JP3701749B2 - プリンター - Google Patents
プリンター Download PDFInfo
- Publication number
- JP3701749B2 JP3701749B2 JP18947996A JP18947996A JP3701749B2 JP 3701749 B2 JP3701749 B2 JP 3701749B2 JP 18947996 A JP18947996 A JP 18947996A JP 18947996 A JP18947996 A JP 18947996A JP 3701749 B2 JP3701749 B2 JP 3701749B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ink
- roller
- ribbon
- endless ribbon
- tension
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として事務機器として使用され得るプリンターに関する。
【０００２】
【従来の技術】
コンピュータや通信機器等の発達により、現在、普通紙や感熱紙等の特殊紙を用いる各種のプリンターが開発され、市販されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
これらのプリンターに要求されるのは、印刷の鮮明さと印刷速度であり、更にカラー印刷時の色再現性や装置の小型化，印刷物の低価格化の問題である。
【０００４】
本発明は、これらの問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、小型且つ安価であるにも拘わらず、高速且つ鮮明な印刷を行うことができるプリンターを提供しようとするものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によるプリンターは、インキタンクと、インキタンク内に貯留された熱溶融インキ中に一部が浸されて回転するインキ供給ローラーと、該インキ供給ローラーに転接して所定の張力をもって走行するインキ搬送用エンドレスリボンと、該エンドレスリボンの裏面に摺接する電極ヘッドと、前記インキ供給ローラーと前記電極ヘッドとの間で前記エンドレスリボンにより搬送される熱溶融インキを固化させる冷却手段と、前記エンドレスリボンを挾んで前記電極ヘッドに転接するゴムブランケットローラーと、印画紙を挾んで前記ゴムブランケットローラーに転接するヒートローラーとを備えたプリンターにおいて、前記エンドレスリボンは、表面に整列された多数のグラビアセルを有する導電性薄膜帯と、該導電性薄膜帯の裏面に形成された抵抗体層と、前記導電性薄膜帯の両側部に設けられた補強帯とから成っていて、最外列に配置されたグラビアセルは、前記エンドレスリボンの位置検出手段として役立てられるようになっていることを特徴とする。
【０００７】
又、本発明によれば、前記補強帯には、その長さ方向に沿って多数のパーフォレーションが等間隔に穿設されており、前記インキ供給ローラーと電極ヘッドとの間には、前記パーフォレーションに係合するリボン駆動用のスプロケットホィールと、該スプロケットホィールに対向する側に配置されたテンションローラーとが設けられていて、前記スプロケットホィールは前記エンドレスリボンの幅方向に張力を付与し、前記テンションローラーは前記エンドレスリボンの長さ方向に張力を付与するようになっている。
【０００８】
更に、本発明によれば、前記電極ヘッドは、前記エンドレスリボンの導電性薄膜帯の幅方向全体に亘って前記グラビアセルに対応して配列された多数の電極と、端面間に該電極の端面を露出せしめるように前記多数の電極を挾持する一対の電気絶縁部材とから成っている。
【０００９】
更に本発明によれば、前記インキタンクと、インキ供給ローラーと、スプロケットホィールと、電極ヘッドと、テンションローラーと、冷却手段とは共通のブラケットに支持されていて、インキ搬送用エンドレスリボンと共にユニットを成している。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図示した一実施例を参照して説明する。図１はプリンターユニットの基本構成を示す概略側面図、図２はインキ搬送用エンドレスリボンの一部を示す斜視図、図３はグラビアセルの配置を示す拡大斜視図、図４は電極ヘッドを含めて示す図２のIV−IV線に沿う拡大部分断面図、図５は電極ヘッドの構造を示す一部破断斜視図である。
【００１２】
図１において、１は底部に加熱手段１ａを設けた適当な大きさのインキタンク、２はインキタンク１内に溶融状態で貯留された低融点インキ中に一部が浸されて回転するように装架されたインキ供給ローラー、３は後述するインキ搬送用エンドレスリボンをインキ供給ローラー２に押し付けるように回転可能に装架されたプレスローラー、４は図示しない駆動装置により回転可能に装架されたスプロケットホィール、５はインキ搬送用エンドレスリボンの裏面に摺接して該リボンを後述するゴムブランケットローラーに押し付けることができるように装架された電極ヘッド、６はインキ搬送用エンドレスリボンに所定の張力を付与することができるように回転可能に装架されたテンションローラー、７はプレスローラー３，スプロケットホィール４，電極ヘッド５及びテンションローラー６間に掛けられていて一定の張力状態の下で矢印方向へ回動するインキ搬送用エンドレスリボン、８はインキ供給ローラー２によりインキ搬送用エンドレスリボン７へ移されたインキを該リボン７の表面から掻き落とすためのドクターブレード、９はインキ搬送用エンドレスリボン７により搬送される熱溶融インキを冷却するためのファン、１０はインキ搬送用エンドレスリボン７の側縁に対向配置された光検出器、１１はインキ搬送用エンドレスリボン７の表面に転接するように装架されたゴムブランケットローラー、１２はゴムブランケットローラー１１との間に印画紙（普通紙）Ｐを挾んでゴムブランケットローラー１１の回転に従って印画紙Ｐを送り出すことができるように回転可能に装架されたヒートローラーである。なお、ゴムブランケットローラー１１とヒートローラー１２を除く上記の各部材は、単一のブラケットＢに支持されていて、ユニットをなしている。
【００１３】
インキ搬送用エンドレスリボン７は、図２乃至４に明示したように、一定の間隔で配列配置された多数のグラビアセル７ａを有する金属シート又は金属の蒸着されたポリアミドの如き耐熱樹脂シートから成る導電性薄膜帯７ｂと、その裏面に形成された抵抗体層７ｃと、導電性薄膜帯７ｂの両側部に設けられていて所定間隔で穿設された多数のパーフォレーション７ｄを有する補強帯７ｅとから成っている。グラビアセル７ａはエッチング技術等を利用して形成され、最外列に配置されたグラビアセルは光検出器１０に対向するようになっている。又、パーフォレーション７ｄはスプロケットホィール４と係合して、スプロッケトホィール４の回転によりエンドレスリボン７が送行せしめられるようになっている。又、抵抗体層７ｃはカーボンや金属酸化物等を塗布するか蒸着するか或いはイオンプレーティングすることにより形成される。
【００１４】
電極ヘッド５は、図４及び５に明示したように、合成樹脂板又はセラミック板等の一対の電気絶縁板５ａによりタングステンやタンタルの如き耐摩耗性の多数の電極５ｂを挾持した如き構造をなしていて、電極５ｂは、エンドレスリボン７の幅方向に配列された一連のグラビアセル７ａに対応した間隔で配列され、一対の電気絶縁板５ａは接着剤により電極５ｂを挟んだ状態で一体に接着されている。電極ヘッド５の下方には各電極５ｂへの接続端子５ｂ′が突出している。尚、一対の電気絶縁板５ａはプリント回路基板として用いることもできるので、電極ヘッド５内に電極駆動回路を組み込むことができ、その場合は接続端子５ｂ′は不用となる。
【００１５】
本発明に係るプリンターは上記のように構成されているが、以下その作用を説明する。インキ搬送用エンドレスリボン７は、前述のようにテンションローラー６により長手方向に一定の張力が与えられ、又、スプロケットホィール４とパーフォレーション７ｄとの係合によりその幅方向にも一定の張力が与えられた状態で定速送行せしめられる。従って、エンドレスリボン７のグラビアセル７ａ内には、インキ供給ローラー２とプレスローラー３とドクターブレード８の協働作用により、夫々一定量の熱溶融インキが充填される。この場合、各セル内に充填された熱溶融インキＩは、表面張力により図４に示すように表面中央部が若干凹んだ状態で、ファン９からの送風により冷却されて固化する。
【００１６】
かくして固化した各セル内のインキは、エンドレスリボン７の走行により順次電極ヘッド５の位置へ搬送されるが、エンドレスリボン７の幅方向に配列された一列のグラビアセル７ａが各電極５ｂと夫々対向する毎に各電極５ｂに予め制御された個々の大きさの電圧が瞬時印加される。この場合、エンドレスリボン７は共通電極となっているから、各グラビアセル毎に印加される電圧の大きさに応じて各グラビアセル内の固化インキに与えられるエネルギー（電流）の大きさが異なり、そのエネルギー量に応じて各セル内のインキの溶融範囲が異なる。かくして、この溶融範囲に対応した量の熱溶融インキＩがゴムブランケットローラー１１の表面にドット状に転移せしめられる。この場合、ゴムブランケットローラー１１の表層は軟質のゴムで形成されているから、表面張力による前記凹みにも良くなじみ、溶融範囲に対応した量のインキを忠実に転移させる。電圧印加のタイミングは最外列のグラビアセルに対向する光検出器１０からの出力の変化により制御され、各セルへ供給される電圧の大きさはコンピューター出力により得られる印刷されるべき画像信号又は文字信号により制御されるようになっている。
【００１７】
かくして得られたゴムブランケットローラー１１上に順次形成される熱溶融インキドットは、印画紙Ｐと接触する位置へ移動するまでの間に一旦固化し、印画紙Ｐに接してヒートローラー１２により再溶融と同時に押圧されることにより、印画紙Ｐに転移される。この場合、各グラビアセル７ａ内よりゴムブランケットローラー１１上へ転移されるインキ量は、印画紙Ｐ上で各ドットの大きさの違いとして現われて実質上濃度の差となるから、印画紙Ｐ上に印刷された画像は原画の忠実な再現となる。
【００１８】
以上の説明で明らかなように、本装置はユニットとして構成されているから、通常の印刷のほか特色印刷の場合にも、その色専用のユニットと交換するだけで直ちに所望の色の印刷を行うことができ、又、シアン，マゼンタ，イエロー，ブラックの各単色ユニットを直列に並べて使用すれば簡単にフルカラー印刷を行うことができる。その上、色ユニットの追加により金，銀，蛍光色等自由に選択可能である。
【００１９】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、多数のグラビアセルを有するインキ搬送用エンドレスリボンにより搬送時にはインキを固化した状態となし、インキ転移時のみインキを瞬間的に溶融し、ゴムブランケットローラーを用いて印刷するようにしたから、どんな種類の紙やシート，フィルム等にも高速で印刷を行うことができ、非常に高解像度で鮮やかな印刷画像を得ることができるばかりか、画像再現性の優れたプリンターを比較的安価に提供することができる。
【００２０】
又、本発明によれば、インキ搬送用リボンはエンドレスであるばかりか、グラビアセルを有する導電性薄膜帯の両側部に補強帯が設けられているから、長期間に亘り安定にインキを供給することができて繰り返し使用でき、ランニングコストの安い省資源プリンターを提供することができる。
【００２１】
さらに本発明によれば、装置全体をユニットに構成することができるから、特色を何色でも増やすことができ、フルカラー印刷も簡単且つ廉価に行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係るプリンターユニットの基本構成を示す概略側面図である。
【図２】インキ搬送用エンドレスリボンの一部を示す斜視図である。
【図３】グラビアセルの配置を示す拡大斜視図である。
【図４】電極ヘッドを含めて示す図２のIV−IV線に沿う拡大部分断面図である。
【図５】電極ヘッドの構造を示す一部破断斜視図である。
【符号の説明】
１ インキタンク
２ インキ供給ローラー
３ プレスローラー
４ スプロケットホィール
５ 電極ヘッド
５ａ 一対の電気絶縁板
５ｂ 電極
６ テンションローラー
７ インキ搬送用エンドレスリボン
７ａ グラビアセル
７ｂ 導電性薄膜帯
７ｃ 抵抗体層
７ｄ パーフォレーション
７ｅ 補強帯
８ ドクターブレード
９ ファン
１０ 光検出器
１１ ゴムブランケットローラー
１２ ヒートローラー
Ｂ ブラケット
Ｉ インキ
Ｐ 印画紙
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として事務機器として使用され得るプリンターに関する。
【０００２】
【従来の技術】
コンピュータや通信機器等の発達により、現在、普通紙や感熱紙等の特殊紙を用いる各種のプリンターが開発され、市販されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
これらのプリンターに要求されるのは、印刷の鮮明さと印刷速度であり、更にカラー印刷時の色再現性や装置の小型化，印刷物の低価格化の問題である。
【０００４】
本発明は、これらの問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、小型且つ安価であるにも拘わらず、高速且つ鮮明な印刷を行うことができるプリンターを提供しようとするものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によるプリンターは、インキタンクと、インキタンク内に貯留された熱溶融インキ中に一部が浸されて回転するインキ供給ローラーと、該インキ供給ローラーに転接して所定の張力をもって走行するインキ搬送用エンドレスリボンと、該エンドレスリボンの裏面に摺接する電極ヘッドと、前記インキ供給ローラーと前記電極ヘッドとの間で前記エンドレスリボンにより搬送される熱溶融インキを固化させる冷却手段と、前記エンドレスリボンを挾んで前記電極ヘッドに転接するゴムブランケットローラーと、印画紙を挾んで前記ゴムブランケットローラーに転接するヒートローラーとを備えたプリンターにおいて、前記エンドレスリボンは、表面に整列された多数のグラビアセルを有する導電性薄膜帯と、該導電性薄膜帯の裏面に形成された抵抗体層と、前記導電性薄膜帯の両側部に設けられた補強帯とから成っていて、最外列に配置されたグラビアセルは、前記エンドレスリボンの位置検出手段として役立てられるようになっていることを特徴とする。
【０００７】
又、本発明によれば、前記補強帯には、その長さ方向に沿って多数のパーフォレーションが等間隔に穿設されており、前記インキ供給ローラーと電極ヘッドとの間には、前記パーフォレーションに係合するリボン駆動用のスプロケットホィールと、該スプロケットホィールに対向する側に配置されたテンションローラーとが設けられていて、前記スプロケットホィールは前記エンドレスリボンの幅方向に張力を付与し、前記テンションローラーは前記エンドレスリボンの長さ方向に張力を付与するようになっている。
【０００８】
更に、本発明によれば、前記電極ヘッドは、前記エンドレスリボンの導電性薄膜帯の幅方向全体に亘って前記グラビアセルに対応して配列された多数の電極と、端面間に該電極の端面を露出せしめるように前記多数の電極を挾持する一対の電気絶縁部材とから成っている。
【０００９】
更に本発明によれば、前記インキタンクと、インキ供給ローラーと、スプロケットホィールと、電極ヘッドと、テンションローラーと、冷却手段とは共通のブラケットに支持されていて、インキ搬送用エンドレスリボンと共にユニットを成している。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図示した一実施例を参照して説明する。図１はプリンターユニットの基本構成を示す概略側面図、図２はインキ搬送用エンドレスリボンの一部を示す斜視図、図３はグラビアセルの配置を示す拡大斜視図、図４は電極ヘッドを含めて示す図２のIV−IV線に沿う拡大部分断面図、図５は電極ヘッドの構造を示す一部破断斜視図である。
【００１２】
図１において、１は底部に加熱手段１ａを設けた適当な大きさのインキタンク、２はインキタンク１内に溶融状態で貯留された低融点インキ中に一部が浸されて回転するように装架されたインキ供給ローラー、３は後述するインキ搬送用エンドレスリボンをインキ供給ローラー２に押し付けるように回転可能に装架されたプレスローラー、４は図示しない駆動装置により回転可能に装架されたスプロケットホィール、５はインキ搬送用エンドレスリボンの裏面に摺接して該リボンを後述するゴムブランケットローラーに押し付けることができるように装架された電極ヘッド、６はインキ搬送用エンドレスリボンに所定の張力を付与することができるように回転可能に装架されたテンションローラー、７はプレスローラー３，スプロケットホィール４，電極ヘッド５及びテンションローラー６間に掛けられていて一定の張力状態の下で矢印方向へ回動するインキ搬送用エンドレスリボン、８はインキ供給ローラー２によりインキ搬送用エンドレスリボン７へ移されたインキを該リボン７の表面から掻き落とすためのドクターブレード、９はインキ搬送用エンドレスリボン７により搬送される熱溶融インキを冷却するためのファン、１０はインキ搬送用エンドレスリボン７の側縁に対向配置された光検出器、１１はインキ搬送用エンドレスリボン７の表面に転接するように装架されたゴムブランケットローラー、１２はゴムブランケットローラー１１との間に印画紙（普通紙）Ｐを挾んでゴムブランケットローラー１１の回転に従って印画紙Ｐを送り出すことができるように回転可能に装架されたヒートローラーである。なお、ゴムブランケットローラー１１とヒートローラー１２を除く上記の各部材は、単一のブラケットＢに支持されていて、ユニットをなしている。
【００１３】
インキ搬送用エンドレスリボン７は、図２乃至４に明示したように、一定の間隔で配列配置された多数のグラビアセル７ａを有する金属シート又は金属の蒸着されたポリアミドの如き耐熱樹脂シートから成る導電性薄膜帯７ｂと、その裏面に形成された抵抗体層７ｃと、導電性薄膜帯７ｂの両側部に設けられていて所定間隔で穿設された多数のパーフォレーション７ｄを有する補強帯７ｅとから成っている。グラビアセル７ａはエッチング技術等を利用して形成され、最外列に配置されたグラビアセルは光検出器１０に対向するようになっている。又、パーフォレーション７ｄはスプロケットホィール４と係合して、スプロッケトホィール４の回転によりエンドレスリボン７が送行せしめられるようになっている。又、抵抗体層７ｃはカーボンや金属酸化物等を塗布するか蒸着するか或いはイオンプレーティングすることにより形成される。
【００１４】
電極ヘッド５は、図４及び５に明示したように、合成樹脂板又はセラミック板等の一対の電気絶縁板５ａによりタングステンやタンタルの如き耐摩耗性の多数の電極５ｂを挾持した如き構造をなしていて、電極５ｂは、エンドレスリボン７の幅方向に配列された一連のグラビアセル７ａに対応した間隔で配列され、一対の電気絶縁板５ａは接着剤により電極５ｂを挟んだ状態で一体に接着されている。電極ヘッド５の下方には各電極５ｂへの接続端子５ｂ′が突出している。尚、一対の電気絶縁板５ａはプリント回路基板として用いることもできるので、電極ヘッド５内に電極駆動回路を組み込むことができ、その場合は接続端子５ｂ′は不用となる。
【００１５】
本発明に係るプリンターは上記のように構成されているが、以下その作用を説明する。インキ搬送用エンドレスリボン７は、前述のようにテンションローラー６により長手方向に一定の張力が与えられ、又、スプロケットホィール４とパーフォレーション７ｄとの係合によりその幅方向にも一定の張力が与えられた状態で定速送行せしめられる。従って、エンドレスリボン７のグラビアセル７ａ内には、インキ供給ローラー２とプレスローラー３とドクターブレード８の協働作用により、夫々一定量の熱溶融インキが充填される。この場合、各セル内に充填された熱溶融インキＩは、表面張力により図４に示すように表面中央部が若干凹んだ状態で、ファン９からの送風により冷却されて固化する。
【００１６】
かくして固化した各セル内のインキは、エンドレスリボン７の走行により順次電極ヘッド５の位置へ搬送されるが、エンドレスリボン７の幅方向に配列された一列のグラビアセル７ａが各電極５ｂと夫々対向する毎に各電極５ｂに予め制御された個々の大きさの電圧が瞬時印加される。この場合、エンドレスリボン７は共通電極となっているから、各グラビアセル毎に印加される電圧の大きさに応じて各グラビアセル内の固化インキに与えられるエネルギー（電流）の大きさが異なり、そのエネルギー量に応じて各セル内のインキの溶融範囲が異なる。かくして、この溶融範囲に対応した量の熱溶融インキＩがゴムブランケットローラー１１の表面にドット状に転移せしめられる。この場合、ゴムブランケットローラー１１の表層は軟質のゴムで形成されているから、表面張力による前記凹みにも良くなじみ、溶融範囲に対応した量のインキを忠実に転移させる。電圧印加のタイミングは最外列のグラビアセルに対向する光検出器１０からの出力の変化により制御され、各セルへ供給される電圧の大きさはコンピューター出力により得られる印刷されるべき画像信号又は文字信号により制御されるようになっている。
【００１７】
かくして得られたゴムブランケットローラー１１上に順次形成される熱溶融インキドットは、印画紙Ｐと接触する位置へ移動するまでの間に一旦固化し、印画紙Ｐに接してヒートローラー１２により再溶融と同時に押圧されることにより、印画紙Ｐに転移される。この場合、各グラビアセル７ａ内よりゴムブランケットローラー１１上へ転移されるインキ量は、印画紙Ｐ上で各ドットの大きさの違いとして現われて実質上濃度の差となるから、印画紙Ｐ上に印刷された画像は原画の忠実な再現となる。
【００１８】
以上の説明で明らかなように、本装置はユニットとして構成されているから、通常の印刷のほか特色印刷の場合にも、その色専用のユニットと交換するだけで直ちに所望の色の印刷を行うことができ、又、シアン，マゼンタ，イエロー，ブラックの各単色ユニットを直列に並べて使用すれば簡単にフルカラー印刷を行うことができる。その上、色ユニットの追加により金，銀，蛍光色等自由に選択可能である。
【００１９】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、多数のグラビアセルを有するインキ搬送用エンドレスリボンにより搬送時にはインキを固化した状態となし、インキ転移時のみインキを瞬間的に溶融し、ゴムブランケットローラーを用いて印刷するようにしたから、どんな種類の紙やシート，フィルム等にも高速で印刷を行うことができ、非常に高解像度で鮮やかな印刷画像を得ることができるばかりか、画像再現性の優れたプリンターを比較的安価に提供することができる。
【００２０】
又、本発明によれば、インキ搬送用リボンはエンドレスであるばかりか、グラビアセルを有する導電性薄膜帯の両側部に補強帯が設けられているから、長期間に亘り安定にインキを供給することができて繰り返し使用でき、ランニングコストの安い省資源プリンターを提供することができる。
【００２１】
さらに本発明によれば、装置全体をユニットに構成することができるから、特色を何色でも増やすことができ、フルカラー印刷も簡単且つ廉価に行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係るプリンターユニットの基本構成を示す概略側面図である。
【図２】インキ搬送用エンドレスリボンの一部を示す斜視図である。
【図３】グラビアセルの配置を示す拡大斜視図である。
【図４】電極ヘッドを含めて示す図２のIV−IV線に沿う拡大部分断面図である。
【図５】電極ヘッドの構造を示す一部破断斜視図である。
【符号の説明】
１ インキタンク
２ インキ供給ローラー
３ プレスローラー
４ スプロケットホィール
５ 電極ヘッド
５ａ 一対の電気絶縁板
５ｂ 電極
６ テンションローラー
７ インキ搬送用エンドレスリボン
７ａ グラビアセル
７ｂ 導電性薄膜帯
７ｃ 抵抗体層
７ｄ パーフォレーション
７ｅ 補強帯
８ ドクターブレード
９ ファン
１０ 光検出器
１１ ゴムブランケットローラー
１２ ヒートローラー
Ｂ ブラケット
Ｉ インキ
Ｐ 印画紙
Claims (4)
- インキタンクと、該インキタンク内に貯留された熱溶融インキ中に一部が浸されて回転するインキ供給ローラーと、該インキ供給ローラーに転接して所定の張力をもって走行するインキ搬送用エンドレスリボンと、該エンドレスリボンの裏面に摺接する電極ヘッドと、前記インキ供給ローラーと前記電極ヘッドとの間で前記エンドレスリボンにより搬送される熱溶融インキを固化させる冷却手段と、前記エンドレスリボンを挾んで前記電極ヘッドに転接するゴムブランケットローラーと、印画紙を挾んで前記ゴムブランケットローラーに転接するヒートローラーとを備えたプリンターにおいて、前記エンドレスリボンは、表面に整列された多数のグラビアセルを有する導電性薄膜帯と、該導電性薄膜帯の裏面に形成された抵抗体層と、前記導電性薄膜帯の両側部に設けられた補強帯とから成っていて、最外列に配置された前記グラビアセルは、前記エンドレスリボンの位置検出手段として役立てられるようになっていることを特徴とするプリンター。
- 前記補強帯には、その長さ方向に沿って多数のパーフォレーションが等間隔に穿設されており、前記インキ供給ローラーと前記電極ヘッドとの間には、前記パーフォレーションに係合するリボン駆動用のスプロケットホィールと、該スプロケットホィールに対向する側に配置されたテンションローラーとが設けられていて、前記スプロケットホィールは前記リボンの幅方向に張力を付与し、前記テンションローラーは前記リボンの長さ方向に張力を付与するようになっている請求項１に記載のプリンター。
- 前記電極ヘッドは、前記エンドレスリボンの導電性薄膜帯の幅方向全体に亘って前記グラビアセルに対応して配列された多数の電極と、端面間に該電極の端面を露出せしめるように前記多数の電極を挾持する一対の電気絶縁部材とから成っている請求項１に記載のプリンター。
- 前記インキタンクと、インキ供給ローラーと、スプロケットホィールと、電極ヘッドと、テンションローラーと、冷却手段とは共通のブラケットに支持されていて、前記インキ搬送用エンドレスリボンと共にユニットを成している請求項２に記載のプリンター。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18947996A JP3701749B2 (ja) | 1996-07-18 | 1996-07-18 | プリンター |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18947996A JP3701749B2 (ja) | 1996-07-18 | 1996-07-18 | プリンター |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1034988A JPH1034988A (ja) | 1998-02-10 |
| JP3701749B2 true JP3701749B2 (ja) | 2005-10-05 |
Family
ID=16241958
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18947996A Expired - Fee Related JP3701749B2 (ja) | 1996-07-18 | 1996-07-18 | プリンター |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3701749B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8922611B1 (en) | 2013-10-09 | 2014-12-30 | Markem-Imaje Corporation | Apparatus and method for thermal transfer printing |
| US10449781B2 (en) | 2013-10-09 | 2019-10-22 | Dover Europe Sarl | Apparatus and method for thermal transfer printing |
| US11040548B1 (en) | 2019-12-10 | 2021-06-22 | Dover Europe Sarl | Thermal transfer printers for deposition of thin ink layers including a carrier belt and rigid blade |
| CN115406166A (zh) * | 2022-07-21 | 2022-11-29 | 广西真龙彩印包装有限公司 | 一种高效型凹印生产油墨冷却装置 |
-
1996
- 1996-07-18 JP JP18947996A patent/JP3701749B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH1034988A (ja) | 1998-02-10 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| KR850001085A (ko) | 프랭킹(franking)장치 | |
| US6879333B2 (en) | Resistive ribbon thermal print head and printer using the same | |
| JP3279759B2 (ja) | 情報媒体に情報を定着させるための加熱装置 | |
| US4571598A (en) | Thermal head | |
| KR20070094540A (ko) | 써멀 헤드 및 프린터 장치 | |
| JP3701749B2 (ja) | プリンター | |
| JP2672776B2 (ja) | 熱転写プリンタ | |
| EP0028334A2 (en) | Method and apparatus for thermally marking a record medium | |
| US4609926A (en) | Ribbon transfer color-on-demand resistive ribbon printing | |
| JP3660753B2 (ja) | インク転写プリンタ | |
| JPS60129277A (ja) | 抵抗性リボン熱転写印刷装置 | |
| JPH0436277Y2 (ja) | ||
| JPH0544145Y2 (ja) | ||
| JPS6140167A (ja) | 熱転写プリンタ | |
| JPH02253965A (ja) | 通電転写記録方法 | |
| JPS62119062A (ja) | 熱転写型プリンタ | |
| JPH0575589B2 (ja) | ||
| JP2000127470A (ja) | 印刷装置 | |
| JPH02307763A (ja) | 熱転写プリンタ用ヘッド | |
| JPH08197764A (ja) | 熱転写プリンタ | |
| JPH0443051A (ja) | 熱転写プリンタ装置 | |
| JPH1016414A (ja) | インクリボン | |
| JPS6331764A (ja) | サ−マルヘツド | |
| JPS6168259A (ja) | サ−マルヘツド | |
| JPS5962165A (ja) | 転写型感熱プリンタ |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20041122 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041130 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050131 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050315 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050509 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050621 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050714 |
|
| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090722 Year of fee payment: 4 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090722 Year of fee payment: 4 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100722 Year of fee payment: 5 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110722 Year of fee payment: 6 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120722 Year of fee payment: 7 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |