JP3705209B2 - コンバインの通気構造 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、農業機械であるコンバインの通気構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばコンバインには、操縦部近傍にエンジンが搭載され、このエンジン駆動力を受けて走行部及び作業部を連動するHSTを搭載するが、エンジンの駆動に伴って熱気がこもり易く操縦部にはこの熱気が吹き上がって作業環境を劣悪化を防止するためエンジン駆動軸に連動して排気ファンを設け、また、このエンジンによって駆動されるHSTには循環するオイルの温度上昇を防止するため冷却ファンを設ける。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記エンジン及びHSTは近傍に配設されるため、各ファンによる起風の相互影響をできるだけ少なくし、狭い空間に効果的に配設されねばならない。
よってこの発明は、エンジン駆動に伴う排気ファンとHSTの冷却ファンとを合理的に配置し、コンパクトに配設しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このため、この発明は次の技術的手段を講じた。
即ち、機体操縦部には操作パネルを配すると共に該操縦部近傍にエンジンを配置するコンバインにおいて、コンバインの前進方向に対してエンジンの右側に冷却ファンを設け、エンジンによる熱気を排気すべく該エンジンクランク軸に連動する第1ファンと、このエンジン近傍に配設され走行部等を変速連動する無段変速装置を空冷すべく設ける第2ファンとを、上記第2ファンを上記第1ファンに対して上位に配置すると共に、平面視において前後に外周一部がオーバーラップするよう配置させてエンジンに対する無段変速装置のレイアウト構成を前後に接近させる構成とし、前記エンジンを操縦部の座席の下方であって機体右側に設け、コンバインの前進方向に対してエンジンの左側に前記第1ファン、第2ファン及び無段変速装置を集中配置する構成とし、さらに、脱穀装置を機体左側に設け、該脱穀装置の入口漏斗の下方であって脱穀装置の前壁部前方を前記第1ファン、及び、第2ファンの排風が通過するように構成したことを特徴とするコンバインの通気構造とする。
【0005】
従って、エンジン駆動によって熱気が発生し、HSTはオイル循環等による発熱を生じる。これらの熱気は主に操作パネルの隙間部分から操縦部に吹き上がってオペレータの作業環境を悪くしようとする。ところがこの熱気は第1ファンの起風作用によって機外に向けて排気される。一方この第1ファンよりも前側上位に設ける第2ファンも第1ファンと同様に起風作用にて主にHSTに導入空気を作用させこれを空冷する。第1ファンにてエンジン熱気が排気されるが、エンジン9の燃焼室等からの上昇熱気については十分に作用せずに排気が不十分である。然しながら、上記第2ファンは上位にあるためこの上昇熱気に作用でき排気が一層効果的に行なえる。
【0006】
また、これら第1ファンと第2ファンとの外周が平面視において前後に一部オーバーラップする状態に設けられるから、排気に相互が影響せずエンジンに対する無段変速装置のレイアウト構成を前後に接近して構成でき機体前後をコンパクトに構成できる。
【0007】
また、エンジンを操縦部の座席の下方であって機体右側に設け、第1ファン、第2ファン及び無段変速装置をコンバインの前進方向に対してエンジンの左側に集中配置しているので、通気が効率良く行われる。
【0008】
【発明の効果】
第1ファンにてエンジン熱気を排気し、この第1ファンでは排気が不十分なエンジンの燃焼室等からの上昇熱気については、第2ファンが上位にあるためこの上昇熱気に作用できその排気を効果的になし得る。
また、第1ファンと第2ファンとの外周が一部オーバーラップする状態に設けられるから、エンジンに対する無段変速装置のレイアウト構成を前後に接近して構成でき機体前後をコンパクトに構成できる。そして、コンバインの前進方向に対してエンジンの右側に冷却ファンを設け、エンジンの左側に第1ファン、第2ファンを設けているので、冷却ファンから送風されてきた排風を引き継いで機体左側へ排風できるので、冷却ファンからの排風が操縦部の上昇するのを防止できるようになる。
【0009】
また、エンジンを操縦部の座席の下方であって機体右側に設け、第1ファン、第2ファン及び無段変速装置をコンバインの前進方向に対してエンジンの左側に集中配置しているので、通気が効率良く行われるようになり、エンジンの冷却効率と無段変速装置の冷却効率が向上するようになる。さらに、エンジンの右側に設けている冷却ファンとの相互作用により、冷却効率がより向上するようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
この発明をコンバインに適用した場合について図例に基づいて具体的に説明する。機体フレーム1は走行装置としての左右クローラ2,2を有し、前部には刈取装置3を昇降自在に装着するとともに、該機体フレーム1上には脱穀装置4及び操縦部5等を備える。
【0011】
操縦部5の座席6下方に位置してエンジンルーム7が形成され、このエンジンルーム7にはクランク軸8を左右方向にしてエンジン9を設ける。エンジン9のラジエータ10は機体フレーム1の右方にあって、通気性の防塵網11を備えてなり、エンジン本体とラジエータ10との間にはクランク軸8に連動する冷却ファン12を有する。
【0012】
上記エンジン9の機体内側に突出するクランク軸8端部には複数のベルト掛回用プーリ13を設け、例えばプーリ13a部には後記HST14を駆動すべくベルト15を掛回し、プーリ13b部には脱穀装置4への駆動用ベルト16を掛回する等である。
【0013】
上記クランク軸8のプーリ13部よりも更に機体内側に突出すべく延長し、この延長部には第1のファンとしての吸引ファン17を設け、主にエンジン8の回転に伴う熱気を軸8方向に沿わせて排気(A)できる構成としている。
また、上記クランク軸8の前上方近傍位置に、ミッションケース18の上位に設けるHST14の入力軸19を当該クランク軸8とは平行状に配置して設け、該入力軸19によって内部のポンプを駆動し、トラニオン軸20を回転操作しながら図外斜板角を調整し内部のモータを付随回転させ所望の回転数を出力軸21に出力する構成である。この出力軸21とミッションケース18入力軸22との間には中継伝動部23を構成し、連動ギヤ24,25,26にて出力軸21回転を減速して入力軸22を連動すべく構成している。
【0014】
前記ミッションケース18内には、上記入力軸22とカウンタ軸30との間に高・中・低3段の副変速機構31を構成し、該カウンタ軸30回転をサイドクラッチ軸32に連動する構成である。このサイドクラッチ軸32には、従来公知の左右のサイドクラッチ機構33,33及びブレーキ機構34,34を備えている。なお、35,35は左右夫々に配設する出力軸で、最終減速ギヤ36,36によってサイドクラッチ軸32の回転に連動する。左右各出力軸35,35にはクローラ2,2用スプロケット37,37を装着している。このような構成をもって図外操向レバーの左右傾動操作に伴って、所望の側のサイドクラッチ切り操作、サイドブレーキ入り操作が実行され、車体を旋回させる構成である。
【0015】
上記HST14の入力軸19には第2のファンとしての冷却ファン40を設ける。このファン40は前記第1ファンとしての吸引ファン17と同形態で回転に伴って起風し外気をHST14本体に作用させてオイル循環によって発熱化するHST14を空冷しうる構成である。
【0016】
前記第1ファンとしても吸引ファン17と第2ファンとしての冷却ファン40とは、側面視において、前方上位の冷却ファン40と後方下位の吸引ファン17とが平面視において前後にその外周部一部がオーバーラップ(B)する状態に配設されている。従って、空気流の相互の影響を防止しながら前後方向において最接近させて配置でき、このためエンジン8に対するHST14のレイアウト構成を前後に接近させ得、機体の前後をコンパクト化することができる。
【0017】
また、操縦部5の左側に配設する操作レバー等の操作部には各種リンク構成を伴うため、サイド操作パネル41面に隙間を形成する必要があり、この隙間からエンジンの駆動に伴う熱気等が吹き上がろうとするが、この熱気等は上記吸引ファン17や冷却ファン40の吸引作用を受けて吸引され機体側方に排気されるため、操縦部への吹き上がりや前記エンジンルーム7内への篭りを少なくする。
【0018】
42は前記刈取装置3各部駆動用の回転を入力する入力プーリで、前記エンジン9プーリ13の一方にベルト伝動する構成とし、ベベル伝動機構42,伝動軸等の伝動機構を経由して搬送装置、刈刃等各部を伝動する構成である。なお、刈取装置3は、左右の引起装置43,43、掻き込みホイル44,44、該掻き込みホイル44と共同して2条分の根元部を後方に搬送しながら集束する掻き込み搬送装置45,45、根元搬送装置46と穂先搬送装置47の一対からなり、前部を昇降調整自在となして、上記掻き込み搬送装置45,45からの引継ぎの際、稈身方向に挟持位置を変更しうる扱ぎ深さ変更調整用縦搬送装置48等からなる。この縦搬送装置48の後端部は脱穀装置4のフィードチェン50に引き継がれる構成である。なお49は刈刃である。
【0019】
脱穀装置4のフィードチェン50に挟持搬送される穀稈は脱穀装置4の入口漏斗51で一旦受けられて扱室52内に入り、扱胴53の作用によって脱粒処理される公知の構成である。この入口漏斗51の下面で脱穀装置4の前壁部前方に前記第1ファンの吸引ファン17の排風の通路に形成され、かつ前記第2ファンの冷却ファン40の排風通路となす。
【0020】
55は前記脱穀装置4の唐箕軸56に付設した入力プーリ、57はこの唐箕軸56を分岐して前記扱胴53やフィードチェン50を駆動すべく構成する動力分岐用プーリである。また上記唐箕軸56の他端部には中間プーリ58を設け、1番螺旋59及び2番螺旋60を連動すべく構成し、更に後部の排塵ファン61や排藁カッタ62を駆動すべく構成する。上記1番螺旋59の端部には揚穀螺旋63を、2番螺旋60の端部には揚穀螺旋64を夫々接続する。このうち、揚穀螺旋63を内装する揚穀筒は図外穀粒タンクに接続され、揚穀螺旋64を内装する揚穀筒は脱穀装置内に還元され再選別される構成である。
【0021】
図5は前記サイド操作パネル41の詳細を示し、前記トラニオン軸20を連動するHSTレバー65、刈取脱穀クラッチレバー66、アクセルレバー67等を配設している。このうちHSTレバー65は前後に揺動操作可能に設けられ、中立位置から前側部を前進側に、中立位置から後側部を後進側に夫々設定している。該HSTレバー65の杆身部はサイド操作パネル41に設けるレバーガイド68に沿って操作案内される構成であり、このレバーガイド68は中立位置(イ)、前進側ガイド部(ロ)を形成すると共に、後進側ガイド部(ハ)を中立位置側を中心にして扇形状に形成した第1レバーガイド69(図6)と、HSTレバー65の杆身径にほぼ同じくしたガイド巾のガイド部(ニ)を形成し第1レバーガイド69の該後進側ガイド部(ハ)に裏面に重合させた第2レバーガイド70(図7)とから構成している。即ち、第2レバーガイド70は、第1レバーガイド69との枢着点71中心に回動可能に設けられ、調節螺子72を第1レバーガイド69に形成した円弧状長孔73の範囲で調節設定自由に構成している。
【0022】
従って、オペレータはHSTレバー65の後進側操作に際し、進行方向に沿う前後方向からやや外側方に振った方向に移動操作しながら後進速度を増加させるべく任意に調節設定することができ、体格や操作要領、あるいは他の操作レバー類間等への操作移行の容易化によって前記円弧状長孔73範囲のいずれかの位置に調節設定しておくことにより最良の操作感覚を確保できる。
【0023】
即ち、従来HSTレバー65を、前進側・中立位置・後進側の各位置を案内するレバーガイドは前後方向固定的に形成されるものであったため、体格や操作要領の個性化に対応できないでいたが、上記のように、中立位置を中心にして円弧状のガイド部に形成した第1レバーガイド69に、レバー部径に形成した第2レバーガイド70を調整自在に重合させて設けてなるから、中立位置の変更は行なわず、操作ガイドを調整できるから、オペレータの体格や操作要領等に応じて任意に調節設定でき、操作感覚を向上する。なお、実施例では後進側ガイドについて調節設定可能に構成したが、前進側でも良く、前後共に調節設定する構成でもよい。なお、第1レバーガイド69は隆起状に形成するHST操作パネル75の開口部75aに装着しうる。
【0024】
図9(1)(2)(3)は前記サイド操作パネル41の他例を示すもので、前進・中立・後進側各位置を案内するレバーガイド74を複数準備し、それらのガイド孔の後進側ガイド部の機体進行方向に対する角度θを変更させて複数種類に構成している(θ=0度、θ1又はθ2)。もって、上記と同様に、オペレータの体格等に応じて適正なレバーガイド74を選択し、隆起状に形成するHST操作パネル75の開口部75aに装着するものである(図8)。もって上記と同様の効果を得ることができる。
【0025】
図10は前記サイド操作パネル41の更に他の例を示すもので、HSTレバー76を前進・中立・後進に案内するガイド孔77aを形成したレバーガイド77を、隆起状に形成するHST操作パネル78の開口部78aに着脱可能に設け、HSTレバー76基部近傍の点検調整の容易化をはかるものである。上記HST操作パネル78の開口部78aには、その全周に内向きに突出するリブ78bを形成し、該リブ78b部にレバーガイド77を載置状に設けて適宜締付け部材によって固定する構成であるが、レバーガイド77の上記ガイド孔77aに通じる切欠き部77bを形成している。この切欠き部77bの巾をHSTレバー76の杆身部径よりもやや大きく形成し、一方HST操作パネル78の側にはこの切欠き部77bに対応する位置に凸状部78cを一体成形してレバーガイド77装着時に孔埋めすべく構成している。こうして点検整備等のため、HST操作パネル78からレバーガイド77を取り外すと、レバーガイド77の切欠き部77bがガイド孔77aに連続するから、この取り外したレバーガイド77をHSTレバー76の杆身方向に沿って若干移動させた後、切欠き部77bから当該杆身を通過させてガイド孔77aから切り離すことができる。
【0026】
従来、HSTレバー76の把持部75aを取り外す必要のあったレバーガイド77の着脱操作を、ガイド孔77aに連続する切欠き部77bの形成によって何ら把持部76aをレバー本体から取り外すことなく容易に切り離すことができる。なお、上記レバーガイドのガイド孔に連通する切欠き部の構成によってレバー把持部76aの取り外しの必要なく容易にレバーガイドを操作レバーから切り離す構成とすることができる。なお、この構成はHSTレバーに限らず、他のレバー及びレバーガイドの構成についても実施することができる。
【0027】
なお、図11,12において、80は中央に切欠き部を形成したゴムシールで、熱気や塵埃の操縦部5への吹き上がりを防止しうる。レバーガイド77が着脱自在であるからこのゴムシール80のメンテナンスも容易である。
又、HSTレバーのレバーガイドの着脱によって次のような実施形態がある。即ち、図13(1)(2)のように、レバーガイド81a,81bの前進側又は後進側の範囲長さを、前進側L1,l1(<L1)、又は後進側L2,l2(<L2)、のように異ならせて設定することにより、同じ仕様のHSTであれば、レバーガイド81bではその斜板角度の最大操作角が制限されるものとなって車速の変更設定を行なうことができ、機種変更等に容易に対応させ得る。この際は切欠き部77b、凸状部78cは形成されなくともよい。
【0028】
上例の作用について説明する。
エンジン9を駆動して各部を回転連動し、作業を開始する。圃場の穀稈は引起装置43で引起されつつ刈刃49で刈取られ、この刈取穀稈は掻き込みホイル44及び掻き込み搬送装置45の作用によって2条の刈取穀稈が掻き込み合流されて後続の縦搬送装置48に受け継ぎ移送される。適宜扱ぎ深さ調整された穀稈の稈身はフィードチェン50に引き継がれて後方に移送される。このとき穂部は扱室52内に挿入されて脱穀処理される。
【0029】
上記作業中、オペレータは操縦部5にあって、植立穀稈の状況や刈取部から脱穀装置部に至る搬送穀稈の状況等を監視するものである。ところで、エンジン駆動によってエンジンルーム7には熱気が発生し、HST14はオイル循環等による発熱を生じる。これらの熱気は主にサイド操作パネル41の隙間部分、例えばHST操作レバー、クラッチレバー等のガイド孔部から操縦部5に吹き上がって上記オペレータの作業環境を悪くしようとする。ところが上記実施例では、この熱気は吸引ファン17や冷却ファン40の起風作用によって機外に向けて排気される。即ち、吸引ファン17はクランク軸8部に設けられて一定方向に回転しながら上手側のエンジン熱気を機体横側方に向けて排気する。
【0030】
一方この吸引ファン17よりも前側上位に設ける冷却ファン40も吸引ファン17と同様に起風作用にて主にHST14に導入空気を作用させこれを空冷する。ところで、吸引ファン17にてエンジン熱気が排気されるが、エンジン9の燃焼室等からの上昇熱気については十分に作用せずに排気が不十分である。然しながら、上記冷却ファン40は上位にあるためこの上昇熱気に作用でき排気が一層効果的に行なえる。
【0031】
また、これら吸引ファン17と冷却ファン40との外周が一部オーバーラップする状態に設けられるから、前後に接近して構成でき機体前後をコンパクトに構成できる。
図14,15は脱穀装置4の一例を示すもので、前記扱室52内の扱胴53の下方周部には扱ぎ網85を配設し、ここから漏下する被選別物は揺動選別棚86部で選別処理される構成である。1番物は1番螺旋87で、2番物は2番螺旋88で夫々搬送され、1番物は揚穀筒89から穀粒タンク90に投入される。また、2番物は還元筒91より2番還元室92に揚上される。この2番還元室92は、内部に移送螺旋93を扱胴53軸と平行に設けてなり、前方に2番物を移送してその前端部から下方に配設する処理室94一端に受け入れる構成である。処理室94は、脱穀機枠前後に渡る長さに構成され、内部に処理物をほぐしつつ被処理物を後方に移動させる螺旋体95付処理胴96を備え、外周は処理網97にて囲う構成である。よってこの処理網97から選別分離する穀粒を前記揺動選別棚86に還元し、藁屑類は後方に送られ2連の吸引ファン98、99にて排塵され、または揺動選別棚86後方に落下供給されて後端開放部から機外に排出される構成としている。
【0032】
上記のように、2番物を処理する処理胴96を内装する処理室94を、脱穀装置4の前後方向に設け、この上部に一端を2番揚穀筒91に接続した2番還元室92を当該処理室94に平行状に設けることにより、2番還元室92で受け入れた2番物を前方に移送した後、下方の処理室94に送り、この処理室94内で処理するものとすると、従来死空間であった処理室94上方空間を有効利用して2番還元室92を構成でき、2番揚穀筒91の長さや配置構成の自由度を拡大し、もって脱穀装置全体のコンパクト化が図れる。
【0033】
図16,17において、フィードチェン50は、前後のスプロケット100,101、前方下部の駆動スプロケット102、及び最も下位に配設するテンションスプロケット103に巻回される。上記スプロケットはいずれも脱穀装置4の機枠に適宜支持されるものであるが、うち前端のスプロケット100は、脱穀装置4機枠に支点104にて枢支され、上下に回動自在な支持枠105によって支持される。したがって、支持枠105を略水平姿勢にして異形ロックピン106を支点104部に挿入すると当該姿勢を維持し、上記ロックピン106を抜くと、支持枠105は自重で下向きに垂れ下がる。107及び108はチェンレールで、前側のチェンレール107は上記支持枠105と一体で姿勢変更しうる構成であるが、後側チェンレール108は脱穀装置4の脱穀固定壁に適宜装着される構成である。
【0034】
このように構成すると、通常作業時はロックピン106を挿入しておくと駆動スプロケット102の回転に伴って回転連動し縦搬送装置48からの穀稈を引き継ぎ、穂部を入口漏斗51部に載せつつ移送し、横倒伏姿勢で扱室52内に供給する。
【0035】
上記のように、フィードチェン50は、前端スプロケット100から後方適宜範囲の支点位置中心に下方に垂れ下がるよう構成することにより、脱穀装置4の前壁前方部への侵入の際の邪魔部材をなくし得て、機体の横側からのメンテナンスを容易にすることができる。例えば、縦搬送装置48を横方向にスライド着脱自在の構成を採用でき、一層メンテナンスを容易にする。また、入口漏斗51下方の奥側に配置されるHST14の注油作業や各種駆動ベルト類の点検交換等の作業を容易化する。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの正面図
【図2】一部切断したコンバインの平面図
【図3】一部切断したトランスミッション部の正面図
【図4】コンバインの拡大側面図
【図5】サイド操作パネル部の斜視図
【図6】第1レバーガイドの平面図
【図7】第2レバーガイドの平面図
【図8】サイド操作パネル部の平面図
【図9】サイド操作パネル部の斜視図
【図10】サイド操作パネル部の斜視図
【図11】図10のX−X線の断面図
【図12】図10のY−Y線の断面図
【図13】レバーガイドの平面図
【図14】脱穀装置の側断面図
【図15】脱穀装置の正断面図
【図16】フィードチェンの斜視図
【図17】コンバインの側面図
【符号の説明】
1…機体フレーム、4…脱穀装置、5…操縦部、6…座席、7…エンジンルーム、8…クランク軸、9…エンジン、12…冷却ファン、14…HST、17…吸引ファン(第1ファン)、18…ミッションケース、40…冷却ファン(第2ファン)、51…入口漏斗。
Claims (1)
- 機体操縦部には操作パネルを配すると共に該操縦部近傍にエンジンを配置するコンバインにおいて、コンバインの前進方向に対してエンジンの右側に冷却ファンを設け、エンジンによる熱気を排気すべく該エンジンクランク軸に連動する第1ファンと、このエンジン近傍に配設され走行部等を変速連動する無段変速装置を空冷すべく設ける第2ファンとを、上記第2ファンを上記第1ファンに対して上位に配置すると共に、平面視において前後に外周一部がオーバーラップするよう配置させてエンジンに対する無段変速装置のレイアウト構成を前後に接近させる構成とし、前記エンジンを操縦部の座席の下方であって機体右側に設け、コンバインの前進方向に対してエンジンの左側に前記第1ファン、第2ファン及び無段変速装置を集中配置する構成とし、さらに、脱穀装置を機体左側に設け、該脱穀装置の入口漏斗の下方であって脱穀装置の前壁部前方を前記第1ファン、及び、第2ファンの排風が通過するように構成したことを特徴とするコンバインの通気構造。
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