JP3705326B2 - 欠陥画素補正装置およびその方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は固体撮像素子の欠陥画素からの撮像信号を補正する欠陥画素補正装置およびその方法に関わり、特に、CCD(Charge Coupled Device)固体撮像素子を用いた撮像装置における、白きず(固定パターン雑音)を有する欠陥画素からの撮像信号の補正をより精度良く行うようにするものである。
【0002】
【従来の技術】
図3に従来の技術による欠陥画素補正装置を用いた撮像装置のブロック構成例を示す。
この図において、1は固体撮像素子で、入射された撮像光を光電変換して得られた信号を、撮像信号1aとして出力する。固体撮像素子1から出力された撮像信号1aは、CDS回路(相関二重サンプル回路)16に入力される。CDS回路16には、さらに、ドライブ回路15で撮像信号1aに同期して生成された制御信号である、クランプパルス信号15a、サンプルホールドパルス信号15bおよびリセットパルス信号15cが入力される。
【0003】
CDS回路16に入力された撮像信号1aは、増幅器3に入力されると共に、一端が接地されたスイッチ2のもう一端に入力される。このスイッチ2は、クランプパルス信号15aによってオン/オフ制御される。増幅器3で増幅された信号は、サンプルホールドパルス信号15bによって制御されるスイッチ4に入力される。スイッチ4がオンの場合、増幅器3から出力された撮像信号がスイッチ4を経て、増幅器7と、一端が接地されたスイッチ5の他端と、同じく一端が接地されたコンデンサ6へ入力される。このスイッチ5は、リセットパルス信号15cによってオン/オフ制御される。増幅器7で増幅された撮像信号7aは、CDS回路16から出力されて加算回路8’へ入力される。
【0004】
加算回路8’は、CDS回路16からの撮像信号7aと、補正信号発生回路9によって前述の撮像信号1aに同期して発生された補正信号9aとを加算し、該加算により補正された撮像信号8a’を後段(図示していない)へ出力する。
【0005】
以下、図4を用いて、欠陥画素の撮像信号を補正する従来の技術の動作について説明する。
【0006】
図4は、図3の撮像装置の固体撮像素子の各画素に入射される撮像光が全て同一光量の場合の信号波形を説明する図である。
【0007】
ここで、固体撮像素子1から出力される撮像信号1aは、図4に示すように、リセット期間、フィールドスルー期間、信号出力期間を有する。
【0008】
上述のように図4は、固体撮像素子の各画素に入射される撮像光が全て同一光量の場合であるため、信号期間における各画素の信号レベルは、欠陥画素を除いて同じレベルとなる。そして、欠陥画素に対応する信号期間の信号レベルは、前述したように暗電流によって信号レベルが恒常的に大きくされ、図に示すように他の信号期間の信号レベルよりも大きくなる場合がある。
【0009】
固体撮像素子1からの撮像信号1aは、そのフィードスルー期間に応じてクランプパルス信号15aによりスイッチ2がONにされると、そのフィードスルー期間のレベルがクランプされる。次に、撮像信号1の信号出力期間に、サンプルホールドパルス信号15bによりスイッチ4がONになると、その信号出力期間の撮像信号1のレベルがサンプリングされ、コンデンサ6にそのサンプリングレベルがホールドされる。そのホールドされたサンプリングレベルが増幅器7に印加され増幅され、その増幅器7から増幅された撮像信号7aが出力され、この信号が加算回路8に入力される。なお、リセットパルス信号15cでスイッチ5がONにされた場合は、コンデンサ6にホールドされた電荷が放電(リセット)される。
【0010】
ここで、固体撮像素子1のセンサ部に欠陥が有る場合、例えば、格子歪みが多いために暗電流が増大する場合は、固体撮像素子1から出力される撮像信号1aのうち、その欠陥のある画素からの撮像信号部分のレベルが、撮像光にはよらないで、その暗電流に応じて恒常的に大きくされてしまう。
【0011】
そのため、撮像信号1aと同様に、撮像信号1aがCDS回路によりサンプルホールドされ出力された撮像信号7aの信号レベルにおいても、欠陥画素に対応する信号レベルは欠陥のない画素に対応する信号レベルより大きくなる。
【0012】
そこで従来より、撮像信号の再生時に、欠陥画素の再生映像部分が白きずとして目立たせないようにするため、欠陥画素の信号レベルと他の欠陥のない画素の信号レベルのレベル差をより少なくするための補正が行われている。
【0013】
従来の技術を用いた、欠陥画素を補正するための欠陥画素補正信号9aは、撮像信号7aに同期して補正信号発生回路9から加算回路8’に入力される。欠陥画素補正信号9aは、欠陥画素信号と振幅が同じで信号レベル極性が逆の信号であり、これを欠陥画素信号と加算することにより欠陥画素が補正されるようにする。
【0014】
この従来技術では、CDS回路16からの出力信号7aと、補正信号発生回路9から欠陥画素補正信号9aの出力タイミングを正確かつ安定に一致させるための配慮がなされていない。
【0015】
すなわち、この従来の技術では、補正信号発生回路9とCDS回路16のそれぞれの動作間での信号位相を対応させるための手段、もしくは、一致させるための手段を有しない。そのため、補正信号発生回路9からの欠陥画素補正信号9aに対してCDS回路16の出力信号7aの出力タイミングが、例えば、温度変動によりタイミング位相がそれぞれ別個に変動することで、補正信号とその補正対象部分とのタイミングを正確に一致させることが、困難となる場合がある。その場合、図4の加算回路8’の出力信号8a’の(B)の波形のように完全には補正されずに、波形の一部でもって、補正前のレベルの部分が残されてしまう。その結果、表示装置に表示された映像には、白きずの残りが補正されずに表示され、完全に補正される場合に比べて映像品質が劣ってしまう。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、欠陥画素を補正し、映像品質を向上させるためには、CDS回路からの撮像信号と、補正信号発生回路からの欠陥画素補正信号の出力タイミングを、1画素単位で正確に一致させるようにする必要がある。
【0017】
そのため本発明は、撮像信号とその補正信号との位相を画素単位でより一致させるようにすることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明では、CDS回路に用いられるサンプリングホールド回路と同様なサンプリングホールド回路を用いて欠陥画素補正信号をサンプリングホールドする。そのときCDS回路と固体撮像素子1の出力信号と同じサンプリングホールドパルス信号15bでサンプリングホールドし、固体撮像素子1の出力信号と同じリセットパルス信号15cでリセットして加算回路8で加算することにより、欠陥画素信号と欠陥画素補正信号の位相タイミングを正確で安定的に一致させたものにする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による固体撮像素子の欠陥画素補正方式について図1および図2を用いて説明する。
【0020】
図1は本発明に関わる欠陥画素補正装置を用いた撮像装置のブロック構成例を示す図であり、固体撮像素子1、ドライブ回路15、クランプパルス信号15aにより制御されるスイッチ2、増幅器3、サンプルホールドパルス信号15bにより制御されるスイッチ4及びスイッチ11、リセットパルス信号15cにより制御されるスイッチ5及びスイッチ12、固体撮像素子の出力信号レベルをホールドするコンデンサ6、増幅器7、加算回路8、補正信号発生回路9、増幅器10、補正信号レベルをホールドするコンデンサ13、増幅器14で構成される。
【0021】
図2は図1の撮像装置の固体撮像素子の各画素に入射される撮像光が全て同一光量の場合の信号波形を説明する図である。固体撮像素子1の出力信号1aは、リセット期間、フィードスルー期間、信号出力期間に分けられる。まず、クランプパルス信号15aによりスイッチ2がONになると、フィードスルー期間のレベルがクランプされ、サンプルホールドパルス信号15bにより、スイッチ4がONになると、信号出力期間の信号レベルがサンプリングされ、コンデンサ6に信号レベルがホールドされる。ここでリセットパルス信号15cでスイッチ5をONにすると、コンデンサ6にホールドされた電荷が放電(リセット)され、増幅器7から出力信号7aが得られる。
【0022】
一方、補正信号発生回路9から出力される欠陥画素補正信号9aは、サンプルホールドパルス信号15bにより、スイッチ11がONになると、コンデンサ13に信号レベルがホールドされる。ここでリセットパルス信号15cでスイッチ5をONにすると、コンデンサ13にホールドされた電荷がグランドに放電され、増幅器14から出力信号14aが得られる。
【0023】
欠陥画素補正信号9aは、欠陥画素から恒常的に出力される暗電流による信号レベルと同じ大きさで極性が逆の信号レベルの信号が用いられる。そのため、固体撮像素子1から欠陥画素による撮像信号が出力された場合、増幅器7の出力信号7a(固体撮像素子1の欠陥画素出力信号)と増幅器14の出力信号14a(欠陥画素補正信号)とを加算回路8で加算することで、欠陥画素の撮像信号が欠陥画素補正信号でもってそれらの位相が一致して白きず部分を残さないで完全にキャンセルされる。そのため、欠陥画素でない撮像信号のレベルとほぼ同じ信号レベルの撮像信号が得られるように、欠陥画素の補正が完全に行われる。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、CDS回路において固体撮像素子の出力信号をサンプルホールドする回路を欠陥画素補正信号にも適用することにより、欠陥画素の撮像信号の出力タイミングと、補正信号の出力タイミングとを正確に一致させることが可能な、欠陥画素補正を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる欠陥画素補正装置を用いた撮像装置のブロック構成例を示す図。
【図2】図1の撮像装置の固体撮像素子の各画素に入射される撮像光が全て同一光量の場合の信号波形を説明する図。
【図3】従来の技術による欠陥画素補正装置を用いた撮像装置のブロック構成例を示す図。
【図4】図3の撮像装置の固体撮像素子の各画素に入射される撮像光が全て同一光量の場合の信号波形を説明する図。
【符号の説明】
1:固体撮像素子、 2,4,5,11,12:スイッチ、 3,7,10,14:増幅器、 6,13:コンデンサ、 8:加算回路、 9:補正信号発生回路、 15:ドライブ回路、 16:CDS回路、
Claims (2)
- 固体撮像素子の欠陥画素からの撮像信号を補正する欠陥画素補正装置において、前記固体撮像素子の欠陥画素からの撮像信号に同期した補正信号を発生し出力する補正信号発生手段と、前記撮像信号をサンプルホールドする第1のサンプルホールド手段と、前記補正信号をサンプルホールドするための第2のサンプルホールド手段と、前記撮像信号に同期して、前記第1のサンプルホールド手段と第2のサンプルホールド手段とが同じ位相でそれぞれサンプルホールド動作するための制御を行う制御手段と、前記第1のサンプルホールド手段でサンプルホールドされた撮像信号と前記第2のサンプルホールド手段でサンプルホールドされた補正信号とを加算する加算手段とを有することを特徴とする欠陥画素補正装置。
- 固体撮像素子の欠陥画素からの撮像信号を補正するための欠陥画素補正方法において、前記撮像信号をサンプルホールドし、前記固体撮像素子の欠陥画素からの撮像信号に同期した補正信号を、前記撮像信号のサンプルホールドと同じ位相でサンプルホールドし、前記固体撮像素子の欠陥画素からの撮像信号をサンプルホールドして得られた信号と前記補正信号をサンプルホールドして得られた信号とを加算することを特徴とする欠陥画素補正方法。
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