JP3706412B2 - オレフィンの気相重合方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の背景】
【産業上の利用分野】
本発明は特定の状態にスラリー化された固体触媒成分を用いることにより、高い触媒活性でかつ運転安定性、触媒の定量供給性の良いポリオレフィンの気相重合法を実現するものである。
【0002】
【従来の技術】
気相重合によりオレフィンの重合をすることは特公昭47−13962のように溶剤回収をする必要がないという点でコスト的により安価な製造方法である。その際の触媒供給方法としては触媒を粉体状でフィードするのが一般的で、特公昭52−45750には固体触媒を定量的に供給する方法が記載されている。しかしこの方法は固体触媒の粉体性状によって供給の安定性が左右される問題があった。
それらを改良する方法として、特開平4−91107にはスラリー状態にした予備重合触媒を反応器に供給することが記載されている。しかしスラリー溶媒が低粘度の為、触媒が沈降して触媒の定量供給ができないおそれがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、オレフィンの気相重合における触媒の安定供給と重合安定化を同時に達成することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記問題点を解決すべく検討されたものである。即ち
(1)Ti、Mgおよびハロゲンを必須成分として含有するチーグラー型触媒用固体成分(A1)を不飽和炭化水素モノマーで予備重合処理した後、25℃でのB型粘度計での測定粘度が10〜200センチポイズである不活性溶媒(A2)でスラリー(A3)とし、気相重合反応器に供給してオレフィンを重合することを特徴とするオレフィンの気相重合方法
及び
(2)(A3)のスラリー粘度が25℃でのB型粘度計での測定粘度が50〜2000センチポイズであることを特徴とするオレフィンの気相重合方法を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
<固体成分(A1)>
必須成分
成分(A1)は、チタン、マグネシウムおよびハロゲンを必須成分として含有する固体成分である。ここで「必須成分として含有する」ということは、挙示の三成分の外に合目的的な他元素を含んでいてもよいこと、これらの元素はそれぞれが合目的的な任意の化合物として存在してもよいこと、ならびにこれら元素は相互に結合したものとして存在してもよいこと、を示すものである。チタン、マグネシウムおよびハロゲンを含む固体成分そのものは公知である。本発明では、このような固体成分としては公知のものを使用できる。例えば、特開昭53−45688号、同54−3894号、同54−31092号、同54−39483号、同54−94591号、同54−118484号、同54−131589号、同55−75411号、同55−90510号、同55−90511号、同55−127405号、同55−147507号、同55−155003号、同56−18609号、同56−70005号、同56−72001号、同56−86905号、同56−90807号、同56−155206号、同57−3803号、同57−34103号、同57−92007号、同57−121003号、同58−5309号、同58−5310号、同58−5311号、同58−8706号、同58−27732号、同58−32604号、同58−32605号、同58−67703号、同58−117206号、同58−127708号、同58−183708号、同58−183709号、同59−149905号、同59−149906号各公報等に記載のものが使用される。また、これらのものをタングステンやモリブデン化合物で処理したものなども挙げられる。
【0006】
本発明において使用されるマグネシウム源となるマグネシウム化合物としては、マグネシウムハライド、ジアルコキシマグネシウム、アルコキシマグネシウムハライド、マグネシウムオキシハライド、ジアルキルマグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、マグネシウムのカルボン酸塩等があげられる。これらのマグネシウム化合物の中でもマグネシウムハライド、ジアルコキシマグネシウム、アルコキシマグネシウムハライドが好ましい。ハライドのハロゲンは塩素および臭素が代表的であり、またアルコキシは低級アルコキシが代表的である。
【0007】
また、チタン源となるチタン化合物は、一般式Ti(OR1 4-n n (ここでR1 は炭化水素残基であり、好ましくは炭素数1〜10程度のものであり、Xはハロゲンを示し、nは0≦n≦4の数を示す。)で表わされる化合物があげられる。具体例としては、TiCl4 、TiBr4 、Ti(OC2 5 )Cl3 、Ti(OC2 5 2 Cl2 、Ti(OC2 5 3 Cl、Ti(O−iC3 7 )Cl3 、Ti(O−nC4 9 )Cl3 、Ti(O−nC4 9 2 Cl2 、Ti(OC2 5 )Br3 、Ti(OC2 5 )(OC4 9 2 Cl、Ti(O−nC4 9 3 Cl、Ti(O−C2 5 )Cl3 ,Ti(O−iC4 9 2 Cl2 、Ti(OC5 11)Cl3 、Ti(OC6 13)Cl3 、Ti(OC2 5 4 、Ti(O−nC3 7 4 、Ti(O−nC4 9 4 、Ti(O−iC4 9 4 、Ti(O−nC6 134 、Ti(O−nC8 174 、Ti〔OCH2 CH(C2 5 )C4 9 4 、などが挙げられる。
【0008】
また、TiX′4 (ここではX′はハロゲンを示す)に、後述する電子供与体を反応させた分子化合物を用いることもできる。そのような分子化合物の具体例としては、TiCl4 ・CH3 COC2 5 、TiCl4 ・CH3 CO2 2 5 、TiCl4 ・C6 5 NO2 、TiCl4 ・CH3 COCl、TiCl4 ・C6 5 COCl、TiCl4 ・C6 5 CO2 2 5 、TiCl4 ・ClCOC2 5 、TiCl4 ・C4 4 O、等があげられる。これらのチタン化合物の中でも好ましいものは、TiCl4 、Ti(OC2 5 4 、Ti(OC4 9 4 、Ti(OC4 9 )Cl3 等である。
【0009】
また、一般式Ti(OR2 3-p p (ここで、R2 は炭化水素残基であり、好ましくは炭素数1〜10程度のものであり、Xはハロゲンを示し、pは0≦p≦3の数を示す。)で表わされるチタン化合物も使用可能である。そのようなチタン化合物の具体例としては、TiCl3 、TiBr3 、Ti(OCH3 )Cl2 、Ti(OC2 5 )Cl2 等がある。さらに、ジシクロペンタジエニルジクロロチタニウム、ジシクロペンタジエニルジメチルチタニウム、ビスインデニルジクロロチタニウム等のチタノセン化合物の使用も可能である。
【0010】
ハロゲン源としては、上述のマグネシウムおよび(または)チタンのハロゲン化合物から供給されるのが普通であるが、他のハロゲン源、例えばアルミニウムのハロゲン化物やケイ素のハロゲン化物、リンのハロゲン化物といった公知のハロゲン化剤から供給することもできる。また、電子供与体としてのエステル(詳細後記)をそのアシルハライド(例えばフタル酸クロライド)の形で使用して、そのハロゲンをハロゲン源として利用することもできる。触媒成分中に含まれるハロゲンはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素またはこれらの混合物であってもよく、特に塩素が好ましい。
【0011】
成分(A1)の組成比
上記各成分の使用量は、本発明の効果が認められるかぎり任意のものでありうるが、一般的には、次の範囲内が好ましい。チタン化合物の使用量は、使用するマグネシウム化合物の使用量に対してモル比で1×10-4〜1000の範囲内がよく、好ましくは0.01〜10の範囲内である。ハロゲン源としてそのための化合物を使用する場合は、その使用量はチタン化合物および(または)マグネシウム化合物がハロゲンを含む、含まないにかかわらず、使用するマグネシウムの使用量に対してモル比で1×10-2〜1000、好ましくは0.1〜100、の範囲内である。電子供与性化合物を使用するときの使用量は、上記のマグネシウム化合物の使用量に対してモル比で1×10-3〜10、好ましくは0.01〜5、の範囲内である。
【0012】
成分(A1)の製造
成分(A1)の固体成分は、上述のチタン源、マグネシウム源およびハロゲン源、更には必要により電子供与体等を用いて、例えば以下の様な製造法により製造される。
(イ)ハロゲン化マグネシウムとチタン含有化合物と必要に応じて電子供与体とを接触させる方法。
(ロ)アルミナまたはマグネシウムをハロゲン化リン化合物で処理し、それにハロゲン化マグネシウム、電子供与体、チタンハロゲン含有化合物を接触させる方法。
(ハ)ハロゲン化マグネシウムとチタンテトラアルコキシドおよび特定のポリマーケイ素化合物を接触させて得られる固体成分に、チタンハロゲン化合物および(または)ケイ素のハロゲン化合物を接触させる方法。
このポリマーケイ素化合物としては、下式で示されるものが適当である。
【0013】
【化1】
Figure 0003706412
【0014】
(ここで、R3 は炭素数1〜10程度の炭化水素残基、qはこのポリマーケイ素化合物の粘度が1〜100センチストークス程度となるような重合度を示す。)これらのうちでは、メチルハイドロジエンポリシロキサン、エチルハイドロジエンポリシロキサン、フェニルハイドロジエンポリシロキサン、シクロヘキシルハイドロジエンポリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、などが好ましい。
【0015】
(ニ)マグネシウム化合物をチタンテトラアルコキシドおよび電子供与体で溶解させて、ハロゲン化剤またはチタンハロゲン化合物で析出させた固体成分に、チタン化合物を接触させる方法。
(ホ)グリニャール試薬等の有機マグネシウム化合物をハロゲン化剤、還元剤等と作用させた後、これに必要に応じて電子供与体とチタン化合物を接触させる方法。
(ヘ)アルコキシマグネシウム化合物にハロゲン化剤および(または)チタン化合物を電子供与体の存在もしくは不存在下に接触させる方法。
【0016】
接触温度は、−50〜200℃程度、好ましくは0〜100℃程度、である。接触方法としては、回転ボールミル、振動ミル、ジェットミル、媒体攪拌粉砕機などによる機械的な方法、不活性希釈剤の存在下に、攪拌により接触させる方法などがあげられる。このとき使用する不活性希釈剤としては、脂肪族または芳香族の炭化水素およびハロ炭化水素、ポリシロキサン等があげられる。これらの接触に際しては、本発明の効果を損なわない限りにおいて、上記の成分以外のその他の成分、たとえばメチルハイドロジエンポリシロキサン、ホウ酸エチル、アルミニウムトリイソプロポキシド、三塩化アルミニウム、四塩化ケイ素、四価のチタン化合物、三価のチタン化合物等を共存させることも可能である。このようにして、チタン、マグネシウムおよびハロゲンを必須成分として含有するチーグラー触媒用固体成分(A1)が得られる。
【0017】
<予備重合>
本発明の固体触媒成分(A1)は、前記Ti、Mg、Clからなる固体成分を少くとも1つの不飽和炭化水素モノマーで予備重合したものである。
予備重合に使用する不飽和炭化水素モノマーとしては、オレフィンである。そのようなエチレン性不飽和化合物の具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデカン、1−トリデカン、1−テトラデカン、1−ペンタデカン、1−ヘキサデカン、1−ヘプタデカン、1−オクタデカン、1−ノナデカン、スチレン、α−メチル−スチレン、ジビニルベンゼン、1,2−ブタジエン、イソプレン、ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−ペンタジエン、ヘキサジエン、1,2−ヘプタジエン、1,4−ヘプタジエン、1,5−ヘプタジエン、1,6−ヘプタジエン、ジシクロペンタジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,9−デカジエン、1,3−テトラデカジエン等があげられる。これらは、有機アルミニウム化合物と共に固体成分と接触させて重合するのがふつうである。
【0018】
予備重合条件は特に制限はないが、一般的には次の条件を用いる。重合温度としては0〜100℃が好ましく、10〜90℃がより好ましい。重合量としては、固体成分1gあたり0.001〜50gのオレフィン類を重合させることが好ましく、0.1〜10gのオレフィン類を重合させることがより好ましい。
予備重合時に使用することがある有機アルミウム化合物成分としては、チーグラー型触媒の有機アルミニウム化合物として一般的に知られているものが使用できる。具体例としては、後述する有機アルミニウム化合物、の説明の項に示す化合物が使用できる。
【0019】
予備重合時の有機アルミニウム成分の使用量は、固体成分(A)のなかのTi成分に対してAl/Ti(モル比)で0.2〜20が好ましく、0.5〜10がより好ましい。
重合法も特に制限はないが、一般的には、スラリー重合法、気相重合法を使用して行われ、連続重合、回分重合いずれでもよい。特にスラリー重合が好ましい。スラリー重合の場合の溶媒としては、一般にブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の沸点が150℃以下の炭化水素が用いられる。
【0020】
また予備重合時に分子量制御の為に水素を共存させてもよい。
所定量のオレフィンを重合して得られた予備重合工程後の固体触媒成分(A1)は、予備重合で溶媒を使用したときはその溶媒を除去し25℃でのB型粘度計での測定粘度が10〜200センチポイズの不活性溶媒(A2)でスラリーとされる。
【0021】
不活性溶媒(A2)
予備重合工程後の固体触媒成分(A1)をスラリー化する不活性溶媒(A2)は潤滑油や流動パラフィンが用いることができるが、これに限定されるものではない。例えば直鎖及び分岐型不活性飽和炭化水素を用いることができるかかる不活性溶媒(A2)の粘度はB型粘度計(東京計器製)での25℃における測定値が、好ましくは10〜200センチポイズ、より好ましくは20〜150センチポイズである。
【0022】
固体触媒スラリー(A3)
スラリー触媒の調整は予備重合工程後の固体触媒成分(A1)を不活性溶媒(A2)と混合して固体触媒成分スラリー(A3)とする。
予備重合をスラリー法で行ったときは、使用した溶媒を遠心分離法、濾過法、傾斜法あるいは乾燥によって除去し、不活性溶媒(A2)を加える。
本発明において、予備重合に使用した溶媒の除去とは、厳密な意味ではなく、予備重合体を含む固体触媒成分が湿潤し、あるいは溶媒にしたされる程度に溶媒を伴っていてもよい。
【0023】
本発明においては、予備重合工程後の固体触媒成分を乾燥して一度粉体状とした後、不活性溶媒(A2)によりスラリー化する方が本発明効果を発現する上で好ましい。その理由は触媒の細孔が完全に不性溶媒(A2)によって置き換わるためと推定される。該予備重合スラリー成分(A3)の粘度はB型粘度計での25℃における測定値が170〜2000センチポイズ好ましくは170〜1000センチポイズである。固体触媒スラリー成分(A3)中の固体触媒成分の濃度25〜40wt%である
【0024】
気相重合反応器への供給
得られた固体触媒スラリー(A3)は気相重合反応器に供給される。
気相重合反応器への供給は、ポンプで昇圧してノズルより噴霧することもでき、また、窒素等の不活性ガスあるいはヘキサン等のパラフィンを気相又は液相のキャリアーとして気相重合反応器へ吹き込むこともできる。
供給位置は、気相重合反応器が流動床方式の場合には、流動床下部に供給するのが一般的である。
供給は、連続的あるいは間歇的いずれでもよいが連続的に供給するのが望ましい。
【0025】
<オレフィン重合>
有機アルミニウム化合物
前記固体触媒成分とオレフィン重合時に組み合わせる有機アルミニウム化合物は、具体的には、一般式R7 3-p AlXp またはR8 3-q Al(OR9 q (ここで、R7 およびR8 は各々同一または異なってもよい炭素数1〜20程度の炭化水素残基または水素原子、R9 は炭化水素残基、Xはハロゲン、pおよびqはそれぞれ0≦p<3、0<q<3の数、である)で表されるものがある。具体的には(イ)トリアルキルアルミニウム、たとえば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムおよびトリデシルアルミニウムなど、(ロ)アルキルアルミニウムハライド、たとえば、ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジイソブチルアルミニウムモノクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライドおよびエチルアルミニウムジクロライドなど、(ハ)ジアルキルアルミニウムハイドライド、たとえば、ジエチルアルミニウムハイドライドおよびジブチルアルミニウムハイドライドなど、(ニ)アルミニウムアルコキシド、たとえば、ジエチルアルミニウムエトキシドおよびジエチルアルミニウムフェノキシなど、があげられる。中でもトリアルキルアルミニウムが好ましく、特に炭素数1〜4の炭化水素基を有するものが好ましい。
【0026】
これらの有機アルミニウム化合物は、各群内および(または)各群内で2種以上併用することができる。たとえば、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムアルコキシドの併用、ジエチルアルミニウムモノクロライドとジエチルアルミニウムエトキシドの併用、エチルアルミニウムジクロライドとジエチルアルミニウムエトキシドの併用、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムエトキシドとジエチルアルミニウムモノクロライドの併用等、があげられる。
【0027】
重合条件
気相重合条件は特に制限はないが、一般的には、次の条件を用いる。
反応器の型式は気相流動床反応器、攪拌翼付き反応器等が好ましいが、気相流動床反応器が特に好ましい。重合温度は10〜100℃が好ましく、50℃〜90℃がより好ましい。重合圧力は流動層の流動状態にもよるが、1〜50kg/cm2 が好ましく、5〜30kg/cm2 がより好ましい。気相流動層におけるガス空塔速度は製品ポリマーの性状にもよるが、5cm/s〜120cm/sが好ましく、30cm/s〜90cm/sがより好ましい。
【0028】
重合に用いる不飽和炭化水素モノマーはエチレン性不飽和炭化水素化合物で、具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等があげられる。
また、これらの不飽和炭化水素と共に、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等を共重合させても良い。また分子量制御の為に水素を共存させても良い。
【0029】
【実施例】
以下、本発明を具体的な実施例により説明するが本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
〔固体触媒成分(A1)の製造〕
充分に窒素置換した攪拌翼付10リットルのステンレス鋼製オートクレーブに脱水および脱酸素したn−ヘプタン1.91を導入し、次いでMgCl2 2.6モル、Ti(O−nC4 9 4 を5.4モル導入し、90℃で1.5時間反応させた。反応終了後、40℃に温度を下げ、次いでメチルヒドロポリシロキサン(20センチストークスのもの)を393ミリリットル導入し、4時間反応させた。生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。ついで充分に窒素置換した攪拌翼付10リットルのステンレス鋼製オートクレーブに、上記で合成した固体成分に、さらにn−ヘプタンを加えて5リットルにした。ついで、25℃で、エチルアルミニウムジクロリド0.30モルを20分で滴下し、さらにSiCl4 9.7モルを20分で滴下して3時間反応させた後、90℃に昇温してさらに3時間反応させた。反応生成物は、n−ヘプタンで充分洗浄した。次いで、反応生成物の固体成分100グラムをとりエチルアルミニウムジクロリド0.36モル(25wt%ヘプタン溶液)を滴下し、35℃で2時間反応させた。反応生成物はn−ヘプタンで充分洗浄し、減圧乾燥した。このもののTi担持率は4.70wt%であった。充分に窒素置換した攪拌翼付10リットルのステンレス鋼製オートクレーブに、充分に精製したn−ヘプタン5リットルおよび上記で得た固体触媒成分100グラム導入し、さらにトリイソブチルアルミニウム20グラムを導入した。次いで、水素を1.5kg/cm2 Gまで導入した後、80℃にてエチレンを150グラム/時間の速度で2時間導入した。生成物をn−ヘプタンで充分洗浄し、減圧乾燥して固体触媒成分(A1)とした。なお、エチレンの重合量は、3.7グラム/グラム固体成分であった。この固体触媒成分(A1)の平均粒径は35.7ミクロンであった。
【0030】
〔固体触媒スラリー成分(A3)の製造〕
不活性溶媒(A2)としてエッソ社クリストール352を用いた。(25℃における粘度120センチポイズ)。充分にN2 置換したフラスコ中で不純物を取り除いたクリストール352 687gに固体触媒成分(A1)を370g加え重量濃度で35wt%になるように固体触媒スラリー(A3)を調整し、2時間攪拌した。該スラリー触媒の粘度をB型粘度計で測定したところ、25℃において660センチポイズであった。
【0031】
〔重合〕
気相流動層でエチレンと1−ブテンの共重合を反応圧力18kg/cm2 G、反応温度85℃、流動層内のガス空塔速度0.60m/sで実施した。有機アルミニウムはトリイソブチルアルミニウムを使用した。反応器に固体触媒スラリー(A3)をN2 ガスをキャリヤガスとして供給し、エチレン共重合体を得た。触媒活性は固体触媒成分(A1)当たり2300であった。3日間連続運転した結果、安定運転が実施できた。
【0032】
<実施例2>
固体触媒成分(A1)は実施例1と同様で、固体触媒スラリー(A3)としてエッソ社クリストール102(25℃における粘度30センチポイズ)を用いた。スラリー触媒調整法、スラリー濃度、重合法は実施例1と同様である。該スラリー触媒の粘度は実施例1と同様の条件で、170センチポイズであった。
重合した結果、触媒活性は固体触媒スラリー(A3)中の固体触媒成分(A1)当たり2100であった。3日間連続運転した結果、安定運転が実施できた。
【0033】
<比較例1>
実施例と同一の反応条件に固体触媒成分(A1)を特公昭52−45750記載の装置を用いN2 ガスをキャリヤガスとして粉体のままフィードした。触媒活性は固体触媒成分(A1)当たり1200であった。反応を開始して10日目に流動床下部の温度が上がり、反応を停止した。反応器を開放した結果ポリマーの溶融した固まりが発見された。また触媒フィードも度々停止した。
【0034】
<比較例2>
実施例と同一の重合条件に、不活性触媒(A2)にイソペンタン(粘度0.20センチポイズ)を用いて固体触媒成分(A1)をスラリー化した触媒をN2 ガスをキャリヤガスとしてフィードした。フィード開始後12時間で触媒フィードチューブが詰まり、触媒フィードができなくなった。
【0035】
比較例3>
固体触媒成分(A1)をエッソ社クリストール356でスラリー濃度が重量比で50wt%になるように調整した。(スラリー粘度は25℃において3500センチポイズであった)これを実施例と同一の重合条件に触媒をN ガスをキャリヤガスとしてフィードしたところ、36日間で触媒フィードチューブが詰まり、触媒フィードができなくなった。

Claims (3)

  1. Ti、Mgおよびハロゲンを必須成分として含有するチーグラー型触媒用固体成分(A1)を不飽和炭化水素モノマーで予備重合処理した後、25℃でのB型粘度計での測定粘度が10〜200センチポイズである不活性溶媒(A2)でスラリー(A3)とし、25℃でのB型粘度計での測定粘度が170〜2000センチポイズ、かつ、スラリー(A3)中の固体触媒成分の濃度が25〜40wt%で、気相流動床重合反応器に供給して、流動層内のガス空塔速度5cm/s〜120cm/sで、オレフィンを重合することを特徴とするオレフィンの気相重合方法。
  2. 重合温度が10〜100℃、重合圧力が1〜50kg/cmであることを特徴とする請求項1記載のオレフィンの気相重合方法。
  3. 不活性ガスあるいはパラフィンを気相又は液相のキャリアーとして重合反応器に供給することを特徴とする請求項1又は2に記載のオレフィンの気相重合方法。
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