JP3703407B2 - 握りずし成形器及びこれを用いた握りずしの製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般家庭等で素人が握りずしを作る際に用いられる、すし飯を握りずしの形状に成形するための握りずし成形器及びこれを用いた握りずしの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般家庭等で素人が握りずしを作る際に用いられていた握りずし成形器は、外枠内に下型を嵌め入れ、外枠と下型とで画された凹所に外枠の上縁とすし飯とが平らになる程度まですし飯を盛り入れ、その後外枠に上型を入れて下型と合わさるまで押し下げることにより、すし飯を下型、外枠、及び上型で囲まれた形状に形成するよう構成されていた。
【0003】
このような構造の握りずし成形器として一般的に知られているのは、外枠に下型を嵌め入れた際に外枠と下型とで画される凹所の容積が、外枠内において下型と上型とで形成される容積の約2倍程度に設計されたものである。このため、成形される握りずしは圧縮されすぎて、すし職人が手で握る握りずしとは食感に格段の差が生じていた。
【0004】
この問題を解決するものとして、実公平7−18311号公報及び実公平7−35575号公報には、すし職人が手で握ったものと同じ食感の握りずしを誰でも成形できるように、外枠と下型とで画される凹所の容積が、外枠内において下型と上型とで形成される容積の約2倍よりも小さく設計された握りずし成形器が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に開示されている構造の握りずし成形器であっても、人が型内に盛り入れるすし飯の量が多ければ、やはり成形時に圧縮されすぎて握りずしの食感が異なり風味も損なわれてしまうという問題が生じる。さらに、従来の握りずし成形器は、成形後の握りずしに含まれる空気を考慮した構造ではないため、成形された握りずしには適度な空気が含まれず、時間が経ってしまうと一段と食感が悪くなり風味が損なわれてしまうという問題も考えられる。
【0006】
また、業務用として使用されている握りずし成形器を含め、従来の握りずし成形器は桜やつばきなどの木材により形成されていた。これは、すし飯の型離れ易さを考慮してのことである。また、おにぎりの形状を成形するためのおにぎり成形器には、ポリエチレン等の樹脂組成物により作製されているものもある。しかしながら、すし飯はすし酢に含まれる糖分の影響で普通のご飯よりもべとつきやすい。このため、従来の握りずし成形器やおにぎり成形器に使用されていた木材や樹脂組成物では、やはりすし飯がくっついてしまい、すし飯の型離れがよくなく、後片付けにも手間がかかるという問題があった。この問題を考慮して、予めすし飯にサラダオイル等を添加しておくという方法も考えられるが、サラダオイルを添加することにより風味が低下してしまうため好ましくない。
【0007】
本発明はこれらの問題を解決するために、すし職人が握った握りずしのように適度に空気が含まれた食感の良い握りずしを成形でき、且つすし飯がくっつかず後片付けが簡単な握りずし成形器及びこれを用いた握りずしの製造方法を安価に提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の握りずし成形器は、外枠内に下型と上型とが嵌め合わされ、前記外枠、下型、及び上型で囲まれた形状にすし飯を成形する握りずし成形器において、前記下型は、握りずしの底面を成形する成形台と、前記成形台の上面に設けられた突起部とを備え、前記上型は、前記成形台に対してすし飯を押圧する、前記成形台の形状と対応した形状の押圧部を備え、前記外枠は、前記下型の成形台及び前記上型の押圧部が嵌め合わされる嵌合部を備えており、前記下型の成形台の高さA、前記上型の押圧部の高さB、前記外枠の嵌合部の高さCがA+B>Cの関係を満たし、前記嵌合部に前記成形台及び押圧部が嵌め合わされた状態で前記外枠が前記成形台及び前記押圧部の側面に対して上方にスライド可能な構成であり、さらに、前記下型、上型、及び外枠が、フッ素樹脂を含有する樹脂組成物により形成されていることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、成形後の握りずしの底面には下型の突起部によって窪みが形成され、この窪みにより成形後の握りずしに適度に空気が含まれることになる。このため、成形された握りずしはすし職人が手で握ったものと同じ食感となり、さらに、成形してから時間が経過しても食感が変わらず風味が損なわれない。好ましい突起部の縦の長さは5〜45mmの範囲、特に好ましくは25〜30mm、横の長さは1〜10mmの範囲、特に好ましくは2〜5mmの範囲、高さは3〜20mmの範囲、特に好ましくは8〜12mmの範囲である。
【0010】
さらに、前記下型、上型、及び外枠はフッ素樹脂を含有する樹脂組成物により形成されているのですし飯がくっつかない。従って、従来の握りずし成形器よりもすし飯の型離れがよく、後片付けにも手間がかからない。
【0011】
さらに、下型の成形台の高さA、上型の押圧部の高さB、外枠の嵌合部の高さCがA+B>Cの関係を満たしているので、すし飯を入れずに嵌合部に成形台と押圧部とを嵌め合わせた場合、押圧部が全て嵌合部に収まらず、一部が嵌合部から上方に出ている状態となる。従って、すし飯を入れて嵌合部に成形台と押圧部とを嵌め合わせた場合は、すし飯の分だけ押圧部が押し上げられるので、押圧部のより多くの部分が嵌合部より出ることになる。また、外枠は成形台及び押圧部の側面に対して上方にスライド可能であるため、嵌合部から上方に出ている押圧部の高さ分だけ外枠を上方にスライドさせることができる。
【0012】
この構成によれば、外枠、下型、及び上型に囲まれた空間の形状に成形されたすし飯を取り出す際に、上型の押圧部を押し下げながら外枠を上方にスライドさせて、成形されたすし飯を上型の押圧部により嵌合部から押し出すことができる。これにより、成形されたすし飯を嵌合部内から容易に取り出すことができる。さらに、押し出されたすし飯は下型の成形台に載った状態で取り出されるため、その後に具を載せる作業が行い易い。また、前記A+B>Cであるため、すし飯を入れない場合の外枠、下型、及び上型に囲まれた空間は握りずしの大きさよりも小さい。このため、盛り入れるすし飯の量が少なくても握りずしの形状に成形することができる。前記A+Bは前記Cよりも10〜40mmの範囲長いことが好ましく、特に好ましくは20〜25mmの範囲長いことである。これがスライド長さになる。
【0013】
また、前記樹脂組成物は、フッ素樹脂としてポリテトラフルオロエチレンを2〜15質量%含有するポリプロピレン樹脂組成物であることが好ましい。なお、前記樹脂組成物として特に好ましくは、ポリテトラフルオロエチレンを約7質量%含有するポリプロピレン樹脂組成物である。フッ素樹脂が2質量%未満ではすし飯が付着しやすくなる。また、フッ素樹脂が15質量%を超えると分散性が悪くなり、平滑性が悪くなる。
【0014】
この構成により、フッ素樹脂のみから作製する場合と同様の効果、すなわちすし飯がくっつかないという効果を実現すると共に、フッ素樹脂のみから作製されるものよりも軽量で扱いやすい握りずし成形器を安価に提供することができる。
【0015】
また、前記外枠の側面には、上方へのスライド動作時に手を掛けるためのスライド補助部が設けられていることが好ましい。これにより、外枠をスライドさせることが容易となる。
【0016】
また、本発明の握りずしの製造方法は、上記した本発明の握りずし成形器を用いた握りずしの製造方法であって、下型の成形台を外枠の嵌合部に嵌め合わせ、前記下型と前記外枠とにより画される凹部にすし飯を盛り入れる第1の工程と、上型の押圧部を前記外枠の嵌合部に嵌め合わせる第2の工程と、前記押圧部を押し下げながら、前記外枠を前記成形台及び前記押圧部の側面に対して上方にスライドさせて、成形されたすし飯を前記嵌合部から前記成形台上に押し出す第3の工程とを含むことを特徴とする。
【0017】
この方法によれば、外枠、下型、及び上型に囲まれた空間の形状に成形されたすし飯を取り出す際に、上型の押圧部を押し下げながら外枠を上方にスライドさせるので、上型の押圧部によりすし飯を外枠の嵌合部から押し出すことができる。これにより、成形されたすし飯を嵌合部内から容易に取り出すことができる。さらに、押し出されたすし飯は下型の成形台に載った状態で取り出されるため、そ後に具を載せる作業も行い易い。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図5を参照しながら説明する。
【0019】
本実施の形態の握りずし成形器は、下型、上型、及び外枠により構成されており、外枠内に下型及び上型を嵌め合わせることで握りずしを成形する。図1〜図3には、本実施の形態に係る握りずし成形器を構成する下型、上型、及び外枠がそれぞれ示されている。図1において、(a)は下型の上面図、(b)は下型の正面図、(c)は下型の側面図を示している。図2において、(a)は上型の上面図、(b)は上型の正面図、(c)は上型の側面図を示している。図3において、(a)は外枠の上面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は外枠の側面図を示している。
【0020】
図1に示すように、下型1は、基板部11上にすし飯を握りずしの形状(握りずしの底面部分の形状)に成形するための成形台12が二つ設けられて構成されている。成形台12の上面中央部分には、成形台12の側面12aとほぼ平行に配置された突起部13が設けられている。この突起部13により、成形後の握りずし底面に、握りずしに空気を含ませるための窪みが形成される。このように、握りずしに空気を含ませるための窪みを設けることにより、すし職人が手で握ったような食感の握りずしを誰でも作ることができ、さらに、成形してから時間が経過しても握りずしの食感が変わらず風味は損なわれない。
【0021】
また、成形台12の上面両端部12bは、上面の他の部分よりもやや高く形成されており、すし職人が手で握った形状により近い形状を再現できるようになっている。さらに、上面には、中央部分から一方側の側面(本実施の形態においては図中左側の側面12a)に向かって低くなる緩い傾斜部12cが形成されている。
【0022】
なお、本実施の形態においては、成形台12の長さd1を56mm及び幅d2を25mmとし、一般的な握りずしと同じ大きさに成形できるように設計した。さらに、成形台12の基板部11からの高さd3を10mmとし、上面両端部12bの基板部11からの高さd4(請求項における成形台の高さAに相当する。)を15mmとした。また、突起部13は、長さ(請求項における縦の長さに相当する。)d5を25mm、幅(請求項における横の長さに相当する。)d6を5mm、高さd7を8mmとした。
【0023】
一方、図2に示す上型2は、握りずし成形時に下型1の成形台12に対してすし飯を押圧する押圧部22が基板部21上に設けられて構成されている。押圧部22は下型1の成形台12に対応した形状となっている。さらに、押圧部22に押えしろを設けるために、その上面22aを滑らかな凹状に形成しており、押え方向の高さは、中央部分よりも縁部分の方が高くなっている。このような押えしろを設けることで、盛り入れるすし飯の量が少ない場合であっても適度な締まり具合の握りずしを成形することができる。
【0024】
なお、本実施の形態における押圧部22の基板部21からの高さは、最も高い縁部分までの高さd8(請求項における押圧部の高さBに相当する。)が45mm、最も低い中央部分までの高さd9が35mmに設定されている。また、押圧部22の長さ及び幅は、成形台12と同様にd1及びd2に設定されている。
【0025】
また、図3に示すように、外枠3には、下型1の成形台12及び上型2の押圧部22を嵌め入れる嵌合部31として貫通穴が設けられている。さらに、外枠3の上端部の縁32は、他の部分よりもひとまわり(ここでは約5mm)大きく形成されている。この縁32は、スライド動作(後述する)の時に手を掛けるスライド補助部として利用することができる。なお、スライド補助部は縁32に限定されず、外枠3の側面に設けられてスライド時に手を掛けて外枠3を上方にスライドできるものであれば、他の構成でも構わない。また、嵌合部31は成形台12及び押圧部22の形状に対応させて形成されるため、長さがd1で幅がd2となっている。また、高さd10(請求項における嵌合部の高さCに相当する。)は、図4に示すように、すし飯を盛り入れない状態で成形台12と押圧部22とを外枠3の嵌合部31内に嵌め合わせた際に、
d4(A)+d8(B)>d10(C) …(1)
の関係を満たすように設定される。なお、本実施の形態においては、d10(C)が40mmに設定されており、d4(A)+d8(B)=60mmであるため、上記の関係式(1)が満たされている。
【0026】
さらに、外枠3は、図4に示した状態において、成形台12および押圧部22の側面に対して上方にスライド可能な構成となっている。従って、外枠3は、嵌合部31から上方に出ている押圧部22の高さd11の分だけ上方にスライドすることができる。本実施の形態ではd11が20mmであり、これがスライド長さとなる。なお、図4は、すし飯を入れずに外枠3に下型1と上型2とを嵌め合わせた状態を示しているため、下型1、上型2、及び外枠3で囲まれて形成されるキャビティ4の高さが通常の握りずしより小さくなっているが、実際にすし飯を盛り入れると押圧部22がすし飯の分だけ押し上げられてキャビティ4の高さが大きくなるため、何ら問題はない。
【0027】
さらに、下型1、上型2、及び外枠3は、ポリプロピレン(PP:Polypropylene)にフッ素樹脂であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE:Polytetrafluoro ethylene)を7質量%添加した材料を用いて、射出成形により形成されている。すし飯は、すし酢の糖分がご飯粒の表面を覆っているため、普通のご飯よりもべとつきやすい。このため、従来の握りずし成形器に用いられていた材料(桜やつばき等の木材や、ポリエチレン等の樹脂組成物)では、すし飯が握りずし成形器にくっついてしまい、成形後の握りずしの型離れが良くなく、さらに後片付けにも手間がかかっていた。これに対し、本実施の形態の握りずし成形器のようにPPにPTFEを7質量%添加した樹脂組成物を用いると、すし飯が握りずし成形器にくっつかないので、成形後の握りずしが型離れし易く、且つ後片付けも水洗いだけで済ませることができ簡単である。なお、型離れの良さや後片付けの簡単さのみを考慮してPTFEのみで握りずし成形器を作製することも考えられるが、この場合はコストが高くなってしまう。さらに、PTFEの比重は2.2であるため、PTFEのみで作製された握りずし成形器は重くて扱いにくい。これに対し、本実施の形態において用いられるPPにPTFEを7質量%添加した材料の場合、コストが低く、且つ比重は約1.0であるため、安価で扱い易い握りずし成形器を作製することができる。
【0028】
次に、図5を参照しながら、本実施の形態に係る握りずし成形器により握りずしを成形する手順について説明する。
【0029】
まず、図5(a)に示すように、下型1の成形台12を外枠3の嵌合部31に嵌め合わせて、下型1と外枠3とにより画される凹部に、すし飯5を外枠3の上縁の高さまで盛り入れる。
【0030】
次に、図5(b)に示すように、上型2の押圧部22を外枠3の嵌合部31に嵌め入れてすし飯5を押圧し、すし飯5を下型1と上型2と外枠3とで囲まれる形状に成形する。
【0031】
その後、図5(c)に示すように、上型2の基板部21の裏面(押圧部22が設けられていない側の面)を押し下げて押圧部22ですし飯5を押圧しながら、縁32を持ち上げて外枠3を成形台12及び押圧部22の側面に対して上方にスライドさせる。すなわち、上型2の押圧部22にて、握りずしの形状に成形されたすし飯5を外枠3の嵌合部31内から押し出す。押し出されたすし飯5は、図5(d)に示すように、握りずし6として、成形台12上に載った状態で取り出される。その後、握りずし6に魚介類等の具を載せる。握りずし6に具を載せる作業は、成形台12上で行うこともできる。
【0032】
以上に説明したように、本実施の形態の握りずし成形器は、下型1の成形台12に突起部13が設けられ、且つPPにPTFEを7質量%添加した材料にて作製されることにより、すし職人が手で握った握りずしのように適度に空気が含まれた食感の良い握りずしを成形でき、且つすし飯がくっつかず後片付けも簡単である。さらに、握りずしの形状に成形されたすし飯5を取り出す際、上型2を押し下げながら外枠3を上方にスライドさせることにより、成形されたすし飯5を押圧部22により嵌合部31内から押し出す構成となっている。これにより、成形されたすし飯5が嵌合部31内にとどまって取り出せないという問題が生じることなく、握りずし6として取り出すことができる。
【0033】
なお、本実施の形態の握りずし成形器は一度の作業で二つの握りずしが成形できる構成としたが、成形台12、押圧部22、及び嵌合部31の数は任意であるため、一度の作業で成形される握りずしの数は二つに限定されない。
【0034】
また、下型1は、上に握りずしを置いたまま食べる人の前に出すことも可能である。これにより、わざわざ握りずしを皿に移す手間を省くことができる。
【0035】
また、上型2を、基板部21の裏面にしゃもじが収納できるような構成とすることもできる。このとき、しゃもじが本握りずし成形器と同様の樹脂組成物からなるものであれば、より好ましい。
【0036】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の握りずし成形器及びこれを用いた握りずしの製造方法によれば、すし職人が手で握った握りずしのように適度に空気が含まれた食感の良い握りずしを容易に成形でき、さらに、すし飯がくっつかないので後片付けも簡単に済ませることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の握りずし成形器を構成する下型の形状を示す図であり、(a)は下型の上面図、(b)は下型の正面図、(c)は下型の側面図である。
【図2】 本発明の一実施形態の握りずし成形器を構成する上型の形状を示す図であり、(a)は上型の上面図、(b)は上型の正面図、(c)は上型の側面図である。
【図3】 本発明の一実施形態の握りずし成形器を構成する外枠の形状を示す図であり、(a)は外枠の上面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は外枠の側面図である。
【図4】 本発明の一実施形態の外枠に下型及び上型を嵌め合わせた状態を示す断面図である。
【図5】 (a)〜(d)は、本発明の一実施形態の握りずしの製造方法の工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 下型
2 上型
3 外枠
4 キャビティ
5 すし飯
6 握りずし
12 成形台
13 突起部
22 押圧部
31 嵌合部
32 縁(スライド補助部)
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般家庭等で素人が握りずしを作る際に用いられる、すし飯を握りずしの形状に成形するための握りずし成形器及びこれを用いた握りずしの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般家庭等で素人が握りずしを作る際に用いられていた握りずし成形器は、外枠内に下型を嵌め入れ、外枠と下型とで画された凹所に外枠の上縁とすし飯とが平らになる程度まですし飯を盛り入れ、その後外枠に上型を入れて下型と合わさるまで押し下げることにより、すし飯を下型、外枠、及び上型で囲まれた形状に形成するよう構成されていた。
【0003】
このような構造の握りずし成形器として一般的に知られているのは、外枠に下型を嵌め入れた際に外枠と下型とで画される凹所の容積が、外枠内において下型と上型とで形成される容積の約2倍程度に設計されたものである。このため、成形される握りずしは圧縮されすぎて、すし職人が手で握る握りずしとは食感に格段の差が生じていた。
【0004】
この問題を解決するものとして、実公平7−18311号公報及び実公平7−35575号公報には、すし職人が手で握ったものと同じ食感の握りずしを誰でも成形できるように、外枠と下型とで画される凹所の容積が、外枠内において下型と上型とで形成される容積の約2倍よりも小さく設計された握りずし成形器が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に開示されている構造の握りずし成形器であっても、人が型内に盛り入れるすし飯の量が多ければ、やはり成形時に圧縮されすぎて握りずしの食感が異なり風味も損なわれてしまうという問題が生じる。さらに、従来の握りずし成形器は、成形後の握りずしに含まれる空気を考慮した構造ではないため、成形された握りずしには適度な空気が含まれず、時間が経ってしまうと一段と食感が悪くなり風味が損なわれてしまうという問題も考えられる。
【0006】
また、業務用として使用されている握りずし成形器を含め、従来の握りずし成形器は桜やつばきなどの木材により形成されていた。これは、すし飯の型離れ易さを考慮してのことである。また、おにぎりの形状を成形するためのおにぎり成形器には、ポリエチレン等の樹脂組成物により作製されているものもある。しかしながら、すし飯はすし酢に含まれる糖分の影響で普通のご飯よりもべとつきやすい。このため、従来の握りずし成形器やおにぎり成形器に使用されていた木材や樹脂組成物では、やはりすし飯がくっついてしまい、すし飯の型離れがよくなく、後片付けにも手間がかかるという問題があった。この問題を考慮して、予めすし飯にサラダオイル等を添加しておくという方法も考えられるが、サラダオイルを添加することにより風味が低下してしまうため好ましくない。
【0007】
本発明はこれらの問題を解決するために、すし職人が握った握りずしのように適度に空気が含まれた食感の良い握りずしを成形でき、且つすし飯がくっつかず後片付けが簡単な握りずし成形器及びこれを用いた握りずしの製造方法を安価に提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の握りずし成形器は、外枠内に下型と上型とが嵌め合わされ、前記外枠、下型、及び上型で囲まれた形状にすし飯を成形する握りずし成形器において、前記下型は、握りずしの底面を成形する成形台と、前記成形台の上面に設けられた突起部とを備え、前記上型は、前記成形台に対してすし飯を押圧する、前記成形台の形状と対応した形状の押圧部を備え、前記外枠は、前記下型の成形台及び前記上型の押圧部が嵌め合わされる嵌合部を備えており、前記下型の成形台の高さA、前記上型の押圧部の高さB、前記外枠の嵌合部の高さCがA+B>Cの関係を満たし、前記嵌合部に前記成形台及び押圧部が嵌め合わされた状態で前記外枠が前記成形台及び前記押圧部の側面に対して上方にスライド可能な構成であり、さらに、前記下型、上型、及び外枠が、フッ素樹脂を含有する樹脂組成物により形成されていることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、成形後の握りずしの底面には下型の突起部によって窪みが形成され、この窪みにより成形後の握りずしに適度に空気が含まれることになる。このため、成形された握りずしはすし職人が手で握ったものと同じ食感となり、さらに、成形してから時間が経過しても食感が変わらず風味が損なわれない。好ましい突起部の縦の長さは5〜45mmの範囲、特に好ましくは25〜30mm、横の長さは1〜10mmの範囲、特に好ましくは2〜5mmの範囲、高さは3〜20mmの範囲、特に好ましくは8〜12mmの範囲である。
【0010】
さらに、前記下型、上型、及び外枠はフッ素樹脂を含有する樹脂組成物により形成されているのですし飯がくっつかない。従って、従来の握りずし成形器よりもすし飯の型離れがよく、後片付けにも手間がかからない。
【0011】
さらに、下型の成形台の高さA、上型の押圧部の高さB、外枠の嵌合部の高さCがA+B>Cの関係を満たしているので、すし飯を入れずに嵌合部に成形台と押圧部とを嵌め合わせた場合、押圧部が全て嵌合部に収まらず、一部が嵌合部から上方に出ている状態となる。従って、すし飯を入れて嵌合部に成形台と押圧部とを嵌め合わせた場合は、すし飯の分だけ押圧部が押し上げられるので、押圧部のより多くの部分が嵌合部より出ることになる。また、外枠は成形台及び押圧部の側面に対して上方にスライド可能であるため、嵌合部から上方に出ている押圧部の高さ分だけ外枠を上方にスライドさせることができる。
【0012】
この構成によれば、外枠、下型、及び上型に囲まれた空間の形状に成形されたすし飯を取り出す際に、上型の押圧部を押し下げながら外枠を上方にスライドさせて、成形されたすし飯を上型の押圧部により嵌合部から押し出すことができる。これにより、成形されたすし飯を嵌合部内から容易に取り出すことができる。さらに、押し出されたすし飯は下型の成形台に載った状態で取り出されるため、その後に具を載せる作業が行い易い。また、前記A+B>Cであるため、すし飯を入れない場合の外枠、下型、及び上型に囲まれた空間は握りずしの大きさよりも小さい。このため、盛り入れるすし飯の量が少なくても握りずしの形状に成形することができる。前記A+Bは前記Cよりも10〜40mmの範囲長いことが好ましく、特に好ましくは20〜25mmの範囲長いことである。これがスライド長さになる。
【0013】
また、前記樹脂組成物は、フッ素樹脂としてポリテトラフルオロエチレンを2〜15質量%含有するポリプロピレン樹脂組成物であることが好ましい。なお、前記樹脂組成物として特に好ましくは、ポリテトラフルオロエチレンを約7質量%含有するポリプロピレン樹脂組成物である。フッ素樹脂が2質量%未満ではすし飯が付着しやすくなる。また、フッ素樹脂が15質量%を超えると分散性が悪くなり、平滑性が悪くなる。
【0014】
この構成により、フッ素樹脂のみから作製する場合と同様の効果、すなわちすし飯がくっつかないという効果を実現すると共に、フッ素樹脂のみから作製されるものよりも軽量で扱いやすい握りずし成形器を安価に提供することができる。
【0015】
また、前記外枠の側面には、上方へのスライド動作時に手を掛けるためのスライド補助部が設けられていることが好ましい。これにより、外枠をスライドさせることが容易となる。
【0016】
また、本発明の握りずしの製造方法は、上記した本発明の握りずし成形器を用いた握りずしの製造方法であって、下型の成形台を外枠の嵌合部に嵌め合わせ、前記下型と前記外枠とにより画される凹部にすし飯を盛り入れる第1の工程と、上型の押圧部を前記外枠の嵌合部に嵌め合わせる第2の工程と、前記押圧部を押し下げながら、前記外枠を前記成形台及び前記押圧部の側面に対して上方にスライドさせて、成形されたすし飯を前記嵌合部から前記成形台上に押し出す第3の工程とを含むことを特徴とする。
【0017】
この方法によれば、外枠、下型、及び上型に囲まれた空間の形状に成形されたすし飯を取り出す際に、上型の押圧部を押し下げながら外枠を上方にスライドさせるので、上型の押圧部によりすし飯を外枠の嵌合部から押し出すことができる。これにより、成形されたすし飯を嵌合部内から容易に取り出すことができる。さらに、押し出されたすし飯は下型の成形台に載った状態で取り出されるため、そ後に具を載せる作業も行い易い。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図5を参照しながら説明する。
【0019】
本実施の形態の握りずし成形器は、下型、上型、及び外枠により構成されており、外枠内に下型及び上型を嵌め合わせることで握りずしを成形する。図1〜図3には、本実施の形態に係る握りずし成形器を構成する下型、上型、及び外枠がそれぞれ示されている。図1において、(a)は下型の上面図、(b)は下型の正面図、(c)は下型の側面図を示している。図2において、(a)は上型の上面図、(b)は上型の正面図、(c)は上型の側面図を示している。図3において、(a)は外枠の上面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は外枠の側面図を示している。
【0020】
図1に示すように、下型1は、基板部11上にすし飯を握りずしの形状(握りずしの底面部分の形状)に成形するための成形台12が二つ設けられて構成されている。成形台12の上面中央部分には、成形台12の側面12aとほぼ平行に配置された突起部13が設けられている。この突起部13により、成形後の握りずし底面に、握りずしに空気を含ませるための窪みが形成される。このように、握りずしに空気を含ませるための窪みを設けることにより、すし職人が手で握ったような食感の握りずしを誰でも作ることができ、さらに、成形してから時間が経過しても握りずしの食感が変わらず風味は損なわれない。
【0021】
また、成形台12の上面両端部12bは、上面の他の部分よりもやや高く形成されており、すし職人が手で握った形状により近い形状を再現できるようになっている。さらに、上面には、中央部分から一方側の側面(本実施の形態においては図中左側の側面12a)に向かって低くなる緩い傾斜部12cが形成されている。
【0022】
なお、本実施の形態においては、成形台12の長さd1を56mm及び幅d2を25mmとし、一般的な握りずしと同じ大きさに成形できるように設計した。さらに、成形台12の基板部11からの高さd3を10mmとし、上面両端部12bの基板部11からの高さd4(請求項における成形台の高さAに相当する。)を15mmとした。また、突起部13は、長さ(請求項における縦の長さに相当する。)d5を25mm、幅(請求項における横の長さに相当する。)d6を5mm、高さd7を8mmとした。
【0023】
一方、図2に示す上型2は、握りずし成形時に下型1の成形台12に対してすし飯を押圧する押圧部22が基板部21上に設けられて構成されている。押圧部22は下型1の成形台12に対応した形状となっている。さらに、押圧部22に押えしろを設けるために、その上面22aを滑らかな凹状に形成しており、押え方向の高さは、中央部分よりも縁部分の方が高くなっている。このような押えしろを設けることで、盛り入れるすし飯の量が少ない場合であっても適度な締まり具合の握りずしを成形することができる。
【0024】
なお、本実施の形態における押圧部22の基板部21からの高さは、最も高い縁部分までの高さd8(請求項における押圧部の高さBに相当する。)が45mm、最も低い中央部分までの高さd9が35mmに設定されている。また、押圧部22の長さ及び幅は、成形台12と同様にd1及びd2に設定されている。
【0025】
また、図3に示すように、外枠3には、下型1の成形台12及び上型2の押圧部22を嵌め入れる嵌合部31として貫通穴が設けられている。さらに、外枠3の上端部の縁32は、他の部分よりもひとまわり(ここでは約5mm)大きく形成されている。この縁32は、スライド動作(後述する)の時に手を掛けるスライド補助部として利用することができる。なお、スライド補助部は縁32に限定されず、外枠3の側面に設けられてスライド時に手を掛けて外枠3を上方にスライドできるものであれば、他の構成でも構わない。また、嵌合部31は成形台12及び押圧部22の形状に対応させて形成されるため、長さがd1で幅がd2となっている。また、高さd10(請求項における嵌合部の高さCに相当する。)は、図4に示すように、すし飯を盛り入れない状態で成形台12と押圧部22とを外枠3の嵌合部31内に嵌め合わせた際に、
d4(A)+d8(B)>d10(C) …(1)
の関係を満たすように設定される。なお、本実施の形態においては、d10(C)が40mmに設定されており、d4(A)+d8(B)=60mmであるため、上記の関係式(1)が満たされている。
【0026】
さらに、外枠3は、図4に示した状態において、成形台12および押圧部22の側面に対して上方にスライド可能な構成となっている。従って、外枠3は、嵌合部31から上方に出ている押圧部22の高さd11の分だけ上方にスライドすることができる。本実施の形態ではd11が20mmであり、これがスライド長さとなる。なお、図4は、すし飯を入れずに外枠3に下型1と上型2とを嵌め合わせた状態を示しているため、下型1、上型2、及び外枠3で囲まれて形成されるキャビティ4の高さが通常の握りずしより小さくなっているが、実際にすし飯を盛り入れると押圧部22がすし飯の分だけ押し上げられてキャビティ4の高さが大きくなるため、何ら問題はない。
【0027】
さらに、下型1、上型2、及び外枠3は、ポリプロピレン(PP:Polypropylene)にフッ素樹脂であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE:Polytetrafluoro ethylene)を7質量%添加した材料を用いて、射出成形により形成されている。すし飯は、すし酢の糖分がご飯粒の表面を覆っているため、普通のご飯よりもべとつきやすい。このため、従来の握りずし成形器に用いられていた材料(桜やつばき等の木材や、ポリエチレン等の樹脂組成物)では、すし飯が握りずし成形器にくっついてしまい、成形後の握りずしの型離れが良くなく、さらに後片付けにも手間がかかっていた。これに対し、本実施の形態の握りずし成形器のようにPPにPTFEを7質量%添加した樹脂組成物を用いると、すし飯が握りずし成形器にくっつかないので、成形後の握りずしが型離れし易く、且つ後片付けも水洗いだけで済ませることができ簡単である。なお、型離れの良さや後片付けの簡単さのみを考慮してPTFEのみで握りずし成形器を作製することも考えられるが、この場合はコストが高くなってしまう。さらに、PTFEの比重は2.2であるため、PTFEのみで作製された握りずし成形器は重くて扱いにくい。これに対し、本実施の形態において用いられるPPにPTFEを7質量%添加した材料の場合、コストが低く、且つ比重は約1.0であるため、安価で扱い易い握りずし成形器を作製することができる。
【0028】
次に、図5を参照しながら、本実施の形態に係る握りずし成形器により握りずしを成形する手順について説明する。
【0029】
まず、図5(a)に示すように、下型1の成形台12を外枠3の嵌合部31に嵌め合わせて、下型1と外枠3とにより画される凹部に、すし飯5を外枠3の上縁の高さまで盛り入れる。
【0030】
次に、図5(b)に示すように、上型2の押圧部22を外枠3の嵌合部31に嵌め入れてすし飯5を押圧し、すし飯5を下型1と上型2と外枠3とで囲まれる形状に成形する。
【0031】
その後、図5(c)に示すように、上型2の基板部21の裏面(押圧部22が設けられていない側の面)を押し下げて押圧部22ですし飯5を押圧しながら、縁32を持ち上げて外枠3を成形台12及び押圧部22の側面に対して上方にスライドさせる。すなわち、上型2の押圧部22にて、握りずしの形状に成形されたすし飯5を外枠3の嵌合部31内から押し出す。押し出されたすし飯5は、図5(d)に示すように、握りずし6として、成形台12上に載った状態で取り出される。その後、握りずし6に魚介類等の具を載せる。握りずし6に具を載せる作業は、成形台12上で行うこともできる。
【0032】
以上に説明したように、本実施の形態の握りずし成形器は、下型1の成形台12に突起部13が設けられ、且つPPにPTFEを7質量%添加した材料にて作製されることにより、すし職人が手で握った握りずしのように適度に空気が含まれた食感の良い握りずしを成形でき、且つすし飯がくっつかず後片付けも簡単である。さらに、握りずしの形状に成形されたすし飯5を取り出す際、上型2を押し下げながら外枠3を上方にスライドさせることにより、成形されたすし飯5を押圧部22により嵌合部31内から押し出す構成となっている。これにより、成形されたすし飯5が嵌合部31内にとどまって取り出せないという問題が生じることなく、握りずし6として取り出すことができる。
【0033】
なお、本実施の形態の握りずし成形器は一度の作業で二つの握りずしが成形できる構成としたが、成形台12、押圧部22、及び嵌合部31の数は任意であるため、一度の作業で成形される握りずしの数は二つに限定されない。
【0034】
また、下型1は、上に握りずしを置いたまま食べる人の前に出すことも可能である。これにより、わざわざ握りずしを皿に移す手間を省くことができる。
【0035】
また、上型2を、基板部21の裏面にしゃもじが収納できるような構成とすることもできる。このとき、しゃもじが本握りずし成形器と同様の樹脂組成物からなるものであれば、より好ましい。
【0036】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の握りずし成形器及びこれを用いた握りずしの製造方法によれば、すし職人が手で握った握りずしのように適度に空気が含まれた食感の良い握りずしを容易に成形でき、さらに、すし飯がくっつかないので後片付けも簡単に済ませることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の握りずし成形器を構成する下型の形状を示す図であり、(a)は下型の上面図、(b)は下型の正面図、(c)は下型の側面図である。
【図2】 本発明の一実施形態の握りずし成形器を構成する上型の形状を示す図であり、(a)は上型の上面図、(b)は上型の正面図、(c)は上型の側面図である。
【図3】 本発明の一実施形態の握りずし成形器を構成する外枠の形状を示す図であり、(a)は外枠の上面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は外枠の側面図である。
【図4】 本発明の一実施形態の外枠に下型及び上型を嵌め合わせた状態を示す断面図である。
【図5】 (a)〜(d)は、本発明の一実施形態の握りずしの製造方法の工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 下型
2 上型
3 外枠
4 キャビティ
5 すし飯
6 握りずし
12 成形台
13 突起部
22 押圧部
31 嵌合部
32 縁(スライド補助部)
Claims (6)
- 外枠内に下型と上型とが嵌め合わされ、前記外枠、下型、及び上型で囲まれた形状にすし飯を成形する握りずし成形器において、
前記下型は、握りずしの底面を成形する成形台と、前記成形台の上面に設けられた突起部とを備え、
前記上型は、前記成形台に対してすし飯を押圧する、前記成形台の形状と対応した形状の押圧部を備え、
前記外枠は、前記下型の成形台及び前記上型の押圧部が嵌め合わされる嵌合部を備えており、
前記下型の成形台の高さA、前記上型の押圧部の高さB、前記外枠の嵌合部の高さCがA+B>Cの関係を満たし、前記嵌合部に前記成形台及び押圧部が嵌め合わされた状態で前記外枠が前記成形台及び前記押圧部の側面に対して上方にスライド可能な構成であり、
さらに、前記下型、上型、及び外枠が、フッ素樹脂を含有する樹脂組成物により形成されていることを特徴とする握りずし成形器。 - 前記突起部の縦の長さは5〜45mmであり、横の長さは1〜10mmであり、高さは3〜20mmであることを特徴とする請求項1に記載の握りずし成形器。
- 前記A+Bは前記Cよりも10〜40mm長いことを特徴とする請求項1に記載の握りずし成形器。
- 前記樹脂組成物が、フッ素樹脂としてポリテトラフルオロエチレンを2〜15質量%含有するポリプロピレン樹脂組成物であることを特徴とする請求項1に記載の握りずし成形器。
- 前記外枠の側面には、上方へのスライド動作時に手を掛けるためのスライド補助部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の握りずし成形器。
- 請求項1〜5の何れか一項に記載された握りずし成形器を用いた握りずしの製造方法であって、
下型の成形台を外枠の嵌合部に嵌め合わせ、前記下型と前記外枠とにより画される凹部にすし飯を盛り入れる第1の工程と、
上型の押圧部を前記外枠の嵌合部に嵌め合わせてすし飯を押圧する第2の工程と、
前記押圧部を押し下げながら、前記外枠を前記成形台及び前記押圧部の側面に対して上方にスライドさせて、成形されたすし飯を前記嵌合部から前記成形台上に押し出す第3の工程とを含むことを特徴とする握りずしの製造方法。
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