JP3709058B2 - 画像読取装置および遮光装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像読取装置およびこれに用いられる遮光装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
デジタル式の画像読取装置で解像度(ラインセンサのサンプリングピッチで決定される)を向上させるには、ラインセンサの画素のサイズを小さくする必要がある。この場合、解像度が向上しても、画素が小さくなったり露光時間が短くなったりするためにセンサの感度が低下する。この低下を補うには、読取速度を小さくするか、結像用レンズのF数を小さくして明るさを確保するかしなければならない。読取速度の大きい方が望ましいので、F数を小さくしてレンズを出射した光の明るさを確保するのが望ましい。
【0003】
一方、大サイズの原稿を読み取るには、結像用レンズの画角を大きくしなければならない。例えば、A3サイズの原稿を読み取るには、半画角18゜程度のレンズが一般に用いられる。これらの要求に加えて、カラー画像読取機では、カラー画像処理のための倍率色収差を小さくする必要がある。ところが、レンズの設計上、F数を小さくし、倍率色収差を小さくすると、像面湾曲などの他の収差が大きくなる傾向がある。また、倍率色収差を小さくしても、軸上色収差がそれに伴って小さくなるわけではない。
【0004】
通常のコスト条件で、F数を小さくし、画角を大きくし、倍率色収差を小さくしようとすると、レンズの動径方向の解像性能が低下する。この動径方向の解像性能の低下は、レンズの光軸から離れた光、例えば原稿の端部からの反射光ほど、大きい。動径方向の解像性能は、ラインセンサの副走査方向の読取に影響を与えるため、上記の条件では画像周辺部の解像性能が低下する。また、最良像面が湾曲すると、レンズの軸上色収差と相まって、レッド、グリーン、ブルーの3色の間にMTFの差が生じ、仮に黒文字を読み取った際でも、3色のMTFの差に起因して、画像処理部では黒文字であると認識できない問題が生ずる。
【0005】
こうした問題に対する解決策として、従来からレンズを暗くして、収差を改善するという手段も採られているが、前述したように、高速、高解像度および高画質の目的からセンサ面上の露光量を低くすることは得策ではない。また露光量を確保するため、原稿を照射する照明の光量を大きくすることも考えられる。しかし、このことは消費エネルギの増大に帰結する。
【0006】
従来より画像読取装置では、光量を大きくし、読取色再現性を良好にするため、リニアハロゲンランプが用いられている。これらのランプは、電力から光に変換する効率に劣るため、消費電力が大きい。また、ラインセンサで読み取るときには、交流で点灯させたときのランプのフリッカの影響が無視できないため、良好な読取には交流から直流へ変換して、ランプを直流で点灯する必要もある。この変換による電力損失もあるため、照明に必要な消費電力は従来から大きかった。従って、上記のように解像度の向上のために、照明の光量を大きくするのは得策ではない。しかも、例えば複写機に搭載された画像読取装置については、画像読取装置以外の複写機の部分、例えば画像処理部や画像出力部の消費電力、特に画像出力部の熱定着装置の消費電力が照明の光量増大に対する制約となる。
【0007】
このような背景に鑑み、問題の生ずる副走査方向端部の解像度を向上させるため、レンズ開口を副走査方向に絞るサジタルストッパが使用されている。サジタルストッパは、メリディオナル面から離れた光線をカットするので、主走査方向端部での副走査方向の解像性能を良好にする。しかし、主走査方向端部での解像性能を中央部分なみに向上させようとした場合、サジタルストッパでは光量の1/4程度をカットする必要が生ずる。サジタルストッパで3/4になった光量を補おうとすると、照明光量を4/3倍にする必要がある。すなわち結局、照明に必要なエネルギを30%以上も上昇させなければならない。
【0008】
本発明は上記の事情を考慮してなされたものであり、照明光量の増大の要求を少なくしながら、画像端部での解像性能を良好にすることが可能な画像読取装置およびこれに用いる遮光装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る画像読取装置は、原稿の幅方向全体に渡って照射光を照射する照射手段と、前記照射手段により照射された前記照射光の前記原稿からの反射光を遮光する遮光手段と、前記反射光を結像する結像手段と、前記結像手段により結像された前記反射光を読み取るラインセンサとを備え、前記遮光手段は、前記結像手段の外側に設けられ、前記ラインセンサの主走査方向の画角が小さい位置に比較して、前記ラインセンサの主走査方向の画角が大きい位置における前記ラインセンサの副走査方向の遮光量が大きく、かつ、前記ラインセンサの副走査方向の遮光幅が画角の略70%よりも大きい範囲に渡って略一定であることを特徴とする。
【0010】
この画像読取装置によれば、前記結像手段の外側に設けられた遮光手段は、例えば図5〜図7に示すようにラインセンサの副走査方向の遮光幅が画角の略70%よりも大きい範囲に渡って略一定となっている。これにより、例えば図10に示すような解像性能(MTF特性)を有するレンズ、すなわち画像中心から100mmのΔMTFと140mmのΔMTFとがほぼ同様となっているレンズについて、100mmのMTF特性及び140mmのMTF特性を必要十分に改善することが可能となる。
【0012】
この画像読取装置においては、前記照射手段は、前記原稿の中心部に照射する照射光の照度に比較して、前記原稿の端部側に照射する照射光の照度が高いことが望ましい。
具体的には、前記照射手段は、その長手方向が前記原稿の主走査方向に一致するように配置され、当該長手方向に沿って延びるスリットが側部に形成された導波管と、前記導波管の両端に設けられた点光源とを備えることにより、前記スリットから漏れ出して前記原稿に照射される前記照射光の照度が前記原稿の端部側ほど高くなるようにされていると良い。
また、別の態様として、前記照射手段は、その長手方向が前記原稿の主走査方向に一致するように配置され、その内部に導かれた光を散乱させる散乱粒子を備えた光散乱導光体と、前記光散乱導光体の両端に設けられた点光源とを備えることにより、前記光散乱導光体から漏れ出して前記原稿に照射される前記照射光の照度が前記原稿の端部側ほど高くなるようにされていても良い。
これらの構成によれば、遮光手段で絞られた分の原稿端部からの反射光の損失を相殺することが可能である。
【0013】
本発明に係る遮光装置は、原稿の幅方向全体に渡って照射光を照射する照射手段と、前記照射手段により照射された前記照射光の前記原稿からの反射光を結像する結像手段と、前記結像手段により結像された前記反射光を読み取るラインセンサとを有する画像読取装置で、前記照射手段と前記ラインセンサとの間に設けられて、前記反射光を部分的に遮光する遮光装置であって、前記結像手段の外側に設けられ、かつ、前記ラインセンサの主走査方向の画角が小さい位置に比較して、前記ラインセンサの主走査方向の画角が大きい位置における、前記ラインセンサの副走査方向の遮光量が大きいことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の様々な実施形態について説明する。
1.画像読取装置の構成
図1は、本発明に係る遮光装置が応用可能な画像読取装置を示す概略側面図である。この画像読取装置は、フルカラー複写機に設けられているが、単独のユニットとされたものであってもよい。図中符号1は、箱状の筐体すなわちキャビネットである。キャビネット1の上部は開口しており、その開口に、原稿を載置するためのプラテンガラス2がはめ込まれている。このプラテンガラス2の上に、複写すべき画像を下向きにして原稿3が載置される。キャビネット1には、プラテンカバー4が回動可能に取り付けられており、原稿3の読取時に、プラテンカバー4はプラテンガラス2に対向させられ、原稿3をプラテンガラス2に密着させる働きをする。
【0015】
キャビネット1内には、フルレートキャリッジ11およびハーフレートキャリッジ12が、図示しないガイドレールに沿って左右方向に往復動自在に支持されている。キャリッジ11,12は、その長さ方向が図の紙面垂直方向に延びたほぼ直方体状のもので、プラテンガラス2の幅に相当する長さを有している。
【0016】
フルレートキャリッジ11には、プラテンガラス2上の原稿3を照射するリニアランプ(照射手段)32と、原稿3からの反射光を側方に反射させる第1のミラー33が搭載されている。また、ハーフレートキャリッジ12には、第1のミラー33からの反射光を下方に反射させる第2のミラー34と、この第2のミラー34からの反射光を側方に反射させる第3のミラー35が搭載されている。さらに、キャビネット1内には、第3のミラー35からの反射光が屈折透過するレンズ(結像手段)36と、このレンズ36によって反射光が結像されるCCDからなるラインイメージセンサ37が設けられている。
【0017】
リニアランプ32は、例えばハロゲンランプまたは希ガスランプであり、図の紙面垂直方向に延びる長尺の直管状のランプである。リニアランプ32の下には、反射凹面鏡30が設けられており、これによりリニアランプ32から発した光は、原稿3をその幅方向(図の紙面垂直方向)全体にわたって帯状に同時に照射する。
【0018】
フルレートキャリッジ11は原稿3の横方向全体にわたって移動させられ、これによりリニアランプ32は原稿3の全面を照射する。ハーフレートキャリッジ12はフルレートキャリッジ11の半分の速度で、フルレートキャリッジ11と同方向に移動させられ、原稿3からミラー33,34,35を経てレンズ36に至る光路の長さを一定に維持する。キャリッジ11,12が走行させられる横方向が副走査方向である。
【0019】
ラインイメージセンサ37は、固体撮像素子、具体的にはCCDイメージセンサであり、図1の紙面垂直方向に延びている。図1に示すように、ラインイメージセンサ37においては、上段にCCD感光画素列37R、中段にCCD画素列37G、下段にCCD画素列37Bが配列されている。反射光路の展開状態を示した図2に示すように、ラインイメージセンサ37の長手方向に沿って、CCD感光画素列37Rにおいては、多数の画素PIが直列させられている。CCD感光画素列37G,37Bにおいても同様である。
【0020】
CCD感光画素列37R,37G,37Bの各画素PIには色フィルタが設けられ、これによりCCD感光画素列37Rの画素PIはレッド(R)、CCD感光画素列37Gの画素PIはグリーン(G)、CCD感光画素列37Bの画素PIはブルー(B)を読み取る。ラインイメージセンサ37の長手方向である図1中の紙面垂直方向が、イメージセンサ37の主走査方向である。
【0021】
原稿3の読取時には、上記のようにして第1のキャリッジ11上のリニアランプ32が原稿3を照射し、原稿3からの反射光が、フルレートキャリッジ11上の第1のミラー33、ハーフレートキャリッジ12上のミラー34,35で順次反射する。そして、第3のミラー35からの反射光は、レンズ36を出射した後、ラインイメージセンサ37に結像する。ラインイメージセンサ37の各画素PIは、光電変換を行い、このようにして得られたRGB三色の画像信号が処理ユニット38に供給される。処理ユニット38では、画像信号を補正した後、補正後の画像信号に基づいて、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色の画像書込信号を生成し、この画像書込信号を複写機の画像出力部に供給する。
【0022】
図3を参照して、レンズ36の特性について説明する。レンズ36で光軸axから離れた位置の画像を結像する際、光軸axを中心とする同心円の接線方向(タンジェンシャル方向)のラインペア情報と、同心円の動径方向のラインペアとでは、解像特性が異なる。ラインイメージセンサ37を使用した画像読取装置に、このようなレンズ36を用いる場合、接線方向の解像特性がラインイメージセンサ37の主走査方向の解像性能に対応し、動径方向の解像特性がラインイメージセンサ37の副走査方向の解像特性に対応する。
【0023】
結像レンズの特性上、接線方向の解像特性に比べ、動径方向の解像特性が低くなりがちである。従って、ラインイメージセンサ37においては、光軸axから離れた位置の画像の副走査方向の解像性能が低くなることが多い。
【0024】
しかし、光軸axから離れた光がレンズ36に入射する場合、後述するメリディオナル面を通過する光線は、レンズ36の軸対称性により、レンズ36を出射した後もメリディオナル面から離れることはなく、副走査方向の解像度およびMTF特性を低下させない。
【0025】
2.従来のサジタルストッパ
そこで、副走査方向の解像性能の低下を解決するため、従来、使用されている手段が図4(A)および図4(B)に示す遮光装置であるサジタルストッパ39である。この従来のサジタルストッパ39は、矩形の薄板であって、その中央にはやはり矩形の開口部39aが形成されている。
【0026】
サジタルストッパ39は、開口部39aの中心が原稿3からの反射光の光軸axに合致し、開口部39aの長辺が主走査方向、短辺が副走査方向に合致するように配置される。すなわち、開口部39aの長辺は、レンズ36に対する原稿3からの反射光のメリディオナル面と平行になされ、短辺は、サジタル面に平行になされる。メリディオナル面は、光学系において、軸外の物点と光軸とを含む平面であり、サジタル面はメリディオナル面に垂直な平面である。図3(B)および後述する図7(A)では、メリディオナル面は、物点の連続線LOPと光軸axを含む平面である(像点の連続線LIPと光軸axを含む平面ともいえる)。
【0027】
サジタルストッパ39の開口部39aの短辺は、レンズ36の入射瞳で制限される入射光束の範囲よりも小さくされており、これによってレンズ36に入射する光線は、サジタル方向に絞られる。すなわち、ある物点OP1から開口部39aよりも上または下に向かった光は、サジタルストッパ39で遮光され、レンズ36には入射できない。このように、ラジアル方向の解像特性を悪化させる、メリディオナル面から離れた光線をカットすることにより、幾何光学的な収差は減少し、光軸axを中心とする同心円の動径方向の結像状態は改善する。これと同時に、光束の広がりが抑制されるため、径方向全体にわたってレンズ36から像点までの距離の許容範囲も大きくなる。
【0028】
以上の光の制限作用は、開口部39aの長手方向全体にわたって同様である。つまり、光軸ax上の物点OP2からの光はサジタルストッパ39により部分的に遮光され、開口部39aを通過した光だけが像点IP2に結像するし、光軸axから離れた物点OP1からの光についても開口部39aを通過した光だけが像点IP1に結像する。
【0029】
図4(A)において、符号Eは、サジタルストッパ39がなかったと仮定した場合のレンズ36の入射瞳で制限される入射光束を示し、斜線を付した部分は、サジタルストッパ39の上下の部分によりカットされる光束の部分である。この図により、上記のサジタルストッパ39の作用がより一層理解されよう。
【0030】
しかし、図4(A)に示すように、この従来のサジタルストッパ39では、レンズ36への入射光のカットされる部分が多く、照明エネルギの損失が大きい。これに伴う不具合は、前述の通りである。
【0031】
3.実施形態のサジタルストッパの構造および配置
図5は、本発明に係るサジタルストッパ(遮光装置)40を示す。このサジタルストッパ40は、矩形の薄板であって、その中央には長尺の開口部41が形成されている。開口部41は、その長手方向に沿って並んだ、狭幅部41a、広幅部41bおよび狭幅部41cを有する。
【0032】
端部にある狭幅部41a,41cは互いに同幅(ここでいう幅は図の上下方向の長さである)であって、中央の広幅部41bはこれらよりも広い幅を有する。後述するサジタルストッパ40の配置位置において、狭幅部41a,41cの幅はレンズ36の入射瞳で制限される入射光束Eの直径よりも小さく、広幅部41bの幅は入射瞳で制限される入射光束Eの直径と等しい。ただし、広幅部41bの幅は入射光束Eの直径よりも大きくてもよい。広幅部41bと狭幅部41aの間の部分は、狭幅部41aに向けて徐々に幅が狭くなり、広幅部41bと狭幅部41cの間の部分は、狭幅部41cに向けて徐々に幅が狭くなっている。
【0033】
図6は、本発明に係る他の例であるサジタルストッパ(遮光装置)50を示す。このサジタルストッパ50は、二つの同形の薄板であるストッパセグメント51からなる。各ストッパセグメント51は、直線状の三辺が連なって一方に向けて開口したほぼU字形である。各ストッパセグメント51が有する切欠き(開口部)52は、矩形であって、その端部はテーパ状に広がっている。
【0034】
後述するサジタルストッパ50の配置位置において、両方のストッパセグメント51は、図6に示すように互いに間隔をおいて配置され、開口部52同士が向き合うように揃えられる。図示のように、開口部52の幅はレンズ36への入射瞳で制限される入射光束Eの直径よりも小さい。
【0035】
図7は、本発明に係るさらに他の例であるサジタルストッパ(遮光装置)60を示す。このサジタルストッパ60は、四つの同形の薄板であるストッパセグメント61からなる。各ストッパセグメント61は、ほぼ矩形であり、一つの隅角部が切り欠かれている。
【0036】
後述するサジタルストッパ60の配置位置において、図7に示すように、四つのストッパセグメント61は、互いに縦横に間隔をおいて、一つの仮想的な矩形の四隅に配置される。この際、ストッパセグメント61の切り欠かれた隅角部が内側になされている。上下のストッパセグメント61の間隔は、レンズ36への入射瞳で制限される入射光束Eの直径よりも小さい。
【0037】
配置位置において、サジタルストッパ40,50,60は、中心点CPが原稿3からの反射光の光軸axに合致し、長手方向の中心線C1が主走査方向、幅方向の中心線C2が副走査方向に合致させられる。すなわち、中心線C1は、レンズ36に対する原稿3からの反射光のメリディオナル面と平行になされ、中心線C2は、サジタル面に平行になされる。
【0038】
図8は、サジタルストッパを配置した上記の画像読取装置を示す。同図の実線に示すように、サジタルストッパ40,50または60は、第3のミラー35とレンズ36との間に配置されて、レンズ36への入射光を制限する。ただし、仮想線で示すように、サジタルストッパ40,50または60は、レンズ36とラインイメージセンサ37との間に配置されて、レンズ36からの出射光を制限するようにしてもよい(この場合、本明細書の「入射瞳で制限される入射光束E」は「出射瞳で制限される出射光束E」と読み替えられる。)。レンズ36とラインイメージセンサ37との間に配置した場合には、ミラー34,35を搭載して走行するハーフレートキャリッジ12に、サジタルストッパがぶつかるおそれがなく、ハーフレートキャリッジ12の走行範囲を長くするような設計も可能である。
【0039】
画像読取装置のサイズや他の構成要素の配置によりレンズ36の位置は限定されるが、レンズ36への入射光またはレンズ36からの出射光を制限するサジタルストッパ40,50または60は、できるだけレンズ36から離間させるのが好ましい。レンズ36から離れるほど、各物点からのレンズ36への入射光束またはレンズ36からの出射光束が互いに分離するからである。また、レンズ36から離れるほど、サジタルストッパ40,50または60のサイズも小さくすることが可能である。
【0040】
なお、サジタルストッパ40,50,60は、ラインイメージセンサ37の結像に必要な照明光を通過させ、解像性能の劣化をもたらす光を部分的にカットするものであるから、その厚さは大きくても小さくてもよいし、材質も光の透過率が小さいもの、好ましくは0であれば、特に限定されない。また、サジタルストッパの形状は、原稿3の端部からの反射光ほど狭くなるように反射光を制限するのであれば、図5ないし図7に示すものに限定されない。
【0041】
4.実施形態のサジタルストッパの効果
上記のサジタルストッパ40のもたらす効果について次に説明する。なお、サジタルストッパ50,60も本質的に同様の効果を奏することが可能である。
【0042】
図9(A)に示すように、配置位置におけるサジタルストッパ40の開口部41の狭幅部41a,41cは、レンズ36への入射瞳で制限される入射光束Eの直径より小さいため、原稿3の主走査方向端部からの反射光は、サジタル方向に絞られる。すなわち、光軸axから離れたある物点OP1から開口部41よりも上または下に向かった光は、サジタルストッパ40で反射させられ、レンズ36には入射できず、開口部39aを通過した光だけが像点IP1に結像する。
【0043】
一方、配置位置におけるサジタルストッパ40の広幅部41bは、レンズ36への入射瞳で制限される入射光束Eの直径と同等かそれより大きいため、光軸ax上の物点OP2からの光全体が、広幅部41bを通過することが可能であり、レンズ36により像点IP2に結像する。光軸ax付近の物点からの光についても同様である。このようにサジタルストッパ40がカットする光は、原稿3からの反射光のうち、主走査方向の端部に限定される。換言すれば、物点の位置が異なれば、レンズ36の口径が実質的に異なる場合があるということである。
【0044】
サジタルストッパ40を設けない場合には、ラインイメージセンサ37では、端部での副走査方向の解像度が、主走査方向のそれよりも劣ってしまう、また、3色のMTF特性が異なってしまう。しかし、サジタルストッパ40によれば、上記した開口部41の形状により、主走査方向の端部において、副走査方向に光が絞られる。これにより、幾何光学的な収差は減少し、光軸axを中心とする同心円の動径方向の結像状態は改善する。これと同時に、光束の広がりが抑制されるため、径方向全体にわたってレンズ36から像点までの距離の許容範囲も大きくなる。
【0045】
図10に、サジタルストッパを全く設けていない画像形成装置での副走査方向のMTF特性を表すグラフを示す。各グラフに掲示された画像中心からの距離は、原稿3の上の主走査方向の中心からの距離である。すなわち、これらのグラフはそれぞれ主走査方向における異なる位置、つまり異なる物点についての測定結果を示す。読み取った原稿のサイズはA3(幅297mm)であり、従って画像中心から140mmと掲示したグラフは原稿3の最端部を読み取った結果を示す。レンズ36の半画角は18.7゜、F数は3.5であった。
【0046】
各グラフの横軸は光の進行方向における距離であり、縦軸はMTFである。横軸の距離は、実際に配置したラインイメージセンサ37の受光面を0として計測し、負号はレンズ側を表す。各グラフの3本のカーブは、それぞれRGB三色の特性を表す。
【0047】
上述したようにレンズ36の設計上、軸上色収差をなくすのは困難なため、図10に示すように、MTFがピークとなる位置は三色それぞれ相違する。また、グラフ同士を比較すると、像面湾曲により、画像中心からの距離が異なると、ベストフォーカス位置も相違する。これらの結果に鑑みて、最も三色のMTFが高く、かつ互いに近似するように、ラインイメージセンサ37の受光面の位置が決定されているのであるが、それでも受光面の位置(図10のセンサ面からの距離が0の位置)での各色のMTFには相違がある。この相違をΔMTFと呼ぶ。この現象のため、仮にカラー原稿中の黒文字を読み取った際でも、三色の読取情報が不適切になり、処理ユニット38では黒文字であると認識できない問題が生ずる。
【0048】
しかも、画像の主走査方向の端部では、種々の収差の影響により、ベストフォーカス位置でもMTFは小さい。このため、主走査方向の端部ではラインイメージセンサ37の解像性能が低い。換言すれば読取ボケが生じやすい。
【0049】
図11は、本発明の実施形態のサジタルストッパ40を第3のミラー35とレンズ36との間に配置した場合のMTF特性を表すグラフを示す。サジタルストッパ40を設けたことを除き、測定条件は、図10の場合と同様であった。サジタルストッパ40の開口部41の主走査方向の長さは80mm、そのうち広幅部41bの主走査方向の長さは36.6mm、狭幅部41a,41cの長さはそれぞれ19.4mmであった。また、広幅部41bの幅は入射瞳で制限される入射光束Eの直径と等しい20mm、狭幅部41a,41cの幅は12.8mmであった。
【0050】
サジタルストッパ40は、レンズ36よりも第3のミラー35側に向けて90mm離れた位置に配置され、半画角18.7゜のレンズ36の入射光束Eが、主走査方向の最も外側であっても、開口部41の範囲内に投影された(図5の最も左側の入射光束Eの状態にされた)。
【0051】
図11を図10と比較すると明らかなように、画像中心から100mm,140mmの各グラフ(光軸axから離れた位置についての測定結果)では、MTF特性の改善が現れた。すなわち、画像中心から100mmの位置についての結果を示すグラフでは、MTFのピークが高いまま、カーブが緩やかになった。これは、メリディオナル面に対して交差角度の大きい光線がサジタルストッパ40によってカットされ、光束の広がりが抑制されるため、径方向全体にわたってレンズ36から像点までの距離の許容範囲が大きくなったためと考えられる。この結果、ラインイメージセンサ37の受光面(距離が0の位置)でRのMTFが改善され、ΔMTFは明らかに小さくなった。
【0052】
また、画像の最端部に関する画像中心から140mmの位置についての結果を示すグラフでは、結像性能を低下させる光束をサジタルストッパ39がカットすることにより、三色ともMTFが改善された。さらに、メリディオナル面に対して交差角度が大きい光線の影響で図10では大きく相違していた三色のMTFのピークの位置は互いに接近した。また、カーブの緩やかさは、図10に比較して大きく低下せず、レンズ36から像点までの距離の許容範囲はあまり低下しなかった。このようにして、画像中心から140mmの位置については、MTFとΔMTFの両方とも改善された。
【0053】
画像中心および画像中心から70mmの位置についての各グラフでは、光束の絞りがかかっていないため、図10の結果と異なるところがなかった。しかし、元々、中心付近の解像性能は、光軸axに対する光線の傾きが小さいため、MTFのピークおよびΔMTFともに良好であるので、改善の必要性は少ない。もしも、画像のメリディオナル方向中心の光線をサジタル方向に絞ったならば、MTFが必要以上に高くなりすぎ、ラインイメージセンサ37で読み取った画像に、サンプリングモアレが発生する可能性がある。また、中央部および端部でのMTFを両方とも向上させた場合には、結局両者のMTFの相違は小さくならない。従来のサジタルストッパ39では、一律に全ての物点からの光束を副走査方向(サジタル方向)に絞っているため、かかる不具合が発生することがあった。換言すれば、本発明によるサジタルストッパ40によれば、元々ラインイメージセンサ37の解像性能が高い中央部の解像性能を不必要なまでに高くすることがなく、モアレなどの不具合の発生も抑制され、かつ中央部と端部の解像性能のバランスをとることが可能である。
【0054】
一方、従来のサジタルストッパ39とは異なり、本発明によるサジタルストッパ40によれば、原稿3の中央部からの反射光は、端部よりも絞られず、ラインイメージセンサ37の主走査方向の中央部の照度が確保される。従って、照明光量の増大の要求を少なくすることが可能である。図12および図13を参照して、この効果について説明する。
【0055】
図12において、点線はサジタルストッパを設けない場合および従来のサジタルストッパ39を設けた場合のレンズ36による光量伝達特性分布を表し、実線は本発明によるサジタルストッパ40を設けた場合のレンズ36による光量伝達特性分布を表す。横軸は、光軸axに対応する主走査方向中心部を0とし、測定位置を原稿3の主走査方向におけるそこからの距離に換算して、原稿面上の位置として示してある。縦軸の光量伝達特性は、原稿面上の位置が0における入射光の照度に対する出射光の照度の割合を1としたときの、測定位置での出射光の照度の割合を示している。
【0056】
図12の縦軸をレンズ36の出射光の照度(光量)に換算すれば、図12は図13のように書き換えることができる。図13において、点線はサジタルストッパを設けない場合の光量分布、一転鎖線は従来のサジタルストッパ39を設けた場合の光量分布を表し、実線は本発明によるサジタルストッパ40を設けた場合の光量分布を表す。サジタルストッパ40を設けた場合の主走査方向中心部の光量を1に基準をとった。
【0057】
サジタルストッパを設けない場合には、レンズによる照度分布のcos4則により、中心から離れるほど、光量は緩やかに低下する。サジタルストッパ39を設けた場合も同様であり、光束を主走査方向全体にわたって一律にカットするため、図13の一転鎖線で示すように出射光量は低下する。全体の出射光量の低下は、サジタルストッパなしに比べて25%程度になる。
【0058】
一方、実線で示すように、本発明によるサジタルストッパ40がカットする光は、原稿3からの反射光のうち、主走査方向の端部に限定される。実線と一転鎖線とを比較することにより、サジタルストッパ40では、サジタルストッパ39に比較して光量の損失が少ないことが理解できる。従って、サジタルストッパ40によれば、照明光量ひいては消費電力の増大の要求を少なくしながら、あるいは消費電力を削減しながらも、画像端部での解像性能を良好にすることが可能である。
【0059】
上述したように、画像読取装置における消費エネルギの抑制あるいは削減は重要な課題であり、サジタルストッパ40による効果は大きい。特に、複写機に搭載された画像読取装置については、画像読取装置以外の複写機の部分、例えば画像処理部や画像出力部の消費電力、とりわけ画像出力部の熱定着装置の消費電力が非常に大きい。日本での一般オフィスでの電力アウトレットの使用電力限界は、1.5kVAであるのに対して、現状の解像度400dpiのデジタルカラー複写機では、この限界の近くまで電力を消費している。
【0060】
リニアランプ32をハロゲンランプとして、A3サイズまでを読みとれるようにその有効な発光長さを300mm程度までにすると、115W程度の定格電力となり、フリッカ防止のための交流/直流変換を行うと、変換効率が約80%で、力率が約0.5であるため、照明装置全体の消費電力は約290VAにもなる。
さらに、もし、解像度を上げるようにラインイメージセンサ37を改変した場合には、感光画素のサイズも小さくなる上、1ラインの露光時間が短くなるため、ラインイメージセンサ37の受光面の光量を大きくしなければならない。例えば、400dpiの解像度を600dpiにするには、ラインイメージセンサ37の受光面の光量は2.8倍程度まで上昇させなければならない。このことは、消費電力の増大またはレンズ36のF数の減少の要求につながる。ラインイメージセンサ37の解像度を上げるときには、処理ユニット38のヴィデオレートも向上させる必要があり、処理ユニット38の消費電力も上げなければならなくなるため、画像読取装置で消費電力を増大する余裕は極めて少ない。
【0061】
そこで、F数が3.5程度のレンズ36を使用する必要が生じるが、F数減少によりレンズ36の収差が増加し、主走査方向端部での解像性能を悪化させる。これに対して、サジタルストッパが有効であるが、従来のサジタルストッパ39では、約25%もの光量損失が生ずる。こうして3/4程度となった光量を補うには、照明電力を4/3にしなければならず、30%以上もの電力増加につながる。例えば、元の照明装置全体の消費電力が290VAであれば、約100VAも電力を増加させ、消費電力380〜390VAにしなければならない。
【0062】
これに対して、本発明によるサジタルストッパ40がカットする光は、原稿3からの反射光のうち、主走査方向の端部に限定される。このため、全体の光量の低下は、従来のサジタルストッパ39ほどではなく、光量を補うとしても、後述するように、主に主走査方向の端部を明るくするようなリニアランプ32を設けることで足りるので、消費電力も大きく増加する必要がない。
【0063】
5.光量補正の手法
上記のような主走査方向の端部を明るくする手法について次に説明する。図14(A)および図14(B)は、リニアランプ32として使用しうるハロゲンランプを示す。同図に示すように、ハロゲンランプは、石英製の長尺の管32aと、その内部に配置された複数のフィラメント32bと、管32aの端部を通じて外部に延びてフィラメント32bに給電する図示しない導入線とを有する。管32aの内部には、ヨウ素または臭素などのハロゲンが封入されている。リニアランプ32は、その長手方向が主走査方向に一致するように配置される。リニアランプ32の両端付近には、リニアランプ32の長手方向に直交するサイドリフレクタ板70が配置されている。
【0064】
図14(A)は、従来使用されているハロゲンランプを示す。このリニアランプ32では、レンズによる照度分布のcos4則に対応して、管32aの端部ほどフィラメント32bが密になるようにされている。なお、数値は距離(mm)を表す。
【0065】
図14(B)は、サジタルストッパ40を用いる場合に好適なハロゲンランプを示す。このリニアランプ32では、レンズによる照度分布のcos4則および上述のようにサジタルストッパ40による端部の照度低下に対応して、管32aの端部ほどフィラメント32bが、図14(A)よりもさらに密になるようにされている。なお、サジタルストッパ40を設けたことによる光量低下を補完するため、フィラメント32bの個数を7個から8個に増加させている。
【0066】
図15は両方のランプの照明光量分布を示す。点線が図14(A)の従来のランプに対応し、実線が図14(B)の実施形態のランプに対応する。端部のフィラメント32bの密度を大きくしたことにより、端部の光量を約3割増加させることができた。
【0067】
図16は、図14(B)のハロゲンランプから発して白色の原稿3で反射した光をサジタルストッパ40で制限して、さらにレンズ36で結像させたときのレンズ36からの出射光量の分布を示す。図12および図13に示すサジタルストッパ40に起因する端部の光量低下が、図15に示すように端部の照明光量増加により補正され、ほぼ一様な出射光量分布が得られたことが理解できる。
【0068】
サジタルストッパなしの場合にはフィラメント32bの個数が7個であるのに対して、サジタルストッパ40を設けた場合のフィラメント32bの個数は8個である。従って、消費電力は、サジタルストッパなしの場合に比べて、8/7になる。サジタルストッパなしでの照明装置全体の消費電力が290VAであれば、サジタルストッパ40を設けた場合の消費電力は約330VAにしなければならない。
【0069】
しかしながら、従来のサジタルストッパ39を設けた場合には、上記の通り、照明装置の消費電力は380〜390VAにしなければならない。これに鑑みれば、この実施形態に係る画像読取装置を単独のユニットとして用いた場合、サジタルストッパ40は、サジタルストッパ39に比べて大幅な消費電力削減に寄与することになる。また、この画像読取装置をフルカラーの複写機に設けた場合にも有利である。一般に複写機のシステム設計では、最大限の能力を得るため、使用可能電力限界の近くまで電力を消費しており、各サブシステムでの電力削減の必要性が高いためである。
【0070】
光量補正の手法は上記には限定されない。ただし、サジタルストッパ40とは逆に、原稿3の主走査方向の中央部側から反射光の幅を絞ったのでは、サジタルストッパ40の結像性能向上の効果を滅殺する結果になるので、照射光の照度が原稿3の端部側ほど高くなる照射手段が好ましい。図17(A)および図17(B)は、好適な光量補正手段を有する照射手段の例を示す。
【0071】
図17(A)において、符号80は中空の長尺の導波管を示す。導波管80は、その長手方向が主走査方向に一致するように配置される。導波管80の両端は開口しており、その両側には、点光源81が設けられている。また、導波管80の端部と点光源81の間には、点光源81で発する光を収束させながら導波管80内に導く凸レンズ82が設けられている。点光源81としては、メタルハライドランプのように発光効率のよい放電ランプまたは点灯電圧が低い高輝度LEDなどが使用可能である。
【0072】
導波管80の内周面は反射率の大きい材料で形成されているか、そのような材料でコートされている。導波管80の側部には、導波管80の長手方向に沿って延びるスリット83が形成されており、導波管80内部に導かれた光がスリット83を通じて外部に漏れ出すようになっている。この構成の下、スリット83から漏れ出して、原稿3を帯状に照射する光の照度が原稿3の端部側ほど高くなるように調節することで、上記のように配光分布が補正される。この場合、例えば、スリット83の幅が端部側ほど大きくなるようにしたり、複数のスリット83を設けてスリット開口部分の面積を導波管80の端部と中央部とで異ならせるようにしたりすることも考えられる。
【0073】
ただし、導波管80の両端から光が導入されるため、導波管80の両端側ほど漏れ出す光の量が多くなりやすい。従って、このような場合には、上記のような調節は行わず、スリット開口部分の面積が導波管80の長手方向にわたって一様であってもよい。
【0074】
図17(B)において、符号90は長尺の光散乱導光体を示す。光散乱導光体90は、例えば透明ポリマーマトリックスと、そのマトリックス中に分散され互いに異なる屈折率を有する透明材料からなる散乱粒子とからなる。この構造により、光散乱導光体90の内部を光がほとんど吸収されることなく通過すると共に、散乱粒子に反射された光が光散乱導光体90の側面から漏れ出すようになっている。光散乱導光体90は、その長手方向が主走査方向に一致するように配置される。また、光散乱導光体90に沿って、光散乱導光体90から漏れ出す光を原稿3に向けるための反射凹面鏡30が設けられる。
【0075】
光散乱導光体90の両側には、上記と同様の点光源81が設けられている。また、光散乱導光体90の端面と点光源81の間には、点光源81で発する光を収束させながら光散乱導光体90内に導く凸レンズ82が設けられている。さらに、レンズ82の近傍には、光散乱導光体90の端面にレンズ82の出射光を集中させるための中空円錐形の導波管91が配置されている。これらの代わりに、光ファイバで光散乱導光体90の端面に光を導入することも可能である。
【0076】
この構成の下、光散乱導光体90の側面から漏れ出して、原稿3を帯状に照射する光の照度が原稿3の端部側ほど高くなるように調節することで、上記のように配光分布が補正される。この場合、例えば、光散乱導光体90の散乱粒子の割合が端部側ほど大きくなるようにしたり、散乱粒子の割合が互いに異なる複数の光散乱導光体90を直列させて漏れ出す光の照度を端部と中央部とで異ならせるようにしたりすることも考えられる。
【0077】
ただし、光散乱導光体90の両端面から光が導入されるため、光散乱導光体90の両端側ほど漏れ出す光の量が多くなりやすい。従って、このような場合には、上記のような調節は行わなくてもよい。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、照明光量の増大の要求を少なくしながら、画像端部での解像性能を良好にすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る遮光装置が応用可能な画像読取装置を示す概略側面図である。
【図2】 図1に示す画像読取装置における原稿からの反射光路を展開して示す図である。
【図3】 図1に示す画像読取装置でのレンズの解像特性と、ラインイメージセンサの解像性能の関係を表す図である。
【図4】 (A)は従来の遮光装置であるサジタルストッパを示す正面図であり、(B)は反射光路に配置したこのサジタルストッパの機能を示す斜視図である。
【図5】 本発明に係る遮光装置であるサジタルストッパを示す正面図である。
【図6】 本発明に係る遮光装置であるサジタルストッパの他の例を示す正面図である。
【図7】 本発明に係る遮光装置であるサジタルストッパの他の例を示す正面図である。
【図8】 本発明に係る遮光装置が応用された画像読取装置を示す概略側面図である。
【図9】 (A)は反射光路に配置した図4に示すサジタルストッパの機能を示す斜視図であり、(B)も反射光路に配置した図4に示すサジタルストッパの機能を示す斜視図である。
【図10】 サジタルストッパを全く設けていない画像形成装置でのMTF特性を表すグラフを示す。
【図11】 図4に示すサジタルストッパを設けた画像形成装置でのMTF特性を表すグラフを示す。
【図12】 サジタルストッパを設けない場合、従来のサジタルストッパを設けた場合、および図4に示すサジタルストッパを設けた場合の結像手段(レンズ)による光量伝達特性分布を表すグラフである。
【図13】 図12と同じ場合のレンズからの出射光量分布を表すグラフである。
【図14】 (A)は画像形成装置の照射手段として従来使用されているハロゲンランプを示す正面図であり、(B)は本発明に係る画像形成装置に用いて好適なハロゲンランプを示す正面図である。
【図15】 図14(A)および図14(B)のハロゲンランプの照明光量分布を表すグラフである。
【図16】 図14(B)に示すハロゲンランプを本発明に係る画像形成装置に用いた場合のレンズからの出射光量分布を表すグラフである。
【図17】 (A)は本発明に係る画像形成装置に用いて好適な照射手段の一例を示す正面図であり、(B)は照射手段の他の例を示す正面図である。
【符号の説明】
1…キャビネット、2…プラテンガラス、3…原稿、30…反射凹面鏡、32…リニアランプ(照射手段)、32a…管、32b…フィラメント、36…レンズ(結像手段)、37…ラインイメージセンサ、37R,37G,37B…CCD感光画素列、40,50,60…サジタルストッパ(遮光装置)、41…開口部、51…ストッパセグメント、52…開口部、61…ストッパセグメント、80…導波管、81…点光源、82…レンズ、83…スリット、90…光散乱導光体

Claims (5)

  1. 原稿の幅方向全体に渡って照射光を照射する照射手段と、
    前記照射手段により照射された前記照射光の前記原稿からの反射光を遮光する遮光手段と、
    前記反射光を結像する結像手段と、
    前記結像手段により結像された前記反射光を読み取るラインセンサとを備え、
    前記遮光手段は、前記結像手段の外側に設けられ、前記ラインセンサの主走査方向の画角が小さい位置に比較して、前記ラインセンサの主走査方向の画角が大きい位置における前記ラインセンサの副走査方向の遮光量が大きく、かつ、前記ラインセンサの副走査方向の遮光幅が画角の略70%よりも大きい範囲に渡って略一定であることを特徴とする画像読取装置。
  2. 前記照射手段は、前記原稿の中心部に照射する照射光の照度に比較して、前記原稿の端部側に照射する照射光の照度が高いことを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
  3. 前記照射手段は、
    その長手方向が前記原稿の主走査方向に一致するように配置され、当該長手方向に沿って延びるスリットが側部に形成された導波管と、
    前記導波管の両端に設けられた点光源とを備えることにより、
    前記スリットから漏れ出して前記原稿に照射される前記照射光の照度が前記原稿の端部側ほど高いことを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
  4. 前記照射手段は、
    その長手方向が前記原稿の主走査方向に一致するように配置され、その内部に導かれた光を散乱させる散乱粒子を備えた光散乱導光体と、
    前記光散乱導光体の両端に設けられた点光源とを備えことにより、
    前記光散乱導光体から漏れ出して前記原稿に照射される前記照射光の照度が前記原稿の端部側ほど高いことを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
  5. 原稿の幅方向全体に渡って照射光を照射する照射手段と、
    前記照射手段により照射された前記照射光の前記原稿からの反射光を結像する結像手段と、
    前記結像手段により結像された前記反射光を読み取るラインセンサとを有する画像読取装置で、前記照射手段と前記ラインセンサとの間に設けられて、前記反射光を部分的に遮光する遮光装置であって、
    前記結像手段の外側に設けられ、前記ラインセンサの主走査方向の画角が小さい位置に比較して、前記ラインセンサの主走査方向の画角が大きい位置における前記ラインセンサの副走査方向の遮光量が大きく、かつ、前記ラインセンサの副走査方向の遮光幅が画角の略70%よりも大きい範囲に渡って略一定であることを特徴とする遮光装置。
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