JP2001155700A - バッテリーパック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電動工具等への着脱作業を簡単にする。 【解決手段】 バッテリーパック１の後方に設けられる
フック１７は、上端に傾斜面１８を形成し、その下部に
は、連結体１９，１９を介して底板２０が水平に連設さ
れ、底板２０と下ケース３との間にはコイルバネ２２が
介在されている。又、レバー２３は、回動軸２４が外ケ
ース２へ回動可能に装着され、回動軸２４の中央部に
は、前方上方へ突出するストッパ２６が突設されてフッ
ク１７の連結体１９，１９間に形成された透孔２１を貫
通し、フック１７を外ケース２からの突出位置で規制し
ている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、蓄電池を収容し、
電動工具等の電源として使用されるバッテリーパックに
関する。

【０００２】

【従来の技術】バッテリーパックは、蓄電池を収容する
ケースに正負の充放電用端子を備えて電動工具や充電器
等の他の電気機器と着脱可能となっており、電動工具等
への装着と同時に、両端子が相手側の対応する端子と電
気的接続する。又、バッテリーパックには、電動工具等
への装着時の脱却を防止するために、ケースから突出す
るフック等の係止部材を設けている。この係止部材の態
様として、例えば実公昭６１−３４６９１号公報には、
ケースから出没自在に設けられた係止部材（回動軸２１
ａ，２１ｂ）と、係止部材をカム面を介して連動させる
操作部材（操作体２０）とを設け、操作部材をケースか
ら引き出す方向へ回転させると、係止部材がケース内に
没入し、ケース側へ倒す方向へ回転させると、係止部材
が突出する考案が開示されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記考案においては、
操作部材と係止部材とが常に連動しているため、装着時
と取り外し時の何れにおいても必ず操作部材を引き出し
て係止部材を没入させる操作が必要となり、着脱作業が
面倒となっていた。

【０００４】そこで、請求項１に記載の発明は、係止部
材と操作部材とを設けたものであっても、良好な操作性
で着脱作業が行えるバッテリーパックを提供することを
目的としたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１に記載の発明は、前記係止部材に、電気機
器への装着動作に連動して前記係止部材を単独で出没動
作させて前記電気機器と係止させる連動手段を設けたこ
とを特徴とするものである。請求項２に記載の発明は、
請求項１の目的に加えて、連動手段を簡単に形成するた
めに、連動手段を、係止部材を突出位置へ付勢する弾性
体と、前記係止部材に形成され、電気機器と当接して前
記係止部材をケースへの没入方向へ案内する傾斜面とし
たものである。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１はバッテリーパックの斜視
図、図２はその分解斜視図で、バッテリーパック１は、
複数の蓄電池（以下「セル」という）を内蔵した箱体
で、ここでは、外ケース２内に、セルを覆う一回り小さ
い内ケース９を収容した二重構造となっている。まず外
ケース２は、内ケース９が略収まる下ケース３と、下ケ
ース３の上方からネジで被着される上ケース４とからな
り、充電器や電動工具への装着部となる上ケース４の上
面には、基端部５と、その基端部５から前方（以下バッ
テリーパック１では基端部５側を後方として説明する）
へ突出する二本の平行なスライドレール６，６とを形成
している。スライドレール６，６は、夫々外側へ張り出
し部６ａを略全長に亘って形成した断面逆Ｌ字状を呈
し、両スライドレール６，６の間の基端部５には、スラ
イドレール６と平行なスリット７，７・・が形成されて
いる。８，８は充電器や電動工具への装着時のストッパ
である。

【０００７】一方、内ケース９の上面には、基板１０が
ネジ止めされ、基板１０上には、左右に充放電用端子１
１，１１及び温度検出用端子１２、コネクタ形状の通信
用端子１３とが夫々配置されて、外ケース２への収容状
態では、充放電用端子１１，１１と温度検出用端子１２
とが上ケース４のスリット７，７・・を介して外部へ臨
み、通信用端子１３が前方へ向けて露出するようになっ
ている。１４，１５は夫々内ケース９を形成する上ホル
ダ、下ホルダ、１６，１６・・はセルである。

【０００８】そして、バッテリーパック１の後方には、
係止部材としてのフック１７と、操作部材としてのレバ
ー２３とが設けられている。まずフック１７は、上端に
おける両側前面に下り坂となる傾斜面１８，１８を形成
した平面コ字状の板状体で、その下部には、２本の連結
体１９，１９を介して四角形状の底板２０が水平に連設
され、底板２０と下ケース３との間には、フック１７を
上方へ付勢する弾性体であるコイルバネ２２が介在され
ている。次にレバー２３は、水平な回動軸２４の両端に
Ｕ字状の引掛部２５を一体に形成して、下ケース３後面
に凹設されたＵ字状の凹部２７に収容され、下ケース３
の内面で凹部２７の上方と凹部２７中央の凸部２８との
間に架設されたスペーサ２９により、回動軸２４が抜け
止めされることで、レバー２３は下ケース３へ回動可能
に装着されている。又、回動軸２４の中央部には、レバ
ー２３の凹部２７への没入状態で前方上方へ突出するス
トッパ２６が突設されて、フック１７の連結体１９，１
９間に形成された透孔２１を貫通して、上方へ付勢され
るフック１７を外ケース２からの突出位置で規制してい
る。

【０００９】このフック１７の突出位置では、透孔２１
の開口下縁が逆にストッパ２６を上方へ押し上げる方向
へ付勢することで、レバー２３には、回動軸２４を中心
として引掛部２５を凹部２７側へ押圧する回転付勢が働
き、後述する電動工具への装着時にレバー２３が偶発的
に凹部２７から引き起こされるおそれが軽減されるよう
になっている。尚、透孔２１は、この突出位置からフッ
ク１７を外ケース２内に没入するまで押し込んでもスト
ッパ２６と干渉しないように上下に広く形成されてい
る。

【００１０】一方、図３はバッテリーパック１を装着す
る電動工具３０のハンドル３１の説明図で、ハンドル３
１の下端両側には、バッテリーパック１のスライドレー
ル６，６より広い間隔でガイドレール３２，３２が形成
され、各ガイドレール３２の内側下縁の略全長に張り出
し部３２ａが延設されて、ガイドレール３２，３２の間
には、正負の端子板３４，３４をガイドレール３２と平
行に突設した端子台３３が配置されている。又、ハンド
ル３１の底面における前端（電動工具３０では図３の左
側を前方として説明する）には、バッテリーパック１の
装着時にフック１７が係止可能な係止凹部３５が凹設さ
れている。

【００１１】以上の如く構成されたバッテリーパック１
は、電動工具３０へ装着する場合、スライドレール６，
６をハンドル３１のガイドレール３２，３２間にあてが
い、そのまま前方へスライドさせると（逆に電動工具３
０を前方へスライドさせても同じ）、図４に二点鎖線で
示すように、上ケース４から突出するフック１７がハン
ドル３１の底面前端に当接するが、傾斜面１８のガイド
により、ハンドル３１の相対的なスライドと共に同図実
線で示すようにコイルバネ２２の付勢に抗して外ケース
２内へ没入するため、バッテリーパック１のスライドに
干渉しない。そして、ストッパ８，８がガイドレール３
２，３２の前端に当接すると、図５のように、係止凹部
３５の位置でフック１７がコイルバネ２２の付勢によっ
て再び突出して係止凹部３５と係止すると共に、端子台
３３の端子板３４，３４がバッテリーパック１のスリッ
ト７，７内に進入して充放電用端子１１，１１と電気的
接続する。

【００１２】次に、バッテリーパック１を取り外す場合
は、レバー２３の引掛部２５に指を引っ掛け、回転付勢
に抗して図５の矢印の方向へ引き起こせば、レバー２３
の回転と共にストッパ２６も下方へ回転し、透孔２１の
開口下縁に当接して図６のようにフック１７を下方へ押
し下げ、フック１７を外ケース２内に没入させて係止凹
部３５との係止を解除するため、そのまま引掛部２５を
後方へ引っ張ると、バッテリーパック１のスライドレー
ル６，６がガイドレール３２，３２間を装着時と逆にス
ライドし、ハンドル３１から取り外すことができる。

【００１３】このように上記形態によれば、連動手段で
ある傾斜面１８とコイルバネ２２とを設けて、フック１
７を単独で出没させて電動工具３０の係止凹部３５に係
止可能としたことで、電動工具３０への装着時にはレバ
ー２３を操作してフック１７を動作させる必要がなく、
取り外し時にのみレバー２３を操作してフック１７を外
ケース２内に没入させ、係止凹部３５との係止を解除さ
せる手順となるから、バッテリーパック１の着脱に係る
操作が簡略化し、作業性の向上を図ることができる。勿
論、取り外し時にはレバー２３によって重量の大きいバ
ッテリーパック１でも落下のおそれなく安全に取り扱え
るという従来の効果は維持可能である。又、バッテリー
パック１を充電のために充電器に装着する際に、フック
１７が抜け止めとして働く場合にも、電動工具３０への
装着時と同様にフック１７が単独で出没し、レバー２３
の操作が不要となるため、ここでも作業性の向上が期待
できる。更に、連動手段に傾斜面１８とコイルバネ２２
とを採用したことで、連動手段が最小限の構成で簡単に
形成可能となっている。

【００１４】尚、係止部材や操作部材の具体的形状は上
記形態に限定するものでなく、係止部材は複数あっても
良いし、操作部材もレバー２３のような回動タイプでな
く、スライドにより係止部材を出没させる構造としても
差し支えない。又、連動手段も、上記傾斜面１８とコイ
ルバネ２２とに限らず、ケースに、フック等の係止部材
と連結されたボタン等を設け、電動工具等への装着時に
ボタンを一時的に押し込むことで係止部材を出没させる
構造等も考えられる。勿論バッテリーパックと電動工具
等との装着構造は、上記スライド装着による以外に、端
子を設けたケースの一部を電動工具のハンドル等に差し
込む構造であっても本発明は適用可能である。

【００１５】

【発明の効果】請求項１に記載の発明によれば、係止部
材に、電気機器への装着動作に連動して係止部材を単独
で出没動作させて電気機器と係止させる連動手段を設け
たことで、電気機器への装着時には操作部材を操作して
係止部材を動作させる必要がなく、取り外し時にのみ操
作部材を操作して係止部材をケース内に没入させ、係止
を解除させる手順となるから、バッテリーパックの着脱
に係る操作が簡略化し、作業性の向上を図ることができ
る。請求項２に記載の発明によれば、請求項１の効果に
加えて、連動手段を、係止部材を突出位置へ付勢する弾
性体と、前記係止部材に形成され、電気機器と当接して
前記係止部材をケースへの没入方向へ案内する傾斜面と
したことで、連動手段を最小限の構成で簡単に形成可能
となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】バッテリーパックの斜視図である。

【図２】バッテリーパックの分解斜視図である。

【図３】（Ａ）電動工具のハンドルの側面説明図であ
る。 （Ｂ）電動工具のハンドルの底面説明図である。

【図４】バッテリーパックを電動工具に装着する状態を
示す説明図である。

【図５】バッテリーパックの装着状態を示す説明図であ
る。

【図６】バッテリーパックを電動工具から取り外す状態
を示す説明図である。

【符号の説明】

１・・バッテリーパック、２・・外ケース、３・・下ケ
ース、６・・スライドレール、９・・内ケース、１１・
・充放電用端子、１７・・フック、１８・・傾斜面、２
２・・コイルバネ、２３・・レバー、２５・・引掛部、
２６・・ストッパ、３０・・電動工具、３１・・ハンド
ル、３２・・ガイドレール、３４・・端子板、３５・・
係止凹部。

フロントページの続き (72)発明者 梅村 新吾 愛知県安城市住吉町３丁目11番８号 株式 会社マキタ内 Ｆターム(参考） 5H020 AA01 AS06 AS16 CC06 CC13 CC22 CC24 CV01

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 蓄電池を収容して他の電気機器へ着脱可
   能なケースに、前記ケースから出没自在で、且つ前記ケ
   ースからの突出位置で前記電気機器と係止可能な係止部
   材と、その係止部材を出没操作可能な操作部材とを設け
   たバッテリーパックであって、 前記係止部材に、前記電気機器への装着動作に連動して
   前記係止部材を単独で出没動作させて前記電気機器と係
   止させる連動手段を設けたことを特徴とするバッテリー
   パック。
2. 【請求項２】 連動手段が、係止部材を突出位置へ付勢
   する弾性体と、前記係止部材に形成され、電気機器と当
   接して前記係止部材をケースへの没入方向へ案内する傾
   斜面とした請求項１に記載のバッテリーパック。