Al23,MgO等の酸化物材料、Si34,TiN等の窒化物材料、SiC,TiC,C等の炭化物材料等が挙げられる。
【0055】
続いて、電子ビーム法により、真空中でCrを50nmの厚さに成膜し、連続して同一真空中でAuを100nmの厚さに成膜した後、フォトリソグラフィプロセス及びエッチングによってパターニングして、スペーサ層41上に導電性材料からなる潜像層42を形成する(図5(b)参照)。Auは沃素と沃化カリウムの混合水溶液により、Crは硝酸二アンモニウムセリウム(IV)と過塩素酸との混合水溶液により、それぞれエッチングを行うことにより、潜像層42は可動部材6とほぼ同じ形状にパターニングされる。
【0056】
次に、図5(c)に示すように、フォトリソグラフィプロセスと酸素による反応性イオンエッチングにより、スペーサ層41のうち可動部材6の支持固定部に対応する部分を除去し、潜像層42の近傍に開口部43を設け、スペーサ層41の下方における耐キャビテーション膜17の一部を露出させる。この開口部43は、液体吐出ヘッドにおける液流路7(図1参照)の流路方向の上流側に形成する。フォトリソグラフィプロセスにおいて、スペーサ層41の上にエッチングマスクを形成する際には、少なくともスペーサ層41のうち可動部材6の支持固定部に対応する部分である開口部43の上を残してエッチングマスクを形成する。その後、エッチングを行うことにより、スペーサ層41のうちの開口部43の部分が除去される。このとき、潜像層42はエッチングマスクの一部として機能し、開口部43を形成する際に潜像層42と開口部43との位置合わせが高精度に行われる。
【0057】
この後、耐キャビテーション膜17を陰極として、硫酸ニッケル、塩化ニッケルおよびほう酸よりなるNiメッキ浴を用いて、浴温が50℃、陰極電流密度5A/cm2でNi電気メッキを行い、金属メッキを耐キャビテーション膜17上の開口部43に析出させて成長させる。耐キャビテーション膜17上に析出された金属メッキは、さらに成長されると、やがて潜像層42に接して耐キャビテーション膜17と潜像層42とが導通され、潜像層42上にも耐キャビテーション膜17上と同様に金属メッキが析出されて、メッキ層44が形成される(図5(d)参照)。
【0058】
最後に、ECRを用いた酸素プラズマによるエッチングにてスペーサ層41を除去することにより、メッキ層44で構成される可動部材6が素子基板1上に形成される(図5(e)参照)。
【0059】
スペーサ層41を構成する材料には、メッキ層44(可動部材6)を構成する材料とのエッチング選択比が十分大きい材料を選ぶ。有機溶媒で希釈しスピンナー法、ディッピング法、スプレー法等により膜形成可能な有機高分子樹脂は、酸素プラズマによるアッシングにて容易に剥離できるため、スペーサ層41の材料として好ましい。このような樹脂材料であってナトリウムイオン等の不純物の少ないフォトレジストは、スペーサ層41の材料として特に好ましく、素子基板1上に形成した回路への影響を低減できる。
【0060】
金属メッキは、導電体層である耐キャビテーション膜17上と同様に、潜像層42上でも成長する。このため、潜像層42の表面を導電性にしておく。潜像層42は、スペーサ層41によって導電体層(耐キャビテーション膜17)と電気的に絶縁されており、スペーサ層41に設けた開口部43に析出した金属メッキが潜像層42に接触することにより導電体層と同電位となり、電気メッキによって潜像層42上にもメッキ層44が形成される。
【0061】
通常、潜像層42は、スペーサ層41上に金属を薄膜形成方法により形成し、フォトリソグラフィプロセス、及びエッチングを適用することで所望の形状(可動部材6の形状)にパターニングする。薄膜形成方法としては、従来公知の技術、例えば抵抗加熱蒸着法やスパッタ法、電子ビーム蒸着法等の薄膜作成技術を用いることができる。又、潜像層42は、スペーサ層41上に、電気的に絶縁した複数のパターンから構成されてもよい。
【0062】
本発明の可動部材6は、電気メッキ法を用いて、導電体層(耐キャビテーション膜17)およびスペーサ層41上の潜像層42にメッキ浴中の金属イオンが電気化学反応により析出することにより形成される。また、本発明の可動部材6は、メッキ浴によるものでなく、単塩、複塩、錯塩等の様々な金属塩により析出した金属からも形成することができる。主なメッキの金属としては、単金属では、Ni,Au,Pt,Cr,Cu,Ag,Zn等であり、合金では、Cu−Zn,Sn−Co,Ni−Fe,Ni−Cr,Ni−Co,Zn−Ni等であるが、他の電気メッキが可能な材料でも、本発明の可動部材6に採用することができる。また、メッキ浴にAl23,TiO2,PTFE等の分散粒子を付与することによる分散メッキも、可動部材6の製造に利用することができる。
【0063】
上記に説明したように、本発明では、導電性材料からなる潜像層42を可動部材6とほぼ同じ形状にパターニングしてスペーサ層41上に形成し、その潜像層42の上に金属メッキを行うことによって可動部材6が形成されるので、形成される可動部材6の長さや幅の寸法が潜像層42の寸法によって決定されるため、可動部材6の長さ等のばらつきに由来する可動部材6の機械的特性ばらつきを小さくすることができ、可動部材6を高い精度で、かつ高密度に形成することができる。そのため、液体を吐出する際の吐出特性が安定した、信頼性の高い液体吐出ヘッドを製造することができる。
【0064】
(液体吐出ヘッドの可動部材の製造方法に係る第2の実施形態)
図6は、図1等に示した液体吐出ヘッドにおける可動部材の製造方法に係る第2の実施形態を示す断面図である。
【0065】
まず、図6(a)に示すように、素子基板1の耐キャビテーション膜17上に全芳香族ポリアミド酸溶液をスピン塗布した後に熱処理を行い、ポリイミド薄膜からなるスペーサ層51を形成する。スペーサ層51には、メッキ浴にて腐蝕せず、電気絶緑性の高い材料を用いる。その材料としては、有機高分子樹脂や、SiO2,TiO2,Al23,MgO等の酸化物材料、Si34,TiN等の窒化物材料、SiC,TiC,C等の炭化物材料等が挙げられる。
【0066】
続いて、電子ビーム法により、真空中でCrを50nm成膜し、連続して同一真空中でAuを100nm成膜した後、フォトリソグラフィプロセス及びエッチングによりパターニングして、スペーサ層51上に導電性材料からなる第1の潜像層52aおよび第2の潜像層53bを形成する(図6(b)参照)。Auは沃素と沃化カリウムの混合水溶液により、Crは硝酸二アンモニウムセリウム(IV)と過塩素酸との混合水溶液により、それぞれエッチングを行うことにより、潜像層52a,52bは可動部材6とほぼ同じ形状にパターニングされる。
【0067】
次に、図6(c)に示すように、フォトリソグラフィプロセスと酸素による反応性イオンエッチングにより、スペーサ層51のうち可動部材55の支持固定部に対応する部分を除去し、第1の潜像層52aの近傍に開口部53を設け、スペーサ層51の下方における耐キャビテーション膜17の一部を露出させる。この開口部53は、液体吐出ヘッドにおける液流路7(図1参照)の流路方向の上流側に形成する。
【0068】
この後、耐キャビテーション膜17を陰極として、硫酸ニッケル、塩化ニッケルおよびほう酸よりなるNiメッキ浴を用いて、浴温が50℃、陰極電流密度5A/cm2でNi電気メッキを行う。このとき、Niメッキは、まず開口部53に析出され、開口部53がメッキされた後、スペーサ層51の上部に等方的に広がりつつ成長する。Niメッキが第1の潜像層52aに到達すると、第1の潜像層52a上にメッキ層54が形成され、さらに、メッキ工程を続けるとスペーサ層51の表面上にもメッキが広がり、Niメッキが第2の潜像層52bに到達すると、第2の潜像層52b上にもメッキ層54が形成される(図6(d)参照)。上記のようにして形成されたメッキ層54では、第1の潜像層52a上の層厚と第2の潜像層53b上の層厚とが異なる。
【0069】
最後に、ECRを用いた酸素プラズマによるエッチングにてスペーサ層51を除去することにより、メッキ層54で構成される可動部材55が素子基板1上に形成される(図6(e)参照)。
【0070】
このように、本実施形態の製造方法によれば、液体流路の流路方向に沿って2段階の厚さを有し、流路方向に沿ってヤング率が段階的に異なる可動部材55が形成される。この可動部材55は、支点部から自由端に向けて段階的に薄くなるように形成されており、支点側の可動部よりも自由端側の可動部の方がより大きく屈曲するように構成されている。その結果、図7に示すように、発熱体2の上方における気泡成長領域に気泡56が発生すると、その気泡56の成長に伴って、可動部材55は自由端側の可動部が大きく変位するようになるため、液体の吐出効率が向上する。
【0071】
また、液体の吐出効率をより向上させるために、可動部材の厚みを3段階以上に変化させる構成としてもよい。可動部材の段差部数を増やすには、スペーサ層の上に形成する潜像層の数を増やすだけでよいので、可動部材の厚みを3段階以上に変化させる構成としても、液体吐出ヘッドにおける可動部材の製造工程数が増えることはない。
【0072】
(液体吐出ヘッドの可動部材の製造方法に係る第3の実施形態)
図8は、図1等に示した液体吐出ヘッドにおける可動部材の製造方法に係る第3の実施形態を示す断面図である。
【0073】
まず、図8(a)に示すように、素子基板1の耐キャビテーション膜17上に全芳香族ポリアミド酸溶液をスピン塗布した後に熱処理を行い、ポリイミド薄膜からなるスペーサ層61を形成する。なお、スペーサ層61の材料としては、第1および第2の実施形態にて説明した材料を用いる。
【0074】
次に、図8(b)に示すように、フォトリソグラフィプロセスと酸素による反応性イオンエッチングにより、スペーサ層61のうち可動部材65の支持固定部に対応する部分を除去して開口部63を設け、スペーサ層61の下方における耐キャビテーション膜17の一部を露出させる。この開口部63は、液体吐出ヘッドにおける波流路7(図1参照)の流路方向の上流側に形成する。
【0075】
続いて、電子ビーム法により、真空中でCrを50nm成膜し、連続して同一真空中でAuを100nm成膜した後、フォトリソグラフィプロセス及びエッチングによりパターニングして、耐キャビテーション膜17およびスペーサ層61の上に導電性材料からなる潜像層62を形成する(図8(c)参照)。なお、潜像層62は可動部材6とほぼ同じ形状にパターニングされる。
【0076】
この後、耐キャビテーション膜17を陰極として、硫酸ニッケル、塩化ニッケルおよびほう酸よりなるNiメッキ浴を用いて、浴温が50℃、陰極電流密度5A/cm2でNi電気メッキを行い、金属メッキを潜像層62上に析出させる。これにより、潜像層62上にメッキ層64が形成される(図8(d)参照)。
【0077】
最後に、ECRを用いた酸素プラズマによるエッチングにてスペーサ層61を除去することにより、メッキ層64で構成される可動部材65が素子基板1上に形成される(図8(e)参照)。
【0078】
次に、上記説明した液体吐出ヘッドが搭載された液体吐出ヘッドカートリッジを、図9を参照して概略説明する。図9は、前述した液体吐出ヘッドが搭載された液体吐出ヘッドカートリッジを示す斜視図である。
【0079】
本実施形態の液体吐出ヘッドカートリッジ71は、前述した液体吐出ヘッド72と、液体吐出ヘッド72に供給されるインク等の液体を収容する液体容器73とを有している。液体容器73に収容された液体は、不図示の液体供給路を通って液体吐出ヘッド72の共通液室8(図1参照)に供給される。
【0080】
なお、この液体容器73は、液体の消費後に液体を再充填して使用してもよい。このためには、液体容器73に液体注入口を設けておくことが望ましい。また、液体吐出ヘッド72と液体容器73とは一体であってもよく、あるいは分離可能としてもよい。
【0081】
次に、上記説明した液体吐出ヘッドが搭載された液体吐出装置を、図10を参照して説明する。図10は、前述の液体吐出ヘッドが搭載された液体吐出装置の概略構成を示す斜視図である。
【0082】
本実施形態の液体吐出装置81は、図9を参照して説明した液体吐出ヘッドカートリッジ71が、駆動モータ82の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア83,84を介して回転するリードスクリュー85の螺旋溝86に対して係合されたキャリッジ87上に搭載されている。液体吐出ヘッドカートリッジ71は、駆動モータ82の動力によってキャリッジ87とともにガイド88に沿って矢印aおよびb方向に往復移動される。図示しない記録媒体供給装置によってプラテン89上を搬送される被記録媒体Pを押さえる紙押さえ板90は、キャリッジ87の全移動領域に渡って被記録媒体Pをプラテン89に対して押圧する。
【0083】
リードスクリュー85の一端の近傍には、フォトカプラ91,92が配設されている。これらはキャリッジ87のレバー87aのこの域での存在を確認して駆動モータ82の回転方向切り換え等を行うためのホームポジション検知手段である。図10において、符号93は、液体吐出ヘッドカートリッジ71の液体吐出ヘッドのうち、吐出口が設けられている前面を覆うキャップ部材94を支持する支持部材である。また、符号95は、液体吐出ヘッドから空吐出等されてキャップ部材94の内部に溜まったインクを吸引するインク吸引手段である。このインク吸引手段95により、キャップ内の開口部(不図示)を介して液体吐出ヘッドの吸引回復が行われる。
【0084】
符号96はクリーニングブレードであり、符号97はクリーニングブレード96を前後方向(上記キャリッジ87の移動方向に直交する方向)に移動可能にする移動部材であり、クリーニングブレード96および移動部材97は本体支持体98に支持されている。上記のクリーニングブレード96はこの形態に限らず、他の周知のクリーニングブレードであってもよい。符号99は吸引回復操作にあたって吸引を開始するためのレバーであり、キャリッジ87と係合するカム100の移動に伴って移動し、駆動モータ82からの駆動力がクラッチ切り換え等の公知の伝達手段で移動制御される。液体吐出装置81には、液体吐出ヘッドに設けられた発熱体2(図1参照)に液体を吐出させるための駆動信号を付与したり、前述した各機構の駆動制御を司ったりする記録信号供給手段としての記録制御部(不図示)が、装置本体内に設けられている。
【0085】
液体吐出装置81では、図示しない被記録媒体搬送装置によりプラテン89上を搬送される被記録媒体Pに対し、液体吐出ヘッドは被記録媒体Pの全幅にわたって往復移動しながら液体を吐出し、被記録媒体Pにその吐出された液体を付着させることで被記録媒体Pに記録を行う。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、スペーサ層の上に導電性材料からなる潜像層が可動部材の形状に形成され、その潜像層の上に、可動部材となるメッキ層が電気メッキによって析出されて形成されるので、可動部材を高い精度でかつ高密度に形成することができ、液体を吐出する際の吐出特性が安定した、信頼性の高い液体吐出ヘッド等を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体吐出ヘッドの一実施形態の基本的な構造を説明するための、液流路方向に沿った断面図である。
【図2】図1に示した液体吐出ヘッドの一部を破断して示す斜視図である。
【図3】図1等に示した液体吐出ヘッドの素子基板のうち、発熱体の付近を示す断面図である。
【図4】主要素子を縦断するように切断された素子基板を示す模式的断面図である。
【図5】図1等に示した液体吐出ヘッドにおける可動部材の製造方法を示す断面図である。
【図6】図1等に示した液体吐出ヘッドにおける可動部材の製造方法に係る第2の実施形態を示す断面図である。
【図7】図6を参照して説明した可動部材の製造方法に係る第2の実施形態によって形成された可動部材の動作を示す模式的断面図である。
【図8】図1等に示した液体吐出ヘッドにおける可動部材の製造方法に係る第3の実施形態を示す断面図である。
【図9】本発明の液体吐出ヘッドが搭載された液体吐出ヘッドカートリッジを示す斜視図である。
【図10】本発明の液体吐出ヘッドが搭載された液体吐出装置の概略構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 素子基板
2 発熱体
3 天板
4 オリフィスプレート
5 吐出口
6,55,65 可動部材
6a 支点
6b 自由端
7 液流路
7a 第1の液流路
7b 第2の液流路
8 共通液室
9 流路側壁
10 気泡発生領域
11 シリコン基板
12 熱酸化膜
13 層間膜
14 抵抗層
15 配線
16 保護膜
17 耐キャビテーション膜
18 熱作用部
21 Si基板
22 N型ウェル領域
23 P−MOS
24 P型ウェル領域
25 N−MOS
26 ゲート絶縁膜
27,32 ゲート配線
28,31 ソース領域
29,30 ドレイン領域
33 酸化膜分離領域
34 蓄熱層
35,37 層間絶縁膜
36 Al電極
41,51,61 スペーサ層
42,62 潜像層
43,53,63 開口部
44,54,64 メッキ層
52a 第1の潜像層
52b 第2の潜像層
56 気泡
71 液体吐出ヘッドカートリッジ
72 液体吐出ヘッド
73 液体容器
81 液体吐出装置
82 駆動モータ
83,84 駆動伝達ギア
85 リードスクリュー
86 螺旋溝
87 キャリッジ
87a,99 レバー
88 ガイド
89 プラテン
90 紙押さえ板
91,92 フォトカプラ
93 支持部材
94 キャップ部材
95 インク吸引手段
96 クリーニングブレード
97 移動部材
98 本体支持体
100 カム

Claims (9)

  1. 液体を吐出するための吐出口と、前記吐出口に連通された液流路と、該液流路に充填された液体に気泡を発生させるための発熱体が備えられた基板と、前記基板の前記発熱体に対面する位置に前記基板との間に間隙をおいて前記吐出口側を自由端として前記基板に支持固定された可動部材と、を少なくとも有し、前記気泡が発生されることにより生じる圧力によって、前記可動部材の自由端が前記可動部材の前記基板との支持固定部付近に構成された支点部を中心として変位され、液体を前記吐出口から吐出させる液体吐出ヘッドの製造方法であって、
    導電性材料からなる導電体層が最上層に形成された前記基板上に前記間隙を形成するためのスペーサ層を形成する工程と、
    前記スペーサ層の上に、導電性材料からなる潜像層を前記可動部材と略同じ形状に形成する工程と、
    前記スペーサ層のうち前記可動部材の支持固定部に対応する部分を除去し、前記導電体層が露出された開口部を前記潜像層よりも前記液流路における流路方向の上流側に形成する工程と、
    前記導電体層を陰極として電気メッキを行うことによりメッキが前記潜像層に達するまで前記開口部内の前記導電体層上にメッキを析出させて前記導電体層と前記潜像層とを導通させ、さらに電気メッキを行うことにより前記導電体層および前記潜像層の上にメッキを析出させて前記可動部材となるメッキ層を形成する工程と、
    前記スペーサ層を除去することにより前記可動部材を形成する工程とを有することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  2. 前記スペーサ層の上に、導電性材料からなる潜像層を前記可動部材と略同じ形状に形成する工程は、前記潜像層を前記液流路の流路方向に沿ってある一定の間隔を隔てて形成する工程からなる請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  3. 前記スペーサ層のうち前記可動部材の支持固定部に対応する部分を除去し、前記導電体層が露出された開口部を前記潜像層よりも前記液流路における流路方向の上流側に形成する工程は、少なくとも前記スペーサ層のうち前記可動部材の支持固定部に対応する部分を残して前記スペーサ層の上にエッチングマスクを形成する工程と、
    エッチングにより前記スペーサ層のうち前記可動部材の支持固定部に対応する部分を除去する工程とを有し、前記潜像層を前記エッチングマスクの一部として用いる請求項1または2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  4. 前記導電体層および前記潜像層の上に、前記可動部材となるメッキ層を前記導電体層を陰極として電気メッキにより析出して形成する工程は、前記開口部に前記メッキ層を成長させることにより、前記可動部材の支持固定部を形成する工程と、
    前記メッキ層をさらに成長させることにより前記導電体層と前記潜像層とを導通させ、前記導電体層および前記潜像層の上に前記可動部材となるメッキ層を形成する工程とを有する請求項1から3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  5. 前記スペーサ層の材料として高分子樹脂を用いる請求項1から4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  6. 前記スペーサ層を除去する工程は、酸素プラズマにより前記スペーサ層を除去する工程からなる請求項1から5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  7. 液体を吐出するための吐出口と、前記吐出口に連通された液流路と、該液流路に充填された液体に気泡を発生させるための発熱体が備えられた基板と、前記基板の前記発熱体に対面する位置に、前記基板との間に間隙をおいて、前記吐出口側を自由端として前記基板に支持固定された可動部材と、を少なくとも有し、前記気泡が発生されることにより生じる圧力によって、前記可動部材の自由端が前記可動部材の前記基板との支持固定部付近に構成された支点部を中心として変位され、液体を前記吐出口から吐出させる液体吐出ヘッドであって、
    前記可動部材が請求項1から6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法により製造されることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  8. 請求項7記載の液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッドに供給される液体を保持する液体容器とを有するヘッドカートリッジ。
  9. 請求項7記載の液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッドから液体を吐出させるための駆動信号を供給する駆動信号供給手段とを有する液体吐出装置。
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