JP3702810B2 - 電子制御式機械時計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、専用に設計された磁気カプラ装置等により、外部から供給される所定の磁力で、機械的エネルギーを機械的エネルギー源に蓄積することができる電子制御式機械時計に関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、水晶振動子、トランジスタ、ICおよびLSI等の電子素子を備えた電子回路で、指針を駆動するステップモータ等を制御することにより、正確に計時を行うようにした電子時計が利用さている。
このような電子時計としては、電子回路やステップモータ等の電源として一次電池を採用したものが一般的であるが、充放電が可能な二次電池やスーパーキャパシタ等の蓄電式電源を採用したものも利用されている。
【0003】
例えば、太陽電池を備えたソーラーウォッチは、その太陽電池が常に受光できるとは限らないので、太陽電池が発電した電力で二次電池を充電し、二次電池に蓄積された電力で電子回路等を駆動している。
このため、ソーラーウォッチは、二次電池の電力が尽きるまでは、暗闇に放置されても、正確な時刻を表示し続けることが可能となっている。
また、発電機を備えた発電機能付時計は、回転自在に設けられた回転錘で発電機を駆動し、発電機が発生した電力でスーパーキャパシタを充電し、スーパーキャパシタに蓄電された電力で電子回路等を駆動している。
このため、発電機能付時計は、スーパーキャパシタの電力が尽きるまでは、静止状態のまま放置されても、正確な時刻を表示し続けることができる。
【0004】
ここで、前述のような蓄電式電源に蓄えられていた電力が尽きた際に、蓄電式電源を手軽に充電できる充電装置が知られている(特開平1- 23730号公報)。
この充電装置は、時計の内部に設けられた電磁結合受電用コイルと対をなす電磁結合送電用コイルを備え、この電磁結合送電用コイルで時計の外部から磁力を供給し、電磁結合受電用コイルに発生する誘起電力で、前述の蓄電式電源を充電するものである。
このような充電装置を利用すれば、充電装置と電子時計とが相互に電磁結合されるので、充電装置と電子時計とを電気的に接続する必要がなく、電子時計の充電を容易に行うことができる。
【0005】
一方、水晶振動子を利用して、正確に計時を行うようにした時計として、機械的なエネルギーで駆動する電子制御式機械時計も利用されている。
この電子制御式機械時計は、機械的なエネルギーの蓄積および放出が可能なゼンマイと、このゼンマイが発生する駆動力で駆動される発電機と、ゼンマイおよび発電機を機械的に連結する輪列と、発電機からの電力で作動するとともに、発電機のロータの回転速度を制御する制御回路とを備えたものとなっている。
そして、輪列には、時刻を示す指針が設けられており、発電機のロータの回転速度を一定の速度に保つことにより、正確な計時が行えるようになっている。
そして、ゼンマイに蓄えられていた機械的エネルギーが尽きたら、時計に設けられた竜頭を手動で回転操作して、ゼンマイを巻き上げることにより、ゼンマイに機械的エネルギーを蓄積している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電子制御式機械時計では、ゼンマイ等の機械的エネルギー源に機械的エネルギーを蓄積するので、時計の外部から磁力が供給されても、磁力を電力に変換して内部に蓄えることができず、蓄電式電源を備えた電子時計のように容易にエネルギーの蓄積が行えない、という問題がある。
なお、外部から回転磁界を電子制御式機械時計の発電機に与え、発電機のロータを回転磁界で回転させ、機械的エネルギー源に機械的エネルギーを蓄積することが考えられるが、外部磁界で発電機のロータを駆動すると、発電機のロータを回転させる回転磁界の周波数が低く、ロータに達する前に磁力が減衰してしまうので、磁気エネルギーの無駄が多いという問題がある。
【0007】
本発明は、機械的エネルギー源に機械的エネルギーを容易に蓄積できるようになる電子制御式機械時計を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1発明は、機械的エネルギーの蓄積および供給を行う機械的エネルギー源と、この機械的エネルギー源により駆動されて発電する発電機と、この発電機に連動して作動する時刻表示手段を備え、前記発電機の回転速度を調節することにより、時刻表示を行う電子制御式機械時計であって、外部供給される磁力を受けて誘起電力を発生する電磁変換手段と、前記電磁変換手段が発生する誘起電力で充電される充電手段と、前記発電機が発電する電力で駆動するとともに、前記発電機の回転速度を調節することで、計時動作を制御する計時動作制御手段と、前記充電手段に充電された誘起電力で前記発電機を電動機として回転駆動させ、この回転駆動力で前記機械的エネルギー源に機械的エネルギーを蓄積させる蓄積動作を制御する蓄積動作制御手段とを備えている。
【0009】
このような本第1発明では、外部から供給される磁力を電磁変換手段で電力に変換し、この電力を充電手段に一旦蓄積し、充電手段に蓄積した電力で、発電機を回転駆動させるので、外部から供給される磁力としては、発電機を直接駆動できる低い周波数のものを採用する必要がない。
このため、外部供給する磁力として、時計内部の電磁変換手段に達するまでに、磁力の減衰が少ない高い周波数のものを採用することにより、磁気エネルギーの無駄が低減されるようになる。
また、充電手段を設ければ、電磁変換手段から出力された電力を、直流に整流して充電手段に蓄積し、さらに、充電手段に蓄積された直流電力を、発電機の回転駆動に適した周波数の交流電力等に変換すれば、発電機を効率よく回転駆動することが可能となる。
しかも、充電手段に蓄積された電力は、速やかに発電機の回転駆動に費やされるので、充電手段としては、容量の大きなものが必要なく、小型の電子制御式機械時計の内部に設けても、何ら問題を生じない。
従って、外部から供給される所定の磁力により、発電機を電動機として回転駆動させ、この回転駆動力で機械的エネルギー源に機械的エネルギーを蓄積させることが確実に行えるようになるうえ、機械的エネルギー源への機械的エネルギーの蓄積動作は、蓄積動作制御手段が制御するので、当該蓄積動作を自動的に行うことが可能となり、外部から供給される所定の磁力で、機械的エネルギー源に機械的エネルギーを蓄積することが容易かつ手軽に行える。
【0010】
前述のような第1発明において、前記発電機に設けられている電磁コイルが前記電磁変換手段を兼用していることが好ましい。
このようにすれば、電磁変換手段を別途設ける必要がなく、小型の電子制御式機械時計に電磁変換手段を設けても、何ら問題が生じない。
また、充電手段を備えているので、発電機の電磁コイルである電磁変換手段は、外部磁力を受けて電力に変換する受電動作と、発電機のロータを回転させる磁界を発生する磁界発生動作とを同時に行う必要がなく、受電動作を行う時間帯と磁界発生動作を行う時間帯とが異なる時分割動作が可能となり、この時分割動作により、発電機の電磁コイルに電磁変換手段を兼用させても、受電動作および磁界発生動作を行うにあたり、何ら問題が生じない。
【0011】
また、前述のような第1発明において、前記発電機が発電した電力を前記計時動作制御手段に安定供給するための電源回路が設けられ、前記電源回路には、前記発電機が発電した電力を蓄積する電力蓄積手段が設けられ、前記電力蓄積手段が前記充電手段を兼用していることが望ましい。
このようにすれば、充電手段を別途設ける必要がなく、小型の電子制御式機械時計に充電手段を設けても、何ら問題が生じない。
また、前述したように、充電手段に蓄積された電力は、速やかに発電機の回転駆動に費やされるので、充電手段としては、容量の大きなものが必要なく、発電機からの電力を整流する際に生じるリップルを吸収するための平滑コンデンサ等が採用でき、小型の電子制御式機械時計の内部に充電手段を設けても、何ら問題が生じない。
【0012】
さらに、前述の第1発明において、前記蓄積動作制御手段には、経過時間を把握するための内部計時手段が設けられていることが好ましい。
このようにすれば、機械的エネルギー源への機械的エネルギーの蓄積を開始してからの経過時間が計測可能となる。
そして、機械的エネルギーの蓄積開始から機械的エネルギー源が機械的エネルギーで満たされるまでの時間は、機械的エネルギー源の容量に対応した所定の時間となるので、内部計時手段で所定の時間を検出し、所定の時間が経過したら、当該蓄積動作を終了させることができるようになる。
これにより、機械的エネルギー源に充分な機械的エネルギーを蓄積することが可能となるうえ、機械的エネルギーで機械的エネルギー源が満されているのにもかかわらず、蓄積動作がそのまま続行されることが防止され、無駄なエネルギーの消費が低減されるようになる。
【0013】
この際、前記蓄積動作を開始してから、前記蓄積動作により逆転する前記時刻表示手段の指示時刻が現在時刻と一致するまでの時刻一致時間が予め算出され、前記蓄積動作制御手段には、前記時刻一致時間が記憶されるとともに、前記蓄積動作を開始してから前記時刻一致時間が経過すると、前記蓄積動作を終了させる蓄積動作終了手段が設けられていることが望ましい。
このようにすれば、機械的エネルギー源に機械的エネルギーが充分蓄積されるようになるうえ、蓄積動作が終了した時点においては、時刻表示手段の指示時刻が現在時刻と一致するので、時刻表示手段の時刻修正操作が不要になる。
また、蓄積動作が終了すると、計時動作制御手段による通常の計時動作に自動的に切り替わるようにすれば、そのまま時計を使用することができ、時計の使い勝手を良好なものすることができる。
【0014】
また、前述の第1発明において、前記機械的エネルギー源に蓄積されている機械的エネルギーの量を検出する蓄積エネルギー検出手段を備えていることが好ましい。
このようにすれば、機械的エネルギー源に蓄えられている機械的エネルギーの量が検出されるので、機械的エネルギー源が機械的エネルギーで満されており、蓄積動作を行う必要がない場合には、その旨を表示する等により、必要のない蓄積動作が防止され、無駄なエネルギーの消費が低減されるようになる。
【0015】
ここで、前記時刻表示手段は、所定の周期毎に同じ時刻を指示するものとされ、前記蓄積動作制御手段には、前記蓄積エネルギー検出手段の検出結果に基づき、前記時刻表示手段の周期と同じ時間にわたり、計時動作を継続できる量の機械的エネルギーを前記機械的エネルギー源に蓄積できるか否かを判定する判定手段が設けられ、この判定手段は、前記継続できる量の機械的エネルギーを前記機械的エネルギー源に蓄積できないと判定した場合には、前記蓄積動作制御手段は、前記蓄積動作を開始しないものとなっていることが好ましい。
時刻表示手段の周期について説明すると、日付表示あるいは曜日表示を備えた時計や24時間時計では、24時間が一周期となり、日付表示および曜日表示がない12時間時計では、12時間が一周期となる。
ここで、機械的エネルギー源に蓄積できる機械的エネルギーの量が、時刻表示手段の周期よりも長く計時動作を継続できる量よりも少ない場合、機械的エネルギー源に機械的エネルギーを蓄積する必要性がそれほどないうえ、この場合に、蓄積動作を開始してしまうと、時刻表示手段の指示時刻が現在時刻と一致する前に、機械的エネルギー源は、機械的エネルギーで満たされ、蓄積動作を終了しなければならず、時刻表示手段の時刻修正操作を行わなければならない。
そこで、前述のように、時刻表示手段の周期よりも長く計時動作を継続できる量の機械的エネルギーが機械的エネルギー源に蓄積可能であると、判定手段が判定した場合にのみ、蓄積動作を開始すれば、蓄積動作が終了した時点には、時刻表示手段の指示時刻が必ず現在時刻と一致するようになるので、時刻表示手段の時刻修正操作が確実に不要になる。
【0016】
さらに、前述のような第1発明において、前記機械的エネルギー源としてゼンマイが採用され、当該電子制御式機械時計の持続時間残量を指示する巻印機構が設けられ、この巻印機構は、太陽車と遊星車とを備え、前記蓄積エネルギー検出手段は、前記太陽車の回転角度位置を検出するセンサを含んで構成されていることが望ましい。
このようにすれば、太陽車の回転角度位置から、ゼンマイに蓄積されている機械的エネルギーの量が正確に検出されるので、時刻表示手段の周期よりも若干長く計時動作を継続できる量の機械的エネルギーがゼンマイに蓄積されている場合にも、蓄積動作が可能であることが判定でき、ゼンマイに蓄積されている機械的エネルギーの量が微妙な場合でも、正確な判定が行えるようになる。
【0017】
そして、前記蓄積動作制御手段には、前記センサから送られてくる前記太陽車の回転角度位置を示す信号に基づいて、前記ゼンマイに蓄積することができる機械的エネルギーの量を算定する蓄積可能量算定手段が設けられていることが望ましい。
このようにすれば、蓄積可能量算定手段がゼンマイに蓄積することができる機械的エネルギーの量を算定するので、算定結果に基づいて蓄積動作時間の設定が可能となる。
例えば、日付表示および曜日表示がない12時間時計の場合、ゼンマイに蓄積することができる機械的エネルギーの量が、時計を15時間駆動できる量であれば、時計を12時間駆動できる量を蓄積するのに要する時間を、前述の蓄積動作時間として設定することができ、蓄積可能な機械的エネルギーの量が、時計を40時間駆動できる量であれば、時計を36時間駆動できる量を蓄積するのに要する時間を、前記蓄積動作時間として設定することができる。
これにより、蓄積動作が終了すると、時刻表示手段が現在時刻を示した状態になるとともに、ゼンマイに蓄積できる機械的エネルギーの限界量を超過しない最大量の機械的エネルギーがゼンマイに蓄積される。
【0018】
なお、前述の第1発明において、前記ゼンマイは、当該電子制御式機械時計を少なくとも12時間以上作動させることができる量の機械的エネルギーを蓄積できるようになっていることが好ましい。
ここで、ゼンマイの容量が小さく、時計を12時間以上作動させる量の機械的エネルギーを蓄積するには、ゼンマイの容量が不足する場合、蓄積動作を開始し、発電機を駆動してゼンマイを巻き上げると、時刻表示手段の指示時刻が現在時刻と一致する前に、ゼンマイが完全に巻上がってしまい、蓄積動作が終了した時点で、時刻表示手段の表示時刻が現在時刻と一致することはない。
そこで、時計を少なくとも12時間以上作動させることができる量の機械的エネルギーを蓄積できるように、ゼンマイの容量を設定すれば、蓄積動作が終了した時点で、時刻表示手段の表示時刻を現在時刻と一致させることが可能となり、時刻表示手段の時刻修正操作が必要なくなる。
【0019】
さらに、前述のような第1発明において、前記ゼンマイは、香箱内に収納され、前記ゼンマイの外端を香箱の内側面に連結する連結手段が設けられ、前記固定手段は、フル巻状態の前記ゼンマイが発生するトルクに抗して、前記ゼンマイの外端と香箱の内側面との連結を維持するとともに、所定値よりも大きなトルクが加わると、前記ゼンマイの外端と香箱の内側面との連結を解除するものであることが望ましい。
このようにすれば、外部雑音等により、万一、電子制御式機械時計の電子回路が誤動作し、ゼンマイが完全に巻上がっているにもかかわらず、発電機の回転駆動が継続されても、固定手段は、ゼンマイの外端と香箱の内側面との連結を解除するので、巻き過ぎによるゼンマイの破損が未然に防止される。
【0020】
この際、前記固定手段として、フル巻状態となった前記ゼンマイが発生するトルクでは、摩擦により前記ゼンマイの外端と香箱の内側面とを連結するとともに、所定値よりも大きなトルクが加わると、滑りにより前記ゼンマイの外端と香箱の内側面との連結を解除するスリッピングアタッチメントが採用されていることが好ましい。
このようなスリッピングアタッチメントを採用すれば、簡単な構造でゼンマイの破損防止が行え、しかも、スリッピングアタッチメントは、嵩張ることがないので、小型の電子制御式機械時計に固定手段を設けても、何ら問題が生じることがない。
【0021】
また、前述の第1発明において、日付を表示する日付表示手段および曜日を表示する曜日表示手段の少なくとも一方を備え、前記日付表示手段および前記曜日表示手段の少なくとも一方を日送り駆動する日送り手段が設けられ、この日送り手段は、前記蓄積動作における逆方向の回転駆動力では、日送り動作を行わない逆転防止機構を有することが望ましい。
このようにすれば、蓄積動作の途中で、時刻表示手段が表示する時刻が午前零時を通過しても、日付や曜日が変更されなくなり、日付表示手段や曜日表示手段の修正操作が不要となり、この点からも、時計の使い勝手が向上される。
【0022】
さらに、前述のような第1発明において、前記外部供給される所定の磁力を検出するとともに、当該外部磁力を検出すると、前記蓄積動作を開始させる蓄積動作開始信号を前記蓄積動作制御手段に送出する外部磁力検出手段が設けられていることが好ましい。
このようにすれば、電子制御式機械時計に所定の磁力を供給するために、所定の磁界が形成されるテーブルを備えた専用の充電用磁力発生装置を用意し、充電用磁力発生装置のテーブルの上に電子制御式機械時計を置けば、外部磁力検出手段が前述の磁力を検出するので、電子制御式機械時計は、蓄電動作を自動的に開始することが可能となるうえ、蓄電動作自体も自動的に行われるので、使用者が行う操作は、充電用磁力発生装置の電源スイッチの操作だけとなり、機械的エネルギー源への機械的エネルギーの蓄積が手軽に行えるようになる。
【0023】
また、前述の第1発明において、前記発電機を電動機として回転駆動させるために、前記発電機には、電力パルスが供給されることが望ましい。
前述のように、発電機を回転駆動させるために、発電機に電力パルスを供給すれば、当該電力パルスのパルス幅を調節することにより、発電機に供給する電力の実効電力値が調節可能となるので、発電機に電力を供給する充電手段が、直流電力を蓄えるものであっても、充電手段の出力である直流電力をチョッパー等で適宜分断することにより、発電機に供給するのにふさわしい実効値を有する電力が得られるようになり、発電機の回転駆動が適切に行われるようになる。
【0024】
さらに、前述の第1発明において、前記蓄積動作制御手段は、前記充電手段への充電と、前記発電機への電力パルス供給とを、交互に繰り返させるものであることが好ましい。
このようにすれば、発電機に設けられている電磁コイルで、外部磁力を電力に変換するようにしても、外部磁力を変換した電力で充電手段を充電する充電動作と、充電手段からの電力パルスで発電機のロータを回転させる回転動作とが交互に行われるので、充電手段に電力を蓄える時間が確保可能となり、充電手段に充分な電力を蓄えてから、発電機に電力を供給することができ、発電機の回転駆動が確実に行え、ひいては、機械的エネルギー源への機械的エネルギーの蓄積も確実に行えるようになる。
【0025】
本発明の第2発明は、機械的エネルギーの蓄積および供給を行う機械的エネルギー源と、この機械的エネルギー源により駆動されて発電する発電機と、前記発電機に連動して作動する時刻表示手段を備え、前記発電機の回転速度を調節することにより、時刻表示を行う電子制御式機械時計であって、前記発電機が発電する電力で駆動するとともに、前記発電機の回転速度を調節することで、計時動作を制御する計時動作制御手段と、前記発電機とは別の巻上用電源から供給される電力で前記発電機を電動機として回転駆動させ、この回転駆動力で前記機械的エネルギー源に機械的エネルギーを蓄積させる蓄積動作を制御する蓄積動作制御手段とを備えていることを特徴とする。
このような本発明では、機械的エネルギー源への機械的エネルギーの蓄積を時計自身が行うので、機械的エネルギー源に機械的エネルギーを蓄積させる操作を手動で行う必要がなく、機械的エネルギー源への機械的エネルギーの蓄積を、例えば、スイッチ操作一つで、容易に行えるようになる。
そのうえ、機械的エネルギー源で発電機を駆動するので、高速回転する電動機や断続的に回転するステップモータ等とは異なり、駆動音が殆ど発生せず、寝室や書斎等に設置される置き時計や掛け時計として利用するのに最適な、静かな時計を実現できる。
しかも、機械的エネルギー源の機械的エネルギーが尽きるのに要する時間よりも短い周期で自動的に蓄積動作を行うようにするとともに、時計を利用する機会の少ない深夜に蓄積動作を行うように設定すれば、時計が停止することがなくなるうえ、時計が現在時刻を指示できない蓄積動作を行っても、実質的な不都合が生じない。
ここで、巻上用電源として商用電源を利用する場合、通常動作は、機械的エネルギー源に蓄積された機械的エネルギーで動作するので、商用電源が停電しても、時計は停止せず、計時動作が続行される。
一方、巻上用電源として電池を利用する場合、機械的エネルギー源の機械的エネルギーが尽きるまでの時間に余裕を設けて蓄積動作を行うようにする、例えば、機械的エネルギーが尽きる一日前に蓄積動作を行うようにすれば、蓄積動作を行うにあたり、電池の電力が尽きていても、電池交換を行う余裕があるので、その旨を表示すれば、電池交換がなされ、時計が停止する前に、蓄積動作が行われるようになり、時計は停止せず、計時動作が続行されるようになる。
【0026】
なお、このような第2発明において、前記蓄積動作制御手段には、経過時間を把握するための内部計時手段が設けられていることが好ましい。
このようにすれば、前記第1発明と同様に、機械的エネルギー源への機械的エネルギーの蓄積を開始してからの経過時間が計測可能となる。
そして、機械的エネルギーの蓄積開始から機械的エネルギー源が機械的エネルギーで満たされるまでの時間は、機械的エネルギー源の容量に対応した所定の時間となるので、内部計時手段で所定の時間を検出し、所定の時間が経過したら、当該蓄積動作を終了させることができるようになる。
これにより、機械的エネルギー源に充分な機械的エネルギーを蓄積することが可能となるうえ、機械的エネルギーで機械的エネルギー源が満されているのにもかかわらず、蓄積動作がそのまま続行されることが防止され、無駄なエネルギーの消費が低減されるようになる。
【0027】
また、このような第2発明において、前記蓄積動作を開始してから、前記蓄積動作により逆転する前記時刻表示手段の指示時刻が現在時刻と一致するまでの時刻一致時間が予め算出され、前記蓄積動作制御手段には、前記時刻一致時間が記憶されるとともに、前記蓄積動作を開始してから前記時刻一致時間が経過すると、前記蓄積動作を終了させる蓄積動作終了手段が設けられていることが望ましい。
このようにすれば、機械的エネルギー源に機械的エネルギーが充分蓄積されるようになるうえ、蓄積動作が終了した時点においては、時刻表示手段の指示時刻が現在時刻と一致するので、時刻表示手段の時刻修正操作が不要になる。
また、蓄積動作が終了すると、計時動作制御手段による通常の計時動作に自動的に切り替わるようにすれば、そのまま時計を使用することができ、時計の使い勝手を良好なものすることができる。
【0028】
また、このような第2発明において、前記機械的エネルギー源に蓄積されている機械的エネルギーの量を検出する蓄積エネルギー検出手段を備えていることが好ましい。
このようにすれば、機械的エネルギー源に蓄えられている機械的エネルギーの量が検出されるので、機械的エネルギー源が機械的エネルギーで満されており、蓄積動作を行う必要がない場合には、その旨を表示する等により、必要のない蓄積動作が防止され、無駄なエネルギーの消費が低減されるようになる。
【0029】
【発明の実施の形態】
添付図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1および図2には、本発明に係る電子制御式機械時計1が示されている。この時計1は、機械的エネルギで駆動されて電力を発生する発電機10と、発電機10に機械的エネルギを供給する機械的エネルギー源であるゼンマイ20と、複数の歯車31〜35を備えるとともに、発電機10およびゼンマイ20を相互に連結する輪列30と、発電機10に連動して作動する時刻表示手段40と、水晶振動子100Aを含んで構成されるとともに、発電機10の回転速度制御等を行う電子回路100 とを備えたものである。
また、この時計1には、時計1の持続時間残量、換言すれば、ゼンマイ20で時計1を駆動できる残り時間を指示する巻印機構50と、現在の日付を表示する日付表示手段60とが設けられている。
【0030】
ゼンマイ20は、時計1を12時間以上、例えば、50時間連続駆動できる量の機械的エネルギーを蓄積するものであり、円筒状の香箱21の内部に収納され、その内端が香箱真22に固定されている。
香箱21は、輪列30と係合する香箱車21A が外側面に設けられたものである。
香箱真22は、ゼンマイ20を巻き上げるための角穴車23に固定されたものとなっている。なお、角穴車23は、図示しない手動巻き上げ機構や自動手動巻き上げ機構、ならびに、逆回転防止用のコハゼと係合している。
ゼンマイ20の外端には、外端部分を折り返す等により形成された係合爪20A が設けられている。
【0031】
また、香箱21には、図3に示されるように、当該香箱21の内周面に摩擦係合する滑り添え板であるスリッピングアタッチメント24が設けられている。スリッピングアタッチメント24の内側面には、ゼンマイ20の外端の係合爪20A を係止する凸状の係止部24A が設けられている。
このスリッピングアタッチメント24は、摩擦係合により、フル巻状態のゼンマイ20が発生するトルクに抗して、ゼンマイ20の外端と香箱21の内側面との連結を維持するとともに、所定値よりも大きなトルクが加わると、滑ってゼンマイ20の外端と香箱21の内側面との連結を解除する固定手段となっている。
【0032】
なお、固定手段としては、ゼンマイ20の外端の係合爪20A を係止する凸状の係止部24A を備えたスリッピングアタッチメント24に限らず、図4に示されるように、単なる帯板状に形成され、ゼンマイ20の外端部分が溶接や接着剤等で固定されたスリッピングアタッチメント24B も採用することができる。
【0033】
図1および図2に戻って、輪列30は、二番車31ないし六番車35で香箱車21A の回転駆動力を増速して発電機10のロータ11に伝達するものである。
二番車31の軸31A には、図5に示されるように、筒カナ36が固定されている。この筒カナ36は、日ノ裏車37と係合するとともに、その先端36A に分針41が結合されたものとなっている。
日ノ裏車37は、二番車31と同軸に設けられた筒車38に、二番車31の回転駆動力を減速して伝達するものである。そして、筒車38は、その先端38A に時針42が結合されたものとなっている。
三番車32を介して二番車と係合する四番車33は、その先端33A に秒針43が結合されたものとなっている。これらの分針41、時針42および秒針43は、図示しない時刻を示す数字等が刻まれた文字板とともに、時刻を表示する時刻表示手段40を形成するものである。
【0034】
また、筒車38は、日付表示手段60に回転駆動力を伝達するものでもある。具体的には、筒車38は、日付表示手段60を形成する第1の歯車である日回し伝エ車61に係合し、この日回し伝エ車61は、日回し車62に係合している。日回し車62には、日付を表す数字が記されたリング状の日付板63を回転駆動するためのレバー64が設けられている。
レバー64は、日回し車62の回転方向が図中反時計方向のときにのみ、日回し車62の回転駆動力を日付を日付板63に伝え、日付板63を回転駆動するものとなっている。一方、日回し車62の回転方向が図中時計方向のときには、日回し車62の軸62A を支点にして回動し、レバー64から日付板63に回転駆動力が伝達されないようになっている。
これらの日回し伝エ車61、日回し車62およびレバー64を含んで、日付を表示する日付板63を日送り駆動する日送り手段が形成されている。この日送り手段は、前述したように、逆方向の回転駆動力では、日送り動作を行わない逆転防止機構を有するものとなっている。
このような時計1は、12時間計であり、指針41〜43の時刻表示周期は、12時間であるが、日付表示手段60を備えているので、日付表示手段60を含んだ時刻表示手段40の周期は、24時間となっている。
【0035】
再度、図1および図2に戻って、発電機10は、略環状に形成されるとともに、電磁コイル12が巻かれたステータ13を備え、ステータ13のギャップの間に、永久磁石からなるロータ11を回転自在に設けた交流発電機である。
ここで、電磁コイル12は、外部から供給される所定の磁力を受けて誘起電力を発生する電磁変換手段を兼用するものである。
なお、外部から供給される所定の磁力は、時計1とは別に設けられた充電用磁力発生装置2(図2にのみ示す)が発生するものである。この充電用磁力発生装置2は、電池あるいは商用電源から電力が供給されるものであり、磁気的に結合される電磁コイル2Aを備えている。
また、所定の磁力の周波数は、発電機10の1秒当たりの回転数に比べて著しく高いものとなっている。例えば、発電機10が1秒当たり8回転するものである場合、所定の磁力の周波数は、100Hz以上に設定されている。
【0036】
次に、巻印機構50について説明する。巻印機構50は、図6に示されるように、角穴車23および香箱車21A と係合し、ゼンマイ20が巻き締められると回転する角穴車23と、ゼンマイ20が巻き戻ると回転する香箱車21A との動きの差、換言すれば、時計1が駆動可能な残り時間を機械的に表示するものとなっている。
この巻印機構50としては、様々な構造のものが知られており、そのうち適宜なものを採用すればよいが、以下に、その一例を簡単に説明する。
【0037】
巻印機構50には、時計1が駆動可能な残り時間を示す指針51A が結合された巻印車51と、この巻印車51を駆動する太陽車52と、巻印車51および太陽車52との間に介装された巻印中間車53とを備えたものとなっている。
太陽車52は、支軸52A の一端に結合されたものである。支軸52A の他端には、図示しない太陽歯車が結合されている。この太陽歯車は、太陽車52と一体となって回転するようになっている。
【0038】
また、支軸52A には、第2太陽車54と、遊星中間歯車55とが同軸に設けられている。これらの第2太陽車54および遊星中間歯車55の各々は、互いに独立して回転自在とされ、かつ、支軸52A とも別個に回転自在となっている。
第2太陽車54は、香箱車21A と直接係合するものである。第2太陽車54には、支軸52A の周囲を公転する第1遊星車56および第2遊星車57が設けられている。これらの第1遊星車56および第2遊星車57は、図示しない回転軸で一体化され、一方が回転すると他方も回転するようになっている。第1遊星車56および第2遊星車57のうち、第1遊星車56が図示しない前述の太陽歯車と係合している。
遊星中間歯車55は、遊星伝エ車58を介して角穴車23と係合している。遊星中間歯車55の図中下面には、図示しないカナが設けられている。遊星中間歯車55のカナは、第2遊星車57と係合している。
【0039】
角穴車23の動き(回転)は、遊星伝エ車58、遊星中間歯車55、第2遊星車57、第1遊星車56、太陽歯車、太陽車52、巻印中間車53および巻印車51の順で伝達され、指針51A を一方向に駆動するようになっている。
ここで、第1遊星車56から太陽歯車への動きの伝達は、第1遊星車56の自転により行われるようになっている。
香箱車21A の動き(回転)は、第2太陽車54、第1遊星車56、太陽歯車、太陽車52、巻印中間車53および巻印車51の順で伝達され、指針51A を前述の方向とは反対方向に駆動するようになっている。
ここで、第1遊星車56から太陽歯車への動きの伝達は、第1遊星車56の自転ではなく、第1遊星車56の公転により行われるようになっている。
【0040】
このような巻印機構50は、角穴車23および香箱車21A が同時に回転すると、第1遊星車56が公転量と、第1遊星車56の自転量が互いに打ち消すように構成され、角穴車23と香箱車21A との回転量の差が生じると、指針51A が駆動されるようになっている。
なお、角穴車23および香箱車21A の回転速度が同一の場合、太陽歯車に伝達される動きが相殺され、指針51A が動かないようになっている。
【0041】
ここで、図6には示されていないが、巻印機構50の太陽車52には、当該太陽車52の回転角度位置が所定の角度以上となると接点が閉じ、所定の角度位置未満となると接点が開く回転角度検出スイッチ59が設けられている。
回転角度検出スイッチ59は、ゼンマイ20に蓄積されている機械的エネルギーの量を検出する蓄積エネルギー検出手段を形成するセンサであり、その設置数は、検出すべき機械的エネルギーの値に応じて設定される。
例えば、フル巻状態のゼンマイ20が、時計1を作動させる機械的エネルギーを50時間分蓄えるものである場合、回転角度検出スイッチ59は、ゼンマイ20が機械的エネルギーを26時間分蓄えているときの角度位置を検出するものと、機械的エネルギーを2時間分蓄えているときの角度位置を検出するものとの計2箇設けることができる。
【0042】
図1および図2に戻って、電子回路100 は、前述の水晶振動子100Aの他に、様々な回路が内部に設けられた集積回路100Bを備えている。
集積回路100Bには、図2に示されるように、水晶振動子100Aとともに発電機10のロータ11の回転数制御を行う計時動作制御手段101 と、発電機10を電動機として回転駆動させ、この回転駆動力でゼンマイ20に機械的エネルギーを蓄積させる蓄積動作実効手段110 と、計時動作および蓄積動作の一方から他方へ切り替える動作切替手段130 と、これらの計時動作制御手段101 および蓄積動作実効手段110 等に電力を安定供給するための電源回路140 とが設けられている。
【0043】
計時動作制御手段101 は、発電機10のロータ11の回転数を検出する回転数検出回路102 と、ロータ11の回転数制御の基準となる周波数で発信する発振回路103 と、この発振回路103 の出力信号を分周して、ロータ11が1秒間に回転すべき回転数に応じた基準周波数を生成する分周回路104 と、発電機10の電磁コイル12に流れる電流を調節することにより、ロータ11への電磁ブレーキを調節する調速回路105 と、ロータ11の回転数を所定の回転数に制御するために調速回路15へ所定の操作信号を出力するで回転速度制御回路106 とを備えたものである。
【0044】
このうち、回転数検出回路102 は、発電機10が出力する交流出力電圧に基づいてロータ11の回転数を検出するとともに、ロータ11の回転数信号をデューティ比制御回路115 へ送出するものである。
発振回路103 は、水晶振動子100Aにより常に安定した発振を行い、分周回路104 に常に一定の周波数の周期信号を送出するものである。
回転速度制御回路106 は、回転数検出回路102 からの回転数信号と、分周回路104 からの基準周波数信号とを比較し、その差に基づいて算出した操作信号を調速回路105 へ出力するものである。
操作信号は、例えば、High状態およびLow状態が交互に繰り返される矩形波電圧信号が採用でき、発電機10のロータ11の回転速度を遅らせる場合には、High状態時間のLow状態時間に対する割合、換言すれば、デューティ比を大きくし、これにより、電磁ブレーキの制動力を強める一方、発電機10のロータ11の回転速度を速くする場合には、デューティ比を小さくし、これにより、電磁ブレーキの制動力を弱めるものとなっている。
【0045】
電源回路140 は、発電機10が発電した交流電力を直流電力に変換する整流回路141 と、発電機10が発電し、さらに、整流回路141 が変換した直流電力を蓄積する電力蓄積手段である電力蓄積部142 とを備えたものである。
ここで、電力蓄積部142 は、外部磁力により発電機10の電磁コイル12が発生する誘起電力で充電される充電手段を兼用するものである。
なお、整流回路141 としては、ダイオードで整流するものも採用できるが、チョッパで整流するものの方が、整流回路を構成する素子の電圧降下が小さいので、好ましい。
【0046】
動作切替手段130 は、発電機10との接続を、計時動作制御手段101 および蓄積動作実効手段110 の一方から他方へ切り替えることにより、計時動作および蓄積動作の切替動作を行うものとなっている。動作切替手段130 には、蓄積動作実効手段110 に設けられている蓄積動作制御手段120 が出力する切替指令信号が入力されている。この切替指令信号に基づいて、動作切替手段130 は、切替動作を行うようになっている。
【0047】
蓄積動作実効手段110 は、外部から供給される所定の磁力を検出する外部磁力検出手段111 と、発電機10との接続を、電源回路140 の入力および出力の一方から他方へ切り替える充放電切替手段112 と、ゼンマイ20に機械的エネルギーを蓄積させる蓄積動作を制御する蓄積動作制御手段120 とを備えたものである。
【0048】
外部磁力検出手段111 は、時計1の外部に設けられた充電用磁力発生装置2から外部供給される所定の磁力を検出すると、蓄積動作を開始させる蓄積動作開始信号を蓄積動作制御手段120 に送出するものである。
外部磁力検出手段111 に設けられる磁力の検出方式としては、例えば、回転速度制御回路106 から調速回路105 へ送出される操作信号がLow状態であり、発電機10の電磁コイル12に電流が流れていないときに、計時動作制御手段101 等から電磁コイル12へ磁力検出パルスを送出し、この磁力検出パルスと外部磁力による誘起電圧とを重畳した信号を形成し、当該信号が所定のレベルを超えているか否かで、外部磁力を検出するパルス重畳方式を採用するのが好ましい。
あるいは、外部磁力検出手段111 の磁力検出方式としては、外部磁力検出手段111 に、所定磁力の周波数のみを通過させるバンドパスフィルターを設け、バンドパスフィルタから所定レベル以上の信号が出力されているか否かで、外部磁力を検出する周波数弁別方式等も採用できる。
【0049】
充放電切替手段112 は、蓄積動作制御手段120 が出力する電力パルス供給指令信号に基づいて切替動作を行うものであり、電力パルス供給指令信号が入力されている間は、電源回路140 の出力側の接点を閉じ、電源回路140 の電力蓄積部142 に蓄積された直流電力を発電機10に供給するようになっている。
換言すれば、充放電切替手段112 に入力される電力パルス供給指令信号は、発電機10に供給すべき電力パルスのパルス幅に応じた時間だけ継続されるものとなっており、充放電切替手段112 は、発電機10に供給する電力パルスを発生するものであるといえる。
また、充放電切替手段112 は、蓄積動作制御手段120 から電力パルス供給指令信号が送られてきていないときは、電源回路140 の出力側の接点を閉じ、発電機10の電磁コイル12で受電された電力(交流電力)を、整流回路141 で整流した直流にしたものを電力蓄積部142 に蓄積するようになっている。
【0050】
ここで、蓄積動作制御手段120 は、充放電切替手段112 を操作し、この充放電切替手段112 に、発電機10への電力パルス供給と、電力蓄積部142 への充電とを、交互に繰り返させるものとなっている。
なお、図2においては、充放電切替手段112 は、説明の便宜上、正極および負極のうち、一方の極性を有する電力パルスのみを発電機10に供給するものとなっているが、実際には、発電機10を交流電動機として円滑に回転駆動するために、正極の電力パルスおよび負極の電力パルスを交互に発電機10に供給する機能を有するものとなっている。
【0051】
蓄積動作制御手段120 は、ワンチップのマイクロコンピュータ等のインテリジェントを有する演算素子から形成されたものであり、内部の記憶素子に記録された各種のソフトウェアより、蓄積動作を制御するものとなっている。
すなわち、蓄積動作制御手段120 には、図7に示されるように、ゼンマイ20に機械的エネルギーを蓄積できるか否かを判定する判定手段121 と、ゼンマイ20に追加して蓄積できる機械的エネルギーの量を算定する蓄積可能量算定手段122 と、経過時間を把握するための内部計時手段123 と、蓄積動作の開始から時刻表示手段40の指示時刻が現在時刻と一致するまでの時刻一致時間が記憶された時刻一致時間記憶手段124 と、蓄積動作の開始から時刻一致時間が経過すると蓄積動作を終了させる蓄積動作終了手段125 と、動作切替手段130 を操作する作動切替制御手段126 と、充放電切替手段112 を操作する電力パルス制御手段127 とが、前述のソフトウェア等により設けられている。
【0052】
判定手段121 は、外部磁力検出手段111 からの蓄積動作開始信号を受信することにより、判定動作を行うものであり、この判定動作は、巻印機構50の回転角度検出スイッチ59の接点信号(ON-OFF信号)に基づき、時刻表示手段40の周期と同じ時間にわたり、計時動作を継続できる量の機械的エネルギーを、ゼンマイ20に蓄積できるか否かについて行われる。
例えば、ゼンマイ20の機械的エネルギーの総蓄積量が、計時動作時間に換算して50時間分である場合、ゼンマイ20の機械的エネルギー残量が25時間分であれば、判定手段121 は、蓄積動作を行えると判定する一方、ゼンマイ20の機械的エネルギー残量が40時間分であれば、蓄積動作を行えないと判定するようになっている。
判定手段121 は、蓄積動作が行えると判定すると、蓄積可能量算定手段122 、内部計時手段123 および作動切替制御手段126 のそれぞれに対し、蓄積動作可能信号を送出するようになっている。
【0053】
時刻一致時間記憶手段124 は、予め算出された時刻一致時間が複数種類記憶されたものである。
ここで、時刻一致時間とは、蓄積動作を開始してから、蓄積動作により逆転する時刻表示手段40の指示時刻が現在時刻と一致するまでの時間をいう。
さらに詳しく説明すると、時刻表示手段40の一周期について、時計1を連続駆動するのに要する機械的エネルギーの量を一蓄積単位とすると、時刻一致時間記憶手段124 に記憶される時刻一致時間としては、ゼンマイ20の機械的エネルギーの総蓄積量を超えない範囲で、一蓄積単位の整数倍にほぼ等しい量の機械的エネルギーをゼンマイ20に蓄積するのに要するの時間となり、複数の値が選択できる場合が多い。
【0054】
例えば、ゼンマイ20の機械的エネルギーの総蓄積量が、計時動作時間に換算して、50時間分であり、時刻表示手段40の一周期が24時間である場合、時刻一致時間記憶手段124 に記憶される時刻一致時間は、約24時間および約48時間の二つの値が採用できる。
なお、時刻表示手段40の一周期が24時間であり、一周期に時針42が文字板を二周、具体的には、720度回転する場合、時刻一致時間をT、ゼンマイ20に蓄積しようとする機械的エネルギーの蓄積単位数(正の整数)をn、通常の時針42の回転速度(度/秒)をv、蓄積動作時に時針42が逆回転する際の回転速度(度/秒)をaとすると、これらの時刻一致時間T、蓄積単位数n、回転速度vおよび逆回転速度aには、次の数1の関係が成り立つ。
【0055】
【数1】
(720×n)−(a×T)=v×T
【0056】
ここで、回転数vは、1/120(度/秒)であるので、v=1/120を数1に代入するとともに、数1を整理すると、時刻一致時間Tは、次の数2により求めることができる。
【0057】
【数2】
T=(86400×n)/(1+120×a)
【0058】
例えば、時針42の逆回転速度が通常の50倍の場合、約48時間分の機械的エネルギーをゼンマイ20に蓄積しようとする場合、蓄積単位数nは、1および2が採用でき、回転速度aは、5/12(度/秒)となるので、時刻一致時間Tとしては、n=1のときの約28分(約1694秒)と、n=2のときは、約56分(約3388秒)とが採用できる。
【0059】
蓄積可能量算定手段122 は、判定手段121 からの蓄積動作可能信号を受信することにより、算定動作を行うものであり、この算定動作は、巻印機構50の回転角度検出スイッチ59の接点信号(ON-OFF信号)に基づき、ゼンマイ20にこれから蓄積できる機械的エネルギーの蓄積単位数を算定し、算定した蓄積単位数を示す蓄積単位数信号を時刻一致時間記憶手段124 に送出するようになっている。
例えば、ゼンマイ20の機械的エネルギーの総蓄積量が、計時動作時間に換算して50時間分である場合、ゼンマイ20の機械的エネルギー残量が25時間分であれば、蓄積可能量算定手段122 は、蓄積単位数として「1」を算定し、算定した蓄積単位数「1」を時刻一致時間記憶手段124 に送出するようになっている。
また、ゼンマイ20の機械的エネルギー残量が1時間分であれば、蓄積可能量算定手段122 は、蓄積単位数として「2」を算定し、算定した蓄積単位数「2」を時刻一致時間記憶手段124 に送出するようになっている。
そして、蓄積単位数信号を受信した時刻一致時間記憶手段124 は、蓄積単位数信号が示す蓄積単位数に応じた時刻一致時間を蓄積動作終了手段125 へ出力するようになっている。
【0060】
内部計時手段123 は、計時動作制御手段101 の分周回路104 がら送られてくる基準周波数に基づいて、経過時間を計測するものであり、判定手段121 からの蓄積動作可能信号の受信により、計時動作を開始し、後述する蓄積動作終了手段125 からの蓄積動作終了信号の受信により、計時動作の終了と、計測値のリセットとを行うようになっている。
そして、内部計時手段123 が計時した計測結果である経過時間は、蓄積動作終了手段125 へ送出されるようになっている。
【0061】
蓄積動作終了手段125 は、時刻一致時間記憶手段124 から送られてきた時刻一致時間と、内部計時手段123 から送られてきた経過時間とを比較し、経過時間が時刻一致時間に一致すると、蓄積可能量算定手段122 、内部計時手段123 および作動切替制御手段126 のそれぞれに対し、蓄積動作終了信号を送出するものとなっている。
【0062】
作動切替制御手段126 は、判定手段121 からの蓄積動作可能信号を受信すると、動作切替手段130 を操作して、発電機10と計時動作制御手段101 とが接続されるように、動作切替手段130 の接点を切り替える一方、蓄積動作終了手段125 からの蓄積動作終了信号を受信すると、動作切替手段130 を操作して、発電機10と蓄積動作実効手段110 とが接続されるように、動作切替手段130 の接点を切り替えるものとなっている。
【0063】
電力パルス制御手段127 は、判定手段121 からの蓄積動作可能信号を受信すると、周期的に電力パルス供給指令信号を動作切替手段130 へ送出する一方、蓄積動作終了手段125 からの蓄積動作終了信号を受信すると、動作切替手段130 に対する電力パルス供給指令信号の送出を終了するものとなっている。
【0064】
次に、本実施形態の動作を図8を参照しながら説明する。
ただし、以下の説明では、説明の便宜を図るために、ゼンマイ20の機械的エネルギーの総蓄積量が、計時動作時間に換算して、50時間分とされ、時刻表示手段40の一周期が24時間とされ、さらに、時針42の逆回転速度が通常の50倍に設定されている時計を前提としているが、本発明は、50時間分のゼンマイおよび24時間周期の時刻表示手段を備えるとともに、時針の逆回転速度が通常の50倍に設定された時計に限定されるものではない。
【0065】
まず、電子制御式機械時計1のゼンマイ20が巻き上げられると、当該時計1は、発電を開始し、計時動作が開始される。計時動作が開始されると、蓄積動作プログラムも起動され、ステップS101において、外部磁力検出手段111 の磁力検出動作が行われ、ステップS102へ進む。
ステップS102で、外部磁力が検出されない場合は、ステップS101に戻り、外部磁力が検出されるまで、ステップS101およびステップS102を何度も繰り返す。
そして、当該時計1を充電用磁力発生装置2に設けられた充電テーブルに設置すると、時計1の内部に所定の磁力が到達し、外部磁力が検出されると、ステップS102からステップS103へ進み、ゼンマイ20に蓄積されている機械的エネルギーの残量Kを検出し、ステップS104へ進む。
【0066】
ステップS104および後述するステップS110では、判定手段20により、ゼンマイ20に蓄積されている機械的エネルギーの残量Kに基づき、蓄積動作が可能であるか否かが判定され、蓄積動作が可能である場合には、前述のステップS104, S110に続く、ステップS104およびステップS111において、蓄積可能量算定手段122 により、ゼンマイ20に蓄積可能な機械的エネルギーの蓄積単位数が算定される。
【0067】
すなわち、ステップS104において、機械的エネルギーの残量Kが2時間分以下であるか否かが判定され、ステップS104で、機械的エネルギーの残量Kが2時間分以下であると判定されると、ステップS105に進む。そして、ステップS105では、時刻一致時間Tを3388秒に設定し、この後、ステップS120へ進む。
一方、機械的エネルギーの残量Kが2時間分を超える場合には、ステップS110へ進む。
ステップS110において、機械的エネルギーの残量Kが26時間分以下であるか否かが判定され、ステップS110で、機械的エネルギーの残量Kが26時間分以下であると判定されると、ステップS111に進む。そして、ステップS111では、時刻一致時間Tを1694秒に設定し、この後、ステップS120へ進む。
【0068】
ステップS120では、内部計時手段123 の経過時間tが「0」にリセットされ、ステップS121に進み、ステップS121で、内部計時手段123 による計時が開始され、ステップS130へ進む。
ステップS130では、発電機10への電力パルスの供給が行われ、この後、ステップS131に進み、ステップS131では、外部磁力による電力蓄積部142 の充電が行われ、その後、ステップS132に進む。
ステップS132では、蓄積動作終了手段125 により、経過時間tが時刻一致時間Tに比較され、経過時間tが時刻一致時間Tに満たないときには、ステップS130まで戻り、ステップS130およびステップS131を再度行う。
一方、ステップS132で、経過時間tが時刻一致時間T以上となったら、ステップS140へ進む。
換言すると、ステップS130〜S132では、経過時間tが時刻一致時間Tに一致するまで、発電機10への電力パルスの供給と、外部磁力による電力蓄積部142 の充電とが何度も交互に繰り返して行われる。
【0069】
ステップS140では、終了処理がなされたか否かを判定し、終了処理がされていない場合は、ステップS101に戻り、終了処理がなされるまで、ステップS101からS140までが何度も繰り返される。
なお、終了処理は、調整作業員や保守作業員により操作されるサービス用の入力ツールを時計1に接続して行うようにし、一般ユーザーが行えないようにするのが好ましい。
また、ステップS140で終了処理がされたと判定された場合には、蓄積動作プログラムが終了し、再度、蓄積動作プログラムが起動されるまで、計時動作のみが行われるようになる。
【0070】
このような蓄積動作においては、例えば、図9(A)に示されるように、ゼンマイ20に蓄積されている機械的エネルギーの残量Kが2時間分となった午後9時に、時計1に蓄積動作を開始させると、ゼンマイ20の巻き上げにともない、指針41〜43が逆転し、約56分後には、約49時間分の機械的エネルギーがゼンマイ20に蓄積され、午後9時56分に蓄積動作が完了する。このとき、指針41〜43は、午後9時56分を表示する。
この蓄積動作の途中で、時針42は、0時を二度通過するが、日付表示手段60の逆転防止機構により、日付の変更はなされない。
【0071】
また、図9(B)に示されるように、ゼンマイ20に蓄積されている機械的エネルギーの残量Kが15時間分となった午後9時に、時計1に蓄積動作を開始させると、前述の場合と同様に、ゼンマイ20の巻き上げにともない、指針41〜43が逆転し、約28分後には、約38.5時間分の機械的エネルギーがゼンマイ20に蓄積され、午後9時28分に蓄積動作が完了する。このとき、指針41〜43は、午後9時28を表示する。
この蓄積動作の途中で、時針42は、0時を一度通過するが、日付表示手段60の逆転防止機構により、日付の変更はなされない。
さらに、図9(C)に示されるように、ゼンマイ20に蓄積されている機械的エネルギーの残量Kが40時間分の場合、これからゼンマイ20に蓄積できる機械的エネルギーの量が一蓄積単位に満たないので、蓄積動作は開始されない。
【0072】
前述のような本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、電子制御式機械時計1のゼンマイ20を巻き上げるにあたり、充電用磁力発生装置2が外部から供給する所定の磁力を、時計1の内部に設けられている発電機10の電磁コイル12で受け、この電磁コイル12が発生する誘起電力を整流して電力蓄積部142 に充電し、この電力蓄積部142 に充電された電力で、発電機10を電動機として回転駆動させ、この回転駆動力でゼンマイ20を巻き上げて、機械的エネルギーを蓄積するようにしたので、外部から供給される磁力としては、発電機10を直接駆動できる低い周波数のものを採用する必要がない。
このため、外部供給する磁力として、電磁コイル12に達するまでに、磁力の減衰が少ない高い周波数のものを採用することにより、時計1の外部から内部へ磁気エネルギーを効率よく伝送することができる。
また、電力蓄積部142 を設け、電磁コイル12から出力された電力を、直流に整流して電力蓄積部142 に蓄積し、さらに、電力蓄積部142 に蓄積された直流電力を、発電機10の回転させる電力パルスに変換したので、発電機10を効率よく回転駆動することができる。
しかも、電力蓄積部142 に蓄積された電力は、速やかに発電機10の回転駆動に費やされるので、電力蓄積部142 としては、容量の大きなものが必要なく、小型の電子制御式機械時計1の内部に設けても、何ら問題を生じさせない。
従って、外部から供給される所定の磁力により、発電機10を電動機として回転駆動させ、この回転駆動力でゼンマイ20に機械的エネルギーを確実に蓄積することができるうえ、ゼンマイ20への機械的エネルギーの蓄積動作は、蓄積動作制御手段120 が制御するので、蓄積動作を自動的に行うことができ、外部から供給される所定の磁力で、ゼンマイ20を容易かつ手軽に巻き上げることができる。
【0073】
また、発電機10に設けられている電磁コイル12で、外部磁力を受けるようにしたので、外部磁力を受ける電磁変換手段を別途設ける必要がなく、この点からも、小型の電子制御式機械時計1に電磁変換手段を設けても、何ら問題を生じさせないうえ、外部磁力を受けて電力に変換する受電動作と、発電機10のロータ11を回転させる磁界を発生する磁界発生動作とを同時に行う必要がないので、受電動作を行う時間帯と磁界発生動作を行う時間帯とが異なる時分割動作が可能となり、この時分割動作により、発電機10の電磁コイル12に電磁変換手段を兼用させても、受電動作および磁界発生動作を行うにあたり、何ら問題が生じない。
【0074】
さらに、発電機10が発電した電力を計時動作制御手段101 に安定供給するための電源回路140 の電力蓄積部142 に、外部磁力を変換した電力を充電するようにしたので、外部磁力を変換した電力を充電する充電手段を別途設ける必要がなく、小型の電子制御式機械時計1に充電手段を設けても、何ら問題が生じない。
また、前述したように、電力蓄積部142 に蓄積された電力は、速やかに発電機の回転駆動に費やされるので、電力蓄積部142 としては、容量の大きなものが必要なく、発電機10からの電力を整流する際に生じるリップルを吸収するための平滑コンデンサで充分であり、この点からも、小型の電子制御式機械時計1の内部に充電手段を設けても、何ら問題が生じない。
【0075】
さらに、経過時間を計測する内部計時手段123 を蓄積動作制御手段120 に設け、ゼンマイ20への機械的エネルギーの蓄積開始からの経過時間を計測するようにしたので、機械的エネルギーの蓄積開始から、ゼンマイ20が機械的エネルギーで満たされるまでの時間を予め算出しておき、この時間が経過したら、蓄積動作を自動的に終了させることができる。
これにより、ゼンマイ20に充分な機械的エネルギーを自動的に蓄積することができるうえ、機械的エネルギーでゼンマイ20が満されているのにもかかわらず、蓄積動作がそのまま続行されることが防止され、無駄なエネルギーの消費を低減することができる。
【0076】
また、蓄積動作を開始してから、蓄積動作により逆転する指針41〜43の指示時刻が現在時刻と一致するまでの時刻一致時間を予め算出しておき、この時刻一致時間を時刻一致時間記憶手段124 に記憶し、蓄積動作を開始してから時刻一致時間が経過したら、蓄積動作終了手段125 に蓄積動作を終了させるようにしたので、ゼンマイ20に機械的エネルギーを充分蓄積させることができるうえ、蓄積動作が終了した時点においては、指針41〜43の指示時刻が現在時刻と一致するので、時刻修正操作が不要となるうえ、蓄積動作が終了したら、通常の計時動作に自動的に切り替わるので、そのまま時計を使用することができ、時計1の使い勝手を良好なものにすることができる。
【0077】
さらに、ゼンマイ20に蓄積されている機械的エネルギーの量を検出する蓄積エネルギー検出手段としての回転角度検出スイッチ59を設け、機械的エネルギー源が機械的エネルギーで満されており、蓄積動作を行う必要がない場合には、回転角度検出スイッチ59の信号に基づき判定手段121 が蓄積動作を開始させないようにしたので、無駄なエネルギーの消費を低減できる。
【0078】
また、時刻表示手段40が24時間周期で同じ時刻を指示するものとされ、回転角度検出スイッチ59の検出結果に基づき、24時間にわたり、計時動作を継続できる量の機械的エネルギーをゼンマイ20に蓄積できるか否かを判定する判定手段121 を設けたので、計時動作を24時間継続できる量の機械的エネルギーをゼンマイ20に蓄積できない、換言すれば、ゼンマイ20に機械的エネルギーを蓄積する必要がない場合には、蓄積判定手段121 の判定により、蓄積動作制御手段120 は、蓄積動作を開始せず、一方、計時動作を24時間継続できる量の機械的エネルギーをゼンマイ20に蓄積できる場合には、蓄積動作制御手段120 は、蓄積判定手段121 の判定に基づき、蓄積動作を開始するため、ゼンマイ20に充分な機械的エネルギーを蓄積することができるうえ、蓄積動作完了後には、時刻表示手段40に現在時刻を正確に指示させることができる。
【0079】
さらに、ゼンマイ20の残量表示をするために、太陽車と遊星車とを備えた巻印機構50を設け、巻印機構50の太陽車52の回転角度位置を検出する回転角度検出スイッチ59を設け、太陽車52の回転角度位置から、ゼンマイ20に蓄積されている機械的エネルギーの量を正確に検出するようにしたので、時刻表示手段40の周期よりも若干長く計時動作を継続できる量の機械的エネルギーがゼンマイ20に蓄積されている場合にも、蓄積動作が可能であることが判定でき、ゼンマイ20に蓄積されている機械的エネルギーの量が微妙な場合でも、判定手段121 に正確な判定を行わせることができる。
【0080】
また、回転角度検出スイッチ59から送られてくる太陽車52の回転角度位置を示す信号に基づいて、ゼンマイ20に蓄積することができる機械的エネルギーの量を算定する蓄積可能量算定手段122 を設け、ゼンマイ20に蓄積することができる機械的エネルギーの量を算定したうえで、蓄積動作を開始するようにしたので、蓄積動作が終了した際に、時刻表示手段40が現在時刻を示した状態となるという条件を満たしたうえで、ゼンマイ20に蓄積できる機械的エネルギーの限界量を超過しない最大量の機械的エネルギーをゼンマイ20に蓄積することができる。
【0081】
さらに、時計1を12時間以上作動させることができる量、例えば、時計1を50時間連続的に作動させる量の機械的エネルギーを蓄積できるゼンマイ20を採用したので、ゼンマイ20の残量がある程度少なくなった場合、例えば、ゼンマイ20の残量が26時間分よりも少なくなった場合には、ゼンマイ20を巻き上げて、時刻表示手段40の指示時刻を現在時刻と一致させることができ、時刻表示手段40の時刻修正操作を確実に不要にすることができる。
【0082】
また、フル巻状態となったゼンマイ20が発生するトルクでは、摩擦によりゼンマイ20の外端と香箱21の内側面とを連結するとともに、所定値よりも大きなトルクが加わると、滑りによりゼンマイ20の外端と香箱21の内側面との連結を解除するスリッピングアタッチメント24を設けたので、外部雑音等により、万一、電子回路100 が誤動作し、ゼンマイ20が完全に巻上がっているにもかかわらず、発電機10の回転駆動が継続されても、巻き過ぎによるゼンマイ20の破損を未然に防止できるうえ、簡単な構造でゼンマイ20の破損防止が行え、しかも、スリッピングアタッチメント24は、嵩張ることがないので、小型の電子制御式機械時計1に設けても、何ら問題が生じることがない。
【0083】
さらに、日付を表示する日付表示手段60を設け、この日付表示手段60を日送り駆動する日送り手段に、逆転防止機構を設けたので、蓄積動作の途中で、時刻表示手段60が表示する時刻が午前零時を通過しても、日付変更が行われず、日付表示手段60の修正操作が不要となり、この点からも、時計1の使い勝手を向上することができる。
【0084】
また、充電用磁力発生装置2が時計1の外部から供給する所定の磁力を検出するとともに、外部磁力を検出すると、蓄積動作を開始させる蓄積動作開始信号を蓄積動作制御手段120 に送出する外部磁力検出手段111 を設け、充電用磁力発生装置2のテーブルの上に電子制御式機械時計1を置けば、外部磁力検出手段111 の充電用の磁力の検出により、蓄電動作が自動的に開始されるようにしたので、ゼンマイ20を巻き上げる際に、使用者が行う操作は、充電用磁力発生装置2の電源スイッチの操作だけとなり、ゼンマイ20への機械的エネルギーの蓄積操作を手軽に行うことができる。
【0085】
さらに、電力蓄積部142 と発電機10との接続を入り切りする充放電切替手段112 を設け、この充放電切替手段112 に入力される電力パルス供給指令信号の時間的長さを、発電機10に供給すべき電力パルスのパルス幅に応じた長さとしたので、発電機10に供給するのにふさわしい実効値を有する電力パルスが得られるようになり、発電機10の回転駆動を適切に行うことができる。
【0086】
また、充放電切替手段112 の動作により、電力蓄積部142 への充電と、発電機10への電力パルス供給とを、交互に繰り返すようにし、瞬間的な電力パルスで発電機10を回転駆動させ、電力パルスの供給後に、電力蓄積部142 に電力を蓄える時間を確保するようにしたので、電力蓄積部142 に、発電機10を駆動するのに充分な電力が蓄積され、発電機10を確実に回転駆動することができ、ひいては、ゼンマイ20への機械的エネルギーの蓄積も確実に行うことができる。
【0087】
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、次に示すような変形などをも含むものである。
例えば、前記実施形態では、発電機に設けられた電磁コイルに、外部磁力を受ける電磁変換手段を兼用させたが、電磁変換手段としては、発電機の電磁コイルとは別個に設けられたものでもよい。しかしながら、電磁コイルで電磁変換手段を兼用すれば、電子制御式機械時計の小型化を阻害しない効果が得られる。
【0088】
また、前記実施形態では、計時動作制御手段に安定供給するための電源回路に設けられた電力蓄積手段に、外部磁力を変換した電力で充電される充電手段を兼用させたが、電磁変換手段と同様に、充電手段としては、電源回路の電力蓄積手段とは別個に設けられたものでもよい。しかしながら、電磁変換手段で充電手段を兼用すれば、電子制御式機械時計の小型化を阻害しない効果が得られる。
【0089】
さらに、蓄積動作終了手段としては、予め算出しておいた時刻一致時間と、蓄積動作開始からの経過時間とを比較し、前述の時刻一致時間と経過時間とが一致したら、蓄積動作を終了させるものに限らず、時針および分針の回転角度位置を検出するとともに、検出した回転角度位置を示すデジタルデータを出力する回転角度検出器と、内部時計とを有し、回転角度検出器のデジタルデータに基づいて時刻表示手段の指示時刻を把握し、指示時刻が現在時刻と一致したら、蓄積動作を終了させる指針指示位置検出方式を採用したもの、あるいは、発電機の回転数をカウントするカウンタと、内部時計とを有し、蓄積動作を開始した蓄積動作開始時刻を記憶するとともに、回転駆動される発電機の回転数をカウントし、カウントした回転数と蓄積動作開始時刻とから、時刻表示手段の指示時刻を把握し、指示時刻が現在時刻と一致したら、蓄積動作を終了させる発電機回転数カウント逆算方式を採用したものでもよい。
【0090】
また、蓄積可能量算定手段としては、巻印機構の太陽車に設けたセンサ等から太陽車の回転角度位置を検出し、太陽車の回転角度位置から、ゼンマイに蓄積することができる機械的エネルギーの量を算定するものに限らず、ゼンマイがフル巻状態になったことを検出するフル巻検出スイッチと、フル巻状態からの運転時間を計測する運転時間計測手段とを備え、フル巻状態からの運転時間から、ゼンマイに蓄積することができる機械的エネルギーの量を算定するものでもよい。
【0091】
さらに、時計としては、日付表示手段のみを有するものに限らず、日付表示手段および曜日表示手段の両方を有するものや、日付表示手段および曜日表示手段の両方が省略されたものでもよい。日付表示手段および曜日表示手段の両方を省略すれば、時計が12時間計の場合、12時間がそのまま時刻表示手段の周期となる。
【0092】
また、時計としては、蓄積エネルギー検出手段を備えたものに限らず、蓄積エネルギー検出手段を省略したものでもよい。蓄積エネルギー検出手段を省略する場合、ゼンマイを収納する香箱にスリッピングアタッチメントを設けておけば、時刻表示手段の指示時刻が現在時刻と一致する前に、ゼンマイの巻き上げが完了しても、ゼンマイの破損が防止され、かつ、ゼンマイの巻き上げを手軽に行えるという効果は達成できる。
【0093】
さらに、時計としては、ゼンマイがフル巻状態となっても、時刻表示手段の指示時刻を現在時刻と一致するまで、蓄積動作を行うものでもよい。このような時計でも、ゼンマイを収納する香箱にスリッピングアタッチメントを設けておけば、ゼンマイの破損が防止され、かつ、ゼンマイの巻き上げを手軽に行えるという効果は達成できる。
【0094】
また、時計としては、外部供給される磁力を電磁変換手段で誘起電力に変換し、変換された誘起電力を充電手段に充電し、充電された誘起電力で発電機を電動機として回転駆動させることにより、蓄積動作を行うものに限らず、発電機とは別の巻上用電源、例えば、商用電力を供給する電力会社の電源、あるいは、電池から供給される電力で発電機を電動機として回転駆動させるものでもよい。
このような時計によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、機械的エネルギー源への機械的エネルギーの蓄積を時計自身が行うので、機械的エネルギー源に機械的エネルギーを蓄積させる操作を手動で行う必要がなく、機械的エネルギー源への機械的エネルギーの蓄積を、例えば、スイッチ操作一つで、容易に行うことができる。
そのうえ、機械的エネルギー源で発電機を駆動するので、高速回転する電動機や断続的に回転するステップモータ等とは異なり、駆動音が殆ど発生せず、寝室や書斎等に設置される置き時計や掛け時計として利用するのに最適な、静かな時計を実現できる。
しかも、機械的エネルギー源の機械的エネルギーが尽きるのに要する時間よりも短い周期で自動的に蓄積動作を行うようにするとともに、時計を利用する機会の少ない深夜に蓄積動作を行うように設定すれば、時計の停止を未然に防止することができるうえ、時計が現在時刻を指示できない蓄積動作が行われても、実質的な不都合を何ら生じさせない。
また、巻上用電源として商用電源を利用する場合、通常動作は、機械的エネルギー源に蓄積された機械的エネルギーで動作するので、商用電源が停電しても、時計は停止せず、計時動作を続行させることができ、商用電源の復旧後の時刻合わせを不要にできる。
さらに、巻上用電源として電池を利用する場合、機械的エネルギー源の機械的エネルギーが尽きるまでの時間に余裕を設けて蓄積動作を行うようにする、例えば、機械的エネルギーが尽きる一日前に蓄積動作を行うようにすれば、蓄積動作を行うにあたり、電池の電力が尽きていても、電池交換を行う余裕があるので、その旨を表示すれば、電池交換がなされ、時計が停止する前に、蓄積動作が行われるようになり、時計は停止せず、計時動作を続行させることができ、電池交換後の時刻合わせを不要にできる。
【0095】
さらに、以上のように、発電機を電動機として駆動し、発電機の駆動力で、ゼンマイ等の機械的エネルギー源に機械的エネルギーを蓄積させる時計としては、標準時刻電波を受信し、この標準時刻電波に含まれる標準時刻データにより時刻を修正する時刻修正機能を備えたものも採用できる。
このような時刻修正機能を備えた時計では、標準時刻電波を受信するためのアンテナを、発電機の電磁コイルで兼用し、この電磁コイルで受信した標準時刻電波から標準時刻データを抽出し、この標準時刻データを利用することにより、蓄積動作の際に時刻表示手段の時刻修正を行うことが可能となる。
具体的に説明すれば、時針、分針および秒針の回転角度位置を検出するとともに、検出した回転角度位置を示すデジタルデータを出力する回転角度検出器と、回転角度検出器のデジタルデータから時針、分針および秒針が示す時刻を検知する指示時刻検知手段とを時計に設け、蓄積動作が完了する所定時間前、例えば、数十秒前に、標準時刻電波の受信と、標準時刻データの抽出とを開始し、時計の時針、分針および秒針が示す時刻と、標準時刻データが示す時刻とが一致したら、蓄積動作を終了するようにすれば、時計は、正確な時刻を示した状態で、通常の計時動作に移行するようになり、蓄積動作と時刻修正動作とが同時に行われるようになる。
ここで、標準時刻電波の周波数は、メガヘルツのオーダーであるのに対し、充電用磁力発生装置が発生する充電用の外部磁力は、数百ヘルツのオーダーであり、標準時刻電波は、充電用の外部磁力に比べて著しく高い周波数の電波信号となるので、標準時刻電波と外部磁力との弁別は、フィルタ等で容易に行え、発電機の電磁コイルで受信アンテナを兼用しても、外部磁力の受信中に、標準時刻電波を受信することができる。
【0096】
【発明の効果】
前述のように本発明によれば、外部から供給される所定の磁力により、機械的エネルギー源に機械的エネルギーを容易に蓄積することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の概略構成を示す斜視図である。
【図2】前記実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【図3】前記実施形態に係るスリッピングアタッチメントを示す平面図である。
【図4】前記実施形態に係る別のスリッピングアタッチメントを示す平面図である。
【図5】前記実施形態に係る日付表示手段を示す斜視図である。
【図6】前記実施形態に係る巻印機構を示す斜視図である。
【図7】前記実施形態に係る蓄積動作制御手段を示すブロック図である。
【図8】前記実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】前記実施形態の動作を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 電子制御式機械時計
10 発電機
12 電磁コイル
20 機械的エネルギー源としてのゼンマイ
21 香箱
24 連結手段としてのスリッピングアタッチメント
24B 連結手段としてのスリッピングアタッチメント
40 時刻表示手段
50 巻印機構
52 太陽車
56 遊星車
57 遊星車
59 蓄積エネルギー検出手段のセンサである回転角度検出スイッチ
60 日付表示手段
101 計時動作制御手段
111 外部磁力検出手段
120 蓄積動作制御手段
121 判定手段
123 内部計時手段
125 蓄積動作終了手段
140 電源回路
142 電力蓄積手段としての電力蓄積部
122 蓄積可能量算定手段

Claims (15)

  1. 機械的エネルギーの蓄積および供給を行う機械的エネルギー源と、この機械的エネルギー源により駆動されて発電する発電機と、前記発電機に連動して作動する時刻表示手段を備え、前記発電機の回転速度を調節することにより、時刻表示を行う電子制御式機械時計であって、
    外部供給される磁力を受けて誘起電力を発生する電磁変換手段と、
    この電磁変換手段が発生する誘起電力で充電される充電手段と、
    前記発電機が発電する電力で駆動するとともに、前記発電機の回転速度を調節することで、計時動作を制御する計時動作制御手段と、
    前記充電手段に充電された誘起電力で前記発電機を電動機として回転駆動させ、この回転駆動力で前記機械的エネルギー源に機械的エネルギーを蓄積させる蓄積動作を制御する蓄積動作制御手段と、
    を備えていることを特徴とする電子制御式機械時計。
  2. 請求項1に記載の電子制御式機械時計において、前記発電機に設けられている電磁コイルが前記電磁変換手段を兼用していることを特徴とする電子制御式機械時計。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電子制御式機械時計において、前記発電機が発電した電力を前記計時動作制御手段に安定供給するための電源回路が設けられ、前記電源回路には、前記発電機が発電した電力を蓄積する電力蓄積手段が設けられ、前記電力蓄積手段が前記充電手段を兼用していることを特徴とする電子制御式機械時計。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の電子制御式機械時計において、前記蓄積動作制御手段には、経過時間を把握するための内部計時手段が設けられていることを特徴とする電子制御式機械時計。
  5. 請求項4に記載の電子制御式機械時計において、前記蓄積動作を開始してから、前記蓄積動作により逆転する前記時刻表示手段の指示時刻が現在時刻と一致するまでの時刻一致時間が予め算出され、前記蓄積動作制御手段には、前記時刻一致時間が記憶されるとともに、前記蓄積動作を開始してから前記時刻一致時間が経過すると、前記蓄積動作を終了させる蓄積動作終了手段が設けられていることを特徴とする電子制御式機械時計。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の電子制御式機械時計において、前記機械的エネルギー源に蓄積されている機械的エネルギーの量を検出する蓄積エネルギー検出手段を備えていることを特徴とする電子制御式機械時計。
  7. 請求項6に記載の電子制御式機械時計において、 前記時刻表示手段は、所定の周期毎に同じ時刻を指示するものとされ、前記蓄積動作制御手段には、前記蓄積エネルギー検出手段の検出結果に基づき、前記時刻表示手段の周期と同じ時間にわたり、計時動作を継続できる量の機械的エネルギーを前記機械的エネルギー源に蓄積できるか否かを判定する判定手段が設けられ、この判定手段が前記継続できる量の機械的エネルギーを前記機械的エネルギー源に蓄積できないと判定した場合には、前記蓄積動作制御手段は、前記蓄積動作を開始しないものとなっていることを特徴とする電子制御式機械時計。
  8. 請求項6または請求項7に記載の電子制御式機械時計において、前記機械的エネルギー源としてゼンマイが採用され、当該電子制御式機械時計の持続時間残量を指示する巻印機構が設けられ、前記巻印機構は、太陽車と遊星車とを備え、前記蓄積エネルギー検出手段は、前記太陽車の回転角度位置を検出するセンサを含んで構成されていることを特徴とする電子制御式機械時計。
  9. 請求項8に記載の電子制御式機械時計において、前記蓄積動作制御手段には、前記センサから送られてくる前記太陽車の回転角度位置を示す信号に基づいて、前記ゼンマイに蓄積することができる機械的エネルギーの量を算定する蓄積可能量算定手段が設けられていることを特徴とする電子制御式機械時計。
  10. 請求項8または請求項9に記載の電子制御式機械時計において、前記ゼンマイは、香箱内に収納され、前記ゼンマイの外端を香箱の内側面に連結する連結手段が設けられ、この固定手段は、フル巻状態の前記ゼンマイが発生するトルクに抗して、前記ゼンマイの外端と香箱の内側面との連結を維持するとともに、所定値よりも大きなトルクが加わると、前記ゼンマイの外端と香箱の内側面との連結を解除するものであることを特徴とする電子制御式機械時計。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の電子制御式機械時計において、日付を表示する日付表示手段および曜日を表示する曜日表示手段の少なくとも一方を備え、前記日付表示手段および前記曜日表示手段の少なくとも一方を日送り駆動する日送り手段が設けられ、前記日送り手段は、前記蓄積動作における逆方向の回転駆動力では、日送り動作を行わない逆転防止機構を有することを特徴とする電子制御式機械時計。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の電子制御式機械時計において、前記外部供給される所定の磁力を検出するとともに、当該外部磁力を検出すると、前記蓄積動作を開始させる蓄積動作開始信号を前記蓄積動作制御手段に送出する外部磁力検出手段が設けられていることを特徴とする電子制御式機械時計。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の電子制御式機械時計において、前記発電機を電動機として回転駆動させるために、前記発電機には、電力パルスが供給されるようになっていることを特徴とする電子制御式機械時計。
  14. 請求項13に記載の電子制御式機械時計において、前記蓄積動作制御手段は、前記充電手段への充電と、前記発電機への電力パルス供給とを、交互に繰り返させるものであることを特徴とする電子制御式機械時計。
  15. 機械的エネルギーの蓄積および供給を行う機械的エネルギー源と、この機械的エネルギー源により駆動されて発電する発電機と、前記発電機に連動して作動する時刻表示手段を備え、前記発電機の回転速度を調節することにより、時刻表示を行う電子制御式機械時計であって、
    前記発電機が発電する電力で駆動するとともに、前記発電機の回転速度を調節することで、計時動作を制御する計時動作制御手段と、
    前記発電機とは別の巻上用電源から供給される電力で前記発電機を電動機として回転駆動させ、この回転駆動力で前記機械的エネルギー源に機械的エネルギーを蓄積させる蓄積動作を制御する蓄積動作制御手段と、
    を備えていることを特徴とする電子制御式機械時計。
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