JP3708709B2 - 放射能測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば原子力発電所等の放射性物質を取り扱う施設において、放射性廃棄物が収納されたドラム内部の放射能の測定、およびドラム運搬のためドラムから放出される放射線の測定を行なう放射能測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、原子力発電所、および関連研究機関、放射性元素を取り扱う研究機関、大学、病院等の施設においては、放射性廃棄物が収納されたドラム内部の放射能の測定、およびドラム運搬のためドラムから放出される放射線の測定を行なう放射能測定装置が多く用いられている。
【0003】
図9は、この種の従来の放射能測定装置の構成例を示す概要図である。
図9において、放射能測定装置は、放射性廃棄物が収納された筒状のドラム11を支持し、かつその軸線を中心として回転させる回転支持台12と、回転支持台12をドラム11の軸線方向(上下方向)に沿って移動させるドラム上下移動機構92と、ドラム11と所定の間隔を有して配置され、放射線を検出するための放射線検出器としてのGe検出器14と、Ge検出器14からの出力を処理して、ドラム11内部の放射能量を演算する放射能測定手段としてのマルチチャネルアナライザ(以下、MCAと略称する)15およびデータ処理装置16とから構成されている。
【0004】
なお、91はGe検出器14を冷却するための液体窒素用デュワー瓶である。
すなわち、従来の放射能測定装置は、重量物であるドラム(約500kg)11を、回転支持台12を用いて回転させると共に、ドラム上下移動機構92にて上下方向に移動させながら、Ge検出器14、MCA15、およびデータ処理装置16にて測定するようにしている。
また、表面線量率等は、別のセンサー(ICや半導体)にて検出するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の放射能測定装置においては、次のような課題がある。
すなわち、ドラム11としては、その内部に鉄材等の比重の大きい物質が収納されることによって、重量も最大2000kgと大きなものも測定対象となり、またドラム11の外形が従来のように一定(JIS200Lドラム)ではなく、種々の大きさのものが対象となることが予想されている。
【0006】
以上のことから、ドラム11を上下・回転動作させる上記のような構成の放射能測定装置では、ドラム上下移動機構92部分をかかる重量に耐えることのできるものとする必要があり、その結果、装置が非常に大きくまた複雑になることが予想される。
【0007】
また、放射線検出器としてのGe検出器14も、現状の固定式のものでは、被測定体としてのドラム11からの距離が異なってしまい、正確な放射能測定が行なえないという課題がある。
本発明の目的は、装置の小形化並びに簡略化を図ることが可能な放射能測定装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明では、放射性廃棄物が収納された筒状のドラム内部の放射能の測定、あるいは前記ドラムから放出される放射線の測定を行なう放射能測定装置において、前記ドラムを定位置に支持し、かつ当該ドラムをその軸線を中心として回転させる回転支持台と、前記ドラムと所定の間隔を有して配置され、放射線を検出するための放射線検出器と、前記放射線検出器を、前記ドラムの軸線方向に沿って移動させる移動機構部と、前記放射線検出器からの出力を処理して、前記ドラム内部の放射能量を演算する放射能測定手段と、前記放射線検出器と前記ドラムの被測定面との間の距離を測定する距離測定手段とを備え、前記距離測定手段からの出力に基づいて測定される前記ドラムの歪みを、前記放射能測定手段における放射能量の演算時の補正要素として取り込むようにしたもの。
【0013】
従って、請求項1の発明の放射能測定装置においては、放射線検出器とドラムの被測定面との間の距離を距離測定手段にて測定して、被測定体としてのドラムの歪みを測定し、放射能量の演算を行なう場合にその演算時の補正要素として取り込むことにより、機構部の小型化が可能となり、装置の小形化、並びに簡略化を図ることができ、これに加えて、正確な放射能測定を行なうことができる。
【0014】
一方、請求項2の発明では、上記請求項1の発明の放射能測定装置において、移動機構部は、放射線検出器に取り付けられて当該放射線検出器をドラムの軸線方向に沿って移動させる検出器移動機構部とする。
【0015】
また、請求項3の発明では、上記請求項1の発明の放射能測定装置において、移動機構部を、放射線検出器が取り付けられた支柱をドラムの軸線方向に沿って移動させる支柱移動機構部とする。
【0016】
従って、請求項2および請求項3の発明の放射能測定装置においては、検出器移動機構部あるいは支柱移動機構部にて、放射線検出器自体あるいは放射線検出器が取り付けられた支柱を移動させることにより、放射線検出器をドラムの軸線方向にスキャンすることができる。
【0017】
さらに、請求項4の発明では、上記請求項1に記載の発明の放射能測定装置において、回転支持台を、互いに径の異なったリング状の複数の支持部からなる多重リング状とする。
【0018】
従って、請求項4の発明の放射能測定装置においては、回転支持台を、リング状の複数の支持部からなる多重リング状とすることにより、上記請求項1乃至請求項3の発明の場合と同様の作用を奏するのに加えて、回転部分を被測定体としてのドラムに合わせることが可能となり、被測定体としての種々の大きさのドラムに対応することができる。
【0019】
さらにまた、請求項5の発明では、上記請求項4の発明の放射能測定装置において、多重リング状の回転支持台の任意の支持部をドラムの大きさに合わせて選択使用し、当該選択使用される支持部以外の支持部を待避させ、放射線検出器とドラムの被測定面との間の距離を適正にするように放射線検出器を支柱移動機構部にて移動させるようにする。
【0020】
従って、請求項5の発明の放射能測定装置においては、回転支持台を、リング状の複数の支持部からなる多重リング状とし、放射線検出器とドラムの被測定面との間の距離が適正になるように放射線検出器を移動させることにより、上記請求項6の発明の場合と同様の作用を奏するのに加えて、より一層正確な放射能測定を行なうことができる。
【0021】
一方、請求項6の発明では、上記請求項1の発明の放射能測定装置において、ドラムを定位置に固定設置し、放射線検出器、移動機構部、放射能測定手段、および放射能測定手段による演算結果を当該放射能測定手段と離間した測定管理手段へ無線にて送信する無線手段を、回転支持台に設置する。
【0022】
従って、請求項6の発明の放射能測定装置においては、被測定体としてのドラムを動かさないで固定とし、放射線検出器、移動機構部、放射能測定手段、および無線手段からなる測定系一式を回転させながら測定を行なうことにより、上記請求項1の発明の場合と同様の作用を奏するのに加えて、被測定体としてのドラムを動かさないで測定することが可能となり、測定結果を無線によって離間した測定管理手段へ逐次送ることができる。
【0023】
また、請求項7の発明では、上記請求項1の発明の放射能測定装置において、放射線検出器を、ドラムの両端面および当該両端面を結ぶ側面に移動させる全面移動機構部を付加し、放射線検出器によるドラム全面の測定結果を表面線量率に換算する機能を、放射能測定手段に持たせる。
【0024】
従って、請求項7の発明の放射能測定装置においては、一つの放射線検出器でドラム全面を測定して、その測定結果を放射能測定手段にて表面線量率に換算することにより、上記請求項1の発明の場合と同様の作用を奏するのに加えて、被測定体としてのドラムの運搬に必要なデータを取得することが可能となり、測定系も簡略化することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の放射能測定装置は、被測定体としてのドラムは、固定設置とするか、少なくとも回転させるのみとし、軽量である放射線検出器を被測定体であるドラムの大きさに合わせて適切な位置に移動させて、放射線検出器をドラムの軸線方向に沿って移動させながら放射能測定を行なうことにより、装置を小形化、簡便化するものである。
【0026】
以下、上記のような考え方に基づく本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態:請求項1に対応)
図1は、本実施の形態による放射能測定装置の基本的な構成例を示す概要図であり、図9と同一要素には同一符号を付して示している。
【0027】
すなわち、本実施の形態の放射能測定装置は、図1に示すように、放射性廃棄物が収納された被測定体としての筒状のドラム11を定位置に支持し、かつこのドラム11をその軸線を中心として回転させる回転支持台12と、ドラム11と所定の間隔を有して配置され、かつ支柱13に取り付けられた放射線を検出するための放射線検出器としてのGe検出器14と、Ge検出器14からの出力を処理して、ドラム11内部の放射能量を演算する放射能測定手段としてのMCA15およびデータ処理装置16と、Ge検出器14を、ドラム11の軸線方向(図示上下方向)に支柱13に沿って移動させる図示しない移動機構部とから構成している。
【0028】
ここで、Ge検出器14としては、例えば冷却剤として液体窒素を使用しない電気式(小型のスターリング冷却器、冷媒を用い、JT効果で冷却する方式等を用いる)、または電子(サーミスター)冷却器を用いる。
【0029】
次に、以上のように構成した本実施の形態の放射能測定装置においては、ドラム11内部の放射能の測定を行なう際に、ドラム11を回転支持台12にて回転させ、Ge検出器14を支柱13に沿って上下方向に移動させながら測定し、その測定結果をMCA15およびデータ処理装置16で処理して、ドラム11内部の放射能量を演算する。
【0030】
この場合、被測定体としてのドラム11は、回転支持台12にて回転させるのみとし、軽量である放射線検出器としてのGe検出器14を、ドラム11の軸線方向(上下方向)に支柱13に沿って移動させながら測定を行なうようにしていることにより、機構部を小型化することが可能となり、装置全体の小形化、並びに簡略化を図ることができる。
【0031】
さらに、Ge検出器14として、冷却剤として液体窒素を使用しない電気式、または電子冷却器を用いていることにより、放射線検出器としてのGe検出器14を小型化・軽量化することができ、上下方向の移動を容易に行なうことができる。
【0032】
上述したように、本実施の形態の放射能測定装置では、装置の小形化、並びに簡略化を図ることが可能となる。
(第2の実施の形態:請求項2に対応)
図2は、本実施の形態による放射能測定装置の構成例を示す概要図であり、図1と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0033】
すなわち、本実施の形態の放射能測定装置は、図2に示すように、距離測定手段としての距離検出器13および距離測定データ処理装置22と、検出器移動処理手段としての検出器移動処理部23および検出器移動機構部24とを、図1に付加した構成としている。
【0034】
ここで、距離検出器13は、Ge検出器14とドラム11の被測定面との間の距離を測定する。
また、この距離検出器13としては、例えば超音波距離計、レーザー距離計、ダイヤルゲージ等の距離計を用いることができる。
【0035】
距離測定データ処理装置22は、距離検出器13からの出力を処理する。
検出器移動処理部23は、距離測定データ処理装置22からの処理結果に基づいて、Ge検出器14による放射線検出時にGe検出器14とドラム11との間の距離を常に一定に保つように、Ge検出器14の位置を補正制御するための制御信号を生成する。
【0036】
検出器移動機構部24は、検出器移動処理部23からの制御信号にしたがって、Ge検出器14を移動させる。
次に、以上のように構成した本実施の形態の放射能測定装置においては、ドラム11内部の放射能の測定を行なう際に、Ge検出器14とドラム11の被測定面との間の距離を測定し、放射線検出時にGe検出器14とドラム11の被測定面との間の距離を一定に保つようにGe検出器14の位置を補正制御していることにより、Ge検出器14とドラム11とは常に一定の位置を保つことが可能となり、かかる状態で放射能測定を行なうことにより、重量物であるドラム11を正確にセンタリングしなくても、放射能測定をより正確に行なうことができる。
【0037】
上述したように、本実施の形態の放射能測定装置では、前記第1の実施の形態の場合と同様の効果が得られるのに加えて、重量物であるドラム11を正確にセンタリングしなくても、正確な放射能測定を行なうことが可能となる。
【0038】
(第3の実施の形態:請求項3に対応)
すなわち、本実施の形態の放射能測定装置は、前記第2の実施の形態の場合と同様に、距離測定手段としての距離検出器13および距離測定データ処理装置22を図1に付加し、距離測定データ処理装置22からの出力に基づいて測定されるドラム11の歪みを、前記データ処理装置16における放射能量の演算時の補正要素として取り込む構成としている。
【0039】
次に、以上のように構成した本実施の形態の放射能測定装置においては、ドラム11内部の放射能の測定を行なう際に、Ge検出器14とドラム11の被測定面との間の距離を測定して、被測定体としてのドラム11の歪みを測定し、放射能量の演算を行なう場合にその演算時の補正要素として取り込むようにしていることにより、内在する放射能演算時にその結果を反映して、正確に放射能量を求めることができる。
【0040】
上述したように、本実施の形態の放射能測定装置では、前記第1の実施の形態の場合と同様の効果が得られるのに加えて、正確な放射能測定を行なうことが可能となる。
【0041】
(第4の実施の形態:請求項4、請求項5に対応)
図3は、本実施の形態による放射能測定装置における移動機構部の構成例を示す要部概要図であり、図1と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0042】
すなわち、本実施の形態の移動機構部は、一つは、図3(a)に示すように、前記Ge検出器14に取り付けて、当該Ge検出器14を、ドラム11の軸線方向(図示上下方向)に支柱13に沿って移動させる検出器移動機構部31として構成している。
【0043】
あるいは、もう一つは、図3(b)に示すように、前記Ge検出器14が取り付けられた支柱13に取り付けて、当該支柱13を、ドラム11の軸線方向(図示上下方向)に沿って移動させる支柱移動機構部32として構成する。
【0044】
次に、以上のように構成した本実施の形態の移動機構部を備えた放射能測定装置においては、検出器移動機構部31、あるいは支柱移動機構部32にて、Ge検出器14自体あるいはGe検出器14が取り付けられた支柱13を移動させるようにしていることにより、Ge検出器14をドラム11の側面に沿って軸線方向にスキャンすることができる。
【0045】
上述したように、本実施の形態の移動機構部を備えた放射能測定装置では、前記第1の実施の形態の場合と同様の効果が得られるのに加えて、Ge検出器14をドラム11の側面に沿って軸線方向にスキャンすることが可能となる。
【0046】
(第5の実施の形態:請求項6に対応)
図4は、本実施の形態による放射能測定装置における回転支持台の構成例を示す要部概要図である。
【0047】
すなわち、本実施の形態の回転支持台は、図4に示すように、互いに径の異なったリング状の複数(本例では4つ)の支持部41a〜41dからなる多重リング状として構成している。
【0048】
次に、以上のように構成した本実施の形態の多重リング状回転支持台41を備えた放射能測定装置においては、回転支持台を、リング状の複数の支持部41a〜41dからなる多重リング状回転支持台41とするようにしていることにより、前記第1乃至第3の実施の形態の場合と同様の効果が得られるのに加えて、回転部分を被測定体としてのドラムA〜Dに合わせる、すなわちドラムA〜Dに合わせた回転支持台で回転させることが可能となり、被測定体としての種々の大きさのドラムA〜Dに対応することができる。
【0049】
上述したように、本実施の形態の多重リング状回転支持台41を備えた放射能測定装置では、前記第1乃至第3の実施の形態の場合と同様の効果が得られるのに加えて、被測定体としての種々の大きさのドラムA〜Dに対応することが可能となる。
【0050】
(第6の実施の形態:請求項7に対応)
図5は、本実施の形態による放射能測定装置の構成例を示す要部概要図であり、図4と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0051】
すなわち、本実施の形態の放射能測定装置は、図4に示すように、前記多重リング状回転支持台41の任意の支持部(本例では支持部41b)をドラム11(B)の大きさに合わせて選択使用し、この選択使用される支持部41b以外の支持部(本例では支持部41a,41c,41d)を待避させ、前記Ge検出器14とドラム11(B)の被測定面との間の距離を適正にするように、Ge検出器14を支柱移動機構部51にて移動させる構成としている。
【0052】
次に、以上のように構成した本実施の形態の放射能測定装置においては、回転支持台を、リング状の複数の支持部41a〜41dからなる多重リング状回転支持台41とし、Ge検出器14とドラム11(B)の被測定面との間の距離が適正になるように、Ge検出器14を支柱移動機構部51にて移動させるようにしていることにより、より一層正確な放射能測定を行なうことができる。
【0053】
すなわち、多重リング回転支持台41で、Ge検出器14とドラム11(B)との間の距離を適切に保つため、図5に示すように使用しない支持部41a,41c,41dを待避させ、支柱移動機構部51にてGe検出器14を適切な位置に移動する。これにより、より一層正確な放射能測定をすることができる。
【0054】
なお、Ge検出器14を取り付けているアームを伸縮させて、適正な位置に移動させることもできる。
上述したように、本実施の形態の移動機構部を備えた放射能測定装置では、前記第5の実施の形態の場合と同様の効果が得られるのに加えて、より一層正確な放射能測定を行なうことが可能となる。
【0055】
(第7の実施の形態:請求項8に対応)
図6は、本実施の形態による放射能測定装置の構成例を示す概要図であり、図1と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0056】
すなわち、本実施の形態の放射能測定装置は、図6に示すように、被測定体としてのドラム11を定位置に固定設置し、前記Ge検出器14、移動機構部、放射能測定手段としてのMCA15およびデータ処理装置16、および放射能測定手段による演算結果をこの放射能測定手段と離間した測定管理装置63へ無線にて送信する無線機61を、検出器系回転支持台62に設置する構成としている。
【0057】
次に、以上のように構成した本実施の形態の放射能測定装置においては、被測定体としてのドラム11を動かさないで固定とし、Ge検出器14、移動機構部、MCA15、データ処理装置16、および無線機61からなる測定系一式を検出器系回転支持台62に載置して、ドラム11の周囲を回転させながら放射能測定を行なうようにしていることにより、被測定体としてのドラム11を動かさないで測定することが可能となり、測定結果を無線によって測定系と離間した測定管理装置63へ逐次送ることができる。
【0058】
なお、MCA15としてボードタイプのものを用い、計算機もノート型とすることにより、軽量化を図ることができる。
上述したように、本実施の形態の放射能測定装置では、前記第1の実施の形態の場合と同様の効果が得られるのに加えて、被測定体としてのドラム11を動かさないで測定することができ、測定結果を無線によって離間した測定管理装置63へ逐次送ることが可能となる。
【0059】
(第8の実施の形態:請求項9に対応)
図7は、本実施の形態による放射能測定装置の構成例を示す概要図であり、図1と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0060】
すなわち、本実施の形態の放射能測定装置は、図7に示すように、図1における支柱13を省略し、これに代えて、前記Ge検出器14を、ドラム11の両端面(上面、底面)、およびこの両端面を結ぶ側面に移動させるように配置された全面移動機構部であるコ字形の全面測定用支柱71を付加し、さらにGe検出器14によるドラム全面の測定結果を表面線量率に換算する機能を、前記データ処理装置16に持たせた構成としている。
【0061】
次に、以上のように構成した本実施の形態の放射能測定装置においては、一つのGe検出器14でドラム11全面を測定して、その測定結果をデータ処理装置16にて表面線量率に換算するようにしていることにより、被測定体としてのドラム11移動に際して測定される表面線量率も同時に測定して、ドラム11の運搬に必要なデータを取得することが可能となり、測定系も簡略化することができる。
【0062】
図8は、ドラム11の底面を測定する場合の機構の一例を示す要部概要図である。
図8において、Ge検出器14は、支柱13に設置された検出器移動ガイド88を経て、検出器設置伸縮アーム85に受け渡され、アーム支持柱86に沿って上昇し、所定の位置にセットされる。
【0063】
また、ドラム11は、基盤87上に支持台84にて支持された突き上げ機構83および突き上げ棒81で上昇した多重リング回転支持台41上にセットされており、回転用モータ82にて回転され、同時に検出器設置伸縮アーム85が動いて、ドラム11の底面全面を測定することができる。
【0064】
さらに、ドラム11の全面の測定データは、データ処理装置16にて表面線量率に換算することができる。
上述したように、本実施の形態の放射能測定装置では、前記第1の実施の形態の場合と同様の効果が得られるのに加えて、被測定体としてのドラム11の運搬に必要なデータを取得することができ、測定系も簡略化することが可能となる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の放射能測定装置によれば、ドラム移動時に測定するドラム内在放射能および表面線量率測定において、重量物であるドラムは移動させるのではなく回転させるのみとし、軽量である放射線検出器を被測定体としてのドラムの大きさに合わせて適切な位置に移動させて、放射線検出器をドラムの軸線方向に沿って移動させながら放射能測定を行なうようにしているので、装置の小形化、並びに簡略化を図ることが可能となる。
【0066】
また、本発明の放射能測定装置によれば、一つの放射線検出器でドラム全面を測定して、その測定結果を表面線量率に換算するようにしているので、被測定体としてのドラムの運搬に必要なデータを取得することができ、測定系も簡略化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による放射能測定装置の第1の実施の形態を示す概要図。
【図2】本発明による放射能測定装置の第2および第3の実施の形態を示す概要図。
【図3】本発明による放射能測定装置の第4の実施の形態を示す概要図。
【図4】本発明による放射能測定装置の第5の実施の形態を示す概要図。
【図5】本発明による放射能測定装置の第6の実施の形態を示す概要図。
【図6】本発明による放射能測定装置の第7の実施の形態を示す概要図。
【図7】本発明による放射能測定装置の第8の実施の形態を示す概要図。
【図8】本発明による放射能測定装置の第8の実施の形態を示す概要図。
【図9】従来の放射能測定装置の構成例を示す概要図。
【符号の説明】
11…ドラム、
A〜D…ドラム、
12…回転支持台、
13…支柱、
14…Ge検出器、
15…MCA、
16…データ処理装置、
21…距離検出器、
22…距離測定データ処理装置、
23…検出器移動処理部、
24…検出器移動機構部、
31…検出器移動機構部、
32…支柱移動機構部、
41…多重リング回転支持台、
41a〜41d…支持部、
51…支柱移動機構部、
61…無線機、
62…検出器系回転支持台、
63…測定管理装置、
71…全面測定用支柱、
81…突き上げ棒、
82…回転用モータ、
83…突き上げ機構、
84…支持台、
85…検出器設置伸縮アーム、
86…アーム支持柱、
87…基盤、
88…検出器移動ガイド、
91…液体窒素用デュワー瓶、
92…ドラム上下移動機構。
Claims (7)
- 放射性廃棄物が収納された筒状のドラム内部の放射能の測定、あるいは前記ドラムから放出される放射線の測定を行なう放射能測定装置において、
前記ドラムを定位置に支持し、かつ当該ドラムをその軸線を中心として回転させる回転支持台と、前記ドラムと所定の間隔を有して配置され、放射線を検出するための放射線検出器と、
前記放射線検出器を、前記ドラムの軸線方向に沿って移動させる移動機構部と、
前記放射線検出器からの出力を処理して、前記ドラム内部の放射能量を演算する放射能測定手段と、
前記放射線検出器と前記ドラムの被測定面との間の距離を測定する距離測定手段とを備え、前記距離測定手段からの出力に基づいて測定される前記ドラムの歪みを、前記放射能測定手段における放射能量の演算時の補正要素として取り込むようにしたことを特徴とする放射能測定装置。 - 前記請求項1に記載の放射能測定装置において、前記移動機構部は、前記放射線検出器に取り付けられて当該放射線検出器をドラムの軸線方向に沿って移動させる検出器移動機構部としたことを特徴とする放射能測定装置。
- 前記請求項1に記載の放射能測定装置において、前記移動機構部は、放射線検出器が取り付けられた支柱をドラムの軸線方向に沿って移動させる支柱移動機構部としたことを特徴とする放射能測定装置。
- 前記請求項1に記載の放射能測定装置において、前記回転支持台は、互いに径の異なったリング状の複数の支持部からなる多重リング状としたことを特徴とする放射能測定装置。
- 前記請求項4に記載の放射能測定装置において、前記多重リング状の回転支持台の任意の支持部を前記ドラムの大きさに合わせて選択使用し、当該選択使用される支持部以外の支持部を待避させ、前記放射線検出器とドラムの被測定面との間の距離を適正にするように前記放射線検出器を支柱移動機構部にて移動させるようにしたことを特徴とする放射能測定装置。
- 前記請求項1に記載の放射能測定装置において、前記ドラムを定位置に固定設置し、前記放射線検出器、前記移動機構部、前記放射能測定手段、および前記放射能測定手段による演算結果を当該放射能測定手段と離間した測定管理手段へ無線にて送信する無線手段を、前記回転支持台に設置したことを特徴とする放射能測定装置。
- 前記請求項1に記載の放射能測定装置において、前記放射線検出器を、前記ドラムの両端面および当該両端面を結ぶ側面に移動させる全面移動機構部を付加し、前記放射線検出器によるドラム全面の測定結果を表面線量率に換算する機能を、前記放射能測定手段に持たせたことを特徴とする放射能測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13043398A JP3708709B2 (ja) | 1998-05-13 | 1998-05-13 | 放射能測定装置 |
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