JP2001080984A - カキ殻を含んだ肥料 - Google Patents

カキ殻を含んだ肥料

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽焼マグネシウムや水酸化マグネシウムのよ
うに崩壊性に劣る肥料でなく、水中および土中での崩壊
性が良好な肥料を、カキ殻と混合し、しかも造粒化もし
易いものを提供する。 【解決手段】 粉砕されたカキ殻に、粉砕されたブルー
ス石を混合してあることを特徴とするカキ殻を含んだ肥
料と、カキ殻とブルース石と混合したものにさらに水溶
性バインダーを混合し、全体を混練して造粒してあるこ
とを特徴とするカキ殻を含んだ肥料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカキ殻を含んだ肥料
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の肥料について概説すると、肥料は
ずっと以前においては粉末状のものが使用されていた
が、施肥時に飛散しやすい欠点がある上、施肥後の雨水
で流失したり、あるいは肥料が地表を被覆して土壌の通
水性、通気性を阻害する等の問題点があった。そこで、
これらの問題点を改善するために肥料を適当な大きさの
粒子に造粒する方法が提案され、現在実際に行われても
いる。
【0003】肥料を造粒化するためにはまず造粒化しや
すいことが要望され、また造粒する上で大事なことは、
肥料の製造中はもちろんのこと、それ以降の流通から施
肥までの取り扱い中に破壊しない堅さを有し、しかも取
り扱いやすい大きさに造粒することである。また水分に
よる崩壊性が良好で、施肥後に、雨や土中等の水分で適
度な速度で崩壊して、成分を速やかに土中に分散するこ
とも必要である。これらの条件を満たすため、今までに
粒子状肥料の成分や作物の種類に応じて、種々のものが
提案されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】発明者は、天然物であ
るカキ殻を土壌中和用の石灰分として用いた粒子状肥料
について数多くの発明をしてきたが、カキ殻は多孔質で
あって粉末どうしが粘っこく、接着力が強いので、かか
るカキ殻を使用した粒子状の肥料は、本質的に水分によ
る崩壊性が低くなる傾向にあった。このため、例えばカ
キ殻と組み合わせる苦土分として軽焼マグネシアを使用
すると、この軽焼マグネシアは、造粒過程等において加
水することで急激に反応して固くなりやすいために、水
分による崩壊性を全く有しないものになるという問題が
あった。
【0005】また海水などから合成される高純度の水酸
化マグネシウムをカキ殻と組み合わせると、水酸化マグ
ネシウムが空気中の二酸化炭素と反応して炭酸マグネシ
ウムに経時変化することで、比較的短期間に崩壊性を失
ってしまうという問題があった。本発明の目的は、特に
水中および土中での水分による崩壊性にすぐれた肥料を
カキ殻と混合してなり、なおかつ造粒化がしやすく、し
かも造粒したものの、水分による崩壊性にも優れた、カ
キ殻を含んだ肥料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記課
題を解決するために、発明者らは、カキ殻と組み合わせ
る苦土分について種々、検討した。その結果、従来の軽
焼マグネシアや高純度の水酸化マグネシウムに代えて、
天然鉱物としてのブルース石(ブルーサイト)を使用す
ると、このブルース石に含有される不純物の作用によっ
て、その主成分である水酸化マグネシウムの、二酸化炭
素との反応が抑制されるため、比較的長期にわたって水
分による崩壊性を維持できることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0007】したがって本願請求項1記載の発明は、粉
砕されたカキ殻に、粉砕されたブルース石を混合してあ
ることを特徴とするカキ殻を含んだ肥料に関するもので
ある。上記請求項1記載の発明によると、粉砕されたブ
ルース石は造粒化に何らの影響を及ぼさない上、前記の
ように不純物の作用によって、従来の高純度の水酸化マ
グネシウムに比べて、空気中の二酸化炭素との反応を起
こしにくいため、これまでよりも長期間にわたって良好
な崩壊性を維持することができる。
【0008】しかも上記ブルース石、カキ殻、および請
求項5に記載した水溶性バインダーはいずれも天然起源
の成分であるため、化学合成肥料を用いないいわゆる有
機農法(または完全有機農法)に好適である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明を説明する。 〈カキ殻〉カキが、水中で蛋白質と石灰の結合したもの
を体外に分泌すると、そのうち石灰分が水中の炭酸ガス
と化合して、炭酸石灰の結晶からなるカキ殻が合成され
る。その大部分はチョーク層とよばれているきわめて脆
い物質でできている。この部分は極めて薄い板状の方解
石の結晶が組み合わされた、空隙の多い多孔質の構造
で、カードハウス構造ともいう。カキ殻はおもにこのチ
ョーク層と、それをつつみ込んでいる、葉状層とよばれ
る薄いが丈夫な層でできている。葉状層は方解石の短冊
状の結晶が密に配列し、積み重なった構造を有してお
り、結晶はそれぞれがごく薄い有機物の膜につつまれて
いて、粘っこく曲げに対して強い。
【0010】このように多孔質の空隙をもったカキ殻
は、鉱物起源の石灰分に比べて比表面積が大きく、造粒
した場合の結合力が強いため、造粒肥料として運搬、施
肥に適している。また多孔質のため浸水性にすぐれてお
り、造粒バインダーの水溶解排出は早いが、上記のよう
に粉末どうしが粘っこくもあって接着力が強いため、特
に前記のように軽焼マグネシウムや水酸化マグネシウム
と組み合わせると、崩壊性が早期に悪化して崩壊しなく
なってしまう。
【0011】しかし後述するブルース石と組み合わせる
と、これも前記のように、当該ブルース石に含有される
不純物の作用によって、その主成分である水酸化マグネ
シウムの、空気中の二酸化炭素との反応が起こり難くな
るため、経時変化による崩壊性の悪化を防止して、比較
的長期にわたって崩壊性を維持することができる。また
カキ殻は、前記のように単に石灰分の供給源であるだけ
でなく、海水中の豊富なミネラル分をも含んでおり、施
肥後にはこれらミネラル分の供給源としても作用するた
め、鉱物起源の高純度の石灰分に比べて、作物の生育に
特に良好である。
【0012】カキ殻は、造粒肥料をきれいな球形にする
ため、請求項3に記載したように2mm以下に微粉砕し
てあることが好ましい。粉砕粒度が2mmを超えるもの
が入ると肥料が球形になりにくく、形状の悪いものとな
って、施肥などの作業性の良い良好な製品になり難い。
また0.1mm未満の微粉のみで造粒すると形状は美し
いが、前記のようにカキ殻は多孔質で蛋白質を含むた
め、水溶性バインダーによる固化をいっそう進め、肥料
の崩壊性を低下させるおそれがある。
【0013】数々のテストの結果、2mm以下で、微粉
までを等分に含むカキ殻の微粉砕物で造粒した場合が最
も形状、崩壊性ともに良好な結果が得られた。 〈ブルース石〉苦土分として最適な原料であるブルース
石はマグネシウム鉱石の一種であって、工場で生産され
た高純度の水酸化マグネシウムとは異なり天然石(中国
産、北朝鮮産等)のためMg(OH)2、MgOの他
に、SiO2、CaO 、Fe23、Al23、P25
TiO2、MnO2等の田畑に必要な微量要素を含み、ま
たそれが不純物として、二酸化炭素との反応を遅らせる
働きをする。
【0014】ブルース石には、その原産地等によって、
主成分である水酸化マグネシウムの含有割合が45〜6
5重量%程度の、種々のグレードのものがあるが、本発
明ではこのいずれを使用することもできる。但しその苦
土分としての施肥効果や、あるいは不純物による、二酸
化炭素の反応を遅らせる効果等を一定に維持するために
は、種々のグレードのブルース石をブレンドするなどし
て、水酸化マグネシウムの含有割合を、例えば55重量
%等の一定値に調整したものを、原料として使用するの
が好ましい。
【0015】二酸化炭素の反応、すなわち経時変化によ
る固化を遅らせるためには、ブルース石の比表面積が小
さいほうが、すなわち粒径が大きいほうが良いが、肥料
成分としての土中溶解を考えると、粒径は小さく粉砕選
別されたものが、土中および水中崩壊、土中崩壊を合わ
せた最適な肥料成分であり、請求項4に記載したように
2mm以下、その中でも特に0.2mm以下に微粉砕さ
れたものを用いるのが好ましい。
【0016】なおブルース石は硬度2.5、比重2.3
8〜2.40であり、処理利用としては焼成し易い特徴
がある。 〈水溶性バインダー〉造粒に使用できる水溶性バインダ
ーとしては、一般的にはリグニン酸およびその塩などの
リグニン化合物、ステフェン廃水濃縮液、アルコール発
酵廃液(廃糖蜜発酵廃液)、ポリビニルアルコール、可
溶性澱粉、カルボキシメチルセルローズ、サルファイト
パルプ副生物等、多数があげられるが、本発明の目的に
は請求項5に記載したようにリグニン化合物およびアル
コール発酵廃液のうちの少なくとも一方が、造粒のしや
すさと水中および土中崩壊性の点で最良である。また、
いずれも天然物起源であるため有機農法にも好適であ
る。
【0017】上記各成分の、造粒された肥料中での含有
割合は特に限定されず、前述した、ブルース石中の水酸
化マグネシウムの含有割合等に応じて適宜、設定するこ
とができるが、施肥効果を考慮すると、MgO換算で5
〜31重量%の苦土分が含まれるように調整するのが好
ましい。例えば前記のように水酸化マグネシウムの含有
割合が55重量%に調整された、粉砕されたブルース石
を使用する場合は、当該ブルース石とカキ殻とを、重量
比で90:10〜45:55の範囲とするのが好まし
い。
【0018】この範囲よりブルース石の割合が少ない
と、当該ブルース石の、苦土分としての施肥効果が不十
分になる虞がある。また逆にブルース石の割合が多い
と、相対的にカキ殻の割合が少なくなって接着力が低下
して、粒子状の肥料が、製造中や施肥前の取り扱い時に
破壊し易くなる。なおブルース石とカキ殻との割合は、
上記の範囲内でも特に90:10〜70:30の範囲で
あるのが好ましい。
【0019】また言うまでもないことであるが、水酸化
マグネシウムの含有割合が少ないブルース石を使用する
場合は、苦土分の割合を前記範囲に調整するために、ブ
ルース石の含有割合を上記範囲より増加させ、逆に水酸
化マグネシウムの含有割合が多いブルース石を使用する
場合は、同様に苦土分の割合を前記範囲に調整するため
に、ブルース石の含有割合を上記範囲より減少させれば
よい。水溶性バインダーのうちリグニン化合物は水溶液
の状態で添加され、その添加量は、水溶液中の固形分
(リグニン化合物)の量で表して、上記ブルース石とカ
キ殻との総量に対して2.0〜6.0重量%の範囲であ
るのが好ましい。
【0020】一方、アルコール発酵廃液は、やはり液中
の固形分の量で表して、ブルース石とカキ殻との総量に
対して2.0〜8.0重量%の範囲で添加するのが好ま
しい。水溶性バインダーの添加量がこれらの範囲未満で
は接着力が低下して、粒子状の肥料が、製造中や施肥前
の取り扱い時に破壊し易くなる虞があるだけでなく、粒
子状に造粒できない場合も生じる。また逆に、水溶性バ
インダーの添加量が上記の範囲を超えた場合には、肥料
の崩壊性が低下する虞がある。
【0021】上記各成分から粒子状の肥料を製造するに
は、カキ殻とブルース石とを上記所定の割合で配合する
とともに、液状の水溶性バインダーを、その固形分濃度
を考慮して、当該水溶性バインダー中の固形分が上記所
定の割合となるように配合し、全体を混練したのち、公
知の方法によって造粒し、乾燥すればよい。かくして造
粒された粒子状の肥料の形状は、請求項6に記載のよう
に直径1〜6mmの球形であるのが、機械散布がスムー
スにできて取り扱いが容易である上、施肥後の崩壊性も
良好であるため好ましい。
【0022】
【実施例】以下に本発明を、より使用至便となるよう請
求項2に記載のごとく造粒した場合について、実施例、
比較例に基づいて説明する。 実施例1 粉砕機を用いてカキ殻を微粉砕したのち、2mmを超え
るものを選別、除去してカキ殻の微粉砕物を得た。得ら
れた微粉砕物は、2mm以下で、微粉までを等分に含む
ものであった。
【0023】またブルース石を微粉砕し、0.2mmを
超えるものを選別、除去してブルース石の微粉砕物を得
た。次にこのカキ殻の微粉砕物と、ブルース石の微粉砕
物とを、重量比で88:12の割合で、ブレンダーに仕
込んでよく混合したところへ、両者の総量に対して7重
量%の、水溶性バインダーとしてのリグニン酸ソーダの
水溶液(固形分濃度50重量%、固形分量で表したリグ
ニン酸ソーダの添加量は3.5重量%)を添加してさら
によく混練した。
【0024】次にこの混練物を造粒機に仕込んで、水を
少量噴霧しながら造粒し、乾燥させて、直径1〜4mm
のほぼ真球形をした肥料を製造した。このような造粒に
より、カルシウムと苦土のバランスの取れた、作物に最
適な施肥しやすい肥料が得られた。 比較例1 ブルース石に代えて、同量の、海水から合成された高純
度の水酸化マグネシウムを使用したこと以外は実施例1
と同様にして、直径1〜4mmのほぼ真球形をした肥料
を製造した。
【0025】〈肥料の崩壊性評価〉カキ殻を含んだ肥料
についての崩壊性評価としては、経時変化による硬化、
末崩壊の原因を調査するため、実際に使用した時間より
も短縮してテストの行える促進テストとして、ウェザー
メーター、フェドメーター、湿熱等のテストをしたが、
肥料の固結硬化の状態を把握できなかった。しかし、高
湿度下での二酸化炭素促進テスト(圧力容器内に肥料を
入れ、二酸化炭素を封入する)において、所定時間毎に
肥料を取り出して硬度および水中崩壊性の状況を確認し
たところ、比較例は急速に硬化することが判明した(但
し7回のテストの平均値)。
【0026】なおこの際、肥料の硬度および水中崩壊性
は、それぞれ下記の方法で測定した。 硬度試験(1) 促進テスト前(セット時)、および所定時間毎に圧力容
器から取り出した時点の各肥料から無作為に20粒ずつ
選び、簡易粒体硬度計〔FUJIWARA HARDN
ESS TESTER,CAP20kg,GRAD50
g〕を用いて測定した測定値の平均値を求めて、硬度
(kg)とした。
【0027】水中崩壊性試験(1) 促進テスト前(セット時)、および所定時間毎に圧力容
器から取り出した時点の各肥料から無作為に20粒ずつ
選び、それを、あらかじめビーカー中に注ぎ入れて水流
がなくなるまで静置した、室温(23±1℃)の水20
0cc中に静かに加えた。そして60分間、経過後の粒
子形状の変化を目視にて観察し、粒の形が消えて原料の
粉状に戻ったものを崩壊したとみなして、下記式: 崩壊率(%)=崩壊した個数(個)/20(個)×10
0 によって求められる粒子の崩壊率が80%以上であった
ものを水中崩壊可(○)、50%以上でかつ80%未満
であったものを大半水中崩壊不可(△)、50%未満で
あったものを水中崩壊不可(×)として評価した。
【0028】テスト結果は図1のグラフと以下の表1の
通りである。
【0029】
【表1】
【0030】表1に見るように、比較例1は二酸化炭素
との反応による炭酸マグネシウム化に伴って硬度が上昇
するとともに、31時間後に大半水中崩壊不可(△)と
なった。これに対し実施例1は硬度の上昇がなく、また
40時間後まで水中崩壊可(○)であった。また図1か
ら、実施例、比較例が水中崩壊可(○)から、大半水中
崩壊不可(△)、そして水中崩壊不可(×)に至るのに
要した時間を比べると、下記表2のごとく二酸化炭素と
の反応による炭酸マグネシウム化が、実施例1の肥料で
ははるかに遅いことがわかった。
【0031】
【表2】
【0032】すなわち実施例1による肥料は、その硬化
開始が、従来品(比較例1)と比べて36/16=2.
25倍遅くなることがわかる。自然状態のままの使用に
よると、従来品では通常、3ヶ月位までは水中および土
中崩壊が可能であるが、3ヶ月経過後に硬化開始するこ
とが確認されている。したがって上記試験結果から実施
例1の肥料は、約7ヶ月後まで硬化開始しないことが推
定される。
【0033】そしてこれらの結果から、ブルース石を原
料とする実施例1のカキ殻肥料は、比較例1に比べて、
その崩壊性がはるかに優れていることが判明した。 実施例2〜6、参考例1 粉砕機を用いてカキ殻を微粉砕したのち、2mmを超え
るものを選別、除去してカキ殻の微粉砕物を得た。得ら
れた微粉砕物は、2mm以下で、微粉までを等分に含む
ものであった。
【0034】またブルース石を微粉砕し、0.2mmを
超えるものを選別、除去してブルース石の微粉砕物を得
た。次にこのカキ殻の微粉砕物と、ブルース石の微粉砕
物とを、表3に示す割合(重量比)で、ブレンダーに仕
込んでよく混合したところへ、両者の総量に対して7重
量%の、水溶性バインダーとしてのリグニン酸ソーダの
水溶液(固形分濃度50重量%、固形分量で表したリグ
ニン酸ソーダの添加量は3.5重量%)を添加してさら
によく混練した。
【0035】次にこの混練物を造粒機に仕込んで、水を
少量噴霧しながら造粒し、乾燥させて、直径1〜6mm
のほぼ真球形をした肥料を製造した。 比較例2 ブルース石に代えて、同量の、海水から合成された高純
度の水酸化マグネシウムを使用したこと以外は実施例3
と同様にして、直径1〜6mmのほぼ真球形をした肥料
を製造した。
【0036】上記各実施例、参考例、比較例で得た粒子
状の肥料について、下記の各試験を行って、その特性を
評価した。 水分含量測定 各実施例、参考例、比較例で作製した直後の、粒子状の
肥料から無作為に約10gを秤量し、水分計〔SEIS
HIN ENTERPRIZE社製のOM−70〕を用
いて、175℃、12分間の条件で、水分含量を測定し
た。
【0037】硬度試験(2) 各実施例、参考例、比較例で作製した直後の、粒子状の
肥料から無作為に20粒ずつ選び、前出の簡易粒体硬度
計を用いて測定した測定値の平均値を求めて硬度(k
g)とした。 粉化率測定 各実施例、参考例、比較例で作製した直後の、粒子状の
肥料1さじ分を16メッシュの標準網ふるいに入れ、平
型バケで軽く拭き落として、粉や小粒がふるい下に落ち
なくなった状態で、ふるい上の試料を採集する操作を繰
り返して、約200gの測定用試料を得た。
【0038】次にこの測定用試料100gを秤量し、内
径100mm、深さ100mmの、ボールミル用の磁製
ポット中に入れ、そこへ直径約30mm、重さ約35g
の磁製ボール3個を、その合計の重量が105g程度と
なるように組み合わせて加えたのち、ポットの蓋をし、
ボールミルによって毎分75回転の速さで15分間、回
転させた。そして回転終了後、測定試料をポットから取
り出し、標準網ふるいを用いて、18メッシュ以下に粉
化された粉化物を採取して、その重量A(g)を秤量
し、式: 粉化率(%)=A(g)/100(g)×100 によって粉化率(%)を求めた。
【0039】水中崩壊性試験(2) 各実施例、参考例、比較例で作製した粒子状の肥料を3
ヶ月間、大気中に放置したのち、無作為に20粒ずつ選
び、それを、あらかじめビーカー中に注ぎ入れて水流が
なくなるまで静置した、室温(20℃)の水200cc
中に静かに加えた。そして時間の経過に伴う粒子形状の
変化を目視にて観察し、粒の形が消えて原料の粉状に戻
ったものを崩壊したものと見なして、20粒全ての粒子
が崩壊するのに要した時間を測定し、その長短でもって
水中崩壊性を評価した。
【0040】崩壊性維持試験 各実施例、参考例、比較例で作製した直後の、粒子状の
肥料について、前出の、高湿度下での二酸化炭素促進テ
スト(圧力容器内に肥料を入れ、二酸化炭素を封入す
る)を実施し、1時間毎に肥料を取り出して、前記水中
崩壊性試験(1)を行った。そして試験の結果が大半水中
崩壊不可(△)に至るのに要した時間でもって、肥料
の、水中崩壊性維持の特性を評価した。なおテストは1
20時間にわたって行い、120時間後も水中崩壊可
(○)であったものは、表3中に単に「可」と記した。
【0041】結果を表3に示す。
【0042】
【表3】
【0043】表より明らかなように、ブルース石に代え
て水酸化マグネシウムを使用した比較例2の肥料は、二
酸化炭素との反応による炭酸マグネシウム化が進行し
て、水中崩壊性を40時間まで維持することができなか
った。これに対し、ブルース石を使用した実施例2〜6
の肥料は、ブルース石を加えず、カキ殻のみをリグニン
酸ソーダで固めたために水中崩壊性が全く失われない参
考例1の肥料ほどではないものの、比較例2に比べてよ
り長時間にわたって、水中崩壊性を維持できることが判
明した。
【0044】また各実施例を比較すると、ブルース石の
割合が多いほど硬度が上昇するとともに粉化率が低下し
て、施肥などの作業時に崩れにくくなり、逆にブルース
石の割合が少ないほど、水中崩壊性が良好になるととも
に、水中崩壊性を維持できる時間が長くなることが判っ
た。 実施例7〜11、参考例2 リグニン酸ソーダに代えて、カキ殻とブルース石の総量
に対して10重量%のアルコール発酵廃液(固形分濃度
50重量%、固形分量で表した添加量は5.0重量%)
を使用したこと以外は実施例2〜6、参考例1と同様に
して、直径1〜6mmのほぼ真球形をした肥料を製造し
た。
【0045】上記各実施例、参考例で得た粒子状の肥料
について、前記の各試験を行って、その特性を評価し
た。結果を表4に示す。
【0046】
【表4】
【0047】表より、水溶性バインダーとしてアルコー
ル発酵廃液を使用した場合にも、リグニン酸ソーダを使
用した場合と同様の結果が得られることが判明した。す
なわちブルース石を使用した実施例7〜11の肥料は、
ブルース石を加えず、カキ殻のみをアルコール発酵廃液
で固めたために水中崩壊性が全く失われない参考例2の
肥料ほどではないものの、長時間にわたって、水中崩壊
性を維持できることが確認された。
【0048】また各実施例を比較すると、ブルース石の
割合が多いほど硬度が上昇するとともに粉化率が低下し
て、施肥などの作業時に崩れにくくなり、逆にブルース
石の割合が少ないほど、水中崩壊性が良好になるととも
に、水中崩壊性を維持できる時間が長くなることが判っ
た。 実施例12 ブルース石を微粉砕し、2.0mmを超えるものを選
別、除去して得たブルース石の微粉砕物を同量、使用し
たこと以外は実施例3と同様にして、直径1〜6mmの
ほぼ真球形をした肥料を製造した。
【0049】上記実施例12で得た粒子状の肥料につい
て、前記の各試験を行って、その特性を評価した。結果
を、実施例3の結果とあわせて表5に示す。
【0050】
【表5】
【0051】表より、ブルース石のサイズを2.0mm
以下にした実施例12の肥料は、ブルース石のサイズを
0.2mm以下にした実施例3に比べて僅かに粉化率が
高くなり、かつ水中崩壊性が低下する傾向を示すもの
の、実施例3とほぼ同等の特性を示すことが確認され
た。 実施例13、14 リグニン酸ソーダの水溶液(固形分濃度50重量%)の
添加量を、カキ殻とブルース石の総量に対して5重量%
(実施例13、固形分量で表して2.5重量%)、およ
び10重量%(実施例14、固形分量で表して5.0重
量%)としたこと以外は実施例3と同様にして、直径1
〜6mmのほぼ真球形をした肥料を製造した。
【0052】実施例15、16 アルコール発酵廃液(固形分濃度50重量%)の添加量
を、カキ殻とブルース石の総量に対して5重量%(実施
例15、固形分量で表して2.5重量%)、および15
重量%(実施例16、固形分量で表して7.5重量%)
としたこと以外は実施例8と同様にして、直径1〜6m
mのほぼ真球形をした肥料を製造した。上記各実施例で
得た粒子状の肥料について、前記の各試験を行って、そ
の特性を評価した。結果を、実施例3、8の結果とあわ
せて表6に示す。
【0053】
【表6】
【0054】表より、水溶性バインダーとしてリグニン
酸ソーダを使用した系、およびアルコール発酵廃液を使
用した系のいずれにおいても、水溶性バインダーの量が
多くなるほど、硬度が上昇するとともに粉化率が低下し
て、施肥などの作業時に崩れにくくなること、逆に水溶
性バインダーの量が少なくなるほど、水中崩壊性が良好
になることが判った。
【図面の簡単な説明】
【図1】二酸化炭素促進テストの結果を示すグラフであ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C05D 3:02 5:00)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粉砕されたカキ殻に、粉砕されたブルース
    石を混合してあることを特徴とするカキ殻を含んだ肥
    料。
  2. 【請求項2】請求項1記載のカキ殻とブルース石と混合
    したものにさらに水溶性バインダーを混合し、全体を混
    練して造粒してあることを特徴とするカキ殻を含んだ肥
    料。
  3. 【請求項3】カキ殻は2mm以下に微粉砕してあること
    を特徴とする請求項1記載のカキ殻を含んだ肥料。
  4. 【請求項4】ブルース石は2mm以下に微粉砕してある
    ことを特徴とする請求項1記載のカキ殻を含んだ肥料。
  5. 【請求項5】水溶性バインダーがリグニン化合物および
    アルコール発酵廃液のうちの少なくとも一方である請求
    項2記載のカキ殻を含んだ肥料。
  6. 【請求項6】造粒を直径1〜6mmの球形にする請求項
    2記載のカキ殻を含んだ肥料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006180748A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Kinjirushi Wasabi Okhotsk Co Ltd わさび残渣発酵資材の製造方法およびこの発酵資材を用いた農作物の栽培方法

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