JP3701479B2 - 二重シリンダ型プランジャポンプ - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二重シリンダ型プランジャポンプに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
液体を収容した容器体の口頸部に装着して使用する押下げノズルヘッド付きプランジャポンプは、上端開口でかつ下端に吸込弁を備えた縦型のシリンダの内部に、吐出弁付きの管状プランジャを昇降摺動自在に嵌挿させるとともに、該管状プランジャを上方へ付勢するスプリングを内装し、かつ、管状プランジャの上端部に押下げノズルヘッドを嵌着しており、該押下げノズルヘッドを管状プランジャ共々スプリングに抗して押し下げし、放してそのスプリングで上昇復帰させることにより、ポンプ作用を生じて、容器体内の液体を吸い上げては押下げノズルヘッドのノズルから噴出させる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、一般には、内装のスプリングは金属製であり、また、吸込弁、吐出弁も金属製の玉弁が用いられることが多く、ほとんどの場合、用済み後の廃棄において、資源ゴミとしての分別回収に供することができないのが実情である。
そこで、本発明は、空気の伸縮性を利用することで内装のスプリングを排し、また、吸込弁、吐出弁を合成樹脂製とすることを可能にして、全体を合成樹脂化し、もって、支障なく分別回収に供し得るようにしようとするものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため、請求項１の発明は、上端開口でかつ下端に吸込弁１を備えた縦型の第１シリンダ２の内部に、上端閉塞、下端開口でかつ下半部に複数の縦長孔３を有する小径の第２シリンダ４を遊挿させて、両シリンダの下端部相互を嵌合連結させ、その第１シリンダ２の内周面には、下端から上端へ抜ける内部流路５と該内部流路を開閉する吐出弁６とを備えた釣鐘形の管状プランジャ７を昇降摺動自在に嵌挿させ、また、上記第２シリンダ４内には、エアピストン８を気密摺動可能に内装させて、上部に該エアピストンで仕切られた伸縮可能な気密室９を形成させ、かつ、そのエアピストン８の下端を上記各縦長孔３を通じて上記管状プランジャ７の下端へと機械的に連繋させ、その管状プランジャ７の上端に押下げノズルヘッド10を嵌合連結させて成る。
【０００５】
請求項２の発明は、請求項１の二重シリンダ型プランジャポンプにあって、上記第２シリンダ４の頂壁11に小孔12を穿設して、該小孔に栓体13を気密に嵌合させ、また、上記エアピストン８につき、ピストン本体14に気密性材質のピストンヘッド15を嵌合させている。
【０００６】
請求項３の発明は、請求項１又は請求項２の二重シリンダ型プランジャポンプにあって、上記吸込弁１を板弁とし、上記吐出弁６を上記管状プランジャ７の下端部に設けたピストン兼用弁として成る。
【０００７】
【発明の実施の形態】
その１．
図１乃至図３は、請求項１乃至請求項３の発明に係る一の実施の形態を示している。
図において、Ａは、吸上パイプを有しない全合成樹脂製の二重シリンダ型プランジャポンプ、Ｂは、該二重シリンダ型プランジャポンプを装着した全合成樹脂製の上昇底付き容器体である。
【０００８】
二重シリンダ型プランジャポンプＡは、上端開口でかつ下端に板弁の吸込弁１を備えた縦型の第１シリンダ２の内部に、上端閉塞、下端開口でかつ下半部に複数の縦長孔３を有する小径の第２シリンダ４を遊挿させており、該第２シリンダの下端に外向きフランジ16を設けて、該外向きフランジをその第１シリンダ２の下端部に底壁17上にて嵌合させるとともに、該下端部に設けた係合突条18で押えて、両者を連結一体化させている。
そして、第１シリンダ２の内周面には、下端部に環状ピストン19を備えた釣鐘形の管状プランジャ７を昇降摺動自在に嵌挿させており、該管状プランジャ７には、周壁乃至頂壁に下端から上端へと抜ける内部流路５を形成するとともに、周壁の下端部にその内部流路を開閉するピストン兼用弁すなわち上記環状ピストン19を弁に兼用した吐出弁６を設けている。
また、第２シリンダ４内には、エアピストン８を気密摺動可能に内装させて、上部に該エアピストンで仕切られた伸縮可能な気密室９を形成させ、かつ、そのエアピストン８の下端を上記各縦長孔３を通じて上記管状プランジャ７の下端へと機械的に連繋させており、その管状プランジャ７の上端に押下げノズルヘッド10を嵌合連結させている。
【０００９】
更に、第１シリンダ２には、上端に外向きフランジ20を設け、該外向きフランジの外側に、内向きフランジ状の頂部21を有する内ねじ螺筒の装着筒22を回動可能に嵌合装備させ、該頂部から内案内筒23と外案内筒24とを立設させて、これらの案内筒により、管状プランジャ７と押下げノズルヘッド10との外周面を各々昇降につき案内させている。ただし、管状プランジャ７と内案内筒23との各上部を適宜に縮径させることで管状プランジャ７の抜け止めを図っている。25は、パッキングである。
第１シリンダ２の下端の設けた吸込弁１は、第１シリンダ２の底壁17の中間部を窪ませ、該窪み26の中央に底壁内面を弁座27とする弁孔28を穿設し、その弁座27に軟材質から成る弁板29を可動に着座させ、該弁板の周りに可撓片30を介して一体に連設したリング31をその窪み26の内周に嵌合固定させることで装備させている。
【００１０】
第２シリンダ４には、頂壁11に適度に空気を抜くための小孔12を穿設して、エアピストン８の嵌挿後に該小孔に栓体13を気密に嵌合させるようにしている。
エアピストン８は、ピストン本体14の上部を小径に形成して、該小径上部に気密性材質のピストンヘッド15を嵌合固定させ、双方に周設した係合突条を係合させることで、ピストンヘッド15の抜け止めを図っている。
そして、第２シリンダ４内の上部に摺動可能に嵌合させ、そのピストン本体14の下端からは、第２シリンダ４の上記各縦長孔３に可動に挿通させて複数の連結突片32を外方へと突設し、これらの連結突片を管状プランジャ７の下端面へ当接させることで、該管状プランジャと機械的に連繋させている。
【００１１】
管状プランジャ７は、製作の便宜上、上端に小径の嵌合起立筒33を有しかつ上部を縮径した外筒34と、頂壁35を有する無縮径の内筒36とを、相互に上部で嵌合一体化させ、該嵌合部分で両者間に複数の縦溝37を、また、下部ではその外筒34の内周とその内筒36の外周との間に所要の間隔38を保有させることで、上記内部流路５を形成させており、内筒36の下端部を下方へ伸出させて、該内筒の下端面をエアピストン８の上記各連結突片32の上面へと当接させ、外筒34の嵌合起立筒33に押下げノズルヘッド10を嵌合させている。
管状プランジャ７に設けたピストン兼用弁すなわちす上記環状ピストン19を弁に兼用した吐出弁６は、第１シリンダ２の内周面に摺動自在に嵌合させた環状ピストン19の上部からスカート39を立設して、該スカートを上記外筒34の下部内周へ水密にかつ僅少上下摺動自在に嵌合させ、また、そのスカート39の基端に下方に面する環状の弁部40を設け、かつ、上記内筒36の下部外周に環状の弁座41を突設して、該弁座に上記弁部40を下降限にて着座させるようにしている。
【００１２】
上昇底付き容器体Ｂは、図１に示すように、容器本体51の円筒状の胴部52内に上昇底53を摺動自在に嵌合させており、また、容器本体51の上端に外ねじ螺筒の口頸部54を有して、該口頸部に二重シリンダ型プランジャポンプＡを装着筒22を以て着脱自在に螺装させている。なお、図中、55は、胴部52の下端に嵌合させた底蓋である。
【００１３】
如上の構成であり、容器本体51内には、上昇底53を下降させた状態でクリーム状物、練状物、液体等の適宜内容物を充填し、これを取り出すときは、押下げノズルヘッド10を押し下げし、放しする。
押下げノズルヘッド10を押し下げたときは、管状プランジャ７及び環状ピストン19が下降して、第１シリンダ２内が加圧状態となり、吸込弁１が閉、吐出弁６が開となって、第１シリンダ２内の内容物が環状プランジャ７の内部流路５を経て押下げノズルヘッド10へと上昇し、該押下げノズルヘッドのノズルからから外部へ噴出する。
ところで、押下げノズルヘッド10の押し下げで管状プランジャ７が下降したときは、第２シリンダ４内のエアピストン８も連動して下降し、第２シリンダ４内上部の気密室９内が負圧化して、その負圧空気が復帰ばねの役割を果たすこととなる。
したがって、下降した押下げノズルヘッド10を放すと、その負圧空気の復元力によって、全てが元の状態に復帰し、これに伴い、第１シリンダ２内が負圧化して、吸込弁１が開、吐出弁６が閉となって、容器体Ｂ内の内容物が第１シリンダ２内へと吸い上げられる。この時、容器体Ｂ内では、容器本体51内が負圧化し、これに相応して上昇底53が上昇するから、二重シリンダ型プランジャポンプＡには吸上パイプは不要である。
【００１４】
その２．
図４は、請求項１乃至請求項３の発明に係る他の実施の形態を示している。
この場合は、図１乃至図３のものにおいて、容器体につき、容器本体51に一体底56を有する一般的容器体Ｃとしている。
そのために、二重シリンダ型プランジャポンプＡには吸上パイプを要し、したがって、第１シリンダ２の底壁17の下面から吸込弁１に連通させて嵌合垂下筒42を垂設し、該嵌合垂下筒に吸上パイプ43の上端を嵌合させて、該吸上パイプの下端を容器本体51の内底部にまで伸出させている。
その他は、構造についても、機能、動作、作用等についても、図１乃至図３のものと実質的に同じであるから、説明を省略する。
【００１５】
【発明の効果】
請求項１、請求項２、請求項３の発明によれば、既述構成であるから、第１シリンダ２内に第２シリンダ４とエアピストン８とで構成される負圧空気の復元力による復帰手段を講じることができ、したがって、従来のような金属製の復帰ばねが不要となり、廃棄時にはそのままで分別回収の用に供することができることとなる。
【００１６】
加えて、請求項２の発明によれば、第２シリンダ４の頂壁11に小孔12を穿設して、該小孔に栓体13を気密に嵌合させ、また、上記エアピストン８をピストン本体14に気密性材質のピストンヘッド15を嵌合させているので、無用分の空気を除去して簡単かつ容易に組み立てることができ、しかも、気密室９の気密性を十分に確保できて、適正な復帰動作を得ることができる。
【００１７】
更に、請求項３の発明によれば、吸込弁１を板弁とし、吐出弁６を管状プランジャ７の下端部に設けたピストン兼用弁としているので、これらの吸込弁１及び吐出弁６も、したがって、ポンプ全体を何らの支障もなく合成樹脂製とすることができ、廃棄時の分別回収に頗る好都合である。
【図面の簡単な説明】
【図１】 請求項１乃至請求項３に係る実施の形態その１．を示す截断側面図である。
【図２】 同実施の形態その１．における押下げノズルヘッド下降時の動作状態を示す要部の截断側面図である。
【図３】 同実施の形態その１．における押下げノズルヘッド上昇時の動作状態を示す要部の截断側面図である。
【図４】 請求項１乃至請求項３に係る実施の形態その２．を示す截断側面図である。
【符号の説明】
Ａ…二重シリンダ型プランジャポンプ
Ｂ…上昇底付き容器体 Ｃ…一般的容器体
１…吸込弁 ２…第１シリンダ
３…縦長孔 ４…第２シリンダ
５…内部流路 ６…吐出弁
７…管状プランジャ ８…エアピストン
９…気密室 10…押下げノズルヘッド
11…頂壁 12…小孔
13…栓体 14…ピストン本体
15…ピストンヘッド 16…外向きフランジ
17…底壁 18…係合突条
19…環状ピストン 20…外向きフランジ
21…頂部 22…装着筒
23…内案内筒 24…外案内筒
25…パッキング 26…窪み
27…弁座 28…弁孔
29…弁板 30…可撓片
31…リング 32…連結突片
33…嵌合起立筒 34…外筒
35…頂壁 36…内筒
37…縦溝 38…間隔
39…スカート 40…弁部
41…弁座 42…嵌合垂下筒
43…吸上パイプ
51…容器本体 52…胴部
53…上昇底 54…口頸部
55…底蓋 56…一体底
【発明の属する技術分野】
本発明は、二重シリンダ型プランジャポンプに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
液体を収容した容器体の口頸部に装着して使用する押下げノズルヘッド付きプランジャポンプは、上端開口でかつ下端に吸込弁を備えた縦型のシリンダの内部に、吐出弁付きの管状プランジャを昇降摺動自在に嵌挿させるとともに、該管状プランジャを上方へ付勢するスプリングを内装し、かつ、管状プランジャの上端部に押下げノズルヘッドを嵌着しており、該押下げノズルヘッドを管状プランジャ共々スプリングに抗して押し下げし、放してそのスプリングで上昇復帰させることにより、ポンプ作用を生じて、容器体内の液体を吸い上げては押下げノズルヘッドのノズルから噴出させる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、一般には、内装のスプリングは金属製であり、また、吸込弁、吐出弁も金属製の玉弁が用いられることが多く、ほとんどの場合、用済み後の廃棄において、資源ゴミとしての分別回収に供することができないのが実情である。
そこで、本発明は、空気の伸縮性を利用することで内装のスプリングを排し、また、吸込弁、吐出弁を合成樹脂製とすることを可能にして、全体を合成樹脂化し、もって、支障なく分別回収に供し得るようにしようとするものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため、請求項１の発明は、上端開口でかつ下端に吸込弁１を備えた縦型の第１シリンダ２の内部に、上端閉塞、下端開口でかつ下半部に複数の縦長孔３を有する小径の第２シリンダ４を遊挿させて、両シリンダの下端部相互を嵌合連結させ、その第１シリンダ２の内周面には、下端から上端へ抜ける内部流路５と該内部流路を開閉する吐出弁６とを備えた釣鐘形の管状プランジャ７を昇降摺動自在に嵌挿させ、また、上記第２シリンダ４内には、エアピストン８を気密摺動可能に内装させて、上部に該エアピストンで仕切られた伸縮可能な気密室９を形成させ、かつ、そのエアピストン８の下端を上記各縦長孔３を通じて上記管状プランジャ７の下端へと機械的に連繋させ、その管状プランジャ７の上端に押下げノズルヘッド10を嵌合連結させて成る。
【０００５】
請求項２の発明は、請求項１の二重シリンダ型プランジャポンプにあって、上記第２シリンダ４の頂壁11に小孔12を穿設して、該小孔に栓体13を気密に嵌合させ、また、上記エアピストン８につき、ピストン本体14に気密性材質のピストンヘッド15を嵌合させている。
【０００６】
請求項３の発明は、請求項１又は請求項２の二重シリンダ型プランジャポンプにあって、上記吸込弁１を板弁とし、上記吐出弁６を上記管状プランジャ７の下端部に設けたピストン兼用弁として成る。
【０００７】
【発明の実施の形態】
その１．
図１乃至図３は、請求項１乃至請求項３の発明に係る一の実施の形態を示している。
図において、Ａは、吸上パイプを有しない全合成樹脂製の二重シリンダ型プランジャポンプ、Ｂは、該二重シリンダ型プランジャポンプを装着した全合成樹脂製の上昇底付き容器体である。
【０００８】
二重シリンダ型プランジャポンプＡは、上端開口でかつ下端に板弁の吸込弁１を備えた縦型の第１シリンダ２の内部に、上端閉塞、下端開口でかつ下半部に複数の縦長孔３を有する小径の第２シリンダ４を遊挿させており、該第２シリンダの下端に外向きフランジ16を設けて、該外向きフランジをその第１シリンダ２の下端部に底壁17上にて嵌合させるとともに、該下端部に設けた係合突条18で押えて、両者を連結一体化させている。
そして、第１シリンダ２の内周面には、下端部に環状ピストン19を備えた釣鐘形の管状プランジャ７を昇降摺動自在に嵌挿させており、該管状プランジャ７には、周壁乃至頂壁に下端から上端へと抜ける内部流路５を形成するとともに、周壁の下端部にその内部流路を開閉するピストン兼用弁すなわち上記環状ピストン19を弁に兼用した吐出弁６を設けている。
また、第２シリンダ４内には、エアピストン８を気密摺動可能に内装させて、上部に該エアピストンで仕切られた伸縮可能な気密室９を形成させ、かつ、そのエアピストン８の下端を上記各縦長孔３を通じて上記管状プランジャ７の下端へと機械的に連繋させており、その管状プランジャ７の上端に押下げノズルヘッド10を嵌合連結させている。
【０００９】
更に、第１シリンダ２には、上端に外向きフランジ20を設け、該外向きフランジの外側に、内向きフランジ状の頂部21を有する内ねじ螺筒の装着筒22を回動可能に嵌合装備させ、該頂部から内案内筒23と外案内筒24とを立設させて、これらの案内筒により、管状プランジャ７と押下げノズルヘッド10との外周面を各々昇降につき案内させている。ただし、管状プランジャ７と内案内筒23との各上部を適宜に縮径させることで管状プランジャ７の抜け止めを図っている。25は、パッキングである。
第１シリンダ２の下端の設けた吸込弁１は、第１シリンダ２の底壁17の中間部を窪ませ、該窪み26の中央に底壁内面を弁座27とする弁孔28を穿設し、その弁座27に軟材質から成る弁板29を可動に着座させ、該弁板の周りに可撓片30を介して一体に連設したリング31をその窪み26の内周に嵌合固定させることで装備させている。
【００１０】
第２シリンダ４には、頂壁11に適度に空気を抜くための小孔12を穿設して、エアピストン８の嵌挿後に該小孔に栓体13を気密に嵌合させるようにしている。
エアピストン８は、ピストン本体14の上部を小径に形成して、該小径上部に気密性材質のピストンヘッド15を嵌合固定させ、双方に周設した係合突条を係合させることで、ピストンヘッド15の抜け止めを図っている。
そして、第２シリンダ４内の上部に摺動可能に嵌合させ、そのピストン本体14の下端からは、第２シリンダ４の上記各縦長孔３に可動に挿通させて複数の連結突片32を外方へと突設し、これらの連結突片を管状プランジャ７の下端面へ当接させることで、該管状プランジャと機械的に連繋させている。
【００１１】
管状プランジャ７は、製作の便宜上、上端に小径の嵌合起立筒33を有しかつ上部を縮径した外筒34と、頂壁35を有する無縮径の内筒36とを、相互に上部で嵌合一体化させ、該嵌合部分で両者間に複数の縦溝37を、また、下部ではその外筒34の内周とその内筒36の外周との間に所要の間隔38を保有させることで、上記内部流路５を形成させており、内筒36の下端部を下方へ伸出させて、該内筒の下端面をエアピストン８の上記各連結突片32の上面へと当接させ、外筒34の嵌合起立筒33に押下げノズルヘッド10を嵌合させている。
管状プランジャ７に設けたピストン兼用弁すなわちす上記環状ピストン19を弁に兼用した吐出弁６は、第１シリンダ２の内周面に摺動自在に嵌合させた環状ピストン19の上部からスカート39を立設して、該スカートを上記外筒34の下部内周へ水密にかつ僅少上下摺動自在に嵌合させ、また、そのスカート39の基端に下方に面する環状の弁部40を設け、かつ、上記内筒36の下部外周に環状の弁座41を突設して、該弁座に上記弁部40を下降限にて着座させるようにしている。
【００１２】
上昇底付き容器体Ｂは、図１に示すように、容器本体51の円筒状の胴部52内に上昇底53を摺動自在に嵌合させており、また、容器本体51の上端に外ねじ螺筒の口頸部54を有して、該口頸部に二重シリンダ型プランジャポンプＡを装着筒22を以て着脱自在に螺装させている。なお、図中、55は、胴部52の下端に嵌合させた底蓋である。
【００１３】
如上の構成であり、容器本体51内には、上昇底53を下降させた状態でクリーム状物、練状物、液体等の適宜内容物を充填し、これを取り出すときは、押下げノズルヘッド10を押し下げし、放しする。
押下げノズルヘッド10を押し下げたときは、管状プランジャ７及び環状ピストン19が下降して、第１シリンダ２内が加圧状態となり、吸込弁１が閉、吐出弁６が開となって、第１シリンダ２内の内容物が環状プランジャ７の内部流路５を経て押下げノズルヘッド10へと上昇し、該押下げノズルヘッドのノズルからから外部へ噴出する。
ところで、押下げノズルヘッド10の押し下げで管状プランジャ７が下降したときは、第２シリンダ４内のエアピストン８も連動して下降し、第２シリンダ４内上部の気密室９内が負圧化して、その負圧空気が復帰ばねの役割を果たすこととなる。
したがって、下降した押下げノズルヘッド10を放すと、その負圧空気の復元力によって、全てが元の状態に復帰し、これに伴い、第１シリンダ２内が負圧化して、吸込弁１が開、吐出弁６が閉となって、容器体Ｂ内の内容物が第１シリンダ２内へと吸い上げられる。この時、容器体Ｂ内では、容器本体51内が負圧化し、これに相応して上昇底53が上昇するから、二重シリンダ型プランジャポンプＡには吸上パイプは不要である。
【００１４】
その２．
図４は、請求項１乃至請求項３の発明に係る他の実施の形態を示している。
この場合は、図１乃至図３のものにおいて、容器体につき、容器本体51に一体底56を有する一般的容器体Ｃとしている。
そのために、二重シリンダ型プランジャポンプＡには吸上パイプを要し、したがって、第１シリンダ２の底壁17の下面から吸込弁１に連通させて嵌合垂下筒42を垂設し、該嵌合垂下筒に吸上パイプ43の上端を嵌合させて、該吸上パイプの下端を容器本体51の内底部にまで伸出させている。
その他は、構造についても、機能、動作、作用等についても、図１乃至図３のものと実質的に同じであるから、説明を省略する。
【００１５】
【発明の効果】
請求項１、請求項２、請求項３の発明によれば、既述構成であるから、第１シリンダ２内に第２シリンダ４とエアピストン８とで構成される負圧空気の復元力による復帰手段を講じることができ、したがって、従来のような金属製の復帰ばねが不要となり、廃棄時にはそのままで分別回収の用に供することができることとなる。
【００１６】
加えて、請求項２の発明によれば、第２シリンダ４の頂壁11に小孔12を穿設して、該小孔に栓体13を気密に嵌合させ、また、上記エアピストン８をピストン本体14に気密性材質のピストンヘッド15を嵌合させているので、無用分の空気を除去して簡単かつ容易に組み立てることができ、しかも、気密室９の気密性を十分に確保できて、適正な復帰動作を得ることができる。
【００１７】
更に、請求項３の発明によれば、吸込弁１を板弁とし、吐出弁６を管状プランジャ７の下端部に設けたピストン兼用弁としているので、これらの吸込弁１及び吐出弁６も、したがって、ポンプ全体を何らの支障もなく合成樹脂製とすることができ、廃棄時の分別回収に頗る好都合である。
【図面の簡単な説明】
【図１】 請求項１乃至請求項３に係る実施の形態その１．を示す截断側面図である。
【図２】 同実施の形態その１．における押下げノズルヘッド下降時の動作状態を示す要部の截断側面図である。
【図３】 同実施の形態その１．における押下げノズルヘッド上昇時の動作状態を示す要部の截断側面図である。
【図４】 請求項１乃至請求項３に係る実施の形態その２．を示す截断側面図である。
【符号の説明】
Ａ…二重シリンダ型プランジャポンプ
Ｂ…上昇底付き容器体 Ｃ…一般的容器体
１…吸込弁 ２…第１シリンダ
３…縦長孔 ４…第２シリンダ
５…内部流路 ６…吐出弁
７…管状プランジャ ８…エアピストン
９…気密室 10…押下げノズルヘッド
11…頂壁 12…小孔
13…栓体 14…ピストン本体
15…ピストンヘッド 16…外向きフランジ
17…底壁 18…係合突条
19…環状ピストン 20…外向きフランジ
21…頂部 22…装着筒
23…内案内筒 24…外案内筒
25…パッキング 26…窪み
27…弁座 28…弁孔
29…弁板 30…可撓片
31…リング 32…連結突片
33…嵌合起立筒 34…外筒
35…頂壁 36…内筒
37…縦溝 38…間隔
39…スカート 40…弁部
41…弁座 42…嵌合垂下筒
43…吸上パイプ
51…容器本体 52…胴部
53…上昇底 54…口頸部
55…底蓋 56…一体底
Claims (3)
- 上端開口でかつ下端に吸込弁１を備えた縦型の第１シリンダ２の内部に、上端閉塞、下端開口でかつ下半部に複数の縦長孔３を有する小径の第２シリンダ４を遊挿させて、両シリンダの下端部相互を嵌合連結させ、その第１シリンダ２の内周面には、下端から上端へ抜ける内部流路５と該内部流路を開閉する吐出弁６とを備えた釣鐘形の管状プランジャ７を昇降摺動自在に嵌挿させ、また、上記第２シリンダ４内には、エアピストン８を気密摺動可能に内装させて、上部に該エアピストンで仕切られた伸縮可能な気密室９を形成させ、かつ、そのエアピストン８の下端を上記各縦長孔３を通じて上記管状プランジャ７の下端へと機械的に連繋させ、その管状プランジャ７の上端に押下げノズルヘッド10を嵌合連結させたことを特徴とする二重シリンダ型プランジャポンプ。
- 上記第２シリンダ４の頂壁11に小孔12を穿設して、該小孔に栓体13を気密に嵌合させ、また、上記エアピストン８につき、ピストン本体14に気密性材質のピストンヘッド15を嵌合させた請求項１記載の二重シリンダ型プランジャポンプ。
- 上記吸込弁１を板弁とし、上記吐出弁６を上記管状プランジャ７の下端部に設けたピストン兼用弁とした請求項１又は請求項２記載の二重シリンダ型プランジャポンプ。
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