JP3710213B2 - ポリカーボネートシート及びその製法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光学的な歪度が小さく外観良好なポリカーボネートシート及びその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネートは、広い温度範囲において優れた機械的および電気的性質を有し、しかも優れた透明性を有する熱可塑性樹脂であり、シート状に成形され様々な分野で用いられている。
通常、ポリカーボネートをシート状に成形する場合、粉末状またはペレット状の原料を押出成形法により押出機内で加熱、溶融、混練し、Tダイ等を通してシート状に押し出し、次いでポリッシングロールを用いて冷却固化してシートとする方法が一般に採用されている。通常のシート押出成形においては2〜4本のポリッシングロールが使用され、それらポリッシングロールの温度は100〜140℃に保たれている。
【0003】
しかしながら従来のシート押出成形においては、ダイスで発生するダイラインや、ポリッシングロールで発生するギアマークや転写マーク、ポリッシングロールからシートが剥がれるときに発生する剥離マークや粘着マーク等がシート表面に発生し、あたかも水面にさざ波が立ったような表面状態を呈すためシートを通して見える像が歪んだり、前述のマークがキズに間違えられたりして商品価値が低下する欠点があった。
【0004】
これらの問題を解決する方法として、例えば特公昭51−25450号公報には、押出機から押し出されたポリカーボネートシートを155〜190℃の表面温度を有する一対のロールで挟持、加圧して冷却する方法が提案されている。また特公平2−61899号公報には、第一ロールの表面温度を30〜80℃に維持し、第二ロール表面温度を100〜140℃、特開平6−87151号公報では、第一ロールの表面温度を80〜120℃、第二ロールの表面温度を100〜140℃にする方法が提案されている。また特開平6−344417号公報では、260〜280℃で押し出し、第一ロールの表面温度を130〜140℃、第二・第三ロールを180〜190℃、かつ第三ロール導入時のシート表面温度が190〜200℃になるように第二ロール部に設置したヒーターで加熱する方法が提案されている。また特開平6−23827号公報では、ポリッシングロール等の温度で解決するのではなくポリッシングロール表面に20〜80μmのハードクロムメッキを施すことによって、剥離しやすくする提案がなされている。
【0005】
これらの方法によって表面の光学的歪みは確かに少なくなるがまだ不十分で、更なる改良が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は光学的歪みが小さく、外観良好なポリカーボネートシート及びその製法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため本発明者らはポリカーボネート樹脂の検討を鋭意行った結果、エステル交換法で得られるポリカーボネート中には、数種の異種結合が存在することを見いだすと共に、該異種結合の量を特定の範囲にすることで、流動挙動の非ニュートン性を保持できることを見い出した。このポリカーボネートを用いてシート成形を行ったところ、驚くべきことに表面の光学的歪みが非常に小さくなることを見い出し本発明に到達したものである。
【0008】
即ち本発明は、下記(1)から(4)の発明である。
(1)少量の異種結合を有するポリカーボネートが芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとからエステル交換法にて製造されるポリカーボネートであり、かつ該ポリカーボネートが、完全加水分解したのち逆相液体クロマトグラフィーを用いて、メタノールと0.1%リン酸水溶液からなる混合溶離液で、メタノール/0.1%リン酸水溶液比率を20/80からスタートし100/0までグラジエントする条件下で測定したときに、リテンションタイムが該芳香族ジヒドロキシ化合物より長い化合物の総量(波長300nmのUV検出器で検出し、サリチル酸の吸光係数を用いて、ピーク面積から計算した量、但し該炭酸ジエステルは除く)が、該ポリカーボネートに対して0.01〜0.10重量%の範囲にあることを特徴とするポリカーボネートからなる光学歪度δが0.1以下のポリカーボネートシート。
(2)芳香族ジヒドロキシ化合物が、85モル%以上がビスフェノールAであることを特徴とする前記(1)記載のポリカーボネートシート。
(3)ポリカーボネートが、リテンションタイムがビスフェノールAとジフェニルカーボネートの間にある化合物の総量A(但し、用いた他の芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジフェニルは除く)とジフェニルカーボネートより後にある化合物の総量B(但し、用いた他の芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジフェニルは除く)との比B/Aが、0.8以下にあることを特徴とする前記(1)〜(2)のいずれかに記載のポリカーボネートシート。
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載のポリカーボネートシートの成形において、少量の異種結合を有するポリカーボネートからなるポリカーボネートシート原料をシート押出機によって押し出し、次いでポリッシングロールによって冷却固化してシート状に成形するポリカーボネートシートの製法。
【0009】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いられるポリカーボネートは、エステル交換法にて製造されたものであり、且つ該ポリカーボネートを完全加水分解して、逆相液体クロマトグラフィーを用いて、メタノールと0.1%リン酸水溶液からなる混合溶離液で、メタノール/0.1%リン酸水溶液比率を20/80からスタートし100/0までグラジエントする条件下で測定したときに、リテンションタイムが該芳香族ジヒドロキシ化合物より長い化合物の総量(波長300nmのUV検出器で検出し、サリチル酸の吸光係数を用いて、ピーク面積から計算した量、但し該炭酸ジエステルは除く)が、該ポリカーボネートに対して0.01〜0.10重量%の範囲にあることが必要である。該化合物は、エステル交換法によるポリカーボネートの製造過程で副生する異種結合によるものであると推定され、該化合物の総量が上記範囲より少ないと、流動挙動の非ニュートン性が減少するために、高シェア下での流動性即ち成形流動性が低下し好ましくなく、上記範囲より多い場合には、引張伸度やIZOD衝撃強度等の機械的物性が低下し好ましくない。好ましくは、0.015〜0.09重量%の範囲にあり、より好ましくは0.02〜0.08重量%の範囲にある。
【0010】
ポリカーボネートの加水分解は容易に行え、完全加水分解の方法は特に限定されないが、Polymer Degradation and Stability 45(1994)、127〜137に記載されているような常温での加水分解法が、分解過程での副反応もなく、完全にポリカーボネートを加水分解できるので好ましい。本発明では、ポリカーボネート55mgをテトラヒドロフラン2mlに溶解した後、5規定の水酸化カリウムメタノール溶液を0.5ml添加し、室温で2時間攪拌して完全に加水分解した。その後、濃塩酸0.3mlを加え、逆相液体クロマトグラフィーで測定した。
【0011】
逆相液体クロマトグラフィーは、溶離液としてメタノールと0.1%リン酸水溶液からなる混合溶離液を用い、メタノール/0.1%リン酸水溶液比率を20/80からスタートし100/0までグラジエントする条件下で測定し、検出は波長300nmのUV検出器、定量はサリチル酸の吸光係数を用いて、ピーク面積から計算したした。本発明において、他の条件は特に限定されないが、下記の条件で分析した。
【0012】
カラム : GLサイエンス社 Inertsil ODS−3(登録商標)
流速 : 1ml/min
注入量 : 20μl
該方法で分析した分析チャートの一例を図1及び図2に示す。図1は、純粋の化合物の液体クロマトグラフィーチャートであり、ピーク3が代表的な芳香族ジヒドロキシ化合物であるビスフェノールA、ピーク4が代表的な炭酸ジエステルであるジフェニルカーボネートである。図2は、芳香族ジヒドロキシ化合物としてビスフェノールAを炭酸ジエステルとしてジフェニルカーボネートを用いてエステル交換法で重合されたポリカーボネートを完全加水分解したものの逆相液体クロマトグラフィーチャートである。図2において、ピーク番号8がビスフェノールAであり、それ以降のピーク9〜17が異種結合に基づくと考えられる化合物である。
【0013】
また、本発明では、芳香族ジヒドロキシ化合物としてその85モル%以上にビスフェノールAを用いたポリカーボネートにおいては、該ポリカーボネートを完全加水分解して、逆相液体クロマトグラフィーで測定したときに、リテンションタイムがビスフェノールAとジフェニルカーボネートの間に化合物の総量A(但し、用いた他の芳香族ジヒドロキシ化合物や炭酸ジフェニルは除く)とジフェニルカーボネートより後にある化合物の総量B(但し、用いた他の芳香族ジヒドロキシ化合物や炭酸ジフェニルは除く)との比(B/A)が、0.8以下にあることが好ましい。B/Aが0.8を越えると、機械的物性が低下する傾向にあり好ましくない。
【0014】
本発明で用いられるポリカーボネートは、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとからエステル交換法にて製造される。
本発明において、芳香族ジヒドロキシ化合物とは、HO−Ar−OHで示される化合物である(式中、Arは二価の芳香族残基であり、例えば、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ピリジレンや、−Ar1−Y−Ar2−で表される2価の芳香族基である。Ar1及びAr2は、各々独立にそれぞれ炭素数5〜70を有する2価の炭素環式又は複素環式芳香族基を表し、Yは炭素数1〜30を有する2価のアルカン基を表す。)。
【0015】
2価の芳香族基Ar1、Ar2において、1つ以上の水素原子が、反応に悪影響を及ぼさない他の置換基、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基などによって置換されたものであっても良い。
【0016】
複素環式芳香族基の好ましい具体例としては、1ないし複数の環形成窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を有する芳香族基を挙げる事ができる。
2価の芳香族基Ar1、Ar2は、例えば、置換又は非置換のフェニレン、置換又は非置換のビフェニレン、置換または非置換のピリジレンなどの基を表す。ここでの置換基は前述のとおりである。
【0017】
2価のアルカン基Yは、例えば、下記化1で示される有機基である。
【0018】
【化1】
【0019】
(式中、R1、R2、R3、R4は、各々独立に水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、環構成炭素数5〜10のシクロアルキル基、環構成炭素数5〜10の炭素環式芳香族基、炭素数6〜10の炭素環式アラルキル基を表す。kは3〜11の整数を表し、R5およびR6は、各Xについて個々に選択され、お互いに独立に、水素または炭素数1〜6のアルキル基を表し、Xは炭素を表す。また、R1、R2、R3、R4、R5、R6において、一つ以上の水素原子が反応に悪影響を及ぼさない範囲で他の置換基、例えばハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基等によって置換されたものであっても良い。)
このような2価の芳香族基Arとしては、例えば、下記化2で示されるものが挙げられる。
【0020】
【化2】
【0021】
(式中、R7、R8は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、環構成炭素数5〜10のシクロアルキル基またはフェニル基であって、mおよびnは1〜4の整数で、mが2〜4の場合には各R7はそれぞれ同一でも異なるものであってもよいし、nが2〜4の場合には各R8はそれぞれ同一でも異なるものであってもよい。)
さらに、2価の芳香族基Arは、−Ar1−Z−Ar2−で示されるものであっても良い。
【0022】
(式中、Ar1、Ar2は前述の通りで、Zは単結合又は−O−、−CO−、−S−、−SO2 −、−SO−、−COO−、−CON(R1)−などの2価の基を表す。ただし、R1は前述のとおりである。)
このような2価の芳香族基Arとしては、例えば、下記化3で示されるものが挙げられる。
【0023】
【化3】
【0024】
(式中、R7、R8、mおよびnは、前述のとおりである。)
本発明で用いられる芳香族ジヒドロキシ化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いても良い。芳香族ジヒドロキシ化合物の代表的な例としてはビスフェノールAが挙げられ、特にビスフェノールAを85%以上用いることが好ましい。また、これら芳香族ジヒドロキシ化合物は、塩素原子とアルカリまたはアルカリ土類金属の含有量が少ない方が好ましく、出来れば実質的に含有していないことが好ましい。
【0025】
本発明で用いられる炭酸ジエステルは、下記化4で表される。
【0026】
【化4】
【0027】
(式中、Ar3、Ar4はそれぞれ1価の芳香族基を表す。)
Ar3及びAr4は、1価の炭素環式又は複素環式芳香族基を表すが、このAr3、Ar4において、1つ以上の水素原子が、反応に悪影響を及ぼさない他の置換基、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基などによって置換されたものであっても良い。Ar3、Ar4は同じものであっても良いし、異なるものであっても良い。
【0028】
1価の芳香族基Ar3及びAr4の代表例としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ピリジル基を挙げる事ができる。これらは、上述の1種以上の置換基で置換されたものでも良い。
好ましいAr3及びAr4としては、それぞれ例えば、下記化5などが挙げられる。
【0029】
【化5】
【0030】
炭酸ジエステルの代表的な例としては、下記化6で示される置換または非置換のジフェニルカーボネート類を挙げる事ができる。
【0031】
【化6】
【0032】
(式中、R9及びR10は、各々独立に水素原子、炭素数1〜10を有するアルキル基、炭素数1〜10を有するアルコキシ基、環構成炭素数5〜10のシクロアルキル基又はフェニル基を示し、p及びqは1〜5の整数で、pが2以上の場合には、各R9 はそれぞれ異なるものであっても良いし、qが2以上の場合には、各R10は、それぞれ異なるものであっても良い。)
このジフェニルカーボネート類の中でも、非置換のジフェニルカーボネートや、ジトリルカーボネート、ジ−t−ブチルフェニルカーボネートのような低級アルキル置換ジフェニルカーボネートなどの対称型ジアリールカーボネートが好ましいが、特にもっとも簡単な構造のジアリールカーボネートであるジフェニルカーボネートが好適である。
【0033】
これらの炭酸ジエステル類は単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。また、これらジアリールカーボネートは、塩素原子とアルカリまたはアルカリ土類金属の含有量が少ない方が好ましく、出来れば実質的に含有していないことが好ましい。
芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの使用割合(仕込比率)は、用いられる芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートの種類や、重合温度その他の重合条件及び得ようとするポリカーボネートの分子量や末端比率によって異なり、特に限定されない。ジアリールカーボネートは芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、通常0.9〜2.5モル、好ましくは0.95〜2.0モル、より好ましくは0.98〜1.5モルの割合で用いらる。ヒドロキシ末端と非ヒドロキシ末端の比率は、0/100〜100/0の範囲でコントロールされる。
【0034】
また、本発明においては、本発明の目的を損なわない範囲で、分岐構造を導入するための芳香族多価ヒドロキシ化合物を少量併用してもよいし、末端変換や分子量調節のために芳香族モノヒドロキシ化合物を併用してもよい。
本発明において、エステル交換法とは、上記化合物を触媒の存在もしくは非存在下で、減圧下もしくは/及び不活性ガスフロー下で加熱しながら溶融状態でエステル交換反応にて重縮合する方法をいい、その重合方法、装置等には制限はない。例えば、攪拌槽型反応器、薄膜反応器、遠心式薄膜蒸発反応器、表面更新型二軸混練反応器、二軸横型攪拌反応器、濡れ壁式反応器、自由落下させながら重合する多孔板型反応器、ワイヤーに沿わせて落下させながら重合するワイヤー付き多孔板型反応器等を用い、これらを単独もしくは組み合わせることで容易に製造できる。また、溶融状態でエステル交換反応を行いプレポリマーを製造した後、固相状態で減圧下もしくは/及び不活性ガスフロー下で重合度を高める固相重合法でも製造できる。また、これら反応器の材質に特に制限はなく、通常ステンレススチールやニッケル、グラスライニング等から選ばれる。
【0035】
本発明で用いられるポリカーボネートは、上記のようなエステル交換法で製造されればよく、その製造法は特に限定されない。 通常、ポリカーボネートを製造するためのエステル交換の反応温度は、通常50〜350℃、好ましくは100〜300℃の温度の範囲で選ばれいる。一般に、上記範囲より高い温度では、得られるポリカーボネートの着色が大きく且つ熱安定性にも劣る傾向にあり、上記範囲より低い温度では、重合反応が遅く実用的でないことが知られている。本発明においては、上記エステル交換法において、製造中のポリカーボネートの温度と滞留時間とを(1)式を満足する特定の範囲で制御することにより、ポリカーボネートを製造することが好ましい。温度と滞留時間との関係が上記範囲より大きいと、引張伸度やIZOD衝撃強度等の機械的物性が低下し好ましくなく、上記範囲より小さいと、成形流動性が低下し好ましくない。
【0036】
エステル交換法によるポリカーボネートの製造においては、温度や滞留時間及び反応圧力を段階的に変えるのが一般的であり、(1)式は、各段階でのk×T×Hの総和を示している。例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルの溶解混合槽、攪拌槽型反応器、遠心式薄膜蒸発反応器及び表面更新型二軸混練反応器を連結して連続重合した場合のΣ(ki×Ti×Hi)は、(溶解混合槽でのk×T×H)+(溶解混合槽から攪拌槽型反応器までの配管でのk×T×H)+(攪拌槽型反応器でのk×T×H)+(攪拌槽型反応器から遠心式薄膜蒸発反応器までの配管のk×T×H)+(遠心式薄膜蒸発反応器でのk×T×H)+(遠心式薄膜蒸発反応器から表面更新型二軸混練反応器までの配管のk×T×H)+(表面更新型二軸混練反応器でのk×T×H)+(表面更新型二軸混練反応器から抜き出しノズルまでの配管のk×T×H)となり、配管までを含めた全ての段階での総和を示している。この場合、i工程とは、各混合槽や反応器及びそれを連結する配管の各段階や工程をいう。反応器と反応器を結ぶ配管の途中に加熱器がある場合は、反応器と加熱器までの配管、加熱器、加熱器と反応器までの配管をそれぞれi工程とする。ポリカーボネートの平均温度は、i工程内での温度の平均値をいい、温度が明らかに数段階に分かれていれば、その各段階を分割して、各i工程として、該段階での平均温度を用いてもよい。平均滞留時間は各i工程でのポリカーボネートの保有量/1時間当たりの通過量もしくは抜き出し量で計算される。
【0037】
また、反応圧力は、溶融重合中のポリカーボネートのの分子量によっても異なり、数平均分子量が1000以下の範囲では、50mmHg〜常圧の範囲が一般に用いられ、数平均分子量が1000〜2000の範囲では、3mmHg〜80mmHgの範囲が、数平均分子量が2000以上の範囲では、10mmHg以下、特に5mmHg以下が用いられる。
【0038】
また、エステル交換法による重合は、触媒を加えずに実施する事ができるが、重合速度を高めるため、必要に応じて触媒の存在下で行われる。重合触媒としては、この分野で用いられているものであれば特に制限はないが、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物類;水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素テトラメチルアンモニウムなどのホウ素やアルミニウムの水素化物のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、第四級アンモニウム塩類;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カルシウムなどのアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水素化合物類;リチウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カルシウムメトキシドなどのアルカリ金属及びアルカリ土類金属のアルコキシド類;リチウムフェノキシド、ナトリウムフェノキシド、マグネシウムフェノキシド、LiO−Ar−OLi、NaO−Ar−ONa(Arはアリール基)などのアルカリ金属及びアルカリ土類金属のアリーロキシド類;酢酸リチウム、酢酸カルシウム、安息香酸ナトリウムなどのアルカリ金属及びアルカリ土類金属の有機酸塩類;酸化亜鉛、酢酸亜鉛、亜鉛フェノキシドなどの亜鉛化合物類;酸化ホウ素、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリフェニル、(R1R2R3R4)NB(R1R2R3R4)または(R1R2R3R4)PB(R1R2R3R4)で表されるアンモニウムボレート類またははホスホニウムボレート類(R1、R2、R3、R4は前記化3の説明通り)などのホウ素の化合物類;酸化ケイ素、ケイ酸ナトリウム、テトラアルキルケイ素、テトラアリールケイ素、ジフェニル−エチル−エトキシケイ素などのケイ素の化合物類;酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウム、ゲルマニウムエトキシド、ゲルマニウムフェノキシドなどのゲルマニウムの化合物類;酸化スズ、ジアルキルスズオキシド、ジアルキルスズカルボキシレート、酢酸スズ、エチルスズトリブトキシドなどのアルコキシ基またはアリーロキシ基と結合したスズ化合物、有機スズ化合物などのスズの化合物類;酸化鉛、酢酸鉛、炭酸鉛、塩基性炭酸塩、鉛及び有機鉛のアルコキシドまたはアリーロキシドなどの鉛の化合物;第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩、第四級アルソニウム塩などのオニウム化合物類;酸化アンチモン、酢酸アンチモンなどのアンチモンの化合物類;酢酸マンガン、炭酸マンガン、ホウ酸マンガンなどのマンガンの化合物類;酸化チタン、チタンのアルコキシドまたはアリーロキシドなどのチタンの化合物類;酢酸ジルコニウム、酸化ジルコニウム、ジルコニウムのアルコキシド又はアリーロキシド、ジルコニウムアセチルアセトンなどのジルコニウムの化合物類などの触媒を挙げる事ができる。
【0039】
触媒を用いる場合、これらの触媒は1種だけで用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。また、これらの触媒の使用量は、原料の芳香族ジヒドロキシ化合物に対して、通常10-8〜1重量%、好ましくは10-7〜10-1重量%の範囲で選ばれる。
本発明で用いられるポリカーボネートの分子量は特に限定されないが、一般に重量平均分子量で通常1000〜300000の範囲であり、好ましくは5000〜100000の範囲であり、特に好ましくは12000〜80000の範囲にある。また、末端構造も特に限定されない。
【0040】
本発明で用いられるポリカーボネートは、完全加水分解して、逆相液体クロマトグラフィーで測定したときに、リテンションタイムが用いた芳香族ジヒドロキシ化合物より後にある化合物、即ち少量の適度な異種結合と推定される結合を有しているために、色調や機械的物性に優れ、かつホスゲン法ポリカーボネートより流動挙動の非ニュートン性が大きく、成形流動性に優れており、広範な用途に使用することができる。また、その際には必要に応じ、耐熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、紫外線吸収剤、離型剤、滑剤、帯電防止剤、可塑剤、他樹脂やゴム等の重合体、顔料、染料、充填剤、強化剤、難燃剤等を添加して用いても良い。更に、これら添加剤等は、重合終了後のポリカーボネート系樹脂が溶融状態の間に添加してもよいし、ポリカーボネートを一旦ペレタイズした後、添加剤を添加再溶融混練ししてもよい。
【0041】
上記ポリカーボネートをシート状に成形する方法は、粉末状またはペレット状のポリカーボネート原料を押出成形法により押出機内で加熱、溶融、混練し、Tダイ等を通してシート状に押し出し、次いで2〜4本のポリッシングロールを用いて冷却固化してシートとする方法が用いられる。
透明なシートを成形するためには、押出機のシリンダー及びスクリュー、ポリッシングロール、ガイドロール等ポリカーボネートと直接接触する部分にはハードクロムメッキ等が施されていることが好ましい。
【0042】
押出温度には特に制限はなく、通常ポリカーボネートが成形される温度、例えば200〜320℃程度の温度範囲で押出成形される。
従来の技術の多くはポリッシングロールの温度を特殊な条件に設定して改良しようと試みているが、本発明においては特に制限はなく通常ポリカーボネートシートが成形されるロール温度、例えば100〜140℃で成形できる。
【0043】
本発明におけるポリカーボネートシートは、前述のポリカーボネートを単独で押し出した単層シートでも、前述のポリカーボネートを含む複数の樹脂を積み重ねた積層シートであってもよい。
本発明におけるポリカーボネートシートの厚みは1〜20mmの範囲で自由に設計できる。
【0044】
本発明における光学歪度δとは、ギアマーク、転写マーク、剥離マーク、粘着マーク等シート表面において押出方向と直角の方向に周期的に現れる直線性筋模様を物理的量として評価するための因子であって、以下に示す方法によって求められたものである。
すなわち、暗室内において光源としてプロジェクターランプを備えたスライドプロジェクターを用い、この光源から33cmの位置にスリット幅1.5mmのスリットを置き、さらにスリットから200cmの位置に測定すべきシートサンプルを光軸垂直に置き、さらにそのシートサンプルから300cmの位置に白色プラスチック板のスクリーンを用意する。次に光源からの光をスリット及びシートサンプルを通してスクリーンに投射し、シートサンプルの位置に備えたカメラでスクリーン上の影像を撮影する。このときスクリーン上に現れる影像はいわゆる干渉縞のことである。
【0045】
このようにして撮影したフイルムを現像し、干渉縞の明暗をデンシトメーター(小西六写真工業社製、PDM−5型)により光線透過率を走査測定し、吸光度Dとして記録させる。
ただし、T=(I/I0 )×100
(このときI0 は入射光強度、Iは透過光強度を示す。)
D=−logT
このようにして得られた波形データの一部を模式的に図3に示す。この波形はいわゆる干渉縞の明暗の強度をあらわしたものである。
【0046】
次に、この波形データの適当な範囲(例えば図3においてはOとPの間。)を区切り、その間において斜線部分と点斜線部分の面積がほぼ同じになるように基線を引く。次いでこの斜線部分および点斜線部分を加算して総面積SI(単位:吸光度・cm)とする。このSIをOとPの区間距離L(cm)で除したものを光学歪度δ(単位:吸光度・cm)とする
δ=SI/L
このとき同一サンプルについて何点か光学歪度を求め、平均値を計算し、これを比較のために使用すればいっそう精度を向上させることができる。
【0047】
本発明において光学歪度δは0.1以下が好ましく、更に好ましくは0.06以下である。光学歪度δが0.1を越える場合、ポリッシングロールで発生するギアマークや転写マーク、ポリッシングロールからシートが剥がれるときに発生する剥離マークや粘着マーク等がシート表面であたかも水面にさざ波が立ったような表面状態を呈しているため、シートを通して見える像が歪んだり、前述のマークがキズに間違えられたりする。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下に実施例、比較例を用いて本発明の効果をさらに具体的に説明する。
なお実施例、比較例で評価した重量平均分子量はゲルパーエミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、またポリカーボネートの完全加水分解と液体クロマトグラフィーならびに光学歪度δの測定法は明細書に記載した方法で行った。
【0049】
【実施例1】
攪拌槽型第1(A)(B)重合器、攪拌槽型第2重合器、攪拌槽型第3重合器、多孔板型第1重合器及び多孔板型第2重合器を連結した連続プロセスで、芳香族ポリカーボネートを製造した。但し、撹拌槽第1重合器は(A)と(B)を切り替えながらバッチ的に運転し、その他の重合器は連続的に運転した。撹拌槽第1重合器(A)、(B)の内容積は100リットル、撹拌槽第2重合器及び撹拌槽第3重合器の内容積は50リットルであり、撹拌翼はいずれもアンカー型である。多孔板型第1重合器、及び多孔板型第2重合器は、孔径7.5mmの孔を50個有する多孔板を備えており、各孔には1mm径のSUS316L製ワイヤ状ガイドが貫通して設置されている。ガイドに沿わせ落下させる高さは8mである。また、各反応器は、各反応器を連結する配管の長さと太さが最小になるように配置した。
【0050】
撹拌槽第1重合器は(A)、(B)ともに、温度180℃、圧力常圧、シール窒素ガス流量1リットル/hrの条件である。撹拌槽第1重合器(A)に、芳香族ジヒドロキシ化合物としてのビスフェノールA及び炭酸ジエステルとしてのジフェニルカーボネート(対ビスフェノールAモル比1.04)を80Kg仕込み、更にビスフェノールAジナトリウム塩をナトリウム原子として仕込みビスフェノールAに対して20ppbになるように添加し、4時間溶融混合した後、5Kg/hrで連続に撹拌槽第2重合器に供給した。撹拌槽第1重合器(A)から撹拌槽第2重合器に供給している間に、撹拌槽第1重合器(B)に、撹拌槽第1重合器(A)と同様にビスフェノールAとジフェニルカーボネート及びビスフェノールAジナトリウム塩を溶融混合し、撹拌槽第1重合器(A)が空になった時点で撹拌槽第1重合器(B)に切り替えた。この後、同様にして撹拌槽第1重合器(A)、(B)はバッチ的に切り替えながら撹拌槽第2重合器に重合中間体を連続に5Kg/hrで供給し続けた。
【0051】
撹拌槽第2重合器は内容量が20リットルに達したら、内容量20リットルを一定に保つように撹拌槽第3重合器に重合中間体を連続に供給した。撹拌槽第2重合器は、反応温度230℃、反応圧力100mmHg、窒素ガス流量2リットル/hrの条件であった。撹拌槽第3重合器は内容量が20リットルに達したら、内容量20リットルを一定に保つように多孔板型第1重合器に重合中間体を連続に供給した。撹拌槽第3重合器は、反応温度240℃、反応圧力10mmHg、窒素ガス流量2リットル/hrの条件であった。
【0052】
多孔板型第1重合器は内容量が10リットルに達したら、内容量10リットルを一定に保つように多孔板型第2重合器に重合中間体を連続に供給した。多孔板型第1重合器は、反応温度245℃、反応圧力1.5mmHg、窒素ガス流量4リットル/hrの条件であった。多孔板型第2重合器は内容量が10リットルに達したら、内容量10リットル一定に保つように溶融重合体を連続にノズルより抜き出し、ストランドカットによりペレット化した。多孔板型第2重合器は、反応温度245℃、反応圧力0.3mmHg、窒素ガス流量2リットル/hrの条件であった。このときのΣ(Ki×Ti×Hi)は0.83であった。
【0053】
このようにして得られたポリカーボネートは、のリテンションタイムがビスフェノールAより長い化合物の総量が0.05重量%であり、またリテンションタイムがビスフェノールAとジフェニルカーボネートの間にある化合物の総量A(但し、用いた他の芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジフェニルは除く)とジフェニルカーボネートより後にある化合物の総量B(但し、用いた他の芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジフェニルは除く)との比B/Aは0.2であった。また、該ポリカーボネートの重量平均分子量は26,800であった。
【0054】
このポリカーボネートをスクリュー径90mmの押出機で加熱溶融し、幅500mmのシート用ダイを用いてシート状に押し出した。次いでシート状の溶融ポリカーボネートを直径300mmのポリッシングロールに導き冷却固化させてポリカーボネートシートを得た。
このとき押出機温度は280℃、ダイ温度は260℃、ポリッシングロールの表面温度は130℃に設定した。また、シートの厚みはポリッシングロールの間隙を制御することによって8mmになるよう調整した。
【0055】
このようにして得られたポリカーボネートシート表面は、ギアマーク、転写マーク、剥離マーク、粘着マーク等シート表面に周期的に現れる直線性筋模様がなくその外観も非常に良好で、光学歪度δは0.03であった。結果を比較例とともに表1に示す。
【0056】
【比較例1】
各反応器の温度を変更し、リテンションタイムがビスフェノールAより長い化合物の総量が0.15重量%、またリテンションタイムがビスフェノールAとジフェニルカーボネートの間にある化合物の総量A(但し、用いた他の芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジフェニルは除く)とジフェニルカーボネートより後にある化合物の総量B(但し、用いた他の芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジフェニルは除く)との比B/Aが0.95になるように調整したポリカーボネートを使用した以外は実施例1と同様に評価した。このときのポリカーボネートの重量平均分子量は26,900であった。
【0057】
このようにして得られたポリカーボネートシート表面は、ギアマーク、転写マーク、剥離マーク、粘着マーク等シート表面に周期的に現れる直線性筋模様がわずかにあらわれ外観不良になっており、光学歪度δを測定すると0.12であった。結果を実施例1とともに表1に示す。
【0058】
【比較例2】
重量平均分子量が26,800のホスゲン法で製造された市販ポリカーボネートを実施例1と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
実施例1と比較して、同一分子量、同一成形条件にもかかわらず、得られたポリカーボネートシートの表面は、ギアマーク、転写マーク、剥離マーク、粘着マーク等シート表面に周期的に現れる直線性筋模様があらわれ外観不良が発生しており、光学歪度δを測定すると0.17であった。結果を実施例1とともに表1に示す。
【0059】
【比較例3】
市販のポリカーボネートシート8mm板について外観を評価したところ、シートの表面は、ギアマーク、転写マーク、剥離マーク、粘着マーク等シート表面に周期的に現れる直線性筋模様があらわれており、光学歪度δを測定すると0.15であった。結果を実施例1とともに表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【発明の効果】
本発明によって光学的歪みが小さく、外観良好なポリカーボネートシート及びその製法を提供することができ、更に広範囲な用途に使用することができる。
【0062】
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】明細書記載の方法で測定した標準化合物混合物の液体クロマトグラフィーチャート。
【0064】
【図2】明細書記載の方法で測定したポリカーボネートを完全加水分解したものの液体クロマトグラフィーチャート。
【0065】
【図3】光学歪度δを求める波形データの模式図。
Claims (4)
- 少量の異種結合を有するポリカーボネートが芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとからエステル交換法にて製造されるポリカーボネートであり、かつ該ポリカーボネートが、完全加水分解したのち逆相液体クロマトグラフィーを用いて、メタノールと0.1%リン酸水溶液からなる混合溶離液で、メタノール/0.1%リン酸水溶液比率を20/80からスタートし100/0までグラジエントする条件下で測定したときに、リテンションタイムが該芳香族ジヒドロキシ化合物より長い化合物の総量(波長300nmのUV検出器で検出し、サリチル酸の吸光係数を用いて、ピーク面積から計算した量、但し該炭酸ジエステルは除く)が、該ポリカーボネートに対して0.01〜0.10重量%の範囲にあることを特徴とするポリカーボネートからなる光学歪度δが0.1以下のポリカーボネートシート。
- 芳香族ジヒドロキシ化合物が、85モル%以上がビスフェノールAであることを特徴とする請求項1記載のポリカーボネートシート。
- ポリカーボネートが、リテンションタイムがビスフェノールAとジフェニルカーボネートの間にある化合物の総量A(但し、用いた他の芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジフェニルは除く)とジフェニルカーボネートより後にある化合物の総量B(但し、用いた他の芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジフェニルは除く)との比B/Aが、0.8以下にあることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のポリカーボネートシート。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のポリカーボネートシートの成形において、少量の異種結合を有するポリカーボネートからなるポリカーボネートシート原料をシート押出機によって押し出し、次いでポリッシングロールによって冷却固化してシート状に成形するポリカーボネートシートの製法。
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