JP3702141B2 - 防錆剤及びその製造方法 - Google Patents

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    • C23FNON-MECHANICAL REMOVAL OF METALLIC MATERIAL FROM SURFACE; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL; MULTI-STEP PROCESSES FOR SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL INVOLVING AT LEAST ONE PROCESS PROVIDED FOR IN CLASS C23 AND AT LEAST ONE PROCESS COVERED BY SUBCLASS C21D OR C22F OR CLASS C25
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    • C23F11/08Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent in other liquids
    • C23F11/10Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent in other liquids using organic inhibitors
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    • C09K15/00Anti-oxidant compositions; Compositions inhibiting chemical change
    • C09K15/34Anti-oxidant compositions; Compositions inhibiting chemical change containing plant or animal materials of unknown composition

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化反応をコントロールする防錆剤及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の酸化反応制御は、酸化還元反応を化学的に操作する方法が採られている。例えば、廃液処理のためにpH調整剤(酸化還元剤)を使用したり、金属表面の酸化防止のために防錆油の塗布や電気化学的防食方法を行うことが行われている。しかし、酸化反応による被酸化物の表面形態依存性と薬剤の劣化による酸化防止効果低下により、これらの方法では酸化反応の抑制効果はあるものの完全に反応を停止できない。
【0003】
しかし、特公平3−63593号公報に開示されているように、二価三価鉄塩を含む活性配合物は、生物活性作用、イオン化抑制作用等の極めて興味ある作用が存在することがわかった。このような活性配合剤は、塩化第二鉄をカセイソーダ水溶液に投入し溶解させる工程1と、該溶液を塩酸で中和する工程2と、該中和した溶液を濃縮して結晶を得る工程3と、該結晶をアルコール−水混合液に溶解し、該溶液をろ過後濃縮して結晶を得る工程4と、該結晶と塩化ナトリウムとを混合する工程5の各工程から製造されるものである。そして、このようにして製造された活性配合物は単独、もしくはアルミニウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、植物繊維、蛋白質等の付加物が配された複合体として従来の化学的に操作する方法による酸化反応の抑制に劣らない効果を示した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の二価三価鉄塩を含む活性配合物の製造方法は、複雑な手順を必要とし、その上、それにより得られる活性配合物の収率は非常に悪いという問題点があった。また、この活性配合物を廃水処理などの水処理に利用する時には、上述したとおり、多大の時間と手間がかかるため、水処理コストが化学的に操作する方法に比べて高くなってしまうという問題点があった。
【0005】
本発明は上述した事情より成されたものであり、本発明の目的は、低コストでしかも簡便に酸化還元反応を制御することが可能な防錆剤及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、酸化還元反応を制御することができる防錆剤及びその製造方法に関するものであり、本発明の上記目的は、ビタミンCと、ビタミンEとコエンザイムQとから選択される2種以上の物質の組合わせを有効成分とする防錆剤であって、前記2種以上の物質の濃度は4.0〜7.0×10−12mol/lであることによって効果的に達成される。また、本発明の上記目的は、ビタミンCと、ビタミンEとコエンザイムQとから選択される1種以上の物質と、カテキンとの組合せを有効成分とする防錆剤であって、前記1種以上の物質の濃度は4.0〜7.0×10−12mol/lであることによって、或いはビタミンCと、ビタミンEとコエンザイムQとから選択される1種以上の物質と、カラーゼから選択される1種以上の物質との組合せを有効成分とする防錆剤であって、前記1種以上の物質と前記カラーゼとの各濃度は3.0〜5.0×10−10mol/lであることによって、或いはビタミンCと、ビタミンEとコエンザイムQとから選択される1種以上の物質と、カテキンと、カラーゼとの組合せを有効成分とする防錆剤であって、前記カラーゼの濃度は1.0〜3.0×10−12mol/lまたは8.0〜10.0×10−12mol/lであることによってより効果的に達成される。
【0007】
更に、本発明の上記目的は、防錆剤を製造する方法として、ビタミンCと、ビタミンEとコエンザイムQとから選択される2種以上の物質をそれぞれ適当な溶媒に溶解して、更に水で希釈した後に、各希釈水溶液を任意の比率で混合し、前記2種以上の物質の濃度が4.0〜7.0×10−12mol/lとなるまで希釈することによって効果的に達成される。また、本発明の上記目的は、ビタミンCと、ビタミンEとコエンザイムQとから選択される1種以上の物質とカテキンとをそれぞれ適当な溶媒に溶解して、更に水で希釈した後に、各希釈水溶液を任意の比率で混合し、前記1種以上の物質の濃度が4.0〜7.0×10−12mol/lとなるまで希釈することによって、或いはビタミンCと、ビタミンEとコエンザイムQとから選択される1種以上の物質とカラーゼとをそれぞれ適当な溶媒に溶解して、更に水で希釈した後に、各希釈水溶液を任意の比率で混合し、前記1種以上の物質と前記カラーゼとの各濃度を3.0〜5.0×10−10mol/lとなるまで希釈することによって、或いはビタミンCと、ビタミンEとコエンザイムQとから選択される1種以上の物質とカテキンとカラーゼとをそれぞれ適当な溶媒に溶解して、更に水で希釈した後に、各希釈水溶液を任意の比率で混合し、前記カラーゼの濃度を1.0〜3.0×10−12mol/lまたは8.0〜10.0×10−12mol/lとなるまで希釈することによってより効果的に達成される。
【0008】
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明の防錆剤の製造に用いられる物質は、次に示される4つのグループのうちいずれか1つのグループから選択されるものである。その4つのグループとは、(1)ビタミンCと、ビタミンEとコエンザイムQとから選択される2種以上の物質、(2)ビタミンC、ビタミンEとコエンザイムQから選択される1種以上の物質とカテキン、(3)ビタミンC、ビタミンEとコエンザイムQから選択される1種以上の物質とカタラーゼ、そして(4)ビタミンC、ビタミンEとコエンザイムQから選択される1種以上の物質とカテキンとカラーゼである
【0009】
本発明においては、上述した1つのグループの中から選択される物質をそれぞれ適当な溶媒に目的に応じた適量を溶解する。この際に用いられる溶媒としては、上記の化合物を溶解することができるものであればよく、特に制限はないが、容易に入手することができ、取り扱いが比較的容易であるという点や人体への影響を考慮して、水、エタノール、酢酸などの溶媒が好ましい。適当な溶媒に溶解された各物質は、更に水で希釈される。希釈された各水溶液は、任意の割合で混合される。混合された水溶液は、溶解成分の全ての成分或は一つの成分が酸化反応の抑制を行うのに適当な濃度となるように、更に水で希釈される。このようにして調整された希釈水溶液は、酸化還元反応を制御するための防錆剤として使用される
【0010】
以上の防錆剤を製造する過程において、溶媒に溶解する物質の量は、その物質の種類や防錆剤を使用する目的等に応じて決定されるものであり、また、各水溶液を混合する割合についても、防錆剤を使用する目的等に応じて決定されるものである。
【0011】
また、以上の防錆剤の製造において、ビタミンC、ビタミンEとコエンザイムQカテキン、そして抗酸化性のカタラーゼは、水溶液中での活性酸素の発生を抑制するので、酸化反応を抑制する働きがある。このような各物質の性質を利用して、防錆剤作成の原料物質の組合せとして、上述した4つのグループが好ましいものとなる。
【0012】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明は当該実施例によって何ら限定されるものではない。
【0013】
実施例1
(実験目的)
溶質として(1)のグループを使用し、ビタミン及びビタミン様物質から、3種以上の物質を選択し、この3種の溶質から調整される水溶液を混合し、混合された水溶液の濃度を種々に変化させた。種々の濃度の水溶液に3.3重量%の塩化ナトリウムを混入することにより腐食環境を作り出した。これらの水溶液に鉄くぎを入れて1ヶ月間放置して、酸化反応の抑制効果について観察した。
【0014】
(実験方法)
溶質として、ビタミンC、ビタミンE、そしてコエンザイムQを選択した。
(1)ビタミンC(10mmol)を水(1リットル)に溶解させ、更に水で10,000倍に希釈する。
(2)ビタミンE(0.1mmol)を水(1リットル)に溶解させ、更に水で100倍に希釈する。
(3)コエンザイムQ(0.1mmol)を水(1リットル)に溶解させ、更に水で100倍に希釈する。
(4)(1)〜(3)の希釈水溶液を1:1:1の割合で混合する。
(5)(4)で混合した水溶液を更に水で1,000倍に希釈する。
(6)(5)で希釈した水溶液を用いて溶解成分の濃度が1.0×10-11〜1.0×10-12mol/lの範囲で10段階の濃度の水溶液を調整する。
(7)(6)で用意した種々の濃度の水溶液に重量比3.3%の割合で塩化ナトリウムを溶解させ、腐食環境を作った。
(8)(7)で腐食環境にしたそれぞれの水溶液中に鉄くぎを入れ、密栓をした後に冷暗所に室温で1ヶ月間放置した。対照試料として、重量比3.3%の塩化ナトリウム水溶液のみに鉄くぎを入れ、密栓をしたものを用意し、同様に冷暗所に室温で1ヶ月間放置した。
【0015】
(結果)
1ヶ月間放置した各試料における鉄さびを回収し、鉄さび発生量を測定した。その結果を表1に示す。
【0016】
【表1】
Figure 0003702141
【0017】
表1に見られるように、重量比3.3%の塩化ナトリウム水溶液のみに浸漬させたものは、21.2mgの鉄さびが発生したが、ビタミン及びビタミン様物質の溶解成分の濃度が、4.0〜7.0×10-12mol/lの時の鉄さび発生量は、0.3〜2.1mgと極めて少量であり、酸化反応の抑制効果が顕著に現れた。一方、他の濃度においては、鉄さびの発生量はかなり多い。これらのことから、ビタミン及びビタミン様物質による酸化反応抑制効果を示す最適濃度領域が存在する。
【0018】
実施例2
(実験目的)
溶質として(1)のグループを使用し、ビタミン及びビタミン様物質から、3種の物質を選択し、3種の水溶液の混合比を実施例1の場合とは変えて混合し、混合された水溶液の濃度を種々に変化させた。これらの種々の濃度の水溶液に3.3重量%の塩化ナトリウムを混入することにより腐食環境を作り出した。これらの水溶液に鉄くぎを入れて2週間放置して、酸化反応の抑制効果について観察した。
【0019】
(実験方法)
溶質として、ビタミンC、ビタミンE、そしてコエンザイムQを選択した。
(1)ビタミンC(10mmol)を水(1リットル)に溶解させ、更に水で10,000倍に希釈する。
(2)ビタミンE(0.1mmol)を水(1リットル)に溶解させ、更に水で100倍に希釈する。
(3)コエンザイムQ(0.1mmol)を水(1リットル)に溶解させ、更に水で100倍に希釈する。
(4)(1)〜(3)の希釈水溶液を0.01:1:1の割合で混合する。
(5)(4)で混合した水溶液を更に水で1,000倍に希釈する。
(6)(5)で希釈した水溶液を用いてビタミンEの濃度が1.0×10-11〜1.0×10-12mol/lの範囲になるように希釈調整する。
(7)(6)で調整した各濃度の水溶液の中で、例えばビタミンEの6.0×10-12mol/lを原水とする。この原水に更に水を加えて10倍(n=0〜19)に希釈する。
(8)(7)で調整した各濃度の水溶液に重量比3.3%の割合で塩化ナトリウムを加え、溶解させる。
(9)(8)で腐食環境にしたそれぞれの水溶液中に鉄くぎを入れ、密栓をした後に冷暗所に室温で2週間放置した。対照試料として、重量比3.3%の塩化ナトリウム水溶液のみに鉄くぎを入れ、密栓したものを用意し、同様に冷暗所に室温で2週間放置した。
【0020】
(結果)
ビタミンE6.0×10-12mol/lを原水として10倍(n=0〜19)に希釈した水溶液に鉄くぎを入れ、2週間放置した後に鉄さび発生量を測定した。その結果を表2に示す。
【0021】
【表2】
Figure 0003702141
【0022】
表2に見られるように、濃度6.0×10-12mol/lのビタミンE水溶液を10倍(n=0〜19)に希釈したものに鉄くぎを浸漬させた場合、n=2〜3,5〜8,11〜14では鉄さびが、3.3重量%塩化ナトリウム水溶液のみに浸漬させた場合と同等かそれ以上の量発生するのに対して、これら以外の希釈濃度では鉄さびはほとんど発生しない。従って、n=2〜3,5〜8,11〜14以外の倍率で希釈した水は、酸化反応の抑制効果がある。
【0023】
実施例3(実験目的)溶質として(2)のグループを使用し、ビタミンC、ビタミンEとコエンザイムQから選択される2種の物質とカテキンとを選択した。この3種の溶質をそれぞれ適当な溶媒に溶解し、水で希釈した後に、これらの水溶液を任意の割合で混合し、混合された水溶液の濃度を種々に変化させた。種々の濃度の水溶液に、3.3重量%の塩化ナトリウムを混入することにより腐食環境を作り出した。これらの水溶液に鉄くぎを入れて1ヶ月間放置して、酸化反応の抑制効果について観察した。
【0024】
(実験方法)
溶質として、ビタミンE、コエンザイムQ、カテキンを選択した。
(1)ビタミンE(0.1mmol)を水(1リットル)に溶解させ、更に水で100倍に希釈する。
(2)コエンザイムQ(0.1mmol)を水(1リットル)に溶解させ、更に水で100倍に希釈する。
(3)カテキン(10mmol)を水(1リットル)に溶解させ、更に水で10,000倍に希釈する。
(4)(1)〜(3)の希釈水溶液を2:1:1の割合で混合する。
(5)(4)で混合した水溶液を更に水で1,000倍に希釈する。
(6)(5)で混合希釈した水溶液を用いて溶解成分うちコエンザイムQの濃度が1.0×10-10〜1.0×10-12mol/lの範囲になるように希釈調整する。
(7)(6)で調整した各濃度の水溶液に3.3重量%の塩化ナトリウムを加え、溶解させ、腐食環境を作る。
(8)(7)で腐食環境にしたそれぞれの水溶液中に鉄くぎを入れ、密栓をした後に冷暗所に室温で1ヶ月間放置した。対照試料として、3.3重量%の塩化ナトリウム水溶液のみに鉄くぎを入れ、密栓したものを用意し、同様に冷暗所に室温で1ヶ月間放置した。
【0025】
(結果)
コエンザイムQの濃度を種々に変化させた水溶液に塩化ナトリウムを3.3重量%を溶解させ、1ヶ月間放置したときの鉄さび発生量を測定した結果を表3に示す。
【0026】
【表3】
Figure 0003702141
【0027】
この表3よりコエンザイムQの濃度が、4.0〜7.0×10-11mol/lのときに、鉄さびの発生量は低減しており、この範囲において酸化反応抑制効果が存在する。
【0028】
実施例4(実験目的)溶質として(3)のグループを使用し、ビタミンC、ビタミンEとコエンザイムQから選択される1種の物質とカタラーゼとを選択した。この2種の溶質をそれぞれ適当な溶媒に溶解し、水で希釈した後に、これらの水溶液を任意の割合で混合し、混合された水溶液の濃度を種々に変化させた。種々の濃度の水溶液に、3.3重量%の塩化ナトリウムを混入することにより腐食環境を作り出した。これらの水溶液に鉄くぎを入れて1ヶ月間放置して、酸化反応の抑制効果について観察した。
【0029】
(実験方法)
溶質として、コエンザイムQとカタラーゼを選択した。
(1)コエンザイムQ(0.1mmol)を水(1リットル)に溶解させ、更に水で100倍に希釈する。
(2)カタラーゼ(10mmol)を水(1リットル)に溶解させ、更に水で10,000倍に希釈する。
(3)(1)と(2)の希釈水溶液を1:1の割合で混合する。
(4)(3)で混合した水溶液を更に水で1,000倍に希釈する。
(5)(4)で混合希釈した水溶液を用いて溶解成分の濃度が1.0×10-9〜1.0×10-11mol/lの範囲になるように希釈調整する。
(6)(5)で調整した各濃度の水溶液に重量比3.3重量%の割合で塩化ナトリウムを加えて溶解させ、腐食環境を作る。
(7)(6)で腐食環境にしたそれぞれの水溶液中に鉄くぎを入れ、密栓をした後に冷暗所に室温で1ヶ月間放置した。対照試料として、重量比3.3重量%の塩化ナトリウム水溶液のみに鉄くぎを入れ、密栓したものを用意し、同様に冷暗所に室温で1ヶ月間放置した。
【0030】
(結果)
溶解成分の濃度を種々に変化させた水溶液に塩化ナトリウムを3.3重量%を溶解させ、1ヶ月間放置したときの鉄さび発生量を測定した結果を表4に示す。
【0031】
【表4】
Figure 0003702141
【0032】
この表4よりコエンザイムQとカタラーゼの各濃度が、3.0〜5.0×10-10mol/lのときに、鉄さびの発生量は低減しており、この範囲において酸化反応抑制効果が存在する。この範囲以外の濃度範囲では、3.3重量%塩化ナトリウム水溶液のみに浸漬させた場合と同等か、それ以上の鉄さび発生量となっている。
【0033】
実施例5(実験目的)溶質として(4)のグループを使用し、ビタミンC、ビタミンEとコエンザイムQから選択される2種の物質とカテキンとカタラーゼとを選択した。これらの4種の溶質をそれぞれ適当な溶媒に溶解し、水で希釈した後に、これらの水溶液を任意の割合で混合し、混合された水溶液の濃度を種々に変化させた。種々の濃度の水溶液に、3.3重量%の塩化ナトリウムを混入することにより腐食環境を作り出した。これらの水溶液に鉄くぎを入れて1ヶ月間放置して、酸化反応の抑制効果について観察した。
【0034】
(実験方法)
溶質として、ビタミンE、コエンザイムQ、カテキン、そしてカタラーゼを選択した。
(1)ビタミンE(0.1mmol)を水(1リットル)に溶解させ、更に水で100倍に希釈する。
(2)コエンザイムQ(0.1mmol)を水(1リットル)に溶解させ、更に水で100倍に希釈する。
(3)カテキン(10mmol)を水(1リットル)に溶解させ、更に水で10,000倍に希釈する。
(4)カタラーゼ(10mmol)を水(1リットル)に溶解させ、更に水で10,000倍に希釈する。
(5)(1)〜(4)の希釈水溶液を4:3:2:1の割合で混合する。
(6)(5)で混合した水溶液を更に水で1,000倍に希釈する。
(7)(6)で混合希釈した水溶液を用いて溶解成分のカタラーゼの濃度が1.0×10-11〜1.0×10-12mol/lの範囲になるように希釈調整する。
(8)(7)で調整した各濃度の水溶液に3.3重量%の塩化ナトリウムを加えて溶解させ、腐食環境を作る。
(9)(8)で腐食環境にしたそれぞれの水溶液中に鉄くぎを入れ、密栓をした後に冷暗所に室温で1ヶ月間放置した。対照試料として、3.3重量%の塩化ナトリウム水溶液のみに鉄くぎを入れ、密栓したものを用意し、同様に冷暗所に室温で1ヶ月間放置した。
【0035】
(結果)
溶解成分のうちのカタラーゼの濃度を種々に変化させた水溶液に塩化ナトリウムを3.3重量%を溶解させ、1ヶ月間放置したときの鉄さび発生量を測定した結果を表5に示す。
【0036】
【表5】
Figure 0003702141
【0037】
この表5よりカタラーゼの濃度が、1.0〜3.0×10-12mol/l、8.0〜10×10-12mol/lのときに、鉄さびの発生量は低減しており、この範囲において酸化反応抑制効果が存在する。この範囲以外の濃度範囲では、3.3重量%塩化ナトリウム水溶液のみに浸漬させた場合と同等か、それ以上の鉄さび発生量となっている。
【0038】
【発明の効果】
本発明によって、酸化反応を抑制することが可能なビタミンC、ビタミンEとコエンザイムQからなる希薄水溶液、ビタミンC、ビタミンEとコエンザイムQ及びカテキンとからなる希薄水溶液、ビタミンC、ビタミンEとコエンザイムQ及びカタラーゼとからなる希薄水溶液、ビタミンC、ビタミンEとコエンザイムQカテキン、及びカタラーゼとからなる希薄水溶液を製造することが可能となる。これらそれぞれの希薄水溶液中の溶質成分の濃度を調整することで、酸化反応の抑制の程度を変化させることが可能となる。これらそれぞれの希薄水溶液中の溶質成分の濃度を調整することで、酸化反応の抑制の程度を変化させることが可能となる。そのため、使用に応じて適切な濃度に調整することが必要である。又、従来の防錆剤よりも低濃度で防錆効果を発現することができ、処理コストを低減することができる。更に実施例に示したように、本発明の防錆剤は、複雑な工程を含まないので容易に製造することができる。

Claims (8)

  1. ビタミンCと、ビタミンEとコエンザイムQとから選択される2種以上の物質の組合わせを有効成分とする防錆剤であって、前記2種以上の物質の濃度は4.0〜7.0×10−12mol/lであることを特徴とする防錆剤
  2. ビタミンCと、ビタミンEとコエンザイムQとから選択される1種以上の物質と、カテキンとの組合せを有効成分とする防錆剤であって、前記1種以上の物質の濃度は4.0〜7.0×10−12mol/lであることを特徴とする防錆剤
  3. ビタミンCと、ビタミンEとコエンザイムQとから選択される1種以上の物質と、カラーゼから選択される1種以上の物質との組合せを有効成分とする防錆剤であって、前記1種以上の物質と前記カラーゼとの各濃度は3.0〜5.0×10−10mol/lであることを特徴とする防錆剤
  4. ビタミンCと、ビタミンEとコエンザイムQとから選択される1種以上の物質と、カテキンと、カラーゼとの組合せを有効成分とする防錆剤であって、前記カラーゼの濃度は1.0〜3.0×10−12mol/lまたは8.0〜10.0×10−12mol/lであることを特徴とする防錆剤
  5. ビタミンCと、ビタミンEとコエンザイムQとから選択される2種以上の物質をそれぞれ適当な溶媒に溶解して、更に水で希釈した後に、各希釈水溶液を任意の比率で混合し、前記2種以上の物質の濃度が4.0〜7.0×10−12mol/lとなるまで希釈することを特徴とする防錆剤の製造方法。
  6. ビタミンCと、ビタミンEとコエンザイムQとから選択される1種以上の物質とカテキンとをそれぞれ適当な溶媒に溶解して、更に水で希釈した後に、各希釈水溶液を任意の比率で混合し、前記1種以上の物質の濃度が4.0〜7.0×10−12mol/lとなるまで希釈することを特徴とする防錆剤の製造方法。
  7. ビタミンCと、ビタミンEとコエンザイムQとから選択される1種以上の物質とカラーゼとをそれぞれ適当な溶媒に溶解して、更に水で希釈した後に、各希釈水溶液を任意の比率で混合し、前記1種以上の物質と前記カラーゼとの各濃度を3.0〜5.0×10−10mol/lとなるまで希釈することを特徴とする防錆剤の製造方法。
  8. ビタミンCと、ビタミンEとコエンザイムQとから選択される1種以上の物質とカテキンとカラーゼとをそれぞれ適当な溶媒に溶解して、更に水で希釈した後に、各希釈水溶液を任意の比率で混合し、前記カラーゼの濃度を1.0〜3.0×10−12mol/lまたは8.0〜10.0×10−12mol/lとなるまで希釈することを特徴とする防錆剤の製造方法。
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