JP3705342B2 - カキ殻を含んだ肥料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はカキ殻を含んだ肥料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の肥料について概説すると、肥料はずっと以前においては粉末状のものが使用されていたが、施肥時に飛散しやすい欠点がある上、施肥後の雨水で流失したり、あるいは肥料が地表を被覆して土壌の通水性、通気性を阻害する等の問題点があった。
そこで、これらの問題点を改善するために肥料を適当な大きさの粒子に造粒する方法が提案され、現在実際に行われてもいる。
【0003】
肥料を造粒化するためにはまず造粒化しやすいことが要望され、また造粒する上で大事なことは、肥料の製造中はもちろんのこと、それ以降の流通から施肥までの取り扱い中に破壊しない堅さを有し、しかも取り扱いやすい大きさに造粒することである。また水分による崩壊性が良好で、施肥後に、雨や土中等の水分で適度な速度で崩壊して、成分を速やかに土中に分散することも必要である。
これらの条件を満たすため、今までに粒子状肥料の成分や作物の種類に応じて、種々のものが提案されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
発明者は、天然物であるカキ殻を土壌中和用の石灰分として用いた粒子状肥料について数多くの発明をしてきたが、カキ殻は多孔質であって粉末どうしが粘っこく、接着力が強いので、かかるカキ殻を使用した粒子状の肥料は、本質的に水分による崩壊性が低くなる傾向にあった。
このため、例えばカキ殻と組み合わせる苦土分として軽焼マグネシアを使用すると、この軽焼マグネシアは、造粒過程等において加水することで急激に反応して固くなりやすいために、水分による崩壊性を全く有しないものになるという問題があった。
【0005】
また海水などから合成される高純度の水酸化マグネシウムをカキ殻と組み合わせると、水酸化マグネシウムが空気中の二酸化炭素と反応して炭酸マグネシウムに経時変化することで、比較的短期間に崩壊性を失ってしまうという問題があった。
本発明の目的は、特に水中および土中での水分による崩壊性にすぐれた肥料をカキ殻と混合してなり、なおかつ造粒化がしやすく、しかも造粒したものの、水分による崩壊性にも優れた、カキ殻を含んだ肥料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記課題を解決するために、発明者らは、カキ殻と組み合わせる苦土分について種々、検討した。
その結果、従来の軽焼マグネシアや高純度の水酸化マグネシウムに代えて、天然鉱物としてのブルース石(ブルーサイト)を使用すると、このブルース石に含有される不純物の作用によって、その主成分である水酸化マグネシウムの、二酸化炭素との反応が抑制されるため、比較的長期にわたって水分による崩壊性を維持できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
したがって本願請求項1記載の発明は、微粉砕したのち2mmを超えるものを選別、除去したカキ殻に、微粉砕したのち2mmを超えるものを選別、除去したブルース石を混合し、造粒してあることを特徴とするカキ殻を含んだ肥料に関するものである。
上記請求項1記載の発明によると、粉砕されたブルース石は造粒化に何らの影響を及ぼさない上、前記のように不純物の作用によって、従来の高純度の水酸化マグネシウムに比べて、空気中の二酸化炭素との反応を起こしにくいため、これまでよりも長期間にわたって良好な崩壊性を維持することができる。
【0008】
しかも上記ブルース石、カキ殻、および請求項5に記載した水溶性バインダーはいずれも天然起源の成分であるため、化学合成肥料を用いないいわゆる有機農法(または完全有機農法)に好適である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を説明する。
〈カキ殻〉
カキが、水中で蛋白質と石灰の結合したものを体外に分泌すると、そのうち石灰分が水中の炭酸ガスと化合して、炭酸石灰の結晶からなるカキ殻が合成される。その大部分はチョーク層とよばれているきわめて脆い物質でできている。この部分は極めて薄い板状の方解石の結晶が組み合わされた、空隙の多い多孔質の構造で、カードハウス構造ともいう。カキ殻はおもにこのチョーク層と、それをつつみ込んでいる、葉状層とよばれる薄いが丈夫な層でできている。葉状層は方解石の短冊状の結晶が密に配列し、積み重なった構造を有しており、結晶はそれぞれがごく薄い有機物の膜につつまれていて、粘っこく曲げに対して強い。
【0010】
このように多孔質の空隙をもったカキ殻は、鉱物起源の石灰分に比べて比表面積が大きく、造粒した場合の結合力が強いため、造粒肥料として運搬、施肥に適している。また多孔質のため浸水性にすぐれており、造粒バインダーの水溶解排出は早いが、上記のように粉末どうしが粘っこくもあって接着力が強いため、特に前記のように軽焼マグネシウムや水酸化マグネシウムと組み合わせると、崩壊性が早期に悪化して崩壊しなくなってしまう。
【0011】
しかし後述するブルース石と組み合わせると、これも前記のように、当該ブルース石に含有される不純物の作用によって、その主成分である水酸化マグネシウムの、空気中の二酸化炭素との反応が起こり難くなるため、経時変化による崩壊性の悪化を防止して、比較的長期にわたって崩壊性を維持することができる。
またカキ殻は、前記のように単に石灰分の供給源であるだけでなく、海水中の豊富なミネラル分をも含んでおり、施肥後にはこれらミネラル分の供給源としても作用するため、鉱物起源の高純度の石灰分に比べて、作物の生育に特に良好である。
【0012】
カキ殻は、造粒肥料をきれいな球形にするため、微粉砕したのち2mmを超えるものを選別、除去してある必要がある。粉砕粒度が2mmを超えるものが入ると肥料が球形になりにくく、形状の悪いものとなって、施肥などの作業性の良い良好な製品になり難い。また0.1mm未満の微粉のみで造粒すると形状は美しいが、前記のようにカキ殻は多孔質で蛋白質を含むため、水溶性バインダーによる固化をいっそう進め、肥料の崩壊性を低下させるおそれがある。
【0013】
数々のテストの結果、上記のように微粉砕したのち2mmを超えるものを選別、除去することによって、2mm以下で、微粉までを等分に含むカキ殻の微粉砕物で造粒した場合が最も形状、崩壊性ともに良好な結果が得られた。
〈ブルース石〉
苦土分として最適な原料であるブルース石はマグネシウム鉱石の一種であって、工場で生産された高純度の水酸化マグネシウムとは異なり天然石(中国産、北朝鮮産等)のため、化学分析を行うと、主成分であるMg(OH)由来のMgOの他に、SiO、CaO、Fe、Al、P、TiO、MnO等の田畑に必要な微量要素を含み、またそれが不純物として、二酸化炭素との反応を遅らせる働きをする。
【0014】
ブルース石には、その原産地等によって、主成分である水酸化マグネシウムの含有割合が、MgO換算で45〜65重量%程度の、種々のグレードのものがあるが、本発明ではこのいずれを使用することもできる。
但しその苦土分としての施肥効果や、あるいは不純物による、二酸化炭素の反応を遅らせる効果等を一定に維持するためには、種々のグレードのブルース石をブレンドするなどして、水酸化マグネシウムの、MgO換算の含有割合を、例えば55重量%等の一定値に調整したものを、原料として使用するのが好ましい。
【0015】
二酸化炭素の反応、すなわち経時変化による固化を遅らせるためには、ブルース石の比表面積が小さいほうが、すなわち粒径が大きいほうが良いが、肥料成分としての土中溶解を考えると、粒径は小さく粉砕選別されたものが、土中および水中崩壊、土中崩壊を合わせた最適な肥料成分であり、かかるブルース石としては、微粉砕したのち2mmを超えるものを選別、除去したものを用いる必要がある。
その中でも特に0.2mm以下に微粉砕されたものを用いるのが好ましい。
【0016】
なおブルース石は硬度2.5、比重2.38〜2.40であり、処理利用としては焼成し易い特徴がある。
〈水溶性バインダー〉
造粒に使用できる水溶性バインダーとしては、一般的にはリグニン酸およびその塩などのリグニン化合物、ステフェン廃水濃縮液、アルコール発酵廃液(廃糖蜜発酵廃液)、ポリビニルアルコール、可溶性澱粉、カルボキシメチルセルローズ、サルファイトパルプ副生物等、多数があげられるが、本発明の目的には請求項5に記載したようにリグニン化合物およびアルコール発酵廃液のうちの少なくとも一方が、造粒のしやすさと水中および土中崩壊性の点で最良である。また、いずれも天然物起源であるため有機農法にも好適である。
【0017】
上記各成分の、造粒された肥料中での含有割合は特に限定されず、前述した、ブルース石中の水酸化マグネシウムの含有割合等に応じて適宜、設定することができるが、施肥効果を考慮すると、MgO換算で5〜31重量%となるように調整するのが好ましい。
例えば前記のように水酸化マグネシウムの、MgO換算の含有割合が55重量%に調整された、粉砕されたブルース石を使用する場合は、当該ブルース石とカキ殻とを、後述する実施例、比較例の結果から明らかなように、重量比で10:90〜55:45の範囲とするのが好ましい。
【0018】
この範囲よりブルース石の割合が少ないと、当該ブルース石の、苦土分としての施肥効果が不十分になる虞がある。また逆にブルース石の割合が多いと、相対的にカキ殻の割合が少なくなって接着力が低下して、粒子状の肥料が、製造中や施肥前の取り扱い時に破壊し易くなる。
なおブルース石とカキ殻との割合は、上記の範囲内でも特に10:90〜30:70の範囲であるのが好ましい。
【0019】
また言うまでもないことであるが、水酸化マグネシウムの含有割合が少ないブルース石を使用する場合は、そのMgO換算の含有割合を前記範囲に調整するために、ブルース石の含有割合を上記範囲より増加させ、逆に水酸化マグネシウムの含有割合が多いブルース石を使用する場合は、同様にMgO換算の含有割合を前記範囲に調整するために、ブルース石の含有割合を上記範囲より減少させればよい。
水溶性バインダーのうちリグニン化合物は水溶液の状態で添加され、その添加量は、水溶液中の固形分(リグニン化合物)の量で表して、これも後述する実施例、比較例の結果から明らかなように、上記ブルース石とカキ殻との総量に対して2.0〜6.0重量%の範囲であるのが好ましい。
【0020】
一方、アルコール発酵廃液は、やはり後述する実施例、比較例の結果から明らかなように、液中の固形分の量で表して、ブルース石とカキ殻との総量に対して2.0〜8.0重量%の範囲で添加するのが好ましい。
水溶性バインダーの添加量がこれらの範囲未満では接着力が低下して、粒子状の肥料が、製造中や施肥前の取り扱い時に破壊し易くなる虞があるだけでなく、粒子状に造粒できない場合も生じる。また逆に、水溶性バインダーの添加量が上記の範囲を超えた場合には、肥料の崩壊性が低下する虞がある。
【0021】
上記各成分から粒子状の肥料を製造するには、カキ殻とブルース石とを上記所定の割合で配合するとともに、液状の水溶性バインダーを、その固形分濃度を考慮して、当該水溶性バインダー中の固形分が上記所定の割合となるように配合し、全体を混練したのち、公知の方法によって造粒し、乾燥すればよい。
かくして造粒された粒子状の肥料の形状は、請求項6に記載のように直径1〜6mmの球形であるのが、機械散布がスムースにできて取り扱いが容易である上、施肥後の崩壊性も良好であるため好ましい。
【0022】
【実施例】
以下に本発明を、より使用至便となるよう請求項2に記載のごとく造粒した場合について、実施例、比較例に基づいて説明する。
実施例1
粉砕機を用いてカキ殻を微粉砕したのち、2mmを超えるものを選別、除去してカキ殻の微粉砕物を得た。得られた微粉砕物は、2mm以下で、微粉までを等分に含むものであった。
【0023】
またブルース石を微粉砕し、0.2mmを超えるものを選別、除去してブルース石の微粉砕物を得た。
次にこのカキ殻の微粉砕物と、ブルース石の微粉砕物とを、重量比で88:12の割合で、ブレンダーに仕込んでよく混合したところへ、両者の総量に対して7重量%の、水溶性バインダーとしてのリグニン酸ソーダの水溶液(固形分濃度50重量%、固形分量で表したリグニン酸ソーダの添加量は3.5重量%)を添加してさらによく混練した。
【0024】
次にこの混練物を造粒機に仕込んで、水を少量噴霧しながら造粒し、乾燥させて、直径1〜4mmのほぼ真球形をした肥料を製造した。
このような造粒により、カルシウムと苦土のバランスの取れた、作物に最適な施肥しやすい肥料が得られた。
比較例1
ブルース石に代えて、同量の、海水から合成された高純度の水酸化マグネシウムを使用したこと以外は実施例1と同様にして、直径1〜4mmのほぼ真球形をした肥料を製造した。
【0025】
〈肥料の崩壊性評価〉
カキ殻を含んだ肥料についての崩壊性評価としては、経時変化による硬化、末崩壊の原因を調査するため、実際に使用した時間よりも短縮してテストの行える促進テストとして、ウェザーメーター、フェドメーター、湿熱等のテストをしたが、肥料の固結硬化の状態を把握できなかった。
しかし、高湿度下での二酸化炭素促進テスト(圧力容器内に肥料を入れ、二酸化炭素を封入する)において、所定時間毎に肥料を取り出して硬度および水中崩壊性の状況を確認したところ、比較例は急速に硬化することが判明した(但し7回のテストの平均値)。
【0026】
なおこの際、肥料の硬度および水中崩壊性は、それぞれ下記の方法で測定した。
硬度試験(1)
促進テスト前(セット時)、および所定時間毎に圧力容器から取り出した時点の各肥料から無作為に20粒ずつ選び、簡易粒体硬度計〔FUJIWARA HARDNESS TESTER,CAP20kg,GRAD50g〕を用いて測定した測定値の平均値を求めて、硬度(kg)とした。
【0027】
水中崩壊性試験(1)
促進テスト前(セット時)、および所定時間毎に圧力容器から取り出した時点の各肥料から無作為に20粒ずつ選び、それを、あらかじめビーカー中に注ぎ入れて水流がなくなるまで静置した、室温(23±1℃)の水200cc中に静かに加えた。
そして60分間、経過後の粒子形状の変化を目視にて観察し、粒の形が消えて原料の粉状に戻ったものを崩壊したとみなして、下記式:
崩壊率(%)=崩壊した個数(個)/20(個)×100
によって求められる粒子の崩壊率が80%以上であったものを水中崩壊可(○)、50%以上でかつ80%未満であったものを大半水中崩壊不可(△)、50%未満であったものを水中崩壊不可(×)として評価した。
【0028】
テスト結果は図1のグラフと以下の表1の通りである。
【0029】
【表1】
Figure 0003705342
【0030】
表1に見るように、比較例1は二酸化炭素との反応による炭酸マグネシウム化に伴って硬度が上昇するとともに、31時間後に大半水中崩壊不可(△)となった。これに対し実施例1は硬度の上昇がなく、また40時間後まで水中崩壊可(○)であった。
また図1から、実施例、比較例が水中崩壊可(○)から、大半水中崩壊不可(△)、そして水中崩壊不可(×)に至るのに要した時間を比べると、下記表2のごとく二酸化炭素との反応による炭酸マグネシウム化が、実施例1の肥料でははるかに遅いことがわかった。
【0031】
【表2】
Figure 0003705342
【0032】
すなわち実施例1による肥料は、その硬化開始が、従来品(比較例1)と比べて36/16=2.25倍遅くなることがわかる。
自然状態のままの使用によると、従来品では通常、3ヶ月位までは水中および土中崩壊が可能であるが、3ヶ月経過後に硬化開始することが確認されている。したがって上記試験結果から実施例1の肥料は、約7ヶ月後まで硬化開始しないことが推定される。
【0033】
そしてこれらの結果から、ブルース石を原料とする実施例1のカキ殻肥料は、比較例1に比べて、その崩壊性がはるかに優れていることが判明した。
実施例2〜6、参考例1
粉砕機を用いてカキ殻を微粉砕したのち、2mmを超えるものを選別、除去してカキ殻の微粉砕物を得た。得られた微粉砕物は、2mm以下で、微粉までを等分に含むものであった。
【0034】
またブルース石を微粉砕し、0.2mmを超えるものを選別、除去してブルース石の微粉砕物を得た。
次にこのカキ殻の微粉砕物と、ブルース石の微粉砕物とを、表3に示す割合(重量比)で、ブレンダーに仕込んでよく混合したところへ、両者の総量に対して7重量%の、水溶性バインダーとしてのリグニン酸ソーダの水溶液(固形分濃度50重量%、固形分量で表したリグニン酸ソーダの添加量は3.5重量%)を添加してさらによく混練した。
【0035】
次にこの混練物を造粒機に仕込んで、水を少量噴霧しながら造粒し、乾燥させて、直径1〜6mmのほぼ真球形をした肥料を製造した。
比較例2
ブルース石に代えて、同量の、海水から合成された高純度の水酸化マグネシウムを使用したこと以外は実施例3と同様にして、直径1〜6mmのほぼ真球形をした肥料を製造した。
【0036】
上記各実施例、参考例、比較例で得た粒子状の肥料について、下記の各試験を行って、その特性を評価した。
水分含量測定
各実施例、参考例、比較例で作製した直後の、粒子状の肥料から無作為に約10gを秤量し、水分計〔SEISHIN ENTERPRIZE社製のOM−70〕を用いて、175℃、12分間の条件で、水分含量を測定した。
【0037】
硬度試験(2)
各実施例、参考例、比較例で作製した直後の、粒子状の肥料から無作為に20粒ずつ選び、前出の簡易粒体硬度計を用いて測定した測定値の平均値を求めて硬度(kg)とした。
粉化率測定
各実施例、参考例、比較例で作製した直後の、粒子状の肥料1さじ分を16メッシュの標準網ふるいに入れ、平型バケで軽く拭き落として、粉や小粒がふるい下に落ちなくなった状態で、ふるい上の試料を採集する操作を繰り返して、約200gの測定用試料を得た。
【0038】
次にこの測定用試料100gを秤量し、内径100mm、深さ100mmの、ボールミル用の磁製ポット中に入れ、そこへ直径約30mm、重さ約35gの磁製ボール3個を、その合計の重量が105g程度となるように組み合わせて加えたのち、ポットの蓋をし、ボールミルによって毎分75回転の速さで15分間、回転させた。
そして回転終了後、測定試料をポットから取り出し、標準網ふるいを用いて、18メッシュ以下に粉化された粉化物を採取して、その重量A(g)を秤量し、式:
粉化率(%)=A(g)/100(g)×100
によって粉化率(%)を求めた。
【0039】
水中崩壊性試験(2)
各実施例、参考例、比較例で作製した粒子状の肥料を3ヶ月間、大気中に放置したのち、無作為に20粒ずつ選び、それを、あらかじめビーカー中に注ぎ入れて水流がなくなるまで静置した、室温(20℃)の水200cc中に静かに加えた。
そして時間の経過に伴う粒子形状の変化を目視にて観察し、粒の形が消えて原料の粉状に戻ったものを崩壊したものと見なして、20粒全ての粒子が崩壊するのに要した時間を測定し、その長短でもって水中崩壊性を評価した。
【0040】
崩壊性維持試験
各実施例、参考例、比較例で作製した直後の、粒子状の肥料について、前出の、高湿度下での二酸化炭素促進テスト(圧力容器内に肥料を入れ、二酸化炭素を封入する)を実施し、1時間毎に肥料を取り出して、前記水中崩壊性試験(1)を行った。そして試験の結果が大半水中崩壊不可(△)に至るのに要した時間でもって、肥料の、水中崩壊性維持の特性を評価した。なおテストは120時間にわたって行い、120時間後も水中崩壊可(○)であったものは、表3中に単に「可」と記した。
【0041】
結果を表3に示す。
【0042】
【表3】
Figure 0003705342
【0043】
表より明らかなように、ブルース石に代えて水酸化マグネシウムを使用した比較例2の肥料は、二酸化炭素との反応による炭酸マグネシウム化が進行して、水中崩壊性を40時間まで維持することができなかった。
これに対し、ブルース石を使用した実施例2〜6の肥料は、ブルース石を加えず、カキ殻のみをリグニン酸ソーダで固めたために水中崩壊性が全く失われない参考例1の肥料ほどではないものの、比較例2に比べてより長時間にわたって、水中崩壊性を維持できることが判明した。
【0044】
また各実施例を比較すると、ブルース石の割合が多いほど硬度が上昇するとともに粉化率が低下して、施肥などの作業時に崩れにくくなり、逆にブルース石の割合が少ないほど、水中崩壊性が良好になるとともに、水中崩壊性を維持できる時間が長くなることが判った。
実施例7〜11、参考例2
リグニン酸ソーダに代えて、カキ殻とブルース石の総量に対して10重量%のアルコール発酵廃液(固形分濃度50重量%、固形分量で表した添加量は5.0重量%)を使用したこと以外は実施例2〜6、参考例1と同様にして、直径1〜6mmのほぼ真球形をした肥料を製造した。
【0045】
上記各実施例、参考例で得た粒子状の肥料について、前記の各試験を行って、その特性を評価した。結果を表4に示す。
【0046】
【表4】
Figure 0003705342
【0047】
表より、水溶性バインダーとしてアルコール発酵廃液を使用した場合にも、リグニン酸ソーダを使用した場合と同様の結果が得られることが判明した。
すなわちブルース石を使用した実施例7〜11の肥料は、ブルース石を加えず、カキ殻のみをアルコール発酵廃液で固めたために水中崩壊性が全く失われない参考例2の肥料ほどではないものの、長時間にわたって、水中崩壊性を維持できることが確認された。
【0048】
また各実施例を比較すると、ブルース石の割合が多いほど硬度が上昇するとともに粉化率が低下して、施肥などの作業時に崩れにくくなり、逆にブルース石の割合が少ないほど、水中崩壊性が良好になるとともに、水中崩壊性を維持できる時間が長くなることが判った。
実施例12
ブルース石を微粉砕し、2.0mmを超えるものを選別、除去して得たブルース石の微粉砕物を同量、使用したこと以外は実施例3と同様にして、直径1〜6mmのほぼ真球形をした肥料を製造した。
【0049】
上記実施例12で得た粒子状の肥料について、前記の各試験を行って、その特性を評価した。結果を、実施例3の結果とあわせて表5に示す。
【0050】
【表5】
Figure 0003705342
【0051】
表より、ブルース石のサイズを2.0mm以下にした実施例12の肥料は、ブルース石のサイズを0.2mm以下にした実施例3に比べて僅かに粉化率が高くなり、かつ水中崩壊性が低下する傾向を示すものの、実施例3とほぼ同等の特性を示すことが確認された。
実施例13、14
リグニン酸ソーダの水溶液(固形分濃度50重量%)の添加量を、カキ殻とブルース石の総量に対して5重量%(実施例13、固形分量で表して2.5重量%)、および10重量%(実施例14、固形分量で表して5.0重量%)としたこと以外は実施例3と同様にして、直径1〜6mmのほぼ真球形をした肥料を製造した。
【0052】
実施例15、16
アルコール発酵廃液(固形分濃度50重量%)の添加量を、カキ殻とブルース石の総量に対して5重量%(実施例15、固形分量で表して2.5重量%)、および15重量%(実施例16、固形分量で表して7.5重量%)としたこと以外は実施例8と同様にして、直径1〜6mmのほぼ真球形をした肥料を製造した。上記各実施例で得た粒子状の肥料について、前記の各試験を行って、その特性を評価した。結果を、実施例3、8の結果とあわせて表6に示す。
【0053】
【表6】
Figure 0003705342
【0054】
表より、水溶性バインダーとしてリグニン酸ソーダを使用した系、およびアルコール発酵廃液を使用した系のいずれにおいても、水溶性バインダーの量が多くなるほど、硬度が上昇するとともに粉化率が低下して、施肥などの作業時に崩れにくくなること、逆に水溶性バインダーの量が少なくなるほど、水中崩壊性が良好になることが判った。
【図面の簡単な説明】
【図1】二酸化炭素促進テストの結果を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 微粉砕したのち2mmを超えるものを選別、除去したカキ殻に、微粉砕したのち2mmを超えるものを選別、除去したブルース石を混合し、造粒してあることを特徴とするカキ殻を含んだ肥料。
  2. 請求項1記載のカキ殻とブルース石と混合したものにさらに水溶性バインダーを混合し、全体を混練して造粒してあることを特徴とするカキ殻を含んだ肥料。
  3. 水溶性バインダーがリグニン化合物およびアルコール発酵廃液のうちの少なくとも一方である請求項2記載のカキ殻を含んだ肥料。
  4. 造粒を直径1〜6mmの球形にする請求項2記載のカキ殻を含んだ肥料。
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