JP3710198B2 - Stm−n信号の誤り訂正符号化・復号化方法、stm−n信号の誤り訂正符号化回路及びstm−n信号の誤り訂正復号化回路 - Google Patents

Stm−n信号の誤り訂正符号化・復号化方法、stm−n信号の誤り訂正符号化回路及びstm−n信号の誤り訂正復号化回路 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、STM(Synchronous Transport Mode:同期転送モード)におけるSTM−N(Synchronous Transport Module Level N)信号の誤り訂正符号化・復号化方法、STM−N信号の誤り訂正符号化回路及びSTM−N信号の誤り訂正復号化回路に関し、例えば、SDH(Synchronous Digital Hierarchy:同期デジタルハイアラキー)光伝送システムにおける誤り訂正符号化・復号化に適用し得る。
【0002】
【従来の技術】
近年、SDH光伝送システムの研究・開発が行われている。このような技術の文献として、次のような文献がある。
【0003】
文献1:OAA”94、ThA6:NTT、『A Bit−Interleaved Hamming Code for Linearly Repeatered Terreatrial Fiber Optic Transmission Systems』、Yoshiaki YAMABAYASHI、Masahito Tomizawa、Tomoyosi KATAOKA、Yukio KOBAYASHI、and Kazuo HAGIMOTO。
【0004】
文献2:1995年、電子情報通信学会全国大会B−1074、NTT光ネットワークシステム研究所、『SDH光伝送システムに適合した誤り訂正符号の検討』、富沢将来、山林由明、片岡智由、小林紀夫、萩本和男。
【0005】
上述の従来の文献では、SDHに適合した誤り訂正符号(FEC)を提案している。この誤り訂正回路は、端局装置に配備され、チェックビットを図2に示す多重セクションオーバヘッド(MSOH)の未定義バイトに収納する。尚、図2において、×印のバイトは、将来の国際標準用である。空欄の空きバイトは、将来の国内用である。△のバイトは、メディア依存バイトである。※のバイトは、スクランブルしないバイトである。
【0006】
STM−N(1≦N≦16)信号には、ATM(Asynchronous Transfer Mode:非同期転送モード)セルのサポートによって様々な連結パスVC(仮想コンテナ)−4−Xc(1≦X≦16)がマッピングされる場合と、VC−4にAU(Administrative Unit:管理ユニット)ポインタを付加したAU−4がN個バイト多重される場合がある。
【0007】
STM−N信号内のAU−4−Xcに対して誤り訂正符号を行う場合、様々なVC連結パスはSDH端局装置においては、VC−4−XcのAUポインタを付加したAU−4−XcのようにX個のAU−4にマッピングされるため、誤り訂正回路の符号化対象をAU−4とし、符号化回路、復号化回路をX個用いて実現している。
【0008】
また、VC−4にAUポインタを付加したAU−4がN個バイト多重される場合、AU−4にチェックバイトとSOHを加えたSTM−1単位でN個がバイト多重されるので、FEC符号化回路の符号化対象をAU−4とすることによって任意のSTM−Nシステムにこの方法が適用可能であるとしている。以上のようなSDH適合型FEC符号化回路のFEC符号として以下のような2つの符号を挙げることができる。
【0009】
(1)並列型短縮ハイミング符号:AU−4の符号化対象において、AU−4を8並列展開した各ビットを1単位(18864ビット/8=2358ビット)として1ビット訂正を行う並列型短縮ハミング符号で、チェックビットは12バイト分必要である。符号化対象がAU−4−Xc(2≦X≦16)やX(2≦X≦16)個のAU−4信号の場合、符号化回路・復号化回路を各X個使用して誤り訂正機能を実現する。
【0010】
(2)直列型短縮ハミング符号:AU−4の符号化対象において、AU−4を1単位(18864ビット={261列×9行×8ビット/1列}+{9列×1行×8ビット/1列})として1ビット訂正を行う直列型短縮ハイミング符号で、チェックビットは2バイト分必要である。符号化対象がAU−4−Xc(2≦X≦16)やX(2≦X≦16)個のAU−4信号の場合、符号化回路、復号化回路を各X個使用して誤り訂正機能を実現している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来の誤り訂正・復号化方法では、直列型、並列型共に符号化対象をAU−4としているため、STM−N(2≦N≦16)信号内のAU−4−Xc(2≦X≦16)信号やX個(2≦X≦16)のAU−4に対して短縮ハミング符号による誤り訂正符号を適用した場合、符号化対象AU−4の符号化回路・復号化回路がX個必要となるため、直列型短縮ハミング符号ではチェックビットが2×Xバイトとなり、並列型短縮ハミング符号では12×XバイトのようにAU−4信号のX倍で増加するという問題がある。
【0012】
このため、STM−NのNの値が大きくなると、セクションオーバヘッド内にチェックビットを比例的に沢山収容しなければならず、伝送効率が悪くなることと、チェックビットの生成、再生にも時間が掛かるという問題がある。
【0013】
このようなことから、STM−NのNの値が大きくなっても、非常に少ないチェックビット数(誤り訂正符号)を生成するだけで、必要な伝送誤り訂正を行うことができるSTM−N信号の誤り訂正符号化・復号化方法、STM−N信号の誤り訂正符号化回路及びSTM−N信号の誤り訂正復号化回路の提供が要請されている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明では、転送データを収容している仮想コンテナ(例えば、VC)とアドレス情報(例えば、ポインタ情報)とからなる管理ユニット(例えば、AU)が複数ユニット多重化されているSTM−N信号(Nは1以上の整数)の誤り訂正符号化又は誤り訂正復号化を行う方法であって、STM−N信号のペイロード及び管理ユニットポインタを誤り訂正符号化対象とし、この誤り訂正符号化対象の全体を一単位として上記誤り訂正符号化又は誤り訂正復号化を行うと共に、誤り訂正符号を上記STM−N信号の多重セッションオーバヘッドによって誤り訂正符号化回路及び復号化回路間で授受する
【0015】
このような方法で、誤り訂正符号化又は誤り訂正復号化を行うことで、STM−N信号のNの値が大きくなっても、この増加に比例して誤り訂正符号のビット数が比例的に増加することなく、伝送情報量の増加を抑えることができる。これによって、誤り訂正復号においても処理量を増加することなく、容易に誤り復号化を行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に本発明の好適な実施の形態を図面を用いて説明する。
『第1の実施の形態』:
そこで、本第1の実施の形態では、STM−N信号内のAU−4−Xc又はX個のAU−4に誤り訂正機能を実施する場合、AU−4を1単位とし、その1単位を8並列展開した符号化回路、復号化回路に代わり、AU−4−Xc又はX×AU−4を1単位とし、その1単位を8並列展開した各ビットに短縮型ハイミング符号を適用する符号化回路と復号化回路とを設け、並列型短縮ハイミング符号を用いて誤り訂正符号化方法を構成する。
【0017】
図1(a)は、第1の実施の形態の並列型短縮ハミング符号による誤り訂正符号化回路20の機能構成図であり、図1(b)は、第1の実施の形態の並列型短縮ハミング符号による誤り訂正復号化回路25の機能構成図である。
【0018】
この図1(a)において、並列型短縮ハミング符号による誤り訂正符号化回路20は、主に、直列/並列変換回路22と、誤り訂正符号化回路231〜238とから構成されている。
【0019】
図1(a)の並列型短縮ハミング符号による誤り訂正符号化回路20の直列/並列変換回路22は、送信信号入力端子21に与えられるSTM−N信号内の例えば、AU−4−Xc(2≦X≦16)又はX個のAU−4(2≦X≦16)でN=4、X=4として与えられると、8ビットパラレル信号に変換して、8ビットパラレル信号を誤り訂正符号化器231〜238に与える。誤り訂正符号化器231〜238は、それぞれ同じ回路構成である。そこで、例えば、誤り訂正符号化器231は、パラレル変換された信号に対して、1ビット誤り訂正能力を持つ{n、k}短縮ハミング符号化が行われ、チェックビットが生成されてチェックビット出力端子1に出力する。
【0020】
図1(b)において、並列型短縮ハミング符号による誤り訂正復号化回路25は、主に、直列/並列変換回路27と、誤り訂正復号化器281〜288とから構成されている。
【0021】
直列/並列変換回路27は、受信信号入力端子26に与えられるチェックビットが挿入されたSTM−N信号を8ビットパラレル変換して、誤り訂正復号化器281〜288に与える。誤り訂正復号化器281〜288は、それぞれ同じ回路構成である。そこで、例えば、誤り訂正復号化器281は、8ビットパラレル変換された信号に対して、誤りのビット位置を検出し、この誤りビット位置のデータを訂正してシンドローム出力端子1に出力する。
【0022】
図3は、例えば、誤り訂正符号化回路231の機能構成図である。この図3において、誤り訂正符号化回路231は、チェックビット生成回路231aと、チェックビット挿入回路231bとから構成されている。チェックビット生成回路231aは、Dフリップフロップ回路DF21〜DF34と、排他的論理和回路Ex11〜Ex14とから構成され、巡回符号生成回路が形成されている。
【0023】
チェックビット生成回路231aは、後述の(2)式で表される巡回符号発生回路に送信信号入力端子に与えられたSTM−N信号から1ビット誤り訂正能力を持つ{n、k}短縮ハミング符号C1〜C14を生成してチェックビット挿入回路231bに与える。チェックビット挿入回路231bは、上記STM−N信号の所定のセクションオーバヘッドの空きビット(図2)にチェックビットC1〜C14を挿入してチェックビット付データ出力端子に出力する。誤り訂正符号化器231〜238から出力されたチェックビット付データは、並列/直列変換回路239で直列データに変換されて出力される。
【0024】
図4は、例えば、誤り訂正復号化器281の機能構成図である。この図4において、誤り訂正復号化器281は、遅延回路281aと、シンドロームビット生成回路281bと、誤りビット位置検出回路281cと、誤り訂正回路281dとから構成されている。シンドロームビット生成回路281bは、Dフリップフロップ回路DF1〜DF12と、排他的論理和回路Ex1〜Ex10とから構成されている。
【0025】
遅延回路281aは、受信データ入力端子に与えられたSTM−N信号を1フレーム分の情報ビット分遅延させて、誤り訂正回路281dに与える。シンドロームビット生成回路281bは、受信データ入力端子に与えられたSTM−N信号からシンドロームを計算し、シンドロームビットS1〜S14を誤りビット位置検出回路281cに与える。誤りビット位置検出回路281cは、シンドロームビットS1〜S14から誤りビット位置を検出し、訂正制御信号を生成して誤り訂正回路281dに与える。
【0026】
誤り訂正回路281dは、上記訂正制御信号を用いて遅延回路281aで遅延させたSTM−N信号の誤り信号を訂正して誤り訂正後データ出力端子に出力する。例えば、訂正制御信号が誤りを表す1のときには、遅延回路281aからの信号が1である場合は、排他的論理和を行って0を訂正後データとして出力し、訂正制御信号が1で遅延回路281aからの信号が0である場合には、0を出力し、訂正制御信号が誤りなしの0のときには、遅延回路281aからの信号が1の場合は、1を出力し、遅延回路281aからの信号が0の場合は、0を出力する。誤り訂正復号化器281〜288から出力された誤り訂正後データは並列/直列変換回路289で直列データに変換されて出力される。
【0027】
(動作): 次に、図1の並列型短縮ハミング符号による誤り訂正符号化回路20と並列型短縮ハミング符号による誤り訂正復号化回路25との動作を説明する。
【0028】
先ず、STM−N信号内のAU−4−Xc(2≦X≦16)又はX個のAU−4(2≦X≦16)でN=4、X=4の場合を説明する。
【0029】
AU−4−4c、4個のAU−4信号は共に1フレーム内に75456ビット(={261×4×9×8}+{9×4×8})のデータ量を持つ。この信号が送信信号入力端子21に入力され、直列/並列変換回路22によって8本の並列信号に変換される。これらの8並列された各ビットは1フレーム内に9432ビット(={(261×4×9×8)+(9×8)}/8)が存在し、これが誤り訂正符号化対象ビットデータとなる。
【0030】
一般に、1ビット誤り訂正能力を持つ{n、k}短縮ハミング符号は、次の(1)式を満足しなければならない。即ち、
(n−k)≧n+1 …(1)
ここで、nは誤り訂正符号化対象ビットデータと誤り訂正符号化のためのチェックビットを含む符号語長(ブロックサイズ)である。kは符号化対象ビットデータである。n−kは、誤り訂正符号化のためのチェックビット数である。
【0031】
8並列された各ビットの誤り訂正符号化のためのチェックビット数は、上記(1)式から、14ビット必要となる。
【0032】
1ビット目の誤り訂正符号化器231に入力されたデータストリームを表す多項式を、次の(2)式
14+X10+X+X+1 …(2)
などの原始多項式で割った余りをチェックビットとしてチェックビット端子1に出力する。
【0033】
2ビット目〜8ビット目も上述の1ビット目と同じように誤り訂正符号化器232〜238によってデータストリームの多項式からチェックビットを計算して、各チェックビット出力端子2〜8に出力する。
【0034】
これらのチェックビットをMSOHの未定義バイトに挿入することによって各ビットに対して{n、k}={9446、9432}短縮ハミング符号を実行することができる。n−k=14ビットとなり、これがチェックビット数である。その結果、AU−4−4c、4個のAU−4信号は14バイトのチェックビットで符号化できる。
【0035】
次に誤り訂正復号化動作について説明する。14バイトのチェックビットとAU−4−4c、又は4個のAU−4信号が受信信号入力端子26に入力され、誤り訂正符号化回路20と同様に直列/並列変換回路27によって8本の並列信号に変換される。
【0036】
8並列にされた各ビットは14ビットのチェックビットと受信データとから誤り訂正復号化器281〜288によってシンドロームを計算し、この計算結果をシンドローム出力端子1〜8に出力する。このシンドロームの計算結果によって各ビットの誤り訂正が実行される。
【0037】
(本発明の第1の実施の形態の効果): 以上の本発明の第1の実施の形態によれば、STM−N信号内のAU−4−Xc(2≦X≦16)やX個のAU−4(2≦X≦16)に並列型短縮ハミング符号を適用する場合、AU−4−Xc又はAU−4×Xを1単位とし、その1単位を8並列展開した各ビットに短縮型ハミング符号を適用することによって、チェックビット数を減少できる。
【0038】
図5に本第1の実施の形態のチェックビット数と従来の方法によるチェックビット数とを示す。例えば、STM−4信号内のAU−4−4c又は4個のAU−4の場合、従来ではチェックビット数は48バイト必要であったが、本第2の実施の形態においては、14バイトで実現できる。
【0039】
従って、STM−NのNの値が大きくなっても、非常に少ないチェックビット数(誤り訂正符号)を生成するだけで、必要な伝送誤り訂正を行うことができ、SDH光伝送システムによる高速データ伝送に適している。
【0040】
『第2の実施の形態』:
本第2の実施の形態においては、STM−N信号内のAU−4−Xc又はX個のAU−4に誤り訂正機能を実施する場合、従来のようにAU−4を1単位とした符号化回路、復号化回路に代わって、AU−4−XC又はX×AU−4を1単位として短縮型ハミング符号を適用する符号器と復号器とを設け、直列型短縮ハイミング符号を用いて誤り訂正符号化方法を構成する。
【0041】
図6(a)は、直列型短縮ハイミング符号を用いた誤り訂正符号器30を示す図であり、図6(b)は、直列型短縮ハイミング符号を用いた誤り訂正復号器33を示す図である。
【0042】
誤り訂正符号器30は、チェックビットが挿入されていない、STM−N信号内のAU−4−Xc(2≦X≦16)でN=4、X=4の信号から1ビット誤り訂正能力を持つ{n、k}短縮ハミング符号化を行ってチェックビットを生成してチェックビット出力端子に出力する。
【0043】
誤り訂正復号器33は、チェックビットが挿入されているSTM−N信号に対して誤りビット位置を検出し、このビット位置の信号を訂正してシンドローム出力端子に出力する。
【0044】
図7は、直列型短縮ハイミング符号を用いた誤り訂正符号器30の詳細な機能構成図である。この図7において、直列型短縮ハイミング符号を用いた誤り訂正符号器30は、チェックビット生成回路30aと、チェックビット挿入回路30bとから構成されている。チェックビット生成回路30aは、Dフリップフロップ回路DF41〜DF57と、排他的論理和回路Ex21〜Ex22とから構成され、巡回符号生成回路を形成している。
【0045】
チェックビット生成回路30aは、後述の(3)式で表される巡回符号発生回路に送信信号入力端子に与えられたSTM−N信号から1ビット誤り訂正能力を持つ{n、k}短縮ハミング符号C1〜C17を生成してチェックビット挿入回路30bに与える。チェックビット挿入回路30bは、上記STM−N信号の所定のセクションオーバヘッドの空きビット(図2)にチェックビットC1〜C17を挿入してチェックビット付データ出力端子に出力する。
【0046】
図8は、直列型短縮ハイミング符号を用いた誤り訂正復号器33の詳細な機能構成図である。この図8において、この誤り訂正復号器33は、遅延回路33aと、シンドロームビット生成回路33bと、誤りビット位置検出回路33cと、誤り訂正回路33dとから構成されている。シンドロームビット生成回路33bは、Dフリップフロップ回路DF61〜DF77と、排他的論理和回路Ex31〜Ex39とから構成されている。
【0047】
遅延回路33aは、受信データ入力端子に与えられたSTM−N信号を1フレーム分の情報ビット分遅延させて、誤り訂正回路33dに与える。シンドロームビット生成回路33bは、受信データ入力端子に与えられたSTM−N信号からシンドロームを計算し、シンドロームビットS1〜S17を誤りビット位置検出回路33cに与える。誤りビット位置検出回路33cは、シンドロームビットS1〜S17から誤りビット位置を検出し、訂正制御信号を生成して誤り訂正回路33dに与える。
【0048】
誤り訂正回路33dは、上記訂正制御信号を用いて遅延回路33aで遅延させたSTM−N信号の誤り信号を訂正して誤り訂正後データ出力端子に出力する。例えば、訂正制御信号が誤りを表す1のときには、遅延回路33aからの信号が1である場合は、排他的論理和を行って0を訂正後データとして出力し、訂正制御信号が1で遅延回路33aからの信号が0である場合には、0を出力し、訂正制御信号が誤りなしの0のときには、遅延回路33aからの信号が1の場合は、1を出力し、遅延回路33aからの信号が0の場合は、0を出力する。
【0049】
(動作): 次に、本第2の実施の形態の直列型短縮ハミング符号による誤り訂正符号化・復号化の動作を説明する。先ず、STM−N信号内のAU−4−Xc(2≦X≦16)でN=4、X=4の場合を説明する。AU−4−4c、4個のAU−4信号は共に1フレーム内に75456ビット(={261×4×9×8}+{9×4×8})のデータ量を持つ。
【0050】
この信号が送信信号入力端子31に入力される。これが符号化対象ビットデータとなる。一般に1ビット誤り訂正能力を持つ{n、k}短縮ハミング符号は、上述の(1)式によって17ビット必要となる。誤り訂正符号化回路30に入力されたデータストリームを表す多項式を、次の(3)式
17+X+1 …(3)
などの原始多項式で割った余りをチェックビットとしてチェックビット出力端子32に出力する。
【0051】
これらのチェックビットをMSOHの未定義バイトに挿入することによって、{75473、75456}短縮ハミング符号を実行することができる。しかしながら、STM−N信号内のデータは8ビットのバイト構成に規定されているため、SOH内のMSOHに挿入するチェックビットとしてバイト単位で割り当てると、この場合の誤り訂正符号化のためのチェックビット数は3バイトとなる。その結果、AU−4−4c、4個のAU−4信号は3バイトのチェックビットで符号化できる。
【0052】
次に、誤り訂正復号化動作を説明する。先ず、3バイトのチェックビットとAU−4−4c、又は4個のAU−4信号が受信信号入力端子34に入力され、3バイトのチェックビットと受信データとから、シンドロームを計算し、この計算結果をシンドローム出力端子35に出力する。このシンドロームによって受信信号に対する誤り訂正復号化が実行される。
【0053】
(本発明の第2の実施の形態の効果): 以上の本発明の第2の実施の形態によれば、STM−N(2≦N≦16)フレーム内のAU−4−Xc(2≦X≦16)又はX個のAU−4(2≦X≦16)に直列型短縮ハミング符号を適用する場合、AU−4−Xc又はX個のAU−4を1単位として短縮型ハミング符号を適用することで、チェックビット数を減少させることができる。
【0054】
図9にチェックビット数の従来と本第2の実施の形態とを示している。例えば、STM−N信号内のAU−4−4c、X個のAU−4の場合、従来技術ではチェックビット数は8バイト必要であったが、本第2の実施の形態では3バイトで実現することができる。
【0055】
従って、STM−NのNの値が大きくなっても、非常に少ないチェックビット数(誤り訂正符号)を生成するだけで、必要な伝送誤り訂正を行うことができ、SDH光伝送システムによる高速データ伝送に適している。
【0056】
(他の実施の形態): (1)尚、以上の実施の形態においては、1ビット誤り訂正を行う{n、k}ハミング符号を例にして説明したが、他に、2ビット以上の誤り訂正符号を採用することもできる。例えば、ランダム誤り、バースト誤り、バイト誤りなどに適した符号を採用することも好ましい。また、ブロック符号や畳み込み符号を採用することも好ましい。ブロック符号としては、ハミング符号の他、拡大ハミング符号、BCH符号、Fire符号、蒿符号、リードソロモン符号などがある。畳み込み符号としては、ビタビ復号によるもの、逐次復号によるもの、自己直交符号、岩垂符号、ハーゲルバーガー(Hagelbarger)符号などがある。
【0057】
(2)また、生成されたチェックビットは、セクションオーバヘッドのポインタ領域以外のどこに配置されてもよい。好ましくは、図2で示す未使用領域がよい。
【0058】
【発明の効果】
以上述べた様に本発明によれば、管理ユニットが複数ユニット多重化されているSTM−N信号の誤り訂正符号化又は誤り訂正復号化を行う方法として、複数の管理ユニットを一単位として誤り訂正符号化又は誤り訂正復号化を行うことで、STM−NのNの値が大きくなっても、非常に少ない誤り訂正符号を生成するだけで、必要な伝送誤り訂正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の第1の実施の形態の並列型短縮ハミング符号による誤り訂正符号化回路の機能構成図であり、(b)は、第1の実施の形態の並列型短縮ハミング符号による誤り訂正復号化回路の機能構成図である。
【図2】STM−Nフレーム内の符号化対象範囲の説明図である。
【図3】第1の実施の形態の並列型短縮ハミング符号を用いた誤り訂正符号化器の詳細な機能構成図である。
【図4】第1の実施の形態の並列型短縮ハミング符号を用いた誤り訂正復号化器の詳細な機能構成図である。
【図5】第1の実施の形態のチェックビット数の説明図である。
【図6】(a)は、第2の実施の形態の直列型短縮ハミング符号を用いた誤り訂正符号器の機能構成図である。(b)は、第2の実施の形態の直列型短縮ハミング符号を用いた誤り訂正復号器の機能構成図である。
【図7】第2の実施の形態の直列型短縮ハミング符号を用いた誤り訂正符号器の詳細な機能構成図である。
【図8】第2の実施の形態の直列型短縮ハミング符号を用いた誤り訂正復号器の詳細な機能構成図である。
【図9】第2の実施の形態のチェックビット数の説明図である。
【符号の説明】
20…誤り訂正符号化回路、21…送信信号入力端子、22…直列/並列変換回路、25…誤り訂正復号化回路、26…受信信号入力端子、27…直列/並列変換回路。

Claims (3)

  1. 転送データを収容している仮想コンテナとアドレス情報とからなる管理ユニットが複数ユニット多重化されているSTM−N信号(Nは1以上の整数)の誤り訂正符号化又は誤り訂正復号化を行う方法であって、
    上記STM−N信号のペイロード及び管理ユニットポインタを誤り訂正符号化対象とし、この誤り訂正符号化対象の全体を一単位として上記誤り訂正符号化又は誤り訂正復号化を行うと共に、誤り訂正符号を上記STM−N信号のセッションオーバヘッドによって誤り訂正符号化回路及び復号化回路間で授受することを特徴とするSTM−N信号の誤り訂正符号化・復号化方法。
  2. 転送データを収容している仮想コンテナとアドレス情報とからなる管理ユニットが複数ユニット多重化されているSTM−N信号(Nは1以上の整数)の誤り訂正符号を形成するSTM−N信号の誤り訂正符号化回路であって、
    上記STM−N信号のペイロード及び管理ユニットポインタを誤り訂正符号化対象とし、この誤り訂正符号化対象の全体を一単位として巡回符号生成回路に与えて誤り訂正符号を生成する誤り訂正符号生成手段と、
    生成された上記誤り訂正符号をSTM−N信号のセクションオーバヘッドに設定する誤り訂正符号設定手段と
    を備えたことを特徴とするSTM−N信号の誤り訂正符号化回路。
  3. 請求項2に記載の誤り訂正符号化回路によって誤り訂正符号が設定されたSTM−N信号を受信し、受信したSTM−N信号のペイロード及び管理ユニットポインタを誤り検出処理対象とし、受信したSTM−N信号のセクションオーバヘッドに設定されている誤り訂正符号に基づき、誤っているビット位置を検出する誤り検出手段と、
    検出した誤りビット位置のSTM−N信号のビットを訂正出力する誤り訂正手段と
    を備えたことを特徴とするSTM−N信号の誤り訂正復号化回路。
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