JP3705303B2 - 変性粘土鉱物及びこれを含有する化粧料 - Google Patents

変性粘土鉱物及びこれを含有する化粧料 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、スメクタイト型粘土鉱物を変性した新規な変性粘土鉱物及びそれを含有する化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、スメクタイト型粘土鉱物、例えばモンモリロナイト系粘土鉱物の層間に存在するCa 2+ 、K+、Na+、Mg 2+ 等の交換性カチオンのカチオン交換能を利用し、該層間に存在する交換性カチオンをカチオン性界面活性剤でカチオン交換して製造した有機変性粘土鉱物が、油系のゲル化剤として利用されている。カチオン交換するカチオン性界面活性剤は、主に四級化窒素を構造中に含むアンモニウム型の界面活性剤であり、ジメチルジステアリルアンモニウムクロライドやジメチルステアリルベンジルアンモニウムクロライド等が多用されている。
【0003】
そして近年は、有機変性粘土鉱物を油系のゲル化剤として利用する場合、被ゲル化油の性質に合わせたカチオン性界面活性剤で変性することで、ゲル化能及びゲル安定性の向上を図る試みが盛んであり、例えばゲル化が困難とされているシリコーン油をゲル化するために、アンモニウム塩変性オルガノポリシロキサンで変性した有機変性粘土鉱物をゲル化剤として利用する技術も提案されている(特開昭63−72779号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、有機変性粘土鉱物をゲル化剤として化粧料に配合する場合、従来の有機変性粘土鉱物は増粘性、ゲル化能が低いため、有機変性粘土鉱物を多量に配合する必要があった。そして、これらを過度に配合すると増粘による固化やゲルの収縮による排液が生じ、著しく使用性に支障をきたすことがあった。反面、使用性を向上させるべく配合量を低減すると、ゲル化能が充分ではなく、経時的に系が分離したり、顔料の沈降等の問題を生じることがあった。
【0005】
更に、従来の工業的に確立されている水中でのカチオン交換による有機変性粘土鉱物の製造方法では次の理由により、油剤のゲル化能の向上には限界があった。すなわち、油剤のゲル化能の向上には、粘土鉱物を親油性部分の割合が多いカチオン性界面活性剤で変性する必要があるが、従来の有機変性粘土鉱物の製造方法では水中でカチオン交換を行っていることから、親油性部分の割合が多いカチオン性界面活性剤で変性を試みても、該カチオン性界面活性剤自体の水への溶解性が低いため、充分に層間のカチオン交換が行えない。この問題は、シリコーン系のカチオン性界面活性剤で層間のカチオン交換をする場合、特に顕著である。すなわち、短鎖のポリシロキサン鎖を有するカチオン性界面活性剤は水に可溶で充分なカチオン交換が可能であるが、ゲル化能向上を目的にポリシロキサン鎖を長くすると水溶性が減じて、層間のカチオンのカチオン交換が充分に行われない。無溶媒中での固体間カチオン交換の報告もあるが、副生成物である塩を除去できないため、実際の製造には応用されていない。従って、粘土鉱物の層間のカチオン交換のみによる従来の変性化方法では、油剤のゲル化能に限界があった。
【0006】
本発明は、油剤に対しより高いゲル化能を有する新規な有機変性粘土鉱物を提供することを目的とする。また従来の工業的に確立されている水中でのカチオン交換による変性方法で得られる有機変性粘土鉱物のゲル化能を向上させることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記実情に鑑み、層間に存在するカチオンをカチオン性界面活性剤でカチオン交換して製造した有機変性粘土鉱物について鋭意研究を行った結果、四級カチオン性窒素を含むカチオン性界面活性剤でスメクタイト型粘土鉱物の層間のカチオンをカチオン交換し、且つカチオン交換した有機変性粘土鉱物の結晶端面を親水化処理すると、従来の水溶性の高いカチオン性界面活性剤で層間のカチオン交換を行った有機変性粘土鉱物についても、高い構造粘性、チキソトロピー性を有する優れたゲル化剤がえられ、それを含有する化粧料は、温度安定性が良好で、使用性に優れたものとなることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、スメクタイト型粘土鉱物の層間に存在するカチオンが四級カチオン性窒素を含むカチオン性界面活性剤でカチオン交換されており、且つその結晶端面がポリオキシエチレン鎖を有する親水化剤で親水化処理されていることを特徴とする変性粘土鉱物及びこれを含有する化粧料である。
【0009】
以下、詳細に説明する。本発明に用いられるスメクタイト型粘土鉱物は、例えばモンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト等の天然あるいは合成の粘土鉱物が挙げられる。本発明の変性粘土鉱物の原料には、これらスメクタイト型粘土鉱物の一種又は二種以上を適宜選択して用いることができる。スメクタイト型粘土鉱物は、その結晶構造が層状構造であり、層表面には珪素に結合した酸素原子が存在し、層間にはCa 2+ 、K+、Na+、Mg 2+ 等の交換性カチオンが存在し、その結晶端面すなわち層構造の側面には水酸基が存在している。
【0010】
本発明の変性粘土鉱物は、スメクタイト型粘土鉱物の層間に存在するカチオンが四級カチオン性窒素を含むカチオン性界面活性剤でカチオン交換されていること、及びスメクタイト型粘土鉱物の結晶端面が親水化処理されていることが肝要であり、この変性粘土鉱物は、スメクタイト型粘土鉱物の層間に存在するカチオンが四級カチオン性窒素を含むカチオン性界面活性剤でカチオン交換された有機変性粘土鉱物を親水化処理したものでも、或いは親水化処理したスメクタイト型粘土鉱物の層間に存在するカチオンが四級カチオン性窒素を含むカチオン性界面活性剤でカチオン交換されたものでもよい。
本発明において、上記スメクタイト型粘土鉱物の層間のカチオンのカチオン交換に用いられる変性化剤は、四級カチオン性窒素を含むイオン性界面活性剤で、一分子中に少なくとも一個のアンモニウム塩を有するものであり、例えば、下記一般式(1)、(2)で示される化合物である。
【0011】
【化1】
Figure 0003705303
【0012】
[式中、R1は炭素数10〜22のアルキル基又はベンジル基、R2は炭素数1〜22のアルキル基、R3は同一又は異なる炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、Xはハロゲン原子又はメチルサルフェート残基である。]
【0013】
【化2】
Figure 0003705303
【0014】
[式中、R4は炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基又はフッ素置換アルキル基、R5は〔Ca2a(OCH2CH(OH)CH2bN(R73+ X~又は〔Ca2a O(C24O)p(C36O)qCH2CH(OH)CH2N(R73+ X~、R6はR4又はR5と同じであり、nが0である場合、R6のうち少なくとも一つがR5である。R7は同一又は異なる炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、ベンジル基又はヒドロキシエチル基、Xはハロゲン原子、aは2〜5の整数、bは0又は1、mは0〜200の整数、nは0〜10の整数、pは2〜200の整数、qは0〜200の整数、p+qは3〜200の整数、p/qは1以上である。]
【0015】
一般式(1)で示されるものとしては、例えば、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ミリスチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルジメチルエチルアンモニウムクロライド、ステアリルジメチルエチルアンモニウムクロライド、ミリスチルジエチルメチルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルセチルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロライド、ベンジルメチルエチルステアリルアンモニウムクロライド、ステアリルジメチルヒドロキシプロピルアンモニウムクロライド、ベンジルベヘニルジヒドロキシエチルアンモニウムクロライド及び相当するブロマイド塩、メチルサルフェート塩等が挙げられる。
また、一般式(2)で示されるものとしては、例えば、
【0016】
【化3】
Figure 0003705303
【化4】
Figure 0003705303
【化5】
Figure 0003705303
【化6】
Figure 0003705303
【0017】
等が挙げられる。
本発明におけるスメクタイト型粘土鉱物の層間に存在するカチオンが四級カチオン性窒素を含むカチオン性界面活性剤でカチオン交換された粘土鉱物、すなわち有機変性粘土鉱物は、スメクタイト型粘土鉱物を上記の変性化剤すなわち四級カチオン性窒素を含むイオン性界面活性剤で通常の方法により処理して得ることができる。例えばスメクタイト型粘土鉱物を水に分散し、この分散液に変性化剤の水溶液を撹拌下で添加し、濾過して水分を除去し、乾燥し、粉砕することにより得られる。
【0018】
また、本発明では、上記カチオン交換された有機変性粘土鉱物として、市販されている有機変性粘土鉱物を用いることもできる。市販されている有機変性粘土鉱物としては、例えば、エスベン、オルガナイト(豊順洋行社製、商標名)、クレイトン(サザンクレイ社製、商標名)、ベントン(NLインダストリー社製、商標名)等が挙げられる。
【0019】
本発明の親水化は、スメクタイト型粘土鉱物の結晶端面に存在する水酸基を反応サイトに利用して行う。スメクタイト型粘土鉱物は、その結晶端面に水酸基が存在するために、元来結晶端面同士の親水的な結合性を有するが、本発明はこの結晶端面を更に親水化し、スメクタイト型粘土鉱物の結晶端面同士の親水的な結合を更に強固にし、もって従来の変性粘土鉱物以上に優れたゲル化能、すなわち高い増粘性、チキソトロピー性を付与するものである。
【0020】
結晶端面の親水化処理は、結晶端面に親水性化合物を付着させることにより行われる。この結晶端面に親水性有機基を導入することにより本発明の親水化処理となる。親水性有機基としてはポリオキシエチレン鎖が用いられる。親水性有機基の導入に当たっては、ポリオキシエチレン鎖を有するグリシジル化合物を適当な触媒下で反応させる方法やシランカップリング剤のような中間体で結晶端面を処理した後、ポリオキシエチレン鎖をもつ有機化合物で処理する方法を採用しても良い。具体的には、例えば、エポキサイド基含有シランカップリング剤で結晶端面にエポキサイド基を導入した後に水酸基やアミノ基を有するポリオキシエチレン鎖含有化合物を三フッ化ホウ素等の触媒の存在下で反応させる方法、ラジカル重合性基含有シランカップリング剤で結晶端面にラジカル重合性基を導入した後にイオン性及び/又は非イオン性のポリオキシエチレン鎖含有水溶性ラジカルモノマーを重合させてポリオキシエチレン鎖を導入する方法、アミノ基を有するシランカップリング剤で結晶端面にアミノ基を導入した後にエチレンオキサイドの付加を行ってポリオキシエチレン鎖を導入する方法などが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0021】
本発明において、より好ましい親水化処理は、ポリオキシエチレン鎖を有するシリル化剤を用いて行なう方法である。好ましいシリル化剤は下記の一般式(3)で示される。
(R8O)e9 fSiR10O(C24O)r(C36O)t11 (3)
[式中、R8は炭素数1〜10のアルキル基、R9は炭素数1〜10のアルキル基又はフェニル基、R10は炭素数2〜5の2価炭化水素基、R11は水素又は炭素数1〜10のアルキル基、eは1〜3の整数、fは0〜2の整数であり、e+fは3である。rは2〜200の整数、tは0〜200の整数であり、r+tは3〜200の整数である。また、r/tは1以上である。]
【0022】
具体的に例示すれば、例えば、
(CH3O)3SiC36O(C24O)10H、
(CH3O)3SiC36O(C24O)10CH3
(CH3CH2O)3SiC36O(C24O)20(C36O)10CH3
(CH3O)3SiC36O(C24O)3025
(CH3)(CH3O)2SiC36O(C24O)537
(CH3O)3SiC48O(C24O)1049
(C49O)(CH3)2SiC510O(C24O)20CH3
等が挙げられる。
【0023】
前述のポリオキシエチレン鎖を有するシリル化剤を用いて、スメクタイト型粘土鉱物の結晶端面を親水化処理する方法は、スメクタイト型粘土鉱物を水又はアルコール或いはこれらの混合液に分散し、この分散液に水又はアルコール或いはこれらの混合液に溶解したシリル化剤を添加し、撹拌処理或いはボールミル処理し、水分を除去し、乾燥、粉砕する湿式法、スメクタイト型粘土鉱物にシリル化剤をスプレーし、乾燥する乾式法等の従来公知の方法を採用することができる。スメクタイト型粘土鉱物に対する親水化処理剤の量は、用いる親水化処理剤の種類や親水化処理方法によって異なり、特に限定されないが、好ましくは、粘土鉱物の0.1〜20重量%(以下、単に「%」で示す)、より好ましくは0.3〜10%である。
本発明の変性粘土鉱物を製造する方法としては、カチオン交換した有機変性粘土鉱物を親水化処理する方法、または、スメクタイト型粘土鉱物を親水化した後に有機変性処理する方法のいずれであっても構わない。
【0024】
上記の如く得られた変性粘土鉱物を化粧料に配合する場合、その配合量は特に限定されないが、好ましくは0.1〜15重量%、さらに好ましくは、0.2〜10重量%である。化粧料としては、ファンデーション、アイシャドウ、口紅、マスカラ、アイライナー、美爪料、化粧水、乳液、クリーム、パック等があげられる。本発明の化粧料には、他に通常の化粧料に一般に使用される成分、例えば、油剤、界面活性剤、皮膜形成剤、保湿剤、水溶性高分子、粉体、顔料、染料、防腐剤、香料等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0025】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
製造例1
ジメチルジステアリルアンモニウム変性モンモリロナイト(エスベン74:商標名、豊順洋行社製)30gをメタノール100gに分散し、均一なスラリーとした。このスラリーに、下記に示す構造のポリオキシエチレン鎖を有するシリル化剤の水溶液(シリル化剤1.2g、水10g)を添加し、ボールミルで10分間撹拌処理した。処理後のスラリーを減圧乾燥し、100℃で20分間熱処理した後、粉砕し、エタノールで洗浄後、乾燥して結晶端面が親水化処理された変性粘土鉱物を得た。
(CH3O)3SiCH2CH2CH2O(C24O)u(C36O)wCH3
[式中、u/w=2.5〜3.5、u+w=25〜35である。]
【0026】
製造例2
ジメチルベンジルステアリルアンモニウム変性ヘクトライト(ベントン27:商標名、NLインダストリー社製)40gをメタノール80gに分散し、均一なスラリーとした。このスラリーに、下記に示す構造のポリオキシエチレン鎖を有するシリル化剤の水溶液(シリル化剤1.6g、水10g)を添加し、乳鉢で30分間粉砕した。これを乾燥し、100℃で20分間熱処理した後、再粉砕してメタノールで洗浄し、乾燥して結晶端面が親水化処理された変性粘土鉱物を得た。
(CH3O)3SiCH2CH2CH2O(C24O)kCH3
[式中、k=30〜34である。]
【0027】
製造例3
スメクタイト型粘土鉱物(ベンゲルA:商標名、豊順洋行社製)40gを水1460gに分散したものに、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライドの4%水溶液1000gを撹拌下徐添した。次いで、濾過により水を除去した後、乾燥、粉砕してドデシルトリメチルアンモニウムクロライド変性粘土鉱物を得た。
この粘土鉱物30gをメタノール110gに分散し、このスラリーに製造例2と同じ構造のポリオキシエチレン鎖を有するシリル化剤の水溶液(シリル化剤3g、水10g)を添加し、ボールミルで10分間撹拌処理した。これを減圧乾燥し、100℃で20分間熱処理した後、粉砕し、メタノールで洗浄後、乾燥して結晶端面が親水化処理された変性粘土鉱物を得た。
【0028】
製造例4
スメクタイト型粘土鉱物(ベンゲルA:商標名、豊順洋行社製)30gに水1470gに分散したものに、下記に示す構造のオルガノポリシロキサン30gを水670g、エタノール300gに溶解したものを撹拌下徐添した。次いで、濾過により水を除去した後、乾燥、粉砕してシリコーン変性粘土鉱物を得た。
この粘土鉱物20gをメタノール60gに分散し、更に、製造例2で使用したポリオキシエチレン鎖を有するシリル化剤の水溶液(シリル化剤2g、水10g)を添加し、均一なスラリーとした。このスラリーを乳鉢で30分間粉砕し、乾燥後、100℃で20分間熱処理を行った。その後、再粉砕し、エタノールで洗浄後、乾燥して、結晶端面が親水化処理された変性粘土鉱物を得た。
【0029】
【化7】
Figure 0003705303
【0030】
製造比較例1
ジメチルジステアリルアンモニウム変性モンモリロナイト(エスベン74:商標名、豊順洋行社製)30gをメタノール100gに分散し、均一なスラリーとした。このスラリーを、ボールミルで10分間撹拌処理した。処理後のスラリーを減圧乾燥し、100℃で20分間熱処理した後、粉砕して、製造比較例1とした。
【0031】
実施例1及び比較例1
下記に示す組成のゲル組成物を調製した。実施例1では製造例1で製造した変性粘土鉱物を用い、比較例1では製造比較例1で製造した変性粘土鉱物を用いた。それらの経時安定性及び粘度を評価した。
Figure 0003705303
(調製方法)
成分1〜4をディスパーズミルで均一に混合分散した後、混合しながら成分5を添加してゲル組成物を得た。
【0032】
1.経時安定性
得られたゲル組成物を0℃、30℃、40℃の恒温槽にセットし、1カ月後の状態を外観観察した。
(評価) (基準)
○:安定性良好。
△:僅かに分離又は分離傾向にある。
×:明らかに分離。
2.粘度
ゲル組成物調製後、30℃の恒温槽にセットし、翌日の粘度を振動式粘度計CJV5000(秩父セメント社製)にて測定した。
【0033】
それらの結果を下記に示す。
Figure 0003705303
上記結果から明らかなように、本発明に係わる変性粘土鉱物は、優れたゲル安定性を有し、増粘性も良好であった。
【0034】
Figure 0003705303
(製造方法)
成分1を成分2〜4に加えて溶解し、さらに成分5〜9を加えて均一に混合後マニキュアを得た。
実施例2は、安定性が良好で、滑らかな伸びを有し、使用感に優れていた。
【0035】
Figure 0003705303
(製造方法)
成分1〜5を混合分散しながら、成分6〜7を添加してハンドクリームを得た。
実施例3は、安定性が良好で、滑らかな伸びを有し、使用感に優れていた。
【0036】
Figure 0003705303
(製造方法)
成分1〜6を混合分散しながら、成分7〜8を添加してアイライナーを得た。
実施例4は、安定性が良好で、滑らかな伸びを有し、使用感に優れていた。
【0037】
Figure 0003705303
(製造方法)
成分1〜10を加温溶解し、三本ロールで混合分散して油性ファンデーションを得た。
実施例5は、安定性が良好で、滑らかな伸びを有し、使用感に優れていた。
【0038】
Figure 0003705303
(製造方法)
成分1〜9を加温溶解し、三本ロールで混合分散してマスカラを得た。
実施例6は、安定性が良好で、滑らかな伸びを有し、使用感に優れていた。
【0039】
Figure 0003705303
(製造方法)
成分1〜7を均一に混合分散し、サンカット剤を得た。
実施例7は、安定性が良好で、滑らかな伸びを有し、使用感に優れていた。
【0040】
【発明の効果】
本発明の変性粘土鉱物は、油剤に対し優れたゲル化能を有し、高い増粘性、チキソトロピー性を付与することのできる。また、本発明の変性粘土鉱物を含有する化粧料は保存安定性、使用性に優れた特性を有している。例えば、本発明の変性粘土鉱物を油中水型エマルジョンに配合すると、外油相をゲル化する(ネットワーク的な構造を呈する)ので、静置時には高粘度を有し、内水相の合一やクリーミングを防ぎ、温度安定性や経時安定性が向上する。また使用時に肌に塗布する際の外力を加えることによってゲルのネットワーク構造が壊れ、粘性が低下するため、良好な伸びを有し塗布し易くなる、と言う効果が生じる。なお、このネットワーク構造は静置することによって回復する。

Claims (3)

  1. スメクタイト型粘土鉱物の層間に存在するカチオンが四級カチオン性窒素を含むカチオン性界面活性剤でカチオン交換されており、且つその結晶端面がポリオキシエチレン鎖を有する親水化剤で親水化処理されていることを特徴とする変性粘土鉱物。
  2. ポリオキシエチレン鎖を有する親水化剤が、ポリオキシエチレン鎖を有するシリル化剤であることを特徴とする請求項1記載の変性粘土鉱物。
  3. 請求項1又は2記載の変性粘土鉱物を含有することを特徴とする化粧料。
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