JP3702833B2 - ダイカスト装置およびダイカスト装置の金型搬送方法 - Google Patents

ダイカスト装置およびダイカスト装置の金型搬送方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ダイカスト装置において、鋳造に用いる金型を鋳造領域と金型保管領域との間で搬送する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平6−190526号公報には、金型を用いて鋳造を行う一般的なダイカスト装置が記載されている。このダイカスト装置は、ダイカスト本体と金型開閉装置との間を移動する二組の金型を用いて連続的な鋳造を行うように構成されている。金型は専用の金型台車に乗せられてダイカスト本体まで搬送された後でダイカスト本体で型締めされ、溶湯の射出が行われる。その後、金型は再び金型台車に乗せられて金型開閉装置まで搬送された後で、その金型開閉装置によって型開きされて鋳造品が取り出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のようなダイカスト装置において、例えば金型交換時や金型保管時に金型を、鋳造や製品取り出しを行う鋳造領域から鋳造領域外へ搬出し、所定の保管庫まで搬送することがある。この場合において、鋳造領域の金型搬送経路における製品取出位置から更に延長した方向に金型の段取り替え位置を設定し、それに連続した形態で保管庫までの金型の搬送経路を形成するといったことが考えられる。
しかしながら、上述したような形態で鋳造領域と金型保管領域とを搬送経路で接続した場合、鋳造領域の搬送経路が実質的に延長されてしまい、ダイカスト装置が大型化し、占有スペースが増大することになる。
【0004】
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数組の金型を交互に入れ替えて鋳造を行うダイカスト装置において、鋳造領域における金型の搬送経路を拡大することなく、金型の段取り替えを効果的に行い得る金型の搬送技術を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本発明に係るダイカスト装置及びダイカスト装置の金型搬送方法は、特許請求の範囲の各請求項に記載の通りの構成を備えた。
請求項1に記載されたダイカスト装置では、複数組の金型をダイカスト本体に交互に搬入させて鋳造を行い、鋳造後の金型を前記ダイカスト本体から搬出して製品の取り出しを行う鋳造領域と、金型を保管する金型保管領域とを備えるとともに、その鋳造領域と金型保管領域との間で金型の搬送を行う。また、ダイカスト装置は、ダイカスト本体に対応する鋳造位置と搬出位置との間に形成される共通経路と、その共通経路の搬出位置から分岐する二つの分岐経路とを有し、各分岐経路に配置された計二組の金型が、共通経路を通って前記ダイカスト本体に交互に搬入出される構成とされ、鋳造領域内で金型の搬送を行う第1の搬送経路と、鋳造領域と金型保管領域との間で金型の搬送を行う第2の搬送経路とを有する。更に、第1の搬送経路の各分岐経路には金型の段取り替えを行う段取り替え位置が設定されており、その段取り替え位置に第2の搬送経路が接続されている。
上記のように構成されたダイカスト装置によれば、通常の鋳造作業時には、複数組の金型を第1の搬送経路に沿って搬送させることで、ダイカスト本体に交互に入れ替え、一方の組の金型に溶湯を射出しているときに、他方の組の金型を型開きし、製品の取り出しを行う。金型の段取り替え時には、第1の搬送経路に設定された段取り替え位置において、金型は第2の搬送経路を通じて鋳造領域と金型保管領域との間を搬送され、いわゆる段取り替えが行われる。なお、金型保管領域では金型の保管あるいは補修等を行う。
請求項1に記載の発明では、金型の段取り替え位置を通常の鋳造作業時に用いられる金型の搬送経路内に設定している。このため、鋳造作業に用いられる搬送経路が拡大されないことになり、これにより、ダイカスト装置の省スペース化およびコストの低減が可能となる。
更に、第1の搬送経路につき、一部を共通経路とすることで、第1の搬送経路の設置スペースを縮小することができる。また、各分岐経路に段取り替え位置を設定することにより、各々の金型の段取り替えを単独で行うことができるとともに、一方の金型による鋳造作業を継続した状態で他方の金型の段取り替えを行うことができ、ダイカスト装置の生産性を向上できる。
【0006】
この場合、請求項2に記載したように、第1の搬送経路と第2の搬送経路との接続部において、第2の搬送経路による金型の搬送方向は、第1の搬送経路による金型の搬送方向に対して交差している構成を採用することができる。
【0008】
請求項3に記載のダイカスト装置では、分岐経路における金型の搬送は、該分岐経路に沿って移動する型開装置によって搬出位置と製品取出位置との間で行われ、その型開装置は、金型に対して係合または離脱する型保持機構を備えている。型開装置は、搬出位置において型保持機構を介して金型と係合または離脱することで、ダイカスト本体から共通経路を経て搬出された金型を分岐経路上へ搬入し、あるいは分岐経路から共通経路への搬入を許容する。これにより、共通経路と分岐経路間での金型の搬送を円滑に行うことができる。
【0009】
請求項4に記載のダイカスト装置では、型保持機構は、金型に対して搬出位置で係合または離脱する第1の型保持手段と、金型に対して搬出位置と段取り替え位置とでそれぞれ係合または離脱可能な第2の型保持手段とを備えている。そして、第1の型保持手段と第2の型保持手段とは、金型に対して選択的に適用可能に構成されている。したがって、通常の鋳造作業時には、搬出位置において第1の型保持手段を用いて金型に対する係合または離脱が行われる。一方、金型の段取り替え時には、搬出位置と段取り替え位置とにおいて第2の型保持手段を用いて金型に対する係合または離脱が行われる。これにより、鋳造領域の搬送経路内で金型の段取り替えを行うことができる。
【0010】
請求項5に記載のダイカスト装置では、第1の型保持手段は、共通経路に沿う方向に向かう第1の開口と、その第1の開口に挿入されることで係合される第1の係合片とで構成され、また、第2の型保持手段は、共通経路に沿う方向に向かう第2の開口と、その第2の開口に挿入される第2の係合片とで構成されるとともに、第2の開口に第2の係合片が挿入された状態でその向きを相対的に変えることで係合または係合が解除される構成とされている。したがって、請求項5に記載の発明によれば、簡単な構造の型保持機構が提供される。
【0011】
この場合において、請求項6に記載したように、第2の係合片を第2の開口内面に押し付ける手段が設けられ、その押し付けによって第1の係合片が第1の開口内面に押し付けられる構成とすることが好ましい。このような構成を採用したときは、第1の開口と、その開口に挿入される第1の係合片との間に隙間を設定して円滑な挿入動作を確保する一方、挿入後においては第2の係合片を第2の開口内面に押し付けて上記の隙間を詰めることにより、第1の開口と第1の係合片とのガタツキを解消することができる。
【0012】
また、請求項7に記載の発明によれば、鋳造領域における金型の搬送経路を拡大することなく、金型の段取り替えを効果的に行い得る方法発明を提供することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施の形態に係るダイカスト装置および金型搬送方法を図面に基づいて説明する。ここで、図1は本実施の形態のダイカスト装置10の概要を示す模式図である。図2および図3は通常の鋳造作業時(生産時)における金型の搬送を説明する模式図である。また、図4および図5は金型の段取り替え時における金型の搬送を説明する模式図である。更に図6〜図9はクランプ機構を説明する図面である。
【0014】
図1に基づいて、本実施の形態に係るダイカスト装置10の概要を説明する。ダイカスト装置10は、二組の金型D1,D2を単一のダイカスト本体11に交互に入れ替えて鋳造を行う金型交換式であり、二組の金型D1,D2、これら金型D1,D2に対して型締めおよび溶湯の射出を行う単一のダイカスト本体11、このダイカスト本体11への金型D1,D2の搬入および搬出を行う単一の金型台車20、ダイカスト本体11から搬出された金型D1,D2を型開きする二台の型開装置50を備えている。なお、金型D1,D2は固定型Daと可動型Dbとから構成される。
ダイカスト本体11は、搬入された金型D1,D2を型締めした状態で、金型D1,D2内のキャビティへ溶湯を射出するものであり、閉状態の金型D1,D2の背面を加圧して横方向から型締めする型締め装置および型締め後の金型D1,D2内に溶湯を射出する給湯装置を備えている。
【0015】
金型台車20は、金型D1,D2を乗せて搬送するものであり、ダイカスト本体11に対する金型D1,D2の搬入出用としてダイカスト本体11に対応する鋳造位置P1と搬出位置P2との間にわたって形成された、例えばレールにより構成される共通経路30を移動し、ダイカスト本体11に対して二組の金型D1,D2を交互に搬入出する。
【0016】
また、共通経路30の搬出位置P2から分岐する二組の分岐経路32,34が形成されている。この分岐経路32,34は、共通経路30に対して直交しており、これら共通経路30と二組の分岐経路32,34とで全体としてT字形をなす金型D1,D2の搬送径路を構成している。この搬送経路が本発明でいう鋳造領域内で金型の搬送を行う第1の搬送経路に対応している。分岐経路32,34は、例えばレールから構成され、そのレール上を金型D1,D2が移動するように構成されており、製品取出位置P3,P4には、金型D1,D2の型開き時に金型D1,D2から中子を引き抜くための中子引き抜きシリンダを備えた中子引き抜き装置52,54が配置されている。この中子引き抜き装置52,54は図2〜図5に示されている。
また、金型台車20には、分岐経路32,34のレールに平行なレールが設けられ、金型台車20が搬出位置P2へ移動されたとき、分岐経路32,34のレールと同一線上で一致する。したがって、金型D1,D2は、搬出位置で共通経路30と分岐経路32,34との間を行き来することができる。
【0017】
型開装置50は、各分岐経路32,34にそれぞれ配置されており、分岐経路に沿って移動し、搬出位置P2と製品取出位置P3,P4との間において金型D1,D2を搬送する。なお、型開装置50の移動は、例えば電動モータを駆動源とするボールネジ機構によって構成される移動手段で行われる。型開装置50は、クランプ機構60を備え、搬出位置P2でそのクランプ機構60を介して金型D1,D2と係合または離脱するようになっている。このクランプ機構60が本発明でいう型保持機構に対応するものであり、その詳細については後述する。
また、型開装置50は、金型D1,D2を型開きするための手段を有する。そして、型開装置50は、金型D1,D2を製品取出位置P3,P4へ搬送後、その型開き手段を作動させて一方の固定型Daから他方の可動型Dbを引き離し、また固定型Daから中子を引き抜くことで型開きを行う。型開き後においては、製品取り出し装置による製品の取り出しが行われる。
【0018】
分岐経路32,34上において、搬出位置P2と製品取出位置P3,P4との間には、金型D1,D2の段取り替えを行う(別の金型と交換する)段取り替え位置P5,P6が設定されている。そして、この段取り替え位置P5,P6に対応してそれぞれ鋳造領域と金型保管領域との間で金型を搬送するための領域間搬送経路36が形成されている。この領域間搬送経路36が本発明でいう第2の搬送経路に対応している。領域間搬送経路36は、例えばレールによって構成され、そのレール上を走行する無人搬送車37,38上に金型D1,D2を乗せて搬送するように構成される。なお、分岐経路32,34と無人搬送車37,38との間での金型D1,D2の移載は、例えば適宜移載装置を用いて行われるように構成される。
ここで、鋳造領域とは、ダイカスト本体11、型開装置50、およびそれらをつなぐ金型D1,D2の搬送経路等を含む領域であって、通常の鋳造作業に用いられる領域をいう。また、金型保管領域とは、金型保管庫42、金型保全場44を含み、金型D1,D2の保管あるいは補修等を行う領域をいう。
【0019】
次に、型開装置50のクランプ機構60を図6〜図8に基づいて説明する。このクランプ機構60は、図6の模式図に示すように、通常の鋳造作業時に用いられる第1のクランプ手段61と、金型D1,D2の段取り替え時に用いられる第2のクランプ手段66とを有する。第1のクランプ手段61は、金型D1,D2が搬出位置P2から製品取出位置P3,P4へ移動するときに型開装置50に保持させ、金型D1,D2が搬出位置P2から鋳造位置P1へ移動するときに解除するようになっている。この第1のクランプ手段61が本発明でいう第1の型保持手段に対応している。
【0020】
第1のクランプ手段61は、型開装置50に一定間隔を置いて対向状に設けられた2個のL形フック62と、そのL形フック62の形状に対応して金型D1,D2の固定型Daに形成されたL溝63とを有しており、搬出位置P2に待機した状態で、鋳造後の金型D1、D2が鋳造位置P1から搬出位置P2へ移動されるとき、L溝63内にL形フック62が側方から挿入されるように構成されている。すなわち、L形フック62およびL溝63は、金型台車20の移動方向に関して一様の断面形状に形成され、金型D1,D2の搬出位置P2に向かう移動動作を利用してL形フック62がL溝63に係合する構成とされている。上記のL形フック62が本発明における第1の係合片に対応し、L溝63が本発明における第1の開口に対応している。
L形フック62がL溝63に係合した状態では、図7に示すように、L形フック62とL溝63とは挿入方向に交差する方向、すなわち型開き方向に面接触する構成とされ、これにより金型D1,D2を型開装置50に搬送方向に保持するようになっている。
【0021】
次に、第2のクランプ手段66は、搬出位置P2と段取り替え位置P5,P6とにおいて、それぞれ係合または離脱可能に構成される。この第2のクランプ手段66が本発明でいう第2の型保持手段に対応している。第2のクランプ手段66は、図6に示すように、型開装置50に設けられたT形フック67と、金型D1,D2の固定型Daに設けられたT溝68とを有し、第1のクランプ手段61の場合と同様、搬出位置P2に待機した状態で、鋳造後の金型D1、D2が鋳造位置P1から搬出位置P2へ移動されるとき、T溝68内にT形フック67が側方から挿入されるように構成されている。なお、T形フック67は、対向配置されたL形フック62の間に配置され、これに対応してT溝68がL溝63の間に形成されている。上記のT形フック67が本発明における第2の係合片に対応し、T溝68が本発明における第2の開口に対応している。
【0022】
また、T形フック67は、型開装置50に対して軸方向(型開き方向であり、かつ型搬送方向)に進退可能および軸方向回りに90度の往復旋回可能に設けられおり、その駆動手段としては、例えばシリンダが用いられる。T形フック67のフック部67aは、長方形のプレート状に形成されており、そのフック部67aを横向きにした状態(離脱位置)では、T溝68に対して正面方向から挿入あるいは抜脱できる構成とされている。そして、T形フック67は、縦向き状態(係合位置)のときにT溝68に係合可能となり、縦向きの状態でT溝68に対して側方から挿入することができるが、正面方向から挿入あるいは抜脱することはできない。すなわち、第2のクランプ手段66は、T形フック67を進退動作あるいは90度の旋回動作することで、T溝68に対してフック部67aを係合・離脱が可能とされている。
なお、第2のクランプ手段66において、T形フック67の進退動作については、金型D1,D2内の製品を押し出すために型開装置50および金型D1,D2に備えられる製品押し出し機構の押し出し動作を用いて構成することが可能である。
【0023】
次に、上記のように構成されたダイカスト装置10の動作を図2〜図5に基づいて説明する。先ず、通常の鋳造作業時における動作を説明する。図2および図3は通常の鋳造作業時における金型D1,D2の搬送態様を示している。ダイカスト装置10のダイカスト本体11に金型D1,D2を交互に搬入出させ、鋳造位置P1で金型D1,D2のキャビティへ溶湯を射出する。金型D1,D2は、同種のものを二組用いることもできるし、あるいは異種のものを一組ずつ用いることもできる。また、金型D1,D2の一方のみを用いた運転も可能である。
【0024】
例えば鋳造が終了した一方の金型D1は、図2に示すように、金型台車20によって搬出位置P2まで搬送され、このとき、一方の金型D1がクランプ機構60を介して型開装置50に保持される。このクランプ機構60による金型D1の保持および解除動作については後述する。次いで、型開装置50が図3に示すように、製品取出位置P3へ移動する。これにより金型D1は、金型台車20から分岐経路32を経て製品取出位置P3へと移動された後、移動方向と同方向の横方向に型開きされる。この型開きは、固定型Daから可動型Dbが引き離される動作のみならず中子引き抜き装置52による固定型Daから中子を引き抜く動作が含まれる。型開き後、金型D1から製品が取り出され、さらにこの金型D1に離型剤が塗布されたのち、金型D1は型締めされる。
【0025】
他方、待機中の金型D2は、型開装置50によって分岐経路34上を搬出位置P2まで搬送され、金型D1と交替して金型台車20上へと移動する。次いで金型D2は、金型台車20によって鋳造位置P1まで搬送され、ダイカスト本体11による鋳造が行われる。鋳造が終了した金型D2は、金型D1と同様にして鋳造位置P1から搬出され、今度は金型D2に交替して鋳造位置P1へ型締めされた状態の金型D1が搬入される。
このように、本実施の形態に係るダイカスト装置10によれば、二台の金型D1,D2を用いての鋳造作業を交互に行うことができる。
【0026】
上述した通常の鋳造作業時において、搬出位置P2でのクランプ機構60による型開装置50と金型D1,D2との係合または離脱は、第1のクランプ手段61によって行われる。すなわち、金型D1あるいはD2が鋳造位置P1から搬出位置P2へ移動されるとき、型開装置50は搬出位置P2に待機している。そして、金型D1,D2が搬出位置P2へ移動されるとき、図7に示すように、金型D1,D2のL溝63に型開装置50のL形フック62が側方から挿入されて係合され、これにより型開装置50の移動方向に関して保持されることになる。なお、このとき、本実施の形態では、第2のクランプ手段66であるT形フック67は、フック部67aを縦向きとした状態でT溝68に側方から挿入されて係合される。
したがって、この状態でT形フック67を僅かに前進動作させてフック部67aにてT溝68の内面を押すように設定すれば、相対的にL形フック62がL溝63の反対側の内面に面接触されることになるので、L形フック62とL溝63との間に型開き方向に関してガタツキがあってもこれを抑えることができる。その後、型開装置50は第1のクランプ手段61により金型D1,D2を保持した状態で製品取出位置P3またはP4へ移動され、型開き動作へと移行することになる。
【0027】
他方、金型D1,D2が搬出位置P2から鋳造位置P1へ搬入されるとき、クランプ機構60による金型D1,D2の保持が解除される。すなわち、金型台車20に乗せられた金型D1,D2がダイカスト本体11に向かって移動すれば、L形フック62およびT形フック67がL溝63およびT溝68からそれぞれ抜け出し、金型D1,D2は型開装置50から切り離される。この場合、T形フック67がT溝68の壁面を加圧する設定の時は、金型D1,D2のダイカスト本体11への搬入に先立って、その加圧が緩められる。すなわち、通常の鋳造作業時におけるクランプ機構60による型開装置50と金型D1,D2との係合または離脱は、自動的に行われる。
【0028】
次に、金型D1,D2を異種の金型と交換する、いわゆる段取り替え作業を図4および図5に基づいて説明する。図4および図5には一方の金型D1を段取り替えする場合を示している。この段取り替え時には、型開装置50における第2のクランプ手段66が金型D1を保持する。すなわち、T形フック67が縦向きの状態(係合位置)で前進作動され、L形フック62よりも前方に突出する。この状態で型開装置50が搬出位置P2に待機する。そのとき、型開装置50は通常の鋳造作業時に比べT形フック67の前進分、製品取出位置P3,P4側にずれた位置で待機する。
したがって、その状態で金型D1,D2が搬出位置P2へ移動されると、T形フック67が金型D1のT溝68に挿入されるが、L形フック62はL溝63に挿入されないことになる。この状態が図8に示されている。その後、型開装置50は第2のクランプ手段66により金型D1,D2を保持した状態で段取り替え位置P5へ移動され、その位置でT形フックが90度旋回され、フック部67aを横向き(離脱位置)にする。その後、型開装置50は製品取出位置P3へ移動される。この移動により、T形フック67がT溝68の正面から抜け出る。かくして、型開装置50と金型D1とは縁切れし、金型D1の段取り替えが可能になる。図5および図9にはこの状態が示されている。その後、金型D1は、分岐経路32の段取り替え位置P5から適宜移載装置によって無人搬送車37上へ乗せ替えられた後、領域間搬送経路36を経て金型保管庫42あるいは金型保全場44へと搬送され、保管あるいは補修されることになる。型開装置50は製品取出位置P3に待機する。
【0029】
つづいて、金型保管庫42から別の金型が無人搬送車37で搬送され、移載装置によって分岐経路32の段取り替え位置P5へ移載される。その後、型開装置50が製品取出位置P3から段取り替え位置P5へ移動する。これにより、T形フック67のフック部67aがT溝68の正面から溝内に挿入される。その状態で、T形フック67が90度旋回され、フック部67aが縦向き状態となってT溝68に係合される。かくして、金型の段取り替えが終了する。
この間、他方の金型D2については、鋳造作業を継続することができる。
【0030】
上述したように、本実施の形態によれば、通常の鋳造作業時には、二組の金型D1,D2を共通経路30と分岐経路32,34に沿って搬送させることで、ダイカスト本体11に交互に入れ替えて鋳造作業を行うことができ、また、金型D1,D2の段取り替え時には、分岐経路32,34に設定された段取り替え位置P5,P6において、領域間搬送経路36を通じて鋳造領域と金型保管領域との間を搬送し、段取り替えを行うことができる。そして、本実施の形態では、金型D1,D2の段取り替え位置P5,P6を通常の鋳造作業時に用いられる金型D1,D2の搬送経路内における搬出位置P2と製品取出位置P3,P4との間に設定している。したがって、鋳造作業に用いられる搬送経路を拡大することなく、段取り替えを行うことが可能となり、ダイカスト装置10の省スペース化およびコスト低減を図ることができる。
【0031】
また、本実施の形態では、鋳造位置P1と搬出位置P2との間の搬送について共通経路30としてあるため、鋳造領域に関する搬送経路の設置スペースを縮小することが可能となる。また、分岐経路32,34に段取り替え位置P5,P6を設定することにより、各々の金型D1,D2の段取り替えを単独で行うことができるとともに、一方の金型D1,D2による鋳造作業を休止することなく、他方の金型D1,D2の段取り替えを行うことができる。このため、ダイカスト装置10の生産性を向上できる。
【0032】
また、通常の鋳造作業時においては、型開装置50に対する金型D1,D2の係合または離脱が第1のクランプ手段61を介して自動的に行われる方式のため、係合・離脱のための動作タイムが短縮され、動作に無駄のない極めて合理的な型開装置50が提供されることになる。
ところで、このような金型D1,D2の搬送動作を利用して自動係合、自動離脱を行うクランプ形式の場合、通常搬送経路内で金型D1,D2の段取り替えを行うには、型開装置50と金型D1,D2とを縁切りする必要がある。本実施の形態においては、前述したように、第2のクランプ手段66を設け、段取り替え時には、この第2のクランプ手段66を用いて金型D1,D2と型開装置50との係合・離脱を行う構成としたものであり、これにより、通常搬送経路内での段取り替えを実現している。
【0033】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更が可能である。
例えば、型保持機構を構成するクランプ機構60については、第1のクランプ手段61と、第2のクランプ手段66との2種を備えたが、金型D1,D2の搬送経路における任意の位置で作動させることによって係合および離脱を行うことができる動力作動式のクランプ機構を用いたときは、1種でよい。
また、クランプ機構60の第1のクランプ手段61をL形フック62とL溝63とから構成したが、必ずしもL字形に限定されるものではない。要するに、開口とそれに挿入される係合片とから構成され、そして、挿入によって挿入方向に交差する方向について型保持が行なわれる形状であれば、如何なる形状であってもよい。
また、金型台車20が移動する共通経路は、地上側に設置されたレールあるいは天井側に設置されたレールのいずれであってもよい。
また、上述した実施の形態では、金型D1,D2を横方向に移動させて型開きを行う横開き式としたが、金型D1,D2を上下方向に移動させて型開きを行う縦開き式に変更してもよい。
また、本実施の形態では、段取り替え位置P5,P6において、金型移載装置を用いて金型D1,D2を無人搬送車37,38へ乗せ替えるとして説明したが、これに変えて、例えば分岐経路32,34の段取り替え位置P5,P6に無人搬送車37,38を乗り入れ、通常の鋳造作業時には、搬出位置P2と製品取出位置P3,P4との間での金型D1,D2の搬送を無人搬送車37,38上に敷設したレールを用いて行わせ、段取り替え時には、無人搬送車37,38上で金型D1,D2を停止し、金型保管領域へ搬出する構成に変更してもよい。
また、第2のクランプ手段66において、T形フック67を回動させることでフック部67aの向きを縦向き(係合位置)、横向き(離脱位置)に変える構成としたが、この構成に代えて、伸縮可能なフック部を採用してもよい。すなわち、フック部67aをT形フック67の軸部に対して径方向へ伸縮自在に形成し、フック部67aが軸部の軸径よりも外側へ張り出す状態(係合位置)と、軸径内に納まる状態(離脱位置)とに変位する構成に変更してもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、複数組の金型を交互に入れ替えて鋳造を行うダイカスト装置において、鋳造領域における金型の搬送経路を拡大することなく、金型の段取り替えを効果的に行い得る金型の搬送技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るダイカスト装置の概要を示す模式図である。
【図2】通常の鋳造作業時における金型の搬送態様を示す模式図である。
【図3】通常の鋳造作業時における金型の搬送態様を示す模式図である。
【図4】段取り替え時における金型の搬送態様を示す模式図である。
【図5】段取り替え時における金型の搬送態様を示す模式図である。
【図6】金型のクランプ機構を示す模式図である。
【図7】通常の鋳造作業時におけるクランプ機構の係合状態を示す説明図である。
【図8】段取り替え時におけるクランプ機構の係合状態を示す説明図である。
【図9】段取り替え時におけるクランプ機構の離脱状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10…ダイカスト装置
11…ダイカスト本体(鋳造領域)
30…共通経路(第1の搬送経路)
32,34…分岐経路(第1の搬送経路)
36…領域間搬送経路(第2の搬送経路)
37,38…無人搬送車
50…型開装置(鋳造領域)
42…金型保管庫(金型保管領域)
60…クランプ機構(型保持機構)
61…第1のクランプ手段(第1の型保持手段)
66…第2のクランプ手段(第2の型保持手段)
D1,D2…金型
P1…鋳造位置
P2…搬出位置
P3,P4…製品取出位置
P5,P6…段取り替え位置

Claims (7)

  1. 複数組の金型をダイカスト本体に交互に搬入させて鋳造を行い、鋳造後の金型を前記ダイカスト本体から搬出して製品の取り出しを行う鋳造領域と、金型を保管する金型保管領域とを備えており、前記鋳造領域と金型保管領域との間で金型の搬送を行うダイカスト装置であって、
    前記ダイカスト本体に対応する鋳造位置と搬出位置との間に形成される共通経路と、その共通経路の搬出位置から分岐する二つの分岐経路とを有し、各分岐経路に配置された計二組の金型が、前記共通経路を通って前記ダイカスト本体に交互に搬入出される構成とされ、前記鋳造領域内で金型の搬送を行う第1の搬送経路と、前記鋳造領域と前記金型保管領域との間で金型の搬送を行う第2の搬送経路とを有し、
    前記第1の搬送経路の各分岐経路には金型の段取り替えを行う段取り替え位置が設定されており、その段取り替え位置に対応して前記第2の搬送経路が接続されていることを特徴とするダイカスト装置。
  2. 請求項1に記載のダイカスト装置であって、前記第1の搬送経路と第2の搬送経路との接続部において、前記第2の搬送経路による金型の搬送方向は、前記第1の搬送経路による金型の搬送方向に対して交差していることを特徴とするダイカスト装置。
  3. 請求項1または2に記載のダイカスト装置であって、前記分岐経路上の金型の搬送は、該分岐経路に沿って移動する型開装置によって搬出位置と製品取出位置との間で行われ、その型開装置は、金型に対して係合または離脱する型保持機構を備えていることを特徴とするダイカスト装置。
  4. 請求項3に記載のダイカスト装置であって、前記型保持機構は、金型に対して搬出位置で係合または離脱する第1の型保持手段と、金型に対して搬出位置と段取り替え位置とでそれぞれ係合または離脱可能な第2の型保持手段とを備え、第1の型保持手段と第2の型保持手段とは、金型に対して選択的に適用可能に構成されていることを特徴とするダイカスト装置。
  5. 請求項4に記載のダイカスト装置であって、前記第1の型保持手段は、前記共通経路に沿う方向に向かう第1の開口と、その第1の開口に挿入されることで係合される第1の係合片とで構成され、前記第2の型保持手段は、前記共通経路に沿う方向に向かう第2の開口と、その第2の開口に挿入される第2の係合片とで構成されるとともに、第2の開口に第2の係合片が挿入された状態でその向きを相対的に変えることで係合または係合が解除される構成とされていることを特徴とするダイカスト装置。
  6. 請求項5に記載のダイカスト装置であって、前記第2の係合片を第2の開口内面に押し付ける手段が設けられ、その押し付けによって前記第1の係合片が第1の開口内面に押し付けられる構成としたことを特徴とするダイカスト装置。
  7. 複数組の金型をダイカスト本体に交互に搬入させて鋳造を行い、鋳造後の金型を前記ダイカスト本体から搬出して製品の取り出しを行う鋳造領域と、金型を保管する金型保管領域とを備えており、その鋳造領域と金型保管領域との間で金型の搬送を行うダイカスト装置の金型搬送方法であって、
    前記ダイカスト本体に対応する鋳造位置と搬出位置との間に形成される共通経路と、その共通経路の搬出位置から分岐する二つの分岐経路とを有し、各分岐経路に配置された計二組の金型が、前記共通経路を通って前記ダイカスト本体に交互に搬入出される構成とされ、前記鋳造領域内で金型の搬送を行う第1の搬送経路と、その第1の搬送経路の各分岐経路に設定された金型の段取り替え位置で前記鋳造領域と前記金型保管領域とを接続する第2の搬送経路と、を用いて金型の搬送を行うことを特徴とするダイカスト装置の金型搬送方法。
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