JP3708375B2 - 熱可塑性樹脂管状体の加工装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は長尺な熱可塑性樹脂管状体に対して穴明けを行いながら所定長さの管状体に加工し、真直な形状を得る熱可塑性樹脂管状体の加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
樹脂チューブを所定長さとすると共に、所定位置に穴明けを行うため、従来は所定の素材長となっている樹脂チューブを設計寸法に切断し、この切断されたチューブに対してボール盤により穴明け加工を行っており、切断作業と穴明け作業とが別個となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の加工技術では、使用される素材長に対して設計寸法が等分でない場合、捨て代が多くなるため歩留りが悪いものとなっていた。また、樹脂チューブの切断と穴明けとが別工程であるため、各工程に合わせた切断装置と穴明け装置とを必要としており、加工のための装置数が多くなっていると共に、加工の処理工程が煩雑となっていた。このことはまた、切断と穴明けとを連続的に、しかも自動的に行うことができないものであり、樹脂チューブ加工の迅速化を妨げる要因となるものであった。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、所定の長さに切断する加工と穴明けを行う加工とを長尺な熱可塑性樹脂管状体に対して連続的に、自動的に行うことができ、また、多種少量生産的にも適用することができる加工装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明の熱可塑性樹脂管状体の加工装置は、熱可塑性樹脂管状体をロール状に巻回した状態で収納するドラムと、前記熱可塑性樹脂管状体を前記ドラムから引き出す供給部と、前記供給部により引き出された前記熱可塑性樹脂管状体を切断するための切断手段を有する切断部と、前記切断部の下方に設けられ前記熱可塑性樹脂管状体に穴明けを行うパンチ手段を有するパンチ部と、前記パンチ手段により穴明けされるとともに前記切断手段により切断された前記熱可塑性樹脂管状体を収容するパレット部と、前記切断部と前記パンチ部との間に設けられ、前記供給部により引き出された前記熱可塑性樹脂管状体を挿入可能な内径で形成されて前記パンチ部に前記熱可塑性樹脂管状体を案内するためのガイド筒と、前記ガイド筒を前記パレット部の上方に移動する搬送部と、前記ガイド筒が前記搬送部により前記パレット部上方に移動したときに前記ガイド筒の上方に配置され前記ガイド筒の内部に進入するロッドと、を有することを特徴とする。
【0006】
この加工装置では、供給部によりドラムから引き出された熱可塑性樹脂管状体が、切断部の切断手段により切断されるとともに、パンチ部のパンチ手段により穴明けされた後、パレット部に収容される。この際、切断部とパンチ部との間に設けたガイド筒がその内部に熱可塑性樹脂管状体を挿入した状態でパンチ部に案内する。これにより、熱可塑性樹脂管状体はそのロール癖によりガイド筒内に保持される。そして、前記ガイド筒は前記搬送部により搬送されて前記パレット部上方に移動し、このとき前記ガイド筒の上方に配置されるロッドが前記ガイド筒の内部に進入し、ガイド筒内に保持されている熱可塑性樹脂状管体を押し出す。これにより、この加工装置によって熱可塑性樹脂管状体の切断、穴明け、ガイド筒内からの押し出し等の連続的な加工を自動的に行なうことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1乃至図9は本発明の加工装置の実施の形態1を示す。図1および図2は加工装置の全体構成を示し、基台10上にコラム11が立設され、このコラム11の上端部にドラム2が取り付けられて熱可塑性樹脂管状体(以下、チューブと略記する。)1がドラム2から連続的に供給される。コラム11にはチューブ1をドラム2から引き出す供給部3と、チューブ1を所定長さに切断する切断部4と、チューブ1に穴明けを行なうパンチ部5とがチューブ1の供給方向に沿って上下方向に配設されている。
【0010】
また、切断部4とパンチ部5との間には切断されたチューブ1aを供給路から離脱させる搬送部6が設けられ、この搬送部6下方には搬送部6からのチューブ1aを受け入れるパレット部7が設けられている。8は後述するように、以上の供給部3,切断部4,パンチ部5,搬送部6およびパレット部7の作動を制御するため、コラム11の上部に設けられた制御部である。
【0011】
このような加工装置において、チューブ1はロール状に巻回されており、供給部3の作動によりロール状から連続的に供給される。図3はチューブ1を収納したドラム2を示し、コラム11に回転可能に軸支された所定径(例えば直径300m)のリール21と、リール21を覆うフード22とからなり、フード22にはチューブ1の引出しのための引出し穴23が形成されている。チューブ1は所定の巻径となるようにリール21に巻回されており、この巻回状態で引出し穴23から連続的に引き出される。
【0012】
図4はドラム2からチューブ1を引き出すための供給部3を示している。この供給部3は、ばね31によりチューブ1へのニップ方向に付勢されたローラ32と、このローラ32との間でチューブ1を挟むフィードローラ33とを備え、フィードローラ33はサーボモータ34により正逆方向に回転駆動される。
【0013】
サーボモータ34にはフィードローラ33の回転数を検出するエンコーダ(不図示)が備えられ、検出した回転数を前記制御部8(図1参照)に出力する。制御部8はエンコーダからのデータに基づいて、チューブ1の送り量を算出し、その送り量に基づいてサーボモータ34の駆動を制御する。これにより、チューブ1の所定長さが供給部3から送り出される。
【0014】
なお、供給部3に対するチューブ1の有無を検出するため、フィードローラ33の上流側には、リミットスイッチ35が配設されている。このような供給部3の駆動により、チューブ1が切断部4およびパンチ部5に対して連続的に供給される。
【0015】
図5は供給部3の下流側の各部の配置を示し、上方から切断部4,搬送部6,パンチ部5が配設されている。
【0016】
切断部4はチューブ1が挿通されるガイド穴41を有してコラム11に固定された切断ブロック42と、切断ブロック42に対向して設けられたカッタ43とを備えている。切断ブロック42におけるカッタ43との対向位置には、カッタ43が進入するスリット44が所定幅(例えば1mm)で形成されている。一方、カッタ43は所定の刃厚(例えば0.2mm)となっており、カッタ用シリンダ45の駆動により進出してチューブ1の切断が行われる。チューブ1の切断は、パンチ部5による穴明けが行なわれた後になされるものである。
【0017】
パンチ部5は搬送部6を介してチューブ1が供給され、供給されたチューブ1に対してパンチングにより穴明けを行なう。パンチ部5はコラム11に取り付けられた棚板51上に配設されており、棚板51上に立設されたピン状のダイ52と、ダイ52に形成された受け穴53内に挿脱自在に進入してチューブ1に穴明けを行なうパンチピン54と、空気圧などにより開閉してパンチピン54によるパンチング時にチューブ1を把持するハンド55とを備えている。この場合、パンチピン54は、その後部がパンチガイド57を挿通することにより、その直線移動が案内されている。
【0018】
パンチピン54はパンチ用シリンダ56の駆動により進出してチューブ1にパンチングを行なうが、本実施の形態において、このパンチピン54の進出は、待機位置、穴明け位置および抜きカス排出位置の3位置で停止するように制御されるものである。かかるパンチピン54のパンチ刃の径はチューブ1に形成する穴径に対応して設定されるものであり、このためチューブ1の穴径に応じて交換可能となっている。
【0019】
また、ダイ52はチューブ1に差し込まれるものであり、所定径(例えば外径2.9mm)に成形されるが、チューブ1の径に応じて交換可能となっている。なお、ダイ52の受け穴53はパンチピン54と所定のクリアランス(例えば0.05mm)を有するように形成されるものである。このような構成のパンチ部5はチューブ1に対してパンチングにより穴明けを行なうものであるため、穴明けに際してチューブ1にバリ等を生じることがない。
【0020】
前記搬送部6はこのようなパンチ部5と切断部4との間に設けられている。図6は搬送部6を示し、以下、図5と共に、搬送部6について説明する。
【0021】
搬送部6はチューブ1が挿通するガイド筒61を有している。このガイド筒61は切断部4における切断ブロック42のガイド穴41と、パンチ部5におけるダイ52とを結ぶ供給路に対して、その軸心が一致するように進退可能となっており、この進退を行なうため、搬送用シリンダ62のピストンロッドに取り付けられている。ガイド筒61は上記供給路への進出によりチューブ1をパンチ部5のダイ52に案内すると共に、供給路からの退出によりチューブ1aを供給路から離脱させるものである。
【0022】
前者の作動は、切断前における連続状のチューブ1に対して行なわれるが、後者の作動は切断部4によって切断されることにより所定長さとなったチューブ1aに対して行なわれる。そして、前者の作動により、チューブ1がロール癖を有していても、直線的にパンチ部5のダイ52に案内することができる。一方、後者の作動は、チューブ1のロール癖を利用することにより、チューブ1をガイド筒62内に保持するものであり、チューブ1のロール癖を有効に利用している(図9(b))。
【0023】
なお、かかるガイド筒61の進出を行なうため、ガイド筒61は切断ブロック42およびダイ52と所定のクリアランス(例えば3mm)を有するように、その長さが設定される。また、ガイド筒61はチューブ1が挿入されるものであるため、チューブ1の外径に応じた内径を有するように交換可能となっている。
【0024】
切断後のチューブ1aを保持したガイド筒61の供給路からの退出は、チューブ1aをパレット部7に移送するためであり、図6に示すように搬送部6には押出しロッド63が設けられている。押出しロッド63は押出し用シリンダ64のピストンロッドに取り付けられており、同シリンダ64の駆動により鉛直方向に上下動し、その下動によってガイド筒61内に進入し、ガイド筒61内に保持されているチューブ1aを下方に押し出すように作動する。この場合、押出しロッド63の下端部には所定径の先端金具65が交換可能に取り付けられ、チューブ1aの内径に対応した押し出しを行なうようになっている。
【0025】
また、押出し用シリンダ64およびガイド筒61の搬送用シリンダ62はテーブル66に支持されている。このテーブル66は図1に示すように、コラム3の横方向(X方向)に移動可能なX方向スライドユニット67に取り付けられている。X方向スライドユニット67は数値制御により位置決めされる電気駆動構造となっており、そのX方向への移動によりガイド筒61をパレット部7に対して相対的に移動させるものである。
【0026】
このような搬送部6下方に設けられるパレット部7は図に示すように、トレー71上に多数の直線状の芯金72が立設されて構成されている。芯金72はトレー71上に剣山状に等間隔に立設されており、各芯金72にガイド管61からのチューブ1aが差し込まれるようになっている。
【0027】
このチューブ1aの差し込みを容易にするため、芯金72の上端部分が面取り加工されている。チューブ1aの芯金72への差し込みは、搬出部6における押出しロッド63がガイド筒61内に進入してガイド筒61内のチューブ1aを押し出すことにより行なわれるが、差し込みを確実に行なうため、押出しロッド63は芯金72の上端よりも3mm程度、低くなるように下動する。このため、押出しロッド63の先端金具65と芯金72との干渉を防止する必要があり、先端金具65には所定長さの中ぐり加工が施されている。
【0028】
以上のようなパレット部7は搬送部6のガイド筒61の移動に対して、直交方向に移動するようになっている。すなわち、パレット部7は図2に示すように、Y方向スライドユニット73上に着脱自在に搭載されるものである。Y方向スライドユニット73は数値制御によって位置決め可能な電気駆動構造となっており、X方向スライドユニット67の移動方向と直交方向に移動する。これにより、ガイド筒61とパレット部7とは相互に直交方向に移動する。
【0029】
図7はこのガイド管61とパレット部7との相対位置関係を示し、相互に直交方向に移動することにより、ガイド筒61が順に、全ての芯金72に臨むため、各芯金72に対してチューブ1aを差し込むことができる。なお、芯金72はステンレスなどの耐熱性金属が使用され、また、高さはパンチ部5のダイ52と同等程度に設定される。このような芯金72に差し込まれたチューブ1aは芯金72により、そのロール癖が矯正された状態で、パレット部7と共に加熱処理される。
【0030】
前記制御部8は以上の各シリンダ、モータあるいはスライドユニットからの位置検出信号が入力され、これらの信号に基づいてチューブ1の送り量、切断タイミング等を制御する。また、制御部8に対してはチューブヘの穴明け位置、切断するチューブの長さ、チューブの加工数等の指令データを入力することができ、これらのデータに基づいて各部3,4,5,6,7の作動を制御する。なお、各シリンダやモータなどの単動を可能とするため、制御部8には単動スイッチ81が設けられている(図1参照)。
【0031】
次に、この実施の形態の作動を説明する。ドラム2からチューブ1を引き出し、供給部3のリミットスイッチ35,ローラ31,33および切断部4のガイド穴41からスリット44まで手操作で引き出す。この後、制御部8の単動スイッチ81を操作して,カッタ用シリンダ45を作動させ、カッタ43によりチューブ1の先端を切断して先端の位置出しとする。次に、制御部8のメインスイッチをオンすることにより、制御部8のシーケンスプログラムを作動させて、自動加工を開始する。
【0032】
まず、X方向スライドユニット34がチューブ1の加工位置まで移動すると共に、ガイド筒61が切断部4のガイド穴41とパンチ部5のダイ52とを結ぶ供給路と同軸となるように進入する。そして、供給部3のサーボモータ34が所定の穴明け位置までの送り量分回転することにより、チューブ1はガイド筒61を挿通してダイ52に差し込まれる。チューブ1が所定位置まで達すると、パンチングにより穴明けが行なわれる。
【0033】
図8(a)〜(f)はこの穴明けの作動を示している。同図(a)のようにチューブ1がダイ52に差し込まれると、ハンド55が閉じてチューブ1を把持する。これにより、同図(b)のようにチューブ1はダイ52に密着してダイ52との隙間がなくなるため、パンチピン54とダイ52の受け穴53との軸ずれを防止することができる。
【0034】
この把持の後、パンチ用シリンダ56が駆動してパンチピン54を穴明け位置まで押し込む。この押し込みにより、チューブ1の抜きカスAは同図(c)のように、受け穴53内に残存する。このパンチングによる穴明けの後、同図(d)のように、パンチピン54を待機位置まで引き戻すと共に、ハンド55の把持を解除して、チューブ1を開放する。
【0035】
この後、供給部3のサーボモータ34が逆回転して、チューブ1を設定長さの切断位置まで引き戻し、同図(e)のようにチューブ1をダイ52から離脱させる。チューブ1の離脱の後、パンチピン54がダイ52の受け穴53内に進入し、これにより同図(f)のように受け穴53内の抜きカスAを外に押し出し、除去する。
【0036】
一方、この抜きカスAの排出作動と並行して切断部4のカッタ用シリンダ45が駆動し、カッタ43によるチューブ1の切断が行なわれる。この切断時にあっては、チューブ1がガイド筒61内を挿通しているため、切断後のチューブ1aはガイド筒61内に保持される。
【0037】
図9はこれら切断部4の作動であり、同図(a)はチューブ1の切断時を、また、(b)は切断後を示している。切断後においては、同図(b)で示すように、チューブ1aはそのロール癖のためにガイド筒61と引掛かって落下することなく、良好に保持することができる。
【0038】
この切断の後、ガイド筒61が切断部4とパンチ部5との間の供給路から退出する。そして、ガイド筒61内に保持されているチューブ1aをパレット部7の芯金72に差し込む。すなわち、X方向スライドユニット67およびY方向スライドユニット73が作動して、ガイド管61と対応する芯金72との芯合わせが行なわれ、次に押出しロッド63がガイド筒61内に進入するように下動し、ガイド筒61内のチューブ1aを芯金72に差し込む。
【0039】
以上の作動を順次繰り返すことにより、パレット部7の全ての芯金72にチューブ1aが差し込まれる。そして、このパレット部7はY方向スライドユニット73から取り外され、そのまま加熱炉(不図示)内にセットされて、加熱処理が行なわれる。
【0040】
加熱処理においては、チューブ1aが熱可塑性樹脂からなり、しかも芯金72に差し込まれているため、チューブ1aは芯金72に倣って真直に矯正される。このため、その後、室温で放冷することにより、所定長さの真直なチューブ1aを得ることができる。なお、この加熱条件としては、チューブ1aがテフロンなどのフッ素系樹脂の場合、200℃で2時間程度であり、樹脂により適宜、変更されるものである。
【0041】
以上のような方法では、ロール状の長尺のチューブ1から穴明けおよび所定長さに切断したチューブ1aに連続的に、しかも自動で、迅速に加工することができる。しかも、制御部8に対しての指令データを変更することにより、その変更ができるため、多種少量生産に適したものとすることができる。
【0042】
図10(a),(b),(c)は、以上の装置により加工されたチューブ1aの各例を示し、同図(a),(b)のように長さが異なると共に、パンチ穴1bの位置が異なるチューブ1aの加工や、同図(c)のように、複数のパンチ穴1bを有するチューブ1aの加工ができ、これらの加工条件への変更も容易に行なうことができる。
【0043】
図11は供給部3の変形々態を示し、鉛直方向に移動するZ方向スライドユニット36と、このZ方向スライドユニット36に取り付けられてチューブ1を把持する開閉自在なエアチャック37とから構成されている。Z方向スライドユニット36は数値制御により位置決めされ、これによりチューブ1を穴明け位置および切断位置に送ることができる。
【0044】
(実施の形態2)
図12は本発明におけるパンチ部5の実施の形態2を示す。この実施の形態においては、パンチ用シリンダ56のピストンロッド先端にストッパ90が取り付けられ、このストッパ90にばね筒91が取り付けられている。
【0045】
ストッパ90に対するばね筒91の取り付けは、ストッパ90の外周面に雄ねじを形成する一方、ばね筒91内面に雌ねじを形成し、これらを螺合することにより行なわれる。このためストッパ90に対するばね筒91の螺合長さを調整することにより、ばね筒91の位置調整を行なうことができる。かかるばね筒91内には、ばね92が取り付けられている。
【0046】
また、パンチピン54は後端部に大径の頭部54aを有しており、この頭部54aがはね筒91内に挿入されることにより、パンチピン54は抜け止め状態でばね筒91にスライド可能に取り付けられている。このパンチピン54の頭部54aのばね筒91内への挿入により、ばね92が頭部54aを押圧しており、これによりパンチピン54は、ばね筒91からの突出方向に付勢されている。
【0047】
また、パンチピン54に反対方向の圧力が作用した場合には、パンチピン54はばね92に抗してばね筒91内に引き込むようになっている。なお、ばね92はその無負荷状態では、図12(c)で示すように、パンチピン54の先端がダイ52を貫通して、さらに所定長さ(例えば2mm突出するように作用するものであり、このような作動はストッパ90とばね筒91との位置調整により簡単に行なうことができる。
【0048】
90aはストッパ90に一体的に形成されたストッパ突起であり、パンチピン54の頭部54aが当接することにより、パンチピン54の引き込み方向の移動を停止させる。このパンチピン54の引き込み方向の移動についても、ストッパ90とばね筒91との位置調整によって変更することができる。
【0049】
以上の構成により図12(a)は、チューブ1に穴明けを行なう待機状態を示し、この状態でパンチ用シリンダ56が駆動すると、そのピストンロッドが伸長するため、ばね筒91がダイ52方向に移動し、ばね筒91先端のパンチピン54がチューブ1に当接する。このチューブ1への当接により、パンチピン54に圧力が作用して、同ピン54はばね92を圧縮しながらばね筒91内に引き込み移動する。
【0050】
この引き込み移動はパンチピン54の頭部54aがストッパ突起90aに当接することにより停止し、さらにピストンロッドを作動させると、ストッパ突起90aによって押圧されているため、パンチピン54はチューブ1に穴明けを行なってチューブ1内に侵入する。この侵入後にはチューブ1からの圧力が一時的に解除されるため、ばね92が伸びてパンチピン54の頭部54aはストッパ突起90aから離れる。
【0051】
従って、パンチピン54の先端部が、穴明けされたチューブ1の対面側に達しても、ストッパ突起90aからの押圧力が作用しないため、その対面側を打ち抜くことがなく、図12(b)のように、パンチピン54の先端部は抜きカスAと共に、ダイ52の受け穴53内で停止する。この後、パンチ用シリンダ56が逆駆動すると、パンチピン54はダイ52から引き抜かれ、この状態でチューブ1が上方に引き戻される。
【0052】
そして、パンチ用シリンダ56が再び駆動し、ばね筒91と共にパンチピン54を進出させると、パンチピン54はダイ52の受け穴53を貫通して反対側へ突出するため、図12(c)のように受け穴53内に残存していた抜きカスAが押し出されて除去される。
【0053】
このような実施の形態2では、パンチピン54を穴明け位置で強制的に停止させる必要がなくなるため、パンチ用シリンダ56として単一的に往復動するシリンダを使用することができ、シリンダ56の制御が容易となるメリットがある。
【0054】
図13はパンチ部5の変形々態を示し、パンチピン54内には空気通路58が軸方向に貫通している。空気通路58にはパンチ用シリンダ56に供給される圧縮空気の一部が分配供給される。このような構成では、チューブ1への穴明けの際に、空気通路58から圧縮空気が噴出しており、このため穴明けで生じた抜きカスAはチューブ1が上方に引き戻された直後に、ダイ52の受け穴53から外方に吹き飛ばされて排出される。
【0055】
従って、ダイ52の後方に受ケース93を配置することにより、抜きカスAを受ケース93内に収納することができる。この形態においても、パンチ用シリンダ56として単一的に往復動するものを使用することができる。
【0056】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、ロール状の熱可塑性樹脂管状体を基に、所定位置に穴明けされ、所定長さに切断された熱可塑性樹脂管状体を連続的に、しかも自動的に加工することができ、歩留りの良い、しかも多種少量生産に適合させることができる熱可塑性樹脂管状体の加工装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】加工装置の実施の形態1の全体構成を示す正面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】ロール状態のチューブを示す斜視図である。
【図4】供給部を示す断面図である。
【図5】切断部,搬送部,穴明け部の配置を示す斜視図である。
【図6】搬送部とパレット部の配置を示す側面図である。
【図7】搬送部とパレット部の相対移動を示す斜視図である。
【図8】(a)〜(f)は穴明け作動を示す側面図である。
【図9】(a),(b)は切断作動を示す断面図である。
【図10】(a),(b),(c)は加工されるチューブの各例を示す側面図である。
【図11】供給部の変形々態を示す斜視図である。
【図12】(a)、(b)、(c)は穴明け部における実施の形態2の作動を示す断面図である。
【図13】実施の形態2の変形々態を示す側面図である。
【符号の説明】
1 1a チューブ
2 ドラム
3 供給部
4 切断部
5 パンチ部
6 搬送部
7 パレット部
7a 芯金
Claims (1)
- 熱可塑性樹脂管状体をロール状に巻回した状態で収納するドラムと、
前記熱可塑性樹脂管状体を前記ドラムから引き出す供給部と、
前記供給部により引き出された前記熱可塑性樹脂管状体を切断するための切断手段を有する切断部と、
前記切断部の下方に設けられ前記熱可塑性樹脂管状体に穴明けを行うパンチ手段を有するパンチ部と、
前記パンチ手段により穴明けされるとともに前記切断手段により切断された前記熱可塑性樹脂管状体を収容するパレット部と、
前記切断部と前記パンチ部との間に設けられ、前記供給部により引き出された前記熱可塑性樹脂管状体を挿入可能な内径で形成されて前記パンチ部に前記熱可塑性樹脂管状体を案内するためのガイド筒と、
前記ガイド筒を前記パレット部の上方に移動する搬送部と、
前記ガイド筒が前記搬送部により前記パレット部上方に移動したときに前記ガイド筒の上方に配置され前記ガイド筒の内部に進入するロッドと、
を有することを特徴とする熱可塑性樹脂管状体の加工装置。
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