JP4963917B2 - ガス発生器 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等に搭載される乗員保護装置に組み込まれるガス発生器に関するものである。
従来、自動車等の乗員の保護の観点から、乗員保護装置であるエアバッグ装置が普及している。エアバッグ装置は、車両等衝突時に生じる衝撃から乗員を保護する目的で装備されるものであり、車両等衝突時に瞬時にエアバッグを膨張・展開させることにより、これがクッションとなって乗員の体を受け止めるものである。ガス発生器は、このエアバッグ装置に組み込まれ、車両等衝突時に瞬時にガスを発生させてエアバッグを膨張・展開させる機器である。
エアバッグ装置においては、車両等への搭載位置や保護する身体の部位等によって種々の構成のものが存在している。たとえば、自動車に搭載されるエアバッグ装置にあっては、運転席の前方に設置される運転席用エアバッグや、助手席の前方に設置される助手席用エアバッグ、運転席または助手席の側方に設置されるいわゆるサイドエアバッグやカーテンエアバッグ等が知られている。そのため、エアバッグ装置に組み込まれるガス発生器においても種々の構成のものが存在し、仕様に応じて最適な構成のものが選択される。
種々あるガス発生器の構成の1つに、両端が閉塞された円筒状のハウジングを有し、その両端部からガスが噴出される、いわゆるT字型のガス発生器がある。T字型のガス発生器は、円筒状のハウジングの中央位置に点火器および伝火薬が収容される点火室が1つ設けられ、この点火室を挟み込む位置である円筒状のハウジングの両端部側にガス発生剤が収容される燃焼室が一対設けられ、それぞれの燃焼室に連通するガス噴出口が円筒状のハウジングの両端部にそれぞれ別々に設けられたものである。このT字型のガス発生器においては、ガスを発生させて出力するガス出力部を独立して2つ設けることができ、しかもこれら2つのガス出力部を1つの点火器によって駆動することができる。このT字型のガス発生器が開示された文献として、たとえば特開平8−26064号公報(特許文献1)がある。
図23は、上記特許文献1に開示の従来のT字型のガス発生器の模式断面図である。図23に示すように、従来のT字型のガス発生器101においては、両端が閉塞部材141,142によって閉塞された円筒状のハウジング102の中央部にベース部材110および支持部材111が配置され、これらベース部材110および支持部材111によって規定される点火室113に点火器112および伝火薬114が収容され、その両外側にガス発生剤124,134が収容される第1および第2燃焼室123,133が点火室113を挟むようにそれぞれ配置され、さらにその外側にフィルタ部材125,135が収容される第1および第2フィルタ室がそれぞれ配置されている。伝火薬114が収容された点火室113とガス発生剤124,134が収容された第1および第2燃焼室123,133とは、それぞれベース部材110に設けられた第1伝火路115および第2伝火路116によって通じている。そして、発生したガスを噴出するためのガス噴出口122,132が第1および第2フィルタ室を規定する部分のハウジング102の周面に設けられ、これにより円筒状のハウジング102の両端部にガス出力部121,131が設けられている。
上記従来のT字型のガス発生器101においては、車両衝突時に点火器112が作動することによって点火室113内の伝火薬114が点火されて燃焼し、伝火薬114が燃焼することによって発生した熱粒子が第1伝火路115および第2伝火路116を経由してそれぞれ第1燃焼室123および第2燃焼室133に流れ込み、これにより第1燃焼室123および第2燃焼室133に収容されたガス発生剤124,134がそれぞれ着火されて燃焼する。このガス発生剤124,134の燃焼により、第1および第2燃焼室123,133内において多量のガスが発生し、発生したガスはそれぞれ第1フィルタ室および第2フィルタ室に収容されたフィルタ部材125,135を経由してガス噴出口122,132からハウジング102の外部へと噴き出される。そして、このハウジング102から噴き出されたガスにより、エアバッグが膨張・展開される。
特開平8−26064号公報
上記特許文献1に開示の従来のT字型のガス発生器101においては、点火室113の壁面に設けられた第1伝火路115の開口面と第2伝火路116の開口面とが同一の内径を有する孔にて形成されており、これら開口面同士が対面配置されるとともに、第1伝火路115および第2伝火路116が点火室113を挟んで同一直線上にその中心線が重なるように設けられている。このように構成した場合には、ガス発生器の動作時において、すなわち点火器によって点火された伝火薬によってガス発生剤が着火された状態において、第1および第2燃焼室におけるガス発生剤の燃焼が第1および第2伝火路および点火室を経由してそれぞれ他方の燃焼室におけるガス発生剤の燃焼に大きく影響を与えることになる。
円筒状のハウジングの両端部に設けられた一対のガス出力部における出力を均一化させたい場合には、上述のように第1伝火路および第2伝火路が点火室を挟んで同一直線上にその中心線が重なるように設けることが好ましい。このように構成すれば、第1および第2燃焼室におけるガス発生剤の燃焼が第1および第2伝火路ならびに点火室を経由して相互に影響し合い、第1および第2燃焼室におけるガス発生剤の燃焼状態の均衡が図られ、一対のガス出力部から噴出されるガスの噴出速度や噴出量の均衡化が図られる。
しかしながら、一対のガス出力部における出力を均一化させたくない場合(たとえば、一対のガス出力部に独立してエアバッグをそれぞれ1つずつ装着させ、これらを異なる展開速度にて展開させたい場合や展開後における内圧を上記一対のエアバッグ間で異なることとしたい場合、あるいは単一のエアバッグを一対のガス出力部の両方に装着し、これら一対のガス出力部におけるガス出力の持続時間を調節することにより、展開されるエアバッグの持続時間を延ばしたい場合など)には、第1および第2燃焼室におけるガス発生剤の燃焼がそれぞれ他方の燃焼室におけるガス発生剤の燃焼に大きく影響を与えることは好ましくない。これは、一方の燃焼室におけるガス発生剤の燃焼が他方の燃焼室におけるガス発生剤の燃焼に影響を与えた場合には、それぞれの燃焼室におけるガス発生剤の燃焼特性が予定のものとは異なるものとなってしまうためであり、その場合には、エアバッグ装置全体として所望の性能が得られないこととなってしまう。
したがって、本発明は、上述の問題点を解決すべくなされたものであり、1つの点火器によって駆動される2つ以上のガス出力部を有するガス発生器において、それぞれのガス出力部における出力が相互に実質的にまたは完全に独立するように、それぞれの燃焼室におけるガス発生剤の燃焼が他の燃焼室におけるガス発生剤の燃焼に影響を与えることを抑制または防止することを目的とする。
本発明に基づくガス発生器は、点火室と、第1燃焼室と、第2燃焼室と、第1伝火路と、第2伝火路と、抑制手段とを備える。上記第1燃焼室および上記第2燃焼室は、相互に独立している。上記第1伝火路は、上記点火室と上記第1燃焼室とを通ずるように設けられ、上記第2伝火路は、上記点火室と上記第2燃焼室とを通ずるように設けられる。上記点火室には、単一の点火器および伝火薬が収容され、上記第1燃焼室および上記第2燃焼室には、ガス発生剤がそれぞれ収容されている。上記点火室、上記第1燃焼室上記第2燃焼室、上記第1伝火路および上記第2伝火路は、長尺のハウジングの内部に設けられており、上記点火室が上記第1燃焼室および上記第2燃焼室によって挟み込まれるように、上記点火室、上記第1燃焼室および上記第2燃焼室が上記長尺のハウジングの軸方向に直線状に配置されている。上記第1伝火路および上記第2伝火路は、上記長尺のハウジングの軸方向に沿って上記点火室を挟み込むように配置されている。上記抑制手段は、上記点火器によって点火された上記伝火薬によって上記ガス発生剤が着火されて燃焼する際に、上記第1燃焼室に収容された上記ガス発生剤の燃焼が、上記第1伝火路、上記点火室および上記第2伝火路を経由して、上記第2燃焼室に収容された上記ガス発生剤の燃焼に影響を及ぼすことを抑制する。
ここで、「燃焼による影響」とは、各燃焼室間の圧力差に伴う圧変動による影響や、熱粒子の移動による影響等を含むものである。また、実際には、高圧状態にある燃焼室における燃焼と低圧状態にある燃焼室における燃焼とは相互に干渉し合い、その意味では両者ともに影響を及ぼし合い、また同時に及ぼされ合うものではあるが、本明細書において使用する「影響が及ぶ」との記述は、特に高圧状態にある燃焼室における燃焼が低圧状態にある燃焼室における燃焼に影響を与えるという観点に着目して使用するものである。また、「影響を及ぼすことを抑制する」とは、影響を軽減することのみならず、影響を完全に無くすことも含むものである。
このように構成することにより、抑制手段により、第1燃焼室に収容されたガス発生剤の燃焼が、第1伝火路、点火室および第2伝火路を経由して第2燃焼室に収容されたガス発生剤の燃焼に影響を及ぼすことが抑制または防止されるようになる。したがって、第1燃焼室におけるガス発生剤の燃焼特性と第2燃焼室におけるガス発生剤の燃焼特性とを相互に実質的にまたは完全に独立させることが可能になるため、それぞれの燃焼室において予定したガス発生剤の燃焼特性が得られるようになり、それぞれのガス出力部において所望の出力が得られるようになる。また、上述のように、第1燃焼室、点火室および第2燃焼室が直線状に配置されている場合には、点火室を挟んで第1燃焼室および第2燃焼室が対峙して位置することになるため、第1燃焼室におけるガス発生剤の燃焼が、第1燃焼室、点火室および第2燃焼室を経由して、第2燃焼室におけるガス発生剤の燃焼に影響を与え易くなる。そのため、このような構成のガス発生器に上記抑制手段を設けた場合には、特に有効にこの抑制手段が機能するようになり、第1燃焼室におけるガス発生剤の燃焼特性と第2燃焼室におけるガス発生剤の燃焼特性とを相互に実質的にまたは完全に独立させることが可能になる。したがって、それぞれの燃焼室において予定したガス発生剤の燃焼特性が得られるようになり、それぞれのガス出力部において所望の出力が得られるようになる。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記抑制手段として、上記第1伝火路の中心線と上記第2伝火路の中心線とが同一直線上に重ならないように、上記第1伝火路と上記第2伝火路とを平行にずらして配置することが好ましい。
また、上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記抑制手段として、上記第1伝火路の中心線と上記第2伝火路の中心線とが非平行となるように、上記第1伝火路と上記第2伝火路とをずらして配置することが好ましい。
また、上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記抑制手段として、上記点火室の壁面に設けられた上記第1伝火路の開口面を上記第1伝火路の中心線に沿って上記第2伝火路の開口面が設けられた上記点火室の壁面に投影した場合に、投影後の上記第1伝火路の開口面が上記第2伝火路の開口面と重ならないこととなるように、上記第1伝火路と上記第2伝火路とをずらして配置することが好ましい。
ここで、「伝火路の中心線」とは、伝火路が延びる方向と直交する伝火路の断面における中心点を結んだ線であり、直線状に延びる孔にて伝火路が形成された場合にはこの中心線も直線となり、湾曲状に延びる孔にて伝火路が形成された場合にはこの中心線も湾曲線となる。なお、この伝火路の中心線は、伝火路を流動するガスや熱粒子の進行方向と概ね重なることになる。
第1燃焼室、点火室および第2燃焼室が直線状に配置されている場合に、上述のいずれかの構成とすることにより、第1燃焼室と第2燃焼室との間に位置する第1伝火路、点火室および第2伝火路からなる経路が、第1伝火路と第2伝火路とを点火室を挟んで同一直線上にその中心線が重なるように設けた場合に比べて複雑化することになる。そのため、上述のいずれかの構成を採用することにより、これが抑制手段として機能することになり、第1燃焼室に収容されたガス発生剤の燃焼が第2燃焼室に収容されたガス発生剤の燃焼に影響を及ぼすことが抑制されるようになる。したがって、第1燃焼室におけるガス発生剤の燃焼特性と第2燃焼室におけるガス発生剤の燃焼特性とを相互に実質的に独立させることが可能になるため、それぞれの燃焼室において予定したガス発生剤の燃焼特性が得られるようになり、それぞれのガス出力部において所望の出力が得られるようになる。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記抑制手段として、上記点火室の壁面に設けられた上記第1伝火路の開口面と上記点火室の壁面に設けられた上記第2伝火路の開口面との間に隔壁を設けることが好ましい。
このように構成することにより、点火室の壁面に設けられた第1伝火路の開口面と第2伝火路の開口面とが隔壁によって隔てられるようになるため、第1伝火路と第2伝火路とを実質的にまたは完全に通じていない状態とすることができる。そのため、隔壁が抑制手段として機能することになり、第1燃焼室に収容されたガス発生剤の燃焼が第2燃焼室に収容されたガス発生剤の燃焼に影響を及ぼすことが抑制または防止されるようになる。したがって、第1燃焼室におけるガス発生剤の燃焼特性と第2燃焼室におけるガス発生剤の燃焼特性とを相互に実質的にまたは完全に独立させることが可能になるため、それぞれの燃焼室において予定したガス発生剤の燃焼特性が得られるようになり、それぞれのガス出力部において所望の出力が得られるようになる。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記抑制手段として、上記第1伝火路を閉塞することが可能な位置に上記第1燃焼室と上記第2燃焼室との圧力差に基づいて駆動される逆止弁を配設することが好ましい。
このように構成することにより、第1燃焼室においてガス発生剤が燃焼した状態において、第1燃焼室と第2燃焼室との間の圧力差に基づいて逆止弁が駆動されて第1伝火路を閉塞することになるため、第1燃焼室と第2燃焼室とが完全に通じていない状態とすることができる。そのため、逆止弁が抑制手段として機能することになり、第1燃焼室に収容されたガス発生剤の燃焼が第2燃焼室に収容されたガス発生剤の燃焼に影響を及ぼすことが防止されるようになる。したがって、第1燃焼室におけるガス発生剤の燃焼特性と第2燃焼室におけるガス発生剤の燃焼特性とを相互に完全に独立させることが可能になるため、それぞれの燃焼室において予定したガス発生剤の燃焼特性が得られるようになり、それぞれのガス出力部において所望の出力が得られるようになる。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記抑制手段として、上記点火室の壁面に設けられた上記第1伝火路の開口面を上記第1伝火路の中心線に沿って上記第2伝火路の開口面が設けられた上記点火室の壁面に投影した場合に、投影後の上記第1伝火路の開口面が上記第2伝火路の開口面と重ならないこととなるように、上記第1伝火路と上記第2伝火路とを上記点火器の軸方向にずらして配置するとともに、上記点火室の壁面に設けられた上記第1伝火路の開口面と上記点火室の壁面に設けられた上記第2伝火路の開口面との間に隔壁を設けて上記点火室を上記点火器の軸方向に2室に区画することが好ましい。
ここで、「点火器の軸方向」とは、点火器が作動した際に点火器から導出される熱粒子の主たる進行方向と合致する方向を意味している。通常、点火器においては、点火薬が収容される内部空間が略円柱状に形成されるため、「点火器の軸方向」は、略円柱状に形成された上記内部空間の軸方向を意味することになる。
このように構成することにより、第1燃焼室と第2燃焼室との間に位置する第1伝火路、点火室および第2伝火路からなる経路が、第1伝火路と第2伝火路とを点火室を挟んで同一直線上にその中心線が重なるように設けた場合に比べて複雑化するとともに、点火室の壁面に設けられた第1伝火路の開口面と第2伝火路の開口面とが点火室を点火器の軸方向に2室に区画する隔壁によって隔てられるようになるため、点火室を1室にて構成した場合に比べて複雑化することができる。そのため、第1伝火路と第2伝火路とを実質的に通じていない状態とすることができる。したがって、これらが抑制手段として機能することになり、第1燃焼室に収容されたガス発生剤の燃焼が第2燃焼室に収容されたガス発生剤の燃焼に影響を及ぼすことが抑制されるようになる。その結果、第1燃焼室におけるガス発生剤の燃焼特性と第2燃焼室におけるガス発生剤の燃焼特性とを相互に実質的に独立させることが可能になるため、それぞれの燃焼室において予定したガス発生剤の燃焼特性が得られるようになり、それぞれのガス出力部において所望の出力が得られるようになる。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記隔壁が上記点火室に配置された有底筒状のカップ部材の一部によって構成されていることが好ましい。また、その場合に、上記カップ部材を上記点火室に圧入固定するように構成してもよい。
このように構成することにより、点火室内にカップ部材を配置することによって容易に隔壁を設けることができるようになるとともに、点火室を第1伝火路に通ずる室と第2伝火路に通ずる室との2室に簡便に区画することができるようになる。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記点火室に移動可能に配置された可動部材と、上記点火室に配置され、上記可動部材に当接することによって上記可動部材の移動を制限する移動制限部材とによって上記抑制手段を構成してもよい。その場合には、上記点火室内に生じる圧力によって上記可動部材が上記移動制限部材による移動の制限に抗して移動することにより、上記点火室の壁面に設けられた上記第1伝火路の開口面および上記点火室の壁面に設けられた上記第2伝火路の開口面の少なくともいずれか一方が上記可動部材によって閉塞されるように構成することが好ましい。
このように構成することにより、移動制限部材によってその移動が制限されていた可動部材が点火室の圧力上昇に伴って移動されて第1伝火路の開口面および第2伝火路の開口面の少なくともいずれか一方が閉塞されることになるため、第1燃焼室と第2燃焼室とが完全に通じていない状態とすることができる。そのため、これら部材が抑制手段として機能することになり、第1燃焼室に収容されたガス発生剤の燃焼が第2燃焼室に収容されたガス発生剤の燃焼に影響を及ぼすことが防止されるようになる。したがって、第1燃焼室におけるガス発生剤の燃焼特性と第2燃焼室におけるガス発生剤の燃焼特性とを相互に完全に独立させることが可能になるため、それぞれの燃焼室において予定したガス発生剤の燃焼特性が得られるようになり、それぞれのガス出力部において所望の出力が得られるようになる。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記可動部材が上記点火室に配置された有底筒状のカップ部材からなることが好ましい。
このように構成することにより、点火室内にカップ部材を配置することによって容易にこのカップ部材を可動部材として構成することができるようになる。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記移動制限部材が上記可動部材の移動に伴って破断される脆弱部を有していることが好ましい。
このように構成することにより、脆弱部が破断することによって移動制限部材による可動部材の移動の制限が容易に解除できるようになる。
本発明によれば、1つの点火器によって駆動される2つ以上のガス出力部を有するガス発生器において、それぞれの燃焼室におけるガス発生剤の燃焼が他の燃焼室におけるガス発生剤の燃焼に影響を与えることを抑制または防止することが可能になる。したがって、それぞれのガス出力部において所望の出力が得られるようになり、性能の安定したエアバッグ装置を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、両端が閉塞された略円筒状のハウジングを有し、その両端部からガスが噴出される、いわゆるT字型のガス発生器に本発明を適用した場合を例示して説明を行なう。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるガス発生器の外観構造を示す図であり、図1(A)はガス発生器の正面図、図1(B)は側面図である。また、図2は、図1に示すガス発生器の内部構造を示す図であり、図1(B)中におけるII−II線に沿った断面図である。まず、これらの図を参照して、本実施の形態におけるガス発生器1Aの外観構造および内部構造について説明する。
図1(A)および図1(B)に示すように、本実施の形態におけるガス発生器1Aは、略円柱状の外形を有する長尺の略円筒状のハウジングを有しており、ベース部材10と、ベース部材10の一方の端部に接続された第1円筒状部材20と、ベース部材10の他方の端部に接続された第2円筒状部材30と、第1円筒状部材20および第2円筒状部材30の端部をそれぞれ閉塞する閉塞部材41,42とを備えている。
図2に示すように、ベース部材10の周方向の所定位置には、略円柱状の外形を有するハウジングの軸方向と交差する方向に凹部が設けられており、この凹部には、後述する点火器(スクイブ)12を支持する支持部材11が嵌め込まれている。第1円筒状部材20の軸方向の所定位置には、第1円筒状部材20の内部の空間を軸方向に区画する仕切り板26が配置されており、第2円筒状部材30の軸方向の所定位置には、第2円筒状部材30の内部の空間を軸方向に区画する仕切り板36が配置されている。
これらベース部材10、支持部材11、第1円筒状部材20、第2円筒状部材30、仕切り板26,36および閉塞部材41,42は、いずれもステンレス鋼や鉄鋼、アルミニウム合金、ステンレス合金等の金属製の部材からなり、溶接やかしめ等によってそれぞれ連結・固定されている。具体的には、支持部材11は、ベース部材10の凹部に挿入された状態でかしめ固定され、第1円筒状部材20および第2円筒状部材30は、ベース部材10の端部に溶接によって固定される。また、仕切り板36および閉塞部材41は、いずれも第1円筒状部材20の中空部に嵌挿されて第1円筒状部材20の周壁を内側に向かってかしめることによって固定され、仕切り板26および閉塞部材42は、いずれも第2円筒状部材30の中空部に嵌挿されて第2円筒状部材30の周壁を内側に向かってかしめることによって固定される。
図1および図2に示すように、第1円筒状部材20のベース部材10に固定されていない方の端部の近傍には、ガスを噴出するためのガス噴出口22が設けられており、この部分においてガス出力部21が形成されている。また、第2円筒状部材30のベース部材10に固定されていない方の端部の近傍には、第1円筒状部材20と同様に、ガスを噴出するためのガス噴出口32が設けられており、この部分においてガス出力部31が形成されている。
図2に示すように、ベース部材10、支持部材11、第1円筒状部材20、第2円筒状部材30、仕切り板26,36および閉塞部材41,42からなる略円筒状のハウジングの内部には、点火器12および伝火薬14が収容された点火室13と、ガス発生剤24およびフィルタ部材25が収容された第1燃焼室23と、ガス発生剤34およびフィルタ部材35が収容された第2燃焼室33と、点火室13と第1燃焼室23とを通ずる第1伝火路15と、点火室13と第2燃焼室33とを通ずる第2伝火路16とが主に設けられている。本実施の形態におけるガス発生器1Aは、略円筒状のハウジングの軸方向の略中央部を中心に左右対称の構造を有しており、図中の左側の部分に第1燃焼室23および第1伝火路15が、図中の右側の部分に第2燃焼室33および第2伝火路16が配置されている。そのため、点火室13、第1燃焼室23および第2燃焼室33は、直線状に並んで配置されることになる。
点火室13は、ベース部材10と支持部材11とによって規定され、略円筒状のハウジングの軸方向の略中央部に設けられる。点火室13には、上述のように単一の点火器12と伝火薬14とが収容されている。支持部材11によって支持された点火器12は、そのヘッダピン(入力端子)がガス発生器1Aの外表面に露出するように配置されている。このヘッダピンには、点火器12と衝突検知センサとを結線するためのコネクタ(図示せず)が接続される。第1伝火路15の開口面が形成された点火室13の壁面および第2伝火路16の開口面が形成された点火室13の壁面には、それぞれシール部材19が貼付されており、このシール部材19によって上記開口面のそれぞれが閉塞されている。なお、シール部材19としては、片面に粘着部材が塗布されたアルミニウム箔等が利用される。これにより、点火室13と第1伝火路15および第2伝火路16との間の気密性が確保されることになる。
点火器12は、火炎を発生させるための点火装置であり、内部に、図示しない点火薬とこの点火薬を燃焼させるための図示しない抵抗体とを含んでいる。より具体的には、点火器12は、一対のヘッダピンを挿通・保持する基部と、基部上に取付けられたスクイブカップとを備えており、スクイブカップ内に挿入されたヘッダピンの先端を連結するように抵抗体(ブリッジワイヤ)が取付けられ、この抵抗体を取り囲むようにまたはこの抵抗体に接するようにスクイブカップ内に点火薬が充填されている。抵抗体としては一般にニクロム線等が利用され、点火薬としては一般にZPP(ジルコニウム・過塩素酸カリウム)、ZWPP(ジルコニウム・タングステン・過塩素酸カリウム)、鉛トリシネート等が利用される。スクイブカップは、一般に金属製またはプラスチック製である。
衝突を検知した際には、ヘッダピンを介して抵抗体に所定量の電流が流れる。抵抗体に所定量の電流が流れることにより、抵抗体においてジュール熱が発生し、点火薬が燃焼を開始する。燃焼により生じた高温の火炎は、点火薬を収納しているスクイブカップを破裂させる。抵抗体に電流が流れてから点火器12が作動するまでの時間は、抵抗体にニクロム線を利用した場合には2ミリ秒以下である。
点火器12と支持部材11との間には、シール部材17が介在されている。シール部材17は、点火器12と支持部材11との間に生じる隙間を気密に封止することによって点火室13を密閉するためのものであり、点火器12を支持部材11にかしめ固定する際に上記隙間に挿入される。また、ベース部材10と支持部材11との間にも、シール部材18が介在されている。シール部材18は、ベース部材10と支持部材11との間に生じる隙間を気密に封止することによって点火室13を密閉するためのものであり、支持部材11をベース部材10にかしめ固定する際に上記隙間に挿入される。
シール部材17,18としては、十分な耐熱性および耐久性の材料からなるものを利用することが好ましく、たとえばエチレンプロピレンゴムの一種であるEPDM樹脂製のOリング等を利用することが好適である。なお、別途、これらシール部材が介装される部分に液状のシール剤を塗布しておけば、さらに点火室13の密閉性を高めることができる。
点火室13に充填された伝火薬14は、点火器12が作動することによって生じた火炎によって点火され、燃焼することによって熱粒子を発生する。伝火薬14としては、ガス発生剤24,34を確実に燃焼開始させることができるものであることが必要であり、一般的には、B/KNO3等に代表される金属粉/酸化剤からなる組成物などが用いられる。伝火薬14は、粉状のものや、バインダによって所定の形状に成型されたもの等が利用される。バインダによって成型された伝火薬の形状としては、たとえば顆粒状、円柱状、シート状、球状、単孔円筒状、多孔円筒状、タブレット状など種々の形状がある。
第1燃焼室23は、第1円筒状部材20とベース部材10と仕切り板26とによって規定され、略円筒状のハウジングの一方端寄り(図中左側の部分)に設けられる。第2燃焼室33は、第2円筒状部材30とベース部材10と仕切り板36とによって規定され、略円筒状のハウジングの他方端寄り(図中右側の部分)に設けられる。第1燃焼室23および第2燃焼室33には、上述のようにガス発生剤24,34およびフィルタ部材25,35がそれぞれ収容されている。ガス発生剤24,34は、第1燃焼室23および第2燃焼室33のそれぞれ点火室13側の空間に配置され、フィルタ部材25,35は、これらガス発生剤24,34に隣接して第1燃焼室23および第2燃焼室33のそれぞれ仕切り板26,36側の空間に配置される。
ガス発生剤24,34は、点火器12によって点火された伝火薬14が燃焼することによって生じた熱粒子によって着火され、燃焼することによってガスを発生させるものである。ガス発生剤24,34は、一般に燃料と酸化剤と添加剤とを含む成型体として形成される。燃料としては、たとえばトリアゾール誘導体、テトラゾール誘導体、グアニジン誘導体、アゾジカルボンアミド誘導体、ヒドラジン誘導体等またはこれらの組合わせが利用される。具体的には、たとえばニトログアニジンや硝酸グアニジン、シアノグアニジン、5−アミノテトラゾール等が好適に利用される。また、酸化剤としては、たとえばアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、アンモニアから選ばれたカチオンを含む硝酸塩等が利用される。硝酸塩としては、たとえば硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等が好適に利用される。また、添加剤としては、バインダやスラグ形成剤、燃焼調整剤等が挙げられる。バインダとしては、たとえばカルボキシメチルセルロースの金属塩、ステアリン酸塩等の有機バインダや、合成ヒドロキシタルサイト、酸性白土等の無機バインダが好適に利用可能である。スラグ形成剤としては窒化珪素、シリカ、酸性白土等が好適に利用可能である。また、燃焼調整剤としては、金属酸化物、フェロシリコン、活性炭、グラファイト等が好適に利用可能である。
ガス発生剤24,34の成型体の形状には、顆粒状、ペレット状、円柱状、ディスク状など様々な形状のものがある。また、成型体内部に孔を有する有孔状(たとえば単孔筒形状や多孔筒形状等)の成型体も利用される。これらの形状は、ガス発生器1Aが組み込まれるエアバッグ装置の仕様に応じて適宜選択されることが好ましく、たとえばガス発生剤24,34の燃焼時においてガスの生成速度が時間的に変化する形状を選択するなど、仕様に応じた最適な形状を選択することが好ましい。また、ガス発生剤24,34の形状の他にもガス発生剤24,34の線燃焼速度、圧力指数などを考慮に入れて成型体のサイズや充填量を適宜選択することが好ましい。
第1燃焼室23および第2燃焼室33には、第1伝火路15の開口面と第2伝火路16の開口面が形成されたベース部材10の壁面にそれぞれ接触するように、クッション材28,38が配置されている。このクッション材28,38は、成型体からなるガス発生剤24,34が振動等によって粉砕されることを防止する目的で取付けられるものであり、好適にはセラミックスファイバの成型体や発泡シリコン等が利用される。
フィルタ部材25,35は、たとえばステンレス鋼や鉄鋼等の金属からなる線材や網材を巻き回したものやプレス加工することによって押し固めたもの等が利用される。フィルタ部材25,35は、第1燃焼室23および第2燃焼室33にて発生したガスがこのフィルタ部材25,35中を通過する際に、ガスが有する高温の熱を奪い取ることによってガスを冷却する冷却手段として機能するとともに、ガス中に含まれる残渣(スラグ)等を除去する除去手段としても機能する。
仕切り板26,36には、それぞれ連通孔27,37が設けられている。連通孔27は、第1燃焼室23とガス噴出口22とを通じており、連通孔37は第2燃焼室33とガス噴出口32とを通じている。第1燃焼室23側に位置する仕切り板26の主面および第2燃焼室23側に位置する仕切り板36の主面には、上記連通孔27,37をそれぞれ閉塞するようにシール部材29,39が貼付されている。このシール部材29,39としては、片面に粘着部材が塗布されたアルミニウム箔等が利用される。これにより、第1燃焼室23および第2燃焼室33とハウジング外部との気密性が確保されることになる。
次に、本実施の形態におけるガス発生器の動作について説明する。本実施の形態におけるガス発生器1Aが搭載された車両が衝突した場合には、車両に別途設けられた衝突検知手段によって衝突が検知され、これに基づいて点火器12が作動する。点火室13に収容された伝火薬14は、点火器12が作動することによって生じた火炎によって点火されて燃焼し、多量の熱粒子を発生させる。この伝火薬14の燃焼により、点火室13内の圧力が上昇し、これによってシール部材19の封止が破られ、熱粒子が第1伝火路15および第2伝火路16を経由して第1燃焼室23および第2燃焼室33のベース部材10よりに配置されたクッション材28,38へと至る。クッション材28,38に達した熱粒子は、その熱によってクッション材28,38を開口または分断し、これにより熱粒子が第1燃焼室23および第2燃焼室33へと流れ込む。
流れ込んだ熱粒子により、第1燃焼室23および第2燃焼室33に収容されたガス発生剤24,34が着火されて燃焼し、多量のガスを発生させる。このガス発生剤24,34の燃焼により、第1燃焼室23および第2燃焼室33内の圧力が上昇し、これによってシール部材29,39の封止が破られ、発生したガスがガス出力部21,31へと送られる。この際、ガスはフィルタ部材25,35をそれぞれ通過して所定の温度にまで冷却され、ガス噴出口22,32のそれぞれからハウジングの外部へと噴出され、エアバッグの内部に導かれてエアバッグを膨張・展開させる。
図3(A)は、本実施の形態におけるガス発生器の要部拡大断面図であり、図3(B)は、図3(A)中におけるIIIB−IIIB線に沿った断面図、図3(C)は、図3(A)中におけるIIIC−IIIC線に沿った断面図である。なお、図3(B)および図3(C)においては、点火室の壁面に貼付されたシール部材の図示は省略している。以下においては、本実施の形態におけるガス発生器1Aに設けられる抑制手段について詳細に説明する。
図3(A)ないし図3(C)に示すように、本実施の形態におけるガス発生器1Aにおいては、点火室13と第1燃焼室23とを通ずる第1伝火路15が、ベース部材10に穿設された直線状に延びる1つの孔によって形成されている。これに対し、点火室13と第2燃焼室33とを通ずる第2伝火路16は、ベース部材10に穿設された直線状に延びる3つの孔によって形成されている。そして、第1伝火路15を構成する孔の中心線15aと、第2伝火路16を構成する孔の中心線16aとが同一直線上に重ならないように、第1伝火路15と第2伝火路16とが平行にずらして配設されている。
このように構成することにより、第1燃焼室23と第2燃焼室33との間に位置する第1伝火路15、点火室13および第2伝火路16からなる経路が、第1伝火路15と第2伝火路16とを点火室13を挟んで同一直線上にその中心線が重なるように設けた場合に比べて複雑化することになる。そのため、このように第1伝火路15および第2伝火路16を配設すること自体が抑制手段として機能することになり、ガス発生器1Aの動作時において、すなわち点火器12によって点火された伝火薬14によってガス発生剤24,34が着火された状態において、第1燃焼室23に収容されたガス発生剤24の燃焼が第2燃焼室33に収容されたガス発生剤34の燃焼に影響を及ぼすことが抑制されるようになる。より具体的には、第1燃焼室23と第2燃焼室33とで圧力差が生じる場合、第1燃焼室23においてガス発生剤24が燃焼することによって生じた第1燃焼室23の圧力上昇に伴う発生ガスの逆流が防止され、またこれに伴う熱粒子の第1燃焼室23から第2燃焼室33への移動が防止される。したがって、第1燃焼室23におけるガス発生剤24の燃焼特性と第2燃焼室33におけるガス発生剤34の燃焼特性とを相互に実質的に独立させることが可能になるため、それぞれの燃焼室23,33において予定していたガス発生剤24,34の燃焼特性が得られるようになり、それぞれのガス出力部21,31において所望の出力が得られるようになる。
また、本実施の形態におけるガス発生器1Aにおいては、点火室13の壁面に設けられた第1伝火路15の開口面15bを第1伝火路15の中心線15aに沿って第2伝火路16の開口面16bが設けられた点火室13の壁面に投影した場合に、投影後の第1伝火路15の開口面15bが第2伝火路16の開口面16bと重ならないように、第1伝火路15と第2伝火路16とがずらして配設されている(特に図3(C)参照)ため、その抑制効果はより顕著なものとなる。
以上において説明したように、一対のガス出力部における出力を均一化させたくない場合(たとえば、一対のガス出力部に独立してエアバッグをそれぞれ1つずつ装着させ、これらを異なる展開速度にて展開させたい場合や展開後における内圧を上記一対のエアバッグ間で異なることとしたい場合、あるいは単一のエアバッグを一対のガス出力部の両方に装着し、これら一対のガス出力部におけるガス出力の持続時間を調節することにより、展開されるエアバッグの持続時間を延ばしたい場合など)に、本実施の形態の如くのガス発生器の構成を採用することにより、第1および第2燃焼室におけるガス発生剤の燃焼がそれぞれ他方の燃焼室におけるガス発生剤の燃焼に大きく影響を与えることがなくなるため、エアバッグ装置全体として所望の性能が得られるようになる。
図4ないし図11は、本実施の形態におけるガス発生器の第1ないし8変形例を示す図である。図4ないし図10において、(A)は変形例に係るガス発生器の要部を示す拡大断面図であり、(B)および(C)は点火室の中心部分を含むようにガス発生器を切断した場合の断面図である。また、図11において、(A)は変形例に係るガス発生器の断面図であり、(B)および(C)は点火室の中心部分を含むようにガス発生器を切断した場合の断面図である。なお、図4ないし図11の(B)および(C)においては、点火室の壁面に貼付されたシール部材の図示は省略している。以下においては、これらの図を参照して、本実施の形態におけるガス発生器の変形例について順に説明する。
図4(A)ないし図4(C)に示すように、本実施の形態の第1変形例に係るガス発生器1Bにおいては、第1伝火路15がベース部材10に穿設された直線状に延びる1つの孔によって形成され、第2伝火路16がベース部材10に穿設された直線状に延びる4つの孔によって形成されている。そして、第1伝火路15を構成する孔の中心線15aと、第2伝火路16を構成する孔の中心線16aとが同一直線上に重ならないように、第1伝火路15と第2伝火路16とが平行にずらして配設されている。このように構成した場合にも、第1伝火路15、点火室13および第2伝火路16からなる経路が複雑化するため、上述のガス発生器1Aと同様に、抑制効果を得ることができる。
ここで、本変形例に係るガス発生器1Bにおいては、点火室13の壁面に設けられた第1伝火路15の開口面15bを第1伝火路15の中心線15aに沿って第2伝火路16の開口面16bが設けられた点火室13の壁面に投影した場合に、投影後の第1伝火路15の開口面15bが第2伝火路16の開口面16bと一部重なることになる。このように構成した場合にも、投影後において第1伝火路15の開口面15bがすべて第2伝火路16の開口面16bに重ならない限り経路の複雑化が達成できるため、ある程度の抑制効果を得ることができる。
図5(A)ないし図5(C)に示すように、本実施の形態の第2変形例に係るガス発生器1Cにおいては、第1伝火路15がベース部材10に穿設された2つの直線状に延びる孔によって形成され、第2伝火路16がベース部材10に穿設された直線状に延びる2つの孔によって形成されている。そして、第1伝火路15を構成する孔の中心線15aと、第2伝火路16を構成する孔の中心線16aとが同一直線上に重ならないように、第1伝火路15と第2伝火路16とがそれぞれ対角位置に配置されるように平行にずらして配設されている。このように構成した場合にも、第1伝火路15、点火室13および第2伝火路16からなる経路が複雑化するため、上述のガス発生器1Aと同様に、顕著な抑制効果を得ることができる。
図6(A)ないし図6(C)に示すように、本実施の形態の第3変形例に係るガス発生器1Dにおいては、第1伝火路15がベース部材10に穿設された直線状に延びる1つの孔によって形成され、第2伝火路16がベース部材10に穿設された直線状に延びる1つの孔によって形成されている。そして、第1伝火路15を構成する孔の中心線15aと、第2伝火路16を構成する孔の中心線16aとが同一直線上に重ならないように、第1伝火路15と第2伝火路16とが平行にずらして配設されている。このように構成した場合にも、第1伝火路15、点火室13および第2伝火路16からなる経路が複雑化するため、上述のガス発生器1Aと同様に、抑制効果を得ることができる。
図7(A)ないし図7(C)に示すように、本実施の形態の第4変形例に係るガス発生器1Eにおいては、第1伝火路15がベース部材10に穿設された直線状に延びる1つの孔によって形成され、第2伝火路16がベース部材10に穿設された直線状に延びる1つの孔によって形成されている。そして、第1伝火路15を構成する孔の中心線15aと、第2伝火路16を構成する孔の中心線16aとが同一直線上に重ならないように、第1伝火路15と第2伝火路16とが非平行にずらして配設されている。ここで、本変形例に係るガス発生器1Eにおいては、第1伝火路15および第2伝火路16が略円筒状のハウジングの軸線に対して異なる方向に向かって傾斜して設けられている。このように構成した場合にも、第1伝火路15、点火室13および第2伝火路16からなる経路が複雑化するため、上述のガス発生器1Aと同様に、抑制効果を得ることができる。
図8(A)ないし図8(C)に示すように、本実施の形態の第5変形例に係るガス発生器1Fにおいては、第1伝火路15がベース部材10に穿設された直線状に延びる1つの孔によって形成され、第2伝火路16がベース部材10に穿設された直線状に延びる1つの孔によって形成されている。そして、第1伝火路15を構成する孔の中心線15aと、第2伝火路16を構成する孔の中心線16aとが同一直線上に重ならないように、第1伝火路15と第2伝火路16とが平行にずらして配設されている。ここで、本変形例に係るガス発生器1Fにおいては、第1伝火路15および第2伝火路16が略円筒状のハウジングの軸線に対して同じ方向に向かって傾斜して設けられている。このように構成した場合にも、第1伝火路15、点火室13および第2伝火路16からなる経路が複雑化するため、上述のガス発生器1Aと同様に、顕著な抑制効果を得ることができる。
図9(A)ないし図9(C)に示すように、本実施の形態の第6変形例に係るガス発生器1Gにおいては、第1伝火路15がベース部材10に穿設されたテーパ状に延びる1つの孔によって形成され、第2伝火路16がベース部材10に穿設されたテーパ状に延びる1つの孔によって形成されている。そして、第1伝火路15を構成する孔の中心線15aと、第2伝火路16を構成する孔の中心線16aとが同一直線上に重ならないように、第1伝火路15と第2伝火路16とが平行にずらして配設されている。このように構成した場合にも、第1伝火路15、点火室13および第2伝火路16からなる経路が複雑化するため、上述のガス発生器1Aと同様に、抑制効果を得ることができる。
図10(A)ないし図10(C)に示すように、本実施の形態の第7変形例に係るガス発生器1Hにおいては、上述の本実施の形態におけるガス発生器1Aと同様に、第1伝火路15がベース部材10に穿設された直線状に延びる1つの孔によって形成され、第2伝火路16がベース部材10に穿設された直線状に延びる3つの孔によって形成されている。そして、第1伝火路15を構成する孔の中心線15aと、第2伝火路16を構成する孔の中心線16aとが同一直線上に重ならないように、第1伝火路15と第2伝火路16とが平行にずらして配設されている。ここで、本変形例に係るガス発生器1Hにおいては、上述の本実施の形態におけるガス発生器1Aと異なり、第1円筒状部材20と第2円筒状部材30の内径が異なっている。そのため、第1燃焼室23と第2燃焼室33に充填されるガス発生剤24,34の充填量も相違している。このように構成した場合にも、第1伝火路15、点火室13および第2伝火路16からなる経路が複雑化するため、上述のガス発生器1Aと同様に、顕著な抑制効果を得ることができる。
図11(A)ないし図11(C)に示すように、本実施の形態の第8変形例に係るガス発生器1Iにおいては、第1伝火路15がベース部材10に穿設された直線状に延びる1つの孔によって形成され、第2伝火路16がベース部材10に穿設された直線状に延びる1つの孔によって形成されている。また、本変形例に係るガス発生器1Iにおいては、上述の第7変形例に係るガス発生器1Hと同様に、第1円筒状部材20と第2円筒状部材30の内径が異なっている。ここで、第1伝火路15は、第1円筒状部材20の中心軸上に配設されており、第2伝火路16は、第2円筒状部材30の中心軸上に配設されている。そして、異なる内径を有する第1円筒状部材20と第2円筒状部材30とは、互いの中心軸が同一直線上に重ならないこととなるように、図中上下方向にオフセット配置されている。その結果、第1伝火路15と第2伝火路16とが平行にずらして配置されることになり、第1伝火路15を構成する孔の中心線15aと第2伝火路16を構成する孔の中心線16aとが同一直線上に重ならないこととなる。このように構成した場合にも、第1伝火路15、点火室13および第2伝火路16からなる経路が複雑化するため、上述のガス発生器1Aと同様に、顕著な抑制効果を得ることができる。なお、第2円筒状部材30に対して第1円筒状部材20をオフセットさせる場合のオフセット方向やオフセット量は特に制限されるものではなく、組み込むエアバッグ装置の仕様等に応じて適宜変更が可能である。
以上において説明したように、第1伝火路の中心線の延長線上に第2伝火路の中心線が重ならないようにすれば、多くの場合に抑制効果が得られるようになる。したがって、第1伝火路および第2伝火路の形状や大きさ、形成位置、あるいは第1円筒状部材および第2円筒状部材の形状や大きさ、形成位置等は適宜変更が可能である。
(実施の形態2)
図12(A)は、本発明の実施の形態2におけるガス発生器の要部拡大断面図であり、図12(B)は、図12(A)中におけるXIIB−XIIB線に沿った断面図、図12(C)は、図12(A)中におけるXIIC−XIIC線に沿った断面図である。以下においては、これらの図を参照して本実施の形態におけるガス発生器1Jの構造について説明する。なお、上述の実施の形態1におけるガス発生器1Aと同様の部分については図中同一の符号を付し、その説明はここでは繰り返さない。また、図12(B)および図12(C)においては、点火室の壁面に貼付されたシール部材および後述する点火室に設けられた隔壁の図示は省略している。
図12(A)ないし図12(C)に示すように、本実施の形態におけるガス発生器1Jにおいては、点火室13と第1燃焼室23とを通ずる第1伝火路15が、ベース部材10に穿設された直線状に延びる1つの孔によって形成されている。また、点火室13と第2燃焼室33とを通ずる第2伝火路16は、ベース部材10に穿設された直線状に延びる1つの孔によって形成されている。点火室13の所定位置には、抑制手段としての隔壁50が設けられている。この隔壁50は、点火室13の壁面に設けられた第1伝火路15の開口面15bと、点火室13の壁面に設けられた第2伝火路16の開口面16bとの間に設けられ、かつこれら開口面15b,16b同士を隔てている。隔壁50によって区画された点火室13の両空間には、伝火薬14が充填されている。なお、この隔壁50は、たとえばステンレス鋼や鉄鋼、アルミニウム合金、ステンレス合金等の金属製の部材にて構成され、点火室13の壁面に嵌合または溶接等によって固定される。
このように構成することにより、点火室13の壁面に設けられた第1伝火路15の開口面15bと第2伝火路16の開口面16bとが隔壁50によって隔てられるようになるため、第1伝火路15と第2伝火路16とを実質的に通じていない状態とすることができる。そのため、隔壁50が抑制手段として機能することになり、ガス発生器1Jの動作時において、すなわち点火器12によって点火された伝火薬14によってガス発生剤24,34が着火された状態において、第1燃焼室23に収容されたガス発生剤24の燃焼が第2燃焼室33に収容されたガス発生剤34の燃焼に影響を及ぼすことが抑制されるようになる。したがって、第1燃焼室23におけるガス発生剤24の燃焼特性と第2燃焼室33におけるガス発生剤34の燃焼特性とを相互に実質的に独立させることが可能になるため、それぞれの燃焼室23,33において予定していたガス発生剤24,34の燃焼特性が得られるようになり、それぞれのガス出力部21,31において所望の出力が得られるようになる。
以上において説明したように、一対のガス出力部における出力を均一化させたくない場合(たとえば、一対のガス出力部に独立してエアバッグをそれぞれ1つずつ装着させ、これらを異なる展開速度にて展開させたい場合や展開後における内圧を上記一対のエアバッグ間で異なることとしたい場合、あるいは単一のエアバッグを一対のガス出力部の両方に装着し、これら一対のガス出力部におけるガス出力の持続時間を調節することにより、展開されるエアバッグの持続時間を延ばしたい場合など)に、本実施の形態の如くのガス発生器の構成を採用することにより、第1および第2燃焼室におけるガス発生剤の燃焼がそれぞれ他方の燃焼室におけるガス発生剤の燃焼に影響を与えることがなくなるため、エアバッグ装置全体として所望の性能が得られるようになる。
なお、本実施の形態におけるガス発生器1Jにおいては、第1伝火路15の開口面15bと第2伝火路16の開口面16bとが隔壁50によって完全に遮蔽されるように構成した場合を例示して説明を行なったが、必ずしも完全に遮蔽されている必要はなく、その一部のみが遮蔽されるように構成した場合にも、ある程度の抑制効果を得ることができる。
(実施の形態3)
図13は、本発明の実施の形態3におけるガス発生器の要部拡大断面図である。以下においては、この図を参照して本実施の形態におけるガス発生器1Kの構造について説明する。なお、上述の実施の形態1におけるガス発生器1Aと同様の部分については図中同一の符号を付し、その説明はここでは繰り返さない。
図13に示すように、本実施の形態におけるガス発生器1Kにおいては、点火室13と第1燃焼室23とを通ずる第1伝火路15が、ベース部材10に穿設された直線状に延びる1つの孔によって形成されている。また、点火室13と第2燃焼室33とを通ずる第2伝火路16は、ベース部材10に穿設された直線状に延びる1つの孔によって形成されている。第1燃焼室23および第2燃焼室33には、点火室13側の壁面に隣接して逆止弁60,65がそれぞれ設けられている。逆止弁60,65は、第1円筒状部材20および第2円筒状部材30の内径よりも僅かに大きい外形をそれぞれ有しており、第1円筒状部材20および第2円筒状部材30の点火室13寄りの部分に設けられた溝20a,30aにそれぞれスライド移動自在に嵌め込まれている。
逆止弁60,65の中央部には、点火室13側に向かって突出する突部61,66がそれぞれ設けられており、この突部61,66は、第1伝火路15および第2伝火路16を第1燃焼室23側および第2燃焼室33側からそれぞれ閉塞することができる。また、逆止弁60,65の周縁部は、点火室13側とは反対側に向かってそれぞれ屈曲しており、この屈曲部分に貫通孔62,67がそれぞれ設けられている。これら逆止弁60,65は、たとえばステンレス鋼や鉄鋼、アルミニウム合金、ステンレス合金等の金属によって形成され、その点火室13側とは反対側に位置する主面にクッション材28,38がそれぞれ取付けられている。
図14は、本実施の形態におけるガス発生器の逆止弁の動作を説明するための図であり、図14(A)は、点火室内の伝火薬の燃焼が始まった段階を模式的に示す拡大断面図であり、図14(B)は、第1燃焼室内のガス発生剤の燃焼が始まった段階を模式的に示す拡大断面図である。以下においては、この図を参照して、第1燃焼室23内の圧力が第2燃焼室33内の圧力よりも高圧になった場合の逆止弁60の動作について説明する。
図14(A)に示すように、点火器12が作動して点火室13内に収容された伝火薬14が燃焼を開始すると、点火室13内の圧力が上昇し、これによってシール部材19の封止が破られ、点火室13と第1伝火路15とが連通する。これにより第1伝火路15内の圧力も上昇し、第1燃焼室23との間の圧力差に基づいて逆止弁60が図中矢印A1方向に向かって押され、逆止弁61による閉塞が開放し、空間にガスが流れ、逆止弁60に設けられた貫通孔62を介して第1伝火路15と第1燃焼室23とが連通する。この状態において、熱粒子が、図中矢印B方向に沿って第1伝火路15を経由して第1燃焼室23へと流れ込み、第1燃焼室23に収容されたガス発生剤24が着火されて燃焼し、多量のガスを発生させる。なお、これと同様に、第2燃焼室33側においても点火器12の作動に伴って逆止弁65が移動し、逆止弁65による第2伝火路16の閉塞が開放されて第2燃焼室33に収容されたガス発生剤34の燃焼が開始される。
上述のガス発生剤24の燃焼により、第1燃焼室23内の圧力が上昇し、第1燃焼室23内の圧力が第1伝火路15内の圧力よりも高くなると、図14(B)に示すように、第1燃焼室15との間の圧力差に基づいて逆止弁60が図中矢印A2方向に向かって押し戻され、逆止弁60の突部61が第1伝火路15を閉塞し、第1伝火路15と第1燃焼室23とが非連通となる。第1伝火路15と第1燃焼室23との間が非連通となった後は、第1燃焼室23内に収容されたガス発生剤24が残存する限りガス発生剤24の燃焼が継続し、これに伴ってエアバッグが膨張・展開する。
このように構成することにより、第1燃焼室23においてガス発生剤24が燃焼した状態において、第1燃焼室23と第1伝火路15との圧力差(すなわち第1燃焼室23と点火室13や第2燃焼室33との間の圧力差)に基づいて逆止弁60が駆動されてスライド移動し、第1伝火路15が閉塞されることになるため、第1燃焼室23と第2燃焼室33とが完全に通じていない状態とすることができる。そのため、逆止弁60が抑制手段として機能することになり、ガス発生器1Kの動作時において、すなわち点火器12によって点火された伝火薬14によってガス発生剤24,34が着火された状態において、第1燃焼室23に収容されたガス発生剤24の燃焼が第2燃焼室33に収容されたガス発生剤34の燃焼に影響を及ぼすことが抑制されるようになる。したがって、第1燃焼室23におけるガス発生剤24の燃焼特性と第2燃焼室33におけるガス発生剤34の燃焼特性とを相互に実質的に独立させることが可能になるため、それぞれの燃焼室23,33において予定していたガス発生剤24,34の燃焼特性が得られるようになり、それぞれのガス出力部21,31において所望の出力が得られるようになる。
なお、本実施の形態におけるガス発生器1Kにおいては、図13に示すように、第2燃焼室33側にも同様の逆止弁65が設けられた場合を例示して説明を行なったが、この第2燃焼室33側の逆止弁65は、状況に応じてその設置を省略することが可能である。たとえば、一対のガス出力部における出力を均一化させたくない場合(たとえば、一対のガス出力部に独立してエアバッグをそれぞれ1つずつ装着させ、これらを異なる展開速度にて展開させたい場合や展開後における内圧を上記一対のエアバッグ間で異なることとしたい場合、あるいは単一のエアバッグを一対のガス出力部の両方に装着し、これら一対のガス出力部におけるガス出力の持続時間を調節することにより、展開されるエアバッグの持続時間を延ばしたい場合など)において、第1燃焼室23における内圧の上昇速度が第2燃焼室33のそれよりも明らかに大きい場合などは省略可能である。すなわち、第2燃焼室33におけるガス発生剤34の燃焼が、第2伝火路16、点火室13および第1伝火路15を経由して、第1燃焼室23におけるガス発生剤24の燃焼に影響を及ぼすおそれがない場合(第2燃焼室33の圧力が第1燃焼室23の圧力よりも大きくなる状況が有り得ない場合)には、第2燃焼室33側の逆止弁65を省略することができる。
以上において説明したように、一対のガス出力部における出力を均一化させたくない場合(たとえば、一対のガス出力部に独立してエアバッグをそれぞれ1つずつ装着させ、これらを異なる展開速度にて展開させたい場合や展開後における内圧を上記一対のエアバッグ間で異なることとしたい場合、あるいは単一のエアバッグを一対のガス出力部の両方に装着し、これら一対のガス出力部におけるガス出力の持続時間を調節することにより、展開されるエアバッグの持続時間を延ばしたい場合など)に、本実施の形態の如くのガス発生器の構成を採用することにより、第1および第2燃焼室におけるガス発生剤の燃焼がそれぞれ他方の燃焼室におけるガス発生剤の燃焼に影響を与えることがなくなるため、エアバッグ装置全体として所望の性能が得られるようになる。
図15は、本発明の実施の形態3におけるガス発生器の変形例を示す要部拡大断面図である。上述の本実施の形態におけるガス発生器1Kにおいては、点火器12の作動前において、第1伝火路15および第2伝火路16が逆止弁60,65によってそれぞれ閉塞された状態となっている。通常は、点火器12が作動して伝火薬14が燃焼を開始した時点で点火室13内の圧力が大幅に上昇し、この圧力上昇に伴って逆止弁60,65が燃焼室23,33側にそれぞれ押し下げられてガス発生剤24,34の燃焼がスムーズに開始される。しかしながら、ガス発生剤24,34が非常に密に充填されている場合や伝火薬14の燃焼速度が比較的小さい場合などには、逆止弁60,65の動作が遅れ、ガス発生剤24,34の燃焼の開始が遅延してしまうことも想定される。そこで、本変形例に係るガス発生器1Lにおいては、図15に示すように、点火器12の作動前において、逆止弁60,65によって第1伝火路15および第2伝火路16が閉塞されない状態となるように構成している。
具体的には、図15に示すように、第1円筒状部材20および第2円筒状部材30に設けられた溝20a,30aに対して逆止弁60,65を圧入し、第1円筒状部材20および第2円筒状部材30と逆止弁60,65との間の摩擦によって逆止弁60,65を第1燃焼室23のガス発生剤24が収容された側および第2燃焼室33のガス発生剤34が収容された側にそれぞれ固定し、逆止弁60,65とベース部材10との間に空間23a,33aを形成する。これにより、逆止弁60,65は、上述の摩擦力によって点火室13側への移動が規制され、そのため、点火器12の作動前において、逆止弁60,65によってベース部材10の壁面に設けられた第1伝火路15および第2伝火路16の開口が閉塞されなくなる。したがって、点火器12の作動による伝火薬14の燃焼によって直ちに熱粒子が第1伝火路15および第2伝火路16、空間23a,33aおよび逆止弁60,65に設けられた貫通孔62,67をそれぞれ経由して燃焼室23,33に流れ込み、ガス発生剤24,34の燃焼がスムーズに開始されるようになる。
その後、ガス発生剤24,34の燃焼によって第1燃焼室23もしくは第2燃焼室33内の圧力が所定値以上に達し、かつ第1燃焼室23と第2燃焼室33との間に圧力差が生じた場合には、より高圧状態にある燃焼室側の逆止弁が上述の摩擦力に抗して点火室13側に移動し、これにより第1伝火路15または第2伝火路16のいずれかが逆止弁によって閉塞されることになる。したがって、本変形例の如くの構成を採用した場合にも、第1燃焼室23におけるガス発生剤24の燃焼特性と第2燃焼室33におけるガス発生剤34の燃焼特性とを相互に実質的に独立させることが可能になり、それぞれの燃焼室23,33において予定していたガス発生剤24,34の燃焼特性が得られ、その結果それぞれのガス出力部21,31において所望の出力が得られるようになる。
なお、上記の変形例に係るガス発生器1Lにおいては、第1円筒状部材20および第2円筒状部材30に設けられた溝20a,30aに対して逆止弁60,65を圧入することにより、ガス発生器1Lの動作前においてこれらの間に生じる摩擦力によって逆止弁60,65の点火室13側への移動が規制されるように構成した場合を例示したが、これに代え、溝20a,30aに微小突起を設け、ガス発生器の動作前においてこの微小突起と逆止弁との係合力によって逆止弁60,65の点火室13側への移動が規制されるように構成してもよい。その場合には、ガス発生器の動作開始後において、より高圧状態にある燃焼室側の逆止弁が上記の微小突起による係合力に抗して微小突起を乗り越えて点火室側に移動することにより、第1伝火路または第2伝火路のいずれかが逆止弁によって閉塞されるように動作することになる。
(実施の形態4)
図16は、本発明の実施の形態4におけるガス発生器の要部拡大断面図である。上述の実施の形態3およびその変形例に係るガス発生器1K,1Lにおいては、第1燃焼室23と第2燃焼室33との間の圧力差に基づいて弁体がスライド移動することにより、逆止弁としての機能が発揮されるように構成された逆止弁60,65を第1燃焼室23および第2燃焼室33に設けた場合を例示して説明を行なったが、これとは異なる構成の逆止弁を利用することも可能である。たとえば、第1燃焼室23と第2燃焼室33との間の圧力差に基づいて弁体が変形することにより、逆止弁として機能するものを利用することも可能である。本実施の形態におけるガス発生器1Mは、この場合を例示するものである。
図16に示すように、本実施の形態おけるガス発生器1Mにおいては、第1燃焼室23および第2燃焼室33に、点火室13側の壁面に隣接して逆止弁70,75がそれぞれ設けられている。逆止弁70,75は、第1円筒状部材20および第2円筒状部材30の内径よりも僅かに大きい外形をそれぞれ有しており、第1円筒状部材20および第2円筒状部材30の点火室13寄りの部分に設けられた溝20a,30aにそれぞれ嵌め込まれて固定されている。
逆止弁70,75の中央部は、第1伝火路15および第2伝火路16を第1燃焼室23側および第2燃焼室33側からそれぞれ閉塞することができる。また、逆止弁70,75の中央部を除く周縁部には、貫通孔72,77がそれぞれ設けられている。これら逆止弁70,75は、たとえばステンレス鋼や鉄鋼、アルミニウム合金、ステンレス合金等の金属によって形成され、その点火室13側とは反対側に位置する主面にクッション材28,38がそれぞれ取付けられている。なお、この逆止弁70,75は、厚みが薄くなるように形成されており、その主面を構成する部分は適度な可撓性を有している。
図17は、本実施の形態におけるガス発生器の逆止弁の動作を説明するための図であり、図17(A)は、点火室内の伝火薬の燃焼が始まった段階を模式的に示す拡大断面図であり、図17(B)は、第1燃焼室内のガス発生剤の燃焼が始まった段階を模式的に示す拡大断面図である。以下においては、この図を参照して、第1燃焼室23内の圧力が第2燃焼室33内の圧力よりも高圧になった場合の逆止弁70の動作について説明する。
図17(A)に示すように、点火器12が作動して点火室13内に収容された伝火薬14が燃焼を開始すると、点火室13内の圧力が上昇し、これによってシール部材19の封止が破られ、点火室13と第1伝火路15とが連通する。これにより第1伝火路15内の圧力も上昇し、第1燃焼室15との間の圧力差に基づいて逆止弁70が図中矢印A1方向に向かって撓み、これによって逆止弁70に設けられた貫通孔72を介して第1伝火路15と第1燃焼室23とが連通する。この状態において、熱粒子が、図中矢印B方向に沿って第1伝火路15を経由して第1燃焼室23へと流れ込み、第1燃焼室23に収容されたガス発生剤24が着火されて燃焼し、多量のガスを発生させる。なお、これと同様に、第2燃焼室33側においても点火器12の作動に伴って逆止弁75が移動し、逆止弁75による第2伝火路16の閉塞が開放されて第2燃焼室33に収容されたガス発生剤34の燃焼が開始される。
上述のガス発生剤24の燃焼により、第1燃焼室23内の圧力が上昇し、第1燃焼室23内の圧力が第1伝火路15内の圧力よりも高くなると、図17(B)に示すように、第1燃焼室15との間の圧力差に基づいて逆止弁70の撓んでいた部分が図中矢印A2方向に向かって押し戻され、逆止弁70が第1伝火路15を閉塞し、第1伝火路15と第1燃焼室23とが非連通となる。第1伝火路15と第1燃焼室23との間が非連通となった後は、第1燃焼室23内に収容されたガス発生剤24が残存する限りガス発生剤24の燃焼が継続し、これに伴ってエアバッグが膨張・展開する。
このように構成することにより、第1燃焼室23においてガス発生剤24が燃焼した状態において、第1燃焼室23と第1伝火路15との圧力差(すなわち第1燃焼室23と点火室13や第2燃焼室33との間の圧力差)に基づいて逆止弁70が駆動されて変形し、第1伝火路15が閉塞されることになるため、第1燃焼室23と第2燃焼室33とが完全に通じていない状態とすることができる。そのため、逆止弁70が抑制手段として機能することになり、上述の実施の形態3におけるガス発生器1Kと同様の効果が得られることになる。
以上において説明したように、一対のガス出力部における出力を均一化させたくない場合(たとえば、一対のガス出力部に独立してエアバッグをそれぞれ1つずつ装着させ、これらを異なる展開速度にて展開させたい場合や展開後における内圧を上記一対のエアバッグ間で異なることとしたい場合、あるいは単一のエアバッグを一対のガス出力部の両方に装着し、これら一対のガス出力部におけるガス出力の持続時間を調節することにより、展開されるエアバッグの持続時間を延ばしたい場合など)に、本実施の形態の如くのガス発生器の構成を採用することにより、第1および第2燃焼室におけるガス発生剤の燃焼がそれぞれ他方の燃焼室におけるガス発生剤の燃焼に大きく影響を与えることがなくなるため、エアバッグ装置全体として所望の性能が得られるようになる。
図18は、本発明の実施の形態4におけるガス発生器の変形例を示す要部拡大断面図である。また、図19は、本変形例に係るガス発生器の逆止弁の動作を説明するための図であり、第1燃焼室内のガス発生剤の燃焼が始まった段階を模式的に示す拡大断面図である。上述の本実施の形態におけるガス発生器1Mにおいては、点火器12の作動前において、第1伝火路15および第2伝火路16が逆止弁70,75によってそれぞれ閉塞された状態となっている。しかしながら、上述の実施の形態3において説明したように、ガス発生剤24,34が非常に密に充填されている場合や伝火薬14の燃焼速度が比較的小さい場合などには、逆止弁70,75の動作が遅れ、ガス発生剤24,34の燃焼の開始が遅延してしまうことも想定される。そこで、本変形例に係るガス発生器1Nにおいては、図18に示すように、点火器12の作動前において、逆止弁70,65によって第1伝火路15および第2伝火路16が閉塞されない状態となるように構成している。
具体的には、図18に示すように、逆止弁70,75の主面とベース部材10の壁面との間に空間23a,33aがそれぞれ形成されるように、第1円筒状部材20および第2円筒状部材30に設けられた溝20a,30aに逆止弁70,75を嵌め込む。これにより、点火器12の作動前において、逆止弁70,75によってベース部材10の壁面に設けられた第1伝火路15および第2伝火路16の開口が閉塞されなくなる。したがって、点火器12の作動による伝火薬14の燃焼によって直ちに熱粒子が第1伝火路15および第2伝火路16、空間23a,33aおよび逆止弁70,75に設けられた貫通孔72,77を経由してそれぞれ燃焼室23,33に流れ込み、ガス発生剤24,34の燃焼がスムーズに開始されるようになる。
その後、ガス発生剤24,34の燃焼によって第1燃焼室23と第2燃焼室33との間に圧力差が生じた場合には、より高圧状態にある燃焼室側の逆止弁の中央部が点火室13側(図中矢印A2方向)に向かって変形し、これにより第1伝火路15または第2伝火路16のいずれかが逆止弁によって閉塞されることになる。なお、図19は、第1燃焼室23内の圧力が第2燃焼室33内の圧力よりも高圧となった場合の逆止弁70の形状を示しており、この状態においてベース部材10の壁面に設けられた第1伝火路15の開口は、変形後の逆止弁70の中央部によって閉塞されている。これにより、第1燃焼室23におけるガス発生剤24の燃焼特性と第2燃焼室33におけるガス発生剤34の燃焼特性とを相互に実質的に独立させることができるため、それぞれの燃焼室23,33において予定していたガス発生剤24,34の燃焼特性が得られるようになり、それぞれのガス出力部21,31において所望の出力が得られるようになる。
(実施の形態5)
図20(A)は、本発明の実施の形態5におけるガス発生器の要部拡大断面図であり、図20(B)は、図20(A)中におけるXXB−XXB線に沿った断面図、図20(C)は、図20(A)中におけるXXC−XXC線に沿った断面図である。以下においては、これらの図を参照して本実施の形態におけるガス発生器1Oの構造について説明する。なお、上述の実施の形態1におけるガス発生器1Aと同様の部分については図中同一の符号を付し、その説明はここでは繰り返さない。また、図20(B)および図20(C)においては、点火室の壁面に貼付されたシール部材の図示は省略している。
図20(A)ないし図20(C)に示すように、本実施の形態におけるガス発生器1Oにおいては、点火室を規定するベース部材10の凹部の側面に段差部分を設け、この段差部分に突き当るようにカップ部材51を凹部内に嵌め込むことにより、点火室を点火器12の軸方向(点火薬が充填される有底円筒状に形成された点火器12のスクイブカップの軸方向)に沿って2室に区画している。そして、2室に区画された点火室のうち、点火器12側に位置することとなる第1点火室13aの側面から第1燃焼室23に向けて直線状に延びる1つの孔を穿つことにより第1伝火路15を形成し、点火器12側に位置しないこととなる第2点火室13bの側面から第2燃焼室33に向けて直線状に延びる1つの孔を穿つことにより第2伝火路16を形成している。
カップ部材51としては、たとえばステンレス鋼や鉄鋼、アルミニウム合金、ステンレス合金等の金属製の有底筒状の部材が用いられる。カップ部材51は、好適には上記凹部内に圧入することによってベース部材10に固定される。カップ部材51の側面および底面には、開口部51aおよび開口部51bがそれぞれ形成されており、これら開口部51aおよび開口部51bを閉塞するようにシール部材19がカップ部材51の内側からそれぞれ貼付されている。カップ部材51の上記凹部内への嵌め込みに際しては、上記開口部51aが第1伝火路15の開口面15bと対峙するように位置決めして配置される。また、第2点火室13bの側面に設けられた第2伝火路16の開口面16bには、当該開口面16bを閉塞するようにシール部材19が貼付されている。なお、第1点火室13aと第2点火室13bのそれぞれには、伝火薬14が充填されている。
このように構成することにより、点火室の壁面に設けられた第1伝火路15の開口面15bを第1伝火路15の中心線に沿って第2伝火路16の開口面16bが設けられた点火室の壁面に投影した場合に、投影後の第1伝火路15の開口面15bが第2伝火路16の開口面16bと重ならないことになる(特に図20(C)参照)とともに、隔壁としてのカップ部材51の底面によって点火室が第1点火室13aと第2点火室13bとに区画され、第1伝火路15の開口面15bと第2伝火路16の開口面16bとがこのカップ部材51の底面によって隔てられることになる。したがって、第1燃焼室23と第2燃焼室33との間に位置する第1伝火路15、第1点火室13a、第2点火室13bおよび第2伝火路16からなる経路が複雑化することになる。
そのため、このように第1伝火路15および第2伝火路16を配設すること自体が抑制手段として機能することになり、また、隔壁としてのカップ部材51の底面が抑制手段として機能することになり、ガス発生器1Oの動作時において、すなわち点火器12によって点火された伝火薬14によってガス発生剤24,34が着火された状態において、第1燃焼室23に収容されたガス発生剤24の燃焼が第2燃焼室33に収容されたガス発生剤34の燃焼に影響を及ぼすことが抑制されるようになる。より具体的には、第1燃焼室23と第2燃焼室33とで圧力差が生じる場合、第1燃焼室23においてガス発生剤24が燃焼することによって生じた第1燃焼室23の圧力上昇に伴う発生ガスの逆流が防止され、またこれに伴う熱粒子の第1燃焼室23から第2燃焼室33への移動が防止される。したがって、第1燃焼室23におけるガス発生剤24の燃焼特性と第2燃焼室33におけるガス発生剤34の燃焼特性とを相互に実質的に独立させることが可能になるため、それぞれの燃焼室23,33において予定していたガス発生剤24,34の燃焼特性が得られるようになり、それぞれのガス出力部21,31において所望の出力が得られるようになる。
以上において説明したように、一対のガス出力部における出力を均一化させたくない場合(たとえば、一対のガス出力部に独立してエアバッグをそれぞれ1つずつ装着させ、これらを異なる展開速度にて展開させたい場合や展開後における内圧を上記一対のエアバッグ間で異なることとしたい場合、あるいは単一のエアバッグを一対のガス出力部の両方に装着し、これら一対のガス出力部におけるガス出力の持続時間を調節することにより、展開されるエアバッグの持続時間を延ばしたい場合など)に、本実施の形態の如くのガス発生器の構成を採用することにより、第1および第2燃焼室におけるガス発生剤の燃焼がそれぞれ他方の燃焼室におけるガス発生剤の燃焼に影響を与えることがなくなるため、エアバッグ装置全体として所望の性能が得られるようになる。
なお、本実施の形態におけるガス発生器1Oにおいては、上述のように、カップ部材51をベース部材10に圧入して固定する構成を採用しているため、簡便に隔壁を点火室内に設けることができる。また、本実施の形態の如くの構成を採用することにより、カップ部材51の底面に設ける開口部51bの大きさを適宜調節することによって簡便に抑制効果の度合いを調節することも可能になる。
(実施の形態6)
図21および図22は、本発明の実施の形態6におけるガス発生器の要部拡大断面図であり、図21は、作動前の要部拡大断面図、図22は、作動後の要部拡大断面図である。以下においては、これらの図を参照して本実施の形態におけるガス発生器1Pの構造および動作について説明する。なお、上述の実施の形態1におけるガス発生器1Aと同様の部分については図中同一の符号を付し、その説明はここでは繰り返さない。
図21に示すように、本実施の形態におけるガス発生器1Pにおいては、点火室13を規定するベース部材10の凹部内に、可動部材としてのカップ部材52と移動制限部材としてのピン55が配置されている。カップ部材52としては、たとえばステンレス鋼や鉄鋼、アルミニウム合金、ステンレス合金等の金属製の有底筒状の部材が用いられる。一方、ピン55としては、たとえば樹脂製の部材が用いられる。カップ部材52は、側壁の所定位置に開口部52a,52bを有しており、底面の中央部に開口52cを有している。ピン55は、支柱部55aとこの支柱部55aの一端に設けられたフランジ部55bとを有している。ピン55は、ベース部材10に設けられた上記凹部の底面にその支柱部55aの先端が当接するように上記凹部内に挿入配置されており、カップ部材52は、上記凹部内に挿入配置されたピン55のフランジ部55bにその底面が当接するように上記凹部内に挿入配置されている。ここで、カップ部材52は、ベース部材10に対して完全には固定されておらず、所定の摩擦力をもって内挿されている。したがって、上記摩擦力以上の力が加わることにより、カップ部材52は上記凹部内を移動することができる。
図21に示すように、ガス発生器1Pの動作前においては、ベース部材10に設けられた第1伝火路15の開口面にカップ部材52の開口部52aが対峙し、かつベース部材10に設けられた第2伝火路16の開口面にカップ部材52の開口部52bが対峙するように、カップ部材52が上記凹部内に位置決めして配置されている。当該状態においてカップ部材51には、それぞれ開口部52a〜52cを閉塞するようにシール部材19が貼付されている。そして、カップ部材52の内部の空間には伝火薬14が充填されている。なお、カップ部材52の底面に形成された開口部52cの開口径は、ピン55の支柱部55aの外径よりも大きく形成されている。また、ピン55のフランジ部55bの付け根部分には、切り込み等が形成されることによって薄肉の脆弱部55cが形成されている。
点火器12が作動して点火室13内に収容された伝火薬14が燃焼を開始すると、点火室13内の圧力が上昇し、これによってカップ部材52の開口部52a,52bを閉塞しているシール部材19が破られ、点火室13と第1燃焼室23および第2燃焼室33とが通ずる。これにより、第1燃焼室23および第2燃焼室33におけるガス発生剤24,34の燃焼が開始する。ガス発生剤24,34の燃焼が開始すると、第1燃焼室23内および第2燃焼室33内の圧力が急激に上昇し、その圧力の一部が第1伝火路15および第2伝火路16を経由して点火室13内の圧力を上昇させる。その結果、点火室13内の圧力は点火器12の作動直後に比べさらに高圧の状態となり、カップ部材51をピン55側に向けて押圧する。このときの押圧力がピン55の脆弱部55cに加わることにより、ピン55cは脆弱部55cにおいて破断し、支柱部55aとフランジ部55bとに分断される。そして、カップ部材52は上記摩擦力に抗してピン55側に移動し、開口部52cを閉塞しているシール部材19も破られ、図22に示す如くの状態となる。
以上の動作により、上記カップ部材52の移動によって第1伝火路15の開口面および第2伝火路16の開口面がカップ部材52の側壁によって閉塞されることになる。点火室13と第1燃焼室23および第2燃焼室33との間が非連通となった後は、第1燃焼室23内および第2燃焼室33内に収容されたガス発生剤24,34が残存する限りガス発生剤24,34の燃焼が継続し、これに伴ってエアバッグが膨張・展開する。
このように構成することにより、第1燃焼室23および第2燃焼室33においてガス発生剤24,34が燃焼した状態において、点火室13に生じる圧力によってカップ部材52がピン55による移動の制限に抗して駆動されてスライド移動し、第1伝火路15の開口面および第2伝火路16の開口面が閉塞されることになるため、第1燃焼室23と第2燃焼室33とが完全に通じていない状態とすることができる。そのため、カップ部材52およびピン55が抑制手段として機能することになり、ガス発生器1Pの動作時において、すなわち点火器12によって点火された伝火薬14によってガス発生剤24,34が着火された状態において、第1燃焼室23に収容されたガス発生剤24の燃焼が第2燃焼室33に収容されたガス発生剤34の燃焼に影響を及ぼすことが抑制されるようになる。したがって、第1燃焼室23におけるガス発生剤24の燃焼特性と第2燃焼室33におけるガス発生剤34の燃焼特性とを相互に実質的に独立させることが可能になるため、それぞれの燃焼室23,33において予定していたガス発生剤24,34の燃焼特性が得られるようになり、それぞれのガス出力部21,31において所望の出力が得られるようになる。
以上において説明したように、一対のガス出力部における出力を均一化させたくない場合(たとえば、一対のガス出力部に独立してエアバッグをそれぞれ1つずつ装着させ、これらを異なる展開速度にて展開させたい場合や展開後における内圧を上記一対のエアバッグ間で異なることとしたい場合、あるいは単一のエアバッグを一対のガス出力部の両方に装着し、これら一対のガス出力部におけるガス出力の持続時間を調節することにより、展開されるエアバッグの持続時間を延ばしたい場合など)に、本実施の形態の如くのガス発生器の構成を採用することにより、第1および第2燃焼室におけるガス発生剤の燃焼がそれぞれ他方の燃焼室におけるガス発生剤の燃焼に影響を与えることがなくなるため、エアバッグ装置全体として所望の性能が得られるようになる。
なお、本実施の形態の如くの構成を採用して抑制効果を得るためには、可動部材であるカップ部材52が移動制限部材であるピン55による移動の制限に抗して所定のタイミングで移動を開始することが重要である。当該タイミングを調節するためには、ピン55の材質や脆弱部55cの機械的強度、ガス発生剤24,34のガス出力、カップ部材52とベース部材10との間の摩擦力等を適宜調節することが必要になる。
上述の実施の形態1ないし6においては、両端が閉塞された略円筒状のハウジングを有し、その両端部からガスが噴出される、いわゆるT字型のガス発生器に本発明を適用した場合を例示して説明を行なったが、本発明は、1つの点火器によって駆動されるガス出力部が2つ以上存在するガス発生器であればどのようなものにも適用が可能である。したがって、本発明は、上述のT字型のガス発生器以外にも種々の構成のガス発生器に適用が可能である。
また、上述の実施の形態1ないし6においては、燃焼室内にガス発生剤とフィルタ部材とが配置されたガス発生器を例示して説明を行なったが、必ずしもこのように構成する必要はなく、仕切り板をガス発生剤とフィルタ部材との間に配置し、ガス発生剤が収容される燃焼室とフィルタ部材が収容されるフィルタ室とを別室にて構成したガス発生器としてもよい。その場合には、フィルタ部材を中空円筒状とし、フィルタ室を規定する円筒状部材の周壁にガス噴出口を設けることが好ましい。
また、上述の実施の形態1ないし6においては、点火室に点火器と伝火薬とが別々に収容された構成のガス発生器を例示して説明を行なったが、点火器の内部に点火薬とともに伝火薬をも充填する構成を採用することもできる。その場合にも、当然に本発明を適用することが可能である。
このように、今回開示した上記各実施の形態およびその変形例はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明の実施の形態1におけるガス発生器の外観構造を示す図であり、(A)は正面図、(B)は側面図である。 本発明の実施の形態1におけるガス発生器の内部構造を示す図であり、図1(B)中におけるII−II線に沿った断面図である。 (A)は、本発明の実施の形態1におけるガス発生器の要部拡大断面図であり、(B)は、(A)中におけるIIIB−IIIB線に沿った断面図、(C)は、(A)中におけるIIIC−IIIC線に沿った断面図である。 (A)は、本発明の実施の形態1におけるガス発生器の第1変形例の要部拡大断面図であり、(B)は、(A)中におけるIVB−IVB線に沿った断面図、(C)は、(A)中におけるIVC−IVC線に沿った断面図である。 (A)は、本発明の実施の形態1におけるガス発生器の第2変形例の要部拡大断面図であり、(B)は、(A)中におけるVB−VB線に沿った断面図、(C)は、(A)中におけるVC−VC線に沿った断面図である。 (A)は、本発明の実施の形態1におけるガス発生器の第3変形例の要部拡大断面図であり、(B)は、(A)中におけるVIB−VIB線に沿った断面図、(C)は、(A)中におけるVIC−VIC線に沿った断面図である。 (A)は、本発明の実施の形態1におけるガス発生器の第4変形例の要部拡大断面図であり、(B)は、(A)中におけるVIIB−VIIB線に沿った断面図、(C)は、(A)中におけるVIIC−VIIC線に沿った断面図である。 (A)は、本発明の実施の形態1におけるガス発生器の第5変形例の要部拡大断面図であり、(B)は、(A)中におけるVIIIB−VIIIB線に沿った断面図、(C)は、(A)中におけるVIIIC−VIIIC線に沿った断面図である。 (A)は、本発明の実施の形態1におけるガス発生器の第6変形例の要部拡大断面図であり、(B)は、(A)中におけるIXB−IXB線に沿った断面図、(C)は、(A)中におけるIXC−IXC線に沿った断面図である。 (A)は、本発明の実施の形態1におけるガス発生器の第7変形例の要部拡大断面図であり、(B)は、(A)中におけるXB−XB線に沿った断面図、(C)は、(A)中におけるXC−XC線に沿った断面図である。 (A)は、本発明の実施の形態1におけるガス発生器の第8変形例の断面図であり、(B)は、(A)中におけるXIB−XIB線に沿った断面図、(C)は、(A)中におけるXIC−XIC線に沿った断面図である。 (A)は、本発明の実施の形態2におけるガス発生器の要部拡大断面図であり、(B)は、(A)中におけるXIIB−XIIB線に沿った断面図、(C)は、(A)中におけるXIIC−XIIC線に沿った断面図である。 本発明の実施の形態3におけるガス発生器の要部拡大断面図である。 本発明の実施の形態3におけるガス発生器の逆止弁の動作を説明するための図であり、(A)は、点火室内の伝火薬の燃焼が始まった段階を模式的に示す拡大断面図であり、(B)は、第1燃焼室内のガス発生剤の燃焼が始まった段階を模式的に示す拡大断面図である。 本発明の実施の形態3におけるガス発生器の変形例を示す要部拡大断面図である。 本発明の実施の形態4におけるガス発生器の要部拡大断面図である。 本発明の実施の形態4におけるガス発生器の逆止弁の動作を説明するための図であり、(A)は、点火室内の伝火薬の燃焼が始まった段階を模式的に示す拡大断面図であり、(B)は、第1燃焼室内のガス発生剤の燃焼が始まった段階を模式的に示す拡大断面図である。 本発明の実施の形態4におけるガス発生器の変形例を示す要部拡大断面図である。 本発明の実施の形態4におけるガス発生器の変形例における逆止弁の動作を説明するための図であり、第1燃焼室内のガス発生剤の燃焼が始まった段階を模式的に示す拡大断面図である。 (A)は、本発明の実施の形態5におけるガス発生器の要部拡大断面図であり、(B)は、(A)中におけるXXB−XXB線に沿った断面図、(C)は、(A)中におけるXXC−XXC線に沿った断面図である。 本発明の実施の形態6におけるガス発生器の作動前の要部拡大断面図である。 本発明の実施の形態6におけるガス発生器の作動後の要部拡大断面図である。 従来のガス発生器の一例を示す模式断面図である。
符号の説明
1A〜1P ガス発生器、10 ベース部材、11 支持部材、12 点火器、13 点火室、13a 第1点火室、13b 第2点火室、14 伝火薬、15 第1伝火路、15a 中心線、15b 開口面、16 第2伝火路、16a 中心線、16b 開口面、17,18,19 シール部材、20 第1円筒状部材、20a 溝、21 ガス出力部、22 ガス噴出口、23 第1燃焼室、23a 空間、24 ガス発生剤、25 フィルタ部材、26 仕切り板、27 連通孔、28 クッション材、29 シール部材、30 第2円筒状部材、30a 溝、31 ガス出力部、32 ガス噴出口、33 第2燃焼室、33a 空間、34 ガス発生剤、35 フィルタ部材、36 仕切り板、37 連通孔、38 クッション材、39 シール部材、41,42 閉塞部材、50 隔壁、51,52 カップ部材、51a,51b,52a〜52c 開口部、55 ピン、55a 支柱部、55b フランジ部、55c 脆弱部、60,65 逆止弁、61,66 突部、62,67 貫通孔、70,75 逆止弁、72,77 貫通孔。

Claims (12)

  1. 単一の点火器および伝火薬が収容された点火室と、
    それぞれにガス発生剤が収容された相互に独立した第1燃焼室および第2燃焼室と、
    前記点火室と前記第1燃焼室とを通ずる第1伝火路と、
    前記点火室と前記第2燃焼室とを通ずる第2伝火路とを備え、
    前記点火室、前記第1燃焼室前記第2燃焼室、前記第1伝火路および前記第2伝火路が長尺のハウジングの内部に設けられ、
    前記点火室が前記第1燃焼室および前記第2燃焼室によって挟み込まれるように、前記点火室、前記第1燃焼室および前記第2燃焼室が前記長尺のハウジングの軸方向に直線状に配置され、
    前記第1伝火路および前記第2伝火路が、前記長尺のハウジングの軸方向に沿って前記点火室を挟み込むように配置され、
    前記点火器によって点火された前記伝火薬によって前記ガス発生剤が着火されて燃焼する際に、前記第1燃焼室に収容された前記ガス発生剤の燃焼が、前記第1伝火路、前記点火室および前記第2伝火路を経由して、前記第2燃焼室に収容された前記ガス発生剤の燃焼に影響を及ぼすことを抑制する抑制手段をさらに備えた、ガス発生器。
  2. 前記抑制手段には、前記第1伝火路の中心線と前記第2伝火路の中心線とが同一直線上に重ならないように、前記第1伝火路と前記第2伝火路とを平行にずらして配置したことを含む、請求項に記載のガス発生器。
  3. 前記抑制手段には、前記第1伝火路の中心線と前記第2伝火路の中心線とが非平行となるように、前記第1伝火路と前記第2伝火路とをずらして配置したことを含む、請求項に記載のガス発生器。
  4. 前記抑制手段には、前記点火室の壁面に設けられた前記第1伝火路の開口面を前記第1伝火路の中心線に沿って前記第2伝火路の開口面が設けられた前記点火室の壁面に投影した場合に、投影後の前記第1伝火路の開口面が前記第2伝火路の開口面と重ならないこととなるように、前記第1伝火路と前記第2伝火路とをずらして配置したことを含む、請求項に記載のガス発生器。
  5. 前記抑制手段が、前記点火室の壁面に設けられた前記第1伝火路の開口面と前記点火室の壁面に設けられた前記第2伝火路の開口面との間に設けられた隔壁を有する、請求項1に記載のガス発生器。
  6. 前記抑制手段が、前記第1伝火路を閉塞することが可能な位置に配設され、前記第1燃焼室と前記第2燃焼室との圧力差に基づいて駆動される逆止弁を有する、請求項1に記載のガス発生器。
  7. 前記抑制手段には、前記点火室の壁面に設けられた前記第1伝火路の開口面を前記第1伝火路の中心線に沿って前記第2伝火路の開口面が設けられた前記点火室の壁面に投影した場合に、投影後の前記第1伝火路の開口面が前記第2伝火路の開口面と重ならないこととなるように、前記第1伝火路と前記第2伝火路とを前記点火器の軸方向にずらして配置したことと、前記点火室の壁面に設けられた前記第1伝火路の開口面と前記点火室の壁面に設けられた前記第2伝火路の開口面との間に隔壁を設けて前記点火室を前記点火器の軸方向に2室に区画したこととを含む、請求項に記載のガス発生器。
  8. 前記隔壁は、前記点火室に配置された有底筒状のカップ部材の一部によって構成されている、請求項に記載のガス発生器。
  9. 前記カップ部材は、前記点火室に圧入固定されている、請求項に記載のガス発生器。
  10. 前記抑制手段が、前記点火室に移動可能に配置された可動部材と、前記点火室に配置され、前記可動部材に当接することによって前記可動部材の移動を制限する移動制限部材とを含み、
    前記点火室に生じる圧力によって前記可動部材が前記移動制限部材による移動の制限に抗して移動することにより、前記点火室の壁面に設けられた前記第1伝火路の開口面および前記点火室の壁面に設けられた前記第2伝火路の開口面の少なくともいずれか一方が前記可動部材によって閉塞されるように構成されている、請求項に記載のガス発生器。
  11. 前記可動部材は、前記点火室に配置された有底筒状のカップ部材からなる、請求項10に記載のガス発生器。
  12. 前記移動制限部材は、前記可動部材の移動に伴って破断される脆弱部を有する、請求項10または11に記載のガス発生器。
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