JP3700941B2 - ハイブリッド自動車の操舵装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のパワーステアリング装置に関する。本発明は、電動機および内燃機関をともに備え、運転モードにしたがって、内燃機関からあるいは電動機からもしくはその双方から走行動力を得るハイブリッド自動車に利用する。ここで「電動機」は、動作モードにしたがって発電機または電動機として作用する電動発電機を含む。とくに、パワーステアリング装置に供給する油圧を内燃機関の回転動力により発生する構造の車両に利用する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関および電動機をともに搭載するハイブリッド自動車をその駆動方式により、シリーズ方式、パラレル方式、に大きく区分することができる。シリーズ方式は、内燃機関が発電機を駆動するように機械的に連結され、車軸は電動機により駆動されるように機械的に連結されて構成される。内燃機関により駆動される発電機から電気エネルギを得て、この電気エネルギを電動機に与えて車両を走行させるものである。シリーズ方式では、発電機から得る電気エネルギをいったん電池に充電し、電池から取り出す電気エネルギを電動機に与える方式が一般的である。このシリーズ方式では、制動エネルギを回生させるときには、車軸に連結された電動機を発電機モードに切替えて、車軸から供給される回転エネルギを電気エネルギに変換して電池を充電させる。内燃機関が使用する燃料(ガソリン等)は外部から給油されるし、この電池に対して外部から充電電流を与えて充電を行うこともできる。
【0003】
パラレル方式は、車軸を駆動する内燃機関に電動発電機(または電動機と発電機の組み合わせ)を機械的に直結させて構成される。電動発電機を電動機とし、これに電池から電気エネルギを供給することにより、内燃機関および電動機でともに車軸を駆動することができる。制動時には電動発電機を発電機として動作させることにより、電池を充電させる回生制動を行うことができる。また変速機をニュートラルにするもしくはクラッチを切り離すことにより、停車中に電動発電機を発電機として動作させてこれを内燃機関により駆動し、発生する電気エネルギを電池に充電することができる。あるいは変速機およびクラッチを接続した状態で、走行中に電動発電機を発電機として動作させ、内燃機関により車軸とともに発電機を駆動して電池の充電を行うことができる。内燃機関が使用する燃料は外部から給油されるし、前記電池に対して外部から充電電流を与えて充電することもできる。これは本願出願人が製造販売するHIMRに採用されている方式である。
【0004】
シリーズ方式のハイブリッド自動車は、内燃機関の回転を停止させて電動機で走行させることができる。パラレル方式のハイブリッド自動車は、内燃機関と電動機との間に回転軸の連結状態を切り離すことができる構造のものは、内燃機関の回転を停止させて電動機で走行させることができる。しかし内燃機関の回転軸と電動機の回転軸とが常時結合されている構造のものは、電動機により車両を走行させている場合にも、最小限の燃料を内燃機関に供給して内燃機関は回転を継続している。上記HIMRはこの内燃機関の回転軸と電動機の回転軸とが常時結合されている方式である。
【0005】
本願出願人は、新しい構造のハイブリッド自動車を特許出願し、その明細書および図面は特開2001-206084 号公報に開示された。この構造を簡単に説明すると、後から説明する本願添付の実施例図面(図1)を参照して、内燃機関1の回転軸と電動発電機2の回転軸との間に一方向性の回転伝達手段5を設けたものである。一方向性の回転伝達手段5は、自転車の後輪に設けられたラチエット機構と同等の作用をするもので、内燃機関1の回転速度が電動発電機2の回転速度より大きいときには結合状態にあるが、内燃機関1の回転速度が電動発電機2の回転速度より小さくなると、スリップ状態になって両回転軸の間に回転駆動力の伝達がなくなるように構成されている。この構造のハイブリッド自動車は、その原動機の連結形態は実質的にシリーズ方式であるが、内燃機関1の回転を停止させた状態で、電動発電機2を電動機として作用させて電動走行することができるパラレル方式の利点を兼ね備えている。内燃機関1の回転を停止させると一方向性の回転伝達手段5かスリップ状態になる。すなわち蓄電装置14が十分に充電されている状態では、燃料供給を完全に遮断し燃料消費のないモードで、排出ガスがまったくないモードで電動走行させることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明者は、上記説明の新しい形態のハイブリッド自動車(上記公報参照)について試作、試験および評価を行っている。とくに上記新しい形態のハイブリッド自動車は、バスやトラックなどの大型商用車に実施して、その利点を大きく利用できるようになるものと考えている。
【0007】
この形態のハイブリッド自動車を大型商用車に実施する場合の当面する問題点として、従来から内燃機関の回転軸に架け渡されたベルトにより駆動される各種補機の問題がある。すなわち内燃機関が回転を停止すると、各種補機が回転を停止してしまうことになる。これらの補機の大部分は、電気エネルギを利用する装置に置き換えることができる。また空気圧を利用する機器については、内燃機関が走行モードの都合で回転を停止している期間に、エアタンクの空気圧が急速に低下するようなことがないように設計して補うことができる。しかし内燃機関の回転に連動して作動するパワーステアリング用の油圧については、信頼性の問題と関連があり、簡単に代替装置を設けることにより解決できない課題となることがわかってきた。
【0008】
従来から商品化されたハイブリッド自動車の多くは小型車であった。ガソリン自動車でも小型車のパワーステアリング装置として、従来から電動アシスト形式のものが多く利用されてきた。これはステアリング・ホイールの回転軸にアシスト・モータを装着して、ステアリング・ホイールに加わる手動の回転力を増幅して、操舵装置の回転軸に伝達する装置である。小型車のハイブリッド自動車はこれを利用して設計することができる。
【0009】
この構造のアシスト・モータを大型商用車に利用できる構造に設計することは原理的に可能である。またいくつかの設計試作の例もある。しかし大型車両のためのこの構造の装置は未だ実績が少ないから、従来から実績のある油圧のパワーステアリング装置を全面的に新しい設計の電動のパワーステアリング装置に置き換えることはできない。すなわち、大型商用車に求められている数十万キロメートルの耐久走行距離に適するものは簡単に得られるものではない。このような装置を最終的に設計するには、きわめて長期間の試験および多数回の繰り返し試作試験が必要である。またこのような装置を採用することは長い実績がないと、大型商用車の大口ユーザの了解が得られない。
【0010】
なお電動のアシスト・モータによる操舵装置については、特開平5-170113号公報(出願人、ヴァレオ)、特開平9-202249号公報(出願人、ヘッズ)、特開10-138942号公報(出願人、日本精工)などに開示がある。
【0011】
本発明はこのような背景に行われたものであって、内燃機関を停止させた運転モードでも有効なパワーステアリング装置として作用する、ハイブリッド自動車用の操舵装置を提供することを目的とする。本発明は、内燃機関が回転駆動されている大部分の走行時間あるいは走行状態では、従来から実績のある装置が利用される信頼性の高い操舵装置を提供することを目的とする。本発明は、車両が路上故障する原因となることがない、高い信頼性を有する操舵装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、内燃機関の回転出力を動力源とする油圧パワーステアリング装置を電動のアシスト・モータに置き換えるのではなく、内燃機関の回転出力を動力源とする油圧パワーステアリング装置に併設して、操舵装置に電動のアシスト・モータを設けることを最大の特徴とする。すなわち内燃機関が回転し内燃機関の回転出力を動力源とする油圧パワーステアリング装置が有効に作動するときには、従来から実績のある油圧パワーステアリング装置を利用する。そして、内燃機関が回転を停止している運転モードでは、併設する電動のアシスト・モータを有効化し、これを利用して走行するように制御する。この構成により、操舵装置に電動のアシスト・モータが利用される累積時間は全走行時間の数分の一または数十分の一になる。
【0013】
このような構造では、かりに電動のアシスト・モータになんらかの不都合が発生しても、ハイブリッド自動車の運転モードのうち、内燃機関の回転を停止して走行する運転モードを一時的に禁止して内燃機関を始動すれば運転を継続することができる。このときには内燃機関から動力が供給され、油圧パワーステアリング装置が作動するから総合的な車両としての信頼性を損なうことはない。
【0014】
すなわち本発明は、車軸駆動源としての内燃機関および電動発電機と、この電動発電機の動作モードおよび前記内燃機関の始動・停止を制御するプログラム制御回路と、前記内燃機関を動力源とする油圧パワーステアリング装置とを備えたハイブリッド自動車の操舵装置において、前記油圧パワーステアリング装置と並列的に補助の電動パワーステアリング装置を設け、前記プログラム制御回路は、前記内燃機関を停止させて車両を走行させるモードでは前記電動パワーステアリング装置を有効な状態に制御する手段を含むことを特徴とする。
【0015】
前記プログラム制御回路は、前記内燃機関の回転を停止させて車両を走行させるモードで前記電動パワーステアリングが有効に作用しないことが検出されるとき、前記内燃機関を自動的に始動させて前記油圧パワーステアリング装置を有効な状態に制御する手段を備えた構成とすることが望ましい。
【0016】
前記内燃機関の回転を停止させ、電動パワーステアリング装置を利用して車両を走行させるモードであっても、何らかの原因により電動パワーステアリング装置が有効に作用しないことが検出されるとき、自動的にあるいは操作により、内燃機関を起動させて油圧を供給できる状態に設定し、前記油圧パワーステアリング装置を有効な状態に制御する手段を備えた構成とすることができる。このような構成により、補助の電動パワーステアリング装置が不具合になったことにより、車両が走行できなくなるような事態に陥ることがないから、補助の電動パワーステアリング装置を装備することにより、総合的な信頼性が低くなることはない。
【0017】
上記説明は、本発明の研究経緯にそって、上記公報に開示されたハイブリッド自動車に実施するように説明したが、本発明は、この構造のハイブリッド自動車に限らず、内燃機関の運転を停止させて電動機または電動発電機の電動モードにより走行する運転モードを有するあらゆるハイブリッド自動車に実施することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施例図面を用いて本発明実施例を詳しく説明する。はじめにこのハイブリッド自動車について簡単に説明する。図1は本発明を実施するハイブリッド自動車の駆動系についてのブロック構成図である。この装置は、内燃機関1と、電動発電機2と、クラッチ3と、変速機4とがこの順序に回転駆動軸により接続される。変速機4の出力軸はプロペラシャフト6、ディファレンシャルギア7、およびアクスル8を介して駆動車輪9に連結される。この装置は、内燃機関1と電動発電機2との間に、回転駆動力が前記内燃機関から前記電動発電機には伝達され前記電動発電機から前記内燃機関には伝達されない一方向性の回転伝達手段5を設けられている。一方向性の回転伝達手段5について、外部からその結合動作状態についていっさいの制御は行われない。すなわち、内燃機関1の回転速度が電動発電機2の回転速度より相対的に大きいときには、この一方向性の回転伝達手段5は自動的に結合状態となり、内燃機関1の回転速度が電動発電機2の回転速度より相対的に小さくなると自動的にかい離状態(空転状態またはスリップ状態)となる。これは自転車の後輪回転とペダル回転の状態と同様であり、加速のために足に力を入れてペダルを踏むときと、走行中にペダルの回転を停止させたときとを想像すると感覚的に理解することができる。
【0019】
内燃機関1には燃料タンク11から燃料ポンプ12を介して液体燃料が供給される。電動発電機2はこの例では永久磁石を有する三相の同期回転機であり、インバータ13を介して蓄電装置14と電気的に連結される。蓄電装置14は二次電池または大容量キャパシタである。インバータ13は蓄電装置14の直流電流を三相交流に変換して電動発電機2に供給し、また電動発電機2が発生する三相交流を直流に変換して蓄電装置14に供給する双方向性のエネルギ変換装置である。
【0020】
このインバータ13はプログラム制御回路15により制御される。このプログラム制御回路15の入力情報は、電動発電機2の回転を検出する第一の回転センサ16、および内燃機関1の回転を検出する第二の回転センサ17の出力情報、および蓄電装置14の残存容量を示す電圧情報である。これらは入出力回路I/Oを介して取り込まれる。さらに、このプログラム制御回路15には運転操作情報が取り込まれる。運転操作情報は、アクセルペダルの踏み込み量を表すアクセル情報A、ブレーキペダルの踏み込み量を表すブレーキ情報B、クラッチペダルの踏み込み量を表すクラッチ情報C、および運転モードを指示する操作レバー18の情報である。操作レバー18は操舵輪の下側に、従来装置の排気ブレーキの操作レバーと同様の形態で取付けられ、運転者により運転操作される。これらの情報は入出力回路I/Oを介してプログラム制御回路15に取込まれる。
【0021】
電動発電機2は上述のように永久磁石を備える同期回転機であり、インバータ13から供給される交流の位相回転速度が回転体の回転速度より大きいときに電動機となり、インバータ13から電気エネルギを受けて機械的な回転エネルギを発生する。はんたいにインバータ13から供給される交流の位相回転速度が回転体の回転速度より小さいときに、電動発電機2は発電機となって電気エネルギを発生し、これをインバータ13から蓄電装置14に供給する。この制御については従来からインバータの双方向制御としてよく知られているので、詳しい説明は省略する。
【0022】
またこの実施例装置では内燃機関1にスタータモータ19を備える。これは内燃機関1が電動発電機2との間が一方向性の回転伝達手段5により結合されているので、内燃機関1を電動発電機2により起動することができないので必要である。このスタータモータ19の動作は、運転者の操作によるほか、プログラム制御回路15の制御により起動させることができる。
【0023】
運転者により操作される操作レバー18は、この実施例では、中立(OFF)位置と、この中立位置から制動方向(B,ブレーキ)に3段階が操作設定できるようになっていて、電気制動の利用をこの操作レバー18の操作により選択できる。電気制動の場合にはその制動程度(ブレーキのきき方)について運転者が3段階に操作することができる。走行モードの選択設定は、原則的に運転操作により切り換えられるのではなく、そのときの走行状態および蓄電手段の残存容量に応じて自動的に実行される。
【0024】
この装置の動作モードを簡単に説明する。
【0025】
(1)電動走行モード
電動発電機2は電動機として動作する状態に制御され、蓄電装置14の電気エネルギがインバータ13を介して電動発電機2に供給される。電動発電機2はクラッチ3および変速機4を介して車軸を駆動する。この状態では内燃機関1は停止している。したがって一方向性の回転伝達手段5はかい離状態にあり、内燃機関1の回転は電動発電機2の回転軸に伝わらない。この電動走行モードは、車両の発進時に自動的に設定される。アクセルペダルの踏み込み量にしたがって電動発電機2に供給される交流周波数が変化し、電動発電機2から発生するパワーが加減される。この電動走行モードは、車両の発進時のほか、車両が平らな路面をほぼ一定速度で定常走行するときに自動的に選択設定される。また国立公園などの排気ガス規制の厳しい地域を走行するときなどに、操作レバー18を電気加速の側に操作することにより、運転者の操作により選択することができる。
【0026】
(2)パラレル走行モード
内燃機関5は燃料の供給を受けて駆動回転する。電動発電機2も電動機として動作する状態に制御され、インバータ13を介して電気エネルギが供給され駆動回転する。このパラレル走行モードは、車両に必要な駆動力が一定値を越えたときに、自動的に選択設定される。すなわち、スタータモータ19がプログラム制御回路15の制御により起動し内燃機関1を始動させる。制御回路15は、内燃機関1の回転速度を電動発電機2の回転速度とほぼ等しくなるところまで上昇させ、いったん定速回転を維持した後に電動発電機2の回転と同期させて、一方向性の回転伝達手段5を結合状態にする。その後は運転操作によるアクセルペダルの踏み込み量にしたがって、内燃機関1に供給される燃料供給量および電動発電機に供給される交流周波数が同時に加減される。車軸に負荷があるかぎり内燃機関1が駆動軸の回転速度を上昇させようとして、一方向性の回転伝達手段5は結合状態を維持する。このパラレル走行モードは、重量物を搭載して発進加速を行う場合、あるいは登坂時などに選択される。このモードは蓄電装置14の充電量が少なくなってきた状態で加速を行うときにも利用される。
【0027】
(3)エンジン走行モード
電動発電機2はオフ状態に制御されている場合であり、電動発電機2は空転状態にある。内燃機関のみを備えた普通の自動車と同等の動作状態であり、燃料からエネルギを得て内燃機関が車軸を駆動する。電動発電機2の回転体質量が小さいから、これが空転状態であってもそのフリクションは小さい。このエンジン走行モードでは、変速機4がいずれかのギヤに設定され、つまりニュートラルではなく、クラッチ3が結合状態にあるときには、車軸に負荷があるかぎり一方向性の回転伝達手段5は自動的に結合状態を維持する。このモードは蓄電装置14の充電量がミニマムに達したときに選択される。
【0028】
(4)走行充電モード
電動発電機2は発電機として動作するように制御され、内燃機関1は車軸の負荷および電動発電機2の負荷をともに駆動するように動作する。このモードでは、燃料から供給されるエネルギが内燃機関1により機械エネルギに変換され、車軸を駆動し、同時に電動発電機2により電気エネルギに変換されて蓄電装置14を充電する。この走行充電モードは、内燃機関1が運転状態にありアクセルペダルを踏み込むときに設定される。電動発電機2にも車軸にも負荷がかかっているから、一方向性の回転伝達手段5は自動的に結合状態となる。このモードは蓄電装置14の充電量が小さくなったときに設定される。
【0029】
(5)回生モード
電動発電機2は発電機として動作するように制御される。すなわち車軸の回転が変速機4およびクラッチ3を介して電動発電機2を駆動し、車両を制動状態として電動発電機2に発生する電気エネルギをインバータ13を介して蓄電装置14に充電する。この回生モードは操作レバー18を電気制動の側に操作したときに設定される。あるいは、上記説明の「(1)電動走行モード」でブレーキペダルが踏まれたときにも設定されるようにプログラム制御回路のソフトウエアを構成することもできる。この回生モードの状態では、アクセルペダルは原則的に踏まれていないから、内燃機関1の回転速度は低く、あるいは内燃機関1は停止状態にあり、一方向性の回転伝達手段5は自動的にかい離状態にある。この回生モードで内燃機関1との機械的な結合が切り離されるから、制動により発生するエネルギが内燃機関1のフリクションにより消費されることがなく、電動発電機2により効率的に回生される。
【0030】
(6)停車充電モード
電動発電機2は発電機として動作するように制御される。そして変速機4がニュートラル位置にある。このモードでは内燃機関1により電動発電機2を駆動し、それにより発電される電気エネルギをインバータ13を介して蓄電装置14に充電する。この停車充電モードは、車両の停車中に変速機4がニュートラル位置にある状態で設定される。安全のためにパーキング・ブレーキを設定することを条件とすることもできる。このモードは、蓄電装置14の充電量がある限界を下回って小さくなったときに利用される。この停車充電モードでは、内燃機関1の回転速度すなわち出力は、燃料効率がよく、しかも排気ガスの状態がよい状態に自動的に設定されるように制御回路のソフトウエアが設計される。
【0031】
ここで、パワーステアリング装置が問題になるのは、内燃機関1の回転が停止している状態で車両を走行させている「(1)電動走行モード」および「(5)回生モード」である。この二つのモードでは、内燃機関1の回転が停止している、もしくは停止する場合があり、このとき、内燃機関1により駆動される油圧ポンプ10は回転を停止して油圧を発生しなくなる。油圧ポンプ10が回転を停止しても、その油圧をある時間保持するような装置は簡単な構造では実現することができない。一般に、油圧ポンプ10が回転しなくなれば、この油圧ポンプ10により駆動される油圧により作動するパワーステアリング装置は利用できなくなる。
【0032】
図2は本発明実施例装置の構造図である。油圧ポンプ10により駆動された油圧は、油圧パワーステアリング装置20に供給される。油圧パワーステアリング装置20から還流するオイルはオイル・リザーバ21に還元する。この装置は、ステアリング・ホイール22の回転にしたがってステアリング・シリンダ23に油圧を供給して車両前輪を操舵する。
【0033】
ここで、本発明の装置は、このような油圧パワーステアリング装置に併設して、ステアリング・ホイール22の回転軸に電動ステアリング装置25を設けたところにある。この電動パワーステアリング装置25は、ステアリング・ホイール22に加えられる運転操作による回転力をセンサ33により検出し、これを増幅して伝達する電動アシスト形式の装置である。この電動パワーステアリング装置25の出力軸に現れる回転力は、増幅された回転力であり、油圧パワーステアリング装置20に供給する油圧がない状態でも、ステアリング・ホイール22の回転にしたがって車輪を操舵することができる。
【0034】
この電動パワーステアリング装置25に供給する電力は、ハイブリッド自動車の走行モードを制御するプログラム制御回路15により制御される。すなわち、センサ33により検出されるステアリング・ホイール22の回転入力は、入出力インターフエイス(I/O)を介して、プログラム制御回路15に取り込まれ、このプログラム制御回路15の制御により、極性反転スイッチ34を介して供給される駆動電流が制御される。その駆動電流はオン・オフ制御されるとともにその電流の極性によりアシスト・モータの回転方向が制御される。
【0035】
図3は電動パワーステアリング装置25の構造図である。この装置は、ステアリング・ホイール22と直結連動するステアリング・シャフト24の回転にしたがって、上記のように回転駆動されるアシスト・モータにより、プラネタリギヤを介してステアリング・シャフト24を回転駆動する構造の装置である。この構造を説明すると、この装置は、ステアリング・シャフト24とともに回動するキャリア30にそれぞれ回転自在に軸着された複数のプラネタリギヤ31と、車体固定部32にこのプラネタリギヤ31と噛み合うように取り付けられたリングギヤ28と、前記プラネタリギヤ31と噛み合い前記ステアリング・シャフト24の軸まわりを回動するサンギヤ29と、このサンギヤ29にロータ27が取り付けられ車体固定部32にステータ26が取り付けられた電動のアシスト・モータとを含む構造である。
【0036】
すなわちステアリング・シャフト24はプラネタリギヤ31の中心を貫通する。このプラネタリギヤ31のサンギヤ29とステアリング・シャフト24は固定される。そしてサンギヤ29にはアシスト・モータのロータ27を搭載し、車体固定部32に取り付けられたアシスト・モータのステータ26により、このロータ27を回転駆動する。これにより、サンギヤ29、つまりステアリング・シャフト24を回転駆動する。図4はこの動力伝達関係を示す模式図である。
【0037】
この構造により電動パワーステアリング装置25が有効になっている状態では、運転者かステアリング・ホイール22を回転させることにより、増幅された回転力により操舵を行うことができる。この構造の装置を装備した車両では、内燃機関が回転を停止した状態で車両が走行するモードでは、この電動パワーステアリング装置25が作動して、ステアリング装置に供給する油圧がない状態でも、パワーステアリングの機能を失うことがなくなる。
【0038】
図5は本発明実施例装置のパワーステアリング系についての制御フローチャートである。内燃機関が回転し油圧が供給される状態では、油圧パワーステアリング装置が作動する。そして、内燃機関が回転を停止した状態では電動パワーステアリング装置が作動する。さらに電動パワーステアリング装置に何らかの不具合が発生したときには、内燃機関を始動させて油圧を供給し、油圧パワーステアリング装置を作動させることができる。したがって、補助の電動パワーステアリング装置が故障したことにより、車両走行が不能になるような重大な故障につながることはない。
【0039】
電動パワーステアリング装置に不具合が発生したことは、電動パワーステアリング装置に供給する電流を検出することにより検出することができる。センサ33がステアリング・シャフト24の回転を検出している状態で、電動パワーステアリング装置25に動力源として供給する電流が過小である、あるいは過大である、もしくはその極性が正しくない、などによりその不具合を自動的に検出することができる。内燃機関1が回転を停止している状態で、電動パワーステアリング装置25が十分に作動せず、操舵輪の回転操作が重くなったときには、運転者は操作により内燃機関1を始動させることによっても、電動パワーステアリング25の不具合を救済することができる。
【0040】
【発明の効果】
本発明により、内燃機関を停止させ操舵装置用の油圧が得られない運転モードでも、有効なハイブリッド自動車用の操舵装置を提供することができる。本発明は、内燃機関が回転駆動されている大部分の走行時間あるいは走行状態では、従来から実績のある装置が利用されるから信頼性を損なうことはない。さらに、かりに補助の電動パワーステアリング装置が故障しても、内燃機関を始動させることにより車両走行に支障をきたす故障に発展することはなく、信頼性の高い装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するハイブリッド自動車の全体構成を説明するためのブロック構成図。
【図2】本発明実施例ステアリング装置の構造図。
【図3】電動ステアリング装置の断面構造図。
【図4】電動ステアリング装置の動力伝達模式図。
【図5】パワーステアリング系の制御に係る要部制御フローチャート。
【符号の説明】
1 内燃機関
2 電動発電機
3 クラッチ
4 変速機
5 一方向性の回転伝達手段
6 プロペラシャフト
7 ディファレンシャルギア
8 アクスル
9 駆動車輪
10 油圧ポンプ
11 燃料タンク
12 燃料ポンプ
13 インバータ
14 蓄電装置
15 プログラム制御回路
16 第一の回転センサ
17 第二の回転センサ
18 操作レバー
19 スタータモータ
20 油圧パワーステアリング装置
21 オイル・リザーバ
22 ステアリング・ホイール
23 ステアリング・シリンダ
24 ステアリング・シャフト
25 電動パワーステアリング装置
26 ステータ
27 アシスト・モータのロータ
28 リングギヤ
29 サンギヤ
30 キャリア
31 プラネタリギヤ
32 車体固定部
33 センサ
34 極性反転スイッチ

Claims (2)

  1. 車軸駆動源としての内燃機関および電動発電機を備え、この電動発電機の動作モードおよび前記内燃機関を制御するプログラム制御回路と、前記内燃機関を動力源とする油圧パワーステアリング装置とを備えたハイブリッド自動車の操舵装置において、
    前記油圧パワーステアリング装置と並列的に補助の電動パワーステアリング装置を設け、
    前記プログラム制御回路は、前記内燃機関を停止させて車両を走行させるモードでは前記電動パワーステアリング装置を有効な状態に制御する手段を含
    前記内燃機関の回転を停止させて車両を走行させるモードで前記電動パワーステアリングが有効に作用しないことが検出されるとき、前記内燃機関を自動的に始動させて前記油圧パワーステアリング装置を有効な状態に制御する手段を備えた
    ことを特徴とするハイブリッド自動車の操舵装置。
  2. 車軸駆動源としての内燃機関および電動発電機を備え、この電動発電機の動作モードおよび前記内燃機関を制御するプログラム制御回路と、前記内燃機関を動力源とする油圧パワーステアリング装置とを備えたハイブリッド自動車の操舵装置において、
    前記油圧パワーステアリング装置と並列的に補助の電動パワーステアリング装置を設け、
    前記プログラム制御回路は、前記内燃機関を停止させて車両を走行させるモードでは前記電動パワーステアリング装置を有効な状態に制御する手段を含み
    前記電動パワーステアリング装置は、ステアリング・シャフト(24)とともに回動するキャリア(30)に回転自在にそれぞれ軸着された複数のプラネタリギヤ(31)と、車体固定部(32)にこのプラネタリギヤ(31)と噛み合うように取り付けられたリングギヤ(28)と、前記プラネタリギヤ(31)と噛み合い前記ステアリング・シャフト(24)の軸まわりを回動するサンギヤ(29)と、このサンギヤ(29)にロータ(27)が取り付けられ車体固定部(32)にステータ(26)が取り付けられた電動のアシスト・モータとを含む
    ことを特徴とするハイブリッド自動車の操舵装置。
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