JP3709331B2 - 試験用遠心分離機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学製品の研究や製品の開発段階で使用するのに適した試験用遠心分離機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、薬剤等の化学製品の研究や製品の開発段階で使用されている試験用遠心分離機は、製品を製造する際に使用される実機をそのまま縮小した構造を有していて、バスケットの容量(一度に供給し得る原液の最大量)は数リットル程度である。実例を挙げると、バスケットの内径(フィルタの内径)は例えば30cm、深さは16cm程度であり、バスケットの容量は4.5リットル程度である。
【0003】
このバスケットの内周に2cmの厚さのケーキ層を形成するものとすると、形成されるケーキの体積は2.8リットルとなる。この場合、原液の結晶濃度を20%とすると、必要な原液の量は14リットルとなる。
【0004】
なお本明細書においては、バスケットの径方向に計ったケーキ層の寸法をケーキ層の厚さまたは厚さ寸法と呼び、バスケットの軸線方向に計ったケーキ層の寸法をケーキ層の軸線方向寸法と呼ぶ。
【0005】
開発された薬剤等を製造する際には、試験用遠心分離機を用いて行った遠心ろ過の実験結果を実機にスケールアップして、実機でのろ過時間(ろ過速度)や、ケーキ中の最終的な残留液分を推測し、その推測値に基づいて決定した運転条件(脱液時間、洗浄時間、バスケットの回転速度等)で実機の試験運転を行って、その結果から最終的な運転条件を決定するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来の試験用遠心分離機は、バスケットの深さが内径の1/2以上もあってふところが深いため、バスケットの内周に2cm程度の厚さのケーキ層を形成する場合でも相当に多くの原液を必要とし、1回の実験を行うために用意する必要がある原液の量が多くなるという問題があった。特に、最近開発される薬剤は高価なものが多いため、できるだけ少ない量の試料で遠心ろ過の実験を行うことができる試験用遠心分離機の開発が望まれている。
【0007】
また実機でバスケケットの内周に形成するケーキ層の厚さは、通常10〜20cm程度であるが、従来の試験用遠心分離機で形成するケーキ層の厚さは通常2cm程度であって、実機で形成されるケーキ層の厚さに比べて極めて薄いため、試験結果をスケールアップして求めたろ過速度やケーキ中の残留液分の推測値と実機での値との誤差が大きくなるという問題があった。そのため、従来は、実機での運転条件を最終的に決定する前に、試験用遠心分離機と実機との中間の大きさの遠心分離機を用いて試験を行うことが必要になることがあり、運転条件の決定に手間取るという問題があった。
【0008】
従って、試験用遠心分離機で形成するケーキ層の厚さを厚くすることが望ましいが、従来の試験用遠心分離機でケーキ層の厚さを厚くすると、必要な原液の量が多くなる上に、試験用遠心分離機として大形のものを用意することが必要になるため、試験に要するコストが高くなるのを避けられなかった。
【0009】
また従来の試験用遠心分離機では、バスケット全体が金属で形成されていて、その内部の状況を見ることができなかったため、試験段階で、給液時のケーキ形成過程、ケーキ洗浄時の母液と洗浄液との置換状況、あるいはケーキの脱液状況等の時々刻々の変化を観察することができなかった。そのため、実験を繰り返し行って、そのデータの分析結果から実機の運転条件を推測しているが、バスケット内で起っている現象を観察できなかったため、情報が不足して、実機の運転条件の推測を的確に行うことが難しいという問題があった。
【0010】
本発明の一つの目的は、少量の原液を用いて、形成されるケーキ層の厚さを厚くすることができるようにして、実機でのろ過速度や残留液分の推測を的確に行うことができるようにした試験用遠心分離機を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、給液から洗浄、脱液までの各工程でのバスケット内の現象を観察することができるようにして、実機へのスケールアップを行ったり、遠心ろ過の試験研究を行ったりするために必要なデータを豊富に得ることができるようにした試験用遠心分離機を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
遠心分離機において、バスケットの深さ(軸線方向寸法)が関係するのは、主としてバスケットの容量を計算する際のみであり、ろ過速度を求める際には、バスケットの深さを無視してよい。そのため、試験用の遠心分離機において、バスケットの深さは、実験データとして重要ではなく、それよりはむしろ、バスケット内に実機にできるだけ近い厚さのケーキ層を形成することが重要である。
【0013】
そこで、本発明においては、従来用いていたバスケットに代えて、内径に比べて軸線方向寸法が極端に小さい間隙を内部に有する中空の回転体を用い、該回転体の軸心部からその内部に原液を供給して遠心ろ過を行わせるようにした。
【0014】
また回転体の端板の少なくとも一部を透明にすることにより、遠心ろ過の過程で起る現象を観察することができるようした。
【0015】
即ち、本発明に係わる試験用遠心分離機は、中心軸線を一致させた状態で設けられて間隙を介して対向配置された円板状の第1及び第2の端板と、該第1及び第2の端板の外周側に両端板間の間隙を塞ぐよう設けられて両端板の外周部に接続された環状の周壁部材とを有して、第1及び第2の端板間の間隙が周壁部材に形成された多数の透過孔を通して外部に連通させられる回転体と、第1及び第2の端板の中心軸線を中心にして回転体を回転駆動する回転駆動装置と、第1及び第2の端板の中心軸線に沿って回転体内の間隙内に原液を供給する給液装置とを備えた構成とし、第1及び第2の端板の少なくとも一方は、その少なくとも一部を透明に形成する。
【0016】
ここで、第1及び第2の端板間の間隔(間隙の深さ)は、周壁部材の内径の如何に係わりなく、0.5〜3[cm]程度、好ましくは0.5〜2[cm]程度の十分に小さい値に設定する。実機へのスケールアップの際の換算を容易にするためには、間隙の深さを1[cm]とするのがよい。
【0017】
上記のように、内部空間の軸線方向寸法を内径寸法に比べて極端に小さくした回転体を用いて遠心ろ過を行わせると、回転体内に供給する原液(試料)の量を少なくして、しかもその内部に形成されるケーキ層の厚さを厚くすることができるため、ろ過速度や残留液分の検証を実機に近い形で行わせて、実機にスケールアップする際の誤差を少なくすることができ、運転条件の推定を的確に行わせることができる。
【0018】
また上記のように、回転体の端板の少なくとも一部を透明にしておくと、回転体の回転に同期させてストロボライトを発光させる等の方法により回転体の像を静止させる観察手法を用いることによって、回転体の端板の透明部分を通してその内部を観察することができるため、給液から洗浄、脱液までの各工程においてバスケット内で起る現象を観察することができる。従って、遠心ろ過の研究に用いるデータを収集したり、実機にスケールアップする際の運転条件を的確に推測したりすることができる。
【0019】
ストロボライトによる観察を容易に行うことができるようにするため、回転体に向けて発光するストロボライトを予め設けておくのが好ましい。
【0020】
このストロボライトは、回転体の観察者側の面と反対側から回転体に光を照射するように設けるのが好ましい。例えば、第2の端板側から回転体の内部を観察するように回転体を設ける場合には、観察者と反対側の第1の端板側から回転体に光を照射するように、ストロボライトを配置する。このようにストロボライトを配置すると、ストロボライトの光がケーキ層を透過して、ケーキ層の断面を明るく浮かび上がらせるため、ケーキ層の断面の観察を明瞭に行わせることができる。
【0021】
本発明においてはまた、所定の厚さのケーキ層を形成するために回転体の内部に供給する原液の量を少なくすることができるため、高価な薬剤の試験、研究、開発に要するコストの低減を図ることができる。
【0022】
上記給液装置は、例えば、回転体の端板の中心部に形成した孔に挿入された給液パイプと、該給液パイプを通して原液を供給する原液供給源とにより構成することができるが、この給液装置は、原液を外気に触れることなく回転体の内部に供給し得るように構成するのが好ましい。
【0023】
そのため、本発明に係わる遠心分離機は、第1及び第2の端板と軸線を共有するように設けられて第1及び第2の端板の一方の側で回転体に接続された第1の回転軸と、該第1の回転軸を回転駆動する回転駆動装置と、第1及び第2の端板と軸線を共有した状態で第1及び第2の端板の他方の側で回転体に接続されて中空部内が間隙内に連通させられた中空の第2の回転軸と、流体供給用のフィードパイプと、第2の回転軸の回転を妨げない状態で第2の回転軸とフィードパイプとを気密及び液密に連結する継手とを備えた構成とするのが好ましい。
【0024】
上記のように、回転体に中空の第2の回転軸を取り付けて、該第2の回転軸を継手を介してフィードパイプに連結する構造にすると、フィードパイプと第2の回転軸の中空部内を通して外気に触れることなく、原液を回転体内に供給することができるので、ケーキが汚染されるのを防ぐことができる。
【0025】
本発明の好ましい実施態様では、中心軸線を一致させた状態で設けられて間隙を介して対向配置された円板状の第1及び第2の端板と、該第1及び第2の端板の外周側に両端板間の間隙を塞ぐよう設けられて両端板の外周部に接続された環状の周壁部材と、第1及び第2の端板を間にして対向配置されて外周寄りの部分が周壁部材に締結された円板状の第1及び第2のカバー板とを有して、第1及び第2の端板間の間隙が周壁部材に形成された多数の透過孔を通して外部に連通させられている回転体と、第1及び第2の端板の中心軸線を中心にして回転体を回転駆動する回転駆動装置と、第1の端板及び第2の端板の中心軸線に沿って第1及び第2の端板間の間隙内に原液を供給する給液装置とが設けられる。この場合、第1及び第2の端板はガラス板等の透明な材料により形成する。また、第1及び第2のカバー板の少なくとも一方には、少なくとも1つの窓を形成しておく。
【0026】
上記のように、第1及び第2のカバー板の間に第1及び第2の端板と周壁部材とを挟み込む構造にすると、第1及び第2のカバー板により機械的な強度を確保することができるため、第1及び第2の端板としてガラス板などの透明板を用いることができ、回転体の内部を目視し得るようにするための構造を簡単に実現することができる。
【0027】
上記のように第1及び第2のカバー板を設ける場合には、周壁部材の軸線方向の中間部に、内径側に突出した突条部(突起)を周設して、該周壁部材の軸線方向の一端側及び他端側の内周部にそれぞれ第1の端板及び第2の端板を嵌合させ、両端板を周壁部材の突条部に当接させることにより、軸線方向に位置決めするようにするのが好ましい。この場合、第1及び第2のカバー板は、周壁部材と第1及び第2の端板とを間にして対向配置して、それぞれの外周寄りの部分を周壁部材に締結する。
【0028】
上記のように第1及び第2のカバー板を設ける場合、第1のカバー板に第1の回転軸を接続し、第2のカバー板の中心部に中空の第2の回転軸を接続して、該第2の回転軸内の中空部を回転体内に連通させるようにするのが好ましい。この場合、第2の回転軸の回転を妨げない状態で第2の回転軸とフィードパイプとを気密かつ液密に連結する継手を設けて、該継手を通して回転体内に原液を供給するようにするのが好ましい。
【0029】
このように構成すると、原液を外気に触れさせることなく、回転体内に供給することができる。またフィードパイプを通して圧縮されたガスを回転体内に供給することもできるので、回転体内の圧力を上昇させた状態で遠心ろ過を行った際の効果を確認するための試験をも行うことができる。
【0030】
本発明の好ましい実施態様では、上記回転体を収容するケーシングが設けられて、第1のカバー板に取り付けられた第1の回転軸が、第1の軸受装置を介してケーシングに支持される。また第2の回転軸とフィードパイプとを連結する継手もケーシングに支持される。
【0031】
このように構成すると、回転体がその両側で回転軸により支持されることになるので、回転体を安定に支持することができる。
【0032】
本発明に係わる遠心分離機においては、フィードパイプを原液供給源と圧縮ガス供給源とに選択的に接続する切換バルブを設けて、該バルブによりフィードパイプを原液供給源または圧縮ガス供給源に切換接続することができるようにしておくのが好ましい。
【0033】
なお、原液のろ過を行うためには、周壁部材に形成する透過孔を微細にしておいてもよいが、周壁部材の加工を容易にし、脱液を円滑に行わせ、かつ回転体のクリーニングを容易にするためには、周壁部材に形成する透過孔の径を比較的大きくして、周壁部材の内周面の前記間隙内に臨む部分に添わせてフィルタを配置するのが好ましい。
【0034】
このフィルタとしては、微細な孔を無数に有する円弧状の多孔板と、金網との積層体を用いるのが好ましい。
【0035】
多孔板としては、薄い金属板にレーザ加工により無数の孔を形成したものを用いることができる。
【0036】
上記のようなフィルタを用いた場合、原液中の結晶(ケーキ)は多孔板の孔を通過できないため、該多孔板の内周側に層をなして堆積する。液分は、多孔板の孔を通して金網内に流入した後、周壁部材の透過孔から外部に排出される。
【0037】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係わる試験用遠心分離機の構成例を示したもので、同図において1はケーシング、2はケーシング1内に収容された回転体である。
【0038】
ケーシング1は底板100と、下端が底板100に接続された円筒状のケーシング本体101と、ケーシング本体101の上端の開口部を閉じるように、該本体101の上端に着脱可能に取り付けられた蓋板102とを備えている。
【0039】
蓋板102は、半円形状に形成された第1の半部102Aと第2の半部102Bとに分割されていて、第1の半部102Aはヒンジ106により本体101に回動自在に支持されている。また第2の半部102Bは、ボルト107により本体101に着脱可能に取り付けられている。図示の例では、第2の半部102Bの、第1の半部102A寄りの端部が、第1の半部102Aの上にオーバラップするように形成されていて、第2の半部102Bを取り外した状態で、第1の半部102Aをヒンジ106を中心に回動させて開くことができるようになっている。
【0040】
蓋板102の第1の半部102Aにはガラス板3が取り付けられた窓部102aが少なくとも1つ形成されていて、該窓部102aのガラス板を通してケーシング1内を観察することができるようになっている。
【0041】
ケーシング1の内側には、該ケーシング内を上下に仕切る仕切壁103が形成され、該仕切壁103の中央部には、ケーシング本体101と軸線を共有する軸受保持用のボス部104が形成されている。仕切壁103は一方向に傾斜した状態で設けられ、ケーシング本体101には、仕切壁103の最も低い部分に臨む排液口105が形成されている。
【0042】
ボス部104の内側には液密保持構造の軸受装置4が保持され、該軸受装置4によりケーシング本体101と軸線を共有する第1の回転軸5が回転自在に支持されている。
【0043】
ケーシング1の底板100の上にはインバータにより駆動されるモータ6が、その出力軸を上方に向けて支持され、該モータ6の出力軸に第1の回転軸5の下端が連結されている。
【0044】
第1の回転軸5の上端寄りの部分にはテーパ部5aが形成され、開口部を上方に向けた状態で設けられたカップ状のアダプタ7に形成されたテーパ孔7aにテーパ部5aが嵌合されている。第1の回転軸5の上端にはネジ部が形成されていて、アブプタ7内に挿入された第1の回転軸の上端のネジ部にナット8が螺合され、該ナット8によりアダプタ7が回転軸5に締結されている。
【0045】
アダプタ7の開口部を塞ぐように円板状の回転体支持板9がボルト10により取り付けられている。
【0046】
回転体2は、周壁部材200と、第1の端板201A及び201Bと、第1及び第2のカバー板202A及び202Bと、フィルタ205とを備えている。
【0047】
周壁部材200は、図2及び図5(A),(B)に示すように環状に形成されていて、その軸線方向の中間部には、内径側に突出した突条部(突起)200aが周設されている。周壁部材の突条部200aが設けられた部分を径方向に貫通させて、多数の透過孔200b,200b,…が放射状に形成されるとともに、後記するフィルタを取り付けるためのボルトを挿通する4個のボルト挿通孔200cが90度間隔で形成されている。周壁部材200にはまた、透過孔が形成された部分を避けて、軸線方向の一端側に開口したネジ孔200dと、軸線方向の他端側に開口したネジ孔200eとが形成されている。周壁部材200の一端側の内周部200fの内径と他端側の内周部200gの内径は等しく設定されている。
【0048】
第1及び第2の端板201A及び201Bは、円板状のガラス板からなっていて、それぞれの中央部には、アダプタ7の開口部の内径よりも小さい内径を有する孔201A1及び201B1が、それぞれの中心をそれぞれの端板201A及び201Bの中心に一致させた状態で形成されている。端板201A及び201Bの外径は、周壁部材200の軸線方向の一端側及び他端側の内周部200f及び200gにほぼ隙間なく嵌合し得る大きさに設定され、それぞれの厚さは、周壁部材200の軸線方向の一端側及び他端側の内周部201A1及び200B1の軸線方向寸法よりも僅かに小さく設定されている。
【0049】
第1及び第2の端板201A及び201Bはそれぞれの中心軸線を一致させた状態で配置されて、周壁部材200の軸線方向の一端側及び他端側の内周に嵌合され、両端板間に隙間Gが形成されている。隙間Gの軸線方向寸法(端板201A,201Bの間の間隔)は、その内径(突条部200aの内径)に比べて極端に小さく設定されている。
【0050】
第1及び第2のカバー板202A及び202Bはガラス板からなる端板201A及び201Bの固定と保護とを図るために設けられたものである。第1のカバー板202Aは、図6(A)及び(B)に示すように、円板状の金属板からなっていて、その外径は周壁部材200の外径に等しく設定されている。カバー板202Aの外周寄りの部分は厚さが薄く形成されたフランジ部202A1となっていて、フランジ部202A1と該フランジ部よりも内径側の部分との間に、周壁部材200の軸線方向の一端側の周壁部200fの開口端側の内周に嵌合する段部202A2が形成されている。フランジ部202A1には、該フランジ部を厚み方向に貫通した多数の取付孔202A3,202A3,…が周壁部材200のネジ孔200d,200d,…と整合し得る状態で設けられている。
【0051】
第1のカバー板202Aの中央部にはネジ孔202A4が形成され、このネジ孔を囲むように4つの取付孔202A5が形成されている。また4つの取付孔202A5を囲むように、Oリング嵌合溝202A6が形成されている。
【0052】
第1のカバー板202AのOリング嵌合溝202A6とフランジ部202A1との間の部分には、4つの円形の窓部202A7が90度間隔で形成されている。
【0053】
この第1のカバー板202Aは、Oリング嵌合溝202A6にOリングを嵌合させた後、その段部202A2を第1の端板201Aが嵌合された周壁部材200の軸線方向の一端側の内周に嵌合させた状態で配置され、各取付孔202A3を通して周壁部材200の各ネジ孔200dにねじ込まれたボルト203により周壁部材200に締結される。
【0054】
第2のカバー板202Bは、図7(A)及び(B)に示すように、円板状の金属板からなっていて、その外径は周壁部材200の外径に等しく設定されている。第1のカバー板202Aと同様に、第2のカバー板202Bの外周寄りの部分は厚みが薄く形成されたフランジ部202B1となっていて、フランジ部202B1と該フランジ部よりも内径側の部分との間に、周壁部材200の軸線方向の他端側の内周部200gの開口端側の内周に嵌合する段部202B2が形成されている。フランジ部202B1には、該フランジ部を厚み方向に貫通した多数の取付孔202B3,202B3,…が周壁部材200のネジ孔200e,200e,…と整合し得る状態で設けられている。
【0055】
第2のカバー板202Bの中央部には第2の端板201Bの中央の孔201B1と整合する孔202B4が形成され、この孔202B4を囲むように4つのネジ孔202B5が形成されている。また4つのネジ孔202B5を囲むように、Oリング嵌合溝202B6が形成され、Oリング嵌合溝202B6とフランジ部202B1との間の部分に、4つの円形の窓部202B7が90度間隔で形成されている。
【0056】
第2のカバー板202Bは、Oリング嵌合溝202B6にOリングを嵌合させた後、その段部202B2を第2の端板201Bが嵌合された周壁部材200の軸線方向の他端側の内周に嵌合させた状態で、かつ4つの窓部202B7をそれぞれ第1のカバー板202Aの4つの窓部202A7に整合された状態で配置され、取付孔202B3,202B3を通して周壁部材200のネジ孔200eにねじ込まれたボルト204により周壁部材200に締結される。
【0057】
周壁部材200の内周にはフィルタ205が取り付けられている。図2に示したように、フィルタ205は、周壁部材200の内周面の間隙G内に臨む部分(突条部200aの内周面)に添うように円弧状に形成された4つのフィルタ構成部材205A〜205Dからなっている。図3及び図4は各フィルタ構成部材の構成例を示したもので、図3は正面図、図4は拡大断面図である。図示のフィルタ構成部材は、極弧角が90度よりも僅かに小さく設定された円弧状の多孔板205aと、該多孔板205aの外周に貼り付けられた細密な金網205bとの積層体からなっている。フィルタ構成部材205A〜205Dのそれぞれの極弧角は90度よりも僅かに小さく設定され、それぞれの幅寸法は、周壁部材200の突条部200aの幅寸法にほぼ等しく設定されている。多孔板205aは、薄い金属板にレーザ加工により微細な孔を無数に形成したものからなっている。
【0058】
フィルタ構成部材205A〜205Dは、それぞれの金網205bを周壁部材200の突条部200aの内周面に添わせた状態で、かつそれぞれの両端を周壁部材200の隣り合うボルト挿通孔200c,200cの近傍に位置させた状態で、周壁部材の突条部200aの内周に並べて配置されて、図8(A)及び(B)に示したような締結具206と、ナット207(図2参照)とにより、周壁部材200に固定されている。
【0059】
図示の締結具206は、ボルト206aと該ボルト206aの一端に固定された鍔板206bとからなっていて、そのボルト206aが周壁部材200に設けられたボルト挿通孔200cに挿入されるとともに、鍔板206bが隣り合うフィルタ構成部材の端部に当接された状態で配置される。そして、周壁部材200の外周側から各締結具のボルト206aにナット207が螺合され、該ナット207の締め付けにより、フィルタ構成部材205A〜205Dが周壁部材200に固定される。
【0060】
上記の回転体2においては、その内部に形成された間隙Gの深さ(回転体の軸線方向に計った寸法)を該間隙Gの内径に比べて極端に小さくしてある。そのため、従来の遠心分離機で用いられていたバスケットが円筒形であったのに対し、本発明で用いる回転体は、その全体が偏平でほぼ円盤状を呈している。
【0061】
上記回転体2は、その中心軸線を第1の回転軸5の中心軸線に一致させた状態で配置され、第1のカバー板202Aの取付孔202A5を通して回転体支持板9のネジ孔に螺合されたボルト12により回転体支持板9に締結される。そして、第1の端板201Aの中央の孔201A1に円板状の蓋板206が嵌合され、該蓋板205の中央部に設けられた孔を貫通したボルト207がネジ孔202A4に螺合されて、蓋板205が第1のカバー板202Aに締結される。
【0062】
回転体2の第2のカバー板202Bの中央の孔202B4には、大径部15Aと小径部15Bとを有する環状のアダプタ15の小径部15Bが嵌合され、該アダプタ15の大径部15Aに、中空の第2の回転軸16の一端に形成されたフランジ16aが当接されている。そして、第2のカバー板202Bの各ネジ孔202B5に螺合されたスタッドボルト17がアダプタ15の大径部15Aとフランジ16aとに設けられた孔に挿入され、フランジ16aから突出したスタッドボルト17の端部に螺合されたナット18により、第2の回転軸16が回転体2に締結されている。第2の回転軸16の中空部はアダプタ15の中空部を通して回転体2内の間隙G内に連通させられている。
【0063】
中空の第2の回転軸16はケーシング1の蓋板102の第2の半部102Bに取り付けられたブラケット108にボルト止めされた継手20を介してフィードパイプ21の一端に連結されている。継手20は、第2の回転軸16とフィードパイプ21とを、第2の回転軸16の回転を妨げることなく気密かつ液密に連結するもので、この継手20としては、ロータリジョイントとして市販されているものを用いることができる。
【0064】
フィードパイプ21は、回転体2内の間隙Gに原液や圧縮ガスを供給するために設けられたもので、その他端は、3方切換えバルブ22を介して原液供給源23につながる原液供給管24と、図示しない圧縮ガス供給源に繋がるホース25とに接続されている。図示の原液供給源23は、ホッパからなっていて、該ホッパとフィードパイプ21とを連通させ、フィードパイプ21とホース25との連通を絶つようにバルブ22を切り換えた状態で、該ホッパ内に原液を流入させることにより、原液供給管24とバルブ22とフィードパイプ21と第2の回転軸16内とを通して回転体2内の間隙G内に原液を供給するようになっている。
【0065】
またフィードパイプ21とホッパとの連通を絶ち、フィードパイプ21とホース25とを連通させるようにバルブ22を切り換えた状態で、コンプレッサやガスボンベ等の図示しない圧縮ガス供給源からホース25とバルブ22とフィードパイプ21と第2の回転軸16内とを通して回転体2内の間隙G内に圧縮ガスを供給することができるようになっている。また必要な場合には、ホース25に真空ポンプを接続することにより、回転体2内を減圧することもできる。
【0066】
上記の例では、アダプタ15と、中空の第2の回転軸16と、継手20と、フィードパイプ21と、バルブ22と、ホッパ23と、原液供給管24とにより、第1及び第2の端板201A及び201Bの中心軸線に沿って間隙内に原液を供給する給液装置が構成されている。
【0067】
図示の例では、ケーシング1の仕切壁103に液分に対してシールされた構造のストロボライト30が取り付けられていて、回転体2の回転に同期してストロボライト30が発する光を回転体2の第1の端板201Aに向けて照射することができるようになっている。
【0068】
図示の例ではまた、ケーシング1の蓋板102の第1の半部102Aの下面にも防液構造のストロボライト31が取り付けられていて、回転体2の回転に同期してストロボライト31が発する光を回転体2の第2の端板201Bに照射することができるようになっている。
【0069】
上記の遠心分離機において、インバータモータ6を駆動して回転体2を高速回転させた状態で回転体2内の間隙Gに原液を供給すると、原液は遠心沈降作用により液分と固形分とに分離され、回転体2内のフィルタ205の上にケーキ層(固形分の層)が形成される。液分は、遠心力によりケーキ層内とフィルタ205と回転体の周壁部材の透過孔200b,200b,…とを通してケーシング1内に排出され、ケーシング内に排出された液分は、排液口105から外部に排出されて、図示しない受液容器内に収容される。
【0070】
上記の遠心分離機では、第1の端板201A及び201Bが透明なガラス板からなっていて、第1及び第2のカバー板202A及び202Bに窓部が形成されているため、回転体2の回転に同期させて発光させたストロボライト30の光を回転体2に照射しながら該回転体2を軸線方向からビデオカメラ等のムービィカメラで撮影するか、または目視観察を行うことにより、回転体2内で生じている現象をリアルタイムで観察することができる。そのため、遠心ろ過の過程で原液が固形分と液分とに分離される様子や、ケーキを洗浄する際の母液と洗浄液との置換状況、ケーキの脱液状況などを直接観察することができ、回転体2の回転速度を変えながらこれらを観察することにより、給液、脱液、洗浄をそれぞれ行う際に最適な遠心分離機の回転速度を容易に求めることができる。
【0071】
上記の例では、第1のカバー板202Aに設けた窓部202A7と第2のカバー板202Bに設けた窓部202B7とが整合するように配置されているため、ストロボライト30から放射された光の一部が薄いケーキ層を透過して観察者の目に到達する。そのため、観察者は、ケーキ層の内部の様子を明瞭に観察することができる。
【0072】
なお、ケーキの性質により、下方のストロボライト30から照射された光がケーキ層を透過することができないために、ケーキ層の観察を適確に行うことができない場合には、蓋板の第1の半部102Aに取り付けられたストロボライト31により回転体2の第2端板201Bに向けて光を照射することにより、回転体2内のケーキ層の状態を観察することができる。
【0073】
また上記の遠心分離機においては、ケーキ層の洗浄を行った後、ケーシングの蓋板102を開いて、回転体2の第2のカバー板202Bと第2の端板201Bとを外すことにより、リング状に形成されたケーキ層を採取することができるため、ケーキ層の各部の粒度分布、残留水分、分級の状態等を分析することができる。
【0074】
上記の例において、回転体を分解する際には、先ず継手20とブラケット108とを連結しているボルトを外し、蓋板の第2の半部102Bをケーシングの本体101に締結しているボルト107を外して蓋板の第2の半部102Bを取り外す。その後、蓋板102の第1の半部102Aを開いてケーシングの上端を開口させ、第2の回転軸16を回転体2に締結しているナット18を外して、第2の回転軸16を継手20とともに取り外す。次いで第2のカバー板202Bを取り外し、第2の端板201Bを取り外す。
【0075】
本発明に係わる遠心分離機においては、回転体2の中心部からその内部に原液を供給するため、ケーキ層を回転体2の中心部付近まで形成することができる。また回転体2内の間隙Gの軸線方向寸法(深さ)を充分に小さく設定してあるため、従来よりも少ない試料(原液)で、従来より厚いケーキ層を形成することができる。
【0076】
試験用遠心分離機において求めたろ過速度や、ケーキ洗浄後の残留液分を実機にスケールアップして、実機の運転条件を推定するためには、試験用の遠心分離機において形成するケーキ層の厚さをできるだけ実機で形成するケーキ層の厚さに近付けることが望ましい。この場合、試験用遠心分離機で形成するケーキ層の軸線方向寸法は余り問題にならないので、試験用遠心分離機で形成するケーキ層の軸線方向寸法は小さくても何等差し支えない。
【0077】
本発明に係わる遠心分離機において、できるだけ少ない試料で厚いケーキ層を形成するためには、回転体2内に形成する間隙Gの深さ(軸線方向寸法)を、遠心ろ過作用の検証に支障を来さない範囲で、可能な限り浅く設定することが好ましい。また間隙Gの深さを浅くして、該間隙内に形成されるケーキ層の軸線方向寸法を小さくしておくと、ストロボライト30の光の一部がケーキ層を透過するようになるので、観察者と反対側(上記の例では第1の端板201A側)から回転体2にストロボライト30の光を当てた状態で、ケーシングの窓部102aを通して回転体2の窓部202B7を観察することにより、回転体2内のケーキ層の状態を明瞭に観察することができる。
【0078】
特にケーキ層を洗浄する際に、洗浄液に着色をしておくと、母液が洗浄液により置換される様子を明瞭に観察することができる。
【0079】
上記のように、回転体2内に形成する間隙Gの深さ寸法はできるだけ小さく設定するのが好ましいが、間隙Gを余り浅くすると、回転体内において、原液と端板201A,201Bとの間に生じる摩擦抵抗がろ過速度に与える影響を無視できなくなるおそれがある。間隙Gの深さ寸法は、その内径寸法(フィルタの内径)の如何に係わりなく、0.5〜3[cm]、好ましくは0.5〜2[cm]程度の範囲に設定するのが好ましい。
【0080】
試作機では、実機へのスケールアップの際の計算を容易にするために、間隙Gの深さ寸法を1[cm]に設定した。また試作機で用いた回転体の間隙Gの内径は、従来の試験用遠心分離機で用いられていたバスケット(内径30[cm],深さ16[cm])の内径と同様に30[cm]とした。この場合、回転体2の間隙G内に形成するケーキ層の径方向寸法を5[cm]とすると、形成されるケーキの量は、ほぼ0.4リットルとなり、原液の結晶濃度を20[%]とすると、必要な試料の量はほぼ2リットルとなる。上記試作機の回転体と同径のバスケットを用いた従来の試験用遠心分離機では、同じ結晶濃度の原液を用いて厚さが2[cm]のケーキ層を形成するのに14リットルもの試料を必要としたのに対し、上記試作機によれば、従来のほぼ14%の量の試料を用いるだけで従来の2.5倍の厚さのケーキ層を形成することができる。
【0081】
上記の例では、回転体2を周壁部材200と、第1及び第2の端板201A及び201Bと、第1及び第2のカバー板202A及び202Bと、フィルタ205とにより構成したが,第1及び第2の端板201A及び201Bが充分な機械的強度を有している場合には、カバー板202A及び202Bを省略することができる。
【0082】
また第1及び第2の端板201A及び201Bは少なくとも一方が、その一部に透明な部分を有していて、該透明な部分を通して間隙G内を観察し得るようになっていればよい。
【0083】
例えば、上記の例において、第1の端板201Aを不透明な金属板により形成して第1のカバー板202Aを省略し、第2の端板201Bのみをガラス板により形成して、該第2の端板を覆うように第2のカバー板202Bを取り付ける構造にすることができる。
【0084】
また第1の端板201A及び201Bの双方を、ガラス板を取り付けた窓部を有する金属板により構成して、カバー板202A及び202Bを省略するようにしてもよい。
【0085】
例えば、図6に示した第1のカバー板の窓部202A7を塞ぐようにガラス板を取り付けたものを第1の端板として用い、図7に示した第2のカバー板の窓部202B7を塞ぐようにガラス板を取り付けたものを第2の端板として用いるようにすることができる。
【0086】
回転体内のケーキ層の観察を容易にするためには、ストロボライトの光の一部がケーキ層を透過して観察者の目に到達するように構成しておくのが好ましい。したがって、第1の端板及び第2の端板をガラスなどの透明板により構成し、これらの端板を保護する第1及び第2のカバー板を設ける場合には、上記の実施形態のように、第1及び第2のカバー板のそれぞれに窓部を設けて、両カバー板の窓部を整合させた状態で配置するのが好ましい。
【0087】
またカバー板を設けることなく、ガラス板を取り付けた窓部を備えた金属板により、第1の端板201A及び201Bを構成する場合には、両端板の窓部を互いに整合させた状態で配置するのが好ましい。
【0088】
上記の例のように、回転体2に中空の第2の回転軸を取り付けて、該第2の回転軸とフィードパイプ21とを継手を介して連結するようにすると、フィードパイプ21を通して回転体2内に圧縮された空気や不活性ガスを供給することができるため、回転体内の圧力を上昇させた状態での遠心ろ過作用の検証を行うことができる。
【0089】
しかしながら、本発明は上記のように構成する場合に限定されるものではなく、例えば、回転体内に圧縮されたガスを供給する必要がない場合には、第2の端板201Bの中心部に設けた孔内に軸線方向からフィードパイプを挿入して、該フィードパイプを通して回転体内に原液を供給するようにしてもよい。
【0090】
上記の例では、第1のカバー板202A及び第2のカバー板202Bに設ける窓部を円形としたが、窓部の形状は上記の例に限定されるものではなく、例えば、観察範囲を拡大するために、カバー板の中心部側から外周側に向って末広がり状に広がる扇形の形状の窓部を各カバー板に設けることもできる。
【0091】
図1の例では、フィードパイプ21の長さを長くしてホッパ23をケーシング1から外れた位置に配置しているが、フィードパイプ21を短くして、ホッパ23をケーシング1の上方に配置するようにしてもよい。
【0092】
また回転体2内に圧縮ガスを供給する必要がない場合には、バルブ22を省略するか、または該バルブとしてストップバルブを用いて、フィードパイプを直接またはストップバルブを介してホッパや貯液タンクなどの原液供給源に接続するようにしてもよい。
【0093】
【発明の効果】
本発明によれば、軸線方向寸法が径方向寸法に比べて十部に小さい間隙を内部に有する回転体を用いて遠心ろ過を行わせるようにしたので、回転体内に供給する原液の量を少なくして、しかもその内部に形成されるケーキ層の厚さを厚くすることができる。したがって、本発明に係わる遠心分離機を用いて試験を行えば、ケーキ層の厚さを実機で形成されるケーキ層の厚さに近付けて、ろ過速度や残留液分の検証を実機に近い形で行わせることができ、実機にスケールアップする際の誤差を少なくして、実機の運転条件の推定を的確に行わせることができる。
【0094】
また本発明においては、回転体の端板の少なくとも一部を透明に形成したので、回転体の回転に同期させてストロボを発光させる等の方法により回転体の像を静止させる観察手法を用いることにより、回転体の端板の透明部分を通してその内部を観察することができる。そのため、給液から洗浄、脱液までの各工程でのバスケット内の現象を観察することができ、遠心ろ過の研究に用いるデータを収集したり、実機にスケールアップする際の運転条件を的確に推測したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる試験用遠心分離機の構成例を示した断面図である。
【図2】図1の遠心分離機で用いる回転体の横断面図である。
【図3】図1の遠心分離機で用いるフィルタの正面図である。
【図4】図1の遠心分離機で用いるフィルタの拡大断面図である。
【図5】(A)は図1の遠心分離機で用いる周壁部材の縦断面図、(B)は同周壁部材の上面図である。
【図6】(A)は図1の遠心分離機で用いる第1のカバー板の上面図、(B)は同カバー板の縦断面図である。
【図7】(A)は図1の遠心分離機で用いる第2のカバー板の縦断面図、(B)は同カバー板の上面図である。
【図8】(A)及び(B)はそれぞれ図1の遠心分離機においてフィルタを固定するために用いる締結具の上面図及び正面図である。
【符号の説明】
1…ケーシング、2…回転体、200…周壁部材、201A…第1の端板、201B…第2の端板、202A…第1のカバー板、202B…第2のカバー板、5…第1の回転軸、6…モータ、16…第2の回転軸、20…継手、21…フィードパイプ。

Claims (6)

  1. 中心軸線を一致させた状態で設けられて間隙を介して対向配置された円板状の第1及び第2の端板と、前記第1及び第2の端板の外周側に両端板間の間隙を塞ぐよう設けられて両端板の外周部に接続された環状の周壁部材と、前記第1及び第2の端板を間にして対向配置されて外周寄りの部分が前記周壁部材に締結された円板状の第1及び第2のカバー板とを有して、前記第1及び第2の端板間の間隙が前記周壁部材に形成された多数の透過孔を通して外部に連通させられている回転体と、
    前記第1及び第2の端板と軸線を共有するように設けられて前記第1のカバー板に接続された第1の回転軸と、
    前記第1及び第2の端板と軸線を共有した状態で前記第2のカバー板の中心部に接続されて中空部内が前記第1及び第2の端板の間の間隙内に連通させられた中空の第2の回転軸と、
    前記第1の回転駆動軸を回転駆動する回転駆動装置と、
    流体供給用のフィードパイプと、
    前記第2の回転軸の回転を妨げない状態で前記第2の回転軸と前記フィードパイプとを気密かつ液密に連結する継手と、
    を具備し、
    前記第1及び第2の端板は透明な材料からなり、
    前記第1及び第2のカバー板に互いに整合する窓が少なくとも1つずつ形成され、
    前記第1の端板と第2の端板との間の間隔は、0.5〜2[ cm ]に設定されている、
    試験用遠心分離機。
  2. 環状に形成されて軸線方向の中間部に内径側に突出した突条部が周設された環状の周壁部材と、前記周壁部材の軸線方向の一端側の内周及び他端側の内周にそれぞれ嵌合されて前記突条部に当接されて間隙を介して対向するように軸線方向に位置決めされた円板状の第1及び第2の端板と、前記周壁部材と第1及び第2の端板とを間にして対向配置されて外周寄りの部分が前記周壁部材に締結された円板状の第1及び第2のカバー板とを有して、前記第1及び第2の端板間の間隙が前記周壁部材に形成された多数の透過孔を通して外部に連通させられている回転体と、
    前記回転体を収容するケーシングと、
    中心軸線を前記回転体の中心軸線に一致させた状態で前記第1の端板に取り付けられて前記ケーシングに第1の軸受装置を介して回転自在に支持された第1の回転軸と、
    中心軸線を前記回転体の中心軸線に一致させた状態で前記第2の端板に取り付けられて中空部内が前記第1及び第2の端板の間の間隙に連通させられた中空の第2の回転軸と、
    前記第1の回転駆動軸を回転駆動する回転駆動装置と、
    流体供給用のフィードパイプと、
    前記第2の回転軸の回転を妨げることなく前記第2の回転軸と前記フィードパイプとを気密かつ液密に連結する継手と、
    を具備し、
    前記第1及び第2の端板は透明な材料からなり、
    前記第1及び第2のカバー板に互いに整合する窓が少なくとも1つずつ形成され、
    前記継手は前記ケーシングに支持され、
    前記ケーシングの蓋板には該ケーシング内を観察するための窓部が形成され、
    前記第1の端板と第2の端板との間の間隔は、0.5〜2[ cm ]に設定されている、
    試験用遠心分離機。
  3. 前記フィードパイプを原液供給源と圧縮ガス供給源とに選択的に接続する切換バルブを更に備えている請求項1または2のいずれかに記載の試験用遠心分離機。
  4. 前記周壁部材の内周面の前記間隙内に臨む部分に添わせてフィルタが配置されている請求項1,2または3に記載の試験用遠心分離機。
  5. 前記フィルタは、微細な孔を無数に有する円弧状の多孔板と、金網との積層体からなっていて、前記金網を前記周壁部材側に向けて配置されている請求項4に記 載の試験用遠心分離機。
  6. 前記回転体に向けて発光するストロボライトを備えている請求項1,2,3,4または5に記載の試験用遠心分離機。
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