JP3703932B2 - ガスコンロ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はガスコンロに関し、特に、鍋などの被加熱対象物の載置面積を大きく取る共に、コンロバーナ以外の他のバーナ、例えばグリルバーナから排出された排気ガスの逆流を防ぐことの可能なガスコンロに関する。
【0002】
【従来の技術】
図19は、従来のドロップインコンロの後方要部拡大端面図である。
図19を参照して、ドロップインコンロ51は、コンロ部53と、グリル部55とを含み、本体ケース57内に収容されている。本体ケース57は、カウンタートップ61に形成された開口63に落とし込まれ、先端にパッキング59が取付けられたフランジがカウンタートップ61に係合して、吊持される。
【0003】
コンロ部53には、火床としての後方コンロバーナ64が設けられており、天板65が内部を覆うように取付けられる。天板65は、後方コンロバーナ64に対応した孔67が形成された底部65aと、底部65aに接続し、上方に向かって立ち上がる立ち上がり部65bと、立ち上がり部65bの上端からカウンタートップ61側である外方に延びたフランジ部65cとを含む。フランジ部65cには、排気孔69が形成されている。
【0004】
天板65の上に汁受け皿71が取付けられる。汁受け皿71は、鍋87等の被加熱対象物から吹き出した汁等を受けるためのものである。汁受け皿71にはコンロバーナ64に対応した孔73が形成されている。汁受け皿71の上に、カバーリング75が取付けられる。そして、天板65の上に五徳77が設けられる。五徳77によって載置された鍋87のような被加熱対象物が後方コンロバーナ64によって加熱される。
【0005】
一方、グリル部55には、下方に向いて、魚などを加熱するグリルバーナ79が設けられており、グリルバーナ79によって発生した排気ガスを外部に排出するための排気通路81及び排気口83が設けられている。排気通路81を通って排気口83から排出された排気ガスは、天板65の排気孔69から外部に排気される。排気孔69は、排気カバー85によってカバーされている。排気カバー85は、野菜等が排気通路81側へ落ちるのを防ぐためのものである。
【0006】
以上の説明から分かるように、グリル部55のグリルバーナ79で発生した排気ガスの排気孔69は、上に向けて上昇する排気ガスを自然に排気できる観点から、ドロップインコンロ51の最も後方位置に該当する天板65のフランジ部65cに形成されていた。しかも、美観等の観点からフラット感がでるように、五徳77の高さとフランジ部65cの高さとがほぼ同じ高さであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、天板65のフランジ部65cに排気孔69を形成したことから、五徳77の載置面積は、その分だけ狭められていた。
また、鍋87が五徳77よりもさらに後方にずらされ、排気孔69の上に載置された場合には、鍋87と排気カバー85の対向距離は、距離L1のようなほとんど隙間のない距離であり、閉塞状態になり、グリルバーナ79からの排気ガスは排気孔69から外部に自然には排出されず逆流していた。そのため、器具やカウンタートップが異常に過熱してしまうという問題があった。さらに、逆流の状態によっては、後方コンロバーナ64にまで排気ガスが流れ、後方コンロバーナ64が不完全燃焼により異常消火してしまうという問題もあった。
【0008】
さらに、鍋87が排気孔69の上にまで及んで載置された場合には、熱をおびた排気ガスは逆流して鍋87の保温には用いられず、鍋87が五徳77の載置面積内に載置されている場合には、熱をおびた排気ガスは外部に自然に排気されて鍋87の保温には用いられていなかった。
ゆえに、本発明は、五徳の載置面積を可能な限り大きく確保すると共に、コンロバーナ以外のグリル等の他のバーナからの排気ガスが逆流せず、さらに熱をおびた排気ガスを保温のために用いることができるようなガスコンロを提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、コンロバーナが設けられる底部と前記底部から上方に立ち上がる立ち上がり部と前記立ち上がり部の上端から外方に延びたフランジ部とを含む天板と、上面全体が被加熱対象物を載置可能で、かつ、上面周端が前記天板のフランジ部と立ち上がり部との接続部分に近接した五徳と、他のバーナの燃焼により生じた排気ガスを排出する為に前記天板に設けられた排気孔とを備えたガスコンロにおいて、
前記天板の底部と立ち上がり部とは鈍角で接続されており、前記排気孔は前記天板の立ち上がり部に設けられてその上方にまで前記五徳が配設されているガスコンロである。
【0012】
このような発明によって、天板のフランジ部には他のバーナのための排気孔を形成する必要がなく、その分だけフランジの張り出し幅を狭くできる。また、排気孔が天板の底部または立ち上がり部に設けられたことにより、五徳の上に載置された被加熱対象物との間の距離が確保される。さらに、排気孔の上の五徳に被加熱対象物が載置されている場合には、熱をおびた排気ガスが被加熱対象物に当り、その周囲が保温空間を形成する。
そして、天板の底部と立ち上がり部とが鈍角で接続されており、排気孔が天板の立ち上がり部に設けられているので、傾斜した分だけ排気孔の開口面積を大きく取ることができる。また、天板の底部と鈍角で接続された立ち上がり部に設けられた排気孔の開口方向は内方かつ上方を向くことになり、被加熱対象物側に排気ガスが流れる。
【0013】
また、請求項2の発明は、コンロバーナが設けられる底部と前記底部から上方に立ち上がる立ち上がり部と前記立ち上がり部の上端から外方に延びたフランジ部とを含む天板と、上面全体が被加熱対象物を載置可能で、かつ、上面周端が前記天板のフランジ部と立ち上がり部との接続部分に近接した五徳と、他のバーナの燃焼により生じた排気ガスを排出する為に前記天板の底部又は立ち上がり部に設けられた排気孔とを備えたガスコンロにおいて、
前記天板のフランジ部には、前記五徳に載置される被加熱対象物を支持可能な突部が形成されているガスコンロである。
このような突部が形成されることで、五徳の載置面積以上に支持可能となる。また、突部によって被加熱対象物が支持された場合であっても、少なくとも突部の高さ分だけは排気のための隙間が確保される。尚、突部には、天板の立ち上がり部とフランジ部との接続部分によって形成されたものも含める。
請求項3の発明は、請求項1または2の五徳と排気孔との間に取付けられる排気ガードが備える。この発明によって、五徳と排気孔との間の空間内であれば、排気ガードの形状が何れの形状であっても良く、形状の自由度が増す。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの五徳が、爪と、爪を繋ぐ枠部と、枠部に形成された切欠部とを含んでいる。そして、排気孔と天板のフランジ部との間の五徳の枠部が、天板の立ち上がり部と隙間を隔てる形状であることを特徴としている。
【0014】
このような枠部によって、排気ガスの一部が枠部に当り、五徳の上に載置された被加熱対象物側に流される。また、排気ガスの一部が五徳の枠部と天板の底部との間の切欠部を通り、五徳の枠部と天板の立ち上がり部との隙間を通って外部へ排気される。
【0016】
【発明の効果】
請求項1の発明は、他のバーナにより生じた排気ガスを排出するための排気孔がフランジに形成されない分だけ、載置面積を大きくできて全面五徳として使用できる。また、排気孔が天板の底部または立ち上がり部に設けられたことで、五徳の上に載置される被加熱対象物の底面との距離が確保され、閉塞状態にならず、器具内への逆流が生じないため、器具、ワークトップの異常過熱を防ぐことができ、コンロバーナにまで排気ガスが逆流することが防がれ、コンロバーナの異常消火という問題も解決される。さらに、排気孔の上の五徳に被加熱対象物が載置されている場合には、熱をおびた排気ガスが被加熱対象物に当り、その空間が一種の保温空間となって、被加熱対象物の温度低下を押えることができる。
そして、天板の立ち上がり部に排気孔が形成され、傾斜分だけ開口面積を大きくとることができ、排気ガスの流れに対する抵抗が減らされ、スムーズな排気が行える。さらに、開口方向が内方側を向いているため、熱をおびた排気ガスが被加熱対象物に当り、温度低下を押えることができて保温効果がある。
請求項2の発明は、突部を設けたことで、五徳の載置面積以上に被加熱対象物を支持することができて、より大きな載置面積を確保できる。さらに、突部を設けた分だけ少なくともその高さ分だけ排気の隙間があり、突部によって支持された被加熱対象物が排気ガスの排気を妨げることがなく、排気が可能である。
特に、突部の高さが五徳の高さ以上であれば、突部によって支持された被加熱対象物はコンロの内側に向いて傾斜するため確実な支持が行われると共に、排気のための隙間も十分に確保できる。また、突部の高さが五徳の高さと同じ場合には、突部での支持も五徳と同じ感じで使える。また、突部の高さが五徳の高さより低い場合であっても、所定の高さであれば、被加熱対象物の支持は可能である。さらに、フランジのより外方に突部を形成すれば、突部が五徳の高さより低い場合にも、被加熱対象物の支持がより可能となる。
【0017】
請求項3の発明は、排気ガードが五徳と排気孔との間に取付けられて、その距離内であれば排気ガードが存在したとしても、そしてその形状がいかなる形状であっても、五徳の上面全体によるドロップインコンロ全体のフラット感が保たれる。
請求項4の発明は、五徳の枠部の切欠部によって天板の底部と隙間を隔てると共に、立ち上がり部と隙間を隔てているので、他のバーナにより生じた排気ガスの一部が保温に用いられ、一部が天板の立ち上がり部との隙間を通って排気され、保温と排気の両立が可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の参考例を以下に説明する。
図1は、ドロップインコンロの斜視図であり、図2は、ドロップインコンロの分解斜視図であり、図3は、図1のドロップインコンロのIII−IIIライン端面図であり、図4は、図3の後方要部拡大端面図であり、図5は、図2の天板の要部拡大平面図であり、図6は、図5の天板のVI−VIライン端面図であり、図7は、図2の排気ガードの拡大図であり、図8は、図2の前方五徳の拡大平面図であり、図9は、図2の後方五徳の拡大平面図であり、図10は、図9のX−Xラインから後方五徳を見た図であり、図11は、図9のXI−XIラインから後方五徳を見た図である。
【0021】
図1から図11を参照して、ドロップインコンロについて説明する。ドロップインコンロ101は、コンロ部103と、グリル部105とを含む。コンロ部103は、本体ケース107の上部に配設され、グリル部105は、本体ケース107内に収容される。本体ケース107は、側壁上端から外方に張り出したフランジを有し、フランジにパッキング112が取付けられて、カウンタートップ109に形成された開口111に落とし込まれる。その結果、フランジがカウンタートップ109による開口111の周囲に係合することで、本体ケース107は吊持される。又、本体ケース107には、グリル部105で生じた排気ガスを外部へ導くための排気部108が形成されており、排気ガスが通過する排気通路108aと、開口が外部へ向いた排気口108bとが設けられている。
【0022】
コンロ部103には、火床として、右コンロバーナ113a、左コンロバーナ113b、後方コンロバーナ115が含まれている。そして、本体ケース107の上方開口を覆うように、天板117が取付けられる。天板117は、底部117aと、立ち上がり部117bと、フランジ部117cとを備える。本体ケース107に収容される右コンロバーナ113a,b、後方コンロバーナ115は、天板117の上方に臨むため、天板117の底部117aには、右コンロバーナ113aに対応する孔部119aが形成され、左コンロバーナ113bに対応する孔部119bが形成され、後方コンロバーナ115に対応する孔部121が形成されている。又、底部117aには、孔部121よりも後方に排気口108bに対応した排気孔123aが形成されている。又、排気孔123aの両側には本体ケース107内の熱気を排出するための排気孔123b,cが形成されている。立ち上がり部117bは、底部117aから上方へ向けて立ち上がる部分である。フランジ部117cは、立ち上がり部117bの上端から外方に延びた部分である。
【0023】
天板117の上には汁受け皿125が取付けられる。ここで、汁受け皿125は、鍋等から吹き出した煮汁等のほとんどを受けて、天板117に流れないようにして、掃除を簡単にするためのものである。汁受け皿125にも、右コンロバーナ113aに対応した孔部127aが形成され、左コンロバーナに対応した孔部127bが形成され、後方コンロバーナ115に対応した孔部129が形成されている。そして、右コンロバーナ113aをカバーするカバーリング131aが取付けられ、左コンロバーナをカバーするカバーリング131bが取付けられ、後方コンロバーナ115をカバーするカバーリング133が取付けられる。
【0024】
排気孔123a,b,cをガードすべく排気ガード135が取付けられる。排気ガード135は、枠体153と、脚体155と、格子体157a,bとで構成される。枠体153、脚体155、格子体157a,bはそれぞれ線材であり、線材の端部どうしが溶接接続されて連続的な環状形状となっている。即ち、排気ガード135は、環状形状の線材のみが組み合わされて構成されたものである。
【0025】
そして、最後に、前方五徳137aと後方五徳137bが取付けられる。その結果、排気ガード135は、後方五徳137bと天板117の後方のフランジ部117cとの間に設けられる。前方五徳137aは、右コンロバーナ113a及び左コンロバーナ113bのための五徳であり、後方五徳137bは、後方コンロバーナ115のための五徳である。後方五徳137bは、爪163a〜kと、爪163a〜kを繋ぐ枠部161とを含む。枠部161は、脚部159a〜eによって天板117の上に設けられ、切欠部165a〜dによって、天板117の底部117aと隙間を隔てている。また、枠部161は、天板117の立ち上がり部117bとも隙間Gを隔てている。即ち、天板117に形成された排気孔123aと天板117のフランジ部117cとの間に設けられる枠部161は、天板117の底部117a及び立ち上がり部117bと隙間を隔てている。
【0026】
また、つめ163a〜jのカウンタートップ109側の端部は、それぞれ天板117の立ち上がり部117bとフランジ部117cとの接続部分と近接しており、つめ163a〜kの上面によって形成される面は、略平面状である。即ち、後方五徳137bは、上面全体が五徳として被加熱対象物を載置可能な状態である。このことは、図8に示した前方五徳137aについても同様である。従って、前方五徳137a及び後方五徳137bの爪によって天板117の底部117aの上方全域は覆われて、いわゆる全面五徳となる。
【0027】
次に、グリル部105について説明する。グリル部105は、右コンロバーナ113aと左コンロバーナ左コンロバーナ113bの間の下部に火床として設けられたグリルバーナ138を含む。グリルバーナ138に対向してその下方に金網143が取付けられ、金網143の下側には水受け皿141が取付けられる。支持枠139は、水受け皿141を支持する枠である。これらの金網143等は、ドロップインコンロ101の前面に取付けられた開閉扉145が開閉することで取り出し可能となっている。
【0028】
前面には、開閉扉145の他、操作パネル147が取付けられると共に、吸気孔151a,bが形成されている。操作パネル147には、コックツマミ149a,b,c,dが取付けられ、コンロ部103の火床及びグリル部105の火床がコックツマミ149a,b,c,dによって制御される。例えば、グリルバーナ138のつまみであるコックツマミ149dが操作されると、ガスと空気とが混合して燃焼が行われ、生じた排気ガスは排気部108の排気通路108aを通り排気口108bから排気ガード135を通過して外部に排気される。
【0029】
次に、図4を参照して、天板117のフランジ部117cには排気孔123aが形成されておらず、底部117aに形成されており、その上方にまで後方五徳137bが配設されているため、その分だけ後方五徳137bの載置面積が広がっている。また、排気孔123aが底部117aに形成されたため、排気孔123aと後方五徳137bに載置される鍋等の被加熱対象物の間の距離L2は、十分に確保されている。従って、排気孔123aから排出されるべき排気ガスは、仮に排気孔123aの上方に鍋が置かれても逆流せず、その結果、器具、カウンタートップの異常過熱という問題は生じなくなっている。さらに、逆流しないことから、後方コンロバーナ115の燃焼にも悪影響を及ぼさない。さらに、排気孔123aから排出される排気ガスは一定の温度をおびており、後方五徳137bに鍋87等の被過熱対象物が載置された場合には、鍋87の底面と天板117の立ち上がり部117bとによって、一種の保温空間が形成される。従って、鍋87等の温度低下を押えることができ、保温効果がある。
【0030】
次に、排気孔123aが天板117の底部117aに形成され、五徳の下に排気ガード135が設けられたため、排気ガード135が立体的な形状であっても五徳の上面には影響がないのでドロップインコンロとしてのフラット感は保たれている。即ち、後方五徳137bと天板117の底部117aとの間の隙間内であれば、排気ガード135の形状は許容され、種々の形状のものが使用可能となる。
【0031】
次に、図4及び図10に示した後方五徳137bの枠部161の形状によって、排気孔123aから排気された排気ガスの一部は、切欠部165a等を通り、枠部161と立ち上がり部117bとの隙間Gを通って外部に排気される。排気ガスの他の一部は、枠部161によって内側に流れる。これにより、保温と排気の両立が可能となっている。なお、枠部161の形状は、後方コンロバーナ115からの輻射熱を天板117にまで伝えない効果も有している。
【0032】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図12は、排気孔が天板の立ち上がり部に形成された場合を示した後方要部拡大端面図である。
天板174は、底部174aと、立ち上がり部174bと、フランジ部174cとを含み、立ち上がり部174bの途中に段差部174dが形成されている。そして、立ち上がり部174bの段差部174dより底部174a側に排気孔123aが形成されている。排気孔123aをガードするための排気カバー167が取付けられている。排気カバー167は、排気ガード135と異なり、シート状のカバーである。また、段差部174dに取付けられる枠部171の脚部173を有する後方五徳169が設けられている。脚部173は、枠部171によって他の脚部と繋がっている。
【0033】
このような実施の形態によっても、図3に示した実施の形態と同様の効果が得られると共に、以下のような更なる効果が得られる。まず、天板174の立ち上がり部174bに排気孔123aが形成されたので、その傾斜分だけ開口面積を大きく取ることができ、排気の際の抵抗を押えることができる。従って、自然な排気が行える。また、底部174aと立ち上がり部174bは鈍角で接続されているので、開口方向が内方かつ上方を向いている。従って、排気孔123aから排出された排気ガスは後方五徳169上に載置された被過熱対象物に当る方向に排出されることになり、熱をおびた排気ガスの保温効果を利用できる。
【0034】
図13は、図12に示された実施の形態に対して、五徳と天板の形状を変えた後方要部拡大端面図である。
図13を参照して、天板175は、底部175aと、立ち上がり部175bと、フランジ部175cとを含み、排気孔123aより底部175a側の立ち上がり部175bに段差部175dが形成されている。段差部175dに枠部179が置かれ、後方五徳177は枠部179よりも後方にまでその爪がのびて支持されている。このように、後方五徳177の枠部179と排気孔123aとの位置関係が変わっても、後方五徳177の載置面積は大きく取ることができ、閉塞状態による排気ガスの逆流も防止され、さらに保温空間も形成することができる。また、枠部179は、切欠が形成されていない。このような枠部179によって、後方コンロバーナ115からの輻射熱は枠部179によって遮られ、排気孔123aから排出された排気ガスは、後方コンロバーナ115側に流れず、立ち上がり部175bに沿って外部へ排気される。
【0035】
尚、後方五徳177の載置面積は、図19に示した従来に比べて枠部179よりフランジ部175c側の分だけ大きくなっており、鍋87が通常の五徳の載置面積内に載置されていれば、排気孔123aから排気された排気ガスはスムーズに排気される。ところが、後方五徳177よりもさらに後方に鍋87等が載置された場合には、その鍋87によって排気通路が塞がれるとも考えられるが、鍋が載った位置だけ排気通路が閉ざされているのみで、鍋の載っていない後方五徳177と天板175との間は隙間が開いているため、排気ガスの排気は可能である。逆に、排気ガスが逆流しない程度であれば、保温空間を形成し易いと考えることもできる。
【0036】
図14は、天板のフランジ部に突部を設けた場合の後方要部拡大端面図である。
図14を参照して、図3に示した実施の形態とは、天板を変えている。即ち、天板181は、底部181aと、立ち上がり部181bと、フランジ部181cとを含み、さらに、フランジ部181cにはその上面の周囲に沿った一部に突部183が形成されている。しかも、フランジ部181cと後方五徳137bの高さをほぼ一致させている。突部183が形成されたことで、後方五徳137bよりもさらに後方に被加熱対象物たる鍋87等が置かれた場合であっても、突部183によって支持が可能である。しかも、突部183の高さと後方五徳137bの高さは突部183の方が高いため、鍋87等は内側に向いて傾斜し、カウンタートップ109側に倒れにくい状態で支持されている。さらに、突部183によって鍋が支持されている場合には、鍋の底面とフランジ部181cとの隙間は、突部183の高さ分だけ確保される。従って、排気孔123aから排出される排気ガスはその隙間を通って外部に排出される。
【0037】
尚、図15に示すように突部187を設けてもよい。即ち、底部185aと、立ち上がり部185bと、フランジ部185cとを含む天板185のフランジ部185cに形成された突部187の高さと後方五徳137bの高さとをほぼ一致させてもよい。このようなほぼ一致した高さの突部187によって、鍋87等の被加熱対象物を支持できることはもちろんのこと、使用者は後方五徳137bと突部187とをほぼ同じ感覚で使用することができて、スライドして突部187にまで鍋等を移動させることができる。排気孔123aから排出される排気ガスの排気については、突部187の高さ分だけ確保できることは同様である。
【0038】
また、図16に示すような突部191を設けてもよい。即ち、底部189aと、立ち上がり部189bと、フランジ部189cとを含む天板189のフランジ部189cに形成された突部191の高さは、後方五徳137bより低いものとなっている。このように低い突部191であっても、一定の低さであれば、後方五徳137bに載置されるべき鍋87等の支持可能である。排気については、今までの説明と同様である。
【0039】
さらに、図17に示すような突部193を形成してもよい。図17に示した実施の形態は、図3に示した実施の形態と突部193を除いて全く同じである。突部193は、フランジ部117cのカウンタートップ109側であるより後方側に形成されたものである。このように後方に形成することで、後方五徳137bと突部193によって支持される鍋等の傾斜は、同じ高さの突部がフランジ部の前方に設けられるよりは緩やかになる。このようにフランジ部の後方に突部を設けることで、後方五徳137bより低いフランジ部117cであっても対処がより容易になる。
【0040】
さらに、図18に示すような場合であってもよい。即ち、天板195は、底部195aと、立ち上がり部195bと、フランジ部195cとを含み、立ち上がり部195bとフランジ部195cとの接続部分の一部分を突部197としている。このような接続部分の一部であっても、図14から図17に示した実施の形態と同様の効果は得られる。
【0041】
さらに、接続部分の一部を突部として利用する考え方は、図12に示した実施の形態についても適用でき、また、接続部分の一部の高さが後方五徳177よりも高い場合、同じ場合、低い場合のいずれについても、適用できる。
さらに、接続部分の一部を突部として利用する考え方は、天板の立ち上がり部に排気孔が設けられた場合に限らず、底部に設けられた場合についても適用できる。逆に、天板の立ち上がり部に排気孔が形成された場合に置いて、フランジに単なる突部を形成してもよいことも明らかである。
【0042】
さらに、天板の底部に排気孔が形成されて、図13に示した実施の形態に対応した場合のように五徳の枠部が排気孔とフランジとの間に設けられていない場合についても、本発明が適用できる。
さらに、排気ガードは、従来のいずれのものが適用されてもよい。即ち、プレス加工によって形成されたものや、シート状のものや、線材の端部が突出したままのものであってもよい。また、排気ガードが用いられず、単なるパンチ穴によって天板の排気孔が形成されてもよい。
【0043】
さらに、コンロバーナの数は、一個でも良く、その場合の五徳は、五徳137bだけでよい。
さらに、五徳137aと五徳137bとが一体となった五徳でもよい。
さらに、五徳の枠部に脚部を形成してその間を切欠部としたが、枠部に開口を設けて切欠部としてもよい。
【0044】
さらに、天板のフランジ部の高さが一定で、突部の高さ自体を変えて、五徳の高さよりも、高い場合、同じ場合、低い場合としてもよい。
さらに、突部の数は、一個でも複数でもよい。
さらに、突部は、フランジ部に後から取付けてもよく、天板の形状を突出させてもよい。
【0045】
さらに、天板に形成された排気孔は、グリルによる排気ガスを排気するためのものである必要はなく、他の焼成庫のオーブンのバーナのように他のバーナから排出される排気ガスのためのものであってもよい。
さらに、コンロは、ドロップインコンロに限られず、テーブルコンロのような他のコンロであってもよい。
【0046】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例に係るドロップインコンロの斜視図である。
【図2】 図1のドロップインコンロの分解斜視図である。
【図3】 図1のIII−IIIラインのドロップインコンロの断面図である。
【図4】 図3のドロップインコンロの後方要部拡大端面図である。
【図5】 図2の天板の要部拡大平面図である。
【図6】 図5のVI−VIライン端面図である。
【図7】 図2の排気ガードの拡大図である。
【図8】 図2の前方五徳の拡大平面図である。
【図9】 図2の後方五徳の拡大平面図である。
【図10】 図9のX−Xライン方向から後方五徳を見た図である。
【図11】 図9のXI−XIラインから後方五徳を見た図である。
【図12】 排気孔が天板の立ち上がり部に形成された場合を示したドロップインコンロの要部拡大端面図である。
【図13】 図12に示した五徳の脚部の位置が異なる場合を示した図である。
【図14】 天板のフランジ部に五徳よりも高さの高い突部が形成された場合を示した図である。
【図15】 天板のフランジ部に五徳の高さとほぼ同じ高さの突部が形成された場合を示した図である。
【図16】 天板のフランジ部に五徳の高さよりも低い高さの突部が形成された場合を示した図である。
【図17】 図4の天板のフランジ部の後方に突部が形成された場合を示した図である。
【図18】 図14から図17に示した実施の形態で採用される突部の変形例を示した図である。
【図19】 従来のドロップインコンロの後方要部拡大端面図である。
【符号の説明】
117、174、175、181、185、189、195・・・天板
123a,b,c・・・排気孔
135・・・排気ガード
137b、169、177・・・後方五徳
138・・・グリルバーナ
167・・・排気カバー
183、187、191、193、197・・・突部

Claims (4)

  1. コンロバーナが設けられる底部と前記底部から上方に立ち上がる立ち上がり部と前記立ち上がり部の上端から外方に延びたフランジ部とを含む天板と、上面全体が被加熱対象物を載置可能で、かつ、上面周端が前記天板のフランジ部と立ち上がり部との接続部分に近接した五徳と、他のバーナの燃焼により生じた排気ガスを排出する為に前記天板に設けられた排気孔とを備えたガスコンロにおいて、
    前記天板の底部と立ち上がり部とは鈍角で接続されており、前記排気孔は前記天板の立ち上がり部に設けられてその上方にまで前記五徳が配設されているガスコンロ。
  2. コンロバーナが設けられる底部と前記底部から上方に立ち上がる立ち上がり部と前記立ち上がり部の上端から外方に延びたフランジ部とを含む天板と、上面全体が被加熱対象物を載置可能で、かつ、上面周端が前記天板のフランジ部と立ち上がり部との接続部分に近接した五徳と、他のバーナの燃焼により生じた排気ガスを排出する為に前記天板の底部又は立ち上がり部に設けられた排気孔とを備えたガスコンロにおいて、
    前記天板のフランジ部には、前記五徳に載置される被加熱対象物を支持可能な突部が形成されているガスコンロ。
  3. 前記五徳と前記排気孔との間に取付けられる排気ガードを備えた、請求項1又は2に記載のガスコンロ。
  4. 前記五徳は、爪と、前記爪を繋ぐ枠部と、前記枠部に形成された切欠部とを含み、前記排気孔と前記天板のフランジ部との間の前記五徳の枠部は、前記天板の立ち上がり部と隙間を隔てる形状であることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載のガスコンロ。
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