JP3705369B2 - ガス発生器 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車の主として助手席用の乗員保護装置に使用されるガス発生器に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の衝突時に乗員を保護するエアバッグ装置のガス発生器において助手席側は運転席側に比べてステアリングホィールの支持がないこと及び運転者の着座位置がほぼ固定されているのに対し、助手席側搭乗者の着座位置の許容幅が大きいことから助手席側のエアバッグは大きな容量を要する。しかし、助手席用として運転席用ガス発生器の高さを増したものは径が大きく、車への取り付けスペースが大きくなるという欠点がある。そこで径が小さく、軸方向(長手方向)の長い方が適切である。この径が小さく軸方向に長いガス発生器としては、半径方向にガス発生剤とフィルタ部材(冷却/濾過部材)を同心円状に配置した形態のものと軸方向にガス発生剤とフィルタ部材を配置した形態のものとがある。
【0003】
しかし、半径方向にガス発生剤とフィルタ部材を同心円状に配置した形態のものはガス発生剤の容器が細長くなり、点火装置からの距離が遠い所では着火に時間がかかることになり、ガス発生剤に均一に着火させるのが困難であるうえ、ガス発生剤とフィルタ部材の比率を任意に変更するのも困難である。一方、軸方向にガス発生剤とフィルタ部材を配置した形態のものにおいては、上述のような問題点はなく、中央部にガス発生剤を配置するものとして特開平1─136847号公報、特開平2─141351号公報に開示されるものがあり、両端にガス発生剤を配置するものとして特開平4─146842号公報に開示されるものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の中央部にガス発生剤を配置するガス発生器はガス発生室(ガス発生剤収納室)とフィルタ室とが完全に分離しているため、その取り付け又は接合手段が必要であり、製造に手間であるという問題点を有する。また、円筒状のガス発生室の中に径方向に進入する形で点火装置が設けられているため、ガス発生剤を吸湿から保護すべく収納する密封容器(ガス発生剤容器)の形状が複雑となり、該密封容器内へのガス発生剤の充填や密封容器のシールが困難であるという問題点も有する。さらに、ガス発生器の性能を安定させるためには、ガス発生剤燃焼時のこの密封容器の破れが均一であることが求められる。
【0005】
また、上述の両端にガス発生剤を配置するものは両端のガス発生剤に点火するのに複数の点火装置が必要である。
【0006】
本発明は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、構造が簡単で製造容易かつ安定した性能が得られる助手席用ガス発生器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明におけるガス発生器は、長尺状の円筒容器と、該円筒容器の軸方向中央部に配置される点火によりガスを発生するガス発生部と前記ガス発生部の両側に配置される該ガスを冷却・濾過するフィルタ室とに区画する隔壁と、該ガス発生部とフィルタ室とを連通するよう前記隔壁の中心に1つ設けられたオリフィスと、前記ガス発生部中央部において前記ガス発生部内を2つのガス発生室に区画するために径方向に収納された点火装置及び伝火薬と、前記円筒側面に前記点火装置と外部とを接続する手段と、前記フィルタ室と外部を連通するよう前記容器に設けられたガス流出孔とを備え、前記ガス流出孔は、フィルタ室の容器周面に開口し、前記フィルタ室は、オリフィス開口部を最内筒として同心状に、前記ガス流出孔開口部の両側のフィルタ室壁面から交互に軸方向に延びる複数の案内筒と、該複数の案内筒により形成されるオリフィスからガス流出孔に至るジグザグ状のガス流路の少なくとも最初の屈曲部に配設される中間フィルタと、前記ガス流出孔の手前に配設される最終フィルタと、前記最内筒の先端部に開口するバイパス用ガス孔とを備えてなる
【0008】
また、前記ガス発生部は、点火によりガスを発生するガス発生剤と、このガス発生剤を収納するガス発生剤容器と、該ガス発生剤容器を収納する前記ガス発生室とを備え、前記オリフィスは、前記ガス発生室を連通し、かつ前記ガス発生剤容器に隣接して設けられたものであり、前記ガス発生剤容器は、前記オリフィスの口径内と隣接する部分が、ガス発生剤の反応に伴うガス発生室の圧力上昇により、所定の圧力で前記オリフィス方向に破れるものであることが好ましい。
【0009】
また、前記オリフィスは、前記ガス発生剤容器の膨らみ変形部分を、前記円筒容器内において前記オリフィスに対し前記ガス発生剤容器と反対側に設けられたフィルタ部材と接触させない深さ及び径を有する孔であることが好ましい。
【0010】
また、本発明におけるガス発生器は、前記円筒容器内において前記オリフィスに対し前記ガス発生剤容器と反対側に、かつ、前記ガス発生剤容器の破れ時にその破れ変形を妨げない位置にフィルタ部材が配置されてなるものであってもよい。
【0013】
【作用】
上記構成によれば、点火室の両側に対称にガス発生室、フィルタ室を区画すると、円筒容器の一端に点火室を設ける従来のガス発生器を、点火室を共有してガス発生室、フィルタ室を左右対称に配置した形とすることができ、点火室の分のスペースを節約しつつガス発生量を倍増させることができる。また、上記構成によれば、ガス発生剤の燃焼が安定することによりその密封部材の破裂にばらつきが少なく安定した性能を得ることができる。
【0014】
また、上記構成は、円筒容器軸方向中心にある点火室に点火装置及び伝火薬を径方向に配置することにより可能となり、かつ、円筒容器の長さを短くすることができる。
【0015】
また、1つのガス発生室に1つのオリフィスのみを設けると、ガス発生剤容器の破裂(破れ)が安定した圧力で行われる。
【0016】
また、フィルタ室に、容器の中心部に設けた1つのオリフィスから容器外周に設けたガス流出孔に至るジグザグ状のガス流路を設けると、容器の中心部から外周へ向かうほどガスの流路面積が大きくなり、流路をジグザグ状に曲げる割りには圧力損失が増加しない。このため効果的にスラグを捕集することができる。
【0018】
また、ガス流出孔をフィルタ室の容器周面に開口させ、フィルタ室に、オリフィス開口部を最内筒として同心状に、前記ガス流出孔開口部の両側のフィルタ室壁面から交互に軸方向に延びる複数の案内筒と、該複数の案内筒により形成されるオリフィスからガス流出孔に至るジグザグ状のガス流路の少なくとも最初の屈曲部に配設される中間フィルタと、前記ガス流出孔の手前に配設される最終フィルタと、前記第1の案内筒の先端部に開口するバイパス孔とを備えてなるものとすると、ジグザグ状ガス流路の最初のガス流屈曲部に中間フィルタが配設されるので慣性捕集効果により効率よくスラグが捕集される。一方、この屈曲部により圧力損失が生じるが、この圧力損失の大きさに応じて最内筒の先端部に開口するバイパス用ガス孔を通過するガス流の量が増加する。このため該屈曲部に大きな圧力損失が生じるのが防止され、容器側壁が軸方向に大きなガス圧力を受けて破損するのが防止される。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照しつつ説明する。なお、本発明の実施例を示す前に、参考例1を説明する。図1は参考例の助手席用ガス発生器の構成及び作動を示す断面図である。本参考例は、余り大きなガス発生容量を必要としない所謂フェイスバッグ用のガス発生器であり、円筒容器の一端に点火室を設けた場合のである。
【0020】
まず構成を説明する。図1において、助手席用ガス発生器1は、長尺状の円筒容器2を備えており、この円筒容器2は、例えば円筒部2aの両端に蓋部2b、2cを溶接等で接合して形成される。この円筒容器2の一端に、開口部を有する中空円筒状の第1仕切り部材4が嵌挿され、この仕切り部材4の中空部3が点火室を構成し、該点火室3に前記開口部から径方向に順に、奥に伝火薬26、これに接して点火装置(スクイブ)25が配置して収納されている。点火装置25はキャップ部材21で固定され、そのリード線20はキャップ部材21の貫通孔から外部に導出され、図示されない電源に接続されている。点火室3から軸方向の所定位置に、凹部6aを有する円板状の第2仕切り部材6が該凹部6aを容器他端側に向けて嵌挿されており、この第2仕切り部材6と前記第1仕切り部材4と間の空間がガス発生室5を、また第2仕切り部材6と容器蓋部2bとの間の空間がフィルタ室10を構成している。第2仕切り部材6は、蓋部材の溶接前に、圧入又は螺合により所定位置に挿入される。ガス発生室5にはペレット状のガス発生剤7が密封容器(ガス発生剤容器)8に密封されて収納されている。前記第1仕切り部材4には伝火薬26とガス発生室5とを連通する通孔4aが設けられ、また、前記第2仕切り部材6の中心にはオリフィス9が開口しており、このオリフィス9の中心軸すなわちフィルタ室の中心軸上に円板状の第1中間フィルタ部材12がフィルタホルダ18に支持されて、該第2仕切り部材6と所定の間隔17で配置されている。フィルタ室10の容器2の周面には、ガス流出孔16が設けられ、このガス流出孔16が位置する部分の容器内側に円筒状の最終フィルタ部材15が配置されている。さらに、フィルタホルダ18とこの最終フィルタ部材15との間に段付き円筒状の案内部材19が設けられて、ジグザグ状のガス流路が形成されており、このジグザグ状のガス流路の屈曲部、すなわち容器蓋部2bの内側及び第2仕切り部材6の凹部6aにそれぞれ円板状の第2中間フィルタ部材13、中空円板状の第3中間フィルタ部材14が配置されている。特に図示の如く、第1中間フィルタ部材12及びそのホルダ18は、第2中間フィルタ部材13に当接し、第3中間フィルタ部材14は、案内部材19に当接していてもよい。このように、容器の中心部に設けた1つのオリフィスから外周に設けたガス流出孔16に至るジグザグ状のガス流路を設けると、容器の中心部から外周へ向かうほどガスの流路面積が大きくなり、流路をジグザグ状に曲げる割りには圧力損失が増加しない。このため効果的にスラグを捕集することができる。
【0021】
上記構成では、ガス発生室5で発生するガスによる軸方向の圧力は、一方は第1仕切り部材4を介して容器蓋部2cで、他方は第2仕切り部材6、最終フィルタ部材15、案内部材19を介して容器蓋部2bでそれぞれ支えられるようになっている。このため、これら部品の強固な固定手段は必要とせず、内部構造が簡素化されている。
【0022】
第1仕切り部材4、第2仕切り部材6には、アルミニウム等の軽量構造材又はステンレス鋼の如き鋼材でプレス成形された成形体が使用される。第1〜第3中間フィルタ部材12〜14には、例えば網目金網、畳織り金網等を巻回したものが使用される。最終フィルタ部材15には、セラミックフィルタ、金属ファイバフィルタ等が使用される。
【0023】
密封容器8はガス発生剤が吸湿しないよう保護するものである。この密封容器8は例えばアルミ等の薄い金属箔製の中空円筒状の容器であって、カップ部8aと、蓋部8bとからなり、カップ部8aにガス発生剤7を充填後、蓋部8bの縁をカップ部8aの端部にカシメ8c等によりシールされる。このように形状が簡単な円筒状となるため加工及びガス発生剤7の充填が容易となり、シールも容易となる。なお、ガス発生剤が吸湿性を問題にしない物質で構成される場合には、該容器8には密封性は要求されず、単なる入れ物であればよい。
【0024】
第2仕切り部材6のオリフィス9の径は、密封容器8の材料厚に対し、密封容器8が、ガス発生剤7の反応に最適なガス圧力で破れて開口するような径に設定される。この最適径は実験等により適宜求められる。また、第2仕切り部材6と第1中間フィルタ部材12との間隔17は、密封容器8が破れる際に膨らむため、この膨らみ変形を邪魔しない長さに設定される。なお、上記間隔17を設ける代わりに第2仕切り部材6の厚みを増してオリフィス9の長さを長くしてもよい。
【0025】
この助手席用ガス発生器1の組立は、例えば容器2の一方の蓋部2cを溶接で円筒部2aに接合した後、伝火薬26及び点火装置25を収納した第1仕切り部材4、ガス発生剤7を収納した密封容器8、第2仕切り部材6、フィルタホルダ18、第1及び第3中間フィルタ部材12、14、最終フィルタ部材15、案内部材19、第2中間フィルタ部材13の順に容器2内に嵌挿し、最後に蓋部2bを円筒部2aに溶接で接合して行われる。もちろん、この逆の順序で行うことも可能である。このように円筒容器内に各部品を順次嵌挿することにより組み立てられるので製造が容易である。
【0026】
つぎに、作動を説明する。図示されない衝突センサが衝突を検知すると、点火装置25が通電されて発火し、伝火薬26に点火する。点火した伝火薬26の熱風は矢印22で示すように、第1通孔4aを通ってガス発生室5に流入し、密封容器8の蓋8bを破ってガス発生剤7を加熱し、これによってガス発生剤7が燃焼(反応)して高温であるとともにスラグを含んだ多量のガスを発生する。このガスは密封容器8のカップ部8aの底部を破ってオリフィス9からフィルタ室10に流出し、矢印23で示すように第1〜第3中間フィルタ部材をジグザグに順次通過し、この間に冷却及びスラグ捕集され、最後に最終フィルタ部材15で微粒子的なスラグが捕集されて、適温で清浄なガスとなって図示されないエアバッグ内に放出される。
【0027】
このとき、密封容器8は、オリフィス9が1つであるため安定して所定の最適ガス圧力で破れて開口する。すなわち、従来の助手席用ガス発生器のように、小径のオリフィスを多数設けると、密封容器8の材料厚のバラツキで開口するものと開口しないものができ、オリフィスのトータル面積が変化してガス発生器の性能がバラつくが、このように1つとすることにより、材料厚のバラツキの影響を除去することができる。また、この際に、オリフィス9と第1中間フィルタ部材12との間に所定の間隔17があるので密封容器8は変形が妨げられずに膨らみ、確実に破れる。
【0028】
次に、本発明に係る実施例を上記参考例と対比しながら説明する。図2は本発明に係る第1実施例のガス発生器の構成及び作動を示す断面図である。本実施例は、大きなガス発生容量を必要とする所謂フルバッグ用のガス発生器に適し、円筒容器の中央部に点火室を設けた場合の実施例である。
【0029】
図2において、図1と異なる点は、図1で容器2の一端に設けられた点火室3が図2では容器42の中央部に共通の点火室43として設けられ、その両側に図1のガス発生室5、フィルタ室10に相当するガス発生室45a、45b、フィルタ室50a、50bが左右対称に配置されている点である。すなわち、助手席用ガス発生器41は、円筒部42aの両端に蓋部42b、42cを接合してなる長尺状の円筒容器42の中央部に、開口部を有し内部に径方向に配置された点火装置25、伝火薬26を収納する中空円筒状の第1仕切り部材44が嵌挿されており、この仕切り部材44の一対の側壁44a、44bが仕切り壁を、中空部43が点火室を構成する。この第1仕切り部材44は例えば圧入により位置決めされる。前記点火室43の両側の軸方向の所定位置に一対の第2仕切り部材46a、46bが嵌挿されており、この第2仕切り部材46a、46bと前記仕切り壁44a、44bとの間の空間がそれぞれガス発生室45a、45bを、また第2仕切り部材46a、46bと容器蓋部42b、42cとの間の空間がそれぞれフィルタ室50a、50bを構成している。前記仕切り壁44a、44bにはそれぞれガス発生室45a、45bと伝火薬26を連通する通孔44c、44dが設けられている。以下の構成は図1の助手席用ガス発生器1と同様であるので説明を省略する。なお、49a、49bはオリフィス、52a、52b〜54a、54bは第1〜第3中間フィルタ部材、55a、55bは最終フィルタ部材、56a、56bはガス流出孔、58a、58bはフィルタホルダ、59a、59bは案内部材、17a、17bは第2仕切り部材46a、46bと第1中間フィルタ部材52a、52bとの所定の間隔である。
【0030】
つぎにこの助手席用ガス発生器41は、衝突発生により点火装置25が発火すると、伝火薬が点火し、その熱風が矢印62a、62bで示すように、両側のガス発生室45a、45bへ流出し、これよって各ガス発生室45a、45bで発生したガスが矢印63a、63bで示すようにそれぞれ容器外へと流出する。従って、図1のガス発生器1に比べてガス発生量を倍増することができる。また、この場合にも1つのガス発生室45a、45bについてそれぞれ1つのオリフィス49a、49bが設けられているので、図1のガス発生器1と同様に密封容器の破裂が安定した圧力で行われる。その他の効果は、図1のガス発生器1と同様であるので説明を省略する。
【0031】
なお、本実施例と同様に大きなガス発生容量を必要とする場合に、図1の助手席用ガス発生器をそのまま左右対称に2台配置することもできる。この場合も本実施例と同様の効果を得ることができる。
【0032】
また、上述の実施例で説明した、ガス発生室とフィルタ室間の1つの仕切り部材に1つのオリフィスを設ける発明は、点火室が上記実施例の形態のものである必要はなく、従来のように点火装置がガス発生室に進出する形態のものに対しても独立して適用することができる。また、この場合に、密封容器材料の厚みに対するオリフィス径を最適径とすること、オリフィスの長さを密封容器の破れ変形を妨げない長さとすること、又はオリフィスと中間フィルタ部材との間隔を密封容器の破れ変形を妨げない間隔にすることにより上記実施例と同様の効果を得ることができる。
【0033】
すなわち、長尺状の円筒容器の一端又は中央部に仕切り部材により点火装置及び伝火薬を収納するガス発生室を設け、該仕切り部材と容器端部との間の空間をフィルタ室とした助手席用ガス発生器において、仕切り部材の中心にガス発生室に連通する1つのオリフィスを設け、その延長線上に中間フィルタ部材を設けると、密封容器の破裂が安定した圧力で行われ、ガス発生器の安定した性能が得られる。
【0034】
またこの場合に、密封容器材料の厚みに対するオリフィス径を最適径とすると、ガス発生剤の最適な燃焼速度が得られる。
【0035】
またこの場合に、オリフィスの長さを密封容器の破れ変形を妨げない長さとすると、密封容器の破裂が確実に行われる。
【0036】
またこの場合に、オリフィスと中間フィルタ部材との間隔を密封容器の破れ変形を妨げない間隔にすると、密封容器の破裂が確実に行われる。
【0037】
つぎに、参考例2を図3により説明する。図3は本参考例のガス発生器の断面図である。まず、構成を説明する。図1と主に異なる点は、フィルタ室10のオリフィス9から噴出するガスを軸方向に導く第1の案内筒73の先端部にバイパス用ガス孔79が設けられ、かつフィルタ室10の容器周面に開口するガス流出孔86が図1では1つであるのに対し、図3では多数開口している点である。すなわち、フィルタ室10の容器周面の中央部には多数のガス流出孔86が全周に渡って開口している。そして、ガス発生室5とフィルタ室10を区画する第2仕切り部材6の中央部に開口するオリフィス9内に、軸方向に延びる円筒状の第1の案内筒73が嵌挿され溶接等83で該第2仕切り部材6に固定されている。該第1の案内筒73の先端部には所定の断面積を有するバイパス用ガス孔79が所望数(図示例では4箇所)設けられている。この第1の案内筒73先端と容器側壁(蓋部)2bとの間に、円板状の第3仕切り部材87及び該仕切り部材87の縁から軸方向に延びる円筒部材88からなる有底円筒状の中間フィルタ収納部材87が容器2に嵌挿されて配置され、該フィルタ収納部材87中に円柱状の第1中間フィルタ75が収納されている。前記第3仕切り部材87は第1の案内筒73の先端に当接しており、中央に該案内筒73の開口に対応する入り側ガス孔87aが1つ開口し、該入り側ガス孔87aの周囲に出側のガス孔87bが所望数開口している。そして、前記第1の案内筒73の外側には段付き円筒状の第2の案内筒76が配設され、その小径部76aは、第1の案内筒73と容器周壁2aのガス流出孔76開口部との間に各々と所定間隔で軸方向に延在し、段曲げ部76bは後述する最終フィルタの端部をシール、大径部76cは中間フィルタ収納部材89の円筒部材88と容器2aとの間に嵌挿されている。この第2の案内筒76の先端と第2仕切り部材6との間にリング状の第2中間フィルタ78が配設され、さらに容器周壁2aのガス流出孔76開口部の内側に円筒状の最終フィルタ77が配設されており、該最終フィルタ77の両端部は段付き円筒状のシール部材81及び前述の第2の案内筒の段曲げ部76bでシールされている。すなわち、ガス発生室5に1つ設けられたオリフィス9からガス流出孔86に至るまで、第1及び第2の案内筒73、76により実線矢印で示すようにジグザグ状のガス流路が形成され、このガス流路の屈曲部に第1、第2中間フィルタ75、78が配置され、さらに最初の屈曲部に点線矢印で示すガス流のバイパス路が設けられた構成となっている。
【0038】
前記バイパス用ガス孔79の断面積及び数は、前記圧力損失が、該ガス圧力により蓋部2bが抜けることがない大きさに止まるような値に設定される。また、バイパス用ガス孔79の開口位置は、第1の案内筒73の余り基部の方に設けると前記圧力損失を抑制する効果が薄れるため、先端部の方に設けるのが好ましい。
【0039】
第3仕切り部材87の出側のガス孔87aの断面積及び数は、該ガス孔87aでガス流を絞ってフィルタ収納部材89内に淀ませ、これにより第1中間フィルタ75によるスラグ捕集効果が高まるような値に設定される。
【0040】
つぎに、作動を説明する。オリフィス9から流出したガスは第1中間フィルタ75、第2中間フィルタ78を反転しながら順次通過し、この際に冷却・スラグ捕集され、さらに最終フィルタ77を通過して微粒子的なスラグを捕集された後、ガス流出孔86から図示されないエアバッグに放出される。そして、この際に、ガス流の屈曲部でガス流の反転及びガスフィルタ75、78の流体抵抗により圧力損失を生じるが、最初のガス流屈曲部81で特に大きな圧力損失を生じる。これは、圧力発生源であるガス発生室5に近いこと、ガス流路の断面積が相対的に小さいこと、及び第3仕切り部材87の出側のガス孔87aでガス流を絞っていることのためである。そして、この圧力損失により容器の蓋部2aは軸方向に圧力82を受ける。上記構成のようにガス発生室に設けられたオリフィスが1つである場合は、そのままであればこのガス圧力82は大きなものとなる。しかし、第1の案内筒73の先端にバイパス用ガス孔79が開口しているため、第1中間フィルタ部81の圧力損失が大きくなると、該バイパス孔79を通過するガス流が増大し、該圧力損失の増加が抑制される。従って、蓋部材2aに過大なガス圧力が掛かり、これが破損するのが防止される。なお、バイパス孔79を通過したガス流も第2中間フィルタ78、最終フィルタ77で冷却・スラグ捕集されるので弊害はない。
【0041】
なお、本参考例の効果として、第1、第2の案内筒73、76、第1、第2中間フィルタ75、78、最終フィルタ77、中間フィルタ収納部材89はいずれも容器2に嵌挿可能に構成されており、これらを順次嵌挿することによりガス発生器を組み立てることができるため製造容易である点は図1の場合と同様である。
【0042】
【発明の効果】
本発明のガス発生器は上述のように、両端が閉塞された長尺状の円筒容器の軸方向中心に点火室を設け、その両側の第1、第2仕切り部材でガス発生室及びフィルタ室を対称に区画し、中心の点火室には点火装置及び伝火薬を径方向に配置し、第2仕切り部材の中心に1つのオリフィスを設けるものであるので、例えば、従来の助手席用ガス発生器のようにガス発生室とフィルタ室間の接合手段等は不要であり、また、ガス発生剤容器の形状が簡単な円筒状となり、このため構造が簡単かつ製造容易となる。また、ガス発生剤の燃焼が安定することによりその密封部材の破裂にばらつきが少なく安定した性能を得ることができる。
【0043】
また、上記点火室の軸方向の両側に対称にガス発生室、フィルタ室を区画すると、容易にガス発生量を倍増させることができる。
【0044】
また、ガス流出孔をフィルタ室の容器周面に開口させ、フィルタ室に、オリフィス開口部を最内筒として同心状にフィルタ室の両側壁面から交互に軸方向に延びる複数の案内筒と、これにより形成されるジグザグ状ガス流路の少なくとも最初の屈曲部に配設される中間フィルタと、ガス流出孔の手前に配設される最終フィルタと、最内筒の先端部に開口するバイパス用ガス孔とを備えてなるものとすると、容器側壁が軸方向に大きなガス圧力を受けて破損するのを防止しつつ効率よくスラグを捕集することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例1の助手席用ガス発生器の構成及び作動を示す断面図である。
【図2】 第実施例の助手席用ガス発生器の構成及び作動を示す断面図である。
【図3】 参考例2の助手席用ガス発生器の構成及び作動を示す断面図である。
【符号の説明】
1 助手席用ガス発生器
2 円筒容器
3 点火室
4 第1仕切り部材
5 ガス発生室
7 ガス発生剤
8 密封容器(ガス発生剤容器)
9 オリフィス(第2通孔)
10 フィルタ室
12 第1中間フィルタ部材
15 最終フィルタ部材
16 ガス流出孔
17 所定間隔
17a 所定間隔
17b 所定間隔
22 通孔(第1通孔)
23 矢印 (ガス流路)
25 点火装置
26 伝火薬
41 助手席用ガス発生器
42 円筒容器
43 点火室
44a 仕切り壁(第1仕切り部材)
44b 仕切り壁(第1仕切り部材)
44c 通孔(第1通孔)
44d 通孔(第1通孔)
45a ガス発生室
45b ガス発生室
49a オリフィス(第2通孔)
49b オリフィス(第2通孔)
50a フィルタ室
50b フィルタ室
52a 第1中間フィルタ部材
52b 第1中間フィルタ部材
55a 最終フィルタ部材
55b 最終フィルタ部材
56a ガス流出孔
56b ガス流出孔
73 第1の案内筒(最内筒)
75 第1中間フィルタ
76 第2の案内筒
77 最終フィルタ
78 第2中間フィルタ
79 バイパス用ガス孔
81 ガス流屈曲部(最初の屈曲部)
86 ガス流出孔

Claims (4)

  1. 長尺状の円筒容器と、該円筒容器の軸方向中央部に配置される点火によりガスを発生するガス発生部と前記ガス発生部の両側に配置される該ガスを冷却・濾過するフィルタ室とに区画する隔壁と、該ガス発生部とフィルタ室とを連通するよう前記隔壁の中心に1つ設けられたオリフィスと、前記ガス発生部中央部において前記ガス発生部内を2つのガス発生室に区画するために径方向に収納された点火装置及び伝火薬と、前記円筒側面に前記点火装置と外部とを接続する手段と、前記フィルタ室と外部を連通するよう前記容器に設けられたガス流出孔とを備え
    前記ガス流出孔は、フィルタ室の容器周面に開口し、前記フィルタ室は、オリフィス開口部を最内筒として同心状に、前記ガス流出孔開口部の両側のフィルタ室壁面から交互に軸方向に延びる複数の案内筒と、該複数の案内筒により形成されるオリフィスからガス流出孔に至るジグザグ状のガス流路の少なくとも最初の屈曲部に配設される中間フィルタと、前記ガス流出孔の手前に配設される最終フィルタと、前記最内筒の先端部に開口するバイパス用ガス孔とを備えてなるガス発生器。
  2. 前記ガス発生部は、点火によりガスを発生するガス発生剤と、このガス発生剤を収納するガス発生剤容器と、該ガス発生剤容器を収納する前記ガス発生室とを備え、前記オリフィスは、前記ガス発生室を連通し、かつ前記ガス発生剤容器に隣接して設けられたものであり、前記ガス発生剤容器は、前記オリフィスの口径内と隣接する部分が、ガス発生剤の反応に伴うガス発生室の圧力上昇により、所定の圧力で前記オリフィス方向に破れることを特徴とする請求項記載のガス発生器。
  3. 前記オリフィスは、前記ガス発生剤容器の膨らみ変形部分を、前記円筒容器内において前記オリフィスに対し前記ガス発生剤容器と反対側に設けられたフィルタ部材と接触させない深さ及び径を有する孔であることを特徴とする請求項記載のガス発生器。
  4. 前記円筒容器内において前記オリフィスに対し前記ガス発生剤容器と反対側に、かつ、前記ガス発生剤容器の破れ時にその破れ変形を妨げない位置にフィルタ部材が配置されてなることを特徴とする請求項記載のガス発生器。
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