JP3707582B2 - 大断面トンネルの掘削工法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、地盤に大断面異形トンネルや大断面地下空間等を掘削する大断面トンネルの掘削工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
地盤に大断面トンネルを掘削する工法としては、例えば特開平8−093399号公報に開示された工法が知られている。この工法は、地盤における掘削しようとする大断面トンネルの周囲に周壁構造物を構築し、この周壁構造物によって囲まれた領域、つまり内部地盤を基端部から先端部に向けて掘削機により順次掘削する工法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述の掘削工法であると、被水圧のある地盤では、周壁構造物の内部地盤に、その周壁構造物の先端部から地下水が浸透し、周壁構造物の内部を基端部から先端部に向けて掘削するに伴なって地下水が噴出し、ある程度まで掘削すると地下水の噴出によって、それ以上掘削できないことがある。
【0004】
そこで、本発明は前述の課題を解決できるようにした大断面トンネルの掘削工法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
第1の発明は、掘削しようとするトンネル2の周囲に周壁構造物3を構築し、
この後に、前記周壁構造物3の内部の地盤に地下水が浸透することを防止する止水域20を、前記周壁構造物3の内部又は前部に形成し、
この後に、前記周壁構造物3内部の地盤を掘削することを特徴とする大断面トンネルの掘削工法である。
【0006】
第1の発明によれば、止水域20によって周壁構造物3内部の地盤に地下水が浸透することがないので、周壁構造物3内部の地盤を掘削する時に地下水が噴出することがない。
したがって、被水圧のある地盤に大断面トンネルを掘削することができる。
【0007】
また、周壁構造物3を構築し、その後に止水域20を形成し、その後に周壁構造物3内部の地盤を掘削するので、周壁構造物3構築の際に観察される地山の状況に応じて止水域20の形成数や形成場所を決定することができるため無駄がなく確実に施工することができる。
【0008】
また、周壁構造物3の内部に止水域20を形成すれば、その止水域20を形成する際に周囲を周壁構造物3により囲まれているために、必要な部分に確実に止水域20を形成できる。例えば、薬液注入等により止水域20を形成する場合、薬液が周壁構造物3の外側にまで拡散することがないため、止水域20を無駄なく確実に形成することができる。
【0009】
第2の発明は、掘削しようとするトンネル2の長手方向に間隔を置いた複数位置に止水域20を形成し、
この後に、前記掘削しようとするトンネル2の周囲に周壁構造物3を、前記止水域20まで構築し、
この後に、周壁構造物3内部の地盤を掘削することを特徴とする大断面トンネルの掘削工法である。
【0010】
第2の発明によれば、止水域20によって周壁構造物3内部の地盤に地下水が浸透することがないので、周壁構造物3内部の地盤を掘削する時に地下水が噴出することがない。
【0011】
したがって、被水圧のある地盤に大断面トンネルを掘削することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1(a)に示すように、地盤1の掘削しようとするトンネル2の周囲に周壁構造物3を所定長さで構築する。この周壁構造物3は特開平8−93399号公報に示すように複数の小口径トンネルで構築したり、複数のパイプで構築したり、小口径トンネルとパイプを組み合せて構築する。
【0013】
例えば、図2に示すように小口径のシールド掘削機(シールド工法)によって複数の先行小口径トンネル4と複数の後行小口径トンネル5を、掘削しようとするトンネル2の周囲に交互に掘削すると共に、各トンネル4,5の内周にセグメント6を組立する。先行小口径トンネル4の外周に形成した環状壁7で先行小口径トンネル4と後行小口径トンネル5を連続させて止水する。
【0014】
図3に示すように、推進機を用いた推進工法によって小口径のパイプ8を、掘削しようとするトンネル2の周囲に推進埋設し、隣接するパイプ8を連結して止水する。
【0015】
図4に示すように、シールド掘削機で一対のトンネル9を掘削し、各トンネル9の内部にセグメント6を組立てる。隣接するトンネル9のセグメント6上部間及び下部間に前述の推進工法によって小口径のパイプ8を推進埋設し、隣接するパイプ8を連結して止水する。
【0016】
図1(b)に示すように、周壁構造物3内部における先端部寄りに止水域20を形成する。この止水域20は図5に示すように周壁構造物3の内部から止水材21を周壁構造物3内部に充填したり、図6に示すように周壁構造物3の内部に充填用孔22を穿孔、その充填用孔22から止水材21を周壁構造物3内部に充填する。
【0017】
図1(c)に示すように、周壁構造物3の内部地盤をパワーショベル、ショベルローダ、回転式掘削機等の掘削機によって基端部から先端部に向けて掘削する。
【0018】
図1(d)のように、周壁構造物3の内部地盤を止水域20まで掘削したら、周壁構造物3を前方に向けて更に構築し、図1(e)に示すように、その周壁構造物3内部の先端部寄りに止水域20を前述と同様に形成する。この後に先の止水域20を掘削して新らたな止水域20まで周壁構造物3の内部地盤を掘削する。
【0019】
以後同様にして順次大断面トンネルを掘削する。
【0020】
以上の説明では、周壁構造物3を所定長さ毎に複数構築したが、掘削しようとするトンネル全長に亘って周壁構造物3を1度に構築しても良い。
【0021】
前記止水域20は図7に示すように、周壁構造物3の先端部から前方に亘って形成しても良いし、図8に示すように、周壁構造物3の前方に形成しても良い。また、図9に示すように、止水域20を複数形成しても良い。
【0022】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
図10(a)に示すように、地盤1における掘削しようとするトンネル2の長手方向に間隔を置いた複数位置に止水域20を形成する。この場合には止水域20は前述の図6に示す方法で形成する。なお、地盤表面からトンネルまでの距離が短かい場合には地盤表面から孔を穿けて止水材を充填して止水域20を形成しても良い。
【0023】
図10(b)に示すように、最も基端寄りの止水域20まで周壁構造物3を構築する。図10(c)に示すように、周壁構造物3内部の地盤を止水域20まで掘削する。
【0024】
図10(d)に示すように、次の止水域20まで周壁構造物3を構築し、図10(e)に示すように、前回の止水壁20から今回の止水域20までを掘削する。
【0025】
以後同様にして順次周壁構造物3内部の地盤を掘削してトンネル2を掘削する。
【0026】
この場合にも、周壁構造物3を最も基端寄りの止水壁20から最も先端寄りの止水域20まで連続して構築し、その後に周壁構造物3内部の地盤を掘削しても良い。
【0027】
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
図11(a)に示すように、周壁構造物3を複数のパイプ8を先導掘削装置30を介して推進シリンダ31で順次推進埋設したものとする。図11(b)に示すように周壁構造物3内部地盤を止水域20の一部まで連続して掘削する。先導掘削装置30、推進シリンダ31、パイプ8を外して図11(c)に示すように掘削部分をトンネル最終構造物32、例えばセグメントで被覆する。
【0028】
図11(d)に示すように、トンネル最終構造物32を反力受けとして推進シリンダ30でパイプ8を、先導掘削装置30を介して再び推進埋設し、前述の作業を繰り返す。
【0029】
この場合には止水域20を順次形成しても良いし、予じめ間隔を置いて複数形成しても良い。
【0030】
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。
図12(a)に示すように、立坑40から複数のパイプ8を先導掘削装置30を介して推進シリンダ(図示せず)で順次推進埋設し、そのパイプ8の先端寄り内部に止水域20を形成する。
【0031】
立坑40から推進機能を有する大径の筒状体50を前述の推進シリンダによって推進してパイプ8を推進すると同時に内部地盤を掘削する。この推進機能を有する大径の筒状体50は図13に示すように、筒体51の前部と後部に前部シリンダ52、後部シリンダ53を取付けたもの、あるいは図14に示すように、第1筒体54と第2筒体55を推進シリンダ56で伸縮自在としたもの等である。
【0032】
図12(c)に示すように、筒状体50が地盤内に押し込みされて所定長さの空洞部60が形成されたらトンネル最終構造物32で被覆する。この後はトンネル最終構造物32で反力を受けながら筒状体50を、自身の推進力で順次推進してパイプ8を推進し、所定長さ毎に空洞部60をトンネル最終構造物32で被覆する。
【0033】
図12(d)に示すようにパイプ8が所定位置まで推進されて止水域20まで内部地盤を掘削したら、パイプ8の先端寄り内部に止水域20を形成し、前述の作業を繰り返しする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す工程順説明図である。
【図2】周壁構造物の第1の例を示す断面図である。
【図3】周壁構造物の第2の例を示す断面図である。
【図4】周壁構造物の第3の例を示す断面図である。
【図5】止水材の注入の第1の例を示す断面図である。
【図6】止水材の注入の第2の例を示す断面図である。
【図7】止水材を形成する位置の第2の例を示す断面図である。
【図8】止水材を形成する位置の第3の例を示す断面図である。
【図9】止水材を形成する位置の第4の例を示す断面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態を示す工程順説明図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態を示す工程順説明図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態を示す工程順説明図である。
【図13】推進機能を有する筒状体の一例を示す断面図である。
【図14】推進機能を有する筒状体の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…地盤
2…トンネル
3…周壁構造物
4…先行トンネル
5…後行トンネル
6…セグメント
7…環状壁
8…パイプ
9…トンネル
20…止水域
21…止水材
22…充填用孔
30…先導掘削装置
31…推進シリンダ
32…トンネル最終構造物
40…立坑
50…筒状体
51…筒体
52…前部シリンダ
53…後部シリンダ
54…第1筒体
55…第2筒体
56…推進シリンダ
Claims (2)
- 掘削しようとするトンネル(2)の周囲に周壁構造物(3)を構築し、
この後に、前記周壁構造物(3)の内部の地盤に地下水が浸透することを防止する止水域(20)を、前記周壁構造物(3)の内部又は前部に形成し、
この後に、前記周壁構造物(3)内部の地盤を掘削することを特徴とする大断面トンネルの掘削工法。 - 掘削しようとするトンネル(2)の長手方向に間隔を置いた複数位置に止水域(20)を形成し、
この後に、前記掘削しようとするトンネル(2)の周囲に周壁構造物(3)を、前記止水域(20)まで構築し、
この後に、周壁構造物(3)内部の地盤を掘削することを特徴とする大断面トンネルの掘削工法。
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JP14191397A JP3707582B2 (ja) | 1997-05-30 | 1997-05-30 | 大断面トンネルの掘削工法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP14191397A JP3707582B2 (ja) | 1997-05-30 | 1997-05-30 | 大断面トンネルの掘削工法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH10331600A JPH10331600A (ja) | 1998-12-15 |
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JP4912839B2 (ja) * | 2006-11-15 | 2012-04-11 | 大成建設株式会社 | 多連円弧状トンネルの施工方法およびトンネルと接合体との接続構造 |
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1997
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