JP3704566B2 - 乾電池ケース - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、たとえば、ガステーブルこんろ等のガス燃焼器具に適用して有益な乾電池ケースに関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、ガステーブルこんろ等のガス燃焼器具にあっては、一般に器具の底部前面又は後部一側に乾電池ケースを設けているため、電池交換等に際しては、器具を持上げたり、器具を前方へ引き出したり、器具の後部をのぞき込んだりしなければならず、しかも、乾電池ケースに対する乾電池の脱着にも相当の困難性がともなうものである。したがって、器具の正面から乾電池ケースの位置が確認し難いこともあって電池交換等に多くの手間がかかり、取扱い上甚だ不便、かつ、面倒なものであった。
【0003】
そこで、従来、たとえば、ガステーブルこんろ等のガス燃焼器具の前面側に乾電池ケースを設け、器具前面からの電池交換等を可能として上記不具合を解消しようとするものはすでに提案されている。
【0004】
上記従来の器具前面からの電池交換等を可能としたものとしては、たとえば、図11に示されているように、ガイドレール100を備えたケース本体101に、前面カバー102と上面が開口された舟型の電池ケース103をスライド台104に一体に備えたスライド体を収納又は引き出し可能に設けた乾電池ケース(以下従来例1という)、又は図12及び図13に示されているように、上ガイド板105と下ガイド板106及び接点金具107からなるケース本体に、把手108を有し両側が開口された電池ケース103を挿入、脱出可能に設け、かつ、別体の前面カバー102を備えた乾電池ケース(以下従来例2及び従来例3という)等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例1の乾電池ケースは、電池交換に際しケース本体101からスライド体を前進移動が規制されるまでの一定ストローク引き出し、電池ケース103に収納されている古い乾電池を上面開口から取り出し、新しい乾電池を上面開口から電池ケース103内に装着した後、スライド体をケース本体101内に押し込み収納するものであるが、ケース本体101に対する電池ケース103の収納位置における保持手段がないので、特に、乾電池及びその接続関係に安定性がなく通電不良が生ずることがあり、またケース本体101、前面カバー102、電池ケース103、スライド台104等の部品を必要とするから、部品点数が多くなり構造的にも複雑となるため、コスト的に高価となるという問題点があった。
【0006】
上記従来例2の乾電池ケースは、電池交換に際し、先ず、前面パネルのカバー102を外し、次いで、ケース本体から電池ケース103を引き出してケース本体から電池ケースを取り外して器外に持ち出し、電池ケース103に収納されている古い乾電池を両側開口から取り外し、新しい乾電池を両側開口から電池ケース103内に装着した後、乾電池が収納された電池ケース103をケース本体に押し込み収納し、その後、前面カバー102を被せるものであるが、ケース本体に対する電池ケースの収納位置における保持手段がないので、特に、乾電池及びその接続関係に安定性がなく通電不良が生ずることがあり、また、電池ケース103をケース本体から引き出すとき誤って落下してしまうことがあるという取扱い上の問題点もあり、さらに、ケース本体は上ガイド板105、下ガイド板106、接点金具107等の部品の組合せからなり、その外、電池ケース103、前面カバー102等の部品をも必要とするから、部品点数が多くなり構造的に複雑となるため、コスト的にも高価となるという問題点があった。
【0007】
上記従来例3の乾電池ケースは、電池交換に際し、先の従来例2と同様に、先ず、前面パネルのカバー102を外し、次いで、ケース本体から電池ケース103を引き出しケース本体から電池ケース103を取り外して器外に持ち出し、電池ケース103に収納されている古い乾電池を両側開口から取り外し、新しい乾電池を両側開口から電池ケース103内に装着した後、乾電池が収納された電池ケース103をケース本体に押し込み収納し、その後、前面カバー102を被せるものであるが、ケース本体に対する電池ケースの収納位置における保持手段がないので、特に、乾電池及びその接続関係に安定性がなく通電不良が生ずることがあり、また、電池ケースをケース本体から引き出すとき誤って落下してしまうことがあるという取扱い上の問題点もあり、さらに、ケース本体は上ガイド板105、下ガイド板106、接点金具107等の部品の組合せからなり、その外、電池ケース103、前面カバー102等の部品をも必要とするから、部品点数が多くなり構造的に複雑となるため、コスト的にも高価となるという問題点があった。
【0008】
この発明の乾電池ケースは上記課題を解決し、、電池交換等が簡易、かつ、安全に行いうるとともに、通電不良をなくし、併せて、構造の簡略化とコストダウンをも図った乾電池ケースの提供を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するこの発明の第1の乾電池ケースは、ガステーブルこんろの前面の電池収納部に取付けられた電池ボックスに蓋付き電池ケースを器具前面から挿脱可能に備えたものにおいて、上記蓋付き電池ケースを所定の収納位置において保持するための復元力をもつストッパー手段と押え手段とを備え、
上記ストッパー手段を蓋付き電池ケースと一体に備え、かつ、該ストッパー手段にその反力によるロックを解除する操作ツマミを備えるとともに、押え手段を乾電池の接続端子に兼用したことを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決するこの発明の第2の乾電池ケースは、ガステーブルこんろの前面の電池収納部に取付けられた電池ボックスに蓋付き電池ケースを器具前面から挿脱可能に備えたものにおいて、上記蓋付き電池ケースを所定の収納位置において保持するための復元力をもつストッパー手段と押え手段とを備え、
上記電池ボックスに器具のガス管、水管等の配管に取付ける取付座を備えたことを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するこの発明の第3の乾電池ケースは、上記蓋付き電池ケースを一定ストローク引き出したところでその引き出しが一旦停止される係合手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
【作用】
上記構成を有するこの発明の第1の乾電池ケースは、蓋付き電池ケースを電池ボックス内の所定位置まで収納すると、蓋付き電池ケースは復元力をもつ押え手段で押圧された状態のもとに復元力をもつストッパー手段でロックされる。したがって、蓋付き電池ケースは予め決められた所定の収納位置に安定的に保持される。
【0013】
この発明の乾電池ケースは、蓋付き電池ケースを電池ボックスから引き出すときは、上記ストッパー手段に備えた操作ツマミでその反力によるロックが解除できる。したがって、蓋付き電池ケースの引き出しが簡易に行いうる。また、上記押え手段は乾電池の接続端子を兼用しているので、構造が簡略化される。
【0014】
上記構成を有するこの発明の第2の乾電池ケースは、乾電池ケースを器体前面の電池収納部に取付けるとき、電池ボックスは器具のガス管、水管等の配管を利用して取付けうる。したがって、その取付け作業は簡略化される。
【0015】
上記構成を有するこの発明の第3の乾電池ケースは、蓋付き電池ケースは一定ストローク引き出されたところで係合手段により一旦停止される。したがって、電池交換時等において、蓋付き電池ケースを電池ボックスから引き出すときこれを誤って落下させることはない。
【0016】
【実施例】
以下この発明の乾電池ケースの実施例について図面を参照して説明する。
【0017】
図1〜図10において、1は電池ボックスで、前面を開口した箱状に形成され、その後壁に復元力をもつ前方への押え手段を兼備する乾電池Aのマイナス側に接する端子バネ2が設けられ、底壁前端には後述するストッパー手段17の係止凸起18が係脱する係止穴3を備え、かつ、下面には図8に例示されているように、器具Bのガス管、水管等の配管4に引掛けうる引掛け凹部5、6とネジ止め用の座7とを備えた取付座8を設けた構成となっている。なお、上記端子バネ2には接続端子片2aが外部に突出して接続されている。
【0018】
9は蓋付き電池ケースで、内面に乾電池Aを安定的に支承するための複数の突状10を有し上面が開放されたケース主体11の前方寄りに乾電池Aのプラス側に接する端子板12が取付けられた凸壁13を備え前端には器具Bの前面パネル14に穿った開口15に適合する蓋体16を有し、かつ、底壁前面に後述するストッパー手段17を有し側壁後端には後述する係合手段23の係合突部25を備えた構成となっている。
【0019】
17はストッパー手段で、上記電池ボックス1の係止穴3に係脱する係止凸起18を前方寄りの下面に有し前端には操作ツマミ19を備えた復元力をもつ板状体で形成され、図1〜図7に示した実施例は上記蓋付き電池ケース9の底壁前面を切り抜いて一体形成し、図10に示した実施例では別体の係止凸起18を有する板状体を蓋付き電池ケース9の底壁前面に取付けている。そして、前端の操作ツマミ19を上記蓋体16の下面に位置させて器具前面からの操作が容易に行えるようになしている。また、係止凸起18は逆三角形状として係止時はその反力で係止穴3に自動的に係止してロックされ、ロック解除時は操作ツマミ19をその反力に抗して持上げることにより係止凸起18が係合穴3から容易に脱出してロックが解かれるようになしている。
【0020】
20は下方への押え手段としての押え板で、上記蓋付き電池ケース9を電池ボックス1内の所定位置に収納したとき、その凸壁13の上面に圧接する押圧凸部21を有する復元力をもつ帯板体で形成され、上記電池ボックス1の上壁前面にその基端を固定して備えられ、上記押圧凸部21を有する帯板体を導電性をもつバネ板で形成し、その基端を延長して上部に突出させ、乾電池Aのプラス側の接続端子片22を兼備している。
【0021】
23は蓋付き電池ケース9が一定ストローク引き出されたところでその引き出しが一旦停止される係合手段で、電池ボックス1の側壁前端部に設けた切起片24に蓋付き電池ケース9の側壁後端に設けた係合突部25が蓋付き電池ケース9を一定ストローク引き出したところで係合されてその引き出しが規制され、蓋付き電池ケース9の前端側を持上げることによりその係合が外れる構成となっている。
【0022】
図8及び図9は、この発明の乾電池ケースをガステーブルこんろに適用した実施例であって、ガステーブルこんろBの前面一側の電池収納部に取付け設置して器具前面からの電池交換等が容易に行えるようにしている。なお、上記電池ボックス1と蓋付き電池ケース9はそれぞれ樹脂で一体形成するのがよく、樹脂製とすると樹脂の弾力性を利用して蓋付き電池ケース9に一体形成されるストッパー手段17に復元力をもたせることができる。また、押え板20には金属製の板バネを用いるのがよい。
【0023】
上記構成において、この発明の乾電池ケースをガステーブルこんろBの前面一側の電池収納部に取付け設置する場合は、電池ボックス1をその取付座8の引掛け凹部5又は6を近くのガス配管4に嵌めつけて引掛け支持した後、ネジ止め用の座7を器体側の取付板(図示せず)にネジ止めすれば、電池ボックス1の所定位置への取付け設置ができる(図7及び図9参照)。
【0024】
そこで、2個の乾電池Aをケース主体11に直列に配置して装着し蓋付き電池ケース9を上記電池ボックス1に前面開口から挿入し、乾電池Aのマイナス側に接する端子バネ2を圧縮して所定の収納位置にまで達すると、ストッパー手段17の係止凸起18は電池ボックス1の係止穴3にその反力で自動係止されると同時に電池ケース9の凸壁13の上面を押え板20の押圧部21により反力で下方へ押圧する。したがって、電池ボックス1に対し蓋付き電池ケース9は押え板20による下方への押圧作用と端子バネ2による前方への押圧作用とでストッパー手段17によるロックが確実となって所定の収納位置に保持される。したがって、乾電池Aは所定の位置にあってその端子板12へのプラス側の接触と端子バネ2へのマイナス側の接触とが安定的に行われる。そして、前端の蓋体16で前面パネル14の開口15を塞ぐ(図1及び図7参照)。
【0025】
次に、電池交換に際し蓋付き電池ケース9を引き出すときは、ストッパー手段17に備えた操作ツマミ19を器具前面からその復元力に抗して持上げると、その係止凸起18が係止穴3から外れる(図4参照)。この係止凸起18が係止穴3から外れると、蓋付き電池ケース9は端子バネ2による前方への押動力で僅かに押し出され、操作ツマミ19の持上げ力を解いてもストッパー手段17によるロックは完全に解かれる。その後、前端の蓋体16をもって蓋付き電池ケース9を前方へ引き出すと、蓋付き電池ケース9は一定のストローク引き出されたところで蓋付き電池ケース9の側壁後端の係合突部25が電池ボックス1の側壁前端部の切起片24に係合されてその引き出しが一旦停止される(図5の実線参照)。その後、蓋付き電池ケース9の前端側を持上げて傾けると、切起片24と係合突部25との係合が外れるため(図5の鎖線参照)、そのまま前方へ引き出せば電池ボックス1から蓋付き電池ケース9が取り出しうる。
【0026】
そこで、蓋付き電池ケース9のケース主体11から古い乾電池を取り出し、新しい乾電池を装着して後、蓋付き電池ケース9を電池ボックス1に前述の理により挿入セットすれば電池交換は完了する。
【0027】
上記蓋付き電池ケース9の挿脱動作において、下方への押え手段の押え板20を乾電池Aのプラス側の接続端子22に兼用すると、電池ボックス1に対し蓋付き電池ケース9を所定の収納位置まで挿入したところで押え板20の押圧凸部21が凸壁13の上面にまで延設した端子板12に接してプラス側の通電を可能にする。蓋付き電池ケース9を電池ボックスから引き出せば、押え板20の押圧凸部21と端子板12との接触が解かれてその通電は断たれる。
【0028】
以上この発明の実施例について説明したが、この発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。たとえば、実施例は2個の乾電池を直列配置したものであるが、1個の乾電池の場合でも適用できる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したこの発明の第1の乾電池ケースは、蓋付き電池ケースを電池ボックス内の所定位置まで収納すると、蓋付き電池ケースは復元力をもつ押え手段で前方と下方へ押圧された状態のもとに復元力をもつストッパー手段でロックされるため、蓋付き電池ケースは予め決められた所定の収納位置において確実に保持され乾電池及びその接続関係は安定するから、通電不良等が生ずるおそれはない。また、構成部品の主体が電池ボックスと蓋付き電池ケースだけであるから、構造的に簡略化されコスト的にも安価となる。
【0030】
また、電池交換等に際し蓋付き電池ケースを電池ボックスから引き出すときは、ストッパー手段によるロックが器具前面から操作ツマミを操作することで簡易に解除できるから、電池交換等に便利である。また、押え手段は乾電池の接続端子を兼用しているので、端子構造が簡略化できる。
【0031】
この発明の第2の乾電池ケースは、電池ボックスは器具のガス管、水管等の配管を利用して取付けうるから、その取付け作業は簡略化され、能率的に行いうる。
【0032】
この発明の第3の乾電池ケースは、蓋付き電池ケースが一定ストローク引き出されたところでその引き出しが一旦停止されるので、蓋付き電池ケースを電池ボックスから引き出すとき、一気に引き出すことができないから、誤って落下させる危険はなく取扱い上安全である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の乾電池ケースの一実施例を示した収納状態の断面図である。
【図2】 蓋付き電池ケースだけの平面図である。
【図3】 その底面図である。
【図4】 ストッパー手段によるロックを外した場合の断面図である。
【図5】 蓋付き電池ケースを一定ストローク引き出した状態の断面図である。
【図6】 図2のX−X断面図である。
【図7】 電池ボックスの取付座の一例を示した断面図である。
【図8】 器具に対する乾電池ケースの取付け設置状態の一例を示した全体斜視図である。
【図9】 その一部平面図である。
【図10】 ストッパー手段の異なる実施例の要部だけの断面図である。
【図11】 従来例1の要部の分解斜視図である。
【図12】 従来例2の要部の分解斜視図である。
【図13】 従来例3の要部の分解斜視図である。
【符号の説明】
1 電池ボックス
9 蓋付き電池ケース
17 ストッパー手段
20 押え板
19 操作ツマミ
22 接続端子
23 係合手段
8 取付座
4 配管
Claims (3)
- ガステーブルこんろの前面の電池収納部に取付けられた電池ボックスに蓋付き電池ケースを器具前面から挿脱可能に備えたものにおいて、上記蓋付き電池ケースを所定の収納位置において保持するための復元力をもつストッパー手段と押え手段とを備え、
上記ストッパー手段を蓋付き電池ケースと一体に備え、かつ、該ストッパー手段にその反力によるロックを解除する操作ツマミを備えるとともに、押え手段を乾電池の接続端子に兼用したことを特徴とする乾電池ケース。 - ガステーブルこんろの前面の電池収納部に取付けられた電池ボックスに蓋付き電池ケースを器具前面から挿脱可能に備えたものにおいて、上記蓋付き電池ケースを所定の収納位置において保持するための復元力をもつストッパー手段と押え手段とを備え、
上記電池ボックスに器具のガス管、水管等の配管に取付ける取付座を備えたことを特徴とする乾電池ケース。 - 上記蓋付き電池ケースを一定ストローク引き出したところでその引き出しが一旦停止される係合手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の乾電池ケース。
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