JP3704134B2 - パケット転送装置、ネットワーク制御サーバ、およびパケット通信ネットワーク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パケット転送装置、ネットワーク制御サーバ、およびパケット通信ネットワークに関し、特に大規模な通信ネットワークをオペレーション的に運用する際に、分散オペレーションを最適化させる際に適用されるパケット転送装置、ネットワーク制御サーバ、およびパケット通信ネットワークに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、パケット通信ネットワークを構成する各パケット転送装置は、複数のパケット転送インタフェースを有するとともに、各パケットの転送処理内容を示す複数のエントリからなる転送テーブルを有し、この転送テーブルに基づきパケット転送インタフェースを介してパケット転送を行うものとなっている。
【0003】
このようなパケット転送装置からなるパケット通信ネットワークでは、そのネットワークの規模が大きくなったり、ルーチング計算に反映させるべきルーチングポリシが大きくなったりした場合、ルーチング計算を分散的に行う際のオーバヘッドの増加を抑えるために複数のネットワーク制御サーバを設置して、例えば集中的なルーチング計算を、オーバヘッドが極端に増加しない程度に適切に分散化する方法が考えられている。
しかし、この方法では、ネットワーク制御サーバ間でエントリ書きこみの干渉が発生したり、パケット転送装置が故障から復帰したときに、そのエントリの正当性を各ネットワーク制御サーバが判断できないという問題があった。
【0004】
従来、このような問題を解決するため、各ネットワーク制御サーバが自身が制御したテーブルエントリを明示的に識別できるように、エントリにネットワーク制御サーバの識別子フィールドを追加することで、ルーチング計算のようなサービス処理を、極端に集中化させたりあるいは極端に分散化させたりすることなく、サーバ負荷を適切に保ちつつ、オーバヘッドが極端に増加しないように、適切に分散化するものとなっていた。
【0005】
なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で決定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
【0006】
【特許文献1】
特許第3290142号公報
【非特許文献1】
非特許文献「通信プロトコル事典 ポイント図解式」 マルチメディア通信研究会(編集)アスキー出版 第一版:1996年11月01日発行 第一版第八冊:2000年3月01日発行
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来のパケット通信ネットワークでは、週的なルーチング計算を、オーバヘッドが極端に増加しない程度に、適切に分散するために、ネットワークに複数のネットワーク制御サーバを設置し、パケット転送装置の転送テーブルの各エントリに、そのエントリを記述した主となる装置の識別フィールドを追加する方法が考えられている。
【0008】
しかしながら、この方法では、パケット転送装置のテーブルは、同じ検索条件を持つ複数のエントリを持つ可能性があるが、その際、どのエントリを用いて転送を制御するかを明示的に識別する手段がなく、あるネットワーク制御サーバが想定した重要な経路を使用せず、他のネットワーク制御サーバが想定した比較的重要ではない経路を使用する可能性が有るため、大規模なネットワークにおける最適なルーチング処理が困難になるという場合があるのような問題点があった。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、テーブルのエントリの書きかえを複数のネットワーク制御サーバが制御する場合でも、パケット転送装置で最も選択優先度が高いエントリを用いてパケットを転送できるパケット転送装置、ネットワーク制御サーバ、およびパケット通信ネットワークを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明にかかるパケット転送装置は、パケット通信ネットワークで用いられ、複数のパケット転送インタフェースを有するとともに、各パケットの転送処理内容を示す複数のエントリからなる転送テーブルを有し、この転送テーブルに基づきパケット転送インタフェースを介してパケット転送を行うパケット転送装置において、パケット通信ネットワークに設置されている複数のネットワーク制御サーバから、転送テーブルのエントリに対する制御要求に応じて、転送テーブルのエントリに、そのエントリを記述したネットワーク制御サーバの識別子を示すフィールドと、当該転送テーブルの検索時に複数のエントリがマッチした場合にいずれか1つのエントリを選択するための優先度を示すフィールドとを追加するテーブル制御監視手段を備えるものである。
このとき、テーブル制御監視手段で、ネットワーク制御サーバからエントリの追加を受理する際に、サーバの識別子からエントリ選択の優先度を決定して記述するようにしてもよい。
【0010】
また、本発明にかかるネットワーク制御サーバは、上記パケット転送装置を複数有するパケット通信ネットワークで用いられ、これらパケット転送装置の転送テーブルのエントリを制御することにより、当該パケット通信ネットワークの負荷を分散させるネットワーク制御サーバであって、転送テーブルに記述されるエントリを選択する際に用いる選択優先度を、当該パケット転送装置へ通知するトラヒック情報授受手段を備えるものである。
このとき、転送テーブルのエントリに記述されている検索キーから、選択優先度を決定するための選択優先度テーブルを用いてもよい。
【0011】
また、本発明にかかるパケット通信ネットワークは、上記した複数のパケット転送装置と、上記した複数のネットワーク制御サーバとを有するパケット通信ネットワークにおいて、パケット転送装置のテーブル制御監視手段で、ネットワーク制御サーバを定期的に監視することにより、当該ネットワーク制御サーバの生存性を確認し、ネットワーク制御サーバの生存性が確認できなかった際に、当該装置の転送テーブルから当該ネットワーク制御サーバの識別子を有しているエントリを無効にするようにしたものである。
この際、テーブル制御監視手段で、当該装置の転送テーブルから無効なエントリを削除するようにしてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるパケット通信ネットワークについて説明する。図1は本発明の第1の実施の形態にかかるパケット通信ネットワークの構成を示すブロック図である。
このパケット通信ネットワークは、リンク207〜236を介して相互に接続されたパケット転送装置121〜129ネットワーク制御サーバ111〜113からなり、これらパケット転送装置およびネットワーク制御サーバとして、パケット転送装置からトラヒック情報を収集し、収集したトラヒック情報を基に負荷分散計算を行い、負荷分散計算結果を転送経路上のパケット転送装置に反映させる複数のトラヒックエンジニアリングサーバ(以下、TEサーバという)が設置されている。
【0013】
パケット転送装置121は、リンク216を介して、ネットワーク制御サーバ112に接続され、リンク217を介して、ネットワーク制御サーバ111に接続され、リンク207を介して、パケット転送装置127に接続され、リンク201を介して、ユーザ端末101に接続されている。
パケット転送装置122は、リンク220を介して、ネットワーク制御サーバ112に接続され、リンク221を介して、ネットワーク制御サーバ111に接続され、リンク208を介して、パケット転送装置127に接続され、リンク202を介して、ユーザ端末102に接続されている。
【0014】
パケット転送装置123は、リンク222を介して、ネットワーク制御サーバ112に接続され、リンク223を介して、ネットワーク制御サーバ111に接続され、リンク224を介して、ネットワーク制御サーバ113に接続され、リンク209を介して、パケット転送装置128に接続され、リンク203を介して、ユーザ端末103に接続されている。
パケット転送装置124は、リンク228を介して、ネットワーク制御サーバ112に接続され、リンク229を介して、ネットワーク制御サーバ111に接続され、リンク230を介して、ネットワーク制御サーバ113に接続され、
リンク210を介して、パケット転送装置128に接続され、リンク204を介して、ユーザ端末104に接続されている。
【0015】
パケット転送装置125は、リンク231を介して、ネットワーク制御サーバ111に接続され、リンク232を介して、ネットワーク制御サーバ113に接続され、リンク211を介して、パケット転送装置129に接続され、リンク205を介して、ユーザ端末105に接続されている。
パケット転送装置126は、リンク235を介して、ネットワーク制御サーバ111に接続され、リンク236を介して、ネットワーク制御サーバ113に接続され、リンク212を介して、パケット転送装置129に接続され、リンク206を介して、ユーザ端末106に接続されている。
【0016】
パケット転送装置127は、リンク218を介して、ネットワーク制御サーバ112に接続され、リンク219を介して、ネットワーク制御サーバ111に接続され、リンク213を介して、パケット転送装置128に接続され、リンク214を介して、パケット転送装置129に接続されている。
パケット転送装置128は、リンク225を介して、ネットワーク制御サーバ112に接続され、リンク226を介して、ネットワーク制御サーバ111に接続され、リンク227を介して、ネットワーク制御サーバ113に接続されている。
パケット転送装置129は、リンク233を介して、ネットワーク制御サーバ111に接続され、リンク234を介して、ネットワーク制御サーバ113に接続され、リンク214を介して、パケット転送装置127に接続され、リンク215を介して、パケット転送装置128に接続されている。
【0017】
この結果、ネットワーク制御サーバ111は、リンク217を介して、パケット転送装置121に接続され、リンク219を介して、パケット転送装置127に接続され、リンク221を介して、パケット転送装置122に接続され、リンク223を介して、パケット転送装置123に接続され、リンク226を介して、パケット転送装置128に接続され、リンク229を介して、パケット転送装置124に接続され、リンク231を介して、パケット転送装置125に接続され、リンク233を介して、パケット転送装置129に接続され、リンク235を介して、パケット転送装置126に接続されている。
【0018】
また、ネットワーク制御サーバ112は、リンク216を介して、パケット転送装置121に接続され、リンク218を介して、パケット転送装置127に接続され、リンク220を介して、パケット転送装置122に接続され、リンク222を介して、パケット転送装置123に接続され、リンク225を介して、パケット転送装置128に接続され、リンク228を介して、パケット転送装置124に接続されている。
ネットワーク制御サーバ113は、リンク224を介して、パケット転送装置123に接続され、リンク227を介して、パケット転送装置128に接続され、リンク230を介して、パケット転送装置124に接続されている。リンク232を介して、パケット転送装置125に接続され、リンク234を介して、パケット転送装置129に接続され、リンク236を介して、パケット転送装置126に接続されている。
【0019】
これによって、パケット転送装置123,124および128は、3つのネットワーク制御サーバ111,112および113に接続されており、パケット転送装置121,122および127は、2つのネットワーク制御サーバ111,112に接続されており、パケット転送装置125,129および126は、2つのネットワーク制御サーバ111,113に接続されている。
このような接続構成により、単一のパケット転送装置が有するテーブルのエントリの追加および削除を、複数のネットワーク制御サーバが制御することが可能となる。
【0020】
図2は、図1のパケット転送装置128が有するルーチングテーブルの構成例である。
このルーチングテーブル1は、受信したパケットの宛先IPアドレス、エントリを記述したネットワーク制御サーバの識別子、およびそのエントリを記述したネットワーク制御サーバが付与した選択優先度から、対応する出力リンクを導く機能を有している。
【0021】
図3は、図1のパケット転送装置128が有するルーチングテーブルの他の構成例である。
このフィルタリングテーブル2は、受信したパケットの宛先IPアドレス、ポート番号、VLAN番号、エントリを記述したネットワーク制御サーバの識別子、およびそのエントリを記述したネットワーク制御サーバが付与した選択優先度から、対応する転送の許可不許可を導く機能を有している。
【0022】
図4は、図1のパケット転送装置128が有する品質クラス分類テーブル3の構成例である。
品質クラス分類テーブル3は、受信したパケットの宛先IPアドレス、DSCP値、エントリを記述したネットワーク制御サーバの識別子、およびそのエントリを記述したネットワーク制御サーバが付与した選択優先度から、対応する出力キューを導く機能を有している。
【0023】
図5は、図1のパケット転送装置128の構成を示すブロック図である。
このパケット転送装置128は、パケット送受信機能5、ネットワークインタフェース(以下、ネットワークI/Fという)7〜10、およびテーブル制御監視機能23を有している。
パケット送受信機能5は、各パケットの転送処理内容を示す複数のエントリからなる転送テーブルとして、ルーチングテーブル1、フィルタリングテーブル2、品質クラス分類テーブル3、およびアドレスプールテーブル4を有するとともに、トラヒック監視機能6を有している。
トラヒック監視機能6は、設定された条件を満たすパケットのトラヒック量を監視し、MIB(Management Information Base)に保存する機能を有している。
【0024】
パケット送受信機能5は、受信したパケットの宛先IPアドレスに基づいてルーチングテーブル1を検索し、複数エントリがマッチした際には選択優先度が最も高いエントリを参照することで、導かれた出力リンクへパケットを出力する機能と、受信したパケットの宛先IPアドレス,ポート番号およびVLAN番号に基づき、フィルタリングテーブル2を検索し、複数エントリがマッチした際には選択優先度が最も高いエントリを参照することで、導かれた結果によりパケットを通過させるもしくは廃棄する機能とを有している。
【0025】
さらに、パケット送受信機能5は、受信したパケットの宛先IPアドレスおよびDSCP値に基づき品質クラス分類テーブル3を検索し、複数エントリがマッチした際には選択優先度が最も高いエントリを参照することで、導かれた出力キューへパケットを格納する機能と、受信したパケットの宛先IPアドレス,送信元アドレスおよびVLAN番号に基づきアドレスプールテーブル4を検索し、複数エントリがマッチした際には選択優先度が最も高いエントリを参照することで、パケットの宛先アドレスおよび送信元アドレスを導かれた変換宛先IPアドレスおよび変換宛先IPアドレスに書き換える機能と、トラヒック監視機能6により、設定された条件を満たすパケットのトラヒック量をMIBに保存する機能とを有している。
【0026】
ネットワークI/F7は、入力インタフェース(以下、入力I/Fという)11と出力インタフェース(以下、出力I/Fという)12を有している。出力I/F12は、送信制御機能13を有している。送信制御機能13は、キュー#A14,キュー#B15およびキュー#C16を有している。キュー#A14は、転送優先度が高いパケットを格納する機能を有している。キュー#B15は、転送優先度が通常のパケットを格納する機能を有している。キュー#C16は、転送優先度が低いパケットを格納する機能を有している。送信制御機能13は、各キューの転送優先度に従って、キューに格納されているパケットをリンク209に出力する機能を有している。
【0027】
テーブル制御監視機能23は、経路情報通知機能24,SNMPエージェント機能25を有している。
経路情報通知機能24は、ネットワーク制御サーバとしてルートサーバを設置した際に、ネットワーク制御サーバと経路情報を交換する機能を有している。
SNMPエージェント機能25は、サーバ生存性確認テーブル26を有している。
サーバ生存性確認テーブル26は、パケット転送装置128に接続されたサーバの識別子から、そのサーバからSNMP参照要求を受信してから経過した時間を導く機能を有している。ここで用いるタイマは、初期値からカウントダウンし、0でタイムアウトとなる。
【0028】
SNMPエージェント機能25は、SNMPを実装し、パケット転送装置128に接続されたネットワーク制御サーバがテーブルを参照するために送信するSNMP参照要求を受け、SNMP情報要求応答を返すとともにサーバ生存性確認テーブル26のタイマを初期化する機能と、サーバ生存性確認テーブル26のタイマが0となった際に、パケット送受信機能5が有している各テーブルの生存性が確認できないネットワーク制御サーバの識別子を有するエントリを削除または無効にする機能と、パケット転送装置128に接続されたネットワーク制御サーバから負荷分散計算結果およびルーチング計算結果を反映させるためのSNMP設定要求を受け、SNMP設定要求を通知したネットワーク制御サーバの識別子と制御要求対象エントリに記述されたサーバ識別子が一致した際に、各テーブルのエントリの追加および削除を実行する機能とを有している。
【0029】
さらにSNMPエージェント機能25は、パケット転送装置128に接続されたネットワーク制御サーバから負荷分散計算結果およびルーチング計算結果を反映させるためのSNMP設定要求を受け、SNMP設定要求を送信したネットワーク制御サーバの通知したエントリに対して、選択優先度が通知された際には、そのエントリに選択優先度を記述して各テーブルに追加する機能と、パケット転送装置128に接続されたネットワーク制御サーバから負荷分散計算結果およびルーチング計算結果を反映させるためのSNMP設定要求を受け、SNMP設定要求を送信したネットワーク制御サーバの通知したエントリに対して選択優先度が通知されなかった際には、そのネットワーク制御サーバの識別子から選択優先度を決定し、そのエントリに記述して各テーブルに追加する機能とを有している。
【0030】
テーブル制御監視機能23は、経路情報通知機能24によりネットワーク制御サーバと経路情報を交換する機能と、SNMPエージェント機能25により、パケット転送装置128に接続されたネットワーク制御サーバからのSNMP参照要求を受け、SNMP設定要求を通知したネットワーク制御サーバの識別子と制御要求対象のエントリに記述されたサーバ識別子とが一致した際に各テーブルのエントリの追加および削除を実行する機能と、ネットワーク制御サーバからの定期的なSNMP参照要求の受信を監視し、ネットワーク制御サーバからの定期的なSNMP参照要求の受信が確認できない際に、パケット送受信機能5が有している各テーブルの生存性が確認できないネットワーク制御サーバの識別子を有するエントリを削除または無効にする機能とを有している。
【0031】
さらにテーブル制御監視機能23は、パケット転送装置128に接続されたネットワーク制御サーバから負荷分散計算結果およびルーチング計算結果を反映させるためのSNMP設定要求を受け、SNMP設定要求を送信したネットワーク制御サーバの通知したエントリに対して選択優先度が通知された際には、そのエントリに選択優先度を記述して各テーブルに追加する機能と、パケット転送装置128に接続されたネットワーク制御サーバから負荷分散計算結果およびルーチング計算結果を反映させるためのSNMP設定要求を受け、SNMP設定要求を送信したネットワーク制御サーバの通知したエントリに対して選択優先度が通知されなかった際には、そのネットワーク制御サーバの識別子から選択優先度を決定し、そのエントリに記述して各テーブルに追加する機能とを有している。
【0032】
ネットワークI/F7は、リンク291を介して、パケット送受信機能5と接続されている。ネットワークI/F8は、リンク292を介して、パケット送受信機能5と接続されている。ネットワークI/F9は、リンク293を介して、パケット送受信機能5と接続されている。ネットワークI/F10は、リンク294を介して、パケット送受信機能5と接続されている。
ネットワーク制御サーバ112は、リンク225を介して、テーブル制御監視機能23と接続され、リンク295を介して、パケット送受信機能5と接続されている。ネットワーク制御サーバ111は、リンク226を介して、テーブル制御監視機能23と接続され、リンク296を介して、パケット送受信機能5と接続されている。ネットワーク制御サーバ113は、リンク227を介して、テーブル制御監視機能23と接続され、リンク297を介して、パケット送受信機能5と接続されている。
【0033】
これにより、ネットワーク制御サーバ112は、リンク225,295により、テーブル制御監視機能23を介してパケット送受信機能5と接続されている。また、ネットワーク制御サーバ111は、リンク226,296により、テーブル制御監視機能23を介してパケット送受信機能5と接続されている。さらに、ネットワーク制御サーバ113は、リンク227、297により、テーブル制御監視機能23を介してパケット送受信機能5と接続されている。
【0034】
したがって、パケット転送装置128は、テーブルのエントリを制御したネットワーク制御サーバが通知したそのエントリの選択優先度を明示することが可能となる。また、ネットワーク制御サーバから選択優先度が通知されなかった際には、パケット転送装置が自律的に選択優先度を決定することが可能となる。
また、テーブルのエントリの書きかえを複数のネットワーク制御サーバが制御する際に、パケット転送装置が同一の検索条件を持つ複数のエントリから最も選択優先度が高いエントリを参照することが可能となり、複数のサーバが導く複数の計算結果から最も信頼性の高い計算結果を選択することが可能となる。
【0035】
図6は、図1のTEサーバとして動作するネットワーク制御サーバ111の構成を示すブロック図である。
このネットワーク制御サーバ111は、トラヒック情報授受機能27および
負荷分散計算機能28を有している。
トラヒック情報授受機能27は、トラヒック情報授受テーブル29を有している。トラヒック情報授受テーブル29は、SNMP参照要求を送信後経過した時間を示すタイマに対する、パケット転送装置を導く機能を有している。
【0036】
トラヒック情報授受機能27は、SNMPを実装し、ネットワーク情報授受テーブル29のタイマが0になったエントリが導くパケット転送装置にSNMP参照要求を送信する機能と、ネットワーク情報授受テーブル29において、SNMP参照要求を送信したパケット転送装置に対するタイマを初期化する機能と、SNMP参照要求によりネットワーク制御サーバ111に接続されたパケット転送装置のMIBに保存されたトラヒック情報およびテーブルを参照する機能と、参照したトラヒック情報を負荷分散計算機能28に通知する機能とを有している。
【0037】
さらに、トラヒック情報授受機能27は、パケット転送装置のテーブルのエントリを追加する際に、負荷分散計算機能28から通知されるエントリ,自身のサーバ識別子およびそのエントリに付与する選択優先度をSNMP設定要求としてパケット転送装置に送信する機能と、パケット転送装置のテーブルのエントリを削除する際にそのエントリに記述されているサーバの識別子と自身の識別子が一致する際のみそのエントリを削除する機能と、パケット転送装置のテーブルのエントリを追加する際に、そのエントリの選択優先度を示すフィールドに、そのエントリに付与した選択優先度を書きこむ機能とを有している。
【0038】
負荷分散計算機能28は、トラヒック情報保持機能30,トラヒック最適化処理機能31,選択優先度付加機能32および更新トラヒック情報保持機能33を有している。
トラヒック情報保持機能30は、トラヒック情報授受機能27から通知されたトラヒック情報を保持する機能を有している。
トラヒック最適化処理機能31は、トラヒック情報保持機能30に保存されたトラヒック情報を用いて負荷分散計算を実行する機能と、負荷分散計算により算出されたエントリを選択優先度付加機能32に通知する機能とを有している。選択優先度付加機能32は、選択優先度テーブル34を有している。選択優先度テーブル34は、計算により算出されたエントリの検索キーに対応する、自身の付与すべき選択優先度を導く機能を有している。
【0039】
選択優先度付加機能32は、選択優先度テーブル34により、トラヒック最適化処理機能31から通知されたエントリに、そのエントリに記述されている検索キーに基づき選択優先度を付与する機能と、選択優先度テーブルにヒットしない検索キーを有するエントリに対しては選択優先度を付与しない機能と、そのエントリおよびエントリに付与する選択優先度を更新トラヒック情報保持機能33に通知する機能とを有している。
更新トラヒック情報保持機能33は、選択優先度付加機能32から通知されたエントリおよびそのエントリに付与する選択優先度を保持する機能と、そのエントリおよびそのエントリに付与する選択優先度をトラヒック情報授受機能27に通知する機能とを有している。
【0040】
負荷分散計算機能28は、トラヒック情報保持機能30により、トラヒック情報授受機能27から通知されたトラヒック情報を保存する機能と、トラヒック最適化処理機能31により、トラヒック情報を用いて負荷分散計算を実行する機能と、選択優先度付加機能32により、負荷分散計算によって導かれたエントリに選択優先度を付与する機能と、更新トラヒック情報保持機能33により、そのエントリおよびそのエントリに付与する選択優先度を保存し、トラヒック情報授受機能27に通知する機能とを有している。
【0041】
トラヒック情報授受機能27は、リンク298を介して、負荷分散計算機能28と接続され、リンク217,219,221,223,226,229,231,233,235を介して、パケット転送装置121,127,122,123,128,124,125,129および126と接続されている。
これにより、ネットワーク制御サーバ111は、パケット転送装置に対して、自身が制御したテーブルエントリの選択優先度を明示すること、および他者が制御したテーブルエントリの選択優先度を明示的に識別することが可能となる。
また、パケット転送装置に設定するエントリの検索キー毎に選択優先度を決定し、パケット転送装置に通知することが可能となる。
【0042】
図7は、図1のパケット転送装置128が有するサーバ生存性確認テーブル26の構成例である。
このサーバ生存性確認テーブル26は、接続先ネットワーク制御サーバに対応するタイマを導く機能を有している。タイマの初期値は400としている。
【0043】
図8は、図1のネットワーク制御サーバ111(図6参照)が有するトラフィック情報授受テーブル29の構成例である。
このトラフィック情報授受テーブル29は、タイマに対応する接続先パケット転送装置を導く機能を有している。タイマの初期値は100としている。
【0044】
次に、前述した図1および図6を参照して、本実施の形態にかかるパケット通信ネットワークの動作として、パケット転送装置と複数のTEサーバを設置したパケット通信ネットワークにおける、TEサーバが使用するトラヒック情報収集動作について説明する。
図1の各パケット転送装置は、パケット送受信機能5におけるトラヒック監視機能6により、ネットワークのトラヒック情報を取得してMIBに保存する。
【0045】
また、各TEサーバは、トラヒック情報授受機能27により、SNMPを用いて各パケット転送装置のMIBを閲覧することでネットワークのトラヒック情報を取得し、負荷分散計算機能28におけるトラヒック情報保持機能30により、各パケット転送装置から取得したトラヒック情報を有し、負荷分散計算機能28におけるトラヒック最適化処理機能31により、収集したトラヒック情報を用いて負荷分散計算を行う。
このように、ネットワーク制御サーバ111,112および113は、パケット転送装置121〜129のMIBに保存されたトラヒック情報を、SNMPを用いて参照することにより、ネットワークのトラヒック情報を取得する。
【0046】
次に、図9を参照して、本実施の形態にかかるパケット通信ネットワークの動作として、複数のネットワーク制御サーバとしてTEサーバ(図6参照)を設置し、各パケット転送装置のルーチングテーブルを制御する際の動作について説明する。図9は、本実施の形態にかかるパケット通信ネットワークの動作を示す説明図である。
【0047】
ここでは、各ネットワーク制御サーバが有している負荷分散計算機能48,49および50における選択優先度テーブル63,64および65によって、宛先アドレスIP#6に関するエントリについては、主として制御するサーバがネットワーク制御サーバ111と設定され、主となるサーバの補助としてそのエントリを制御するサーバは、ネットワーク制御サーバ113と設定されている。
これにより、ネットワーク制御サーバは、設定するエントリ毎に選択優先度を決定し、パケット転送装置に通知することが可能となった。
【0048】
ネットワーク制御サーバ111,112および113は、負荷分散計算機能48,49および50におけるトラヒック最適化処理機能54,55および56により、得られたトラヒック情報から負荷分散計算を行う。
ネットワーク制御サーバ111,112および113は、負荷分散計算により送信元アドレスIP#3および宛先アドレスIP#6を有するパケットの転送経路を変更するエントリを算出した際に、負荷分散計算機能48,49および50における選択優先度付加機能57,58および59と宛先アドレスIP#6により、負荷分散計算により算出したエントリに選択優先度を付与する。
【0049】
ここでは、ネットワーク制御サーバ111には選択優先度「1」を付与し、ネットワーク制御サーバ112には選択優先度「2」を付与し、ネットワーク制御サーバ113には選択優先度「3」を付与する。選択優先度「1」が最も優先度が高く、選択優先度「3」は最も優先度が低い。
ネットワーク制御サーバ111,112および113は、負荷分散計算により算出したエントリおよびそのエントリに付与する選択優先度を、送信元アドレスIP#3および宛先アドレスIP#6を有するパケットの転送経路上に存在するパケット転送装置、および計算結果により導いた転送経路上に存在するパケット転送装置に反映させるため、トラヒック情報授受機能45,46および47によりルーチングテーブルの参照や書きかえを要求する。
【0050】
その際、各ネットワーク制御サーバは各自が負荷分散計算により算出したエントリ,自身のサーバ識別子およびそのエントリに付与する選択優先度をSNMP設定要求として送信する。
パケット転送装置128のテーブル制御監視機能23におけるSNMPエージェント機能25は、ネットワーク制御サーバ111、112および113から、宛先アドレスIP#6から出力リンクを導くエントリに対してのSNMP参照要求やSNMP設定要求を受信した際に、宛先アドレスIP#6に基づきルーチングテーブル1を検索し、該当エントリが検出されなかった際には、テーブルにエントリを追加し、該当エントリが検出された際には、エントリの参照やエントリの書きかえを行う。
【0051】
また、エントリを削除する際は、そのエントリに記述されているサーバの識別子と、そのエントリの削除を要求したネットワーク制御サーバの識別子が一致する際のみ、削除要求を受理する。
そして、エントリを追加する際は、そのエントリを記述した装置外部のサーバの識別子を示すフィールドに、そのエントリの追加を要求したネットワーク制御サーバの識別子を書きこみ、ネットワーク制御サーバからそのエントリの選択優先度が通知された際は、そのエントリの選択優先度を示すフィールドにその選択優先度を書きこみ、ネットワーク制御サーバからそのエントリの選択優先度が通知されなかった際は、サーバの識別子によりそのエントリの選択優先度を決定し、そのエントリの選択優先度を示すフィールドに書きこむ。
【0052】
パケット転送装置128は、宛先アドレスIP#6を有するIPパケット501をリンク209から受信する。ネットワークIF7は、IPパケット501を入力IF11を通じてリンク291へ出力することでパケット送受信機能5に転送する。パケット送受信機能5は、宛先アドレスIP#6を有するIPパケット501を転送するためにルーチングテーブル1を参照する。
この際、複数のエントリがマッチするため、IPパケット501の宛先アドレスIP#6および選択優先度に基づき参照するエントリを決定し、そのエントリに基づき出力リンク294に出力する。
ネットワークIF10は、リンク294から転送されたIPパケット501を出力IF18を通じてリンク215に出力する。
【0053】
以上の動作により、単一のパケット転送装置が有するテーブルのエントリの書きかえを複数のネットワーク制御サーバが制御する際に、パケット転送装置が、同一の検索条件を持つ複数のエントリから最も選択優先度が高いエントリを参照することが可能となり、複数のサーバが導く複数の計算結果から、最も信頼性の高い計算結果を選択することが可能となる。
【0054】
次に、図10を参照して、本実施の形態にかかるパケット通信ネットワークの動作として、複数のネットワーク制御サーバとしてTEサーバ(図6参照)を設置し、各パケット転送装置のルーチングテーブルを制御する場合に、ネットワーク制御サーバが故障した際の動作について説明する。図10は、本実施の形態にかかるパケット通信ネットワークのサーバ故障動作を示す説明図である。
【0055】
ネットワーク制御サーバ111,112および113は、トラヒック情報授受機能45,46および47により、各パケット転送装置に対して、100秒に一度SNMP参照要求を送信する。パケット転送装置128は、テーブル制御監視機能23におけるSNMPエージェント機能25およびサーバ生存性確認テーブル26により、各ネットワーク制御サーバから400秒以内にSNMP参照要求が受信されているかを監視し、ネットワーク制御サーバ113からのSNMP参照要求が400秒間確認できなかった際に、ネットワーク制御サーバ113が設定したエントリを参照するのを放棄すると同時に、ネットワーク制御サーバ113が設定したエントリをすべて削除する。
これにより、ルーチングテーブル1は、ルーチングテーブル93となる。
以上の動作によりパケット転送装置は、ネットワーク制御サーバの故障により不要となったエントリのみを無効にし、削除することが可能となる。
【0056】
次に、図11を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかるパケット通信ネットワークについて説明する。図11は本発明の第2の実施の形態にかかるパケット通信ネットワークの構成を示すブロック図である。
このパケット通信ネットワークは、リンク407〜440を介して相互に接続されたパケット転送装置321〜333、およびネットワーク制御サーバ311〜313からなり、これらパケット転送装置およびネットワーク制御サーバとして、加入者ユーザを収容するパケット転送装置からユーザの経路情報を取得し、収集した経路情報を用いてルーチング計算を行い、そのルーチング計算結果を上記各パケット転送装置および転送経路上のパケット転送装置に反映させる、複数のルートサーバが設置されている。
【0057】
ユーザ側ネットワークであるアクセスネットワークおよびキャリア側ネットワークであるコアネットワークを仮定した際に、ルートサーバは、アクセスネットワークに存在する複数の加入者を収容するパケット転送装置(以下、加入者ユーザ収容ノードという)321〜326と経路情報を交換し、ルーチング計算を集中的に行い、そのルーチング計算結果を、加入者ユーザ収容ノードおよびコアネットワークとアクセスネットワークを接続するパケット転送装置(以下、エッジノードという)327〜329に配布する。
【0058】
加入者ユーザ収容ノード321は、リンク420を介して、ネットワーク制御サーバ312に接続され、リンク421を介して、ネットワーク制御サーバ311に接続され、リンク407を介して、エッジノード327に接続され、リンク401を介して、ユーザ端末301に接続されている。
加入者ユーザ収容ノード322は、リンク424を介して、ネットワーク制御サーバ312に接続され、リンク425を介して、ネットワーク制御サーバ311に接続され、リンク408を介して、エッジノード327に接続され、リンク402を介して、ユーザ端末302に接続されている。
【0059】
加入者ユーザ収容ノード323は、リンク426を介して、ネットワーク制御サーバ312に接続され、リンク427を介して、ネットワーク制御サーバ311に接続され、リンク428を介して、ネットワーク制御サーバ313に接続され、リンク409を介して、エッジノード328に接続され、リンク403を介して、ユーザ端末303に接続されている。
加入者ユーザ収容ノード324は、リンク432を介して、ネットワーク制御サーバ312に接続され、リンク433を介して、ネットワーク制御サーバ311に接続され、リンク434を介して、ネットワーク制御サーバ313に接続され、リンク410を介して、エッジノード328に接続され、リンク404を介して、ユーザ端末304に接続されている。
【0060】
加入者ユーザ収容ノード325は、リンク435を介して、ネットワーク制御サーバ311に接続され、リンク436を介して、ネットワーク制御サーバ313に接続され、リンク411を介して、エッジノード329に接続され、リンク405を介して、ユーザ端末305に接続されている。
加入者ユーザ収容ノード326は、リンク439を介して、ネットワーク制御サーバ311に接続され、リンク440を介して、ネットワーク制御サーバ313に接続され、リンク412を介して、エッジノード329に接続され、リンク406を介して、ユーザ端末306に接続されている。
【0061】
エッジノード327は、リンク422を介して、ネットワーク制御サーバ312に接続され、リンク423を介して、ネットワーク制御サーバ311に接続され、リンク413を介して、コアノード330に接続されている。
エッジノード428は、リンク429を介して、ネットワーク制御サーバ312に接続され、リンク430を介して、ネットワーク制御サーバ311に接続され、リンク431を介して、ネットワーク制御サーバ313に接続され、リンク414を介して、コアノード331に接続され、リンク415を介して、コアノード332に接続されている。
【0062】
エッジノード329は、リンク437を介して、ネットワーク制御サーバ311に接続され、リンク438を介して、ネットワーク制御サーバ313に接続され、リンク416を介して、コアノード333に接続されている。
コアノード330は、リンク417を介して、コアノード331と接続され、リンク419を介して、コアノード333と接続されている。
コアノード333は、リンク418を介して、コアノード332と接続されている。
【0063】
この結果、ネットワーク制御サーバ311は、リンク421を介して、加入者ユーザ収容ノード321に接続され、リンク423を介して、エッジノード327に接続され、リンク425を介して、加入者ユーザ収容ノード322に接続され、リンク427を介して、加入者ユーザ収容ノード323に接続され、リンク430を介して、エッジノード328に接続され、リンク433を介して、加入者ユーザ収容ノード324に接続され、リンク435を介して、加入者ユーザ収容ノード325に接続され、リンク437を介して、エッジノード329に接続され、リンク439を介して、加入者ユーザ収容ノード326に接続されている。
【0064】
また、ネットワーク制御サーバ312は、リンク420を介して、加入者ユーザ収容ノード321に接続され、リンク422を介して、エッジノード327に接続され、リンク424を介して、加入者ユーザ収容ノード322に接続され、リンク426を介して、加入者ユーザ収容ノード323に接続され、リンク429を介して、エッジノード328に接続され、リンク432を介して、加入者ユーザ収容ノード324に接続されている。
また、ネットワーク制御サーバ313は、リンク428を介して、加入者ユーザ収容ノード323に接続され、リンク431を介して、エッジノード328に接続され、リンク434を介して、加入者ユーザ収容ノード324に接続され、リンク436を介して、加入者ユーザ収容ノード325に接続され、リンク438を介して、エッジノード329に接続され、リンク440を介して、加入者ユーザ収容ノード326に接続されている。
【0065】
これにより、加入者ユーザ収容ノード323,324およびエッジノード328は、3つのネットワーク制御サーバ311,312および313に接続されており、加入者ユーザ収容ノード321,322およびエッジノード327は、
2つのネットワーク制御サーバ311,312に接続されており、加入者ユーザ収容ノード325,329およびエッジノード326は、2つのネットワーク制御サーバ311,313に接続されている。
したがって、単一のパケット転送装置が有するテーブルのエントリの追加および削除を、複数のネットワーク制御サーバが制御することが可能となる。
【0066】
図12は、図11のエッジノード328(パケット転送装置)が有するアドレスプールテーブルの構成例である。
このアドレスプールテーブル4は、受信したパケットの宛先IPアドレス、送信元アドレス、VLAN番号、エントリを記述したネットワーク制御サーバの識別子、およびそのエントリを記述したネットワーク制御サーバが付与した選択優先度から、対応する変換宛先IPアドレスと変換送信元IPアドレスを導く機能を有している。
【0067】
図13は、ルートサーバとして動作するネットワーク制御サーバ311の構成を示すブロック図である。
ネットワーク制御サーバ311は、経路情報交換機能35およびルーチング計算機能36を有している。
経路情報交換機能35は、経路情報収集機能37,経路情報授受テーブル38および経路情報配布機能39を有している。
経路情報収集機能37は、経路制御プロトコルにより、ユーザの経路情報を加入者ユーザ収容ノードおよび各テーブルから収集する機能と、収集した経路情報をルーチング計算機能36に通知する機能とを有している。
【0068】
経路情報授受テーブル38は、SNMP参照要求を送信後経過した時間を示すタイマに対するパケット転送装置を導く機能を有している。ここで用いるタイマは、初期値からカウントダウンし、0でタイムアウトとなる。
経路情報配布機能39は、SNMPを実装し、経路情報授受テーブル38のタイマが0になったエントリが導くパケット転送装置にSNMP参照要求を送信する機能と、経路情報授受テーブル38において、SNMP参照要求を送信したパケット転送装置に対するタイマを初期化する機能と、パケット転送装置のテーブルのエントリを追加する際に、ルーチング計算機能36から通知されるエントリ、自身のサーバ識別子、およびそのエントリに付与する選択優先度を、SNMP設定要求としてパケット転送装置に通知する機能と、パケット転送装置のテーブルのエントリを削除する際に、そのエントリに記述されているサーバの識別子と自身の識別子が一致する際のみそのエントリを削除する機能と、パケット転送装置のテーブルのエントリを追加する際に、そのエントリの選択優先度を示すフィールドに、そのエントリに付与した選択優先度を書きこむ機能とを有している。
【0069】
経路情報交換機能35は、経路情報収集機能37によりユーザの経路情報を収集する機能と、収集した経路情報をルーチング計算機能36に通知する機能と、経路情報配布機能39により、パケット転送装置に対して定期的にSNMP参照要求を送信する機能と、ルーチング計算機能36から通知されるエントリ、自身のサーバ識別子、およびそのエントリに付与する選択優先度をSNMP設定要求としてパケット転送装置に送信する機能と、パケット転送装置のテーブルのエントリを削除する際に、そのエントリに記述されているサーバの識別子と自身の識別子が一致する際のみそのエントリを削除する機能と、パケット転送装置のテーブルのエントリを追加する際に、そのエントリの選択優先度を示すフィールドに、そのエントリに付与した選択優先度を書きこむ機能とを有している。
【0070】
ルーチング計算機能36は、経路情報保持機能40、経路最適化処理機能41、選択優先度付加機能42、および更新経路情報保持機能43を有している。
経路情報保持機能40は、経路情報交換機能35から通知された経路情報を保持する機能を有している。経路最適化処理機能41は、経路情報保持機能40に保存された経路情報を用いてルーチング計算を実行する機能と、ルーチング計算により算出されたエントリを選択優先度付加機能42に通知する機能とを有している。
【0071】
選択優先度付加機能42は、選択優先度テーブル44を有している。選択優先度テーブル44は、計算により算出されたエントリの検索キーに対応する、自身の付与すべき選択優先度を導く機能を有している。選択優先度付加機能42は、選択優先度テーブル44により経路最適化処理機能41から通知されたエントリに、そのエントリに記述されている検索キーに基づき選択優先度を付与する機能と、選択優先度テーブルにヒットしない検索キーを有するエントリに対しては選択優先度を付与しない機能と、そのエントリおよびエントリに付与する選択優先度を更新経路情報保持機能43に通知する機能とを有している。
更新経路情報保持機能43は、選択優先度付加機能42から通知されたエントリおよびそのエントリに付与する選択優先度を保持する機能と、そのエントリおよびそのエントリに付与する選択優先度を経路情報交換機能35に通知する機能とを有している。
【0072】
ルーチング計算機能36は、経路情報保持機能40により、経路情報交換機能35から通知された経路情報を保存する機能と、経路最適化処理機能41により経路情報を用いてルーチング計算を実行する機能と、選択優先度付加機能42により、ルーチング計算によって導かれたエントリに選択優先度を付与する機能と、更新経路情報保持機能43により、そのエントリおよびそのエントリに付与する選択優先度を保存し、経路情報交換機能35に通知する機能とを有している。
【0073】
経路情報交換機能35は、リンク299を介して、ルーチング計算機能36と接続され、リンク421,425,427,433,435,439を介して、加入者ユーザ収容ノード321,322,323,324,325および326と接続され、リンク423,430,437を介して、エッジノード327,328および329と接続されている。
これにより、ネットワーク制御サーバ311は、パケット転送装置に対して、自身が制御したテーブルエントリの選択優先度を明示すること、および他者が制御したテーブルエントリの選択優先度を明示的に識別することが可能となる。
また、パケット転送装置に設定するエントリの検索キー毎に選択優先度を決定し、パケット転送装置に通知することが可能となる。
【0074】
図14は、図11のネットワーク制御サーバ311(図13参照)が有する経路情報授受テーブル38の構成例である。
この経路情報授受テーブル38は、タイマに対応する接続先パケット転送装置を導く機能を有している。タイマの初期値は100としている。
【0075】
次に、図11および図13を参照して、本実施の形態にかかるパケット通信ネットワークの動作として、ネットワーク制御サーバとして複数のルートサーバを設置したパケット通信ネットワークにおける、ルートサーバが使用する経路情報収集動作について説明する。
図11の各加入者ユーザ収容ノードは、経路情報通知機能24により、各々が保持している経路情報を接続されたルートサーバに通知する。
【0076】
各ルートサーバは、経路情報交換機能35における経路情報収集機能37により、通知された経路情報を取得し、ルーチング計算機能36における経路情報保持機能40により、各パケット転送装置から通知された経路情報を有し、ルーチング計算機能36における経路最適化処理機能41により、収集した経路情報を用いてルーチング計算を行う。
このように、ネットワーク制御サーバ311,312および313は、加入者ユーザ収容ノード321〜326が有している経路情報通知機能24により、加入者ユーザ収容ノード321〜326が保持している経路情報を取得する。
【0077】
次に、図15を参照して、本実施の形態にかかるパケット通信ネットワークの動作として、複数のネットワーク制御サーバとしてルートサーバ(図13参照)を設置し、各パケット転送装置のルーチングテーブルを制御する際の動作について説明する。図15は、本実施の形態にかかるパケット通信ネットワークの動作を示す説明図である。
【0078】
ここでは、各ネットワーク制御サーバが有しているルーチング計算機能69,70および71における、選択優先度テーブル91,91および92によって、宛先アドレスIP#16に関するエントリについては、主として制御するサーバはネットワーク制御サーバ311、主となるサーバの補助としてそのエントリを制御するサーバはネットワーク制御サーバ313と設定されている。
これにより、ネットワーク制御サーバは、設定するエントリ毎に選択優先度を決定し、パケット転送装置に通知することが可能となる。
【0079】
ネットワーク制御サーバ311,312および313は、ルーチング計算機能69,70および71における経路最適化処理機能81,82および83により、得られた経路情報からルーチング計算を行う。
ネットワーク制御サーバ311,312および313は、ルーチング計算により、送信元アドレスIP#13および宛先アドレスIP#16を有するパケットの転送経路を変更するエントリを算出した際に、ルーチング計算機能69,70および71における選択優先度付加機能84,85および86と宛先アドレスIP#16から、ルーチング計算により算出したエントリに対して選択優先度を付与する。
【0080】
ここでは、ネットワーク制御サーバ311には選択優先度「1」を付与し、ネットワーク制御サーバ312には選択優先度「2」を付与し、ネットワーク制御サーバ313は選択優先度「3」を付与する。選択優先度「1」が最も優先度が高く、選択優先度「3」は最も優先度が低い。
ネットワーク制御サーバ311,312および313は、ルーチング計算により算出したエントリおよびそのエントリに付与する選択優先度を、送信元アドレスIP#13および宛先アドレスIP#16を有するパケットの転送経路上に存在するパケット転送装置、および計算結果により導いた転送経路上に存在するパケット転送装置に反映させるために、経路情報交換機能66,67および68における経路情報配布機能75,76および77により、ルーチングテーブルの参照や書き換えを要求する。
【0081】
その際、各ネットワーク制御サーバは各自がルーチング計算により算出したエントリ、自身のサーバ識別子、およびそのエントリに付与する選択優先度をSNMP設定要求として送信する。
エッジノード328のテーブル制御監視機能23におけるSNMPエージェント機能25は、ネットワーク制御サーバ311、312および313から、宛先アドレスIP#16から出力リンクを導くエントリに対してのSNMP参照要求やSNMP設定要求を受信した際に、宛先アドレスIP#16に基づきルーチングテーブル1を検索する。
【0082】
ここで、該当エントリが検出されなかった際には、テーブルにエントリを追加し、該当エントリが検出された際には、エントリの参照やエントリの書きかえを行う。
エントリを削除する際は、そのエントリに記述されているサーバの識別子と、そのエントリの削除を要求したネットワーク制御サーバの識別子が一致する際のみ、削除要求を受理する。
また、エントリを追加する際は、そのエントリを記述した装置外部のサーバの識別子を示すフィールドに、そのエントリの追加を要求したネットワーク制御サーバの識別子を書きこみ、ネットワーク制御サーバからそのエントリの選択優先度が通知された際は、そのエントリの選択優先度を示すフィールドにその選択優先度を書きこみ、ネットワーク制御サーバからそのエントリの選択優先度が通知されなかった際は、サーバの識別子によりそのエントリの選択優先度を決定し、そのエントリの選択優先度を示すフィールドに書きこむ。
【0083】
エッジノード328は、宛先アドレスIP#16を有するIPパケット502をリンク409から受信する。ネットワークIF7は、IPパケット502を、入力IF11を通じてリンク291へ出力することでパケット送受信機能5に転送する。
パケット送受信機能5は、宛先アドレスIP#16を有するIPパケット502を転送するためにルーチングテーブル1を参照する。この際、複数のエントリがマッチするため、IPパケット502の宛先アドレスIP#16および選択優先度に基づき、参照するエントリを決定し、そのエントリに基づき、出力リンク294に出力する。
ネットワークIF10は、リンク294から転送されたIPパケット501を出力IF18を通じてリンク415に出力する。
【0084】
以上の動作により、単一のパケット転送装置が有するテーブルのエントリの書きかえを複数のネットワーク制御サーバが制御する際に、パケット転送装置が、同一の検索条件を持つ複数のエントリから最も選択優先度が高いエントリを参照することが可能となり、複数のサーバが導く複数の計算結果から、最も信頼性の高い計算結果を選択することが可能となる。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、パケット転送装置で、パケット通信ネットワークに設置されている複数のネットワーク制御サーバから、転送テーブルのエントリに対する制御要求に応じて、転送テーブルのエントリに、そのエントリを記述したネットワーク制御サーバの識別子を示すフィールドと、当該転送テーブルの検索時に複数のエントリがマッチした場合にいずれか1つのエントリを選択するための優先度を示すフィールドとを追加するようにしたので、テーブルのエントリの書きかえを複数のネットワーク制御サーバが制御する際に、パケット転送装置が同一の検索条件を持つ複数のエントリから最も選択優先度が高いエントリを参照することが可能となり、複数のサーバが導く複数の計算結果から最も信頼性の高い計算結果を選択することが可能となる。
したがって、ルーチング計算のようなサービス処理を、極端に集中化させたりあるいは極端に分散化させたりすることなく、サーバ負荷を適切に保ちつつ、オーバヘッドが極端に増加しないように、適切に分散化させることができ、サービスコストを増加させることなく、サービス品質を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態にかかるパケット通信ネットワークの構成を示すブロック図である。
【図2】 図1のパケット転送装置が有するルーチングテーブルの構成例である。
【図3】 図1のパケット転送装置が有するフィルタリングテーブルの構成例である。
【図4】 図1のパケット転送装置が有する品質クラス分類テーブルの構成例である。
【図5】 図1のパケット転送装置の構成を示すブロック図である。
【図6】 図1のネットワーク制御サーバ(TEサーバ)の構成を示すブロック図である。
【図7】 図1のパケット転送装置が有するサーバ生存性確認テーブルの構成例である。
【図8】 図1のネットワーク制御サーバが有するトラヒック情報授受テーブルの構成例である。
【図9】 図1のパケット通信ネットワークのネットワーク動作例を示す説明図である。
【図10】 図1のパケット通信ネットワークのネットワーク動作例(ネットワーク制御サーバ故障時)を示す説明図である。
【図11】 本発明の第2の実施の形態にかかるパケット通信ネットワークの構成を示すブロック図である。
【図12】 図11のパケット転送装置が有するアドレスプールテーブルの構成例である。
【図13】 図11のネットワーク制御サーバ(ルートサーバ)の構成例である。
【図14】 図11のネットワーク制御サーバが有する経路情報授受テーブルの構成例である。
【図15】 図11のパケット通信ネットワークのネットワーク動作例を示す説明図である。
【符号の説明】
1,93…ルーチングテーブル、2…フィルタリングテーブル、3…品質クラス分類テーブル、4…アドレスプールテーブル、5…パケット送受信機能、6…トラヒック監視機能、7〜10…ネットワークI/F、11,17…入力I/F、12,18…出力I/F、13,19…送信制御機能、14,20…キュー#A、15,21…キュー#B、16,22…キュー#C、23…テーブル制御監視機能、24…経路情報通知機能、25…SNMPエージェント機能、26…サーバ生存性確認テーブル、27,45,46,47…トラヒック情報授受機能、28,48,49,50…負荷分散計算機能、29…トラヒック情報授受テーブル、30,51,52,53…トラヒック情報保持機能、31,54,55,56…トラヒック最適化処理機能、32,42,57,58,59,84,85,86…選択優先度付加機能、33,60,61,62…更新トラヒック情報保持機能、34,44,63,64,65,90,91,92…選択優先度テーブル、35,66,67,68…経路情報交換機能、36,69,70,71…ルーチング計算機能、37,72,73,74…経路情報収集機能、38…経路情報授受テーブル、39,75,76,77…経路情報配布機能、40,78,79,80…経路情報保持機能、41,81,82,83…経路最適化処理機能、43,87,88,89…更新経路情報保持機能、101〜106,301〜306…ユーザ端末、111〜113,311〜313…ネットワーク制御サーバ、121〜129,321〜333…パケット転送装置、201〜236,291〜299,401〜440…リンク。
Claims (6)
- パケット通信ネットワークで用いられ、複数のパケット転送インタフェースを有するとともに、各パケットの転送処理内容を示す複数のエントリからなる転送テーブルを有し、この転送テーブルに基づき前記パケット転送インタフェースを介してパケット転送を行うパケット転送装置において、
前記パケット通信ネットワークに設置されている複数のネットワーク制御サーバから、前記転送テーブルのエントリに対する制御要求に応じて、前記転送テーブルのエントリに、そのエントリを記述したネットワーク制御サーバの識別子を示すフィールドと、当該転送テーブルの検索時に複数のエントリがマッチした場合にいずれか1つのエントリを選択するための優先度を示すフィールドとを追加するテーブル制御監視手段を備えることを特徴とするパケット転送装置。 - 請求項1において、
前記テーブル制御監視手段は、前記ネットワーク制御サーバからエントリの追加を受理する際に、サーバの識別子からエントリ選択の優先度を決定して記述することを特徴とするパケット転送装置。 - 請求項1に記載のパケット転送装置を複数有するパケット通信ネットワークで用いられ、これらパケット転送装置の転送テーブルのエントリを制御することにより、当該パケット通信ネットワークの負荷を分散させるネットワーク制御サーバであって、
前記転送テーブルに記述されるエントリを選択する際に用いる選択優先度を、当該パケット転送装置へ通知するトラヒック情報授受手段を備えることを特徴とするネットワーク制御サーバ。 - 請求項3において、
前記転送テーブルのエントリに記述されている検索キーから、前記選択優先度を決定するための選択優先度テーブルを備えることを特徴とするネットワーク制御サーバ。 - 請求項1に記載の複数のパケット転送装置と、請求項3に記載の複数のネットワーク制御サーバとを有するパケット通信ネットワークにおいて、
前記パケット転送装置のテーブル制御監視手段は、前記ネットワーク制御サーバを定期的に監視することにより、当該ネットワーク制御サーバの生存性を確認し、前記ネットワーク制御サーバの生存性が確認できなかった際に、当該装置の転送テーブルから当該ネットワーク制御サーバの識別子を有しているエントリを無効にすることを特徴とするパケット通信ネットワーク。 - 請求項5において、
前記テーブル制御監視手段は、当該装置の転送テーブルから無効なエントリを削除することを特徴とするパケット通信ネットワーク。
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